JP6217778B2 - 浸漬ノズル - Google Patents

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Description

この発明は、浸漬ノズルに係り、特に、溶鋼からスラブ、ブルーム、ビレット等の鋼片を連続的に鋳造する連続鋳造装置で使用する浸漬ノズルに関する。
連続鋳造装置において、タンディッシュからモールドへ溶鋼を注入するために浸漬ノズルが広く使用されている。浸漬ノズルは、溶鋼が大気と直接接触して再酸化することを予防する役割を持ち、鋳片の品質向上に大きく寄与する重要な耐火物である。
浸漬ノズルの耐用を律する要因は、モールド内の溶鋼の表面に散布され、溶鋼の再酸化の予防及び鋼中の介在物の吸収除去などの目的で使用されるモールドパウダースラグによる局部溶損と、内管部への地金及び非金属物の付着によるノズルの閉塞とに大別される。これらのうちノズルの閉塞については、閉塞の程度が大きい場合、鋳造そのものが継続できなくなる場合がある。操業計画どおりの生産が困難になると、生産性や採算性に多大な影響を与える。また、鋳造不能に至らない場合においても、付着が発生することによって浸漬ノズルの内管流路が縮小し、モールド内へ供給される吐出流の流速及び流動パターンが変化することがある。モールド内へ供給される吐出流の流動パターンは、その鋳造条件に合わせて最適化されているため、閉塞により流動パターンが変化すると、介在物欠陥や気泡性欠陥などの発生率が増加し、鋳片品質の低下を招くことに繋がる。特に極低炭素鋼の鋳造時には、鋼中の酸素(O)を低減するためにAlの添加が行われているため、鋼中にアルミナ(Al)介在物が発生し、閉塞に起因するトラブルが発生しやすい。
図7には、従来の浸漬ノズル100における吐出孔105周辺での介在物の付着状況が示されている。図7(a)は、吐出孔105に対して垂直な方向に見た浸漬ノズル100の正面図を示しており、図7(b)は、浸漬ノズル100の長さ方向軸110を含む平面で浸漬ノズル100を切断した切断面の端面図を示しており、図7(c)は、図7(b)の平面とは垂直な平面で浸漬ノズル100を切断した切断面の端面図を示している。図7(b)に示されるように、浸漬ノズル100には、その長さ方向に延びるとともにノズル本体102と同心円状に円柱形状の流通路103が形成されている。尚、流通路103はしばしば、楕円柱形状に形成されることもある。流通路103は、ノズル本体102の先端部102a側の端面103aで閉塞している。ノズル本体102には、一端が流通路103に連通するとともに他端がノズル本体102の外周面102cで開口する吐出孔経路104が2つ形成されている。各吐出孔経路104は、前記一端から前記他端に向かって先端部102a側に傾斜している。図7(a)に示されるように、外周面102cで吐出孔経路104が開口する吐出孔105は矩形形状を有している。
図7(c)に示されるように、付着物106は、流通路103の内周面103bから端面103aにかけて大きく発達している。内周面103bに付着した付着物106は、図7(a)に示されるように、吐出孔経路104の内周面103bに開口する開口面の一部を塞ぐように発達している。また、端面103aに付着した付着物106は、図7(b)に示されるように、吐出孔経路104内へ発達し、吐出孔経路104の一部にも付着し、付着物106の一部が吐出孔105から外側へ飛び出している。
アルミナ等の介在物の流通路103への付着を防止する対策としては、浸漬ノズル及びその上流にある耐火物からアルゴン等の不活性ガスを適量吹き込むことにより、ガス気泡表面に介在物を吸着させ、浮上・除去させる手法が広く採用されている。また、流通路103の内周面103bに難付着材質を配置する手法も検討が進んでいる。
流通路103の内周面103bへの付着は上述の対策によって大幅に改善し、適切なガス吹き量、難付着材質を適用すれば、流通路103の閉塞によって鋳造を中止せざるを得なくなるような深刻な問題が発生することは殆ど無くなった。しかし、溶鋼流が浸漬ノズル100からモールドへと供給される吐出孔105周辺においては、未だ付着が多い事例が散見される。同位置は、溶鋼流の吐出流速、吐出方向を最終的に決定する部位であり、同位置における付着を予防することは非常に重要である。同位置への付着を防ぐために、例えば特許文献1には、難付着材質を流通路103の内周面103bに加え、吐出孔経路104にも設ける形態が開示されている。
特開2007−130653号公報
しかしながら、吐出孔経路104にも難付着材質を設けることは、製造上の困難を伴うために採用が進まず、吐出孔105周囲の付着の問題は完全な解決には至っていない。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、吐出経路孔周辺への溶鋼中の介在物の付着を抑制することができる浸漬ノズルを提供することを目的とする。
この発明に係る浸漬ノズルは、ノズル本体と、ノズル本体の内部にその長さ方向に延びるように設けられた円柱形状または楕円柱形状の流通路と、一端が流通路に連通するとともに他端がノズル本体の外周面で開口した吐出孔を有する少なくとも2つの吐出孔経路とを備え、ノズル本体の長さ方向に平行な面で吐出孔経路を切断した断面は、3つの頂点が他の2つの頂点よりもノズル本体の先端部側に位置する五角形の形状を有し、3つの頂点のうち、ノズル本体の長さ方向に垂直な方向に関して真ん中の頂点を頂点Aとし、残りの2つの頂点を頂点B及び頂点Cとすると、頂点Aは、頂点B及び頂点Cよりもノズル本体の先端部側に位置し、頂点A及び頂点Bを結ぶ線分と頂点A及び頂点Cを結ぶ線分とがなす角度をαとすると90°≦α<180°であり、流通路は、ノズル本体の先端部側で閉塞した端面を有し、流通路の長さ方向に対して垂直な面で流通路を切断した円形状または楕円形状の断面の中心を通り流通路の長さ方向に延びる仮想線と端面との交点を点Dとすると、点Dは、各吐出孔経路の断面における頂点Aを含むとともにノズル本体の長さ方向に対して垂直な仮想平面上に位置するか、または、仮想平面に対してノズル本体の先端部とは反対側に位置する。
頂点A及び点Dを結ぶ線分と仮想線とがなす角度をβとすると30°≦β≦90°であってもよい。
この発明によれば、浸漬ノズルの流通路を流通する溶鋼流において、流通路の内周面近傍の乱流エネルギーの集中が抑制されるので、吐出孔経路周辺の流通路の内周面への溶鋼中の介在物の付着を抑制することができる。
従来の浸漬ノズルにおいて、数値流体力学(CFD)計算によって算出した溶鋼流中の内部エネルギー(KE)の結果を示す図である。 この発明の実施の形態に係る浸漬ノズルの斜視図である。 この実施の形態に係る浸漬ノズルの3つの異なる位置で切断した断面の部分端面である。 この実施の形態に係る浸漬ノズルの変形例の2つの異なる位置で切断した断面の部分端面図である。 実施例3の浸漬ノズルにおいて、数値流体力学(CFD)計算によって算出した溶鋼流中の内部エネルギー(KE)の結果を示す図である。 実機使用における比較例1及び実施例3のアルミナ系介在物の付着量の比較を示す図である。 従来の浸漬ノズルにおける吐出孔周辺での介在物の付着状況を示す例示図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、従来の浸漬ノズルの吐出孔の周囲に付着が多く認められる場合の例として、図7に示された浸漬ノズル100に対して、付着が発生している部位周辺ではどのような現象が発生しているかを確認するため、数値流体力学(CFD)計算を実施した。CFD計算には、市販のプログラムであるPHOENICSを用いた。
従来の浸漬ノズル100について、図7(c)に示された面と同じ面のCFD計算結果のコンターを図1に示す。これによると、流通路103の内周面103b近傍に乱流エネルギーが局所的に高まっていることが明らかになった。また、その部位では、上から下に流下してくる流れが、端面103aに衝突して一部反転が発生し、打ち消し合いが生じることによって、他と比較して流速が遅くなっていることも確認された。図7(c)と図1とを対比すると、付着が多く認められる部位と乱流エネルギーが集中している部位とはほぼ重複していることが明らかになった。
液体である溶鋼の中に固体である介在物の微細粒が分散している状態から、固体が凝集・堆積していくメカニズムについては広く研究がなされており、乱流によって細かな介在物粒子が衝突・凝集することがプロセスの支配的な因子であるとされている。すなわち、乱流エネルギーが集中している部位では、溶鋼中の介在物の凝集が起こりやすく、凝集した介在物が堆積することによって付着が進行すると言える。そのことと、本調査で明らかになった使用後の浸漬ノズルの付着が多い部位と、CFD計算により乱流エネルギーが集中している部位とが重複しているという結果とに矛盾点は無い。
以上のことから、乱流エネルギーの集中部位は付着が起こりやすいということが言え、言い換えれば、乱流エネルギーの集中を抑制することができる吐出孔経路の断面形状は、同位置への付着を低減することが可能な形状であるとすることができるのではないかと考えた。このような視点から、浸漬ノズルの吐出孔経路周辺の構造についてCFD計算を繰り返し実施し、またその結果を実機で確認することによって本発明に至った。
図2に、この発明に係る浸漬ノズル1を示す。浸漬ノズル1は、円柱形状のノズル本体2を有している。ノズル本体2には、その長さ方向に延びるとともにノズル本体2と同心円状に円柱形状の流通路3が形成されている。流通路3は、ノズル本体2の先端部2a側の端部で閉塞し、ノズル本体2の他端部2b側の端部で開口している。尚、図2において、ノズル本体2及び流通路3はそれぞれ円柱形状であるが、楕円柱形状としてもよい。図3(a)に示されるように、流通路3の閉塞した端部は、先端部2a側に頂点が位置する円錐面形状の端面3aとなっている。図3(a)の線IIIb−IIIbに沿った断面の端面図である図3(b)に示されるように、ノズル本体2には、一端が流通路3に連通するとともに他端がノズル本体2の外周面2cで開口して吐出孔5を構成する吐出孔経路4が2つ形成されている。各吐出孔経路4は、前記一端から前記他端に向かって先端部2a側に傾斜している。
ノズル本体2の長さ方向に平行な面S1で吐出孔経路4を切断した断面の端面図である図3(c)に示されるように、吐出孔経路4の断面は、3つの頂点A,B,Cが他の頂点E,Fよりも先端部2a側に位置する五角形の形状を有している。3つの頂点A,B,Cのうち頂点Aは、ノズル本体2の長さ方向に垂直な方向に関して真ん中に位置しており、頂点B及び頂点Cよりも先端部2a側に位置している。吐出孔経路4の断面形状が、このような頂点A,B,Cからなる形状をとることによって、流通路3の内周面3b近傍を流下してきた溶鋼の流れは、スムーズに流通路3の半径方向内側に向かう方向に向きを変えることができる。吐出孔経路4の断面形状の残りの2つの頂点E,Fは、Rをつけた頂点となっている。
頂点A及び頂点Bを結ぶ線分と頂点A及び頂点Cを結ぶ線分とがなす角度をαとすると、90°≦α<180°であり、より好ましくは100°≦α<160°である。αが90°よりも小さい場合、吐出量を維持するために必要な開口面積を確保することが困難であることや、鋭角の角を設けることによってその位置に応力が集中し、鋳造開始時の割れなどのトラブルリスクが上昇する問題がある。一方、αが180°よりも大きい場合は、流通路3の内周面3b近傍を流下してきた溶鋼の流れを流通路3の半径方向内側に向かう方向に向きを変えることができないため乱流エネルギーの集中を抑制することができない。
図3(b)に示されるように、流通路3の長さ方向に垂直な面S2で流通路を切断した円形状の断面の中心Oを通り流通路3の長さ方向に延びる仮想線Lと端面3aとの交点を点Dとする。点Dは、各吐出孔経路4の各面S1による断面における各頂点Aを含むとともに仮想線Lに垂直な仮想平面P1に対して先端部2aとは反対側に位置している。これにより、端面3aに衝突した溶鋼の流れをスムーズに吐出孔経路4に導入し、流通路3を流下する溶鋼の流れと、端面3aに対する反転流との衝突によって生じる乱流エネルギーの集中を抑制することができ、その結果、吐出孔経路4の周辺の内周面3bへの介在物の付着を抑制することが可能となる。逆に、点Dが仮想平面P1よりも先端部2a側に位置する場合には、点Dの周辺は滝つぼ状の形状となるため、端面3aに対する強い反転流が発生し、乱流エネルギーの集中を抑制することができなくなってしまう。また、吐出孔経路4は、内周面3bから外周面2cに向かって単調に傾斜する必要がある。例えば、吐出孔経路4の途中で勾配が変化する極点が存在すると、その位置で溶鋼の流れが乱されるため好ましくない。
頂点A及び点Dを結ぶ線分と仮想線Lとがなす角度をβとすると30°≦β<90°であり、より好ましくは45°≦β≦85°である。角度βをこの範囲にすることにより、流通路3を流下する溶鋼の流れをスムーズに吐出孔経路4に導入することが可能となる。βが30°未満であると、吐出孔経路4の傾斜が大きすぎるため、溶鋼がモールドのより深い部分に向かう方向に流れることとなって溶鋼中の介在物やガス等の浮上に不利となり、その結果、それらが鋳片中に残留することによる鋳片品質欠陥のリスクが増加することとなる。
また、図3(c)に示されるように、頂点B及び頂点Eを結ぶ線分と頂点C及び頂点Fを結ぶ線分との間の距離をaとし、頂点E及び頂点Fを結ぶ線分と頂点Aとの間の距離をbとすると、a及びbについて特別な範囲はないが、aとbとの比a/bについて、0.33<a/b≦2.0の範囲であることが好ましい。a/bが0.33以下の場合、流通路3から吐出孔経路4への移行部分で吸込み流が発生しやすくなる。吸い込み流が発生することによって、本発明の効果が失われてしまう可能性がある。一方、a/bが2.0以上の場合、必要な開孔面積を確保できないため、本発明の特徴を充分に生かすことができない。また、必要な開孔面積を強いて確保しようとすると、aが大きくなりすぎて2つの吐出孔5,5間の間隔が小さくなり、ノズル本体2の折損リスクが増大するので好ましくない。
このように、浸漬ノズル1の流通路3を流通する溶鋼流において、流通路3の内周面3b近傍の乱流エネルギーの集中が抑制されるので、吐出孔経路4周辺の流通路3の内周面3bへの溶鋼中の介在物の付着を抑制することができる。
この実施の形態では、点Dは、仮想平面P1に対して先端部2aとは反対側に位置していたが、図4に示される浸漬ノズル1’のように、仮想平面P1上にあってもよい。この場合には、β=90°となる。その結果、実施の形態におけるβの範囲と合わせて、この発明に係る浸漬ノズルにおけるβの範囲は、30°≦β≦90°である。
この実施の形態では、吐出孔経路4の面S1による断面形状において、頂点B及び頂点Eを結ぶ線分と、頂点C及び頂点Fを結ぶ線分とがそれぞれ、仮想線Lと平行であったが、仮想線Lに対して傾いていてもよい。この場合、両線分間の距離a(図3(c)参照)がノズル本体2の長さ方向の位置で変化してしまうが、仮想線Lに垂直な方向に関して両線分間の最大距離をaとする。また、頂点E及び頂点Fを結ぶ線分は必ずしも直線状である必要はなく、曲線状であったり、いくつかの線分を連結した形状であったりしてもよい。尚、この実施の形態では、吐出孔経路4は2つ設けられていたが、3つ以上設けてもよい。
この実施の形態では、ノズル本体2の材質として何の特定もしなかったが、特に材質に関する制約はない。例えば、アルミナ−黒鉛質、アルミナ−シリカ−黒鉛質、マグネシア−黒鉛質、スピネル−黒鉛質、ジルコニア−黒鉛質、カルシウムジルコネート−黒鉛質といった系を主原料とし、金属、合金、炭化物、窒化物、ホウ化物を添加物としてそれぞれ5wt%未満の添加量で構成された材質を使用してもよい。
この発明には、浸漬ノズル又は浸漬ノズルより上方にて使用される耐火物からのガス吹き技術との組み合わせ、あるいは、流通路の内周面に難付着材質を組み合わせてもよい。具体的には、アルミナ質、アルミナ−シリカ質、スピネル質、スピネル−フラックス質、アルミナ−フラックス質、スピネル−黒鉛質、ジルコン質、ジルコニア−黒鉛質、カルシウムジルコネート−黒鉛質といった材料を流通路の内周面に適用可能である。また、この発明は、一般的なスラブ連続鋳造機の操業条件においては適用可能である。すなわち、スループットについては、0.5ton/minから8ton/minまでは対応可能である。
次に、この発明に係る浸漬ノズル1を使用することにより得られる効果を、実施例に基づいて検証する。
本発明に係る浸漬ノズルとして、表1に示される実施例1〜12を準備し、本発明に相当しない浸漬ノズルとして、表2に示される比較例1〜4を準備した。実施例1〜12及び比較例1〜4のそれぞれに係る浸漬ノズルの構成は、上記実施の形態で説明した浸漬ノズル1の構成と同じであり、距離a及びbと、角度α及びβとの値が表1及び2の通りである。尚、各浸漬ノズルの2つの吐出孔経路は、それぞれの吐出孔がノズル本体の長さ方向を中心とした点対称の位置となるように設けられている。
Figure 0006217778
Figure 0006217778
1.数値解析によるこの発明の効果の検証
数値解析はCHAM社製の流体解析ソフトウェア「PHOENICS VR editor 2014」を使用した。この数値解析に用いたパラメータは以下の通りである。
・計算セル数:約80万(モデルにより変動)
・流体:溶鋼(1560℃ 、密度7.8g/cm
実施の形態のCFD計算で用いたCFDプログラムPHOENICSを用い、浸漬ノズル1の流通路3の内径を70mmとし、スループットを3ton/minとして、実施例1〜12及び比較例1〜4それぞれの条件で、溶鋼流の乱流エネルギーの値を計算した。その結果を、表1及び表2に示す。溶鋼中の乱流エネルギーの高い場所で、介在物によるノズル閉塞が起こりやすいため、乱流エネルギーを低く抑えることが好ましい。
本願明細書の従来技術として挙げた図7に示される浸漬ノズル100に相当する比較例1の場合、図1に示されるように、流通路103の内周面103b近傍に乱流エネルギーが集中する領域が発生する。これに対し、実施例3の場合、図5に示されるように、乱流エネルギーの集中が起こらないことが分かる。そこで、比較例1における乱流エネルギーの最高値を基準(100)とし、各実施例及び各比較例の条件で同様に乱流エネルギーの最高値を比較した。最高値が70以下であれば、乱流エネルギーの低減効果があったものと定義し、50以下の場合はその効果がより大きいと定義した。
実施例1〜12のいずれも、乱流エネルギーの低減効果があった。これに対し、比較例1は高い乱流エネルギーとなった。比較例2は、乱流エネルギーの低減効果はある程度あったが、製造が困難な形態であった。比較例3は、αを180°とした場合であるが、乱流エネルギーの低減効果は十分とはいえない。比較例4は、βを25°とした場合であるが、乱流エネルギーの低減効果はあったものの、溶鋼の流れがモールドのより深い部分に向かう方向に流れ、介在物やガスの浮上に不利で巻き込まれてしまった。
次に、実施例3の浸漬ノズル及び比較例1の浸漬ノズルのそれぞれについて、スループットと溶鋼流の乱流エネルギーとの関係を計算した。その結果を表3に示す。
Figure 0006217778
スループットが増加すると、浸漬ノズルの流通路を流下する溶鋼流の通過速度が上昇するため、溶鋼流の乱流エネルギーも増加する傾向がある。実施例3も、溶鋼流の乱流エネルギーはスループットが増加するに従って増加傾向ではあるが、同じスループット条件下では比較例1よりも抑制された。
2.連続鋳造による検証
実施例3の浸漬ノズル及び比較例1の浸漬ノズルそれぞれについて実機使用を行った。鋼種は低炭Alキルド鋼とし、2ストランドの連続鋳造機のそれぞれの浸漬管として、それらの浸漬ノズルを取り付けた。各浸漬ノズルの流通路の内径は70mmとし、スループットは3ton/minとした。流通路内部でのアルミナ系介在物の付着量を比較した結果を、図6に示す。付着量は、比較品1の付着量を100とした指数で示した。比較例1の場合、流通路の内周面に大きな付着が発生したのに対し、実施例3では付着量が1/5以下に低下した。このように、この発明の優位性は明確である。
1,1’ 浸漬ノズル、2 ノズル本体、2a (ノズル本体の)先端部、2c (ノズル本体の)外周面、3 流通路、3a (流通路の)端面、3b (流通との)内周面、4 吐出孔経路、5 吐出孔、L 仮想線、P1 仮想平面、S1,S2 面。

Claims (2)

  1. ノズル本体と、
    該ノズル本体の内部にその長さ方向に延びるように設けられた円柱形状または楕円柱形状の流通路と、
    一端が該流通路に連通するとともに他端が前記ノズル本体の外周面で開口した吐出孔を有する少なくとも2つの吐出孔経路と
    を備え、
    前記ノズル本体の長さ方向に平行な面で前記吐出孔経路を切断した断面は、3つの頂点が他の2つの頂点よりも前記ノズル本体の先端部側に位置する五角形の形状を有し、前記3つの頂点のうち、前記ノズル本体の長さ方向に垂直な方向に関して真ん中の頂点を頂点Aとし、残りの2つの頂点を頂点B及び頂点Cとすると、前記頂点Aは、前記頂点B及び前記頂点Cよりも前記ノズル本体の先端部側に位置し、前記頂点A及び前記頂点Bを結ぶ線分と前記頂点A及び前記頂点Cを結ぶ線分とがなす角度をαとすると90°≦α<180°であり、
    前記流通路は、前記ノズル本体の先端部側で閉塞した端面を有し、前記流通路の長さ方向に対して垂直な面で前記流通路を切断した円形状または楕円形状の断面の中心を通り前記流通路の長さ方向に延びる仮想線と前記端面との交点を点Dとすると、該点Dは、各吐出孔経路の前記断面における前記頂点Aを含むとともに前記ノズル本体の長さ方向に対して垂直な仮想平面上に位置するか、または、該仮想平面に対して前記ノズル本体の先端部とは反対側に位置する、浸漬ノズル。
  2. 前記頂点A及び前記点Dを結ぶ線分と前記仮想線とがなす角度をβとすると30°≦β≦90°である、請求項1に記載の浸漬ノズル。
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