JP2006520694A - 動的安定化機能を有する浸漬式注入ノズル - Google Patents

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Abstract

本発明は金属溶湯の鋳造に用いる注湯管に関する。この注湯管は乱流や鋳型内の混乱を低減し、排出流を安定化、均一化する。注湯管の流出口には少なくとも1つの舌状部があって、その両側が少なくとも2つのスロットになっている。これらのスロットにより、相互対抗回転する複数の流れが生成し、それにより排出流が拡散して均一化する。これにより有害な非対称性やアルミナによる閉塞を低減できる。

Description

本発明は、耐火物部材に関し、詳しくは連続鋳造の操業で金属溶湯の搬送に用いるための耐火物製注湯管に関する。
鋼等の金属の連続鋳造において、金属溶湯流を典型的には耐火物製注湯管を介して第1の冶金容器から第2の冶金容器または鋳型へ搬送する。このような注湯管は一般にノズルまたはシュラウドと呼ばれており、金属溶湯の搬送に適した内腔を備えている。注湯管には、浸漬注入ノズル(submerged-entry nozzles: SEN)あるいは浸漬注入シュラウド(submerged-entry shrouds: SES)があって、受湯する容器または鋳型の液面下に金属溶湯を排出する。
金属溶湯は内腔の下流端にある1つ以上の流出口から排出される。注湯管の重要な機能の1つは、中断や混乱を生ずることなく金属溶湯を円滑かつ安定に排出させることである。円滑かつ安定に排出すると処理が促進され、最終製品の品質が向上する。注湯管のもう1つの重要な機能は、受湯する容器または鋳型内の金属溶湯を適切な運動状態に維持して、後続の処理を促進することである。適切な運動状態を生成するためには、注湯管に複数の流出口を設け、その配列によって金属溶湯の排出流を1つ以上の方向に向けてやることが必要であろう。
円滑かつ安定な排出を妨げる要因としては、内腔の中と流出口の中での金属溶湯の流動を非対称にする物理条件と運動条件がある。溶湯の流速分布と流線に非対称性が生ずる原因は、例えば(a)内腔とポートの設計不良、(b)上流方向への流速制御手段の存在、(c)内腔とポートの中での障害物の不均等な堆積である。これらの要因が無いとしても、内腔の中で乱流が生ずると流動状態が非対称になる。例えば、内腔の中を流れる金属溶湯流は、内腔の壁面沿いより内腔の中心線近傍の方が流速が大きくなったり、中心線を境にしてその両側で流速が違ったり、中心線を外れた位置の流速が大きくなったりする。このように流速にバラツキがあると、穴から排出される際に脈動や過度の乱流が発生する原因になり、その結果、処理が不安定になって最終製品の品質が低下する。ストッパーロッドやスライドゲートバルブといったスロットル手段を用いると、内腔への流入が部分的に遮られるので、金属溶湯流が内腔の中心線を外れた位置で流入することがある。この場合、溶湯流は内腔の片側を優先的に流れて注湯管から非対称すなわち不均等に流出し、鋳型の中に過度の大波や乱流を生ずる。排出流の脈動、大波、乱流、非対称性は、排出前の溶湯流に反転が生ずるようなポート配置になっていると悪化する。流出口に接近してくる溶湯流が非対称であると、ポートからの排出中に反転流が不安定に旋回したり渦巻いたりするため、排出方向が不安定になるし、受湯容器内での流れのパターンも不安定になり、受湯容器内で望ましくない運動状態になる。
析出物や非金属堆積物も、内腔を閉塞したり狭小化したりして、流出管からの金属溶湯の安定な排出を混乱させる。溶鋼の場合、析出物や非金属堆積物の主体はアルミナ等の高融点不純物である。アルミナが堆積すると内腔が狭小化したり閉塞したりして、溶鋼の円滑かつ安定な流れを停止させたり著しく妨害したりする。
溶湯流が非対称で不均一であると、特定の箇所に集中的に堆積による閉塞が生じ易くなるので、流れの不均一性が更に大きくなる。管の閉塞は酸素ランスを用いて解消することもできるが、ランス作業が入ると鋳造プロセスが混乱し、耐火物寿命が短くなり、鋳造の作業効率と鋼製品の品質が低下する。内腔が析出物で完全または部分的に閉塞されると、注湯管の寿命が短縮するので、鋼メーカーにとってはコストと消耗時間の両面で負担になる。
従来、流れの状態を改善するために化学的な手段と機械的な手段の両方が試みられてきた。例えば、アルミナ析出量を低減して閉塞を抑制することで流れを改善できる。そのため、注湯管にガスを注入して加圧することでアルミナによる閉塞を低減していた。しかし、ガス注入には多量のガスを要し、耐火物の設計が複雑になる上、必ずしも常に効果が得られる訳ではない。ガスは溶鋼中に溶け込んだり巻き込まれたりするため、ピンホールやポロシティーといった鋼品質上の問題を生ずる。ガス注入に代えて又はガス注入と組み合わせて、アルミナの堆積を防止するための耐火物材料を内腔の内壁に被覆することが行なわれていた。これに用いた耐火物は低融点の組成のものであり、例えばCaO−MgO−Al共晶組成物、ジルコン酸カルシウム、カルシウムシリサイドなどであり、表面のアルミナ堆積物を脱落させる。これらの組成の耐火物は高温で分解し易く、鋳造の実行中に脱水反応を起こして消散してしまう。そのため有効な寿命が短い。アルミナの堆積を防止するための他の表面被覆用耐火物材料としては、SiAlON−グラファイト、金属の2ホウ化物、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、および炭素を含まない組成物がある。このような耐火物は高価であり、実用的でなく、製造が有害であり時間もかかる。
流れを改善するための機械設計としては、アメリカ合衆国特許第5,785,880号(Heaslip et al.)に、金属溶湯流を鋳型へ円滑に搬送する裾広がり形状の注湯管が示されている。もう1つの設計がEP0765702B1に記載されており、穴開き障害物を内腔の中に入れて溶湯流を望ましい軌跡から偏向させる。どちらも、溶湯流を機械的に操作することにより鋳型への金属溶湯の導入を制御しようとするものである。アルミナによる閉塞についても、アルミナによる閉塞の低減についても、何ら記載が無い。
もう1つの設計として、内腔内のアルミナ堆積を低減することで流れを改善することが知られている。この設計は、注湯管を円錐形状または段付き形状にしたものである。アメリカ合衆国特許第4,566,516号(Frykendahl)には、不活性ガス注入ノズルの内腔を円錐形状にしてガス流の「脈動」を減らす。ガス流が円滑に内腔に流入することで閉塞を低減するとされている。「段付き」設計の場合、注湯管の内腔径が不連続に変化する。段付き設計としては、注湯管の内腔を螺旋状にしたものもある。特開昭61−72361号公報に段付き注湯管が図示されており、注湯管の内腔に凸部または凹部を少なくとも1箇所設けて金属溶湯に乱流を発生させるとの説明がある。層流より乱流の方がアルミナによる閉塞を低減すると説明されている。アメリカ合衆国特許第5,328,064号(Nanbo et al.)には、内腔に複数の凹部を設け、その間に一定の直径dの段差を配置することが示されている。個々の凹部は直径がdより大きく、望ましくは流れの方向に沿って凹部の直径を小さくする。これらの段差により発生した乱流がアルミナによる閉塞を減らすと説明されている。
アメリカ合衆国特許第6,425,505号(Heaslip)には、流体通過可能に接続した複数の部分を注湯管に設けて、内腔を通る金属溶湯流を改善することが示されている。これらの部分を設けたことで金属溶湯流の非対称性が低減し、析出物による内腔の閉塞傾向が低減する。ここの部分は、収束領域と放散領域とを持っている。収束領域では流れが内腔の中心線に向けられ、放散領域では流れが拡散させられる。収束領域と放散領域とを組合せたことで、注湯管内の流れの対称性が高まる。
従来技術では、内腔の中での金属溶湯流を制御しているが、注湯管の流出口からの排出流の不安定性の制御にはほとんど無力である。流出口では排出流の流れパターンが不安定になる。注湯管から鋳型への流れが安定しないと、メニスカスでの乱流や波打ちの発生が増加する。また、鋳型の中で流れが変動して、鋳型内での流れパターンに片寄りが生ずる。更に、流れが不安定であると注湯管の下部、特に管の井戸底やポートの下部コーナーでアルミナによる閉塞が起き易くなる。閉塞の典型的な影響は、注湯管からの排出流が非対称になることである。
そこで、排出流を安定化して、メニスカスでの乱流、波打ち、非対称流れパターン、アルミナによる閉塞を低減した耐火物製の注湯管が強く望まれている。理想的には、鋳型への金属溶湯流を改善して鋳造性品の性質を向上させる注湯管が望まれる。
本発明は、金属溶湯の注入に用いる注湯管に関する。本発明の注湯管は、少なくとも1つの流出口を備えていて、この流出口からの金属溶湯の排出流が従来技術に比較して安定性および均一性が向上する。排出流が改善されると、メニスカスでの乱流や波打ちが低減し、アルミナによる閉塞が低減し、排出流の対称性が高まる。その結果、最終製品の品質が向上する。
広い観点においては、本発明の物品は、流れの不安定性を低減して排出流の安定性を高める流出口形状を持つ注湯管である。この形状によって、注湯管からの排出流に通常発生する前後方向に旋回する不安定な流れパターンが低減する。このような流れパターンは鋳型内の流れの不安定化と鋳造性品の品質低下に少なくとも部分的には原因となっていると言われている。
1つの観点においては、本発明の流出口は、金属溶湯の流れがこの流出口を通って鋳型へ排出される際の流れの旋回および回転を安定化および制御する。流れの周縁が流出口の幅や高さに近くなるような大規模な旋回運動が抑制され低減される。排出流に不安定で制御されない大規模な旋回が起きると、鋳型あるいは受湯容器内で発生する流れパターンが大きく変動して不安定性が高まる。流出口に複数のスロットを備えたことにより、金属溶湯内に相互対抗回転する複数の流れが常に維持され、単一方向の大規模旋回や方向が繰り返し逆転する大規模旋回の発生が防止される。注湯管からの排出流内に相互対抗回転する複数の流れが維持されることにより、排出流が拡散し均一化し乱流が減って、受湯容器内の流れパターンの安定性が高まる。
注湯管からの排出流は鋳型内に上部循環ループの部分を形成することがある。上部循環ループは鋳型の上部表面に近接していて、例えば頂部表面での波打ちやメニスカスでの乱流に影響を及ぼす。本発明の流出口からの排出流は、メニスカスでの乱流や鋳型溶湯レベルの変動を生ずることなく、鋳型表面への金属溶湯の搬送量を増大させる。鋳型内の熱分布も改善される。鋳型内の全体の流れパターンの安定性が高まる。
1つの実施形態においては、流出口は下流エッジに舌状部がある。この舌状部と下流エッジとで、流出口の下部コーナーにスロットが形成されている。このスロットの存在によって、排出流内の大規模な旋回運動の発生が防止され、管からの排出流内に小規模の相互対抗回転する複数の流れの形成が促進される。流出口に舌状部を設けたことによって、流出口内および注湯管の流出領域内の圧力と流れ特性が変わって、アルミナによる閉塞と非対称な流れが低減する。
第2の実施形態においては、流出口は上流エッジに舌状部がある。この舌状部と上流エッジとで、流出口の上流コーナーにスロットが形成されている。このスロットの存在によって、排出流内の大規模な旋回運動の発生が防止される。大規模な旋回運動は、本質的に不安定であり、一般に方向が不定期に切り替わるため、排出流の方向が変動し易く、排出流内および鋳型内の運動が不安定になる。
第3の実施形態においては、流出口は上流エッジと下流エッジの両方に舌状部がある。流出口の上流エッジと下流エッジの両方に舌状部を設けると、排出流内に対称性が高く小規模かつ制御された安定な相互対抗回転する複数の流れが生成し易い。
本発明の他の詳細、目的、利点について、以下の具体例で説明する。
本発明は、金属溶湯の連続鋳造に用いるための注湯管である。この注湯管は、少なくとも1つの流出口と流体通過可能に接続している内腔を備えている。注湯管とは、金属溶湯流を導くシュラウドやノズルなどといった耐火物製部材であり、例えば浸漬式注入シュラウドやノズルである。本発明は、金属溶湯を鋳型などの受湯容器内の溶湯表面下に送り込むための流出口を持つ注湯管に特に適している。
図1および図2に、それぞれ別の方向から見た注湯管1の外観を示す。注湯管1は流入口11と流出口12とが内腔13により流体通過可能に接続されている。金属溶湯流は注湯管1の上流端の流入口11から内腔を通って下流端の流出口12まで進行する。流出口12は、注湯管1の外表面から内腔13まで貫通する孔である。流出口12の輪郭縁には下流表面がある。流出口の輪郭縁の全体形状は特に限定する必要はなく、適宜選定すればよく、例えば楕円形、多角形、これらの組合せ形状などでよい。簡便には、流出口の全体形状はほぼ長方形である。1つの実施形態においては、流出口12は下流表面21と、上流表面22と、これら両者を接続する側部表面23とで規定される。下流表面21または上流表面22から少なくとも1つの舌状部24が延びている。舌状部24、下流表面21、側部表面23によって複数のスロット状開口部25が規定される。
図3に、流入口11と流出口12を持つ従来の注湯管2を示す。金属溶湯の注湯を行なっている際に、金属溶湯の下降流31の運動エネルギーの少なくとも一部は、角運動量を持って回転する排出流32に転換される。それ以外のエネルギーによって、金属溶湯流が高速ジェットとして流出口から排出される。図示した回転排出流32は反時計回りに旋回しているが、従来の注湯管では排出流の旋回方向は不安定であり、時々逆転する。下降流31の内部の運動量分布の非対称性に応じて、排出流の旋回の規模は流出口の幅、高さ、直径と同等にまでなり得る。従来の注湯管では、排出流に不安定な大規模旋回が生じた上、排出流が高速のジェット流であったため、鋳型の中で乱流、表面波打ち、流れパターンの不安定性、熱的な不均一性が生じた。更に、回転する排出流32が流出口12内で分断するという問題もあった。流れの分断が起きると、アルミナによる閉塞が起きて流出口からの排出流が堰き止められる。高速ジェットと大規模な回転流とが組み合わさると排出流が不安定になって、鋳型の中で溶湯流の方向が定まらずに右往左往する。従来の流出口では上記の問題は解消できなかった。
これに対して本発明の流出口12では、図4に示すように、金属溶湯の下降流31の少なくとも一部がスロット25を通る。このスロットによって、下降流31の運動エネルギーの少なくとも一部が少なくとも2つの相互対抗回転する流れ41に転換され、これにより排出流内に単一の大規模旋回ループが生ずることが防止される。相互対抗回転する複数の流れ41の角運動量はほぼ相殺し合うので、流出口12からの排出流は正味の角運動量がほぼゼロまたはゼロに近くなる。同時に、排出流は流出口12全体に渡って均一に排出されるので、排出流の運動エネルギーも速度も大幅に低減する。相互対抗回転する複数の流れ41によって、排出流の速度が大幅に低減し、排出流内の大規模旋回運動、渦巻き運動の発生が防止される。排出流が拡散し、集中しないで表面に広がり、表面での波打ちや乱流の発生が無い。排出流が拡散するので、鋳型内の熱分布が改善する。また、流出口12内での流れの分断やそれに起因するアルミナによる閉塞が低減する。アルミナによる閉塞の原因となる流れの不安定性が実質的に解消する。
舌状部は、排出流内に相互対抗回転する複数の流れを生成できるスロットを形成するのに十分なサイズとする。図5に示すように、舌状部24は幅(w1)51と高さ(h1)52を持つ。流出口12の幅(W)53と高さ(H)54との関係において、舌状部の幅51は典型的には流出口の幅53の8分の1程度以上である。舌状部の高さ52は同様に流出口12の高さ54の8分の1程度以上である。当然のことながら、舌状部の寸法を大きくすると流出口の総排出面積は小さくなり、注湯管の可能排出流量が減少するので、舌状部は相互対抗回転する複数の流れを生成できる最小限のサイズにすることが多い。鋳造条件すなわち金属溶湯の種類、鋳造温度、鋳型形状、排出流量、注湯管のサイズ、流出口のサイズによって、舌状部の寸法は影響を受ける。
図6に示すように、舌状部および随伴するスロットは排出流を所望の角度に振り向けるように設計する。内腔13の長軸61は、内腔を流れる金属溶湯下降流の方向に沿っている。
直角軸63は長軸61に対して直角であり、流出口のほぼ中心を通っている。舌状部のエッジから遠い側の表面は延長表面64として規定され、直角軸63に対して角度α1を成す。スロットの下流表面65は直角軸63に対して角度α2を成す。角度α1、α2は、排出流の各部分が所望の排出角度になるように選定できる。当業者に知られているように、所望の排出角度は、鋳造条件すなわち金属溶湯の種類、鋳造温度、鋳型形状、排出流量、注湯管のサイズ、流出口のサイズによって異なる。角度α1、α2は典型的には−45°〜+45°である。
図7に、本発明の第2の実施形態による注湯管を示す。注湯管1は流入口11と流出口12とが流通内腔13により流体通過可能に接続されている。金属溶湯流は注湯管1の上流端の流入口11から内腔を通って下流端の流出口12まで進行する。流出口12は上流表面22と、下流表面21と、これら両者を接続する側部表面23とで規定される。流出口の全体形状は特に限定する必要はなく、適宜選定すればよく、例えば楕円形、多角形、これらの組合せなどでよい。簡便には、流出口の全体形状はほぼ長方形である。上流表面22から少なくとも1つの舌状部24が下流へ延びている。舌状部24、上流表面22、側部表面23によって複数のスロット状開口部25が規定される。
図8に示すように、本発明の流出口12では、金属溶湯の下降流31の少なくとも一部がスロット25を通る。スロット25は、排出流の中に単一の大規模旋回ループが発生するのを阻止し、複数の旋回流32の運動エネルギーの少なくとも一部を相互対抗回転する複数の流れ41へ転換する。相互対抗回転する複数の流れ41の角運動量は、流出口12からの排出流の角運動量を実質的に低減する。排出流内の大規模な旋回、渦巻きの発生が防止され、排出流は対称性が高まり、拡散して、鋳型などの受湯容器の頂部表面まで広がり、過度の表面波打ちや乱流が発生しない。更に、流出口12内での流れの分断、アルミナによる閉塞の原因となる流れの不安定性は実質的に解消され、それに伴いアルミナによる閉塞が低減する。
図9に、本発明の第3の実施形態による注湯管を示す。注湯管1は流入口11と流出口12とが内腔13により流体通過可能に接続されている。金属溶湯流は注湯管1の上流端の流入口11から内腔を通って下流端の流出口12まで進行する。流出口12は上流表面22と、下流表面21と、これら両者を接続する側部表面23とで規定される。流出口の全体形状は特に限定する必要はなく、適宜選定すればよく、例えば楕円形、多角形、これらの組合せなどでよい。簡便には、流出口の全体形状はほぼ長方形である。下流表面21から少なくとも1つの下部舌状部91が上流へ延びており、上流表面22から少なくとも1つの上部舌状部92が下流へ延びている。下部舌状部91、上部舌状部92、下流表面21、上流表面22、側部表面23によって複数のスロット状開口部25が規定されている。注湯管1から排出される金属溶湯の少なくとも一部はスロット25を通り、その際に相互対抗回転する複数の流れを小規模にかつ安定して生成する。
本発明を種々に改変することは可能である。本発明を、例えば不連続部もしくは「段差」を有する内腔や円錐台状の各部分から成る内腔を持つ従来の内腔形状に適用しても効果的である。すなわち本発明は特許請求の範囲内であれば実施できる。
本発明の第1実施形態による注湯管の斜視図である。 本発明の第1実施形態による注湯管を流出口に垂直な向きから見た図である。 従来の注湯管を流出口に垂直な向きから見た図であり、注入流の不安定な流れパターンを示す。 本発明の第1実施形態による注湯管の図であり、相互対抗回転する流れパターンを示す。 本発明の第1実施形態による注湯管の図であり、舌状部の各設計パラメータを示す。 本発明の第1実施形態による注湯管の断面図であり、スロットと舌状部の横断面を示す。 本発明の第2実施形態による注湯管を流出口に垂直な向きから見た図である。 本発明の第2実施形態による注湯管を流出口に垂直な向きから見た図であり、相互対抗回転する流れパターンを示す。 本発明の第3実施形態による注湯管を流出口に垂直な向きから見た図である。

Claims (12)

  1. 金属溶湯を上流位置から下流位置に注入するために用いる注湯管1であって、該注湯管は内表面が内腔13を規定し、外表面には少なくとも1つの流出口12が有り、該流出口は少なくとも一部がエッジで規定されていて上記の内腔と流体通過可能に接続しており、該流出口のエッジから延びた少なくとも1つの舌状部24が少なくとも2つの溝を規定していることを特徴とする注湯管。
  2. 請求項1において、該流出口には下流エッジ21があり、該舌状部は該下流エッジから上流へ向けて延びていることを特徴とする注湯管。
  3. 請求項1において、該流出口には上流エッジ22があり、該舌状部は該上流エッジから下流へ向けて延びていることを特徴とする注湯管。
  4. 請求項1において、該流出口には上流エッジ22から延びた上舌状部92と、下流エッジ21から延びた下舌状部91とがあることを特徴とする注湯管。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項において、該上流位置と該下流位置との間に長軸61を持つことを特徴とする注湯管。
  6. 請求項5において、少なくとも1つの舌状部に延長表面64があり、該延長表面が規定する舌面が該長軸と−45°〜+45°の角度を成すことを特徴とする注湯管。
  7. 請求項5または6において、少なくとも1つのエッジにあるエッジ表面が規定するエッジ面が該長軸と−45°〜+45°の角度を成すことを特徴とする注湯管。
  8. 請求項5から7までのいずれか1項において、該流出口が規定する流出面が該長軸とほぼ平行であることを特徴とする注湯管。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項において、該内腔には流体通過可能な複数の接続部があることを特徴とする注湯管。
  10. 請求項9において、個々の該接続部が不連続部で分離されていることを特徴とする注湯管。
  11. 請求項9または10において、該接続部は少なくとも1つが円錐台状であることを特徴とする注湯管。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項記載の注湯管を用いて金属溶湯流を注入する方法であって、
    a)該内腔の中を該溶湯流を流す工程、
    b)該溶湯流を該流出口に導く工程、
    c)該溶湯流が該流出口を通過する際に、一対の対称的な流れを該溶湯流内に生成させる工程
    を含んで成る方法。
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