JP3861861B2 - 連続鋳造用浸漬ノズル及び連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造用浸漬ノズル及び連続鋳造方法 Download PDF

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本発明は、溶鋼等溶融金属の連続鋳造に用いる浸漬ノズルに関する。
連続鋳造用浸漬ノズル内に捩り板状旋回羽根を設け旋回流を形成すると、鋳型内溶鋼流動が安定化し鋳片品質や生産性が改善されることや、浸漬ノズル内の介在物付着が減少することが、特許文献1や特許文献2などに開示されている。
しかしながら従来、旋回羽根を設けた浸漬ノズル(旋回羽根付き浸漬ノズル)は、鋳型内溶鋼流動の均一化には効果は認められるが、ノズル内壁に非金属介在物が付着してノズル内溶鋼流動の均一化を阻害し、さらにはノズルが閉塞する原因になるという問題があった。
上記特許文献1には、旋回羽根付き浸漬ノズル内の溶鋼流にArガスを吹き込むことにより非金属介在物を捕捉し、内壁への介在物付着を防止することが記載されているが、その効果は不充分である。
特開2002−239690 WO99/15291
本発明者は、旋回羽根付き浸漬ノズル内を溶鋼が流下する時に非金属介在物がノズル内壁に付着する原因を詳細に調べた。
その結果、特に旋回羽根直下の内壁に非金属介在物が付着しやすい傾向があった。このような傾向を生じる原因として、旋回羽根直下では溶鋼の旋回流が均一になっておらず、淀みなどが発生するためと考えられた。
そこで、旋回羽根直下での非金属介在物付着を防止するために、旋回羽根の上流側で浸漬ノズル内の溶鋼流にArガスを吹き込んでみた。しかしながら、この場合、旋回羽根部分では内壁への非金属介在物付着はないが、旋回羽根直下では付着防止効果が限定されることが判明した。
その原因として、旋回羽根直下ではArガスがノズル内管部の中心近傍に集積するために、ノズル内管部の内壁近傍に存在する非金属介在物を捕捉することが困難なためと考えられた。
また、上記特許文献2には、旋回羽根の下流側においてノズル内径を旋回羽根部流路有効断面積の最小値の0.5〜1.8倍に絞ることが、旋回流を均一化するために有効であると記載されている。しかし、この特許文献2記載の方法では、内壁へ非金属介在物の付着する傾向が強くなり、特に旋回羽根直下では介在物付着が顕著に発生することが判明した。
その原因として、ノズル内径を急激に絞った場合には、内径の絞り勾配が変化する部位、すなわち絞り開始部位及び絞り終了部位において旋回流が乱れて淀みや局部的な渦が発生するため、非金属介在物が付着しやすい傾向となり、特に旋回羽根直下に内径の絞り勾配が変化する部位が存在する場合には、元々不均一な旋回流がさらに乱れるため、非金属介在物の付着傾向がさらに強くなるためと考えられた。
本発明は上記実情を考慮したものであり、旋回羽根等の旋回流付与機構を設けた浸漬ノズルの内壁、特に旋回羽根直下の内壁への非金属介在物の付着を防止することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、旋回流付与機構の直下における浸漬ノズル内壁への介在物付着について実験と考察を続けた結果、その効果的防止手段を考案するに到った。
すなわち、本発明により提供される浸漬ノズルは、旋回流付与機構が内部に配置された浸漬ノズルであって、該旋回流付与機構の下端より30mm下流の位置における内径が、旋回流付与機構が配置された位置における平均内径の95%以上であり、該旋回流付与機構の下端より30mm下流の位置までは、下流側に向けて径が拡径する部分を含んでおらず、該旋回流付与機構の下端より30mm下流の位置から吐出孔上端部までの間の内径絞り勾配の最大値が8°以下であり、該旋回流付与機構の下端部から吐出孔上端部までの間での最も内径が小さい位置の内径が、該旋回流付与機構における平均内径の50%〜90%であり、且つ、該旋回流付与機構の下端部から吐出孔上端部までの距離が200mm〜700mmであることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルである。
上記本発明の浸漬ノズルは、旋回流付与機構の下端から30mm下流の位置における内径を、旋回流付与機構の設置部における平均内径の95%以上とすることにより、旋回流付与機構直下における非金属介在物の付着しやすさと、急激な内径絞りに起因する非金属介在物の付着しやすさとが、同じ部位に重複して作用することを防止し、ノズル閉塞を防止する。
さらに、旋回流付与機構の下流30mmの位置から吐出孔の上端部までの区間における内径絞り勾配の最大値θMAXを8°以下に抑制することにより、急激な内径変化に起因する非金属介在物の付着を吐出孔に至るまでの広い範囲に渡り低減する。
ノズル内管部の最小内径部を、旋回流付与機構部における平均内径の50%から90%にまで絞ることにより、好ましくは60%から85%にまで絞ることにより、不均等な2重ラセン状旋回流の混合を促進し、均一な旋回流が得られる。旋回流が均一化すると、旋回流本来の作用である、複数の吐出孔への均等な吐出流分配や吐出孔全面からの均一な吐出を安定して享受することができる
上記手段を浸漬ノズルに適用することにより、旋回流付与機構の直下を含むノズル内管部の広い範囲にわたり、非金属介在物の付着を防止することができる。
また、本発明により提供される連続鋳造方法は、sol.Al含有率0.005質量%以上、Ca含有率0.0008質量%以下の溶鋼を上記本発明の浸漬ノズルを用いて鋳造する方法であって、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中に、不活性ガスを0.5〜20リットル/minの流量で供給しつつ鋳造することを特徴とする。
sol.Al濃度が高く、且つ、Ca濃度が低い溶鋼を連続鋳造する際には、旋回流浸漬ノズルの内壁に非金属介在物が特に付着しやすいが、本発明の浸漬ノズルを用い、ノズル内の溶鋼流に適量の不活性ガスを供給しながら連続鋳造を行うことにより非金属介在物付着を軽減することができ、高いノズル閉塞防止効果が得られる。
本発明の実施により、溶鋼又はその他の溶融金属の連続鋳造を長時間、円滑に行うことが可能となるので、鋳型内溶鋼流動が安定化し、鋳片品質や生産性が改善されるという旋回流浸漬ノズルの効果を、旋回流付与機構を有していることに起因するノズル閉塞問題に悩まされることなく享受することができる。
本発明を説明する前に、先ず、浸漬ノズルの内管部に旋回流付与機構を配置し、溶鋼を流下させた時に、ノズル内壁に非金属介在物が付着する原因について、本発明者により見出された知見を述べる。
旋回流付与機構として捩り板状旋回羽根を用いる場合を例に説明すると、旋回羽根によって形成される旋回流は、図8に示すように、捩り板を挟んで両側の通路で形成される2つの旋回流が2重ラセン状に分布する。なお、厳密には、ノズル内の流れが2つの旋回流に完全に分離されているわけではなく、流速の大きい、いわゆる主流である部位がラセン状に分布している。
旋回羽根に入るノズル内の溶鋼流は、浸漬ノズル上流側にあるスライディングゲート等の流量調整機構によって絞られた流れであるので、横断面内の流速差が大きな乱れた下降流である場合が多い。このような旋回羽根入り口での下降流乱れの影響を受けて、形成されて間もない旋回羽根直下の旋回流は周速度・下降速度ともに不均一な旋回流となりやすい。さらに、旋回羽根直下では旋回羽根で形成された2つのラセン流の混合が十分に進んでいないことも相俟って、流路横断面内の速度分布が不均一な旋回流となっている。
このような不均一な旋回流も、下降するうちに、徐々に周方向の混合が進み均等な強制渦状の流れへと移り変わって行く。均等な旋回流が形成されると、ノズル内壁は常に速度の大きな流れで洗われるようになるので、非金属介在物の付着は少なくなる。
しかしながら、形成されて間もない不均一な旋回流には、このノズル内壁洗浄作用が十分に備わっていないため、旋回羽根直下では内壁に非金属介在物が付着しやすい。
一方で、ノズル内壁への非金属介在物付着防止を目的としてノズル内管部に吹き込まれるArガスは、旋回流の形成とともに速やかに渦流の中心へと移動するので、ノズル内壁と溶鋼との界面に作用しなくなり、旋回羽根直下ではその効力を失う。従って、旋回羽根の上流側でノズル内管部にArガスを吹き込んでも、旋回羽根直下では旋回流が不均一ゆえに十分なノズル内壁洗浄作用が無いうえ、Arガスによる非金属介在物付着防止効果が失われているので、ノズル内壁に非金属介在物が付着しやすい環境にある。
浸漬ノズル内壁への非金属介在物付着を促進させるもう一つの要因に、急激なノズル内径(内管径)の変化がある。すなわち、ノズル内径が急激に拡大する場合には、内壁近傍に渦や淀みが発生し、そこに非金属介在物が長く滞留したり、成長したりして、内壁への付着が促進される。ただし、ノズル内径が拡大する場合には流路断面が広くなるのであるから、非金属介在物の付着があるとしても顕著な閉塞に至ることは少ない。それに対し、ノズル内径を急激に絞った場合には、絞り勾配が変化する部位、すなわち絞り開始部位及び絞り終了部位の直下において旋回流が乱れて淀みや局部的な渦が発生し、内径が急拡大する場合と同様に非金属介在物付着が促進される。この場合は、流路断面が狭くなる部位にさらに介在物が付着するので、閉塞の問題が生じる。特に旋回羽根直下に内径の絞り勾配が変化する部位が存在する場合には、もともと不均一な旋回流がさらに乱れるため、非金属介在物の付着傾向がさらに強くなる。
以上は、旋回流付与機構として捩り板型旋回羽根を適用した場合の例であるが、他の機構で溶鋼の下降流に旋回流を付与する場合にも、下降流が旋回流付与機構において角速度を与えられ流れの方向が変化することに伴ない流動に乱れが生じる結果、旋回流付与機構部の直下において同様の現象が起こりうる。
発明者らは、これら2つの付着作用が同時に進行したとき、非金属介在物の付着が特に顕著となり、ノズル閉塞の問題が高頻度で発生することを発見し、その対応策として本発明を成した。
図1は、本発明に属する浸漬ノズルの一例を模式的に示す縦断面図である。図1において浸漬ノズル(旋回流浸漬ノズル)Aは、ノズル本体1の内管部に旋回流付与機構2として旋回羽根が設置された構成をとる。旋回流浸漬ノズルAは旋回羽根を有しているが、本発明においては旋回羽根以外の旋回流付与機構、例えば、電磁気力を利用する誘導型電磁攪拌装置をノズル外周に設けても良い。
以下、図1を参照しつつ本発明を説明する。すなわち、本発明による第1番目の解決手段によれば、旋回流浸漬ノズルAにおいて、旋回流付与機構2の下端P2から少なくとも30mm下流の位置P3までは旋回流付与機構の設置部(すなわち旋回流付与機構2の上端P1から下端P2までの区間)における平均内径DAVの90%以上の内径を確保することにより、旋回流付与機構直下における非金属介在物の付着しやすさと、急激な内径絞りに起因する非金属介在物の付着しやすさとが、同じ部位に重複して作用することを防止し、ノズル閉塞を防止する。この場合、旋回流付与機構の下端P2から30mm下流の位置P3における内径Dを旋回流付与機構の設置部における平均内径の95%以上確保することが望ましい。ここで、旋回流付与機構2として、上端及び/又は下端の稜線が傾いている旋回羽根を用いる場合には、上端稜線の最上流位置を上端と考え、下端稜線の最下流位置を下端と考える。また、旋回流付与機構2として、誘導型電磁攪拌装置を用いる場合には、コイルを巻き回した鉄心の上下端をもって、旋回流付与機構の上下端とする。
ノズル内径は、旋回流付与機構の下端P2から30mm下流の位置P3までの区間において、下流側に向けて拡径する部分がないことが特に望ましい。また、ノズル内径は、旋回流付与機構の下端P2から30mm下流の位置P3にかけて、旋回流付与機構の設置部における平均内径DAVの90%以上であればよいが、この区間における急激な内径絞りを避けるために、短い下降距離で急激に平均内径DAVの90%まで絞ることは好ましくない。ただし、旋回羽根等の旋回流付与機構を設置する場合に、その位置決めのために、下端P2において半径1〜2mm程度の段差を設けることは差し支えない。
さらに加えて、第1番目の解決手段によれば、旋回流付与機構の下流30mmの位置P3から吐出孔の上端部P4までの区間における内径絞り勾配の最大値θMAXを8°以下に抑制することにより、急激な内径変化に起因する非金属介在物の付着を吐出孔に至るまでの広い範囲に渡り低減する。この内径絞り勾配の最大値θMAXは5°以下であれば、さらに望ましい。
なお、本発明において旋回流付与機構の下流30mmの位置P3から吐出孔の上端部P4までの区間における絞り勾配の最大値θMAXが8°以下又は5°以下であるとは、文字通り、この区間内のどの位置の絞り勾配θも8°以下或いは5°以下であるか、又は、旋回流付与機構の下流30mmの位置P3から吐出孔の上端部P4の区間が20mm以上ある場合には、この区間内の任意の位置で区切られた長さ20mmの区間における平均絞り勾配θAVが、いかなる位置で区切られた長さ20mmの区間についても8°以下或いは5°以下であることと定義する。
例えば、上記P3からP4の区間距離が40mmであり、この区間内の任意の位置で区切られた長さ20mmの区間での平均勾配θAVが7°であれば許容される。
また、上記P3からP4の区間距離が20mmであり、この区間での平均勾配θAVが8°以下であれば、その途中で拡径しても、或いは、8°以上で絞っていても許容される。さらに、上記P3からP4の区間距離が20mmであり、上流側10mmの区間での平均勾配が15°あっても、残り10mmの区間での平均勾配が1°なら、20mm全区間の平均勾配θAVは8°となり、許容される。
これは、ノズル内に生じる渦や淀み領域の大きさに比べて、小さな凹凸や内径変化は問題にならないからである。
本発明の第2番目の解決手段によれば、第1番目の解決手段に加え、旋回流付与機構の下端部P2から吐出孔の上端部P4までの間で最も内径が小さい位置の内径DMINを、旋回流付与機構部における平均内径DAVの50%から90%にまで絞ることにより、不均等な2重ラセン状旋回流の混合を促進し、均一な旋回流を得る。この絞り率が90%よりも大きいと前述の絞り効果が不十分となる。また、この絞り率が50%よりも小さいと絞りによる流動抵抗が過大となり、浸漬ノズルとして必要な溶融金属流量を通湯することが困難となる。最小の内径DMINは、平均内径DAVの60%から85%に絞ることが、より好ましい。同時に、旋回流付与機構の下端部P2から吐出孔上端部P4までの距離を200mm以上確保すると旋回流の均一化が十分に進行する。第2番目の解決手段において旋回流付与機構下端部P2から吐出孔上端部P4までの距離の上限値は700mmである。これ以上の距離を確保しようとすると、浸漬ノズル全体が無用に長くなりすぎコストや操業性が悪化する。
旋回流が均一化すると、旋回流本来の作用である、遠心力による複数の吐出孔への均等な吐出流分配や吐出孔全面からの均一な吐出、ひいては安定した鋳型内流動形成による品質並びに生産性向上というメリットを安定して享受することができる。
本発明の第3番目の解決手段によれば、上記第1番目又は第2番目の解決手段により提供される旋回流浸漬ノズルを用い、sol.Al濃度0.005%以上、且つ、Ca濃度8ppm以下の溶鋼(特にAlキルド鋼)を連続鋳造する際に、浸漬ノズルの内管部内を流下する溶鋼に、流量0.5〜20リットル/minの不活性ガスを供給しながら当該溶鋼を流下させ、鋳型に吐出させる。
本発明の課題である非金属介在物付着によるノズル閉塞は、主にAl介在物によって引き起こされる。ゆえに、sol.Al濃度0.005%未満の鋼においては問題とならない場合が多い。また、Alキルド鋼であってもCa濃度が高い場合には、CaOの作用により、Al介在物が低融点化し、浸漬ノズル内に付着しなくなるので、それほど著しい閉塞は起きない。このように本発明は、sol.Al濃度0.005%以上、且つ、Ca濃度8ppm以下の溶鋼、特にAlキルド鋼に対して特に有効性が発揮される。
上記第1番目或いは第2番目の解決手段により提供される旋回流浸漬ノズルは、様々な溶融金属の連続鋳造に用いることができ、その際にノズル閉塞の問題を起こさずに円滑な操業を行うことができる。しかし、sol.Al濃度0.005%以上、且つ、Ca濃度8ppm以下の溶鋼を連続鋳造する場合には、非金属介在物の付着が特に起きやすいため、上記第1番目或いは第2番目の解決手段により提供される旋回流浸漬ノズルを用いるだけでは不充分であり、ノズル閉塞を防止するためには、浸漬ノズル内への不活性ガス供給が必要となる。本発明者らの研究によれば、旋回流付与機構部を含む浸漬ノズル内に0.5リットル/min以上、好ましくは1リットル/min以上の不活性ガスが流れていれば、非金属介在物付着防止策として有効である。浸漬ノズル内に流れる不活性ガス流量が20リットル/minを超えると、ノズルの溶損や、鋳片の気泡性欠陥などの悪影響が顕著となる。
不活性ガスとしては、例えば、Arガスなどが用いられる。また、旋回流付与機構部を含む浸漬ノズル内に不活性ガスを供給するためには、旋回流付与機構の上流側にガス吹き込み機構を設ければよい。その場合、浸漬ノズルよりも上流側の耐火物内面から吹き込んでもよいし、旋回流付与機構の上流側の浸漬ノズル内壁にガス吹き込み孔を設け、そこからガスを吹き込んでもよい。
以下に本発明の実施例及び比較例を表1に対比しつつ説明する。
(1)評価方法
表1に示す試験A乃至Hにおいて、内管部の寸法・形状を種々変更し,捩り板状旋回羽根として図7(a)に示す捩り角120°の羽根又は図7(b)に示す捩り角180°の羽根を内管部に固定した各旋回流浸漬ノズルA乃至H、及び、鋳型厚み210〜270mm、鋳型幅1200〜1880mmのスラブ連続鋳造機を用い、浸漬ノズル内壁への介在物付着と、ノズル内旋回流の均一性を評価した。各試験で用いた旋回流浸漬ノズルA乃至Hの構成は表1に示すと共に、適宜図1乃至図6にも示した。
Figure 0003861861
浸漬ノズル内壁への介在物付着評価は、上記旋回流浸漬ノズルと上記スラブ連続鋳造機を用い、タンディッシュ−浸漬ノズル間のスライディングゲートからArガスを吹き込みつつ、Caを添加しないAlキルド低炭素鋼(鋼中sol.Al濃度0.010〜0.0045mass%、鋼中Ca濃度5ppm以下)を浸漬ノズル内に流下させ、鋳造速度1.4〜2.0m/minで鋳造した結果を用いて評価した。なお、試験に用いた低炭素鋼の元素組成を表2に示す。
評価基準は、問題なく600ton連続鋳造可能な場合には「○」、途中で鋳造速度を低下することにより600ton連続鋳造を完了できた場合には「△」と評価した。
Figure 0003861861
また、ノズル内旋回流の均一性は、旋回流浸漬ノズルとスラブ連続鋳造機として上記と同じものを用い、フルスケール水モデル実験により、吐出孔直上の吐出孔上壁が内管形状に影響しない、内管形状が円断面である部位において、ノズル内壁から5mm内側の下降流速を、小型プロペラ流速計を用いて、中心から角度30°ピッチで周方向に360°測定した結果から、ノズル内下降流速の周方向変動を求め、評価した。
評価基準は、平均周方向速度を基準(100%)として、各測定位置における周方向速度の増分(プラス表示)又は減分(マイナス表示)を計算し、変動量が±10%未満の場合は「優」、±20%未満の場合は「良」、及び、±20%以上の場合は「可」と評価した。
(2)評価結果
表1の試験A〜Eは、本発明に適合する実施例である。
試験A〜Cは本発明の上記第1番目、第2番目及び第3番目の解決手段全てに適合しているので、非金属介在物付着物によるノズル閉塞が少なく、ノズル内旋回流の均一性が高い。
試験Dは、旋回流付与機構の下流側における内径絞りが小さいので、本発明の第2番目の解決手段に適合せず、ノズル内旋回流の均一性がやや劣る結果となった。しかしながら、第1番目及び第3番目の解決手段には合致しているので、非金属介在物付着によるノズル閉塞が少なく、円滑な操業が可能であった。
試験Eは、旋回流付与機構下端部から吐出孔までの距離が短いので、本発明の第2番目の解決手段に適合せず、ノズル内旋回流の均一性がやや劣る結果となった。しかしながら、第1番目及び第3番目の解決手段には合致しているので、非金属介在物付着によるノズル閉塞が少なく、円滑な操業が可能であった。
表1の試験F〜Hは、本発明に適合しない比較例である。
試験Fは、旋回流付与機構直下において急激に内径が絞られ、吐出孔までの長い区間における内径絞り勾配も大きいので、非金属介在物付着によるノズル閉塞が多く、円滑な操業が困難であった。
試験Gは、旋回流付与機構部における平均内径に対する最小内径部における内径絞り率が50%を下回る大きな絞りゆえ、ノズル全体の流動抵抗が大きいことが水モデル実験により確認されたので、実機操業実験には供されなかった。実機試験に供した場合、旋回流付与機構直下から最小内径部まで内径の絞りが急角度であるので、非金属介在物付着によるノズル閉塞が多いことも予想される。
試験Hは、旋回流付与機構直下において急激に内径が絞られているので、絞り直下に多くの非金属介在物が付着し、ノズルが閉塞したことから、円滑な操業が困難であった。
sol.Al濃度が高く、且つ、Ca濃度が低い溶鋼を連続鋳造する際には、旋回流浸漬ノズルの内壁に非金属介在物が特に付着しやすいが、本発明を適用すると非金属介在物付着を軽減することでき、特に高いノズル閉塞防止効果が得られる。
また、本発明は、Sol.Al濃度がそれほど高くない、或いは、Ca濃度がそれほど低くない溶鋼を連続鋳造する場合にも有効性が損なわれることはなく、ノズル内壁への非金属介在物付着、ノズル閉塞を防止することができる。
本発明に係る浸漬ノズルの一例を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る浸漬ノズルの他の一例を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係る浸漬ノズルの他の一例を模式的に示す縦断面図である。 比較例に用いた浸漬ノズルを模式的に示す縦断面図である。 比較例に用いた浸漬ノズルを模式的に示す縦断面図である。 比較例に用いた浸漬ノズルを模式的に示す縦断面図である。 図7aは捩り角120°の旋回羽根を示す側面図である。図7bは捩り角180°の旋回羽根を示す側面図である。 ノズル内管部において旋回羽根により形成される2重ラセン流を示す図である。
符号の説明
1…ノズル本体
2…旋回流付与機構

Claims (3)

  1. 旋回流付与機構が内部に配置された浸漬ノズルであって、該旋回流付与機構の下端より30mm下流の位置における内径が、旋回流付与機構が配置された位置における平均内径の95%以上であり、該旋回流付与機構の下端より30mm下流の位置までは、下流側に向けて径が拡径する部分を含んでおらず、該旋回流付与機構の下端より30mm下流の位置から吐出孔上端部までの間の内径絞り勾配の最大値が8°以下であり、該旋回流付与機構の下端部から吐出孔上端部までの間での最も内径が小さい位置の内径が、該旋回流付与機構における平均内径の50%〜90%であり、且つ、該旋回流付与機構の下端部から吐出孔上端部までの距離が200mm〜700mmであることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 前記旋回流付与機構の下端部から吐出孔上端部までの間での最も内径が小さい位置の内径が、該旋回流付与機構における平均内径の60%〜85%であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. sol.Al含有率0.005質量%以上、Ca含有率0.0008質量%以下の溶鋼を前記請求項1又は2に記載の浸漬ノズルを用いて鋳造する方法であって、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中に、不活性ガスを0.5〜20リットル/minの流量で供給しつつ鋳造することを特徴とする連続鋳造方法。
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