JPWO2009113662A1 - 上ノズル - Google Patents

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Abstract

本発明は、上ノズル内孔の形状に着目し、エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れを作り出すことで、付着物の発生を抑えることが可能な内孔形状を備えた上ノズルを提供するために、溶鋼が通過する上ノズル10の内孔11の上端の径を下端の径の1.5倍以上とすると共に、内孔壁面14の断面形状を、log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …(n=1.5〜6)で表わされる形状とする。

Description

本発明は、取鍋やタンディッシュの羽口に嵌合される上ノズルであって、特に、付着物の発生を抑えることが可能な上ノズルに関する。
タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルでは、溶鋼が通過する内孔内にアルミナなどが付着して付着物となり、流路が縮小し、操業を妨げ、時には、流路が完全に塞がれて操業不可能になる場合もある。そして、付着物の発生を防止する方法としては、例えば、ガス吹き込み口を設けて不活性ガスを吹き込む方法が提案されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
しかし、特許文献1や2に記載の上ノズルは、ガス吹き込みのため構造が複雑であり、製造に手間がかかり、操業にもガスが必要なため、コストアップに繋がっていた。また、ガス吹き込み式のノズルであっても、付着物の発生を完全に防止することは難しかった。
ところで、上ノズルとしては、例えば、上方に形成されたテーパー部と、下方に形成されたストレート部とで構成されているもの(図12(a)参照)や、テーパー部からストレート部に連続する箇所を円弧状としたもの(図13(a)参照)が広く用いられている。なお、図2乃至13における各図(a)は、上ノズルをスライディングノズル装置(以下、「SN装置」という)に設置した状態を示している。そして、一点破線の下は、上プレートの内孔である。また、内孔がずれている個所の下側は、中間プレート又は下プレートの内孔である。
図12(a)に示した形状の上ノズル(長さ230mm)の内孔を溶鋼が通過する際に、内孔壁面に加わる圧力の分布を計算すると、図12(b)に点線で示すように、内孔形状がテーパーからストレートに変化する位置(内孔上端から180mm)を超えた付近で圧力が急激に変化していることが確認された。
また、図13(a)に示した形状の上ノズル(長さ230mm)の内孔を溶鋼が通過する際に、内孔壁面に加わる圧力の分布を計算すると、図13(b)に示すように、内孔形状がテーパーからストレートに変化する図12(a)に示した形状の上ノズルに比べて急激な圧力変化が抑えられているものの、円弧状に圧力が変化しており、圧力変化が一定ではないことが確認された。なお、図2乃至13における各図(b)の一点破線から右側は、上プレート内孔壁面に加わる圧力である。
圧力の急激な変化や円弧状の圧力変化は、テーパーからストレートに内孔形状が変化することに伴って、溶鋼の流れが変化するためである。また、溶鋼の流れを意図的に変化させる旋回ノズルでは、溶鋼の流れが変化する付近で付着物が確認されていることなどから、溶鋼のスムーズな流れ、すなわち内孔壁面に対する圧力の変化がほぼ一定な溶鋼の流れを生み出すことで、上ノズル内孔内の付着物を抑えることができるものと思慮される。
溶鋼の流れを一定とするものとしては、転炉の出鋼口の内孔形状に関する発明が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−90423号公報 特開2005−279729号公報 特表2008−501854号公報
しかし、特許文献3は、溶鋼流中心部に真空部分をつくらないことによって、スラグの巻き込みや酸素、窒素などの混入を抑制するものであり、付着物の発生を防止するものではない。また、特許文献3では、転炉(精錬容器)を対象としており、スラグ巻き込み防止などの効果が重要となるのは、溶鋼排出末期(出鋼時間を5分とすると末期1分程度)である。一方、取鍋やタンディッシュ(鋳込み容器)において、付着物の発生を防止するためには、溶鋼排出末期以外で特に効果を発揮する必要があり、効果の発揮を期待する時期も異なる。
そこで本発明では、溶鋼流外周部から内孔壁への圧力安定化を図ることによって、エネルギー損失の少ない(スムーズな)溶鋼の流れを作り出し、付着物の発生を抑えることが可能な内孔形状を備えた上ノズルを提供することを目的とする。
本発明は、タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、前記計算上のヘッド高さHは、
H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
であり、前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上であることを特徴とする。
また、本発明においては、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状の少なくとも80%の形状が、上記の形状となるようにすることができる。
さらに本発明では、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5〜6)
で表わされる曲線となるようにすることもできる。この場合も、内孔壁面の断面形状の少なくとも80%の形状が、上記曲線となるようにすることができる。
本発明では、溶鋼が通過する上ノズル内孔への付着物の発生を抑えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、溶鋼が通過する内孔の軸方向に沿って本発明に係る上ノズルを切断した断面図の一例である。同図に示すように本発明に係る上ノズル10は、溶鋼が通過する内孔11を備え、当該内孔は、タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される大径部12と、溶鋼を排出する小径部13と、大径部12から小径部13に続く内孔壁面14とを備えて構成されている。
そして、本発明における内壁14は、内孔11の軸方向に切断した断面形状(log(r(z)))が、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …15

log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …16
の間の滑らかな面、さらに望ましくは、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n:1.5〜6)
で表わされる曲線形状である。ここで滑らかな面とは、r(z)に対する微分が連続する曲線、すなわち、曲面と当該曲面の接線とからなる面である。
本願発明者は、ノズルの内孔壁面圧分布を高さ方向に対して安定にすることで、エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れが作り出されると考え、以下に説明するとおり内孔壁面の急激な圧力変化が抑えられる、本発明の内孔形状を見出した。
まず、上ノズル内孔を流れる溶鋼量は、上ノズルの下部に設置されるSN装置で制御されるものの、溶鋼の流速を得るエネルギーは、基本的にタンディシュ内の溶鋼のヘッドであることから、内孔上端から距離zの位置における溶鋼の流速v(z)は、重力加速度をg、溶鋼のヘッド高さをH´、流量係数をkとすると、
v(z)=k(2g(H´+z))1/2
で表わされる。
そして、上ノズル内孔を流れる溶鋼の流量Qは、流速vと断面積Aの積であるから、上ノズルの長さをLとし、内孔下端における溶鋼の流速をv(L)、内孔下端の断面積をA(L)とすると、
Q=v(L)×A(L)=k(2g(H´+L))1/2×A(L)
で表わされる。
また、内孔内のどの位置で内孔軸に垂直に断面をとっても流量Qは一定であることから、内孔上端から距離zの位置における断面積A(z)は、
A(z)=Q/v(z)=k(2g(H´+L))1/2×A(L)/k(2g(H´+z))1/2
で表わされ、両辺をA(L)で割ると、
A(z)/A(L)=((H´+L)/(H´+z))1/2
となる。
ここで、円周率をπとすると、A(z)=πr(z)2、A(L)=πr(L)2であるから、
A(z)/A(L)=πr(z)2/πr(L)2= ((H´+L)/(H´+z))1/2
r(z)/r(L)=((H´+L)/(H´+z))1/4 …(1)
となる。
従って、内孔の任意の位置の半径r(z)は、
log(r(z))=(1/4)×log((H´+L)/(H´+z))+log(r(L))
で表わされ、内孔壁面の断面形状を当該条件を満たす形状とすることによって、エネルギー損失を最小とすることができる。
ところで、タンディッシュの湯量は、操業中、ほぼ一定に保たれており、ヘッドの高さは一定である。しかし、溶鋼は、タンディッシュの湯面から上ノズルに直接流れ込むのではなく、タンディッシュ底面から近い位置から流れ込むことが知られている。また、取鍋においても、湯面の高さは変化するものの、タンディッシュと同様に、底面から近い位置から溶鋼が流れ込むことが知られている。なお、上ノズル内孔の下端部(内孔小径部)の径は、スループットによって決まる。
本願発明者は、誠意検討を行い、上端部(内孔大径部)の内径を下端部(内孔小径部)の内径の1.5倍以上とすることで、内孔上端部近傍で発生する急激な圧力変化を抑えることができることを見出した。これは、上端部の内径が下端部の内径の1.5倍未満の時、タンディッシュや取鍋から上ノズルにかけての形状をなだらかにするための距離を十分に確保することが困難であり、当該形状が急激に変化するからである。なお、上端部の内径は、下端部の内径の2.5倍以下であることが望ましい。上端部の内径が広いほど、タンディッシュや取鍋の羽口も広くなるなど、現実的ではないからである。
従って、内孔大径部と内孔小径部の比は、上記した式(1)より、
r(0)/r(L)=((H+L)/(H+0))1/4=1.5〜2.5
で表わされることから、上端部と下端部の内径と、両内径の比が決まれば、計算上のヘッド高さHを求めることができる。すなわち計算上のヘッド高さをHは、
H=((r(L)/r(0))4×L)/(1−(r(L)/r(0))4)
で表わされる。
そこで、本願発明者は、
log(r(z))=(1/4)×log((H´+L)/(H´+z))+log(r(L))
において、溶鋼のヘッド高さH´に代えて計算上のヘッド高さHを用いると共に、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
として、nの値を変更した断面形状の壁面を備えた内孔形状の上ノズルであれば、n=4以外であっても、従来に比べてスムーズな溶鋼の流れが形成されるのではないかと考え、nの値が異なる壁面形状の内孔を備えた上ノズルについて、内孔壁面に発生する圧力を検証した。
また、この時、計算上のヘッド高さHにおいても同様に変数nを適用して、
H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0)))
とした。
r(0)/r(L)=((H+L)/(H+0))1/n=1.5〜2.5
で表わされることから、上端部と下端部の内径と、両内径の比が決まれば、nの値に応じた計算上のヘッド高さHを求めることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、各実施例は、本願発明の一態様に過ぎず、下記実施例に限定されるものではない。
本実施例では、長さ230mm、内孔大径部の直径140mm、内孔小径部の直径70mm、内孔壁面の形状(log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)))がn=1.5(実施例1)のとき、つまり、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図2(a)に示す上ノズルを用いて、タンディッシュや取鍋のヘッドの高さが1000mmの時に内孔壁面に加わる圧力の分布を計算した。計算結果を、従来のノズルである図11記載の上ノズルの内孔上端の内壁に加わる圧力を0として、図2(b)に示す。また、n=2(実施例2)、n=4(実施例3)、n=5(実施例4)、n=6(実施例5)、n=7(比較例1)、n=8(比較例2) n=1(比較例3)の時、すなわち、
log(r(z))=(1/2)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図3(a)の上ノズル(実施例2)、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図4(a)の上ノズル(実施例3)、
log(r(z))=(1/5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図5(a)の上ノズル(実施例4)、
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図6(a)の上ノズル(実施例5)、
log(r(z))=(1/7)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図7(a)の上ノズル(比較例1)、
log(r(z))=(1/8)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図8(a)の上ノズル(比較例2)、
log(r(z))=(1/1)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる図9(a)の上ノズル(比較例3)を用いて実施例1と同様に内孔壁面に加わる圧力分布を計算した。計算結果を各図の(b)に示す。
実施例1乃至3(n=1.5〜4)では、内孔上端から下端にかけて徐々に圧力が変化していることが確認された。急激な圧力変化が発生していないことから、溶鋼の流れがほぼ一定であることが分かる。
実施例4及び5(n=5、6)では、内孔上端部近傍で大きな圧力変化が確認されたものの、その後は、徐々に圧力が変化していることが確認された。口径が広く、付着物によって問題が発生し難い内孔上端部付近以外は、溶鋼の流れがほぼ一定であることが分かる。
比較例1及び2(n=7、8)では、内孔上端部近傍で約100ps又は約200psから大きく圧力が変化している。すなわち、図11に示した従来の上ノズルよりも内孔上端部近傍で大きな圧力が発生した後、非常に大きく圧力が変化することが確認された。この比較例1及び2では、内孔上端部近傍で内孔の径が急激に減少しており、口径が狭く、付着物によって問題が発生し易い個所で、溶鋼の流れが急激に変化していることが分かる。
比較例3(n=1)では、内孔壁面形状がテーパーであり、上プレートとの接触部に角が形成されており、上ノズル内の圧力変化は少ないものの、例えば、図2(b)と図9(b)とを比較すれば明らかなように、上ノズルから上プレートに溶鋼が流れ込んだ後に急激な圧力変化が起こっていることが確認された。
このように本発明では、上ノズル内孔を溶鋼が通過する際に、内孔壁面に加わる圧力の変化がほぼ一定であることから、溶鋼の流れがエネルギー損失の少ない一定の流れであることが分かる。なお、取鍋では、湯面が約4000mmから徐々に下がり、タンディッシュにおいても、湯面が500mm程度のものもある。しかし、先ほども述べたように、羽口に流れ込む溶鋼は、タンディッシュや取鍋の底面に近い位置にある溶鋼であり、湯面の高さが変化することによって、圧力の値こそ変化するものの、圧力分布は、上記各実施例、比較例と同様である。
「実施例6」
本実施例では、長さ230mm、内孔小径部の直径が70mm、内孔大径部の直径が内径下端(内孔小径部)の径Dの1.5倍(1.5D)である108mm、内孔壁面の形状がn=4のとき、つまり、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる、図10(a)の上ノズルを用いて実施例1と同様に内孔壁面に加わる圧力分布を計算した。計算結果を図10(b)に示す。
「比較例4」
本比較例では、長さ230mm、内孔小径部の直径が70mm、内孔大径部の直径が内径下端(内孔小径部)の径Dの約1倍(1.06D)である73mm、内孔壁面の形状がn=4のとき、つまり、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表わされる、図11(a)の上ノズルを用いて実施例1と同様に内孔内壁に加わる圧力分布を計算した。計算結果を図11(b)に示す。
内孔の径の比が約1倍(1.06D)である比較例4では、内孔上端部近傍の圧力変化が激しいが、内孔の径の比が1.5倍(1.5D)である実施例6や、2倍(2D)である実施例3では、内孔上端部近傍でもほぼ一定の圧力変化であることが確認された。内孔壁面の形状が上記log(r(z))で表わされる場合、内孔の径が広がるにつれて、タンディッシュや取鍋から上ノズルに続く壁面はなだらかとなることから、内孔上端の径を内孔下端の径の1.5倍以上とすることで、内孔上端部近傍の急激な圧力変化を抑えることができることが分かる。
また、従来のノズルや、比較例1乃至4おける圧力変化から、角や角に近い形状があると、急激な圧力変化が確認されることから、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))の間の形状であって、
内孔壁面に角が形成されていない滑らかな断面形状、すなわちr(z)のzに対する微分(d(d(z))/dz)が連続する断面形状とすることで、溶鋼の流れを一定とし、付着物の発生を抑えることができることが分かる。
なお、内孔上端部近傍の形状は、ストッパなどの要因で決まることもあり、また、内孔上端部近傍は、内径が大きく、付着物による影響が小さい。一方、内孔下端部近傍は、製造時に器具を挿入するため、直胴部にせざるを得ないといった製造上の関係などで形状が決まる場合もある。従って、内孔壁面の少なくとも80%が、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5〜6)
で示される断面形状であればよく、また、Arガスなどを吹き込むバブリング構造を備えてもよい。
本発明に係る上ノズルの一例を示す縦断面図である。 n=1.5の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=2の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=4の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=5の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=6の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=7の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=8の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=1の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 n=4、1.5Dの上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 D=1の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 従来の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。 従来の上ノズルの形状及び溶鋼通過時の圧力分布を示す図である。
符号の説明
10…上ノズル、11…内孔、12…大径部、13…小径部、14…内孔壁面、15…n=1.5の時の内孔壁面、16…n=6の時の内孔壁面。

Claims (4)

  1. タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
    ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
    log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
    log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
    で表わされる曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、
    前記計算上のヘッド高さHは、
    H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
    であり、
    前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
    ことを特徴とする上ノズル。
  2. タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
    ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状の少なくとも80%の形状が、
    log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
    log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
    で表わされる曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、
    前記計算上のヘッド高さHは、
    H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
    であり、
    前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
    ことを特徴とする上ノズル。
  3. タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
    ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
    log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5〜6)
    で表わされる曲線であり、
    前記計算上のヘッド高さをHは、
    H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
    であり、
    前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
    ことを特徴とする上ノズル。
  4. タンディッシュや取鍋の羽口に嵌合される上ノズルであって、
    ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部からの距離zにおける半径をr(z)とした時、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状の少なくとも80%の形状が、
    log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5〜6)
    で表わされる曲線であり、
    前記計算上のヘッド高さHは、
    H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
    であり、
    前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上である
    ことを特徴とする上ノズル。
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