JP5156141B1 - 上ノズルの使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れを作り出すことで付着物の発生を抑えることが可能な内孔形状を備えた上ノズルに、ガス吹き込み機能を付加して、更に付着物の発生を抑えること。
【解決手段】ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部から下方への距離zにおける半径をr(z)としたとき、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5〜6)で表される形状のノズルを使用し、内孔を通過する溶鋼の上ノズル最下端部の流速V(m/s)と、溶鋼の流量Q(L/s)と吹き込みガス流量Q(NL/s)の体積比であるガス比率R=(Q/Q)×100(%)が、R≦4.3×Vの関係を満足するようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、タンディッシュ底部に装着されるタンディッシュ羽口に嵌合される上ノズルであって、特に、溶鋼が通過する内孔の壁面に介在物や地金の付着を抑制するために内孔側に通気性耐火物を配置した上ノズルの使用方法に関する。
タンディッシュ羽口に嵌合される上ノズルにおいては、溶鋼が通過する内孔の壁面にアルミナクラスターなどの介在物や地金が付着して流路が縮小し、これらを除去するため、棒などを使用して内孔の洗浄を行う必要が発生したり、あるいは酸素洗浄を行わなければならなくなることによって操業阻害が発生したり、時には内孔がこの付着物によって完全に閉塞し、操業が継続できない状況に陥る場合もある。そこで、この付着物を防止する方法がこれまで種々発明、提案されている。
例えば、特許文献1には、上ノズルの内孔の形状に着目し、エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れを作り出すことで、付着物の発生を抑えることが可能な内孔形状を備えた上ノズルが提案されている。
また、特許文献2には、溶鋼が通過する内孔側に多孔質耐火物(通気性耐火物)を配置し、内孔に不活性ガスを吹き込む機能を有する連続鋳造用インサートノズル(上ノズル)が提案されている。
国際公開第2009/113662号 実開平01−84860号公報
上記特許文献1の上ノズルは本発明者らによる発明であり、本発明者らは、その優れた内孔形状を活かしつつ、更に付着物の発生を抑制するために、上記特許文献1の上ノズルに、上記特許文献2のようなガス吹き込み機能を付加することを試みた。
しかし、単に上記特許文献1の上ノズルにガス吹き込み機能を付加するだけでは、溶鋼の流れと吹き込みガスの流れのばらつきが起因すると思われる内孔壁面の一部分への介在物等の付着が発生し、そのまま成長を続けて溶鋼の流路を遮ってしまうことがあり、付着物の発生抑制には更なる改善の余地があった。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れを作り出すことで付着物の発生を抑えることが可能な内孔形状を備えた上ノズルに、ガス吹き込み機能を付加して、更に付着物の発生を抑えることを可能とするための上ノズルの使用方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、タンディッシュ底部のタンディッシュ羽口に嵌合され、溶鋼が通過する内孔側に通気性耐火物が配置された上ノズルであって下記の条件(1)を満足する上ノズルの使用方法において、下記の条件(2)及び条件(3)を満足することを特徴とする上ノズルの使用方法が提供される。
条件(1)
ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部から下方への距離zにおける半径をr(z)としたとき、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表される曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、前記計算上のヘッド高さHは、
H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
であり、前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上であること。
条件(2)
内孔を通過する溶鋼の上ノズル最下端部の流速V(m/s)と、溶鋼の流量Q(L/s)と吹き込みガス流量Q(NL/s)の体積比であるガス比率R=(Q/Q)×100(%)が、R≦4.3×Vの関係であること。
条件(3)
内孔壁面を高さ方向に5等分したときの各々の部分からのガス吹き込み量が、全体の吹き込みガス流量の60%以下であること。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の上ノズルは、エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れを作り出すために、上記特許文献1の内孔形状、すなわち上記条件(1)を満足することを前提とする。なお、上記条件(1)において「log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))で表される曲線」とは、典型的には式1で表される曲線である。
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) (n=1.5〜6)
…式1
次に、上記条件(1)の詳細を、図1を参照して説明する。図1は、タンディッシュ及び上ノズルの軸方向断面のイメージ図である。図1において上ノズル1は、溶鋼が通過する内孔4を備える。そして、符号5がノズル上端2の内孔大径部(内径(r(0))であり、符号6がノズル下端3の内孔小径部(内径(r(L))であり、内孔大径部5から内孔小径部6にかけて内孔壁面7が存在する。なお、ノズル上端2が距離zの起点である。
上記条件(1)によれば、図1に示す内孔壁面7の断面形状は、
log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))と、
log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
で表される曲線の間の滑らかな曲線、典型的には上記式1で表される曲線である。ここで滑らかな曲線とは、r(z)のz微分が連続する曲線である。
この上ノズルの内孔壁面の断面形状は、以下に説明するとおり、内孔壁面の面圧分布を高さ方向に対して安定にすることで、エネルギー損失の少ないスムーズ(一定)な溶鋼の流れが作り出されるという考えに基づくものである。
まず、上ノズルの内孔を流れる溶鋼量は、上ノズルの下部に設置されるスライディングノズル装置で制御されるものの、溶鋼の流速を得るエネルギーは、基本的にタンディシュ内の溶鋼のヘッドであることから、内孔上端(ノズル上端)から距離zの位置における溶鋼の流速v(z)は、重力加速度をg、溶鋼のヘッド高さをH´、流量係数をk´とすると、
v(z)=k´(2g(H´+z))1/2 …式2
で表される。
ところで、タンディッシュ内の溶鋼量は、操業中、ほぼ一定に保たれており、ヘッド高さは一定である。しかし、溶鋼は、タンディッシュの溶鋼面から上ノズルに直接流れ込むのではなく、タンディッシュ底面に近い位置から流れ込むことが知られている。すなわち、ヘッド高さとしては、溶鋼のヘッド高さH´に代えて、ノズル上端近傍のタンディッシュ底面に近い位置からの溶鋼流動に対して影響の大きい計算上のヘッド高さHを用いるのが有効である。
したがって、式2は、次式 v(z)=k(2g(H+z))1/2
と置き換えられ、このときkは計算上のヘッド高さをHとしたときの流量係数である。
そして、上ノズルの内孔を流れる溶鋼の流量Qは、流速vと断面積Aの積であるから、上ノズルの長さをLとし、内孔下端における溶鋼の流速をv(L)、内孔下端の断面積をA(L)とすると、
Q=v(L)×A(L)=k(2g(H+L))1/2×A(L)
で表される。
また、内孔内のどの位置で内孔軸に垂直に断面をとっても流量Qは一定であることから、内孔上端から距離zの位置における断面積A(z)は、
A(z)=Q/v(z)=k(2g(H+L))1/2×A(L)/(k(2g(H+z))1/2
で表され、両辺をA(L)で割ると、
A(z)/A(L)=((H+L)/(H+z))1/2
となる。
ここで、円周率をπとすると、A(z)=πr(z)、A(L)=πr(L)であるから、
A(z)/A(L)=πr(z)/(πr(L))= ((H+L)/(H+z))1/2
r(z)/r(L)=((H+L)/(H+z))1/4 …式3
となる。
したがって、内孔の任意の位置の内径(半径)r(z)は、
log(r(z))=(1/4)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) …式4
で表され、内孔壁面の断面形状を当該条件を満たす形状とすることによって、エネルギー損失を最小とすることができる。
ところで、上ノズルの内孔の下端(内孔小径部)の内径は、スループットによって決まる。一方、内孔の上端(内孔大径部)の内径は、内孔小径部の内径の1.5倍以上とすることで、内孔上端近傍で発生する急激な圧力変化を抑えることができる。これは、内孔大径部の内径が内孔小径部の内径の1.5倍未満では、上ノズル上端(内孔大径部)に発生する圧力(エネルギー)変動が高く、乱流が発生するからである。なお、内孔大径部の内径は、内孔小径部の内径の2.5倍以下であることが好ましい。内孔大径部の内径が大きいほど、タンディッシュの羽口も広くなるなど、現実的ではないからである。
一方、内孔大径部と内孔小径部の内径の比は、上記した式3より、
r(0)/r(L)=((H+L)/((H+0))1/4=1.5〜2.5 …式5
で表されることから、内孔大径部及び内孔小径部の内径と、両内径の比が決まれば、計算上のヘッド高さHを求めることができる。すなわち計算上のヘッド高さHは、
H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0)))
で表される。
ここで、上記式4において、
log(r(z))=(1/n)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
として、nの値を変更した断面形状の壁面を備えた内孔形状の上ノズルであれば、n=4以外であっても、従来に比べてスムーズな溶鋼の流れが形成されることは上記特許文献1において実証されている。
また、計算上のヘッド高さHにおいても同様に変数nを適用して、
H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0)))
とすることができることも上記特許文献1で実証されている。
すなわち、上記式5は、
r(0)/r(L)=((H+L)/(H+0))1/n=1.5〜2.5 …式6
となり、この式6より、内孔大径部及び内孔小径部の内径と、両内径の比が決まれば、nの値に応じた計算上のヘッド高さHを求めることができる。
以上が本発明の前提となる条件(1)の詳細であり、この前提のもと本発明者らが種々検討した結果、タンディッシュ用上ノズルの内孔を通過する溶鋼流の乱流が介在物等の内孔壁面への付着と成長に影響し、その溶鋼流の乱流は溶鋼の流量と吹き込みガス流量に深く関係していることを見出した。
今、溶鋼の下降力Fは、式7で表される。
=Q×V …式7
ここで、Qは溶鋼の流量(L/s)、Vは上ノズル最下端部(z=L)での溶鋼の流速(m/s)である。
同様に、吹き込みガスの上昇力Fは、式8で表される。
=Q×V …式8
ここで、Qは吹き込みガス流量(NL/s)、Vは気泡上昇速度(m/s)である。
溶鋼の下降力Fと吹き込みガスの上昇力Fの衝突関係によりノズルの内孔で乱流が発生するものと考えられる。式7及び式8から乱流が発生する条件は次の式9で表される。すなわち、溶鋼の下降力Fに対して吹き込みガスの上昇力Fが一定割合以上に強くなると乱流が発生する。
>α×F …式9
ここで、αは定数である。
式7,8,9から、(Q×V)>α×(Q×V)となり、式10が導き出される。
/Q>(α×V)/V …式10
ここで、(Q/Q)×100=R、(α/V)×100=βとすると、Rは溶鋼の流量Q(L/s)に対する吹き込みガス流量Q(NL/s)の体積比率(%)すなわちガス比率(%)であり、βについては、吹き込まれたガスのガス径の違いなどの条件で、気泡上昇速度Vは若干変化するもののほぼ一定(V≒0.4m/s程度)と考えられるため、実質的に定数である。したがって、式10を変形すると次の式11に書き換えられる。
>β×V …式11
式11がノズルの内孔に乱流が発生する条件であり、逆に、次の式12がノズルの内孔に乱流が発生しない条件である。
≦β×V …式12
この理論をもとに、タンディッシュ用上ノズルにおける種々条件下においてコンピューターシミュレーションによる流体解析を行った。なお、ガスの膨張は6倍、ガスは内孔壁面の高さ方向全体から均等に吹き込む想定にて行った。
コンピューターシミュレーションによる流体解析は、ANSYS社製の流体解析ソフトウェア、商品名「Fluent Ver.6.3.26」を使用して行った。この流体解析ソフトウェアでの入力パラメータは、以下のとおりである。
・計算セル数:約12万(ただし、モデルにより変動あり。)
・流体:水(ただし、溶鋼の場合も、相対的に同様に評価できることが確認されている。)
:密度998.2kg/m
:粘度0.001003kg/(m・s)
・Viscous Model:K−omega計算
図2にコンピューターシミュレーションによる流体解析結果の一例を示す。図中のCFD(Computational
Fluid Dynamics)流動状態がコンピューターシミュレーションによる流体解析結果のガスの軌跡を示す。このガスの軌跡が線状で並んだ状態にあるものは乱流が発生していないと判断し、ガスの軌跡が線状ではなく、明らかに迷走状態や蛇行状態を呈したり、渦流が発生したものは乱流が発生していると判断した。なお、図2における本発明形状とは、内孔形状(内孔壁面の断面形状)を上記式1においてn=4の曲線としたもので、従来形状とは、本発明形状と最上端部内径(2r(0))、最下端部内径(2r(230)及びノズル長さLは同一であるが、内孔形状は、最下端部から上方に50mmまでは最下端部内径のままとし、最下端部から上方50mmの位置から最上端部までは断面形状が直線のテーパ形状としたものである。また、本発明形状、従来形状ともに、ノズル本体全体を通気性耐火物で構成した場合を想定している。
同様にノズル形状、流体流速、吹き込みガス流量等を変動させて、種々の条件下において、図2と同じ要領でコンピューターシミュレーションによる流体解析を行った。その解析結果を表1に示す。
表1中のCFD流動状態欄は、図2と同様のガスの軌跡状態から乱流の発生状況の有無を判断したもので、○印は乱流が発生していない状態を示し、×印は乱流が発生した状態を示す。
次に表1の解析結果中の流体流速V(m/s)と、流体流量Q(L/s)と吹き込みガス流量Q(NL/s)の比であるガス比率R(%)との関係をプロットしたグラフを図3に示す。
図3では表1の表記と同様に、CFD流動状態において乱流が発生していない状態を○印、乱流が発生した状態を×印で層別した。すると図3の破線で示されるように、明確な相関が認められ、上記式12の関係、すなわちβ=4.3%/(m/s)を示していることがわかった。これらから、上ノズル内孔の溶鋼流動においては、次の式13を満足するように吹き込みガス流量等を調整することで乱流の発生が抑えられ、内孔壁面への付着物の発生を抑えることができると言える。これが本発明の条件(2)である。
(%)≦4.3×V(m/s) …式13
ここで、ガスの吹き込み圧力は0.05MPa以上とすることが好ましい。吹き込み圧力が0.05MPa未満であると、安定したガスの流出状態が得られにくく、また、吹き込まれたガスによるガスカーテン効果が薄れてしまい、付着物の発生を抑制する効果が低下する。
次に、上ノズルの内孔の高さ方向におけるガス吹き込み量のバランスについて説明する。図4A〜Dは、上ノズルの内孔壁面を図5に示すように高さ方向にB1〜5部分に5等分し、各部分からのガス吹き込み量を変化させたときのコンピューターシミュレーションによる流体解析結果のCFD流動状態を示す。なお、図4A〜Dにおいてノズルの内孔形状(内孔壁面の断面形状)は上記式1においてn=4の曲線とした。
図4Aは、高さ方向中央のB3部分からのガス吹き込み量を変化させたときの結果である。図4Aの(a)はB3部分も含め各部分からのガス吹き込み量が均等、すなわち各部分からのガス吹き込み量がいずれも全体の吹き込みガス流量の20%となるようにした例、(b)は、B3部分からのガス吹き込み量を60%とし残りを他の部分から均等(10%)に吹き込んだ例であり、いずれも乱流の発生は確認されなかった。
一方、図4Aの(c),(d),(e)は、それぞれB3部分からのガス吹き込み量を70%,80%,100%としたもので、(c)では微小な乱流が確認され、(d)及び(e)では顕著な乱流が確認された。すなわち、これらの例ではB3部分から集中的にはガス吹込みがなされることに伴い、当該部分のガス流量比率が部分的かつ極端に異なる結果、乱流が発生したと推定される。
図4Bの(a)〜(e)は、それぞれB1部分、B2部分、B3部分、B4部分及びB5部分からのガス吹き込み量を60%とし残りを他の部分から均等(10%)に吹き込んだ例であり、いずれも乱流の発生は確認されなかった。
図4Cの(a)〜(e)は、それぞれB1部分、B2部分、B3部分、B4部分及びB5部分からのガス吹き込み量を70%とし残りを他の部分から均等(7.5%)に吹き込んだ例であり、いずれも乱流が発生した。
図4Dの(a)は、B1部分に全体の吹き込みガス流量の5%、同様にB2、B3、B4部分からはそれぞれ30%、B5部分から5%の比率となるようにした例、(b)は、B1部分からは0%、B2、B3、B4、B5部分からそれぞれ25%の比率での例、(c)は、B1、B2部分からそれぞれ0%、B3部分から20%、B4部分から30%、B5部分から50%の比率となるようにした例である。いずれも乱流の発生は確認されなかった。
これらの例から、それぞれの部分のガス流量比率を60%以下にすることで、ある部分から集中的にガス吹き込みが行われることを避けた結果、乱流は発生しなかったと推定される。
以上より、上ノズルの内孔壁面からのガス吹き込み量は高さ方向でなるべく均等となるようにすることが好ましく、少なくとも、内孔壁面を高さ方向に5等分したときの各々の部分からのガス吹き込み量が、全体の吹き込みガス流量の60%以下となるようにする必要があると言える。これが本発明の条件(3)である。
なお、本発明において通気性耐火物は、本発明の条件(2)及び条件(3)を満足しさえすれば、上記各例のように内孔側の高さ方向全体に配置してもよく、部分的に配置してもよい。いずれの場合も周知の製造方法により、ガス吹き込み機能を有するタンディッシュ用上ノズルを製造可能である。
本発明により、上ノズルの内孔壁面にアルミナクラスター等の介在物や地金が付着することを抑えることができる。また、上ノズルの内孔の閉塞が無く安定した連続鋳造作業を維持できるので、鋳造中断を防止することができるとともに、鋳造された鋳片も欠陥の少ない良好な品質を確保することができ、生産性の向上にも寄与できる等、その効果は大なるものがある。
タンディッシュ及び上ノズルの軸方向断面のイメージ図である。 コンピューターシミュレーションによる流体解析結果の一例を示す。 流体流速Vと、流体流量Qと吹き込みガス流量Qの比であるガス比率Rとの関係をプロットしたグラフである。 上ノズルの内孔壁面を高さ方向に5等分し、各部分からのガス吹き込み量を変化させたときのコンピューターシミュレーションによる流体解析結果のガスの軌跡を示す図である。 同上 同上 同上 上ノズルの内孔壁面を高さ方向に5等分したときの各部分を示す。
以下、実施例に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
本発明を実際に連続鋳造設備のタンディッシュ実機に適用した結果を説明する。ただし、本実施例は、本発明の一態様に過ぎず、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
表2に本発明の実施例及び比較例の上ノズルをタンディッシュ実機に使用した結果を示す。
表2に示した実施例1〜4及び比較例3,4のノズル形状は図2で説明した本発明形状で、比較例1,2のノズル形状は図2で説明した従来形状である。介在物等の付着状況は、回収された上ノズルを長さ方向に半割を行い、付着の状況を目視にて評価した。○印は介在物等の付着がほぼ無い状態、△は介在物等の付着が認められるものの少量である状態、×は介在物等の付着が著しい状態を示す。表中のノズル交換ch数の例えば>16chは、他の原因で交換になったものの、上ノズルの介在物等の付着状態からは十分にそれ以上に使用可能であったことを示す。なお、実施例及び比較例とも、ノズルの内孔壁面を5等分したときの各部分からのガス吹き込み量は均等とした。
実施例1〜4は、ノズル形状が上記条件(1)を満足する本発明形状であり、上記条件(2)、すなわちR≦4.3×V(R/V≦4.3)も満足する。介在物等の付着はほぼ無いか少量であり、ノズルの寿命も十分であった。
一方、比較例1は、上記条件(2)は満足するものの、ノズル形状が上記条件(1)を満足しない従来形状である。比較例2は、上記条件(1)及び上記条件(2)の両方を満足しない例である。比較例3,4は、上記条件(1)は満足するものの、上記条件(2)を満足しない例である。いずれも介在物等の付着が著しく、ノズルの寿命が短かった。
以上のとおり、本発明の実施例では介在物等の付着が抑制され、ノズルの寿命を1.5ないし2倍以上に延ばすことができた。
1 上ノズル
2 ノズル上端
3 ノズル下端
4 内孔
5 内孔大径部
6 内孔小径部
7 内孔壁面

Claims (1)

  1. タンディッシュ底部のタンディッシュ羽口に嵌合され、溶鋼が通過する内孔側に通気性耐火物が配置された上ノズルであって下記の条件(1)を満足する上ノズルの使用方法において、下記の条件(2)及び条件(3)を満足することを特徴とする上ノズルの使用方法。
    条件(1)
    ノズル長さをL、計算上のヘッド高さをH、上端部から下方への距離zにおける半径をr(z)としたとき、溶鋼が通過する内孔の軸に沿って切断した内孔壁面の断面形状が、
    log(r(z))=(1/1.5)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L)) と、
    log(r(z))=(1/6)×log((H+L)/(H+z))+log(r(L))
    で表される曲線の間のr(z)のz微分が連続する曲線であり、前記計算上のヘッド高さHは、
    H=((r(L)/r(0))×L)/(1−(r(L)/r(0))) (n=1.5〜6)
    であり、前記内孔の上端の内径r(0)が下端の内径r(L)の1.5倍以上であること。
    条件(2)
    内孔を通過する溶鋼の上ノズル最下端部の流速V(m/s)と、溶鋼の流量Q(L/s)と吹き込みガス流量Q(NL/s)の体積比であるガス比率R=(Q/Q)×100(%)が、R≦4.3×Vの関係であること。
    条件(3)
    内孔壁面を高さ方向に5等分したときの各々の部分からのガス吹き込み量が、全体の吹き込みガス流量の60%以下であること。
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