JP2020151718A - 連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】難アルミナ付着材を使用したり、ガス吹きをしたりしなくても、アルミナ介在物の付着を抑制することができると共に、従来よりも耐久性の高い連続鋳造用浸漬ノズルを提供する。【解決手段】内孔12を有する円筒状のノズル本体10を備え、ノズル本体10の側壁部16には2つの吐出孔18が形成され、内孔12の下端側12cは、ノズル本体10の溶鋼浸漬部24において、内孔12の大きさが吐出孔18の上壁18aに向かって漸次拡大しており、2つの吐出孔18の開口中心20を通る吐出軸22とノズル中心軸14とに平行な面に沿ってノズル本体10を断面したときのノズル断面形状を表す線のうち、内孔12の大きさが漸次拡大する内孔12の下端側12cの断面形状を表す線が曲線L1であり、吐出孔18の上壁18aの断面形状を表す線が直線L2である。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズルに関する。
鋼の連続鋳造においては、溶鋼を取鍋からタンディッシュに注入する工程と、溶鋼をタンディッシュから鋳型内に注入する工程とが行われる。その際、溶鋼をタンディッシュから鋳型に注入するために、浸漬ノズル(以下、「連続鋳造用浸漬ノズル」ともいう。)が使用されている。浸漬ノズルは、溶鋼が大気と接触して再酸化することを防止する機能を有する耐火物である。浸漬ノズルの下端部近傍には2つの吐出孔が設けられる。溶鋼をタンディッシュから鋳型内に注入する場合は、浸漬ノズル内を流下した溶鋼が各々の吐出孔から吐出される。
浸漬ノズルには、鋳型内に溶鋼を適正に注入させる機能が求められる。しかし、鋼の連続鋳造においては、浸漬ノズルを使用しているうちに浸漬ノズルの内管部、あるいは吐出孔の周辺部に、アルミナ等の介在物が付着することがある。浸漬ノズルに付着した介在物は、溶鋼を鋳型内に注入する際に溶鋼の流動を阻害する。このため、介在物の付着が原因で、溶鋼を適正に注入できなくなるという問題が指摘されている。
アルミナ等の介在物は、浸漬ノズルの内管部において、特に、吐出孔が形成されていない部位や、吐出孔の上部に多く付着する。吐出孔が形成されていない部位(以下、「非吐出孔部位」ともいう。)とは、浸漬ノズルの中心軸回りにおいて、吐出孔の開口中心からノズル中心軸回り方向に90°位置がずれた部位をいう。浸漬ノズルに付着する介在物の厚みが増加すると、吐出孔から吐出する溶鋼流が変動する。その結果、鋳型内において溶鋼の流速が変動したり湯面の泡立ちが発生しやすくなる。鋳造中に溶鋼流が大きく変動すると、鋳型内で凝固シェルが生成される過程で、非金属介在物、気泡、モールドパウダーなどが凝固シェルに捕捉され、これに起因して鋳片の品質異常が発生するおそれがある。
連続鋳造用浸漬ノズルに関しては、特許文献1〜4に記載された技術が知られている。
特許文献1には、浸漬ノズルの内管部に、アルミナ介在物の付着を抑制する難アルミナ付着材の層を形成する技術が記載されている。
特許文献2には、浸漬ノズルの内管部に、アルゴンなどの不活性ガスを吹き込む、いわゆるガス吹きによって、アルミナ介在物の付着を抑制する技術が記載されている。
特許文献3には、浸漬ノズルの吐出孔の形状や面積を調整することにより、吐出孔周辺へのアルミナ介在物の付着を抑制する技術が記載されている。
特許文献4には、浸漬ノズルの吐出孔の上壁を円弧状に形成する技術が記載されている。
特開2010−253546号公報 特開2005−313197号公報 特開2017−177195号公報 国際公開第2005/070589号
しかしながら、特許文献1〜4に記載の技術には、以下のような課題があった。
まず、特許文献1に記載の技術では、連続鋳造で取り扱う鋼の種類によっては、鋼中の成分に対して難アルミナ付着材が反応してしまうため、この技術を適用できない場合がある。また、特許文献2に記載の技術では、ガス吹きによって気泡性欠陥が発生する場合がある。一方、特許文献3に記載の技術では、アルミナ介在物の付着に対して一定の抑制効果はあるものの、いまだ改善の余地がある。また、特許文献4に記載の技術では、吐出孔の上壁のみを円弧状に形成しているため、溶鋼の流れを充分に制御できないほか、吐出孔の上壁の形状を規定する円弧の曲率が小さい場合に、吐出孔の上壁部分のノズル厚が薄くなって耐久性が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、難アルミナ付着材を使用したり、ガス吹きをしたりしなくても、アルミナ介在物の付着を抑制することができると共に、従来よりも耐久性の高い連続鋳造用浸漬ノズルを提供することにある。
本発明は、ノズル中心軸に沿って延在する内孔を有する円筒状のノズル本体を備え、ノズル本体の側壁部には内孔に連通する2つの吐出孔が形成され、内孔の上端はノズル本体の上端で開口してなる連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、内孔の下端側は、ノズル本体の溶鋼浸漬部において、内孔の大きさが吐出孔の上壁に向かって漸次拡大しており、2つの吐出孔の開口中心を通る吐出軸とノズル中心軸とに平行な面に沿ってノズル本体を断面したときのノズル断面形状を表す線のうち、内孔の大きさが漸次拡大する内孔の下端側の断面形状を表す線が曲線であり、吐出孔の上壁の断面形状を表す線が直線であることを特徴とするものである。
本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、内孔の下端側の断面形状を表す曲線の曲率は、吐出孔に近づくにしたがって増加していてもよい。
本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、吐出孔の上壁の断面形状を表す直線とノズル中心軸に直交する仮想水平面とのなす角度は、7°以上65°以下であってもよい。
本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、吐出孔の直上でノズル中心軸と直交する方向にノズル本体を断面したときの内孔の断面形状が扁平な形状であり、内孔の断面形状の長径を2a、内孔の断面形状の短径を2b、内孔の断面形状の扁平率をf=1−(b/a)としたときに、扁平率fが0.17以上であってもよい。
本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、吐出孔の水平方向の開口寸法は、吐出孔の直上における内孔の断面形状の短径よりも大きくても良い。
本発明によれば、難アルミナ付着材を使用したり、ガス吹きをしたりしなくても、アルミナ介在物の付着を抑制することができると共に、従来よりも耐久性の高い連続鋳造用浸漬ノズルを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルの概略斜視図である。 図1の連続鋳造用浸漬ノズルの縦断面図である。 図2の一部を拡大した図である。 図3のA−A位置でノズル本体を断面したときの内孔の断面形状を示す図である。 図3のA−A位置でノズル本体を断面したときの内孔の断面形状の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、吐出孔の直上でノズル中心軸方向と直交する方向にノズル本体を断面したときの内孔の断面形状を示す図である。 本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の溶鋼流動ベクトル線図である。 図9に示す従来の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の溶鋼流動ベクトル線図である。 従来の連続鋳造用浸漬ノズルの縦断面図である。 本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の乱流エネルギー分布図である。 図9に示す従来の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の乱流エネルギー分布図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明者は、アルミナ等の付着が多く見られた浸漬ノズルについて流体解析を行ったところ、付着の多い部位は他の部位と比べて乱流エネルギーが大きいことがわかった。その理由は、浸漬ノズルの内管部を流下する溶鋼と浸漬ノズルの底部に衝突して反転した溶鋼とが衝突することで溶鋼の流れが停滞し、そこで乱流エネルギーが大きくなりアルミナ等が付着しやすくなるためと考えられる。また、吐出孔の上部では浸漬ノズルの外側から内側へと向かう吸い込み流が発生しており、この吸い込み流と吐出流との共存による吐出流速の減少もアルミナ等の付着の原因と考えられる。
そこで本発明者は、乱流エネルギーを減少させるため、浸漬ノズルの内孔や吐出孔の形状について検討した。そして、浸漬ノズルの内孔や吐出孔の形状を決める各種のパラメータを変えながら数値流体力学計算を繰り返し実施した。その結果、乱流エネルギーの減少や吸い込み流の抑制、さらには吐出孔の溶損抑制や溶鋼流動の適正化に有効な浸漬ノズルの構成を想到するに至った。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルの概略斜視図である。
図1に示すように、連続鋳造用浸漬ノズル1は、円柱状のノズル本体10を備えている。ノズル本体10の内部には内孔12が形成されている。連続鋳造用浸漬ノズル1の内管部は、この内孔12によって形成されている。内孔12は、鋼の連続鋳造において、溶鋼をタンディッシュから鋳型内に注入する際に、溶鋼が流れ落ちる流路を形成するものである。内孔12は、連続鋳造用浸漬ノズル1のノズル中心軸14に沿って延在している。本実施形態においては、連続鋳造用浸漬ノズル1のノズル本体10を垂直に立てて鋼の連続鋳造を行う場合の連続鋳造用浸漬ノズル1の姿勢を基準にして、ノズル中心軸方向Jの一方を上方(上側)とし、他方を下方(下側)とする。ノズル中心軸方向Jは、ノズル中心軸14に平行な方向である。
ノズル本体10の材質に関しては、特に制限はなく、たとえば、アルミナ‐黒鉛質、マグネシア‐黒鉛質、スピネル‐黒鉛質、ジルコニア‐黒鉛質、アルミナ質、粘土質、スピネル質、溶融石英質等などを使用することができる。
ノズル本体10の側壁部16には、2つの吐出孔18が形成されている。2つの吐出孔18は、ノズル中心軸14と直交する方向で互いに対向する位置に形成されている。2つの吐出孔18は、それぞれ側壁部16の外周面で外向きに開口している。各々の吐出孔18は、ノズル本体10の下端10bの近傍で、ノズル本体10の内孔12に連通している。各々の吐出孔18は、ノズル本体10の内孔12に沿って流れ落ちる溶鋼を吐出させるための孔である。吐出孔18の吐出方向Mは、吐出軸22よりも斜め下向きの方向となっている。吐出軸22は、2つの吐出孔18の開口中心20,20を通る軸である。吐出軸22は、ノズル中心軸14に直交している。
ノズル中心軸方向Jにおいては、ノズル本体10の下端10bから所定の高さまでの部分が溶鋼浸漬部24となっている。溶鋼浸漬部24は、ノズル本体10の一部を鋳型内に配置して溶鋼を注入する場合に、溶鋼に浸漬される部分である。溶鋼浸漬部24の上端位置は、パウダーライン26の位置によって特定することが可能である。パウダーライン26は、鋳型内に添加されるモールドパウダーがスラグとなってノズル本体10の外周面に接する部分をいう。ノズル本体10の外周面はモールドパウダーとの接触によって侵食されるため、パウダーライン26に対応するノズル本体10の部分は耐食性の高い材質、たとえばジルコニア‐黒鉛質の材料で構成され、それ以外の部分は、たとえばアルミナ‐黒鉛質の材料で構成される。よって、モールドパウダーに対して耐食性の高い材質で構成された部分の上端位置よりやや下方の位置がパウダーライン26の位置となり、このパウダーライン26の位置が溶鋼浸漬部24の上端位置となる。
内孔12の上端12aはノズル本体10の上端10aで円形に開口し、内孔12の下端12bはノズル本体10の下端10bよりも上側で閉口している。また、内孔12の下端側12cは、ノズル本体10の溶鋼浸漬部24において、内孔12の大きさが吐出孔18の上壁18aに向かって漸次拡大している。ここで記載する内孔12の大きさとは、ノズル中心軸14に直交する仮想水平面に沿ってノズル本体10を断面したときの内孔12の大きさをいう。ノズル中心軸方向Jにおいて、内孔12の大きさが拡大し始める位置は、パウダーライン26の位置に相当する。
図2は、図1の連続鋳造用浸漬ノズルの縦断面図であり、図3は、図2の一部を拡大した図である。
図2および図3は、ノズル中心軸14と吐出軸22とに平行な面に沿ってノズル本体10を断面したときのノズル断面形状を示している。ノズル断面形状を表す線のうち、内孔12の大きさが漸次拡大する内孔12の下端側12cの断面形状を表す線は曲線L1となっており、吐出孔18の上壁18aの断面形状を表す線は直線L2となっている。内孔12の下端側12cの断面形状を表す曲線L1は、図1に示すように、吐出孔18の上壁18aに向かって弧状に曲がっている。そして、曲線L1の曲率は、吐出孔18に近づくにしたがって増加している。
一方、図3に示すように、吐出孔18の上壁18aの断面形状を表す直線L2とノズル中心軸14に直交する仮想水平面30とのなす角度θは、好ましくは7°以上65°以下であり、より好ましくは10°以上60°以下である。上記の角度θが7°未満であると、溶鋼の流れが吐出孔18の上壁18aに沿わずに上壁18aから剥離するおそれがある。また、上記の角度θが65°を超えると、連続鋳造用浸漬ノズル1から鋳型内に溶鋼を注入するときの流速が増大し、鋳型内で溶鋼の流動が不適正になるおそれがある。鋳型内で溶鋼の流動が不適正となる場合とは、たとえば、次のような場合である。すなわち、鋳型内への溶鋼流入角度が下向きに深くなるため、鋳型内で吐出流による反転流が生じにくくなる。その結果、湯面の熱供給が少なくなるため、湯面の異常凝固やモールドパウダーの溶融異常などの影響を与える恐れがある。
図4は、図3のA−A位置でノズル本体を断面したときの内孔の断面形状を示す図である。図3のA−A位置における内孔の断面形状は、吐出孔の直上でノズル中心軸と直交する方向にノズル本体を断面したときの内孔の断面形状を表している。
図4に示すように、吐出孔18の直上における内孔12の断面形状は、扁平な形状、すなわち楕円形になっている。ここで、内孔12の断面形状の長径を2a、内孔12の断面形状の短径を2b、内孔12の断面形状の扁平率をf=1−(b/a)とする。そうした場合、内孔12の断面形状の扁平率fは、好ましくは0.17以上であり、より好ましくは0.28以上である。扁平率fが0.17未満であると、溶鋼を吐出孔18から吐出させる場合に吐出孔18の上壁18aに沿った吐出流が得られにくく、吐出孔18の上部に吸い込み流が発生する場合がある。
なお、本第1実施形態においては、吐出孔18の直上における内孔12の断面形状を楕円形状としているが、これに限らず、上記の扁平率fの条件を満たすものであれば、楕円以外の扁平形状であってもよい。楕円以外の扁平形状としては、たとえば、図5に示すように、内孔12の断面形状を表す線分のうち、長径方向で対向する2つの線分31がそれぞれ円弧であり、短径方向で対向する2つの線分32がそれぞれ直線である形状を挙げることができる。また、これ以外にも、図示はしないが、隅を丸めた矩形または矩形を挙げることができる。
本第1実施形態においては、溶鋼浸漬部24における内孔12の下端側12cの孔形状に特徴を有しており、溶鋼浸漬部24より上部に位置する内孔12の孔形状に制約はない。このため、溶鋼浸漬部24より上部に位置する内孔12の内面には、吐出孔18から吐出する溶鋼の流速分布を均一化するために、凹凸状の段差を設けてもよいし、複数の球面状突起を有するモーグル形状を設けてもよい。また、本第1実施形態においては、吐出孔18の上壁18aの断面形状を特定しているが、吐出孔18の下壁18bの断面形状には制約はない。すなわち、吐出孔18の下壁18bの断面形状は、上向きの形状、水平な形状、下向きの形状などであってもよい。
本発明の第1実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルは下記の効果を奏する。
まず、本第1実施形態では、連続鋳造用浸漬ノズル1の内孔12の大きさが吐出孔18の上壁18aに向かって漸次拡大している。これにより、ノズル本体10の内孔12を溶鋼が流れ落ちるときに、溶鋼の流速が低減する。このため、内孔12の下端12bに衝突する溶鋼の流速を低減し、吐出孔18の近傍に生じる乱流エネルギーを減少させることができる。その結果、吐出孔18の近傍にアルミナ等の介在物が付着することを抑制することが可能となる。
また、本第1実施形態では、内孔12の大きさが漸次拡大する内孔12の下端側12cの断面形状を表す線が曲線L1となっている。これにより、ノズル本体10の内孔12における溶鋼の流れは、内孔12の下端側12cの形状に沿って吐出孔18の上壁18aへと案内される。このため、吐出孔18から溶鋼を吐出するときに、溶鋼が吐出孔18の上壁18aに沿って流れるようになる。その結果、吐出孔18の上部で吸い込み流の発生が抑制されるため、吐出孔18の開口部全体から安定した流速で溶鋼を吐出させることが可能となる。一方、吐出孔18の上壁18aの断面形状を表す線は直線L2となっている。これにより、吐出孔18の上壁18a部分のノズル厚を厚くし、溶損を抑制することができる。このため、溶鋼の流動性を長期にわたって良好に維持することができる。
したがって、本第1実施形態によれば、難アルミナ付着材を使用したり、ガス吹きをしたりしなくても、アルミナ介在物の付着を抑制することができると共に、従来よりも耐久性の高い連続鋳造用浸漬ノズルを提供することができる。その結果、溶鋼流動を適正化し、ひいては鋳片の品質向上や生産性向上を図ることが可能となる。
また、本第1実施形態では、内孔12の下端側12cの断面形状を表す曲線L1の曲率が、吐出孔18に近づくにしたがって増加している。これにより、ノズル本体10の内孔12における溶鋼の流れをより確実に吐出孔18の上壁18aへと導くことができる。
また、本第1実施形態では、吐出孔18の上壁18aの断面形状を表す直線L2とノズル中心軸14に直交する仮想水平面30とのなす角度θが7°以上65°以下となっている。角度θを7°以上とすれば、内孔12を流れ落ちてきた溶鋼が吐出孔18の上壁18aから剥離することを抑制することができる。また、角度θを65°以下とすれば、連続鋳造用浸漬ノズル1から鋳型内に溶鋼を注入するときの溶鋼下降流速を抑制し、鋳型内で溶鋼の流動を適正に維持することができる。
また、本第1実施形態では、吐出孔18の直上における内孔12の断面形状を扁平な形状とし、その扁平率を0.17以上としている。これにより、吐出孔18の上部における吸い込み流の発生をより効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルについて説明する。なお、本発明の第2実施形態においては、上記第1実施形態の場合と同様の部分または対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、図3のA−A位置でノズル本体を断面したときの内孔の断面形状を示す図である。
図6に示すように、ノズル本体10に設けられた2つの吐出孔18は、それぞれノズル本体10の側壁部16の外周面で外向きに開口している。吐出孔18の水平方向の寸法は、側壁部16の内周面から外周面に向かって徐々に大きくなっている。そして、側壁部16の外周面における吐出孔18の水平方向の開口寸法Wは、吐出孔18の直上における内孔12の断面形状の短径2bよりも大きくなっている。このような構成を採用した場合は、ノズル本体10の内孔12を流れ落ちる溶鋼が吐出孔18から吐出するときに、溶鋼の流れがより安定するという効果が期待できる。
図7は、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の溶鋼流動ベクトル線図であり、図8は、図9に示す従来の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の溶鋼流動ベクトル線図である。
図9に示すように、従来の連続鋳造用浸漬ノズルでは、ノズル本体10の内孔12の大きさがノズル中心軸方向J全体にわたって同一となっている。
まず、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルの場合は、図7に示すように、弧状に曲がった内孔12の下端側12cの面に導かれて溶鋼が流れた後、その溶鋼の流れが吐出孔18の上壁18aから剥離することなく、吐出孔18全体から溶鋼が安定して吐出していることが分かる。これに対して、従来の連続鋳造用浸漬ノズルの場合は、図8に示すように、ノズル中心軸方向に真っ直ぐに延在する内孔12に沿って溶鋼が流れた後、その溶鋼の流れが吐出孔18の上壁18aから剥離し、吐出孔18の上部に吸い込み流35が発生していることが分かる。このことから、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合は、吐出孔18の上部で吸い込み流の発生を抑えることができる。
図10は、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の乱流エネルギー分布図であり、図11は、図9に示す従来の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合の乱流エネルギー分布図である。
図10および図11は、ノズル本体の内孔における溶鋼流中の内部エネルギーを数値流体力学計算によって算出し、この算出結果に基づく乱流エネルギー分布を吐出孔側から見た図であり、濃度の低い部分が乱流エネルギーの高い部分となっている。また、濃度の低い部分は輪状になっているが、この輪状の中央部が乱流エネルギーの最も高い部分となっている。
まず、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルの場合は、図10に示すように、内孔12の下端近傍に濃度の低い部分、すなわち乱流エネルギーの高い部分が少し見られる。一方、従来の連続鋳造用浸漬ノズルの場合は、図11に示すように、内孔12の下端近傍に乱流エネルギーの高い部分が広範囲に見られる。このことから、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを用いた場合は、乱流エネルギーを小さく抑えることができる。
(実施例および比較例)
次に、連続鋳造用浸漬ノズルに関する実施例および比較例について説明する。
まず、本発明の実施形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルとして、下記の表1に示す実施例1〜10の浸漬ノズルを準備するとともに、本発明と比較される連続鋳造用浸漬ノズルとして、下記の表2に示す比較例1〜4の浸漬ノズルを準備した。実施例1〜10においては、内孔12の断面形状の扁平率fが0.17以上となっており、吐出孔18の上壁18aにおける角度θは7°以上65以下となっている。また、実施例1〜10においては、内孔12の下端側12cの断面形状を表す線が曲線となっており、吐出孔18の上壁18aの断面形状を表す線が直線となっている。一方、比較例1〜4の各々は、少なくともいずれか1つの要件が本発明の実施形態の要件を満たしていない。具体的には、比較例1においては、内孔12の断面形状の扁平率fが0で、内孔12の下端側12cの断面形状を表す線が直線となっている。また、比較例2においては、内孔12の下端側12cの断面形状を表す線が直線となっている。また、比較例3においては、吐出孔18の上壁18aにおける角度θが5°となっており、比較例4においては、その角度θが67°となっている。
Figure 2020151718
Figure 2020151718
上記の構成を有する実施例1〜10および比較例1〜4を対象に、乱流エネルギー、吐出孔上部の吸い込み、および、溶鋼の吐出方向について評価した。評価方法は下記のとおりである。
[評価方法]
<数値解析について>
数値流体力学計算による数値解析では、CHAM−Japan社製の流体解析ソフトウェア「PHOENICS」を使用した。数値解析に用いたパラメータは以下のとおりである。
・計算セル数:約40万(モデルにより変動)
・流体:溶鋼(1560℃、密度7.08g/cm
・モールドサイズ:260mm×1500mm
・鋳造速度:1.6m/min
・浸漬ノズル外径:150mm
・浸漬ノズル内径:80mm
・吐出孔の開口サイズ:縦70mm、横80mm
・吐出孔の角度:下向き15°
<乱流エネルギーについての評価>
内孔12の断面形状の扁平率f=0の場合の乱流エネルギー値を基準とし、この基準と同程度または基準よりも増加した場合を「大」、基準から10以上20%未満減少した場合を「中」、基準から20以上50%未満減少した場合を「小」、基準から50%以上減少した場合を「極小」とした。そして、乱流エネルギーの評価が「中」、「小」または「極小」であれば、扁平率f=0の場合よりも有効であると判定し、「大」であれば、扁平率f=0の場合よりも不適当であると判定した。
<吐出孔上部の吸い込みについての評価>
吐出孔の上部において溶鋼の流れが、浸漬ノズルの外側から内側へと向かう流れ、すなわち吸い込み流となった場合を「×」とし、内側から外側へと流れ、すなわち吐出流となった場合を「◎」、吐出流でも吸い込み流でもない場合を「○」とした。
<溶鋼流の吐出方向についての評価>
ノズル本体の内孔を通過した溶鋼は吐出孔から斜め下向きに吐出して鋳型の短辺側の壁に衝突するが、そのときの溶鋼衝突位置が湯面から所定量以上下方になると、たとえば、鋳型内で凝固シェルの生成が阻害されるおそれがある。そこで、溶鋼流の吐出方向については、溶鋼衝突位置が湯面から700mm以内の範囲内であれば「○」すなわち適正とし、湯面から700mmを超えた下方であれば「×」すなわち不適とした。
[評価結果]
実施例1〜10はいずれも乱流エネルギーが「中」以下であり、吐出孔上部の吸い込みはみられず、溶鋼流の吐出方向も適正であった。
これに対し、比較例1は、乱流エネルギーが大きく、吐出孔上部の吸い込みが見られた。また、比較例2および比較例3は、吐出孔上部の吸い込みが見られた。また、比較例4は、乱流エネルギーが「極小」で、吐出孔上部の吸い込みも見られなかったが、溶鋼流の吐出方向が不適であった。
1 連続鋳造用浸漬ノズル、10 ノズル本体、12 内孔、14 ノズル中心軸、16 側壁部、18 吐出孔、18a 上壁、22 吐出軸、30 仮想水平面、f 扁平率、L1 曲線、L2 直線、θ 角度。

Claims (5)

  1. ノズル中心軸に沿って延在する内孔を有する円筒状のノズル本体を備え、前記ノズル本体の側壁部には前記内孔に連通する2つの吐出孔が形成され、前記内孔の上端は前記ノズル本体の上端で開口してなる連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、
    前記内孔の下端側は、前記ノズル本体の溶鋼浸漬部において、前記内孔の大きさが前記吐出孔の上壁に向かって漸次拡大しており、
    前記2つの吐出孔の開口中心を通る吐出軸と前記ノズル中心軸とに平行な面に沿って前記ノズル本体を断面したときのノズル断面形状を表す線のうち、前記内孔の大きさが漸次拡大する前記内孔の下端側の断面形状を表す線が曲線であり、前記吐出孔の上壁の断面形状を表す線が直線である
    ことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 前記内孔の下端側の断面形状を表す前記曲線の曲率は、前記吐出孔に近づくにしたがって増加している
    請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. 前記吐出孔の上壁の断面形状を表す前記直線と前記ノズル中心軸に直交する仮想水平面とのなす角度は、7°以上65°以下である
    請求項1または2に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  4. 前記吐出孔の直上で前記ノズル中心軸と直交する方向に前記ノズル本体を断面したときの前記内孔の断面形状が扁平な形状であり、前記内孔の断面形状の長径を2a、前記内孔の断面形状の短径を2b、前記内孔の断面形状の扁平率をf=1−(b/a)としたときに、前記扁平率fが0.17以上である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  5. 前記吐出孔の水平方向の開口寸法は、前記吐出孔の直上における前記内孔の断面形状の短径よりも大きい
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
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