JPWO2008111635A1 - 新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット及び着色体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、下記式(1)で表されるポルフィラジン色素またはその塩(式中、環A〜Dは、それぞれ独立にベンゼン環または6員環の含窒素複素芳香環を表し、少なくとも1つ以上はベンゼン環であり、残りの少なくとも1つは含窒素複素芳香環であり、Eはアルキレンを表し、Xは置換基を有するアニリノ基等であり、Yはアミノ基;水酸基;置換基を有してもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素環基;を表すが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXが置換アニリノ基である組合せは除き、bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である。)に関する。本発明により、シアンインクとして良好な色相を有し、耐光性、耐オゾン性、耐湿性に優れ、且つブロンズ現象を起こさないインクジェット記録に適したポルフィラジン色素を提供することができる。

Description

本発明は新規ポルフィラジン色素、インク、インクセット、このインクまたはインクセットを用いたインクジェット記録方法及び着色体に関する。
近年、画像記録材料としては、インクジェット方式に使用される記録材料、感熱転写用の画像記録材料、電子写真方式に用いられる記録材料、転写用のハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン用インク等が盛んに利用されている。近年の記録画像としてはカラー画像が多く、該カラー画像を形成するための材料が主流である。また、カラー用のLCD(液晶ディスプレー)やPDP(プラズマディスプレーパネル)、また、CCD(撮動素子)などの電子部品において、カラーフィルターが使用され、これらにおいてもカラー画像を形成するための材料が使用されている。これらにおいてはいわゆる加法混色法や減法混色法によって、フルカラー画像の再現あるいは記録をしており、その材料として3原色の色素(染料や顔料)が使用されている。しかし、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件においても、充分な耐性を有する色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式等がある。また、インクジェット記録に適したインクの例としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インク等が挙げられる。
このようなインクジェット記録に適したインクに用いられる色素に対して要求される事項としては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガス及びSOx等)に対して強いこと、水や薬品に対する耐久性に優れていること、被記録材に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、更には、安価に入手できること等が挙げられる。特に、良好なシアンの色相を有し、耐光性(光に対する耐久性)、耐オゾン性(オゾンガスに対する耐久性)及び耐湿性(高湿度下における耐久性)に優れ、ブロンズ現象(ブロンジング現象とも言う)を起こさないシアン色素が強く望まれている。ブロンズ現象とは色素の会合や凝集又はインクのメディアへの吸収不良などが原因で光沢紙等の表面上に色素が凝集し、金属光沢を持ち、ぎらつく現象のことを言う。この現象が起こると光沢性、印字品位、印刷濃度すべての点で劣るものとなる。
インクジェット記録に適したインクに用いられる水溶性シアン色素としてはフタロシアニン系色素やトリフェニルメタン系色素が代表的である。最も広範囲に報告され、利用されている代表的なフタロシアニン系色素としては、以下のA〜Hで分類されるフタロシアニン誘導体がある。
A:Direct Blue 86、Direct Blue 87、Direct Blue 199、Acid Blue 249又はReactive Blue 71等の公知のフタロシアニン系色素
B:特許文献1〜3等に記載のフタロシアニン系色素
〔例えば、Cu−Pc−(SO3Na)m(SO2NH2)n : m+n=1〜4の混合物〕
C:特許文献4等に記載のフタロシアニン系色素
〔例えば、Cu−Pc−(CO2H)m(CONR12)n : m+n=0〜4の数〕
D:特許文献5等に記載のフタロシアニン系色素
〔例えば、Cu−Pc−(SO3H)m(SO2NR12)n : m+n=0〜4の数、且つ、m≠0〕
E:特許文献6等に記載のフタロシアニン系色素
〔例えば、Cu−Pc−(SO3H)l(SO2NH2)m(SO2NR12)n : l+m+n=0〜4の数〕
F:特許文献7等に記載のフタロシアニン系色素
〔例えば、Cu−Pc−(SO2NR12)n : n=1〜5の数〕
G:特許文献8、9、及び12等に記載のフタロシアニン系色素
〔置換基の置換位置を制御したフタロシアニン化合物、β−位に置換基が導入されたフタロシアニン系色素〕
H:特許文献10、13、14等に記載のピリジン環とベンゼン環を有するベンゾピリドポルフィラジン系色素
現在一般に広く用いられているDirect Blue 86又はDirect Blue 199に代表されるフタロシアニン系色素は、一般に知られているマゼンタ色素やイエロー色素に比べ耐光性に優れるという特徴がある。フタロシアニン系色素は酸性条件下ではグリーン味の色相であり、シアンインクとしては余り好ましくない。そのためこれらの色素をシアンインクとして用いる場合は中性からアルカリ性の条件下で使用するのが好ましい。しかしながら、インクが中性からアルカリ性でも、用いる被記録材が酸性紙である場合、印刷物の色相が大きく変化する可能性がある。
さらに、フタロシアニン系色素をシアンインクとして用いた場合、昨今環境問題として取りあげられることの多い酸化窒素ガスやオゾン等の酸化性ガスによっても、印刷物の色相がグリーン味に変色すると共に、消色も起こるため、同時に印字濃度も低下してしまう。
一方、トリフェニルメタン系については、色相は良好であるが、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性において非常に劣る。
今後、インクジェット記録の使用分野が拡大して、広告等の展示物にも広く使用されるようになると、そこに使用される色素及びインクは良好な色相を有し、且つ安価であることと共に、光や環境中の活性ガスに曝される場合が多くなるため、特に、良好な色相を有し、耐光性、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)耐性及び耐湿性に優れることがますます強く望まれてくる。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たすシアン色素(例えば、フタロシアニン系色素)及びシアンインクを開発することは難しい。これまで、活性ガス耐性を付与したフタロシアニン系色素は、特許文献3、8〜12、14等に開示されているが、色相、耐光性、耐オゾン性、耐湿性及びブロンズ現象を起こさない等すべての品質を満足させ、更には安価に製造可能なシアン色素及びシアンインクはいまだ得られていない。よってまだ市場の要求を充分に満足させるには至っていない。
特開昭62−190273号公報 特開平7−138511号公報 特開2002−105349号公報 特開平5−171085号公報 特開平10−140063号公報 特表平11−515048号公報 特開昭59−22967号公報 特開2000−303009号公報 特開2002−249677号公報 特開2003−34758号公報 特開2002−80762号公報 WO2004087815号公報 WO2002034844号公報 特開2004−75986号公報
本発明は、前記問題を解決し、シアンインクとして良好な色相を有し、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れ、且つブロンズ現象を起こさない新規な色素を提供すること、更には該色素を用いたインクジェットに適したインク及びインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、良好な色相を有し、高い耐光性及び耐オゾン性を有し、ブロンズ現象を起こさない色素を詳細に検討したところ、下記式(1)で表される特定のポルフィラジン色素が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(1)下記式(1)で表されるポルフィラジン色素またはその塩、
式(1)
Figure 2008111635
(式中、環A〜Dは、それぞれ独立にベンゼン環または6員環の含窒素複素芳香環を表し、少なくとも1つ以上はベンゼン環であり、残りの少なくとも1つは含窒素複素芳香環であり、
Eはアルキレンを表し、
Xは、少なくとも1つのスルホ基、カルボキシ基またはリン酸基を置換基として有する、アニリノ基またはナフチルアミノ基であり、
該アニリノ基または該ナフチルアミノ基は、さらにスルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、モノ−またはジ−アルキルアミノ基、モノ−またはジ−アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基から成る群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されてもよく、
Yはアミノ基;水酸基;スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、モノ−またはジ−アルキルアミノ基、モノ−またはジ−アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基から成る群から選択される1種または2種以上の置換基を有してもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素環基;を表し、但し、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXが置換アニリノ基である組合せは除き、
bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である。)、
(2)環A〜Dで表される6員環の含窒素複素芳香環が、ピリジン環またはピラジン環である上記(1)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(3)下記式(3)で表されるポルフィラジン化合物と、下記式(4)で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させて得られる上記(1)または上記(2)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
式(3)
Figure 2008111635
(式中、環A〜Dは上記(1)に記載のものと同じ意味を表し、またnは1から3である。)、

式(4)
Figure 2008111635
(式中、E、X、及びYは上記(1)に記載のものと同じ意味を表す。)、
(4)環A〜D中、1〜3個がピリジン環またはピラジン環であり、
EがC2〜C4アルキレンを表し、
Xは、置換基として少なくとも1つのスルホ基またはカルボキシ基を有するアニリノ基またはナフチルアミノ基;または、リン酸置換アニリノ基であり、
該置換アニリノ基及び置換ナフチルアミノ基はスルホ基、カルボキシ基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、ウレイド基、アセチルアミノ基、ニトロ基及び塩素原子から成る群から選択される1種または2種以上の置換基を、さらに0〜3個有しても良く、
Yはアミノ基;水酸基;水酸基、スルホ基、カルボキシ基またはリン酸基で置換されてもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素芳香環基;であるが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXは置換アニリノ基である組合せは除き、
bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である、上記(2)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(5)Eがエチレンまたはプロピレンを表し、
Xはスルホ置換アニリノ基;カルボキシル置換アニリノ基;またはスルホ置換ナフチルアミノ基であり、
Yはアミノ基;水酸基;水酸基、スルホ基、カルボキシ基で置換されてもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素芳香環基;であるが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXは置換アニリノ基である組合せは除き、
bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である上記(4)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(6)環Aが2位及び3位で、または3位及び4位で縮環したピリジン環、または2位及び3位で縮環したピラジン環であり、
環Bが2位及び3位で、または3位及び4位で縮環したピリジン環、または2位及び3位で縮環したピラジン環、またはベンゼン環であり、
環Cが2位及び3位で、または3位及び4位で縮環したピリジン環、または2位及び3位で縮環したピラジン環、またはベンゼン環であり、
環Dがベンゼン環であり、
EがC2〜C4アルキレンであり、
Xはスルホ基、カルボキシ基、メトキシ基、ニトロ基、塩素原子、ヒドロキシ基からなる群から選択される1〜3個の置換基を有する、アニリノ基またはナフチルアミノ基であり、
Yはアミノ基;水酸基;水酸基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されてもよい、モノ−またはジ−C1〜4アルキルアミノ基または5〜7員環の含窒素複素環基;であるが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXが置換アニリノ基の組合せは除き、
bが0〜2.9であり、cが0.1から3である上記(1)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(7)下記式(2)で表される上記(1)または上記(2)に記載のポルフィラジン色素またはその塩
式(2)
Figure 2008111635
(式中、Z1からZ8はそれぞれ独立して窒素原子または炭素原子を表すが、Z1とZ2、Z3とZ4、Z5とZ6、Z7とZ8の組み合わせのうち、少なくとも1つは炭素原子同士の組合わせであり、
また、E、X、Y、b及びcは(1)に記載のものと同じ意味を表す。)、
(8)下記式(5)で表されるポルフィラジン色素と、上記(3)に記載の式(4)で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させて得られる上記(7)に記載のポルフィラジン色素、
式(5)
Figure 2008111635
(式中、Z1からZ8は上記(7)に記載のものと同じ意味を表し、またnは1から3である)、
(9)環A〜D中の1つが含窒素複素芳香環であり、残りの3つがベンゼン環であるポルフィラジン色素と、環A〜D中の2つが含窒素複素芳香環であり、多の2つがベンゼン環であるポルフィラジン色素の混合物である上記(1)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(10)含窒素複素芳香環がピリジン環である上記(9)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(11)上記(1)から上記(10)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素またはその塩を含有する色素混合物、
(12)上記(1)から上記(10)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素またはその塩と、フタロシアニン色素の色素混合物、
(13)上記(1)から上記(10)のいずれか一項に記載のポルフィラジン色素またはその塩を、色素成分として少なくとも一種含有することを特徴とするインク、
(14)ポルフィラジン色素と共に、有機溶剤を含有する上記(13)に記載のインク、
(15)インクジェット記録用である上記(13)または上記(14)に記載のインク、
(16)上記(13)から上記(15)のいずれか一項に記載のインクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法、
(17)被記録材が情報伝達用シートである上記(16)に記載のインクジェット記録方法、
(18)情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有するシートである上記(17)に記載のインクジェット記録方法、
(19)上記(13)から上記(15)のいずれか一項に記載のインクを含有する容器、
(20)上記(19)に記載の容器を有するインクジェットプリンター、
(21)上記(13)から上記(15)のいずれか一項に記載のインクで着色された着色体、
(22)環A〜D中、平均値で、1〜2個がピリジン環またはピラジン環であり、残りがベンゼン環であり、
EがC2〜C4アルキレンを表し、
(i)Xはモノ又はジスルホ置換アニリノ基;ジカルボキシル置換アニリノ基;またはモノ又はジスルホ置換ナフチルアミノ基であり、Yが置換基として水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びC1〜C4アルコキシ基(ヒドロキシ置換を有してもよい)からなる群から選ばれる基を有するモノまたはジ(C1〜C4アルキル)アミノ基;または、置換基としてメチル、エチル、スルホ、カルボキシル基及び水酸基からなる群から選ばれる基を有してもよい5〜7員含窒素複素環基;であるか、又は
(ii)Xはスルホ置換ナフチルアミノ基であり、Yはアミノ基である、上記(1)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(23)Yが2−スルホエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、カルボキシメチルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−エトキシ−2−エチルアミノ、1−ヒドロキシ−ブチルアミノ、5−カルボキシ−ペンチルアミノ、2−メトキシーエチルアミノ、2−エトキシエチルアミノ、(2−ヒドロキシ)エトキシエチルアミノ、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ及びジ(2−カルボキシエチル)アミノである上記(1)に記載のポルフィラジン色素またはその塩、
(24)Yが2−スルホエチルアミノ、ビス(2−カルボキシエチル)アミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−ヒドロキシエトキシエチルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、2−カルボキシピロリジニル、4−エチルピペラジニル、2−エチルピペリジニル、3−メチルピロリジニルである上記(1)に記載のポルフィラジン色素またはその塩。
に関する。
本発明の化合物を用いたインクは、シアンインクとして良好な色相を有し、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れたインクである。また、長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。更に、他のマゼンタインク及びイエローインクと共に用いることで、広い可視領域の色調を色だしすることができる。従って、本発明のポルフィラジン色素を用いたシアンインクはインクジェット記録用のインクとして極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。本発明のインクジェット記録に適したインクは、前記式(1)のポルフィラジン色素を含有することを特徴とする。すなわち、テトラベンゾポルフィラジン(通常、フタロシアニンと呼ばれているもの)の4つのベンゾ(ベンゼン)環1個から3個を6員の含窒素複素芳香環に置き換えたものを色素母核に用い、無置換スルファモイル基、及び特定の置換スルファモイル基を導入したポルフィラジン色素がインクジェット用のインクに非常に適し、且つ、該色素を使用したインクでの記録物が、極めてオゾンガスに対して耐性が優れ、且つブロンズ現象を起こしにくいことを見出したものである。
前記式(1)において、環A、B、C及び/またはDの含窒素複素芳香環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環及び/またはピリダジン環等の窒素原子1〜2個を含む6員の含窒素複素芳香環があげられる。これらの中ではピリジン環またはピラジン環が好ましく、ピリジン環が最も好ましい。A、B、C、Dのうち1から3個が含窒素複素芳香環であり、残りはベンゼン環である。該含窒素複素芳香環の個数が増えるにしたがって、耐オゾン性は向上するが、ブロンジング性は生じやすくなる傾向にあり、該含窒素複素芳香環の個数は耐オゾン性とブロンジング性を考慮しながら、適宜調節し、バランスの良い比率を選択すれば良い。該含窒素複素芳香環の個数は複素環の種類にもよるので一概には言えないが、通常平均値で、1〜2個の範囲が好ましく、より好ましくは1.1〜1.75個、更に好ましくは1.1〜1.5個の範囲である。残りはベンゼン環である。含窒素複素芳香環の個数が1より大きく、2より小さい時は、該含窒素複素芳香環が1つの化合物と、2つの化合物の混合物における平均の複素環数である。
複素環が2個の場合には、隣に並んで(例えばA及びB)または対向する位置に向かい合って(例えばA及びC)入る場合のいずれもが生成すると考えられる。製造法の説明や実施例において構造式で化合物を記載する場合、それらをわざわざ記載するのは煩雑であり、分かり難いものとする上、本発明においてそれらをわざわざ区別する必要性も無いので、特に断らない限りは、便宜上、A及びCの2個が複素環で、B及びDがベンゼン環である化合物の一つの構造式を記載し、上記のように生成する両者の化合物全てを示すものとする。
bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つb、cの総和は1から3である。bが大きくなるにつれて、耐オゾン性は向上する傾向にあるが、ブロンジング性は生じやすくなる傾向にあり、耐オゾン性とブロンジング性を考慮しながら、b、cの数を適宜調節し、バランスの良い比率を選択すれば良い。通常、bが0.5〜2.5、cが0.1〜1.5、b+cが1.5〜3の範囲が好ましく、より好ましくはbが1〜2.5、cが0.5〜1、b+cが2.0〜3.0の範囲が好ましい。
Eにおける、アルキレンとしては、例えば炭素数2から12のアルキレンがあげられ、より好ましくは炭素数2から6のアルキレン、更に好ましくは炭素数2から4のアルキレンがあげられる。具体例としてはエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、シクロプロピレンジイル、1,2−または1,3−シクロペンチレンジイル、1,2−、1,3−または1,4−などの各シクロへキシレンなどが挙げられる。好ましいものはエチレン、プロピレンまたはブチレンである。より好ましくはエチレンである。
Xは、スルホ基、カルボキシ基及びリン酸基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を置換基として有する、アニリノ基またはナフチルアミノ基である。
該アニリノ基または該ナフチルアミノ基は、更に以下に示す置換基を有しても良い。該更に有しても良い置換基の置換基数は、通常0〜4個、好ましくは0〜3個である。
更にに有してもよい置換基としては、スルホ、カルボキシ、リン酸基、スルファモイル、カルバモイル、水酸基、アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、モノ−またはジ−アリールアミノ、アセチルアミノ、ウレイド、アルキル、ニトロ、シアノ及びハロゲン原子からなる群から選ばれる基が挙げられる。また、該置換基として、さらにアリロキシ又はヘテロ環残基等を加えても良い。
上記の置換基のうち、好ましい置換基としてはスルホ、カルボキシ及び水酸基があげられる。またXがナフチルアミノ基の場合には、上記の置換基のうち、スルホ及び水酸基が好ましい。
Xとして好ましい基は、モノ又はジスルホ置換アニリノ、又はジカルボキシ置換アニリノ、モノ又はジスルホ置換ナフチルアミノを挙げることができ、より好ましくはモノ又はジスルホ置換アニリノ、またはジスルホ置換ナフチルアミノを挙げることが出来る。
具体例としては、2,5−ジスルホアニリノ、2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、4−エトキシ−2−スルホアニリノ、2−メチル−5−スルホアニリノ、2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホアニリノ、2−クロロ−5−スルホアニリノ、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−5−スルホアニリノ、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−3−スルホアニリノ、4−アセチルアミノ−2−スルホアニリノ、4−アニリノ−3−スルホアニリノ、3,5−ジクロロ−4−スルホアニリノ、3−ホスホノアニリノ、3,5−ジカルボキシアニリノ、2−カルボキシ−4−スルホアニリノ、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ、5,7−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、6,8−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、3,6,8−トリスルホナフタレン−1−イルアミノ、8−ヒドロキシ−3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、4,8−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、3,6,8−トリスルホナフタレン−2−イルアミノ、4,6,8−トリスルホナフタレン−2−イルアミノ、8−クロロ−3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ、8−ヒドロキシ−6−スルホナフタレン−2−イルアミノ及び5−ヒドロキシ−7−スルホナフタレン−2−イルアミノ等があげられる。これらのなかで好ましい基としては2,5−ジスルホアニリノ、2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、3,5−ジカルボキシアニリノ、5,7−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、6,8−ジスルホナフタレン−2−イルアミノ、3,6−ジスルホナフタレン−1−イルアミノ等を挙げることが出来いる。
Yはアミノ基;水酸基;置換基を有してもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素環基;を表す。置換基を有してもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素環基がより好ましい。
Yが置換基を有してもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素環基である場合、該置換基としてはスルホ、カルボキシ、リン酸基、スルファモイル、カルバモイル、水酸基、アルコキシ(ヒドロキシ基で置換されていても良い)、アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、モノ−またはジ−アリールアミノ、アセチルアミノ、ウレイド、アルキル、ニトロ、シアノ、ハロゲン原子、アルキルスルホニル及びアルキルチオが挙げられる。従って、該モノ−またはジ−アルキルアミノ基または該含窒素複素環基は、これらの中から選択される1種または2種以上の基を、置換基として有してもよい。又、該置換基として、上記の他に、ヘテロ環基、又はアリロキシ基なども挙げることが出来る。該モノ−またはジ−アルキルアミノ基または該含窒素複素環基は、これらの中から1種または2種以上の置換基を、通常1〜4個、好ましくは1〜3個有しても良い。
上記のアルコキシ基としては、通常(C1−C8)アルコキシ、好ましくは(C1−C6)アルコキシ、より好ましくは(C1−C4)アルコキシを挙げることが出来る。
上記した置換基のうち、好ましい基としてはスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基(ヒドロキシ基で置換されていても良い)及び水酸基があげられる。
モノ−またはジ−アルキルアミノ基のアルキルとしては、通常(C1−C8)アルキル、好ましくは(C1−C6)アルキル、より好ましくは(C1−C4)アルキルを挙げることが出来る。
Yの置換基を有してもよいモノ−アルキルアミノ基としては、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、(C1−C4)アルコキシ基(ヒドロキシ基で置換されていても良い)及び水酸基からなる群から選ばれる置換基で置換された(C1−C4)アルキルアミノが好ましく、より好ましくはスルホ基、(C2−C3)アルコキシ基(ヒドロキシ基で置換されていても良い)及び水酸基からなる群から選ばれる置換基で置換された(C2−C3)アルキルアミノが好ましく、更に好ましくはスルホ基、ヒドロキシエトキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されたエチルアミノ基を挙げることが出来る。
Yの置換基を有してもよいジ−アルキルアミノ基における好ましい置換基としてはスルホ、カルボキシ、ウレイド、アルキル、アルコキシル、水酸基、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子及びヘテロ環基よりなる群から選択される基を挙げることが出来る。該ジ−アルキルアミノ基はこれらの中から1種または2種以上の置換基を1〜4個、好ましくは1〜3個有しても良い。より好ましい置換基は、スルホ、カルボキシ、水酸基である。
好ましい置換基を有してもよいジ−アルキルアミノ基としては、置換基としてスルホ、カルボキシ及び水酸基よりなる群から選択される基で何れか一方もしくは両方のアルキル基が置換されたジ(C1−C4)アルキルアミノ基を挙げることが出来、より好ましくはジ(2−カルボキシエチル)アミノ基を挙げることが出来る。
上記モノ又はジアルキルアミノ基の具体例として、2−スルホエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、カルボキシメチルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−エトキシ−2−エチルアミノ、1−ヒドロキシ−ブチルアミノ、5−カルボキシ−ペンチルアミノ、2−メトキシーエチルアミノ、2−エトキシエチルアミノ、(2−ヒドロキシ)エトキシエチルアミノ、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ及びジ(2−カルボキシエチル)アミノ等があげられる。
置換基を有してもよい含窒素複素環基における、好ましい置換基としてはスルホ、カルボキシ、ウレイド、アルキル、アルコキシ、水酸基、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子及びヘテロ環基があげられる。該含窒素複素環基は、これらの中から1種または2種以上の置換基を1〜4個、好ましくは1〜3個有しても良い。より好ましい置換基の具体例としてはメチル、エチル、スルホ、カルボキシ及び水酸基があげられる。
またYの好ましい含窒素複素環基として、置換基としてメチル、エチル、スルホ、カルボキシ及び水酸基よりなる群、好ましくはスルホ、カルボキシ及び水酸基よりなる群から選ばれる基を有しても良い5〜7員環の含窒素複素環基を挙げることが出来る。ピペリジノ(ピペリジニル)、ピロリジノ(ピロリジニル)又はピペラジノ、又は非置換モルホリノ等を挙げることが出来る。それらの具体例としてはモルホリノ(モルホリニル)、4−メチルピペリジノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピラジニル、2−カルボキシピロリジノ及び4−エチルピペラジノ(4−エチルピペラジニル)、2−スルホエチルアミノ、ビス(2−カルボキシエチル)アミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−ヒドロキシエトキシエチルアミノ、2−エチルピペリジニル、3−メチルピリジニル、3−メチルピロリジニルである請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩等があげられる。
好ましいXとYの組み合わせとしては、下記の(1)又は(2)の場合が挙げられる。
(1)Yがアミノ基又は水酸基(好ましくはアミノ基)である場合、Xは置換基としてスルホ、カルボキシ又はリン酸基を有するナフチル基、好ましくは、1〜3個のスルホ基を有するナフチル基、より好ましくは2個のスルホ基を有するナフチル基である。
(2)Yが置換基としてスルホ、カルボキシ及び水酸基よりなる群から選択される基を有するモノ又はジ(C1−C4アルキル)アミノ基、又は置換基としてメチル、エチル、スルホ、カルボキシ及び水酸基よりなる群、好ましくはスルホ、カルボキシ及び水酸基よりなる群から選択される基を有する5〜7員環の含窒素複素環基(好ましくは5〜6員環の含窒素複素環基、更に好ましくはモルホリノ基)である場合、Xはスルホ基、カルボキシ基、メトキシ基、ニトロ基、塩素原子、ヒドロキシ基からなる群、好ましくはスルホ、カルボキシ及び水酸基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を置換基として有するアニリノ基またはナフチルアミノ基であり、該ナフチルアミノ基の場合には、置換基としてスルホ及び水酸基からなる群から選択される基を有するナフチルアミノ基がより好ましい。
この好ましいX及びYの組み合わせに、更に好ましいE、例えばC2〜C4アルキレン、より好ましくはエチレン(−C−)又はプロピレン(−C−)を組み合わせるとき、より好ましい。このとき、式(1)において環A〜Dで表される6員含窒素芳香環がピリジン環又はピラジン環、より好ましくはピリジン環であるとき、更に好ましい。
本発明の式(1)の好ましい化合物としては、先の「課題を解決するための手段」の項で挙げた(4)〜(6)に記載の化合物を挙げることが出来る。
上記式(1)の化合物は分子内に有するスルホ、カルボキシおよびリン酸などを利用して塩を形成することも可能である。式(1)の化合物が塩を形成している場合、その塩は、無機金属、アンモニウム又は有機塩基の各カチオンと塩を形成するのが好ましい。
無機金属としてはアルカリ金属やアルカリ土類金属が挙げられる。アルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えばカルシウム、マグネシウム等があげられる。
有機塩基としては、特に有機アミンが挙げられ、例えばメチルアミン、エチルアミン等の炭素数1から3の低級アルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のモノ、ジまたはトリ(炭素数1から4の低級アルカノール)アミン類があげられる。
これらの中でも特に好ましい塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のモノ、ジまたはトリ(炭素数1から4の低級アルカノール)アミンのオニウム塩、及びアンモニウム塩があげられる。
本発明の前記式(1)で表されるポルフィラジン色素における、A、B、C、D、E、X及びYの具体例、及びbとcの数を表1に示す。
下記の例は、本発明の色素を具体的に説明するために代表的な化合物を示すもので、下記の例に限定されるものではない。
また、A、B、CまたはDの含窒素複素芳香環がピリジン環の場合には後記するように窒素原子の位置異性体などが存在し、色素合成の際には異性体の混合物として得られる。これら異性体は単離が困難であり、また分析による異性体の特定も困難である。このため通常混合物のまま使用するが、異性体の混合物であっても本発明において特に問題は生じないためここではこれら異性体を区別することなく、構造式での表示は前記のように便宜的に一つの構造式で記載する。
Figure 2008111635
Figure 2008111635
Figure 2008111635

Figure 2008111635
本発明のポルフィラジン色素は、通常単独で使用されるが、場合により、他の色素、例えば公知のシアン色素との混合物として使用してもよい。
又シアン色素として本発明のポルフィラジン色素を使用する場合、含窒素複素芳香環の数が、1つの化合物と2つまたは3つの化合物との混合物、より好ましくは1つの化合物と2つの化合物との混合物で使用するのが好ましい一つの態様である。その場合の両者の割合は、両者の合計に対して、含窒素複素芳香環一つの化合物の割合が10から100%、好ましくは50から95%、より好ましくは60から93%、含窒素複素芳香環2つまたは3つの化合物(好ましくは2つの化合物)の割合が0から90%、好ましくは5から50%、より好ましくは7から40%程度である。
また公知のシアン色素との混合物として使用する場合、混合する色素としてはフタロシアニン系色素が好ましい。該混合物として使用する場合の本発明のポルフィラジン色素と他の色素の割合は、使用目的等に応じて、適宜決めることができる。例えば、混合物に対して、本発明のポルフィラジン色素1から100%、好ましくは10から95%、より好ましくは20から90%であり、残部が他の色素、例えば、フタロシアニン系色素である。
なお、上記の「%」は、いずれも重量%を意味する。
上記式(1)の化合物の製造方法を説明する。
まず、下記式(6)で表される銅ポルフィラジン化合物を合成する。
後記式(6)で表される銅ポルフィラジン化合物は、例えば触媒及び銅化合物の存在下、該含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体と該フタル酸誘導体とを反応させる事により得られる。該含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体と該フタル酸誘導体の反応のモル比を変えることによりA、B、C及びDの該含窒素複素芳香環の数とベンゼン環の数を調整することが可能である。
例えば本発明におけるA〜Dの4つの6員芳香環のうち、1〜3個が該含窒素複素芳香環であり、残りがベンゼン環の場合には、その含有割合に応じて、該含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体と該フタル酸誘導体の使用割合をそれぞれ、0.25〜0.75モルの割合の範囲で、両者の合計が1モルとなる割合で使用することにより、目的とする化合物を得ることができる。
例えば、該含窒素複素芳香環が1個で、ベンゼン環が3個の場合、該含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体を0.25モル、フタル酸誘導体を0.75モルの割合で使用すればよい。また、該含窒素複素芳香環が2個で、ベンゼン環が2個の場合、含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体を0.5モル、フタル酸誘導体を0.5モルの割合で使用すればよい。従って、該含窒素複素芳香環が1〜2個で、ベンゼン環が2〜3個の場合、該含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体を0.25〜0.5モル、該フタル酸誘導体を0.5〜0.75モルの割合で使用すればよい。
該含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体としては、隣接する2つの位置にそれぞれカルボキシル基、またはそれから誘導される反応性の基(酸アミド基、イミド基、酸無水物基及びカルボニトリル基等)を有する6員環含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体が挙げられる。
具体的にはキノリン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物;無水キノリン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸無水物、2,3−ピラジンジカルボン酸無水物等の酸無水物;ピリジン−2,3−ジカルボキシアミド等のアミド化合物;ピラジン−2,3−ジカルボン酸モノアミド等のジカルボン酸モノアミド化合物;キノリン酸イミド等の酸イミド化合物;ピリジン−2,3−ジカルボニトリル、ピラジン−2,3−ジカルボニトリル等のジカルボニトリル化合物;があげられる。またフタル酸誘導体としては、フタル酸、無水フタル酸、フタルアミド、フタラミン酸、フタルイミド、フタロニトリル、1,3−ジイミノイソインドリン及び2−シアノベンズアミド等があげられる。
銅ポルフィラジン化合物の合成方法には一般的にニトリル法とワイラー法と呼ばれる2つがあり、反応条件等が異なる。
ニトリル法とはピリジン−2,3−ジカルボニトリル、ピラジン−2,3−ジカルボニトリル、フタロニトリル等のジカルボニトリル化合物を原料にポルフィラジンを合成する方法である。
それに対し、ワイラー法はフタル酸、キノリン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物、無水フタル酸、無水キノリン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸無水物、2,3−ピラジンジカルボン酸無水物等の酸無水物化合物、フタルアミド、ピリジン−2,3−ジカルボキシアミド等のジカルボキシアミド化合物、フタラミック酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸モノアミド等のジカルボン酸モノアミド化合物、フタルイミド、キノリン酸イミド等の酸イミド化合物を原料に用いる。またワイラー法では尿素の添加が必須であり、尿素の使用量は含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体とフタル酸誘導体の総計1モルに対し5〜100倍モル量である。
式(6)
Figure 2008111635
(式中、A、B、C及びDは前記と同じ意味を表す)
反応は溶媒の存在下に行われ、ニトリル法においては溶媒としては沸点100℃以上、より好ましくは130℃以上の有機溶媒が用いられる。該有機溶媒として、例えば、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ニトロベンゼン、キノリン、スルホラン及び尿素等が挙げられる。
また、ワイラー法においては、溶媒として沸点150℃以上、より好ましくは180℃以上の非プロトン性有機溶媒が用いられる。例えば、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ニトロベンゼン、キノリン、スルホラン及び尿素等である。
溶媒の使用量は含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体とフタル酸誘導体の総計の1〜100質量倍である。
触媒としては、以下のものが使用できる。
ニトリル法においてはキノリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、トリブチルアミン、アンモニア、N,N−ジメチルアミノエタノール等のアミン類、又は、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコラート類があげられる。
またワイラー法においてはモリブデン酸アンモニウム及びホウ酸等があげられる。
触媒の添加量は、含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体とフタル酸誘導体の総計1モルに対し、0.001〜1倍モルである。
銅化合物としては、金属銅、銅のハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、アセチルアセトナート、錯体等が挙げられる。例えば、塩化銅、臭化銅、酢酸銅、銅アセチルアセトナート等が挙げられる。
銅以外の中心金属を有するポルフィラジンを合成したい場合には、対応する金属塩を用いるか、またはポルフィラジン環を合成した後、常法に従って中心金属の交換反応を行えばよい。
銅化合物の使用量は、含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体とフタル酸誘導体の総計1モルに対し、0.15〜0.35倍モルである。
ニトリル法では反応温度は通常100〜200℃であり、好ましくは130〜170℃である。
一方、ワイラー法では反応温度は150〜300℃であり、好ましくは170〜220℃である。
反応時間は反応条件により変わるが通常1〜40時間である。反応終了後、目的物を濾取、洗浄及び乾燥する事により、銅ポルフィラジン色素が得られる。
前記式(6)におけるA、B、C及びDのうち、2つがピリジン環で、残り2つがベンゼン環で表される化合物、すなわち銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンを例にあげて、合成方法を更に詳細に説明する。
スルホラン溶媒中、キノリン酸(0.5モル)、無水フタル酸(0.5モル)、塩化銅(II)(0.25モル)、リンモリブデン酸アンモニウム(0.004モル)、尿素(6モル)を200℃、5時間反応させることにより前記式(6)におけるA、B、C及びDのうち2つがピリジン環で、残り2つがベンゼン環で表される銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンが得られる。キノリン酸、無水フタル酸、金属化合物、溶媒及び触媒等の種類や使用量により反応性は異なり上記に限定されるものではない。
また、上記合成法で合成した場合、主成分は銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンである。この化合物にはピリジン環の位置とピリジン環窒素原子の位置の異なる5種類の異性体{式(7−A)〜(7−E)}が存在し、この合成法においてはそれらが一緒に生成する。それと同時に、前記式(6)におけるA〜Dのうち1つがピリジン環で、残り3つがベンゼン環で表される銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジン{後記式(8)}と前記式(6)におけるA〜Dのうち3つがピリジン環で、残り1つがベンゼン環で表される銅ベンゾトリス(2,3−ピリド)ポルフィラジンが副生し、これらの化合物にも更にピリジン環窒素原子の位置異性体{後記式(9−A)〜(9−D)}が存在し複雑な混合物となる。また、少量ではあるが銅テトラキス(2,3−ピリド)ポルフィラジン及び銅フタロシアニン(銅テトラベンゾポルフィラジン)も生成する。通常、これらの混合物から目的物のみを単離することは難しい。得られた化合物は平均値として2つがピリジン環で、残り2つがベンゼン環であることから、それを銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンとしてそのまま使用している場合がほとんどである。
上記の記載はA〜Dのうち2つがピリジン環で、残り2つがベンゼン環で表される銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンについて述べたが、ピリジン以外の含窒素複素芳香環の場合にも、該含窒素複素芳香環に応じて、上記に準じて行うことにより、同様に、2つが該含窒素複素芳香環で、残り2つがベンゼン環の化合物を得ることができる。また、含窒素複素芳香環が1個または3個の化合物、または、1個の化合物と2個または/及び3個の化合物との混合物等のときは、含窒素複素芳香環ジカルボン酸誘導体とフタル酸誘導体の使用割合をそれぞれ、おおよそ0.25〜0.75モルの割合の範囲で、両者の合計が1モルとなる割合において、目的化合物の含窒素複素芳香環とベンゼン環の比率に応じて、変えることにより、同様に得ることができる。
式(7−A)〜(7−E)
Figure 2008111635
式(8)
Figure 2008111635

式(9−A)〜(9−D)
Figure 2008111635
次に前記式(3)で表される銅クロロスルホニルポルフィラジン化合物は、前記式(6)で表される銅ポルフィラジン色素をクロロスルホン酸中でクロロスルホン化する事によって得ることができる。また、式(6)で表される銅ポルフィラジン化合物を、硫酸または発煙硫酸中でスルホン化した後、クロロ化剤でスルホ基をクロロスルホン基へ変換することにより得ることもできる。なお、上記クロロスルホン化又はスルホン化により、クロロスルホン基またはスルホ基は、式(6)のA〜Dにおけるベンゼン環上に導入され、該複素芳香環上には導入されない。一つのベンゼン環上には通常1つのクロロスルホン基またはスルホ基が導入されるので、クロロスルホン基またはスルホ基の導入される数はベンゼン環の数以内である。従って式(3)におけるクロロスルホン基の数(n)は、式(3)の化合物のベンゼン環の数に応じて1〜3である。
式(3)で表される銅クロロスルホニルポルフィラジン化合物はその他の合成方法によっても得ることができる。例えば、一つのスルホ基を有するスルホフタル酸とキノリン酸等の6員含窒素複素芳香環ジカルボン酸又はその誘導体との縮合閉環により、下記式(10)で表されるスルホ基を有する銅ポルフィラジン色素を合成し、その後スルホ基をクロロスルホン基へ変換することにより目的の前記式(3)の化合物を得る事ができる。
得られた式(3)の化合物におけるクロロスルホ基の数(n)は、上記のように平均で1〜3であり、好ましくは平均で2〜3である。
式(10)
Figure 2008111635
[式中、A、B、C、D及びnは、前記式(3)と同じ意味を表す。]
前記式(6)で表される銅ポルフィラジン色素のクロロスルホン化は、通常該色素の3〜20重量倍、好ましくは5〜10重量倍のクロロスルホン酸を溶媒として行うのが好ましい。反応温度は、通常100〜150℃であり、好ましくは120〜150℃である。反応時間については反応温度等の反応条件により異なるが、通常1〜10時間である。この場合、通常得られる銅ポルフィラジン化合物の置換基はクロロスルホ基とスルホ基の混合物となるので、本発明においては、置換基が全てクロロスルホ基となるように、クロロスルホン酸溶媒での反応後、該反応液中に、更に塩化チオニル等のクロル化剤を添加して、更に反応を行い、スルホ基をクロロスルホ基にするのが好ましい。
添加するクロル化剤の量は、最初のクロロスルホン酸溶媒中での反応で副生するスルホ置換銅ポルフィラジン化合物のスルホ基に対して、0.5〜10当量、好ましくは0.5〜5当量程度である。クロル化剤としてはクロロスルホン酸、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン及びオキシ塩化リン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、前記式(10)で表されるスルホ銅ポルフィラジン色素のスルホ基のクロロスルホン基への変換は、該色素に、上記のクロル剤を反応させることにより、行うことが出来る。該クロル化反応に用いられる溶剤としては硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、上記で得られた銅クロロスルホニルポルフィラジン化合物と、下記式(4)で表される有機アミン及びアミノ化剤(アンモニア又はアンモニア発生化合物)とを、水溶媒中で、おおよそpH8〜10、5〜70℃で、1〜20時間反応させる事により、目的の式(1)の化合物を得ることができる。反応に用いられるアミノ化剤としては、アンモニアまたは上記反応に際してアンモニアを発生する化合物(アンモニア発生化合物)を使用することができ、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、尿素、アンモニア水、アンモニアガス等が挙げられる。しかしこれらに限定されるものではない。また、銅クロロスルホニルポルフィラジン色素と、有機アミン及びアミノ化剤とのの反応は通常、上記のように水溶媒中で行なわれる。
式(4)
Figure 2008111635
(式中、E、X及びYは前記と同じ意味を表す)
なお、有機アミンの使用量は通常、銅クロロスルホニルポルフィラジン化合物1モルに対して、通常、理論値(式(1)におけるcの値が0.1から3となるのに必要なモル数)の1倍モル以上であるが、有機アミンの反応性、反応条件により異なり、これらに限定されるものではない。
通常、該有機アミンの使用量は上記理論値の1〜3倍モル、好ましくは1〜2倍モル程度である。
式(4)で表される有機アミンの製造方法を説明する。
式(4)で表される有機アミンは公知の方法で製造することができる。
例えば、Xに対応するアニリン類またはナフチルアミン類0.95〜1.1モルと、2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1モルとを水中で、おおよそpH3〜7、5〜40℃、2〜12時間の条件下に反応させて、1次縮合物を得る。
次いで、Yがアミノ基の場合には、得られた1次縮合物1モルと、アミノ化剤(上記アンモニア等)0.95〜2.0モルとを、おおよそpH4〜10、5〜80℃、0.5〜12時間の条件下に反応させることにより2次縮合物を得る。
またYが水酸基の場合には、1次縮合物の反応液に、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を添加し、おおよそpH4〜10、5〜80℃、0.5〜12時間の条件下に反応させることにより2次縮合物を得る。
またYが前記アルキルアミノ基または前記ジアルキルアミノ基の場合には、得られた1次縮合物1モルと、該アミノ基に対応するアミン類0.95〜1.1モルとを、pH4〜10、5〜80℃、0.5〜12時間の条件下に反応させることにより2次縮合物を得る。
次いで、得られた2次縮合物1モルと、−HN−E−NH−に対応するアルキレンジアミン類1〜50モルとを、おおよそpH9〜12、5〜90℃、0.5〜8時間の条件下に反応させることにより、上記式(4)の化合物が得られる。縮合の際のpH調整には通常、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、又は、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩などがあげられる。なお、縮合の順序は各種化合物の反応性に応じ適宜定められ、上記に限定されない。
また前記式(1)及び(2)で表される銅ポルフィラジン色素は、前記式(3)と、式(4)で表される化合物との反応によって得ることができる。この反応は、特に無水条件を必要としない。このため式(3)におけるクロロスルホニル基が一部、反応系内に混在する水により加水分解を受けてスルホン酸基へと変換された化合物が副生し、該副生物が、目的とする式(1)または(2)の色素に混入することが理論上考えられる。
しかしながら質量分析において無置換スルファモイル基とスルホン酸基とを識別することは困難であり、本発明においては式(4)で表される有機アミンと反応したもの以外の式(3)におけるクロロスルホニル基については全て無置換スルファモイル基へと変換されたものとして記載する。
上記のようにして得られる前記式(1)又は(2)で表される銅ポルフィラジン色素において、bは0〜2.9であり、cは0.1〜3であり、好ましくは、bは1〜2.5であり、cは0.5〜1である。
なお、前記式(1)及び(2)で表される銅ポルフィラジン色素は一部、2価の連結基(L)を介して銅ポルフィラジン環(Pz)が2量体(例えばPz−L−Pz)または3量体を形成した不純物が副生し、反応生成物中に混入することもある。上記Lで表される2価の連結基としては−SO2−、−SO2−NH−SO2−などがあり、3量体の場合にはこれら2つのLが組み合わされた副生成物が形成される場合も有る。
こうして得られた本発明の銅ポルフィラジン色素は酸析又は塩析後、濾過等により分離することが出来る。塩析は例えば酸性〜アルカリ性、好ましくはpH1〜11の範囲で行うことが好ましい。塩析の際の温度は特に限定されないが、通常40〜80℃、好ましくは50〜70℃である。より具体的には、本発明の銅ポルフィラジン色素を含む反応液を上記温度に加熱後、食塩等を加え、次いでpHを上記範囲に調製して、塩析するのが好ましい。
上記の方法で合成される、本発明の前記式(1)または式(2)で表わされる銅ポルフィラジン色素は、遊離酸の形あるいはその塩の形で得られる。遊離酸とするには、例えば酸析すればよい。また、塩にするには、塩析するか、塩析によって所望の塩が得られないときには、例えば遊離酸にしたものに所望の有機又は無機の塩基を添加する通常の塩交換法を利用すればよい。
次に本発明のインクについて説明する。上記の方法にて製造された前記式(1)のポルフィラジン色素及びその塩は鮮明なシアン色を呈する。よって、これらを含むインクも主にシアン色のインクとして用いることができる。該インクは高濃度のシアンインクとしてばかりでなく、画像の階調部分を滑らかに再現するため、または淡色領域の粒状感を軽減する為に用いられる低い色素濃度のシアンインク(ライトシアンインクやフォトシアンインク等と呼ばれる)として用いても良い。また、本発明の色素に、イエロー色の色素を配合してグリーン色のインクとして使用しても良いし、また、マゼンタ色の色素を配合してバイオレット色やブルー色のインクとして使用しても良い。更に本発明の色素に、多色の色素を配合してインクを作成し、ダークイエロー色、グレー色又はブラック色と使用することも可能である。
本発明のインクは、水を媒体として調製される。
このインクがインクジェット用インクの場合、それに使用される本発明のポルフィラジン色素(以下本発明のポルフィラジン色素の場合、単にポルフィラジン色素といった場合、特に断らない限り、遊離のポルフィラジン色素、その塩、または遊離のものと塩との混合物のいずれの場合をも含む意味で使用する)は、Cl-及びSO4 2-等の陰イオンの含有量は少ないものが好ましく、その含有量の目安は、ポルフィラジン色素中でCl-及びSO4 2-の総含量として5質量%以下、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、インク中に1質量%以下、好ましくは0.5%以下、更に好ましくは、0.1%以下である。
Cl-及びSO4 2-の少ない本発明のポルフィラジン色素を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法、又は本発明のポルフィラジン色素の乾燥品あるいはウェットケーキを、含水アルコール中で撹拌する等の方法で脱塩処理すればよい。
後者の場合、用いるアルコールは、炭素数1〜4の低級アルコール、好ましくは炭素数1〜3のアルコール、更に好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール又は2−プロパノールである。使用するアルコールの沸点近くまで加熱後、冷却して脱塩する方法も採用しうる。
含水アルコール中で脱塩処理された本発明のポルフィラジン色素は、常法により、濾取及び乾燥することにより、乾燥状態の色素を得ることもできる。
該色素中のCl-及びSO4 2-の含有量は、例えばイオンクロマトグラフィーで測定される。
本発明のインクがインクジェット記録用である場合、それに使用されるポルフィラジン色素は、上記のCl-及びSO4 2-以外の、亜鉛、鉄等の重金属、カルシウムなどの各イオン、及びシリカ等の不純物含有量も少ないことが好ましい。
ただしポルフィラジンはイオン結合や配位結合などにより、目的とする中心金属原子を有する錯体、例えば銅錯体を形成させることができるため、この中心金属は不純物としては含めない。
上記の不純物含有量の目安は例えば、ポルフィラジン色素の乾燥精製品中に、亜鉛、鉄等の重金属、カルシウムなどの各イオン、及びシリカ等について、各々500ppm以下程度が好ましい。
重金属などのイオン含有量は、イオンクロマトグラフィー、原子吸光法又はICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法にて測定することができる。
本発明のインクは、インクの総量に対して、式(1)のポルフィラジン色素を0.1〜8質量%、好ましくは0.3〜6質量%含有する。
このインクはさらに必要に応じて、水溶性有機溶剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有してもよい。水溶性有機溶剤は、染料溶解、乾燥防止(湿潤)、粘度調整、浸透促進、表面張力調整、消泡等の作用を目的として使用される。
その他に、更に、インク調製剤として、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、分散安定剤、等の添加剤を含有していても良い。
該インク中には、インクの総量に対して、水溶性有機溶剤を0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、及び、上記のインク調製剤を0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%含有しているのが好ましい。その他に、場合により、上記以外の任意成分、例えば式(1)のポルフィラジン色素等を、0〜10質量%程度含有していても良い。残部は水である。
上記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノ−、オリゴ−またはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはC3〜C6トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)モノアルキルエーテル;γーブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。
上記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジまたはトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドンまたはブチルカルビトールである。
これらは、単独もしくは混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム、及び酢酸ソーダ等(例えば、アベシア社製 商品名プロクセルGXL(S)、プロクセルXL−2(S)等)があげられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム;あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物又はスチルベン系化合物等が挙げられる。また、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物があげられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環化合物類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
表面張力調整剤としては、界面活性剤があげられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などがあげられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学工業株式会社製サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等)、等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。なお、本発明のインクの表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。また本発明のインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
本発明のインクを製造するにあたり、各薬剤を溶解させる順序には特に制限はない。インクを調製するにあたり、用いる水はイオン交換水または蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
本発明のインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタインク、イエローインクとの3原色のインクセット、更にはこれにブラックインクを加えた4色のインクセットとしても使用される。更にはより高精細な画像を形成する為に、ライトマゼンタインク、ブルーインク、グリーンインク、オレンジインク、ダークイエローインク、グレーインク等と併用したインクセットとしても使用される。
上記のイエローインクの色素としては、種々のものを使用することが出来る。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテロアリールアゾ染料;ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
上記のマゼンタインクの色素としては、種々のものを使用することが出来る。例えば、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールアゾ染料、もしくは、ヘテロアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができる。
上記のブラックインクの色素としては、ジスアゾ、トリスアゾ又はテトラアゾ等のアゾ染料の他、硫化染料やカーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明のインクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング等の記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記で調製されたインクを、インク容器等に入れ、該インクにエネルギーを供与して、インク滴を吐出させ、公知の受像材料(被記録材料)、例えば普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルム、電子写真共用紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、ガラス、金属、陶磁器、皮革等の上に画像等を形成させることにより、記録を行うものである。
画像等を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり、耐候性を改善する目的からポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を使用してもよい。
ポリマーラテックスは、受像材料に含めても、又、インク中に含めてもよく、また、受像材料へ記録を行う前または後に、ポリマーラテックスを単独の液状物として受像材料に適用しても良い。受像材料にポリマーラテックスを付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよい。
したがって本発明の記録方法によれば、ポリマーラテックスを含有する受像材料に本発明のインクで記録してもよいし、ポリマーラテックスを含有する本発明のインクで受像材料に記録して良い。
本発明の着色体は、本発明のポルフィラジン色素又はこれを含有するインク(水性インク組成物)等で着色されたものである。着色される材料としては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。
情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。該インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。
このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれる。この中でも、オゾンガス等の空気中の酸化作用を持つガスに対して影響を受けやすいとされているのが、多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る無機微粒子を基材表面に塗工しているタイプのインクジェット専用紙である。
市販品として入手できる上記専用紙の代表的な例を挙げると、ピクトリコRTM(旭硝子株式会社製)、プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー(いずれもキヤノン株式会社製)、写真用紙クリスピア(高光沢)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙(いずれもセイコーエプソン株式会社製)、アドバンスフォト用紙(光沢)プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(いずれも日本ヒューレット・パッカード株式会社製)、フォトライクRTMQP(コニカ株式会社製)、高品位コート紙、写真光沢紙(いずれもソニー株式会社製)等がある。なお、普通紙も利用できることはもちろんである。
上記本発明の着色体を得るための着色方法は、いずれの方法を用いてもよい。好ましい着色方法の一つは、インクジェットプリンタを用い、本発明のインクで上記の材料を着色する方法である。被着色剤は前記の材料であっても、その他のものであっても、インクジェットプリンタで着色しうる物品であれば特に制限はない。
本発明のインクジェット記録方法で、上記の材料または物品に記録を行うには、例えば上記のインクを含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、該材料または物品に記録すればよい。
インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタ;加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
本発明によるインクは貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明によるインクをインクジェット記録に使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明によるインクは連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間かつ一定の再循環下での記録、またはオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な記録においても、物理的性質の変化を起こさない。
本発明のインクは鮮明なシアン色であり、このインクの使用により、特に耐オゾン性に優れ、かつ耐光性、耐水性においても優れた記録物を得ることができる。
濃淡それぞれのシアンインクを使用し、これに加えて耐オゾン性及び耐光性、耐水性に優れた他のイエロー、マゼンタ、その他必要に応じてグリーン、レッド、オレンジ、ブルー等のインクと共に併用することで、さらに広い可視領域の色調を表現することもできる。
以下に本発明を更に実施例により具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。
「(対液20%)」と記載した場合は、その時点における総液量に対して、加えた化合物の質量%を表す。
なお実施例にて合成した上記式(1)の化合物は全て上記のように異性体などを含む混合物である。従って、特に断りの無い限り、主要成分の化学構造式、またはその中の一つの化学構造式を記載した。また、特に断りのない限り、各実施例で合成した化合物のcの範囲は0.5〜1.0である。なお、収量についても該異性体等を含む。
実施例1
(1)銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジンと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンの混合物(下記式(6)におけるA、B、C、Dのうち、平均で1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環である混合物)の合成
式(6)
Figure 2008111635
四つ口フラスコに、スルホラン250部、フタルイミド18.4部、キノリン酸12.5部、尿素72.0部、塩化銅(II)・2水和物(純度97.0%)8.8部、モリブデン酸アンモニウム1.0部を加え、200℃まで昇温し、同温度で5時間保持した。反応終了後反応液を65℃まで冷却し、そこにメタノール200部を加え、析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール150部、続いて温水200部で洗浄することにより、ウェットケーキ72.2部を得た。得られたウェットケーキ全量を5%塩酸500部中に投入し、60℃に昇温し、同温度で1時間保持した。結晶を濾過し水200部で洗浄した。次いで、得られたウェットケーキ全量を10%アンモニア水500部中に投入し、60℃で1時間保持し、結晶を濾過した。得られた結晶を、水300部、メタノール100部で洗浄し、ウェットケーキ33.6部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジンと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンの混合物19.8部を青色結晶として得た。
λmax:663.5nm(ピリジン中)
(2)銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物(下記式(3)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、nが2.5である混合物)の合成
式(3)
Figure 2008111635
クロロスルホン酸46.2部中に攪拌しながら60℃以下で実施例1−(1)で得られた銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジンと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンの混合物5.8部を徐々に仕込み、140℃で4時間反応を行った。次に反応液を70℃まで冷却し、そこに塩化チオニル17.9部を30分間かけて滴下し、70℃で3時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、氷水800部中にゆっくりと注ぎ、析出している結晶を濾過し、冷水200部で洗浄し銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を得た。
(3)下記式(11)(式(4)におけるXが3,5−ジカルボキシアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(11)
Figure 2008111635
氷水150部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに、3,5−ジカルボキシアニリン(純度91.3%)19.8部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 6.0〜7.0としながら0〜10℃で1時間30分、20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に得られた反応液に2−スルホエチルアミン12.2部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 8.0〜9.0に調整しながら30℃で2時間反応を行った。次いで、そこに氷250部を添加し、0℃まで冷却し、次いで、そこに、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、得られた液を室温で一晩攪拌した。濃塩酸を用いて得られた反応液のpHを2.0に調節した。この間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1000部であった。この反応液に塩化ナトリウム200部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ461部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ水580部を加え10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 9.0に調整してウエットケーキを溶解させた。このとき液量は1000部であった。この反応液に塩化ナトリウム200部を添加し、濃塩酸を用いてpH 4.5に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ261部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れメタノール470部、水47部を加え50℃で1時間攪拌した後濾過しウエットケーキ104.8部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、上記式(11)の化合物の白色粉末50.1部を得た。
(4)下記式(12)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが3,5−ジカルボキシアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノである化合物)の合成
式(12)
Figure 2008111635
氷水300部中に本実施例の前記(2)で得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(11)の化合物13.2部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は650部であった。得られた反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム130部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出物を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ156.0部を得た。得られたウエットケーキを水550部中に、25%水酸化ナトリウム溶液で該液のpHを9.5に調節することにより、溶解した。このときの液量は700部であった。該溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム140部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出物を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、遊離酸として上記式(12)で表される化合物のウエットケーキ91.2部を得た。得られたウエットケーキにメタノール600部および水60部を加えて50℃で1時間攪拌した。不溶物をろ過分離し、ウエットケーキ11.2部を得た。乾燥し、青色粉末として上記式(12)で表される化合物9.5部を得た。
λmax:598.0nm(水溶液中)
実施例2
(1)下記式(13)(式(4)におけるXが3−スルホアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(13)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にこれに3−スルホアニリン(純度99.3%)17.4部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 2.0〜2.5調整しながら0〜10℃で1時間30分、20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に反応液に2−スルホエチルアミン12.2部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整しながら、
(1)pH6.0〜7.0、20℃で2時間、
(2)pH7.0〜8.0、25℃で2時間、および
(3)pH8.0〜9.0、25℃で2時間
反応を行った。
次いで、得られた反応液に氷250部を添加し、0℃まで冷却し、次いで該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、該反応液を室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いてpH 1.0に調節した。pH調節間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1100部であった。この反応液に塩化ナトリウム250部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分離し、ウエットケーキ110部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、そこに水220部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9.5に調整して溶解させた。このとき液量は500部であった。濃塩酸を用いて、この反応液のpHを1.0に調節し、そこに塩化ナトリウム100部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分離し、ウエットケーキ120.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れメタノール220部、水24部を加え50℃で1時間攪拌した後、不溶解物を濾過分離し、ウエットケーキ81.2部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(13)の化合物47.1部を得た。
(2)下記式(14)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが3−スルホアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノである化合物)の合成
式(14)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(13)の化合物13.0部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は650部であった。反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム130部(対液20%)を加え30分撹拌した。次いで20分かけて液のpHを1.0に調節した後、析出物を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ46.0部を得た。得たウエットケーキを水280部中に、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを9.0に調節することにより、溶解した。このときの液量は300部であった。溶解液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム60部(対液20%)を加え30分撹拌した。次いで20分かけて液のpHを1.0に調節した後、析出物を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、遊離酸として下記式(14)で表される化合物のウエットケーキ43.2部を得た。得られたウエットケーキに、メタノール280部および水28部を加えて、50℃で1時間攪拌した。不溶物を、ろ過分離し、ウエットケーキ11.2部を得た。これを乾燥し、青色粉末として上記式(14)で表される化合物9.2部を得た。
λmax:606.0nm(水溶液中)
実施例3
(1)下記式(15)(式(4)におけるXが4−スルホアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(15)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次にこれに4−スルホアニリン(純度99.3%)17.4部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整しながら、pH2.6〜3.0および0〜5℃で1時間、pH 3.0〜3.5および0〜5℃で1時間、および、pH 3.0〜3.5および25〜30℃で1時間反応を行った。次に得られた反応液に2−スルホエチルアミン12.6部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 7.0〜8.0としながら25℃で2時間反応を行った。次いで、この反応液に、氷250部を添加し、0℃まで冷却し、そこにエチレンジアミン60部を、該反応液の温度を5℃以下に保持しながら滴下した。その後、得られた液を、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いて該液のpHを1.0に調節した。pH調節の間氷を添加しながら、液温を10〜15℃に保持した。このとき液量は980部であった。この反応液に塩化ナトリウム190部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分離し、ウエットケーキ70.6部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水280部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて得られた懸濁液のpHを9.0としてウエットケーキを溶解させた。このとき液量は400部であった。この反応液に濃塩酸を加えて、pHを1.0に調節し、次いで塩化ナトリウム80部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分離し、ウエットケーキ110.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、そこにメタノール260部および水26部を加え、50℃で1時間攪拌した後、不溶物を濾過分離し、ウエットケーキ89.1部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(15)の化合物49.3部を得た。
(2)下記式(16)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが4−スルホアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノである化合物)の合成
式(16)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得たポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(15)の化合物13.0部溶解させたものを注加した。この間継続的に、28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は680部であった。反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム136部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて該液のpHを1.0に調節した。析出物を、濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ45.0部を得た。得たウエットケーキに水360部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液で、得られた懸濁液のpHを9.0に調節することにより、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は400部であった。溶解液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム80部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて、得られた液のpHを1.0に調節した。不溶物を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、遊離酸として上記式(16)で表される化合物のウエットケーキ43.2部を得た。得られたウエットケーキにメタノール360部および水36部を加えて50℃で1時間攪拌した後、不溶物をろ過分離し、ウエットケーキ24.4部を得た。乾燥し、青色粉末として上記式(16)で表される化合物9.9部を得た。
λmax:605.5nm(水溶液中)
実施例4
(1)下記式(17)(式(4)におけるXが4−スルホアニリノ基、Yがビス(2−カルボキシエチル)アミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(17)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに4−スルホアニリン(純度99.3%)17.4部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整しながら、pH2.6〜3.0および0〜5℃で1時間、pH 3.0〜3.5および0〜5℃で1時間、および、pH 3.0〜3.5および25〜30℃で1時間反応を行った。次に反応液にビス(2−カルボキシエチル)アミン13.7部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 7.0〜8.0に調整しながら25℃で2時間反応を行った。次いで、そこに氷250部を添加し、0℃まで冷却した。該液温を5℃以下に保持しながら、そこにエチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いてpH 1.0に調節した。pH調節の間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1500部であった。この反応液に塩化ナトリウム300部を添加し、1時間30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ60.0部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水240部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて得られた懸濁液のpH 9.8としてウエットケーキを溶解させた。このとき液量は300部であった。この反応液に濃塩酸を加えて、pH 1.0に調節した。そこに塩化ナトリウム60部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ40.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、メタノール240部および水24部を加え50℃で1時間攪拌した後、濾過しウエットケーキ37.1部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(17)の化合物34.2部を得た。
(2)下記式(18)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5つがベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが4−スルホアニリノ、Yがビス(2−カルボキシエチル)アミノである化合物)の合成
式(18)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(17)の化合物14.3部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて該液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ182.0部を得た。得たウエットケーキに水400部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は600部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した。20分かけて該液のpHを1.0に調節した後、析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ84.3部を得た。得られたウエットケーキにメタノール700部および水70部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ10.9部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(18)で表される化合物9.2部を得た。
λmax:593.0nm(水溶液中)
実施例5
(1) 下記式(19)(式(4)におけるXが4−スルホアニリノ、Yが2−ヒドロキシエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(19)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次に4−スルホアニリン(純度99.3%)17.4部を添加し10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調節しながら、pH 2.6〜3.0および0〜5℃で1時間、pH 3.0〜3.5および0〜5℃で1時間、および、pH 3.0〜3.5および25〜30℃で1時間反応を行った。次に反応液に2−ヒドロキシエチルアミン6.17部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 8.0〜9.0としながら25℃で3時間30分反応を行った。次いで、そこに氷210部を添加し、0℃まで冷却した。該液温を5℃以下に保持しながら、該液にエチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いてpHを1.0に調節した。pH調節の間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1000部であった。この反応液に塩化ナトリウム200部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ257部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水580部を加えた。10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて得られた懸濁液のpHを9.0に調節してウエットケーキを溶解させた。このとき液量は850部であった。この反応液に濃塩酸を加えてpHを1.0に調節した。そこに塩化ナトリウム170部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ212.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れメタノール560部および水56部を加え50℃で1時間攪拌した。濾過しウエットケーキ48.1部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(19)の化合物28.2部を得た。
(2)下記式(20)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、4−スルホアニリノ、Yが2−ヒドロキシエチルアミノである化合物)の合成
式(20)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(19)の化合物11.1部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は700部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム140部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけてpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ213.0部を得た。得たウエットケーキに水380部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は600部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ55.8部を得た。得られたウエットケーキにメタノール360部および水36部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ34.2部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の下記式(20)で表される化合物11.6部を得た。
λmax:602.0nm(水溶液中)
実施例6
(1)下記式(21)(式(4)におけるXが6−スルホ−1−ナフチルアミノ、Yが2−スルホエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(21)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに6−スルホ−1−ナフチルアミン(純度55.3%)42.0部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 5.5〜6.0に調節しながら、0〜5℃で1時間および25〜30℃で1時間反応を行った。次に反応液に2−スルホエチルアミン12.5部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH8.0〜9.0に調節しながら、45℃で30分および50〜55℃で一時間反応を行った。次いで、該反応液に氷570部を添加し、0℃まで冷却した。そこに、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いて得られた液のpHを1.0に調節した。pH調節の間、氷を添加しながら、液温を10〜15℃を保持した。このとき液量は1750部であった。この反応液に塩化ナトリウム350部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ40.0部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水800部を加え、得られた懸濁液のpHを、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて9.0に調整した。このとき液量は900部であった。この反応液に濃塩酸を加えてpH 1.0に調節し、次いで塩化ナトリウム180部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ40.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、メタノール300部および水30部を加え50℃で1時間攪拌した後濾過し、ウエットケーキ36.2部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(21)の化合物18.9部を得た。
(2)下記式(22)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが6−スルホ−1−ナフチルアミノ、Yが2−スルホエチルアミノである化合物)の合成
式(22)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(21)の化合物14.5部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて該液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は700部であった。得られた反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム140部(対液20%)を加え30分撹拌した。20分かけて該液のpHを1.0に調節した後、析出した結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ94.0部を得た。得たウエットケーキに、水370部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを10.0に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した。20分かけて該液のpHを1.0に調節した後、析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ92.2部を得た。得られたウエットケーキをメタノール300部、水50部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ76.2部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸として下記式(22)で表される化合物23.2部を得た。
λmax:604.5nm(水溶液中)
実施例7
(1)下記式(23)(式(4)におけるXが3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Yがアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(23)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部およびレオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次に3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミン(純度80.0%)38.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを3.0〜4.0に調整しながら、0〜5℃で1時間および25〜30℃で2時間反応を行った。次に反応液に塩化アンモニウム5.61部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整しながら、pH 7.0〜8.0および20℃で2時間30分、および、pH9.0および20℃で2時間反応を行った。次いで、そこに氷200部を添加し、0℃まで冷却し、次いでそこに、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いて得られた反応液のpHを1.0に調節した。pH調節の間該反応液に氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1750部であった。この反応液に塩化ナトリウム350部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ72.6部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水700部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて得られた懸濁液のpHを9.0に調整した。このとき液量は830部であった。この反応液に濃塩酸を加えてpH 1.0に調節した後、塩化ナトリウム166部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ60.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、メタノール300部および水30部を加え50℃で1時間攪拌した後濾過しウエットケーキ55.6部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(23)の化合物44.3部を得た。
(2)下記式(24)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Yがアミノである化合物)の合成
式(24)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に式(23)の化合物13.6部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ62.4部を得た。得たウエットケーキに水330部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節しウエットケーキを溶解した。このときの液量は400部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム80部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ59.2部を得た。得られたウエットケーキをメタノール600部、水60部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ30.5部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の下記式(24)で表される化合物10.7部を得た。
λmax:602.0nm(水溶液中)
実施例8
(1)下記式(25)(式(4)におけるXが3,6−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Yが2−ヒドロキシエトキシエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(25)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次に3,6−ジスルホ−1−ナフチルアミン(純度80.0%)38.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH2.0〜3.0としながら、0〜5℃で1時間および25〜30℃で2時間反応を行った。次に反応液にアミノエトキシエタノール10.6部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整しながら、pH 8.0〜9.0および25℃で1時間、および、pH 7.5〜8.0および25℃で30分反応を行った。次いで、氷270部を添加し、0℃まで冷却し、該反応液に、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した。このとき液量は1250部であった。この反応液に塩化ナトリウム250部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ258.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水450部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 5.0とした。このとき液量は700部であった。この反応液に濃塩酸を加えてpH 1.0に調節し、塩化ナトリウム140部を添加し、30分間撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ212.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、メタノール1250部および水125部を加え50℃で1時間攪拌した後濾過し、ウエットケーキ90.8部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(25)の化合物31.2部を得た。
(2)下記式(26)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5つがベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが3,6−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Yが2−ヒドロキシエトキシエチルアミノである化合物)の合成
式(26)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(25)の化合物16.7部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は720部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム144部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ66.2部を得た。得たウエットケーキに水720部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は600部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム160部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ49.2部を得た。得られたウエットケーキにメタノール420部および水80部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ31.8部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(26)で表される化合物11.2部を得た。
λmax:601.0nm(水溶液中)
実施例9
(1)下記式(27)(式(4)におけるXが4−スルホアニリノ、Yが2−ヒドロキシエトキシエチルアミノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(27)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次に4−スルホアニリン(純度99.3%)17.4部を添加し10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 5.5〜6.0としながら0〜5℃で1時間、25〜30℃で1時間反応を行った。次に反応液にアミノエトキシエタノール10.6部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 8.0〜9.0としながら、45℃で30分および50〜55℃で1時間反応を行った。次いで、該反応液に、氷570部を添加し、0℃まで冷却し、次いで、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後室温で一晩攪拌した。濃塩酸を用いて、得られた反応液のpHを1.0に調節した。この間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1750部であった。この反応液に塩化ナトリウム350部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ40.0部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ水800部を加え10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 9.0とした。このとき液量は900部であった。この反応液に濃塩酸を用いてpH 1.0に調節し、塩化ナトリウム180部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ40.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れメタノール300部、水30部を加え50℃で1時間攪拌した後濾過しウエットケーキ36.2部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末18.9部を得た。
(2)下記式(28)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが4−スルホアニリノ、Yが2−ヒドロキシエチル−2−エトキシアミノ、bが1.7、cが0.8である化合物)の合成
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(27)の化合物14.5部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は700部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム140部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ94.0部を得た。得たウエットケーキを水370部、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、pH10.0に調節し溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ92.2部を得た。得られたウエットケーキにメタノール300部および水50部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ76.2部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の下記式(28)で表される化合物(bが1.7、cが0.8の化合物)23.2部得た。
λmax:607.5nm(水溶液中)
実施例10
(1)下記式(29)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yがモルホリノ、Eがエチレンである化合物)の合成
Figure 2008111635
氷水1300部中に塩化シアヌール115部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)11部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次に2,5−ジスルホアニリン(純度90.2%)199.5部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 3.0としながら0〜10℃で1時間30分、20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に反応液にモルホリン55部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 6.0〜7.0としながら30℃で2時間反応を行った。次いで、得られた反応液に氷1000部を添加し、0℃まで冷却し、次いで該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン375部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いてpH 1.0に調節した。このpH調節の間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は10000部であった。この反応液に塩化ナトリウム2000部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ965部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水3850部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、得られた液のpHを9.0調整してウエットケーキを溶解させた。このとき液量は8000部であった。この反応液に塩化ナトリウム1600部を添加し、濃塩酸を用いてpH 1.0に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ728部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、メタノール1600部および水160部を加え50℃で1時間攪拌した後、濾過しウエットケーキ505.0部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として、上記式(29)の化合物269.1部を得た。
(2)下記式(30)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5つがベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yがモルホリノである化合物)の合成
式(30)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(29)の化合物14.3部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は650部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム130部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ62.0部を得た。得たウエットケーキに水350部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.5に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ58.8部を得た。得られたウエットケーキをメタノール470部、水118部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ32.8部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の下記式(30)で表される化合物9.5部を得た。
λmax:603.5nm(水溶液中)
実施例11
(1)下記式(31)(式(4)におけるXが2、4−ジスルホアニリノ、Yがモルホリノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(31)
Figure 2008111635
氷水150部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次に2、4−ジスルホアニリン(純度76.0%)34.3部を水70部に溶解し、それを30分かけて上記で得た撹拌液に滴下する。その後20℃以下で30分反応後、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 3.0とし、20℃で2時間および30℃で2時間反応を行った。次に反応液にモルホリン8.71部を15分で滴下し、pHを4.5に調節し、30℃で1.5時間反応を行った。次いで、該反応液に、氷250部を添加し、0℃まで冷却し、次いでそこに、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、得られた反応液に濃塩酸を加えて、pH1.0に調節した。そこに、氷を200部添加し、3℃まで冷却し、結晶を析出させた。析出結晶を濾別し、結晶をメタノールで洗浄した。得られたウエットケーキ58部を水300部に投入し、10%水酸化ナトリウム溶液で、得られた懸濁液のpHを6.0に調整して、溶解させた。その後、得られた液に濃塩酸を加えて、pHを1.0とし、氷100部を添加し、6℃まで冷却し、結晶を析出させた。析出結晶を濾別し、メタノールで洗浄しウエットケーキ49.3部を得た。得られたウエットケーキを乾燥し、33.7部の白色粉末として、上記式(31)の化合物を得た。
(2)下記式(32)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが2、4−ジスルホアニリノ、Yがモルホリノである化合物)の合成
式(32)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(31)の化合物17.5部(純度89.4%)溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ64.3部を得た。得たウエットケーキに水400部を加えて、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、該液のpHを9.5に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ89.1部を得た。得られたウエットケーキをメタノール802部、水89部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ47.1部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の下記式(32)で表される化合物10.4部を得た。
λmax:601.5nm(水溶液中)
実施例12
(1)下記式(33)(式(4)におけるXが3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Yがモルホリノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(33)
Figure 2008111635
氷水330部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し10℃以下で30分間攪拌した。次に得られた撹拌液に、3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミン(純度80.0%)38.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 3.0〜4.0としながら0〜5℃で1時間および25〜30℃で2時間反応を行った。次に反応液にモルホリン8.79部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整しながら、pH6.0〜7.0および25℃で1時間、pH7.5〜8.0および25℃で30分反応を行った。次いで、得られた反応液に、氷270部を添加し、0℃まで冷却し、次いで該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、濃塩酸を用いてpH 1.0に調節した。このpH調節の間、氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は1750部であった。この反応液に塩化ナトリウム350部を添加し、30分間撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ75.0部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水450部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて得られた液のpHを9.0に調整した。このとき液量は700部であった。この反応液に濃塩酸を加えて、pHを1.0に調節し、次いで塩化ナトリウム140部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ42.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れメタノール300部および水30部を加え50℃で1時間攪拌した後、濾過し、ウエットケーキ35.4部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として式(33)の化合物29.1部を得た。
(2)下記式(34)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ、Yがモルホリノである化合物)の合成
式(34)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(33)の化合物15.8部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ64.2部を得た。得たウエットケーキに水410部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は480部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム96部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ56.2部を得た。得られたウエットケーキをメタノール600部、および水60部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ32.5部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(34)で表される化合物の11.9部得た。
λmax:604.0nm(水溶液中)
実施例13
(1)下記式(35)(式(4)におけるXが6、8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、Yがモルホリノ、Eがエチレンである化合物)の合成
Figure 2008111635
氷水150部中に塩化シアヌール18.4部およびレオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次に6、8−ジスルホ−2−ナフチルアミン(純度80.4%)38.8部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、得られた液のpHを2.0〜3.0に調整しながら6〜8℃で3時間および14〜30℃で30分間反応を行った。次に反応液にモルホリン8.71部を5分間で滴下し、10%水酸化ナトリウムを用いてpHを4から6へと上げながら、30℃で2.5時間反応を行った。次いで、氷250部を添加し、0℃まで冷却し、次いで該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60部を滴下した。室温で一晩攪拌した。濃塩酸を用いて、得られた反応液のpHを2.0に調節した。この間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は600部であった。この反応液に塩化ナトリウム120部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ374部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水400部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて得られた液のpHを9.0として、ウエットケーキを溶解させた。このとき液量は800部であった。この反応液に塩化ナトリウム160部を添加し、濃塩酸を用いてpH 1.1に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ157部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れメタノール1413部、水157部を加え50℃で1時間攪拌した後、濾過しウエットケーキ145.2部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(35)の化合物43.7部を得た。
(2)下記式(36)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが6、8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、Yがモルホリノである化合物)の合成
式(36)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(35)の化合物19.6(純度80.5%)部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は850部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム170部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ130部を得た。得たウエットケーキに水400部を加えて、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた液のpHを9.5に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は580部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム116部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ130部を得た。得られたウエットケーキをメタノール1040部および水260部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過し、ウエットケーキ72.4部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(36)で表される化合物19.7部を得た。
λmax:602.0nm(水溶液中)
実施例14
(1)下記式(37)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yがピペリジノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(37)
Figure 2008111635
氷水1300部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)11部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに2,5−ジスルホアニリン(純度90.2%)31.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、得られた液のpHを3.0としながら、0〜10℃で1時間30分および20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に反応液にピペリジン8.52部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6.0〜7.0としながら30℃で2時間反応を行った。次いで、得られた反応液に氷100部を添加し、0℃まで冷却し、次いで該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60.2部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した後、反応液に濃塩酸を加えてpH 1.0に調節した。このpH調節の間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は800部であった。この反応液に塩化ナトリウム160部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ57.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水200部を加え10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0として、ウエットケーキを溶解させた。このとき液量は300部であった。この反応液に塩化ナトリウム60部を添加し、濃塩酸を用いてpH1.0に調節し、30分撹拌し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ51.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、メタノール200部および水100部を加え、50℃で1時間攪拌した後濾過しウエットケーキ48.2部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として式(37)の36.8部を得た。
(2)下記式(38)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yがピペリジノである化合物)の合成
式(38)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(37)の化合物14.3部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は650部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム130部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ62.0部を得た。得たウエットケーキを水350部、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、pH9.5に調節し溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ58.8部を得た。得られたウエットケーキにメタノール470部および水118部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ32.8部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸として上記式(38)で表される化合物9.5部を得た。
λmax:603.5nm(水溶液中)
実施例15
(1)下記式(39)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yがピロリジン、Eがエチレンである化合物)の合成
式(39)
Figure 2008111635
氷水1300部中に塩化シアヌール18.4部、レオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)11部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに、2,5−ジスルホアニリン(純度90.2%)31.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 3.0としながら、0〜10℃で1時間30分および20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に反応液にピロリジン7.2部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6.0〜7.0としながら30℃で2時間反応を行った。得られた反応液に氷100部を添加し、0℃まで冷却し、次いで、該液温を5℃以下に保持しながら、該反応液にエチレンジアミン60.2部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した。濃塩酸を用いて、得られた反応液のpHを1.0に調節した。この間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は800部であった。この反応液に塩化ナトリウム160部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ88.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水400部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて該液のpHを9.0に調整し、ウエットケーキを溶解させた。このとき液量は300部であった。この溶液に塩化ナトリウム80部を添加し、次いで濃塩酸を用いてpHを1.0に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ85.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、更にメタノール200部および水100部を加え、50℃で1時間攪拌した後濾過し、ウエットケーキ65.3部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として、上記式(39)の化合物31.0部を得た。
(2)下記式(40)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yがピロリジンである化合物)の合成
式40
Figure 2008111635
氷水400部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ43.1部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(39)の化合物13.3(純度94.8%)部を溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で6時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ51.4部を得た。得たウエットケーキに、水400部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHを8.3に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ50.9部を得た。得られたウエットケーキをメタノール407.2部、水101.8部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ29.2部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(40)で表される化合物10.4部を得た。
λmax:604.5nm(水溶液中)
実施例16
(1)下記式(41)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yが2−カルボキシピロリジノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(41)
Figure 2008111635
氷水1300部中に塩化シアヌール18.4部およびレオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.1部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次に2,5−ジスルホアニリン(純度90.2%)31.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを3.0に調整しながら、0〜10℃で1時間30分および20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に反応液に2−カルボキシピロリジン11.5部添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0〜7.0に調整しながら30℃で2時間反応を行った。次いで、得られた反応液に、氷100部を添加し、0℃まで冷却し、次いで、該液温を5℃以下に保持しながら、エチレンジアミン60.2部を滴下した。その後、室温で一晩攪拌した。濃塩酸を用いて、得られた反応液のpHを1.0に調節した。この間氷を添加しながら、10〜15℃を保持した。このとき液量は800部であった。この反応液に塩化ナトリウム160部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ149.5部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水300部を加え10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0に調整して、ウエットケーキを溶解させた。このとき液量は450部であった。この溶液に塩化ナトリウム90部を添加し、次いで濃塩酸を用いてpHを1.0に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ213.2部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、更にメタノール300部および水200部を加え、50℃で1時間攪拌した後、濾過しウエットケーキ117.2部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として、上記式(41)の化合物30.7部を得た。
(2)下記式(42)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yが2−カルボキシピロリジノである化合物)の合成
式(42)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られた銅ポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ40.0部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(41)の化合物15.9部を溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は650部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム130部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ114部を得た。得たウエットケーキに水600部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた液のpHを9.5に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は750部であった。得られた溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液150部で洗浄し、ウエットケーキ58.2部を得た。得られたウエットケーキをメタノール320部および水80部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ31.5部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(42)で表される化合物7.6部を得た。
λmax:591.0nm(水溶液中)
実施例17
(1)下記式(43)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yが1−エチルピペラジノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(43)
Figure 2008111635
氷水150部中に塩化シアヌール18.4部およびレオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに2,5−ジスルホアニリン(純度90.5%)31.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを3.0調整しながら0〜25℃で4時間反応を行った。次に、1−エチルピペラジン11.4部を水で10%溶液とし、1時間かけて、30℃に保った反応液中に滴下し、その後2時間反応を行った。液温を50℃として、得られた反応液にエチレンジアミン60.1部を添加し、室温で一晩攪拌後、液温を50℃にした。その時の液量は600部であった。この反応液に塩化ナトリウム120部を添加溶解後、濃塩酸でpHを1.0として30分撹拌し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ89.4部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、水200部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0として溶解させた。このとき液量は250部であった。この反応液に塩化ナトリウム50部を添加し、濃塩酸を用いてpHを1.0に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ100部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、更にメタノール800部および水200部を加え50℃で1時間攪拌した後、濾過しウエットケーキ80.1部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として式(43)の化合物39.6部を得た。
(2)下記式(44)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yが1−エチルピペラジノ、Eがエチレン、bが1.7、cが0.8である化合物)の合成
式(44)
Figure 2008111635
氷水50部中に実施例1−(2)と同様にして得られた銅ポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ43.2部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(43)の化合物16.7(純度90.3%)部を溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は650部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム130部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ60.4部を得た。得たウエットケーキに水400部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ83.2部を得た。得られたウエットケーキをメタノール666部、水166部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ53.3部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(44)で表される化合物12.1部を得た。
λmax:602.5nm(水溶液中)
実施例18
(1)下記式(45)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yが2−エチルピペリジノ、Eがエチレンである化合物)の合成
式(45)
Figure 2008111635
氷水300部中に塩化シアヌール18.4部およびレオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに2,5−ジスルホアニリン(純度90.5%)31.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを3.0調整しながら、0〜10℃で1時間30分、および20〜25℃で1時間30分反応を行った。次に25℃に保たれた反応液に2−エチルピペリジン11.3部を、pH8.5〜8.7が保たれるようにして、40分で滴下した。10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、得られた液のpHを9.0に調整しながら30℃で3時間反応を行った。次いで、該液を50℃に昇温後、エチレンジアミン60.1部を添加し、室温で一晩撹拌した。それから濃塩酸を用いて得られた反応液のpHを1.0とした。反応液を50℃に昇温した時の液量は500部であった。この反応液に塩化ナトリウム100部を添加し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ72.3部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、更にメタノール651部および水72.3部を加え、50℃で1時間攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、ウエットケーキ52.1部を得た。該ウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(45)の化合物31.2部を得た。
(2)下記式(46)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが2,5−ジスルホアニリノ、Yが2−エチルピペリジノである化合物)の合成
式(46)
Figure 2008111635
氷水400部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ43.2部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(45)の化合物16.7(純度90%)部を溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で7時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した。次いで、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ86.4部を得た。得たウエットケーキに水350部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、該ウエットケーキを溶解した。このときの液量は400部であった。溶解液を60℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム80部(対液20%)を加え30分撹拌した。それから、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ104部を得た。得られたウエットケーキをメタノール832部および水208部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ44.7部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(46)で表される化合物9.3部を得た。
λmax:601.0nm(水溶液中)
実施例19
(1)下記式(47)(式(4)におけるXが2,5−ジスルホアニリノ、Yが3−メチルピペリジノピロリジニル、Eがエチレンである化合物)の合成
式(47)
Figure 2008111635
氷水150部中に塩化シアヌール18.4部およびレオコールTD−90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.2部を添加し、10℃以下で30分間攪拌した。次にそこに2,5−ジスルホアニリン(純度90.5%)31.3部を添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、得られた液のpHを3.0としながら、0〜25℃で4時間反応を行った。次に反応液に3−メチルピロリジン10.9部を滴下し、その後2時間反応を行った。液温を50℃として、そこにエチレンジアミン60.1部を添加し、室温で一晩攪拌後、液温を50℃にした。その時の液量は620部であった。この反応液に塩化ナトリウム124部を添加溶解後、濃塩酸でpHを1.0として30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過しウエットケーキ68.1部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、更に水340部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0として、ウエットケーキを溶解させた。このとき液量は420部であった。この溶液に塩化ナトリウム84部を添加し、次いで濃塩酸を用いて液のpHを1.0に調節し、30分撹拌し結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、ウエットケーキ100部を得た。得られたウエットケーキをビーカーに入れ、更にメタノール300部および水200部を加え、50℃で1時間攪拌した。得られた懸濁液を濾過し、ウエットケーキ37.1部を得た。得られたウエットケーキを乾燥させ、白色粉末として上記式(47)の化合物30.1部を得た。
(2)下記式(48)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.5がピリジン環で残り2.5がベンゼン環であり、Eがエチレン、2,5−ジスルホアニリノ、Yが3−メチルピロリジニルである化合物)の合成
式(48)
Figure 2008111635
氷水400部中に実施例1−(2)と同様にして得られたポルフィラジントリスルホニルクロリドと銅ジベンゾビス(2,3−ピリド)ポルフィラジンジスルホニルクロリドの混合物のウェットケーキ44.6部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水100部中に前記式(47)の化合物14.2部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は600部であった。反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム120部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ71.0部を得た。得たウエットケーキに、水400部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを8.1に調節し、ウエットケーキを溶解した。このときの液量は450部であった。溶解液を60℃に昇温し、塩化ナトリウム90部(対液20%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、20%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ79.3部を得た。得られたウエットケーキをメタノール634部、水158部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ45.2部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(48)で表される化合物9.8部を得た。
λmax:602.5nm(水溶液中)
実施例20
(1)銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジン(前記式(8):下記式(6)におけるA、B、C、Dのうち1.0がピリジン環で残り3.0がベンゼン環で表される混合物)の合成
式(6)
Figure 2008111635
四つ口フラスコに、スルホラン250部、フタルイミド12.3部、キノリン酸15.0部、尿素72.0部、塩化銅(II)・2水和物(純度97.0%)8.8部およびモリブデン酸アンモニウム1.0部を加え、得られた混合液を200℃まで昇温し、同温度で5時間保持した。反応終了後65℃まで冷却し、メタノール200部を投入し、結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール150部、続いて温水200部で洗浄し、ウェットケーキ72.2部を得た。得られたウェットケーキ全量を5%塩酸500部中に投入し、60℃に昇温し、同温度で1時間保持した。析出している結晶を濾過し、水200部で洗浄した。次いで、得られたウェットケーキ全量を10%アンモニア水500部中に投入し、60℃で1時間保持し、析出している結晶を濾過し、次いで水300部、およびメタノール100部で順次洗浄し、ウェットケーキ33.6部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジン20.0部を青色結晶として得た。
λmax:655.0nm(ピリジン中)
(2)銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジントリスルホニルクロリド(下記式(3)におけるA、B、C、Dのうち1.0がピリジン環で残り3.0がベンゼン環であり、nが3.0である混合物)の合成
式(3)
Figure 2008111635
クロロスルホン酸46.2部中に攪拌しながら60℃以下で、上記(1)でえられた銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジン5.8部を徐々に仕込み、140℃で4時間反応を行った。次に反応液を70℃まで冷却し、塩化チオニル17.9部を30分間かけて滴下し、70℃で3時間反応を行った。反応液を30℃以下に冷却し、氷水800部中にゆっくりと注ぎ、析出している結晶を濾過し、冷水200部で洗浄し銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジントリスルホニルクロリドのウェットケーキ40.1部を得た。
(3)下記式(16)(前記式(1)におけるA、B、C、Dのうち1.0がピリジン環で残り3.0がベンゼン環であり、Eがエチレン、Xが3−スルホアニリノ、Yが2−スルホエチルアミノである化合物)の合成
式(16)
Figure 2008111635
氷水50部中に上記(2)で得られた銅トリベンゾ(2,3−ピリド)ポルフィラジントリスルホニルクロリドのウェットケーキ40.1部を加え、5℃以下で撹拌懸濁した。10分後、該懸濁液に、該液温を10℃以下に保持しながら、28%アンモニア水2部および水60部中に式(15)の化合物3.0部溶解させた溶液を注加した。この間継続的に28%アンモニア水を添加し、pH9.0を保持した。同pHを保持したまま、1時間かけて液温を20℃まで昇温し、同温度で8時間保持した。この時の液量は620部であった。反応液を50℃に昇温し、そこに塩化ナトリウム93部(対液15%)を加え、30分撹拌した後、20分かけて液のpHを2.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ42.1部を得た。得たウエットケーキに水360部を加え、25%水酸化ナトリウム溶液を用いて、得られた懸濁液のpHを9.0に調節し、該ウエットケーキを溶解した。このときの液量は400部であった。溶解液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム60部(対液15%)を加え30分撹拌した後、20分かけて液のpHを1.0に調節した。析出している結晶を濾過分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、ウエットケーキ41.2部を得た。得られたウエットケーキをメタノール255部および水45部を加えて50℃で1時間攪拌した後、ろ過しウエットケーキ21.2部を得た。乾燥し、青色粉末として、遊離酸の上記式(16)で表される化合物(bが2.36、cが0.64の化合物)10.1部を得た。この化合物の銅分、無機分を定量し、平均分子量を算出したところ、1082.8であった。
λmax:602.7nm(水溶液中)
実施例21(インク評価)
(A)インクの調製
下記表5に記載の各成分を混合溶解し、0.45μmのメンブランフィルター(アドバンテック社製)で濾過する事によりインクを得た。尚、水はイオン交換水を使用した。又、インクのpHがpH=8〜10、総量が100部になるように水、苛性ソーダ(pH調整剤)を加えた。評価に用いた化合物は実施例2、7、8、9、10、11及び13であり、インクは実施例2の化合物を用いたインクをC−2、実施例7の化合物を用いたインクをC−7、実施例8〜11、13の化合物を用いたインクも各々の番号に対応させC−8〜C−11、C−13とした。
Figure 2008111635
比較例として、一般的にDirect Blue 199として使用されているインクジェット記録用色素、製品名:Projet Cyan 1(アベシア社製:比較例1)及び、特許文献8の実施例1に記載の方法にて合成及び精製した色素混合物(比較例2)及び、特許文献12の実施例3に記載の方法にて合成及び精製した色素化合物(比較例3)を、印刷時、表5の実施例のインクと同じ印刷濃度になるように、実施例と同様の方法で調整した。比較例1の製品を用いたインクはC−A、比較例2の化合物を用いたインクはC−B、比較例3の製品を用いたインクはC−Cとした。
比較例2(101)および比較例3(102)の化合物の構造式を下記に示す。
式(101)
Figure 2008111635
式(102)
Figure 2008111635
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(商品名 キヤノン株式会社製 PIXUS ip4100)を用いて、光沢紙A(日本ヒューレットパッカード株式会社製アドバンスフォト用紙(光沢) Q7871A)、光沢紙B(セイコーエプソン株式会社製PM写真用紙 KA420PSK)の2種にインクジェット記録を行った。
印刷の際は反射濃度を100%、85%、70%、55%、40%、25%の6段階の階調が得られるように画像パターンを作り、ハーフトーンの印刷物を得た。耐光試験、耐オゾン試験の際には、試験前の印刷物の反射濃度D値が1.0に最も近い階調部分を用いて測定を行った。
(C)記録画像の評価
1.色相評価
記録画像の色相は、記録紙を測色システム(SectroEye:GretagMacbeth社製)を用いて測色し、印刷物のL*が40〜80の範囲にあるときのa*、b*値を測色した。評価は好ましいa*値を−60〜−20、b*値を−60〜−20と定義し、3段階で行なった。
○:a*、b*値共に好ましい領域内に存在
△:a*、b*値片方のみ好ましい領域内に存在
×:a*、b*値共に好ましい領域外に存在
2.耐光性試験
記録画像の試験片を、キセノンウェザーメーター(ATLAS社製 型式Ci4000)を用い、0.36W/平方メートル照度で、槽内温度24℃、湿度60%RHの条件にて50時間照射した。試験後、反射濃度(D値)が0.70〜0.85の範囲で、試験前後の反射濃度を測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
○:残存率70%以上
△:残存率70未満、50%以上
×:残存率50%未満
3.耐オゾン性試験
記録画像の試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製 型式OMS−H)を用い、オゾン濃度12ppm、槽内温度24℃、湿度60%RHで8時間放置した。試験後、反射濃度(D値)が0.70〜0.85の範囲で、試験前後の反射濃度を測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、4段階で評価した。
◎:残存率85%以上
○:残存率85%未満、70%以上
△:残存率70%未満、50%以上
×:残存率50%未満
4.耐湿性試験
記録画像の試験片を、恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて、槽内温度50℃、湿度90%RHで3日間放置した。試験後、試験片のにじみを目視にて3段階で評価した。
○:にじみが認められない
△:わずかににじみが認められる
×:大きくにじみが認められる
5.ブロンズ性評価
ブロンズ性の評価は、100%濃度、85%濃度、70%濃度、55%濃度、40%濃度、25%濃度の6段階の印刷濃度に対して、どの段階以上でブロンズが発生するかを目視で評価した。ブロンズが発生しなかったものについてはOK、ブロンズが発生したものに関しては、ブロンズが発生した印刷濃度のうち上記6段階における最低濃度を記載した。
上記実施例8で得られたインクの記録画像の色相評価、耐光性試験結果、耐オゾン性試験結果、耐湿性試験及びブロンズ性評価結果をそれぞれ表6(光沢紙A)及び表7(光沢紙B)に表わす。
Figure 2008111635
Figure 2008111635
表6及び7から明らかなように、本発明の化合物を用いたシアンインクは色相に優れ、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性が良好であり、特に耐オゾン性において優れるものである。
具体的には光沢紙A及びBのいずれを使用した場合においても比較例A及びBは耐オゾン性試験において色素残存率が50%未満と明らかに劣るものであり、比較例3も同様に70%以上85%未満であった。
しかし本発明のインクであるC2〜C13を用いた場合には色素残存率が全て85%以上であり、耐オゾン性において、比較例C−A〜C−Cより優れたものであることが判る。

Claims (24)

  1. 下記式(1)で表されるポルフィラジン色素またはその塩
    Figure 2008111635
    (式中、環A〜Dは、それぞれ独立にベンゼン環または6員環の含窒素複素芳香環を表し、少なくとも1つ以上はベンゼン環であり、残りの少なくとも1つは含窒素複素芳香環であり、
    Eはアルキレンを表し、
    Xは、少なくとも1つのスルホ基、カルボキシ基またはリン酸基を置換基として有する、アニリノ基またはナフチルアミノ基であり、
    該アニリノ基または該ナフチルアミノ基は、さらにスルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、モノ−またはジ−アルキルアミノ基、モノ−またはジ−アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基から成る群から選択される1種または2種以上の置換基で置換されてもよく、
    Yはアミノ基;水酸基;スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、モノ−またはジ−アルキルアミノ基、モノ−またはジ−アリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基から成る群から選択される1種または2種以上の置換基を有してもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素環基;を表し、但し、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXが置換アニリノ基である組合せは除き、
    bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である。)
  2. 環A〜Dで表される6員環の含窒素複素芳香環が、ピリジン環またはピラジン環である請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩
  3. 下記式(3)で表されるポルフィラジン化合物と、下記式(4)で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させて得られる請求項1または2に記載のポルフィラジン色素またはその塩
    Figure 2008111635
    (式中、環A〜Dは請求項1に記載のものと同じ意味を表し、またnは1から3である。)
    Figure 2008111635
    (式中、E、X、及びYは請求項1に記載のものと同じ意味を表す。)
  4. 環A〜D中、1〜3個がピリジン環またはピラジン環であり、
    EがC2〜C4アルキレンを表し、
    Xは、置換基として少なくとも1つのスルホ基またはカルボキシ基を有するアニリノ基またはナフチルアミノ基;または、リン酸置換アニリノ基であり、
    該置換アニリノ基及び置換ナフチルアミノ基はスルホ基、カルボキシ基、リン酸基、水酸基、アルコキシ基、ウレイド基、アセチルアミノ基、ニトロ基及び塩素原子から成る群から選択される1種または2種以上の置換基を、さらに0〜3個有しても良く、
    Yはアミノ基;水酸基;水酸基、スルホ基、カルボキシ基またはリン酸基で置換されてもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素芳香環基;であるが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXは置換アニリノ基である組合せは除き、
    bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である、請求項2に記載のポルフィラジン色素またはその塩
  5. Eがエチレンまたはプロピレンを表し、
    Xはスルホ置換アニリノ基;カルボキシル置換アニリノ基;またはスルホ置換ナフチルアミノ基であり、
    Yはアミノ基;水酸基;水酸基、スルホ基、カルボキシ基で置換されてもよい、モノ−またはジ−アルキルアミノ基または含窒素複素芳香環基;であるが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXは置換アニリノ基である組合せは除き、
    bは0から2.9であり、cは0.1から3であり、且つbおよびcの和は1から3である請求項4に記載のポルフィラジン色素またはその塩
  6. 環Aが2位及び3位で、または3位及び4位で縮環したピリジン環、または2位及び3位で縮環したピラジン環であり、
    環Bが2位及び3位で、または3位及び4位で縮環したピリジン環、または2位及び3位で縮環したピラジン環、またはベンゼン環であり、
    環Cが2位及び3位で、または3位及び4位で縮環したピリジン環、または2位及び3位で縮環したピラジン環、またはベンゼン環であり、
    環Dがベンゼン環であり、
    EがC2〜C4アルキレンであり、
    Xはスルホ基、カルボキシ基、メトキシ基、ニトロ基、塩素原子、ヒドロキシ基からなる群から選択される1〜3個の置換基を有する、アニリノ基またはナフチルアミノ基であり、
    Yはアミノ基;水酸基;水酸基、スルホ基またはカルボキシ基で置換されてもよい、モノ−またはジ−C1〜4アルキルアミノ基または5〜7員環の含窒素複素環基;であるが、Yがアミノ基または水酸基であり、かつXが置換アニリノ基の組合せは除き、
    bが0〜2.9であり、cが0.1から3である請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩
  7. 下記式(2)
    Figure 2008111635
    (式中、Z1からZ8はそれぞれ独立して窒素原子または炭素原子を表すが、Z1とZ2、Z3とZ4、Z5とZ6、Z7とZ8の組み合わせのうち、少なくとも1つは炭素原子同士の組合わせであり、
    また、E、X、Y、b及びcは請求項1に記載のものと同じ意味を表す)
    で表される請求項1または2に記載のポルフィラジン色素またはその塩
  8. 下記式(5)
    Figure 2008111635
    (式中、Z1からZ8は請求項7に記載のものと同じ意味を表し、またnは1から3である。)
    で表されるポルフィラジン色素と、
    下記式(4)
    Figure 2008111635
    (式中、E、X、及びYは請求項7に記載のものと同じ意味を表す。)
    で表される有機アミンとを、アンモニア存在下で反応させて得られる請求項7に記載のポルフィラジン色素。
  9. 環A〜D中の1つが含窒素複素芳香環であり、残りの3つがベンゼン環であるポルフィラジン色素と、環A〜D中の2つが含窒素複素芳香環であり、多の2つがベンゼン環であるポルフィラジン色素の混合物である請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩。
  10. 含窒素複素芳香環がピリジン環である請求項9に記載のポルフィラジン色素またはその塩。
  11. 請求項1又は2に記載のポルフィラジン色素またはその塩を含有する色素混合物。
  12. 請求項1又は2に記載のポルフィラジン色素またはその塩と、フタロシアニン色素の色素混合物。
  13. 請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩を、色素成分として少なくとも一種含有することを特徴とするインク。
  14. ポルフィラジン色素と共に、有機溶剤を含有する請求項13に記載のインク。
  15. インクジェット記録用である請求項13または14に記載のインク。
  16. 請求項13に記載のインクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  17. 被記録材が情報伝達用シートである請求項16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有するシートである請求項17に記載のインクジェット記録方法。
  19. 請求項13から15のいずれか一項に記載のインクを含有する容器
  20. 請求項19に記載の容器を有するインクジェットプリンター
  21. 請求項13又は14に記米国での、余計な過剰クレームフィーを避けるため、載のインクで着色された着色体。
  22. 環A〜D中、平均値で、1〜2個がピリジン環またはピラジン環であり、残りがベンゼン環であり、
    EがC2〜C4アルキレンを表し、
    (i)Xはモノ又はジスルホ置換アニリノ基;ジカルボキシル置換アニリノ基;またはモノ又はジスルホ置換ナフチルアミノ基であり、Yが置換基として水酸基、スルホ基、カルボキシ基及びC1〜C4アルコキシ基(ヒドロキシ置換を有してもよい)からなる群から選ばれる基を有するモノまたはジ(C1〜C4アルキル)アミノ基;または、置換基としてメチル、エチル、スルホ、カルボキシル基及び水酸基からなる群から選ばれる基を有してもよい5〜7員含窒素複素環基;であるか、又は
    (ii)Xはスルホ置換ナフチルアミノ基であり、Yはアミノ基である、請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩。
  23. Yが2−スルホエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、カルボキシメチルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−エトキシ−2−エチルアミノ、1−ヒドロキシ−ブチルアミノ、5−カルボキシ−ペンチルアミノ、2−メトキシーエチルアミノ、2−エトキシエチルアミノ、(2−ヒドロキシ)エトキシエチルアミノ、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ及びジ(2−カルボキシエチル)アミノである請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩。
  24. Yが2−スルホエチルアミノ、ビス(2−カルボキシエチル)アミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、2−ヒドロキシエトキシエチルアミノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル、2−カルボキシピロリジニル、4−エチルピペラジニル、2−エチルピペリジニル、3−メチルピロリジニルである請求項1に記載のポルフィラジン色素またはその塩。
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