JP2017104889A - 浸漬ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳片品質を向上する浸漬ノズルを提供する。【解決手段】吐出孔経路4は、ノズル本体2の長さ方向に関して垂直で互いに平行な一対の第1内周面4a,4bと、もう一対の互いに平行な第2内周面4c,4dとを有している。第1内周面4aと第2内周面4c,4dのそれぞれとがなす角度の一方の角度αは100°≦α≦130°である。また、第1内周面4a,4bの幅をaとするとともに第1内周面4a,4b間の距離をbとすると、1.2≦b/a≦2.5である。【選択図】図1

Description

この発明は、浸漬ノズルに係り、特に、溶鋼からスラブ、ブルーム、ビレット等の鋼片を連続的に鋳造する連続鋳造装置で使用する浸漬ノズルに関する。
連続鋳造装置において、タンディッシュからモールドへ溶鋼を注入するために浸漬ノズルが広く使用されている。浸漬ノズルは、溶鋼が大気と直接接触して再酸化することを予防する役割を持ち、鋳片の品質向上に大きく寄与する重要な耐火物である。
また、浸漬ノズルからモールド内に吐出された溶鋼の流動は鋳片の品質に影響する。例えば、ブルーム、ビレット等の断面積の小さいモールドにおいては、出来るだけ均等に吐出流を供給することが鋳片割れを防止するうえで重要であり、さらに溶鋼をモールド内で旋回・撹拌させることで介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されにくくなるため鋳片の表面品質も向上する。
前記のモールド内の溶鋼を撹拌するために、例えばモールド近傍に電磁撹拌装置を設置し、電磁力を利用して溶鋼を撹拌させる方法が知られている。しかし、この電磁撹拌装置は極めて高価であるため、これに代わる安価なシステムで撹拌することが求められてきた。その方法として、浸漬ノズルからの吐出流によってモールド内に旋回流を作り、モールド内の溶鋼を撹拌する試みがなされてきた。
例えば、電磁力によらずに吐出流がモールド内で旋回するための浸漬ノズル構造の発明としては、特許文献1及び2に記載されるように、吐出孔の吐出方向をその中心からの放射方向に対して周方向に角度を持たせたノズルを利用し、溶鋼が吐出する際の反作用の力を利用して浸漬ノズル全体あるいはノズル下半分が鉛直軸に関して回転する構造をとる方法が提案されている。特許文献3では、吐出流を、吐出の中心に関して対称な複数の位置において接線方向に吐出し、また、方形のモールド面に対して45°±10°の角度で吐出することで、旋回流を得る方法が提案されている。吐出孔経路の形状としては、直線や湾曲形状のものが提案されている。特許文献4では、吐出孔経路の内管の一部がノズル内周の接線と一致するノズルが提案されている。さらに、非特許文献1には、吐出孔の吐出方向をその中心からの放射方向に対して周方向に角度を持たせ、かつ軸方向に傾斜させたスリット状に吐出孔を側面から底面にかけて設けるノズルが提案されている。一方、特許文献5では、吐出孔経路が屈折したノズルが提案されている。
特開昭62−270260号公報 特開平10−113753号公報 特開昭58−77754号公報 特開昭58−112641号公報 特許第5451868号公報
AISTech 2015 Proceedings,2436頁
従来提案されていた浸漬ノズルの形状では、以下のような課題が存在していた。即ち、特許文献1及び2の場合、回転する浸漬ノズルと、それに接合する耐火物との間のシール性に問題があり、更に旋回流が安定しないという問題点があった。また,特許文献3及び4の場合、実験による検証の結果、旋回流は得られるものの不安定であり、旋回流の発生/消失を繰り返していた。加えて、これらの場合は、丸ビレットのような円形断面を持つモールドにおける鋳造時には効果が得られなかった。非特許文献1に記載されている側面から底面にかけてスリット状に吐出孔を設ける構造は、安定した旋回流が得られたものの、メニスカスの流動状況は静かであり、ディッケルの生成等の問題があった。特許文献5の浸漬ノズルの場合、特許文献1〜4の浸漬ノズルと比較するとより安定した旋回流を得られたものの、吐出孔経路の形状が複雑であることから製造上の問題があった。また、吐出孔経路を屈折させることにより、吐出孔経路間のれんが厚みが一般的な形状と比べて細くなるため、鋳造開始時のスポーリング、多数回使用時の吐出孔の脱落といったトラブルの発生リスクが高いという問題があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、鋳片品質を向上する浸漬ノズルを提供することを目的とする。
この発明に係る浸漬ノズルは、ノズル本体と、ノズル本体の内部にその長さ方向に延びるように設けられた流通路と、一端が流通路に連通するとともに他端がノズル本体の外周面で開口する少なくとも2つの吐出孔経路とを備え、吐出孔経路は、ノズル本体の長さ方向に関して垂直であるとともに互いに平行な一対の第1内周面と、互いに対向するもう一対の第2内周面とを有することにより矩形の断面形状を有し、一対の第1内周面のうちノズル本体の先端部側の第1内周面と一対の第2内周面のそれぞれとがなす角度の一方をαとすると、100°≦α≦130°であり、一対の第1内周面のうち短くない方の幅をaとするとともに一対の第1内周面間の距離をbとすると、1.2≦b/a≦2.5である。
吐出孔経路の長さ方向とノズル本体の長さ方向に関して垂直な平面とのなす角度をγとし、吐出孔経路がノズル本体の外周面に向かってノズル本体の先端部側に傾いている場合のγを負の値とすると、−60°≦γ≦45°が好ましい。
この発明によれば、ノズル本体の長さ方向に関して垂直であるとともに互いに平行な一対の第1内周面のうちノズル本体の先端部側の第1内周面と、互いに対向するもう一対の第2内周面のそれぞれとがなす角度の一方の角度αが100°≦α≦130°であることにより、第2内周面がノズル本体の長さ方向に関してノズル本体の円周方向に傾いているので、溶鋼が吐出孔経路を流通する際、ノズル本体の長さ方向に関して流下する溶鋼が第2内周面に沿って流下することによりノズル本体の円周方向の流れも有するようになり、吐出孔経路から流出する溶鋼の流れが、ノズル本体の長さ方向に関して異なるようになる。その結果、モールド全体に溶鋼の旋回流が生成するので、鋳片品質を向上することができる。
この発明の実施の形態に係る浸漬ノズルの斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
溶鋼の旋回流が生成するメカニズムを探るため、特許文献1〜5に記載された浸漬ノズルの形状について、数値流体力学 (Computational Fluid Dynamics)を活用した計算を行った。 計算にはCFDプログラムPHOENICSを使用した。浸漬ノズルのCFD計算モデルとして、φ250mmの丸ビレット連鋳機を想定し、浸漬ノズルは外径100mm、内管径50mm、ノズル肉厚25mm、吐出孔経路の数を2つとし、吐出孔経路の断面積を固定したうえで、吐出孔経路の断面形状を変化させて形状を検討した。なお、スループットは1ton/分とした。
CFD計算によると、特許文献1〜4に記載された浸漬ノズルの形状では、旋回流を発生させるような吐出孔経路からの流出流は認められなかったが、吐出孔経路を鉛直方向から見た場合に吐出孔経路が屈折していることを特徴としている特許文献5に記載された浸漬ノズルの形状では、この吐出孔経路を通過した吐出流は、吐出流の向く方向が吐出孔の上側と下側で異なることが明らかになった。このようなベクトルを持った吐出流が吐出される状態が継続されれば、モールド全体に旋回流を生成できることが期待される。
以上の結果から、1つの吐出孔経路から吐出される吐出流のうち、吐出孔の上側と下側で吐出流の向く向きが明らかに異なる条件を満たした場合に、安定した旋回流をモールド内に生成させることができると考え、そのような吐出流を発生可能な形状について、CFD計算によって検討した。そのような形状の例を、以下で説明する。
図1に示されるように、浸漬ノズル1は、円柱形状のノズル本体2を有している。図2に示されるように、ノズル本体2には、その長さ方向に延びるとともにノズル本体2と同心円状に円柱形状の流通路3が形成されている。流通路3は、ノズル本体2の先端部2a側の端部で閉塞し、ノズル本体2の他端部2b側の端部で開口している。また、ノズル本体2には、一端が流通路3に連通するとともに他端がノズル本体2の外周面2cで開口する吐出孔経路4が2つ形成されている。各吐出孔経路4は、前記一端から前記他端に向かって先端部2a側に傾斜している。
図1に示されるように、外周面2cで吐出孔経路4が開口する吐出孔5は、平行四辺形の形状を有している。すなわち、吐出孔経路4の断面もこれと同じ平行四辺形の形状となる。吐出孔経路4は、ノズル本体2の長さ方向に関して垂直で互いに平行な一対の第1内周面4a,4bと、もう一対の互いに平行な第2内周面4c,4dとを有している。先端部2a側の第1内周面4aと第2内周面4c,4dのそれぞれとのなす角度をα及びβ(α>β)とする。また、第1内周面4a,4bの幅をaとし、第1内周面4a,4b間の距離をbとする。吐出孔経路4が平行四辺形の断面形状を有していることにより、角度αは90°より大きい。そうすると、第1内周面4aと90°より大きい角度αを形成する第2内周面4cは、ノズル本体2の長さ方向に関してノズル本体2の円周方向に傾斜するようになっている。
次に、浸漬ノズル1を溶鋼が流れる動作を、図1及び2に基づいて説明する。
溶鋼は、流通路3を先端部2a側に向かって流下した後、各吐出孔経路4に流入し、各吐出孔5から、図示しないモールド内に流出する。溶鋼は、各吐出孔経路4を流通する際、吐出孔経路4の長さ方向だけではなく、ノズル本体2の長さ方向に関して先端部2a側に向かう方向にも重力によって流れる。溶鋼がノズル本体2の長さ方向に関して先端部2a側に向かう方向に流れる際、第2内周面4cに沿って流れることになるが、第2内周面4cは、上述したようにノズル本体2の長さ方向に関してノズル本体2の円周方向に傾斜しているので、溶鋼は、ノズル本体2の円周方向の流れも有するようになる。その結果、第1内周面4b近傍で吐出孔5から流出する溶鋼と、第1内周面4a近傍で吐出孔5から流出する溶鋼とは、ノズル本体2の円周方向の流れが異なるようになる。これにより、図示しないモールド全体に溶鋼の旋回流が生成するようになる。
ここで、第1内周面4b近傍で吐出孔5から流出する溶鋼と、第1内周面4a近傍で吐出孔5から流出する溶鋼とで、ノズル本体2の円周方向の流れを大きく異なるようにするためには、角度αを大きくすれば良い。角度αは100°≦α≦130°とすることが好ましい。100°未満では、十分な旋回流を生むことができないので好ましくない。130°より大きくすると、浸漬ノズル1の加工が困難になるため好ましくない。より望ましくは110°≦α≦125°の範囲である。
吐出孔経路4の断面形状は,縦長の平行四辺形の形状を有していることが好ましい。第2内周面4cに対向する第2内周面4dは、第2内周面4cに沿って溶鋼が流下することによって発生する旋回流を相殺しない必要がある。即ち、第1内周面4aと第2内周面4dとのなす角度βは90°以下の必要がある。そのためには、β=180°−α、即ち、第2内周面4cと第2内周面4dとが平行であれば最も望ましい。一方、βが90°以下であれば,吐出孔経路4の断面形状は台形とすることも可能である。吐出孔経路4の断面形状が台形の場合、第1内周面4a,4bそれぞれの幅が異なってしまう。この場合は、大きい方の幅をaとする。すなわち、吐出孔経路4の断面形状が平行四辺形の場合も含めて、第1内周面4a,4bそれぞれの幅のうち小さくない方の幅をaとする。
吐出孔経路4の平行四辺形の断面形状について、b/aの値を大きくすることにより、より縦長の平行四辺形の形状にして、第1内周面4b近傍で吐出孔5から流出する溶鋼と、第1内周面4a近傍で吐出孔5から流出する溶鋼とで、すなわち、ノズル本体2の長さ方向に関してノズル本体2の円周方向の流れを大きく異なるようにすることができる。具体的には、b/a≧1.2の場合に、旋回流を生成するのに適した条件を得ることができる。但し、b/a>2.5のように、極端に縦長の形状とすると、吐出孔5の第1内周面4b近傍の位置で吸い込み流が顕著になる。吸い込み流が大きくなると、溶鋼の吐出流がかき乱され、吐出方向が不安的となる。その場合、モールド全体に発生する旋回流も不安定な傾向となる。即ち、b/aにも適正な範囲があり、1.2≦b/a≦2.5の範囲において有効であり、より望ましくは1.5≦b/a≦2.0の範囲である。
このように、ノズル本体2の長さ方向に関して垂直であるとともに互いに平行な一対の第1内周面4a,4bのうちノズル本体2の先端部2a側の第1内周面4aと互いに対向するもう一対の第2内周面4c,4dのそれぞれとがなす角度の一方の角度αが100°≦α≦130°であることにより、第2内周面4cがノズル本体の長さ方向に関してノズル本体2の円周方向に傾いているので、溶鋼が吐出孔経路4を流通する際、ノズル本体2の長さ方向に関して流下する溶鋼が第2内周面4cに沿って流下することによりノズル本体2の円周方向の流れも有するようになり、吐出孔経路4から流出する溶鋼の流れが、ノズル本体2の長さ方向に関して異なるようになる。その結果、モールド全体に溶鋼の旋回流が生成するので、鋳片品質を向上することができる。
この実施の形態では、各吐出孔経路4は、ノズル本体2の外周面2cに向かって先端部2a側に傾斜していたが、ノズル本体2の外周面2cに向かって先端部2aとは反対側に傾斜してもよいし、ノズル本体2の長さ方向に関して垂直であってもよい。ただし、各吐出孔経路4が先端部2aとは反対側に極端に傾斜していると、メニスカスへ直接溶鋼流が影響を与え、湯面の変動量が大きくなり、安定的な鋳造を阻害するため相応しくない。逆に、各吐出孔経路4が先端部2a側に極端に傾斜していると、メニスカス位置への熱供給が不足するため、ディッケルが生成しやすくなり、安定的な鋳造を阻害する。吐出孔経路4の長さ方向とノズル本体2の長さ方向に関して垂直な平面σとのなす角度をγとし、吐出孔経路4がノズル本体2の外周面2cに向かってノズル本体2の先端部2a側に傾いている場合のγを負の値とすると、γは−60°≦γ≦45°の範囲で有効であり、より適した範囲は−45°≦γ≦45°である。
この実施の形態では、ノズル本体2の材質として何の特定もしなかったが、特に材質に関する制約はない。例えば、アルミナ−黒鉛質、アルミナ−シリカ−黒鉛質、マグネシア−黒鉛質、スピネル−黒鉛質、ジルコニア−黒鉛質、カルシウムジルコネート−黒鉛質といった系を主原料とし、金属、合金、炭化物、窒化物、ホウ化物を添加物としてそれぞれ5wt%未満の添加量で構成された材質を使用してもよい。
この実施の形態では、吐出孔経路4は2つ設けられていたが、それらの位置は特に規定しなかった。2つの吐出孔経路4の位置は、それぞれの吐出孔5がノズル本体2の長さ方向を中心に点対称の位置となることが好ましい。また、吐出孔経路4は2つに限定するものではなく、3つ以上設けてもよい。ただし、吐出孔経路4は偶数個であることが好ましく、吐出孔経路4のそれぞれの吐出孔5の、ノズル本体2の長さ方向を中心とした点対称の位置に別の吐出孔経路4の吐出孔5が設けられた形態が好ましい。
この実施の形態では、流通路3は円柱形状を有していたが、この形態に限定するものではない。流通路3の一部が縮小または拡大している形状であってもよいし、円柱形状と多角柱形状とを組み合わせた形状でもよい。
この実施の形態では、吐出孔経路4の断面は平行四辺形(上述のように、β≦90°であれば台形でも可)であったが、吐出孔経路4の形成上の問題から、第1内周面4a又は4bと第2内周面4c又は4dとの接続部分にRを設けてもよい。ただし、Rはできるだけ小さい方が望ましく、R5以下であることが好ましい。
この発明の浸漬ノズル1は、モールド寸法が水平断面における直径または長辺寸法が60mm以下の丸ビレット、矩形ビレット、ブルームに適用可能であり、スループットとしては0.3〜3.0ton/minの条件に適用可能である。
次に、この発明に係る浸漬ノズル1を使用することにより得られる効果を、実施例に基づいて検証する。
本発明に係る浸漬ノズルとして、表1に示される実施例1〜16を準備し、本発明に相当しない浸漬ノズルとして、表2に示される比較例1〜4を準備した。実施例1〜16及び比較例1〜3のそれぞれに係る浸漬ノズルの構成は、上記実施の形態で説明した浸漬ノズル1の構成と同じであり、ノズル本体の外径及び内径と、角度α及びγと、幅aと、長さbとの値が表1及び2の通りである。尚、各浸漬ノズルの2つの吐出孔経路は、それぞれの吐出孔がノズル本体の長さ方向を中心とした点対称の位置となるように設けられている。比較例4に係る浸漬ノズルは、4つの吐出孔経路が設けられた構成を有している。
Figure 2017104889
Figure 2017104889
1.水モデル設備による旋回流の発生の有無についての検証
モールドサイズとしてφ250mmの丸ビレット連続鋳造機を想定した実際の設備と同じスケールの水モデル設備を用い、実施例1〜16及び比較例1〜4のそれぞれに係る浸漬ノズルの吐出孔から流出する水によってモールド内で旋回流が発生するか否かを検証した。尚、各実験は、スループットが1.2ton/minとなる条件で行った。
旋回流の評価は以下のように行った。まずは旋回流が発生するか否かを評価し、発生する場合はその状態を3分間保持し、どのくらいの時間旋回流が持続的に発生しているかという観点から安定性を○、△、×で評価した。3分間継続された場合を「○」、旋回流は発生したが3分間継続されない場合を「△」、旋回流が派生しない場合を「×」とした。加えて、湯面の旋回流の速度については、十分大きい場合を「++」とし、あまり大きくない場合を「△」とし、旋回流が発生しない場合を「−」とした。湯面の変動量は、鋳型とノズルの中間点における湯面の変動量を測定し、大きいものは湯面が活性化されて好ましいと判断した。湯面の変動量が±3〜±5mmの範囲の場合を「++」、±1〜2mmの場合を「+」、それ以下あるいはそれ以上の場合は「−」として評価した。実施例1〜16についての結果を表3に示し、比較例1〜4の結果を表4に示す。
Figure 2017104889
Figure 2017104889
実施例1〜16はいずれも、安定した旋回流が発生し、旋回流の速度も十分であった。さらには、湯面の変動量も十分に大きく、好適であった。それに対し、比較例1は、角度αが90°の場合で一般のノズルがこれに相当するが、モールド内に旋回流は生成しなかった。比較例2は、b/aが1.0の場合であるが、旋回流は発生と消失を繰り返し、不安定な状況であった。比較例3は、b/aが3.0の場合であるが、旋回流は発生と消失を繰り返し、不安定な状況であった。これは、吸い込み流が大きくなって、吐出流がかき乱され、吐出方向が不安的となったためである。比較例4は、非特許文献1に記載されている4つの吐出孔経路を有する浸漬ノズルであるが、十分な旋回流速が得られず、また、湯面の変動量は小さかった。従って、実施例1〜16に係る浸漬ノズルを用いた場合に良好な旋回流が得られることがわかった。
2.連続鋳造による検証
良好な旋回流が得られた実施例2に係る浸漬ノズルをベースとした浸漬ノズルについて実機使用を行った。モールドサイズφ210mm、φ240mmの丸ビレット連続鋳造機を用い、使用した浸漬ノズルについては、外径φ115mm、内径φ65mm、肉厚25mm、a=30mm及びb=55mm(b/a=1.83)、α=110°、γ=±0°であった。
モールドサイズがφ210mm、φ240mmの丸ビレットいずれの場合も、メニスカスが旋回している様子が確認された。また、鋳片の表面品質を、比較例1をベースとした従来型ノズルの工程品と比較したところ、鋳片の単位長さ当たりの表面欠陥の発生率は従来工程ノズルを使用した場合が1.8%であったのに対し、上記浸漬ノズルを使用した場合は0.2%と低下した。このように上記浸漬ノズルを用いた鋳片の方が有意に良好であり、旋回流が発生することによって鋳片品質が向上することが確認された。
実施例1〜16と比較例1〜4との比較から、この発明の効果は明らかである。
1 浸漬ノズル、2 ノズル本体、2a (ノズル本体の)先端部、2c (ノズル本体の)外周面、3 流通路、4 吐出孔経路、4a,4b 第1内周面、4c,4d 第2内周面、σ 平面。

Claims (2)

  1. ノズル本体と、
    該ノズル本体の内部にその長さ方向に延びるように設けられた流通路と、
    一端が該流通路に連通するとともに他端が前記ノズル本体の外周面で開口する少なくとも2つの吐出孔経路と
    を備え、
    該吐出孔経路は、前記ノズル本体の長さ方向に関して垂直であるとともに互いに平行な一対の第1内周面と、互いに対向するもう一対の第2内周面とを有することにより矩形の断面形状を有し、前記一対の第1内周面のうち前記ノズル本体の先端部側の第1内周面と前記一対の第2内周面のそれぞれとがなす角度の一方をαとすると、100°≦α≦130°であり、前記一対の第1内周面のうち短くない方の幅をaとするとともに前記一対の第1内周面間の距離をbとすると、1.2≦b/a≦2.5である浸漬ノズル。
  2. 前記吐出孔経路の長さ方向と前記ノズル本体の長さ方向に関して垂直な平面とのなす角度をγとし、前記吐出孔経路が前記ノズル本体の外周面に向かって前記ノズル本体の前記先端部側に傾いている場合のγを負の値とすると、−60°≦γ≦45°である、請求項1に記載の浸漬ノズル。
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