JP5997525B2 - 共重合ポリアミド組成物及び成形品 - Google Patents
共重合ポリアミド組成物及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5997525B2 JP5997525B2 JP2012155871A JP2012155871A JP5997525B2 JP 5997525 B2 JP5997525 B2 JP 5997525B2 JP 2012155871 A JP2012155871 A JP 2012155871A JP 2012155871 A JP2012155871 A JP 2012155871A JP 5997525 B2 JP5997525 B2 JP 5997525B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- copolymerized polyamide
- polyamide
- dicarboxylic acid
- copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polyamides (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
特許文献7には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とウンデカメチレンジアミンと1,6−ジアミノヘキサンとを重合したポリアミドが開示されている。特許文献8には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,12−ジアミノドデカンと1,6−ジアミノヘキサンとを重合したポリアミドが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜8に開示されているような、従来のポリアミド樹脂組成物では、未だ十分な特性が得られているとは言えず、改善の余地がある。
(A):(a)1種の脂環族ジカルボン酸からなる単位と、(b)デカメチレンジアミン
からなる単位と、(c)下記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも
1種の共重合成分からなる単位と、
(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸、
(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミン、
(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸、
を、含有し、
かつ下記条件(1)〜(3)を満足する、共重合ポリアミドと、
(1)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却し
たときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)
が、140℃以上である。
(2)炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)が、8以上である。
(3)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温し
たときに得られる融解ピーク温度Tpmと、20℃/minで再度昇温したときに得られる
融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)が、30℃以下である。
(B)銅化合物と、
を、含有する共重合ポリアミド組成物(但し、(A’):(a’)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、(b’)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミンと、を、重合させたポリアミドと、(B’):酸化チタンと、(C’)無機充填材と、を、含有し、前記(B’)酸化チタンの含有量が10質量%以上であり、前記(B’)酸化チタンと前記(C’)無機充填材との質量比が、(B’)/(C’)≧0.5であるポリアミド組成物を除く。)。
〔2〕
前記(a)脂環族ジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、前記
〔1〕に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔3〕
前記(B)銅化合物の含有量が、前記ポリアミド共重合体100質量部に対して、0.
005〜0.6質量部である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔4〕
前記(B)銅化合物が、ヨウ化銅、臭化銅及び酢酸銅からなる群より選ばれる少なくと
も一種である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔5〕
(C)アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の金属ハロゲン化物をさらに含有する、前記〔1〕乃至〔4〕
のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔6〕
前記(C)金属ハロゲン化物が、ヨウ化カリウム及び臭化カリウムからなる群より選ば
れる少なくとも一種である、前記〔5〕に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔7〕
ハロゲン元素の含有量C3と銅元素の含有量C4とのモル比C3/C4が、2/1〜50/
1である、前記〔4〕又は〔5〕に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔8〕
前記(B)銅化合物中の銅元素の含有量が、前記ポリアミド共重合体100質量部に対
して、0.005〜0.2質量部である、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の共
重合ポリアミド組成物。
〔9〕
前記(a)脂環族ジカルボン酸に由来する部分におけるトランス異性体比率が、65〜
80モル%である、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物
。
〔10〕
前記(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が、炭素数10以上
の脂肪族ジカルボン酸である、前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の共重合ポリア
ミド組成物。
〔11〕
前記(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が、セバシン酸及び
/又はドデカン二酸である、前記〔1〕乃至〔10〕のいずれか一に記載の共重合ポリア
ミド組成物。
〔12〕
前記(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が、イソフタル酸で
ある、前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔13〕
前記(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンが、炭素数4〜7の
脂肪族ジアミンである、前記〔1〕乃至〔12〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド
組成物。
〔14〕
JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したと
きに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、50℃/minで再度冷却したときに得られる
結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)が、10℃以下である、前記〔1〕乃
至〔13〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔15〕
前記共重合ポリアミド(A)の全構成単位の含有量の合計100モル%に対し、前記(
c)上記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分か
らなる単位の含有量が、7.5モル%以上20.0モル%以下である、前記〔1〕乃至〔
14〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔16〕
前記共重合ポリアミド(A)のバイオマスプラスチック度が25%以上である、前記〔
1〕乃至〔15〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物。
〔17〕
前記〔1〕乃至〔16〕のいずれか一に記載の共重合ポリアミド組成物を含む成形品。
さらに、本発明の共重合ポリアミド組成物は、共重合ポリアミドにおいてバイオマス由来の原料で構成されるユニットの割合(バイオマスプラスチック度)が高いため、環境負荷を低減できる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、
(A):(a)1種の脂環族ジカルボン酸からなる単位と、(b)炭素数8以上のジアミンからなる単位と、(c)下記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分からなる単位と、
(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸、
(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミン、
(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸、
を、含有し、
かつ下記条件(1)〜(3)を満足する、共重合ポリアミドと、
(1)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)が、140℃以上である。
(2)炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)が、8以上である。
(3)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに得られる融解ピーク温度Tpmと、20℃/minで再度昇温したときに得られる融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)が、30℃以下である。
(B)銅化合物と、
を、含有する。
本実施形態に用いる(A)共重合ポリアミド(以下、共重合ポリアミド(A)と記載する場合がある。)は、下記成分(a)からなる単位、下記成分(b)からなる単位及び下記成分(c)からなる単位を含有し、かつ下記条件(1)〜(3)を満足する。
(a)脂環族ジカルボン酸。
(b)炭素数8以上のジアミン。
(c)後述する(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分。
(1)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)が140℃以上であること。
(2)炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)が8以上であること。
(3)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温したときに得られる融解ピーク温度Tpmと、20℃/minで再度昇温したときに得られる融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)が30℃以下であること。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物を構成する(A)共重合ポリアミドに含まれる(a)脂環族ジカルボン酸(以下「脂環式ジカルボン酸」とも記される。)としては、特に限定されないが、例えば、脂環構造の炭素数が3〜10である脂環族ジカルボン酸、好ましくは脂環構造の炭素数が5〜10である脂環族ジカルボン酸が挙げられる。(a)脂環族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,3−シクロペンタンジカルボン酸などが挙げられる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物を構成する(A)共重合ポリアミドに含まれる(b)炭素数8以上のジアミンとしては、炭素数8以上のジアミンであれば特に限定されないが、例えば、無置換の直鎖脂肪族ジアミンでも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びtert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基などの置換基を有する分岐状脂肪族ジアミンでも、脂環族ジアミンでも、芳香族ジアミンでもよい。本実施形態に用いる(b)ジアミンにおける炭素数は、8〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましく、8〜12であることがさらに好ましい。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物に含まれる(A)共重合ポリアミドを構成する(c):(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分(以下、(c)共重合成分と記載する場合がある。)は、(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸、(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミン、並びに(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
本実施形態に用いる(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
中でも、(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、耐熱性などの観点で、セバシン酸及び/又はドデカン二酸が好ましい。
に特に制限はないが、50〜100モル%が好ましく、より好ましくは60〜100モル%であり、さらに好ましくは70〜100モル%である。
該(a)脂環族ジカルボン酸の割合が、50〜100モル%であることにより、強度、高温強度、低吸水性、低ブロッキング性、離型性及び可塑化時間安定性に優れる共重合ポリアミド(A)とすることができる。また、該共重合ポリアミド(A)を含む本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、振動疲労特性、表面外観及び連続生産性に優れる。
本実施形態に用いる(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンとしては、前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンであれば特に限定されず、例えば、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン及び芳香族ジアミンなどが挙げられる。
成分(c−2)は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)を得る際に、ジカルボン酸の添加量とジアミンの添加量とは、同モル量付近であることが好ましい。具体的には、重合反応中のジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、ジカルボン酸全体のモル量1に対して、ジアミン全体のモル量は、0.85〜1.1であることが好ましく、より好ましくは0.90〜1.05であり、さらに好ましくは0.95〜1.02である。
本実施形態に用いる(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸とは、重(縮)合可能なラクタム及び/又はアミノカルボン酸を意味する。
中でも、アミノカルボン酸としては、低吸水、靭性の観点で、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などがより好ましい。
本実施形態において、共重合ポリアミド(A)を重合する際に、上記(a)〜(c)成分以外に、分子量調節のために公知の末端封止剤をさらに添加することができる。
末端封止剤としては、特に限定されないが、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、及びモノアルコール類などが挙げられ、熱安定性の観点で、モノカルボン酸、及びモノアミンが好ましい。
また、共重合ポリアミド(A)を重合する際に、上記(a)〜(c)成分以外に末端封止剤をさらに添加することにより、共重合ポリアミド中に末端封止剤からなる単位が形成される。
末端封止剤としては、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(異性体比率)
本実施形態の共重合ポリアミド(A)において、(a)脂環族ジカルボン酸からなる単位は、トランス異性体及びシス異性体の幾何異性体として存在する。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)のバイオマスプラスチック度は、25%以上であることが好ましい。バイオマスプラスチック度とは、共重合ポリアミド(A)のうち、バイオマス由来の原料にて構成されるユニットの割合を意味し、下記実施例に記載する方法により算出することができる。より好ましいバイオプラスチック度としては30%以上である。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)のバイオマスプラスチック度の上限値は、特に限定されないが、80%以上になると共重合ポリアミドの長鎖モノマーが多くなり、融点の低下を招来するおそれがあるため、80%よりも低いことが好ましい。
したがって、共重合ポリアミド(A)において、バイオマスプラスチック度が高いことは、環境負荷の低減に非常に有効である。共重合ポリアミド(A)のバイオマスプラスチック度を高くする方法としては、特に限定されないが、例えば、共重合ポリアミド(A)を製造する際、上述したバイオマス由来の原料の配合割合を高くする方法などが挙げられる。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)の分子量は、25℃の硫酸相対粘度ηrを指標とする。
共重合ポリアミド(A)の25℃の硫酸相対粘度ηrを上記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の熱溶融重合時の添加物としてのジアミン及び末端封止剤の添加量、並びに重合条件を制御する方法などが挙げられる。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)の融解ピーク温度(融点)Tpm-1は、耐熱性の観点から、280℃以上が好ましく、より好ましくは、280℃以上330℃以下であり、さらに好ましくは300℃以上330℃以下であり、特に好ましくは310℃以上325℃以下である。融解ピーク温度Tpm-1が330℃以下である共重合ポリアミド(A)は、押出、成形などの溶融加工における熱分解などを抑制することができるため好ましい。
共重合ポリアミド(A)の融解ピーク温度(融点)Tpm-1を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。
本実施形態において、共重合ポリアミド(A)の、融解ピーク温度(融点)、結晶化ピーク温度及び結晶化エンタルピーは、JIS−K7121に準じて、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。具体的には、以下のとおり測定することができる。
測定装置としては、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いることができる。
測定条件は、窒素雰囲気下、試料約10mgを昇温速度20℃/minで50℃から350℃まで昇温する。このときに現れる吸熱ピークを融解ピークとし、もっとも高温側に現れるピークを融解ピーク温度Tpmとする。
続いて、350℃で3分間保った後、冷却速度20℃/minで350℃から50℃まで冷却する。このときに現れる発熱ピークを結晶化ピークとし、結晶化ピーク温度をTpc-1、結晶化ピーク面積を結晶化エンタルピーとする。続いて、50℃で3分間保った後、再度昇温速度20℃/minで50℃から350℃まで昇温する。
このときに現れるもっとも高温側に現れる吸熱ピークを融解ピーク温度Tpm-1とし、もっとも低温側に現れる吸熱ピークを融解ピーク温度Tpm-2とする。
なお、このときに現れる吸熱ピークが1つの場合は、該吸熱ピークを融解ピーク温度Tpm-1及びTpm-2(Tpm-1=Tpm-2)とする。さらに、350℃で3分間保った後、冷却速度50℃/minで350℃から50℃まで冷却する。このときに現れる結晶化ピーク温度をTpc-2とする。
共重合ポリアミド(A)において、融解ピーク温度Tpmと融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)が小さいほど、共重合ポリアミド(A)中で脂環族ジカルボン酸からなる単位が熱力学的に安定な構造をとることを意味する。
融解ピーク温度Tpmと融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)が前記範囲内である共重合ポリアミド(A)は、可塑化時間安定性に優れる。また、該共重合ポリアミド(A)を含む共重合ポリアミド組成物は、表面外観及び連続生産性に優れる。
共重合ポリアミド(A)において、融解ピーク温度Tpmと融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲とし、更に、共重合ポリアミド(A)中の(a)脂環族ジカルボン酸に由来する部分におけるトランス異性体比率を65〜80モル%の範囲内に制御する方法が挙げられる。
共重合ポリアミド(A)の前記融解ピーク温度(融点)Tpm-2を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。
共重合ポリアミド(A)における融解ピーク温度Tpm-1と融解ピーク温度Tpm-2との差(Tpm-1−Tpm-2)を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。
共重合ポリアミド(A)の前記結晶化ピーク温度Tpc-1を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。
共重合ポリアミド(A)の結晶化ピーク温度Tpc-2を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。
共重合ポリアミド(A)における結晶化ピーク温度Tpc-1と結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。また、(Tpc-1−Tpc-2)を小さくし、共重合ポリアミド(A)を安定な結晶構造にするためには、共重合ポリアミド(A)の構成成分である(a)〜(c)の炭素数を偶数とすることや、炭素鎖を直鎖状とすることや、共重合ポリアミド(A)中の炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を8以上9未満とすることが好ましい。
共重合ポリアミド(A)の結晶化エンタルピーを前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)中の炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を8以上とし、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法が挙げられる。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)のガラス転移温度Tgは、好ましくは90℃以上170℃以下であり、より好ましくは90℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは100℃以上140℃以下である。該ガラス転移温度Tgを90℃以上とすることにより、耐熱性や耐薬品性に優れる共重合ポリアミド(A)とすることができる。また、該ガラス転移温度を170℃以下とすることにより、共重合ポリアミド(A)から表面外観のよい成形品を得ることができる。
共重合ポリアミド(A)のガラス転移温度Tgを前記範囲内に制御する方法としては、例えば、共重合ポリアミド(A)の構成成分を上記(a)〜(c)成分とし、共重合成分の配合比率を上述した範囲に制御する方法などが挙げられる。
共重合ポリアミド(A)において、結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)が大きいほど、結晶化できる温度範囲が広く、共重合ポリアミド(A)の結晶構造が安定であることを意味する。
結晶化ピーク温度Tpc-1とガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)が140℃以上である共重合ポリアミド(A)は、低ブロッキング性、離型性に優れる。結晶化ピーク温度Tpc-1とガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)の上限は、特に限定されないが、例えば、300℃以下である。
また、(Tpc-1−Tg)を大きくし、共重合ポリアミド(A)を安定な結晶構造にするためには、共重合ポリアミド(A)の構成成分(a)〜(c)の炭素数を偶数とすることや、炭素鎖を直鎖状とすることや、共重合ポリアミド(A)中の炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を8以上9未満とすることが好ましい。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)のポリマー末端は、以下のように分類し、定義される。
すなわち、1)アミノ末端、2)カルボキシル末端、3)封止剤による末端、及び4)その他の末端である。
共重合ポリアミド(A)のポリマー末端とは、ジカルボン酸とジアミンとがアミド結合により重合したポリマー鎖の末端部分を意味する。前記共重合ポリアミド(A)のポリマー末端は、これら1)〜4)の末端のうちの1種以上である。
2)カルボキシル末端は、カルボキシル基(−COOH基)が結合したポリマー末端であり、原料のジカルボン酸に由来する。
3)封止剤による末端は、重合時に添加した末端封止剤、例えば、カルボン酸又はアミンにより封止されたポリマー末端である。
4)その他の末端は、上記の1)〜3)に分類されないポリマー末端であり、特に限定されないが、例えば、アミノ末端が脱アンモニア反応して生成した末端や、カルボキシル末端から脱炭酸反応して生成した末端等が挙げられる。
共重合ポリアミド(A)におけるアミノ末端量とカルボキシル末端量との総量に対するアミノ末端量の比を0.5以上1.0以下とすることにより、共重合ポリアミド(A)の強度、靭性、熱時安定性及び耐加水分解性や、該共重合ポリアミド(A)を含む共重合ポリアミド組成物の色調及び振動疲労特性を維持したまま、該共重合ポリアミド組成物の熱劣化の低下をより一層抑制することができる。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)において、炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)は、低吸水性の観点から8以上であり、好ましくは8.2以上9未満である。該炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)は、共重合ポリアミド(A)のアミノ基濃度を示す指標である。該炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を前記範囲内とすることにより、強度、高温強度、低吸水性、低ブロッキング性、離型性及び可塑化時間安定性に優れた共重合ポリアミド(A)、並びに振動疲労特性、色調及び強度半減期に優れた共重合ポリアミド組成物を提供できる。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)の製造方法としては、上述した条件(1)〜(3)等の特性を満たす共重合ポリアミド(A)が得られる方法であれば特に限定されないが、例えば、上述した(a)脂環族ジカルボン酸と、(b)炭素数8以上のジアミンと、(c)所定の共重合成分とを重合させる工程を含む、共重合ポリアミド(A)の製造方法が挙げられる。
本実施形態の共重合ポリアミドの製造方法としては、末端封止剤を添加する工程を含む。末端封止剤は、共重合時に添加することが好ましい。
1)ジカルボン酸、ジアミン塩又はその混合物の、水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下「熱溶融重合法」と略称する場合がある。)。
2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下「熱溶融重合・固相重合法」と略称する場合がある。)。
3)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド成分と、ジアミン成分とを用いて重合させる方法(「溶液法」)。
中でも、熱溶融重合法を含む製造方法が好ましく、熱溶融重合法により共重合ポリアミド(A)を製造する際には、重合が終了するまで、溶融状態を保持することが好ましい。溶融状態を保持するためには、共重合ポリアミド(A)の構成成分に適した重合条件で製造することが好ましい。具体的には、例えば、該熱溶融重合法における重合圧力を23〜50kg/cm2(ゲージ圧)、好ましくは25kg/cm2(ゲージ圧)以上の高圧に制御し、加熱を続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで30分以上かけながら降圧する方法などが挙げられる。このような製造方法により得られる共重合ポリアミド(A)は、上述した条件(1)〜(3)やトランス異性体比率等の特性を満たすことができる。
亜リン酸金属塩は、1種の亜リン酸金属塩を用いてもよく、2種以上の亜リン酸金属塩を組み合わせて用いてもよい。
亜リン酸金属塩は、水和物であってもよい。該水和物としては、特に限定されないが、例えば、次亜リン酸ナトリウム・一水和物(NaH2PO2・H2O)などが挙げられる。
本実施形態に用いる共重合ポリアミド(A)の製造方法において、亜リン酸金属塩を用いる場合、上述した(a)〜(c)成分を重合させる工程で亜リン酸金属塩を添加してもよく、共重合ポリアミド(A)の重合度を上昇させる工程で亜リン酸金属塩を添加してもよい。また、亜リン酸金属塩の添加量は、得られる共重合ポリアミド(A)中のリン元素含有量が後述の特定の範囲となるように制御することが好ましい。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、(A)上述した共重合ポリアミドと、(B)銅化合物と、を含有する。
さらに、無機充填材、造核剤、安定剤、及び前記共重合ポリアミド(A)以外のポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有してもよい。
(B)銅化合物は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属ハロゲン化物をさらに含有していてもよい。金属ハロゲン化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、ポリアミド共重合体(A)と銅化合物(B)のほかに、ガラス繊維を含有してもかまわない。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、ガラス繊維を含有することにより、強度、高温強度、低吸水性に優れ、かつ成形時において可塑化時間安定性、及び低ブロッキング性に優れ、並びに成形条件を変えても離形性や表面外観性に優れた共重合ポリアミド組成物の性質を損なうことなく、これらの特性に加え、吸水後の剛性、高温使用下での剛性に優れる。
ガラス繊維は、断面が真円状でも扁平状でもよい。
ガラス繊維の断面の扁平状の形状には、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型等が挙げられる。
また、扁平率は、繊維断面の長径をD2、繊維の断面の短径をD1とするとき、D2/D1で表される(真円状は、扁平率約1となる。)。
扁平状のガラス繊維を使用するときは、扁平率は1.5〜10が好ましい。
ガラス繊維の中でも、優れた機械的強度特性を共重合ポリアミド組成物に付与できるという観点から、数平均繊維径が3〜30μmであり、重量平均繊維長が100〜750μmであり、重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)が10〜100であるものが好ましい。
なお、数平均繊維径(D)及び重量平均繊維長(L)は、例えば、共重合ポリアミド組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上のガラス繊維を任意に選択し、SEMで観察して繊維径を測定することにより数平均繊維径を測定でき、倍率1000倍でのSEM写真を用いて繊維長を計測することにより重量平均繊維長を求めることができる。
前記ガラス繊維の含有量を1質量部以上とすることにより、共重合ポリアミド組成物の強度向上効果が十分に発現し、また、含有量を200質量部以下とすることにより、押出性、成形性、表面外観に優れる共重合ポリアミド組成物が得られる。
前記ガラス繊維は、シランカップリング剤等の表面処理剤により処理を施してもよい。
シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランやN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、アミノシラン類がより好ましい。
前記ガラス繊維には、必要に応じて集束剤による処理を施してもよい。
集束剤としては、例えば、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他の共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第一級、第二級、及び第三級アミンとの塩などを含んでもよい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、共重合ポリアミド組成物の機械的強度の観点から、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせが好ましく、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体と前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせがより好ましい。
一方、前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とは、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とは異なる不飽和ビニル単量体をいう。前記カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体としては、以下に挙げるものに制限されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートが挙げられる。特に、スチレンやブタジエンが好ましい。これらの組み合わせの中でも、無水マレイン酸とブタジエンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレンとの共重合体、及び無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、並びにこれらの混合物よりなる群から選択される1種以上であることがより好ましい。
例えば、m−キシリレンジイソシアナート(XDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)やイソホロンジイソシアナート(IPDI)等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるものが好適に使用できる。
ポリアクリル酸は塩形態であってもよい。ポリアクリル酸の塩としては、第一級、第二級、第三級のアミンが挙げられる。例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミンや、グリシン等が挙げられる。中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤等)との混合溶液の安定性向上の観点や、アミン臭低減の観点から、20〜90%とすることが好ましく40〜60%とすることがより好ましい。ポリアクリル酸の塩の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、3,000〜50,000の範囲であることが好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、強度及び剛性の向上を図る観点から、50,000以下が好ましい。
なお、上述したモノマーのうちエステル系モノマーを1種以上有することが好ましい。
ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、強度及び剛性の向上を図る観点から、50,000以下が好ましい。
前記繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。かかる集束剤は、ガラス繊維100質量%に対し、固形分率として0.2〜3質量%相当を付与(添加)することが好ましく、より好ましくは0.3〜2質量%付与(添加)する。ガラス繊維の集束を維持する観点から、集束剤の添加量が、ガラス繊維100質量%に対し固形分率として0.2質量%以上であることが好ましい。一方、共重合ポリアミド組成物の熱安定性向上の観点から、3質量%以下であることが好ましい。また、ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよく、ストランドを乾燥した後に切断してもよい。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、ポリアミド共重合体(A)と銅化合物(B)のほかに、ガラス繊維以外の無機充填材(以下、無機充填材と称することもある)を含有してもかまわない。
ガラス繊維以外の無機充填材の含有量は、上述した(A)ポリアミド共重合体100質量部に対して1〜200質量部であり、好ましくは2〜150質量部であり、より好ましくは3〜120質量部であり、さらに好ましくは5〜100質量部であり、さらにより好ましくは10〜80質量部である。
ガラス繊維以外の無機充填材の含有量を1質量部以上とすることにより、共重合ポリアミド組成物の剛性向上効果が発現し、また、含有量を200質量部以下とすることにより、押出性、成形性に優れる共重合ポリアミド組成物が得られる。
また、無機充填材の中でも、ウォラストナイトのような、針状の形状を持つものに関しては、平均繊維径を平均粒径とする。さらに、断面が円でない場合はその長さの最大値を繊維径とする。針状の形状を持つものの重量平均繊維長(L)と数平均繊維径(D)とのアスペクト比(L/D)に関しては、成形品外観、射出成形機等の金属性パーツの磨耗の観点から、1.5〜10が好ましく、2.0〜5がさらに好ましく、2.5〜4がよりさらに好ましい。
具体的な平均粒径の測定方法としては、走査電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製、JSM−6700F)を用いて、ガラス繊維以外の無機充填材像を倍率1000倍から50000倍で撮影し、任意に選んだ500個の無機充填材から粒径を測定する。無機充填材が、針状の場合であって、断面が円である場合は、針径を粒径とし、断面が円でない場合は、針状体の長さの最大値を針径とし、これを粒径とみなす。
ガラス繊維以外の無機充填材は、シランカップリング剤等により表面処理を施してもよい。
前記シランカップリング剤としては、下記の例に限定されるものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランやγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。
特に、上記の列挙した成分から選択される1種以上であることが好ましく、アミノシラン類がより好ましい。
表面処理剤は、予め無機充填材の表面に処理することもできるし、(A)ポリアミド、ガラス繊維、無機充填材を混合する際に添加してもよい。表面処理剤の量は、無機充填材100質量部に対して、0.05質量部〜1.5質量部の範囲である。
前記造核剤としては、以下に制限されないが、例えば、添加により共重合ポリアミド組成物の、結晶化ピーク温度を上昇させたり、結晶化ピークの補外開始温度と補外終了温度との差を小さくしたり、得られる成形品の球晶を微細化又はサイズの均一化させたりする効果が得られる物質のことを意味する。造核剤としては、特に限定されないが、例えば、タルク、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化珪素、カーボンブラック、チタン酸カリウム、及び二硫化モリブデンなどが挙げられる。
潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、及び高級脂肪酸アミド挙げられる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、ポリアミド共重合体(A)と銅化合物(B)のほかに、熱安定剤を含有してもかまわない。
熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、アミン系熱安定剤などの各種熱安定剤が挙げられる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、ポリアミド共重合体(A)と銅化合物(B)のほかに、共重合ポリアミド(A)以外のポリマーを含有してもかまわない。
前記共重合ポリアミド(A)以外のポリマーとしては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂やエラストマー成分等が挙げられる。
その他の熱可塑性樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂液晶ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリエーテル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン等の縮合系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレンープロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲンビニル化合物系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
これらのエラストマー成分は、1種類単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物には、必要に応じて、本実施形態の目的を損なわない範囲で、顔料及び染料などの着色剤(着色マスターバッチを含む。を添加してもよい。
着色剤としては、特に限定されないが、例えば、ニグロシン等の染料、酸化チタン及びカーボンブラック等の顔料、アルミニウム、着色アルミニウム、ニッケル、スズ、銅、金、銀、白金、酸化鉄、ステンレス、及びチタン等の金属粒子、並びにマイカ製パール顔料、カラーグラファイト、カラーガラス繊維、及びカラーガラスフレーク等のメタリック顔料などからなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤が挙げられる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ポリアミドに慣用的に用いられる添加剤を含有させることもできる。該添加剤としては、特に限定されないが、例えば、難燃剤、フィブリル化剤、蛍光漂白剤、可塑化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、流動性改良剤、展着剤等が挙げられる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物は、(A)ポリアミド共重合体に、(B)銅化合物、必要に応じて、(C)金属ハロゲン化物、ガラス繊維、ガラス繊維以外の無機充填材、造核剤、熱安定剤、潤滑剤、着色剤等の各種添加剤、その他の樹脂等を配合することにより作製できる。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物の製造方法としては、上述の共重合ポリアミド(A)を含む原料成分を溶融混練する工程を含む製造方法であれば、特に限定されないが、例えば、上述の共重合ポリアミド(A)を含む原料成分を押出機で溶融混練する工程を含み、前記押出機の設定温度を、上述の共重合ポリアミド(A)の融解ピーク温度Tpm-1+30℃以下とする方法が好ましい。
本実施形態の成形品は、上述の共重合ポリアミド(A)又は共重合ポリアミド組成物を含む成形品である。
本実施形態の成形品は、上述の共重合ポリアミド(A)又は共重合ポリアミド組成物を、公知の成形方法を用いて成形することにより得られる。当該成形方法としては、特に限定されないが、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、及び溶融紡糸など、一般に知られているプラスチック成形方法が挙げられる。
本実施形態の成形品は、上述の共重合ポリアミド(A)又は共重合ポリアミド組成物から得られるので、耐熱性、成形性、機械的強度、低吸水性、振動疲労特性、及び表面外観に優れる。したがって、本実施形態の成形品は、自動車部品、電気及び電子部品、家電部品、OA機器部品、携帯機器部品、産業機器部品、日用品及び家庭品などの各種部品として、また、押出用途などに好適に用いることができる。中でも、本実施形態の成形品は、自動車部品、電子部品、家電部品、OA機器部品又は携帯機器部品として好適に用いられる。
携帯機器部品としては、特に限定されないが、例えば、携帯電話、スマートフォン、パソコン、携帯ゲーム機器、デジタルカメラなどの筐体、及び構造体などが挙げられる。
また、本実施形態の成形品は、表面外観に優れるので、成形品表面に塗装膜を形成させた成形品としても好ましく用いられる。塗装膜の形成方法は公知の方法であれば特に限定されず、例えば、スプレー法、静電塗装法などの塗装によることができる。また、塗装に用いる塗料は、公知のものであれば特に限定されず、メラミン架橋タイプのポリエステルポリオール樹脂塗料、アクリルウレタン系塗料などを用いることができる。
実施例及び比較例に用いた原料及び測定方法を以下に示す。なお、本実施例において、1kg/cm2は、0.098MPaを意味する。
本実施形態の共重合ポリアミド組成物の原料として用いた、(A)共重合ポリアミド、(B)銅化合物、(C)金属ハロゲン化物等を下記に示す。
(1)製造例1に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンとセバシン酸とを重合させたポリアミド(PA−1)
(2)製造例2に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンとイソフタル酸とを重合させたポリアミド(PA−2)
(3)製造例3に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とオクタメチレンジアミンとイソフタル酸とを重合させたポリアミド(PA−3)
(4)製造例4に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンと1,6−ジアミノヘキサンとを重合させたポリアミド(PA−4)
(5)製造例5に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンと1,6−ジアミノヘキサンとセバシン酸とを重合させたポリアミド(PA−5)
(6)製造例6に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,12−ジアミノドデカンと1,6−ジアミノヘキサンとを重合させたポリアミド(PA−6)
(7)製造例7に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と1,12−ジアミノドデカンと1,10−ジアミノデカンとを重合させたポリアミド(PA−7)
(8)製造例8に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンとε−カプロラクタムとを重合させたポリアミド(PA−8)
(9)製造例9に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とデカメチレンジアミンと11−アミノウンデカン酸とを重合させたポリアミド(PA−9)
(10)比較製造例1に記載の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸とヘキサメチレンジアミン、ε−カプロラクタムとを重合させたポリアミド(PA−10)
(11)比較製造例2に記載のポリアミド9T(PA−11)
製造例1〜9、比較製造例1、2の(A)共重合ポリアミド等を構成するジカルボン酸、ジアミン及びカプロラクタム等について下記に示す。
(1)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)
商品名:1,4−CHDA HPグレード(トランス体/シス体=25/75)
(イーストマンケミカル社製)
(2)セバシン酸(C10DC)
商品名:セバシン酸TA(伊藤製油社製)
(3)イソフタル酸(IPA)(和光純薬工業社製)
(4)テレフタル酸(TPA)(和光純薬工業社製)
(1)1,10−ジアミノデカン(デカメチレンジアミン)(C10DA)(東京化成工業製)
(2)1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン)(C6DA)(東京化成工業製)
(3)オクタメチレンジアミン(C8DA)(東京化成工業社製)
(4)1,12−ジアミノドデカン(ドデカメチレンジアミン)(C12DA)(東京化成工業製)
(5)1,9−ジアミノノナン(ノナメチレンジアミン)(C9DA)(東京化成工業製)
(6)2−メチルオクタメチレンジアミン(2MC8DA) 特開平05−17413号公報に記載されている製法を参考にして製造した。
(1)ε−カプロラクタム(CPL)(和光純薬工業製)
(2)11−アミノウンデカン酸(11AU)(アルドリッチ社製)
(b1)ヨウ化銅(I) 和光純薬工業製 商品名 ヨウ化銅(I)
(b2)臭化銅(I) 和光純薬工業製 商品名 臭化銅(I)
(c1)ヨウ化カリウム 和光純薬工業製 商品名 ヨウ化カリウム
(c2)臭化カリウム 和光純薬工業製 商品名 臭化カリウム
分散剤 エチレンビスステアリルアミド ライオン製 商品名 アーモワックス EBS
(1)共重合ポリアミド(A)中の各構成単位の含有量
共重合ポリアミド(A)中の各構成単位の含有量を1H−NMR測定により以下のように定量した。製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミドのペレットを約5質量%の濃度になるように重ヘキサフルオロイソプロパノールに加熱して溶解し、日本電子製核磁気共鳴分析装置JNM ECA-500を用いて1H−NMRの分析を行い積分比を計算することによって、共重合ポリアミドを構成する(a)脂環族ジカルボン酸からなる単位、(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸からなる単位、(b)炭素数8以上のジアミンからなる単位、(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンからなる単位、(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸からなる単位の含有量を決定した。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)の脂環族ジカルボン酸に由来する部分におけるトランス異性化率を以下のとおり求めた。
共重合ポリアミド30〜40mgをヘキサフルオロイソプロパノール重水素化物1.2gに溶解し、得られた溶液を用い、1H−NMRを測定した。1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の場合、1H−NMR測定における、トランス異性体に由来する1.98ppmのピーク面積とシス異性体に由来する1.77ppm及び1.86ppmのピーク面積との比率から共重合ポリアミド(A)の脂環族ジカルボン酸に由来する部分におけるトランス異性体比率を求めた。
トランス異性体比率を下記表2に示す。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)の、融解ピーク温度(融点)、結晶化ピーク温度及び結晶化エンタルピーを、JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて以下のとおり測定した。該測定は、窒素雰囲気下で行った。まず、試料約10mgを昇温速度20℃/minで50℃から350℃まで昇温した。このときに現れる吸熱ピークを融解ピークとし、もっとも高温側に現れたピークを融解ピーク温度Tpmとした。続いて、350℃で3分間保った後、冷却速度20℃/minで350℃から50℃まで冷却した。このときに現れる発熱ピークを結晶化ピークとし、結晶化ピーク温度をTpc-1、結晶化ピーク面積を結晶化エンタルピーとした。続いて、50℃で3分間保った後、再度昇温速度20℃/minで50℃から350℃まで昇温した。このときに現れるもっとも高温側に現れたピークを融解ピーク温度Tpm-1とし、もっとも低温側に現れたピークを融解ピーク温度Tpm-2とした。さらに、350℃で3分間保った後、冷却速度50℃/minで350℃から50℃まで冷却した。このときに現れる結晶化ピーク温度をTpc-2とした。
融解ピーク温度Tpm-1、融解ピーク温度Tpm-2を下記表2に示す。
融解ピーク温度Tpmと、融解ピーク温度Tpm-1との差を算出し、下記表2に示す。
融解ピーク温度Tpm-1と、融解ピーク温度Tpm-2との差を算出し、下記表2に示す。
20℃/minで冷却したときの結晶化ピーク温度をTpc-1、50℃/minで冷却したときの結晶化ピーク温度Tpc-2を下記表2に示す。
結晶化ピーク温度をTpc-1と、結晶化ピーク温度をTpc-2との差を算出し、下記表2に示す。
20℃/minで冷却したときの結晶化エンタルピーを下記表2に示す。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)のガラス転移温度を、JIS−K7121に準じて、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSCを用いて以下のとおり測定した。まず、試料をホットステージ(Mettler社製EP80)で溶融させた。得られた溶融状態のサンプルを、液体窒素を用いて急冷し、固化させ、測定サンプルとした。当該測定サンプル10mgを用いて、昇温速度20℃/minの条件下、30〜350℃の範囲で昇温して、ガラス転移温度Tgを測定した。
ガラス転移温度Tgを下記表2に示す。
また、前記(3)で求めた結晶化ピーク温度をTpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差を算出し、下記表2に示す。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)の25℃における硫酸相対粘度ηrを、JIS−K6920に準じて測定した。具体的には、98%硫酸を用いて、1%の濃度の溶解液((ポリアミド1g)/(98%硫酸100mL)の割合)を作製し、得られた溶解液を用いて25℃の温度条件下で硫酸相対粘度ηrを測定した。
25℃における硫酸相対粘度ηrの値を、下記表2に示す。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)において、ポリマー末端に結合するアミノ末端量を、中和滴定により以下のとおり測定した。
ポリアミド3.0gを90質量%フェノール水溶液100mLに溶解し、得られた溶液を用い、0.025Nの塩酸で滴定を行い、該滴定結果に基づきアミノ末端量(μ当量/g)を求めた。終点はpH計の指示値から決定した。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)において、ポリマー末端に結合するカルボキシル末端量を、中和滴定により以下のとおり測定した。
ポリアミド4.0gをベンジルアルコール50mLに溶解し、得られた溶液を用い、0.1NのNaOHで滴定を行い、該滴定結果に基づきカルボキシル末端量(μ当量/g)を求めた。終点はフェノールフタレイン指示薬の変色から決定した。
上記(6)、(7)において得られた値から、([NH2]/([NH2]+[COOH])を算出した。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)において、アミド基1個あたりの炭素数の平均値(炭素数/アミド基数)を計算により求めた。具体的には、分子種主鎖中に含まれる炭素数を分子主鎖中に含まれるアミド基数で割り返すことにより炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を求めた。該炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)を、共重合ポリアミド(A)におけるアミノ基濃度を示す指標とした。
製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)において、バイオマス由来の原料にて構成されるユニットの質量%をバイオマスプラスチック度として算出した。
具体的には、ひまし油を原料としている、セバシン酸、1,10−ジアミノデカン、11−アミノウンデカン酸を、バイオマス由来の原料とした。
そして、製造例及び比較製造例で得られた共重合ポリアミド(A)において、セバシン酸又は1,10−ジアミノデカンに由来するユニットの割合を算出し、当該割合をバイオマスプラスチック度とした。尚、ポリアミドの重合においては、アミド結合の形成の際に、ジアミン中の2つの水素原子と、ジカルボン酸中の2つの酸素原子と、2つの水素原子とから、2モルの水分子が生成することを考慮して算出した。
実施例及び比較例で得られた共重合ポリアミド組成物のペレットを、射出成形機[PS−40E:日精樹脂株式会社製]を用いて、ISO 3167に準拠し、厚み4mmのISO試験片に成形した。具体的な成形条件は、射出+保圧時間25秒、冷却時間15秒、金型温度を80℃、溶融樹脂温度を共重合ポリアミドの高温側の融解ピーク温度(Tpm-1)+20℃に設定した。
得られた試験片を用いて、ISO178に準じて、23℃下で曲げ弾性率を測定した。
また、100℃下にした以外は同様にして、100℃における曲げ弾性率を測定した。
100℃保持率は下記式を用いて求めた。
100℃保持率(%)=100℃曲げ弾性率/吸水前(Dry)曲げ弾性率×100
前記ISO試験片を用いて、80℃の温水中で24時間浸漬後、ISO178に準じて曲げ弾性率を測定した。Wet保持率は下記式を用いて求めた。
Wet保持率(%)=吸水後(Wet)曲げ弾性率/吸水前(Dry)曲げ弾性率×100
実施例及び比較例で得られた共重合ポリアミド組成物のペレットから平板プレート成形片を以下のとおり作製した。
射出成形機[IS150E:東芝機械株式会社製]を用いて、冷却時間25秒、スクリュー回転数200rpm、金型温度をTg+20℃、シリンダー温度=(Tpm-1+10)℃〜(Tpm-1+30)℃に設定し、充填時間が1.0±0.1秒の範囲となるように、射出圧力及び射出速度を適宜調整し、共重合ポリアミド組成物ペレットから平板プレート成形片(13cm×13cm、厚さ4mm)を作製した。
堀場(株)製、ハンディ光沢度計「IG320」により、前記成形外観性評価用の成形品の60℃反射グロス値を求めた。該測定値が大きいほど表面外観に優れると判断した。
前記厚み4mmのISOダンベルを熱風オーブン中で200℃、所定時間処理した後、ISO527に準じて引張強度を測定した。(n=3の平均)そして、熱処理前に測定した引張強度(n=3の平均)に対する熱処理後の引張強度を引張保持率として算出し、引張強度保持率が50%となる熱処理時間を強度半減期とした。
以下、共重合ポリアミドの製造例、比較製造例を示す。
併せて上記の測定項目を実施したので、説明する。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
ジカルボン酸:CHDA650g(3.78モル)、セバシン酸:C10DC85g(0.42モル)及びジアミン:C10DA720g(4.18モル)を、蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
この均一水溶液にジアミン:C10DA17g(0.10モル)を追添した。
このようにして得られた水溶液を、内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に仕込み、液温(内温)が50℃になるまで加温して、オートクレーブ内を窒素置換した。
オートクレーブの槽内(以下単に「槽内」とも記す。)の圧力が、ゲージ圧として(以下、槽内の圧力は全てゲージ圧として表記する。)、約2.5kg/cm2になるまで、液温を約50℃から加熱を続けた(この系での液温は約145℃であった。)。槽内の圧力を約2.5kg/cm2に保つため水を系外に除去しながら、加熱を続けて、水溶液の濃度が約75質量%になるまで濃縮した(この系での液温は約160℃であった。)。水の除去を止め、槽内の圧力が約30kg/cm2になるまで加熱を続けた(この系での液温は約245℃であった。)。槽内の圧力を約30kg/cm2に保つため、水を系外に除去しながら、最終温度(後述の355℃)−50℃(ここでは305℃)になるまで加熱を続けた。液温が最終温度(後述の355℃)−50℃(ここでは305℃)まで上昇した後に、加熱は続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで120分ほどかけながら降圧した。
このようにして得られた共重合ポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。該調整後の共重合ポリアミドについて、上記測定方法に基づいて行った測定結果を、下記表2に示す。
ジカルボン酸、ジアミン及びカプロラクタムとして下記表1に記載の化合物及び量を用い、また、樹脂温度の最終温度を下記表1に示す温度にした以外は、製造例1に示した方法と同様にしてポリアミドの重合を行った(「熱溶融重合法」)。
得られた共重合ポリアミド(PA−2〜PA−10)中の各構成単位の含有量を1H−NMR測定により、共重合ポリアミドを構成するジアミン、ジカルボン酸の含有量を測定し、仕込み通りの組成になっていることを確認した。
このようにして得られた共重合ポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。該調整後の共重合ポリアミドについて、上記測定方法に基づいて行った測定結果を、下記表2に示す。
ポリアミド9T(以下、「PA9T」と略記する)を、特開平7−228689号公報の実施例1に記載された方法を参考に製造した。その際、テレフタル酸単位をジカルボン酸単位とした。一方、1,9−ノナメチレンジアミン単位及び2−メチルオクタメチレンジアミン単位[1,9−ノナメチレンジアミン単位:2−メチルオクタメチレンジアミン単位=80:20(モル比)]をジアミン単位とした。
表1に記載の原料と蒸留水1500gとを内容積5.4Lのオートクレーブ(日東高圧製)に入れ(不均一スラリー状態)、窒素で置換した。100℃で30分間撹拌し、2時間かけて内部温度を210℃まで昇温した。その際、オートクレーブは22kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃で恒温し、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで下げ、さらに1時間反応させて、プレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.1mmHg下にて、10時間固相重合し、PA9Tを得た。
得られた共重合ポリアミド(PA−11)中の各構成単位の含有量を1H−NMR測定により、共重合ポリアミドを構成するジアミン、ジカルボン酸の含有量を測定し、仕込み通りの組成になっていることを確認した。
このようにして得られた共重合ポリアミドを、窒素気流中で乾燥させ、水分率を約0.2質量%に調整した。該調整後の共重合ポリアミドについて、上記測定方法に基づいて行った測定結果を、下記表2に示す。
<実施例1>
上記製造例1で得られた共重合ポリアミド(PA−1)を、窒素気流中で乾燥し、水分率を約0.2質量%に調整した。
ヨウ化カリウム84.9質量部、エチレンビスステアリルアミド10質量部を混合し、ヨウ化カリウムとエチレンビスステアリルアミドの混合物を得た。該混合物にヨウ化銅5.1質量部をよく混合し、ディスクペレッター(不二パウダル社製f5−11−175)で顆粒化し、顆粒を得た。
共重合ポリアミド組成物の製造例には、押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)の二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用いた。該二軸押出機において、上流側供給口からダイまでを、上記製造例又は比較製造例により製造した共重合ポリアミド(A)の融解ピーク温度Tpm-1+20℃(実施例1では348℃)に設定した。また、該二軸押出機において、スクリュー回転数300rpm、吐出量25kg/hとした。
下記表3に示す割合となるように、(A)共重合ポリアミドと、上で調整した(B)銅化合物及び(C)金属ハロゲン化物からなる顆粒を上流側供給口より前記二軸押出機に供給した。
紡口より押出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてペレット状の共重合ポリアミド組成物を得た。
上記記載の方法により、上述した各曲げ弾性率(乾燥時剛性と吸水時剛性)、成形性(外観性)、耐熱エージング性の評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
各原料組成を下記表3に示す割合となるようにした以外は、実施例1と同様にして、共
重合ポリアミド組成物ペレットを作製した。
得られた共重合ポリアミド組成物のペレットを、上記記載の方法により、上述した各曲
げ弾性率(乾燥時剛性と吸水時剛性)、成形性(外観性)、耐熱エージング性の評価を行
った。評価結果を下記表3に示す。
ヨウ化カリウム、ヨウ化銅のかわりにそれぞれ臭化カリウム85.0質量部、臭化銅5.3質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合ポリアミド組成物ペレットを作製した。得られた、共重合ポリアミド組成物のペレットを、上記記載の方法により、上述した各曲げ弾性率(乾燥時剛性と吸水時剛性)、成形性(外観性)、耐熱エージング性の評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
Claims (17)
- (A):(a)1種の脂環族ジカルボン酸からなる単位と、(b)デカメチレンジアミン
からなる単位と、(c)下記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも
1種の共重合成分からなる単位と、
(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸、
(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミン、
(c−3)ラクタム及び/又はアミノカルボン酸、
を、含有し、
かつ下記条件(1)〜(3)を満足する、共重合ポリアミドと、
(1)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却し
たときに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、ガラス転移温度Tgとの差(Tpc-1−Tg)
が、140℃以上である。
(2)炭素数とアミド基数との比(炭素数/アミド基数)が、8以上である。
(3)JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで昇温し
たときに得られる融解ピーク温度Tpmと、20℃/minで再度昇温したときに得られる
融解ピーク温度Tpm-1との差(Tpm−Tpm-1)が、30℃以下である。
(B)銅化合物と、
を、含有する共重合ポリアミド組成物(但し、(A’):(a’)少なくとも70モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、(b’)主鎖が直鎖のジアミンを50モル%を超えて含むジアミンと、を、重合させたポリアミドと、(B’):酸化チタンと、(C’)無機充填材と、を、含有し、前記(B’)酸化チタンの含有量が10質量%以上であり、前記(B’)酸化チタンと前記(C’)無機充填材との質量比が、(B’)/(C’)≧0.5であるポリアミド組成物を除く。)。 - 前記(a)脂環族ジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である、請求
項1に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記(B)銅化合物の含有量が、前記ポリアミド共重合体100質量部に対して、0.
005〜0.6質量部である、請求項1又は2に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記(B)銅化合物が、ヨウ化銅、臭化銅及び酢酸銅からなる群より選ばれる少なくと
も一種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - (C)アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の金属ハロゲン化物をさらに含有する、請求項1乃至4のいず
れか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記(C)金属ハロゲン化物が、ヨウ化カリウム及び臭化カリウムからなる群より選ば
れる少なくとも一種である、請求項5に記載の共重合ポリアミド組成物。 - ハロゲン元素の含有量C3と銅元素の含有量C4とのモル比C3/C4が、2/1〜50/
1である、請求項4又は5に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記(B)銅化合物中の銅元素の含有量が、前記ポリアミド共重合体100質量部に対
して、0.005〜0.2質量部である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の共重合
ポリアミド組成物。 - 前記(a)脂環族ジカルボン酸に由来する部分におけるトランス異性体比率が、65〜
80モル%である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が、炭素数10以上
の脂肪族ジカルボン酸である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド
組成物。 - 前記(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が、セバシン酸及び
/又はドデカン二酸である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド
組成物。 - 前記(c−1)前記(a)脂環族ジカルボン酸以外のジカルボン酸が、イソフタル酸で
ある、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記(c−2)前記(b)のジアミンより炭素数の少ないジアミンが、炭素数4〜7の
脂肪族ジアミンである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成
物。 - JIS−K7121に準じた示差走査熱量測定において、20℃/minで冷却したと
きに得られる結晶化ピーク温度Tpc-1と、50℃/minで再度冷却したときに得られる
結晶化ピーク温度Tpc-2との差(Tpc-1−Tpc-2)が、10℃以下である、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記共重合ポリアミド(A)の全構成単位の含有量の合計100モル%に対し、前記(
c)上記(c−1)〜(c−3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の共重合成分か
らなる単位の含有量が、7.5モル%以上20.0モル%以下である、請求項1乃至14
のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 前記共重合ポリアミド(A)のバイオマスプラスチック度が25%以上である、請求項
1乃至15のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物。 - 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の共重合ポリアミド組成物を含む成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012155871A JP5997525B2 (ja) | 2012-07-11 | 2012-07-11 | 共重合ポリアミド組成物及び成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012155871A JP5997525B2 (ja) | 2012-07-11 | 2012-07-11 | 共重合ポリアミド組成物及び成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014015588A JP2014015588A (ja) | 2014-01-30 |
JP5997525B2 true JP5997525B2 (ja) | 2016-09-28 |
Family
ID=50110572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012155871A Expired - Fee Related JP5997525B2 (ja) | 2012-07-11 | 2012-07-11 | 共重合ポリアミド組成物及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5997525B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016079274A (ja) * | 2014-10-15 | 2016-05-16 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 |
CN105778493B (zh) * | 2014-12-18 | 2018-10-12 | 旭化成株式会社 | 聚酰胺树脂组合物及成型体 |
JPWO2020170959A1 (ja) * | 2019-02-22 | 2021-12-16 | 東洋紡株式会社 | ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS582327A (ja) * | 1981-06-29 | 1983-01-07 | Toray Ind Inc | 共重合ポリアミドおよびその製造法 |
AU662721B2 (en) * | 1990-12-12 | 1995-09-14 | Du Pont Canada Inc. | Terephthalic acid copolyamides |
JP3481730B2 (ja) * | 1995-06-26 | 2003-12-22 | 株式会社クラレ | ポリアミド組成物 |
NL1005520C2 (nl) * | 1997-03-13 | 1998-09-15 | Dsm Nv | Automobielonderdelen uit een polyamide samenstelling. |
AU2002221074A1 (en) * | 2000-12-11 | 2002-06-24 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Polyamide |
US8357450B2 (en) * | 2007-06-04 | 2013-01-22 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Polyamide-polyphenylene ether resin composition and film |
EP2270067B1 (en) * | 2008-03-12 | 2016-06-15 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Polyamide, polyamide composition and method for producing polyamide |
JP5149220B2 (ja) * | 2009-02-25 | 2013-02-20 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 高度に熱安定化された共重合ポリアミド |
JP5523249B2 (ja) * | 2009-08-24 | 2014-06-18 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形品 |
JP2011068874A (ja) * | 2009-08-25 | 2011-04-07 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアミド組成物を含む自動車部品 |
JP5714834B2 (ja) * | 2010-04-14 | 2015-05-07 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体 |
-
2012
- 2012-07-11 JP JP2012155871A patent/JP5997525B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014015588A (ja) | 2014-01-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5497921B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
TWI472552B (zh) | 聚醯胺及聚醯胺組成物 | |
JP5964964B2 (ja) | ポリアミド、ポリアミド組成物及び成形品 | |
JP6039945B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP5733871B2 (ja) | ポリアミド組成物及び成形品 | |
EP3081598B1 (en) | Polyamide composition, molded article, reflective board for leds, and method for preventing heat-induced reflectivity reduction | |
JPWO2012124740A1 (ja) | ポリアミド及びポリアミド組成物 | |
JP5620204B2 (ja) | ポリアミド及びポリアミド組成物 | |
JP5523247B2 (ja) | ポリアミド組成物及びポリアミド組成物からなる成形体 | |
JP5942122B2 (ja) | 長繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレット及び成形品 | |
JP5942109B2 (ja) | ポリアミド組成物及びポリアミド組成物を成形した成形体 | |
JP5997525B2 (ja) | 共重合ポリアミド組成物及び成形品 | |
JP2015129243A (ja) | ポリアミド組成物及び成形品 | |
JP5997526B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP6034074B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
JP5965230B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP2011074363A (ja) | ポリアミド組成物を含む自動車部品 | |
JP5637772B2 (ja) | ポリアミド溶着成形品 | |
JP6067254B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
JP6042121B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP2011068876A (ja) | ポリアミド組成物及び成形品 | |
JP2017155150A (ja) | ポリアミド組成物、ポリアミド組成物成形品およびポリアミド組成物の製造方法 | |
JP6042114B2 (ja) | 共重合ポリアミド及び共重合ポリアミド組成物 | |
JP6042110B2 (ja) | 共重合ポリアミド | |
JP6013813B2 (ja) | 共重合ポリアミド組成物及び成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150320 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160317 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20160401 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160407 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160523 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160706 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20160713 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5997525 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |