JPWO2008026493A1 - フィルタ装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

メッキ鋼板を用いて枠体を構成しても、挿入損失の劣化がなく、量産性に優れたフィルタ装置を得る。そのために、共振素子を備えたフィルタ筐体において、共振素子は両面にメッキ面が形成されたメッキ鋼板が筒状に折り曲げられて整形され、共振素子の側面に形成される隙間がはんだでロウ付けされるとともに、共振素子における外側のメッキ面と枠体の内側のメッキ面とが、はんだでロウ付けされていることを特徴とする。

Description

本発明は、特にマイクロ波、準マイクロ波通信装置等に用いられるフィルタ装置と、その製造方法に関するものである。
図12は、従来のフィルタ装置の断面図である。
従来、このようなフィルタ装置は、図12に示すように、アルミダイキャストを切削加工した後に、全体に銀メッキを施して得られた枠体1の中に、共振素子2をネジ止め固定し、蓋体3を枠体1に取り付けて、フィルタ装置を構成していた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
しかしながら、共振素子をネジ止めする場合、締め具合によって接触部での電気抵抗にばらつきが生じ、それにより枠体の内側と内部に設置した共振素子との間で構成する共振器のQ値が低くなり、結果としてフィルタ装置を構成したときの挿入損失が大きくなる等の、特性の劣化を引き起こすという課題があった。
特開平08−195607号公報
本発明は上記従来の課題を解決するもので、挿入損失等の特性に優れたフィルタ装置を提供するものである。
従来の課題を解決するために本発明は、少なくとも上方が開放された枠体と、この枠体の開放側を覆うとともに枠体に取り付けられた蓋体とからなるフィルタ筐体と、このフィルタ筐体内に設けられた共振素子とを備え、少なくともフィルタ筐体の内側にメッキ面が形成されたフィルタ装置において、共振素子には鋼板の両面にメッキ面が形成されたメッキ鋼板が用いられ、共振素子はメッキ鋼板が筒状に折り曲げられて整形され、共振素子の側面に形成される隙間が接合部材でロウ付けされるとともに、共振素子における外側のメッキ面と枠体の内側のメッキ面とが接合部材でロウ付けされたものである。
これにより、共振素子が導電性の接合材料でロウ付けされるので、共振素子と枠体との間の接続抵抗の値を小さくできる。従って、共振器のQ値を高くできるので、挿入損失の劣化が小さいフィルタ装置を得ることができる。
また、メッキ鋼板を用いているので、厚みも薄くでき、重量も軽量化することができる。さらに、プレス加工によって整形することができるので、非常に生産性が良好であり、低価格なフィルタ装置を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるフィルタ装置の断面図である。 図2は、同フィルタ装置の枠体の展開図である。 図3Aは、同フィルタ素子に用いる共振素子の展開図である。 図3Bは、同共振素子の上面図である。 図3Cは、同共振素子の側面図である。 図4Aは、メッキ面の片側のみで接合された接合部の拡大断面図である。 図4Bは、メッキ面の両側で接合された接合部の拡大断面図である。 図5は、実施の形態2におけるフィルタ装置の断面図である。 図6は、同フィルタ装置の枠体の展開図である。 図7Aは、同フィルタ装置に用いる共振素子の上面図である。 図7Bは、同共振素子の側面図である。 図7Cは、同共振素子の下面図である。 図8は、実施の形態3におけるフィルタ装置の断面図である。 図9Aは、同フィルタ装置に用いる共振素子の展開図である。 図9Bは、同共振素子の側面図である。 図10Aは、同フィルタ装置を上から見た断面図である。 図10Bは、同フィルタ装置の仕切り板の先端部の拡大断面図である。 図11は、実施の形態3において、第2の例の仕切り板を用いた場合のフィルタ装置を上から見た断面図である。 図12は、従来のフィルタ装置の断面図である。
符号の説明
11 フィルタ筐体
11a 枠体
11b 蓋体
11c 底部
11d 側板
11e 仕切り板
12 共振素子
12b,13a,13b,13c,13d 接合部
14 はんだ
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は実施の形態1におけるフィルタ装置の断面図であり、図2は同フィルタ装置の枠体11aの展開図である。図1、図2において枠体11aは、両面に予め銅メッキ面が形成されたメッキ鋼板を、プレス加工により所定の形状に切断・折り曲げて、加工したものである。本実施の形態におけるフィルタ筐体11は、枠体11aと蓋体11bとから構成されている。ここで枠体11aは、図2に示すような形状に切断し、点線部分で折り曲げられる。これによって、枠体11aは底部11cと、この底部11cの4つの周縁部から折り曲げて立設され互いにほぼ直交して形成された側板11dとから成る、箱型形状に成形される。
そして枠体11aの開口を覆うように、蓋体11bが装着される。なお本実施の形態において、枠体11aと蓋体11bとの接続は、はんだ14(接合材料の一例として用いた)によりロウ付けされている。なお蓋体11bには、共振素子12の上方となる位置に、ビス穴が設けられている。そしてこのビス穴には、周波数調整用ネジ15が取り付けられる。
本実施の形態においては、蓋体11bにも枠体11aと同じメッキ鋼板を用いている。なお、本実施の形態において、これらのメッキ鋼板の板厚みは約1mmである。
ここで、図2における点線部分を折り曲げて隣接した側板11d同士が接する部分が、接合部13aとなる。接合部13aにおいて隣り合った側板11d同士は、はんだ14により接続・固定されている。なお、本実施の形態におけるメッキは銅メッキであり、その厚みは約10μmである。
図3Aは、同フィルタ素子に用いる共振素子12の展開平面図であり、図3Bは同共振素子12の上面図であり、図3Cは同共振素子12の側面図である。図3A、図3B、図3Cにおいて、共振素子12は枠体11aと同様に、銅メッキ鋼板をプレス加工することで形成される。なおこの共振素子12は、打ち抜き平板12aを円柱状に折り曲げることにより整形されたものである。
そして、この共振素子12は、枠体11aの底面11cに、はんだ14により接続・固定される。
本実施の形態におけるフィルタ筐体11には、4つの共振素子12が取り付けられる。そして、これらそれぞれの共振素子12は、仕切り板11eによって仕切られている。
そして、この仕切り板11eと側板11dとの間や、仕切り板11eとフィルタ筐体11との間(仕切り板11eと底部11c、仕切り板11eと側板11d、仕切り板11eと蓋体11bのそれぞれの間)の接合部13b、さらに側板11dと蓋体11bとの接合部13cも、はんだ14によってロウ付け接合されている。
なお本実施の形態において、仕切り板11eは、枠体11のほぼ中心に十字状に交差して配置されている。そして、これら仕切り板同士の連結部13d(図1には示さず、図10Aに示す)も、はんだ14によって接合されている。そして、このように配置された仕切り板11eによって仕切られた各キャビティのほぼ中心に、共振素子12が配置される。
このような構成としているので、共振素子12の内部は空洞となり、ポール型の共振素子を用いるのに比べて、軽量化を図ることができる。また、共振素子12は打ち抜き平板12aを折り曲げて形成されるので、この合わせ部分には隙間12cが生じる。そこで、この隙間12cもはんだ14により接続・固定が行われている。これにより、フィルタの損失抵抗を小さくできる。
ここで、一般的には、接合部13a、13b、13c、13dや共振素子12とフィルタ筐体11との接合部12bで、電荷が集中し易く、電位が高くなる。
従って、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dでの抵抗値を小さくすることが重要であり、これらを接合する部材にはできる限り抵抗値の小さな金属を用いることが望ましい。
本実施の形態では、ロウ付け材料としてはんだ14を用いているが、これに限らず、抵抗値が小さく、メッキ面の金属との相性が良く、金属食われなどが発生しにくい金属を、適宜選択すれば良い。
また、プレス加工で切断された破断面には、鋼板の素地が露出することとなる。ところが、この素地は鉄であり、酸化や錆などが進行しやすく、破断面においての抵抗値は大きくなる。また、鉄が磁性体材料であるために、高周波領域での抵抗値は大きい。そこで、はんだ14(接続部剤)により、このメッキ面同士の間を接続するようにロウ付けするわけである。
具体的には、接合部13aにおいては、はんだ14で側板11dの内側メッキ面同士の間が接続される。接合部13bにおいては、はんだ14で、仕切り板11eの両面におけるそれぞれのメッキ面と、フィルタ筐体11の内側メッキ面とがそれぞれ接続される。接合部13cにおいては、側板11dと蓋体11bとが接続される。接合部13dにおいては、仕切り板11eの側面のメッキ面同士が接続される。そして接合部12bにおいては、はんだ14で、底部11cの内側におけるメッキ面と共振素子12の外側のメッキ面との間が接続される。これにより、接合部12bや各接合部13a、13b、13c、13dでの抵抗値を小さくできるので、共振器のQ値を高くできる。従って、信号のロスが小さくでき、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
さらにこの構成により、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dにおいて、電荷の集中を小さくできるという効果も奏する。一般的に電荷は、接続部12bや接続部13a、13b、13c、13dのような角部分に集中することが知られている。そして特に、この角部分の角度が鋭角なほど、またその先端が尖っているほど、より電荷の集中度合いは大きくなる。
そこで、接合部材によってメッキ面同士を接続することにより、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dにおける角部分の先端形状は、丸みを帯びたR形状となる。また、底部11cと側板11dとの折り曲げ部にもR形状を有するように加工されている。これにより、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dにおいて、電荷の集中度合いが小さくできるので、接合部12bや接合部13a〜13dの寄与度が小さくなり、さらに信号のロスを小さくでき、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
加えて本実施の形態では、共振素子12の先端部12dにおける切断面も、はんだ14で覆っている。これによりさらに、特に電荷の集中する共振素子12の先端部12dにおいて、切断面が露出し難くなり、先端部12dでの電気抵抗を小さくできる。従って、メッキ鋼板を用いても、フィルタ装置の挿入損失を改善することができる。
なお、本実施の形態では、枠体11aと蓋体11bとの間もはんだ14によって接続したが、これはねじなどにより固定しても良い。この場合、蓋体11bの取り外しが可能となり、修理などが容易となる。また、本実施の形態において、共振素子12は底部11cに取り付けたが、これは側板11dや蓋体11bに取り付けても良い。ただし、調整用ネジ15の中心軸と共振素子12の中心軸とがほぼ一直線上となるようにしておくことが望ましい。
次に、以上のように構成されたフィルタ装置の製造方法について説明する。プレス加工工程は、銅メッキ鋼板を打ち抜いて、折り曲げて、枠体11a、蓋体11b、仕切り板11eや共振素子12を得る工程である。そしてロウ付け工程は、プレス加工工程の後で、枠体11aに共振素子12や仕切り板11e、蓋体11bをロウ付け固定する工程である。
このロウ付け工程において、最初に、はんだ塗布・組み立てが行われる。このはんだ塗布・組み立て工程は、プレス加工工程の後で、共振素子12や仕切り板11eを枠体11aの底面11cに装着し、この接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dに対してそれぞれクリームはんだ14を塗布するとともに、蓋体11bが枠体11aへ装着される。
なお本実施の形態では、クリーム状のはんだ14をディスペンサで塗布するが、蓋体11bのような平板形状のものであればスクリーン印刷法などにより塗布しても良い。この場合、安定した量のクリームはんだを塗布できる。またクリームはんだ14に代えて、棒状のはんだ14を用いても良い。この場合、さらに、はんだ14の量が安定する。
次にロウ付け工程では、はんだ14の塗布・組み立て工程の後で、加熱してはんだ14を溶融することで、共振素子12や蓋体11bが枠体11aに対して接続・固定される。また、枠体11aにおける接続部13a、13b、13c、13dも、はんだ14によって接続・固定される。
なお、本実施の形態では、クリームはんだ14ペーストによるロウ付けを行ったが、棒状はんだ14や銀ロウ材料によるロウ付けとしても良い。ただし、銀ロウ材料を用いた場合には、約900℃の雰囲気の還元炉により接合させることが望ましい。このように本実施の形態では、側板11d同士の接合と、底部11cと共振素子12との接合、共振素子12の隙間12cをはんだ14で覆うという作業を、1つの工程で行うことができるため、量産性が良好となる。
次に調整工程では、ロウ付け工程の後で蓋体11bに周波数調整用ネジ15を取り付け、この周波数調整用ネジ15と共振素子12との距離を調整することにより、フィルタ装置の周波数特性を調整し、フィルタ装置が完成する。
図4Aは、メッキ面の片側のみで接合された接合部の拡大断面図であり、図4Bはメッキ面の両側で接合された接合部の拡大断面図である。ここで図4Aは、接合部13a、13cを示し、図4Bは接合部12b、13bを示している。図4A、図4Bにおいて、図1から図3A、3B、3Cと同じものには同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。
図4A、図4Bにおいて、枠体11a(あるいは共振素子12)をプレス切断するときに、切断用金型のクリアランスを調整することにより、接合部13a、13b、13c、13dでは、切断面側へメッキ面の材料を巻き込む領域17が形成される。これにより側板11d同士や、仕切り板11eと蓋体11bあるいは仕切り板11eとフィルタ筐体11、さらにはフィルタ筐体11と発振素子12とにおける各接続部において、容易にハンダ14で接続することができる。
ここで、本実施の形態ではメッキ鋼板を用いているので、破断面を有している。そして、接合部12b、13a、13b、13c、13dにおいて、破断面はメッキ面と対向するように配置される。これにより、この破断面でははんだ14の馴染みが悪いので、はんだ14の流動が防止され、はんだの不要な広がりを防止できる。従って、接合部12b、13a、13b、13c、13dにおいて、安定した適度な形状を得ることができる。従って、挿入損失性能のばらつきを小さくできる。
加えて、接続部12b、13a、13b、13c、13dには、はんだ14の流れと広がりを防止するために、V溝19を設けている。これにより、溶けたはんだ14がV溝を越えて広がり難くでき、各接合部において安定した形状と大きさのR形状を実現できる。従って、挿入損失が小さくかつそのばらつきも小さくできる。なお、本実施の形態において、はんだ14の広がり防止手段としてV溝19を用いたが、これは突起やレジスト膜などでも良い。ただし、はんだ14の広がり防止手段として突起を用いた場合、この突起に電荷が集中しないように、尖った箇所を作らないことが望ましい。
また、共振素子12の接合部12bや先端部12dにおける外周面側にも、巻き込み領域17を設けている。そして本実施の形態においては、はんだ塗布・組み立て工程で、共振素子12の先端部12dに対してもクリーム状のはんだ14が塗布される。これにより、両面のメッキ面間の距離(破断面が露出した距離)が小さくなり、切断面全体が溶融したはんだ14で覆われ易くなる。これにより、特に電荷が集中し易い先端部12dがはんだ14によって覆われるので、先端部12dの抵抗値を小さくできる。従って、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
本実施の形態における仕切り板11eには、隣接するキャビティ同士を結合させるための結合窓18(図10Aに表示)が設けられている。そして本実施の形態ではさらに、仕切り板11eの結合窓18側の端部18aにも、メッキ面の材料が巻き込まれている。これによりメッキ面間の距離が短くなり、抵抗値を小さくできる。
そしてさらに本実施の形態では、はんだ塗布・組み立て工程において、この端部18aの破断面にもクリーム状のはんだ14が塗布される。これにより、電位が高くなり易い仕切り板11eの先端部において、さらに抵抗値を小さくできるので、さらに挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。なお、切断面にメッキの材料を巻き込む領域17は広い方が良く、切断面の30%より広い方が望ましく、より好ましくは50%以上が望ましい。このようにすることにより、安定して切断面全体をはんだ14で覆うことができる。また、メッキの厚みは、メッキの材料を切断面に巻き込むためには厚い方が望ましく、メッキ鋼板の厚みの0.5%以上とすることで、安定して切断面の30%以上を巻き込むことができる。
さらに本実施の形態では、共振素子12の隙間12cの両側に形成される破断面においても、切断面側へメッキ面の材料を巻き込むようにすると良い。なお、このメッキ面の巻き込みは、共振素子12の外側となる側に形成する。これにより、隙間12cにおいて、はんだ14は、毛細管現象によって切断面全体を覆いながら、共振素子12の頂部に向かって吸い上がり易くなる。これにより、容易に隙間12cに対してもロウ付けが可能となる。さらに言えば、これらのロウ付けを一括で処理することも可能であるので、非常に生産性が良好となる。
以上のように、本実施の形態におけるフィルタ装置は、共振素子12と枠体11aの内側との空間で共振を起こすことにより、共振器を構成し、これらを組み合わせることにより、フィルタ特性を得るものである。このとき、フィルタ筐体11における内側のメッキ面同士がはんだによって接続され、また共振素子12の外側めっき面とフィルタ筐体11の内側メッキ面とが接続されることにより、共振素子12を含むループの一部における電気抵抗を小さくできる。従って、共振器のQ値が高く、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
なお、メッキおよびロウ付けの材料については、フィルタ装置の特性の観点から電気抵抗の低いのが望ましく、さらに、メッキ材料の融点とロウ付け材料の融点との差が大きいことが望ましい。ロウ付け温度はそれらの融点間の温度に設定する必要があるため、この温度差が小さいとロウ付け材料の粘度が十分に小さくならず、広がりにくいためである。これらを考慮すると、メッキ材料として銅(融点約1050℃)を用い、ロウ付け材料として銀ロウ(融点約800℃)あるいは、はんだ14(融点約180〜240℃)を用いると、ロウ材の粘度を十分に小さくし、安定して切断面全体をロウ材で覆うことが可能となる。
また、本実施の形態1では、枠体の底面に共振素子12をロウ付けしたが、これは蓋体11bや側板11dにロウ付けしても、同様のフィルタ装置を得ることができる。また本実施の形態では、周波数調整用ネジ15を蓋体11bに取り付けたが、これも側板11dあるいは底部11cに取り付けても良い。ただし、精度良く周波数の調整を行うためには、共振素子12を設けた面と対向する面に、周波数調整用ネジ15を取り付けることが望ましい。また、周波数調整用ネジ15は、共振素子12の中心と周波数調整用ネジ15の中心とがほぼ一直線上となる位置に配置すると良い。
さらに、切断面全体にロウ材を行き渡らせるために、全ての部分にロウ材を付着させて、還元炉に入れることによりロウ材を溶融させる。あるいは、接合部12b、13a、13b、13c、13dと接合部でない切断部との間を、細い溝でつないでも良い。そして接合部にロウ材を付着させて還元炉に入れば、溶融したロウ材が毛細管現象によって細い溝を通じて、接合部でない切断部に伝わる。このようにすれば、切断面全体を容易にロウ材で覆うことができる。なおこの溝は、枠体11あるいは共振素子12のプレス加工工程で同時に形成できるので、余計な手間がかかることはない。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について図面を用いて説明する。図5は本実施の形態2におけるフィルタ装置の断面図であり、図6は同フィルタ装置の枠体の展開図である。図5、図6において、図1と同じものには、同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。
実施の形態1では、枠体11aは底部11cから側板11dが折り曲げられることによって、一体に形成されている。それに対し、本実施の形態2における枠体11aは、底部11cと側板11dとが分離されている。一方、本実施の形態2における側板11dは天面11fを有し、4つの側板11dは、この天面11fの周縁から折り曲げて立設されている。そして、蓋体11bは、天面11fに対してネジ止めで固定されている。そして底部11cと側板11dとの接合部22は、はんだ14によって接合されている。
次に、本実施の形態における共振素子21は、実施の形態1と同様に、底部11cにはんだ14でロウ付けされている。図7Aは、本実施の形態2のフィルタ装置に用いる共振素子21の上面図であり、図7Bは同共振素子21の側面図、図7Cは同共振素子21の下面図である。図7A〜7Cにおいて、共振素子21はプレス加工により折り曲げて整形されている。ここで共振素子21は、搭載面21aと、この搭載面21の周縁から折り曲げて形成された連結部21bと、この連結部21bに連結して設けられた筒部21cとから構成される。なおこの筒部21cは半円筒形状に折り曲げられている。そして、この共振素子21は、搭載面21aが底部11c側となり、開口側が蓋体11bに向く方向で、底部11c上に搭載される。本実施の形態における枠体11a、蓋体11bや、共振素子21全てには銅メッキ鋼板が用いられているので、搭載面21aの外側メッキ面と底部11cの内側メッキ面との間や、側板11dの開口側先端部の内側メッキ面と底部11cの内側メッキ面とが、はんだ14によってロウ付けされる。
本実施の形態における共振素子21では、筒部21c同士の間に隙間21dが形成されるが、この隙間21dもはんだ14により塞がれる。これにより、メッキ鋼板を用いて挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。なお、筒部21cの外周側における先端は、実施の形態1と同様にメッキ面が巻き込まれた領域17が形成され、はんだ14が破断面を覆っている。
さらに、本実施の形態では、天面11fの上面と蓋体11bの下面とが対向し接する箇所にクリームはんだを塗布し、蓋体11bと天面11fとを接合している。ここで、天面11fの穴16aにより段差が生じるが、この穴の破断面もはんだで接合しておくことが望ましい。
そこで、本実施の形態において、天面の穴16aの切断面に対し、メッキ面が巻き込まれるようにしておく。このようにすることにより、穴16aの周囲においてもはんだが回り易くなり、段差部分への電位の集中を少なくできる。従って、損失の小さなフィルタ装置を実現できる。このとき、メッキ面が巻き込まれる側が、蓋体11bに対向する側としておくと良い。このようにすれば、さらに接合部に対し容易にロウ付けできる。
なお、本実施の形態のはんだ塗布・組み立て工程では、最初に底部11cと蓋体11bとに、クリーム状のはんだ14が塗布される。底部11cにおいては、共振素子21の搭載面21aや底部11cと側板11dとの接合部22に対して、クリーム状のはんだ14が供給される。一方蓋体11bに対しては、天面11fと対向する位置に、クリーム状のはんだ14が塗布される。
ここで、本実施の形態の底部11、蓋体11bは平板状としているので、スクリーン印刷によって容易にはんだ14を塗布することができ、生産性が良好である。なお、本実施の形態では、蓋体11bに対して、はんだ14を塗布したが、これは天面11fにおいて蓋体11bと対向する位置にはんだを塗布しても良い。そしてこの場合においても、天面11fの上面は平坦であるので、スクリーン印刷などにより、容易にはんだ14を塗布することができる。
そしてその後に、共振素子21、仕切り板(図示せず)や側板11dが装着され、その後に側板11d同士の接合部13a、13b、13c、13dへ、クリーム状のはんだ14が供給される。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態3について、図面を用いて説明する。図8は、本実施の形態3におけるフィルタ装置の断面図である。図8において、本実施の形態3におけるフィルタ装置は、実施の形態1におけるフィルタ装置に対し、共振素子31が蓋体11b側に装着され、周波数調整用ネジ15が底部11cに取り付けられている点と、仕切り板11eの先端部18aの形状が異なっている。
図9Aは、本実施の形態3における共振素子31の展開図であり、図9Bは同共振素子の側面図である。図9A、9Bに示すように、共振素子31の先端は内側の方向へ折り曲げられている。これにより、めっき面にて覆われた面が共振素子31の先端部分31aとなるので、先端部分31aにおいて素地の露出が無く、抵抗値が小さくなる。従って、フィルタ装置の挿入損失を小さくできる。なお、本実施の形態3において折り曲げ長さは、約3mmとしている。
ここで、図9Aに示すように、共振素子31の展開状態において、折り曲げ側端部近傍はCカットされている。これにより、共振素子31を折り曲げたときの材料干渉を小さくでき、寸法精度の良好な共振素子31を実現できる。
図10Aは、本実施の形態3におけるフィルタ装置を上から見た断面図であり、図10Bは、同フィルタ装置の仕切り板の先端部の拡大断面図である。図10A、10Bにおいて、図1と同じものには同じ番号を用いており、それらについては説明を簡略化している。
ここで、仕切り板11eの端部と側板11dとの間に設けられた結合窓18は、仕切り板11eで仕切られた各キャビティ間を連結するためのものである。そして、この仕切り板11eの先端部18aにおいても電位が高くなり易い。
そこで、本実施の形態3では、仕切り板11eの先端部18aにおいて、切断面側へメッキ面の材料を巻き込むために、プレス加工の工程において、先端部18を両面側からV字型に押し面32を形成する。そしてV字形状の頂点近傍で切断すれば、押し面32にはメッキ面が形成され、仕切り板11eの先端部18aにおいて、破断面の露出を小さくできる。
従って、電位の高くなり易い場所における抵抗値を小さくできるので、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。なお、この場合において従来と同様に、先端部18aにはんだ14を塗布し、はんだ14により覆うとさらによい。
図11は本実施の形態3において、第2の例の仕切り板を用いた場合のフィルタ装置を上から見た断面図である。図11においては、仕切り板41は、仕切り板41の先端部において折り返されている。これにより、仕切り板41の先端部分はメッキ面となるので、抵抗値が小さくなる。従って、さらに挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
本発明にかかるフィルタ装置は、メッキ鋼板を用いて枠体を構成しても、挿入損失の劣化がなく、量産性に優れたフィルタ装置を得ることができ、マイクロ波、準マイクロ波通信装置等のフィルタ装置に有用である。
本発明は、特にマイクロ波、準マイクロ波通信装置等に用いられるフィルタ装置と、その製造方法に関するものである。
図12は、従来のフィルタ装置の断面図である。
従来、このようなフィルタ装置は、図12に示すように、アルミダイキャストを切削加工した後に、全体に銀メッキを施して得られた枠体1の中に、共振素子2をネジ止め固定し、蓋体3を枠体1に取り付けて、フィルタ装置を構成していた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
しかしながら、共振素子をネジ止めする場合、締め具合によって接触部での電気抵抗にばらつきが生じ、それにより枠体の内側と内部に設置した共振素子との間で構成する共振器のQ値が低くなり、結果としてフィルタ装置を構成したときの挿入損失が大きくなる等の、特性の劣化を引き起こすという課題があった。
特開平08−195607号公報
本発明は上記従来の課題を解決するもので、挿入損失等の特性に優れたフィルタ装置を提供するものである。
従来の課題を解決するために本発明は、少なくとも上方が開放された枠体と、この枠体の開放側を覆うとともに枠体に取り付けられた蓋体とからなるフィルタ筐体と、このフィルタ筐体内に設けられた共振素子とを備え、少なくともフィルタ筐体の内側にメッキ面が形成されたフィルタ装置において、共振素子には鋼板の両面にメッキ面が形成されたメッキ鋼板が用いられ、共振素子はメッキ鋼板が筒状に折り曲げられて整形され、共振素子の側面に形成される隙間が接合部材でロウ付けされるとともに、共振素子における外側のメッキ面と枠体の内側のメッキ面とが接合部材でロウ付けされたものである。
これにより、共振素子が導電性の接合材料でロウ付けされるので、共振素子と枠体との間の接続抵抗の値を小さくできる。従って、共振器のQ値を高くできるので、挿入損失の劣化が小さいフィルタ装置を得ることができる。
また、メッキ鋼板を用いているので、厚みも薄くでき、重量も軽量化することができる。さらに、プレス加工によって整形することができるので、非常に生産性が良好であり、低価格なフィルタ装置を実現できる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は実施の形態1におけるフィルタ装置の断面図であり、図2は同フィルタ装置の枠体11aの展開図である。図1、図2において枠体11aは、両面に予め銅メッキ面が形成されたメッキ鋼板を、プレス加工により所定の形状に切断・折り曲げて、加工したものである。本実施の形態におけるフィルタ筐体11は、枠体11aと蓋体11bとから構成されている。ここで枠体11aは、図2に示すような形状に切断し、点線部分で折り曲げられる。これによって、枠体11aは底部11cと、この底部11cの4つの周縁部から折り曲げて立設され互いにほぼ直交して形成された側板11dとから成る、箱型形状に成形される。
そして枠体11aの開口を覆うように、蓋体11bが装着される。なお本実施の形態において、枠体11aと蓋体11bとの接続は、はんだ14(接合材料の一例として用いた)によりロウ付けされている。なお蓋体11bには、共振素子12の上方となる位置に、ビス穴が設けられている。そしてこのビス穴には、周波数調整用ネジ15が取り付けられる。
本実施の形態においては、蓋体11bにも枠体11aと同じメッキ鋼板を用いている。なお、本実施の形態において、これらのメッキ鋼板の板厚みは約1mmである。
ここで、図2における点線部分を折り曲げて隣接した側板11d同士が接する部分が、接合部13aとなる。接合部13aにおいて隣り合った側板11d同士は、はんだ14により接続・固定されている。なお、本実施の形態におけるメッキは銅メッキであり、その厚みは約10μmである。
図3Aは、同フィルタ素子に用いる共振素子12の展開平面図であり、図3Bは同共振素子12の上面図であり、図3Cは同共振素子12の側面図である。図3A、図3B、図3Cにおいて、共振素子12は枠体11aと同様に、銅メッキ鋼板をプレス加工することで形成される。なおこの共振素子12は、打ち抜き平板12aを円柱状に折り曲げることにより整形されたものである。
そして、この共振素子12は、枠体11aの底面11cに、はんだ14により接続・固定される。
本実施の形態におけるフィルタ筐体11には、4つの共振素子12が取り付けられる。そして、これらそれぞれの共振素子12は、仕切り板11eによって仕切られている。
そして、この仕切り板11eと側板11dとの間や、仕切り板11eとフィルタ筐体11との間(仕切り板11eと底部11c、仕切り板11eと側板11d、仕切り板11eと蓋体11bのそれぞれの間)の接合部13b、さらに側板11dと蓋体11bとの接合部13cも、はんだ14によってロウ付け接合されている。
なお本実施の形態において、仕切り板11eは、枠体11のほぼ中心に十字状に交差して配置されている。そして、これら仕切り板同士の連結部13d(図1には示さず、図10Aに示す)も、はんだ14によって接合されている。そして、このように配置された仕切り板11eによって仕切られた各キャビティのほぼ中心に、共振素子12が配置される。
このような構成としているので、共振素子12の内部は空洞となり、ポール型の共振素子を用いるのに比べて、軽量化を図ることができる。また、共振素子12は打ち抜き平板12aを折り曲げて形成されるので、この合わせ部分には隙間12cが生じる。そこで、この隙間12cもはんだ14により接続・固定が行われている。これにより、フィルタの損失抵抗を小さくできる。
ここで、一般的には、接合部13a、13b、13c、13dや共振素子12とフィルタ筐体11との接合部12bで、電荷が集中し易く、電位が高くなる。
従って、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dでの抵抗値を小さくすることが重要であり、これらを接合する部材にはできる限り抵抗値の小さな金属を用いることが望ましい。
本実施の形態では、ロウ付け材料としてはんだ14を用いているが、これに限らず、抵抗値が小さく、メッキ面の金属との相性が良く、金属食われなどが発生しにくい金属を、適宜選択すれば良い。
また、プレス加工で切断された破断面には、鋼板の素地が露出することとなる。ところが、この素地は鉄であり、酸化や錆などが進行しやすく、破断面においての抵抗値は大きくなる。また、鉄が磁性体材料であるために、高周波領域での抵抗値は大きい。そこで、はんだ14(接続部剤)により、このメッキ面同士の間を接続するようにロウ付けするわけである。
具体的には、接合部13aにおいては、はんだ14で側板11dの内側メッキ面同士の間が接続される。接合部13bにおいては、はんだ14で、仕切り板11eの両面におけるそれぞれのメッキ面と、フィルタ筐体11の内側メッキ面とがそれぞれ接続される。接合部13cにおいては、側板11dと蓋体11bとが接続される。接合部13dにおいては、仕切り板11eの側面のメッキ面同士が接続される。そして接合部12bにおいては、はんだ14で、底部11cの内側におけるメッキ面と共振素子12の外側のメッキ面との間が接続される。これにより、接合部12bや各接合部13a、13b、13c、13dでの抵抗値を小さくできるので、共振器のQ値を高くできる。従って、信号のロスが小さくでき、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
さらにこの構成により、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dにおいて、電荷の集中を小さくできるという効果も奏する。一般的に電荷は、接続部12bや接続部13a、13b、13c、13dのような角部分に集中することが知られている。そして特に、この角部分の角度が鋭角なほど、またその先端が尖っているほど、より電荷の集中度合いは大きくなる。
そこで、接合部材によってメッキ面同士を接続することにより、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dにおける角部分の先端形状は、丸みを帯びたR形状となる。また、底部11cと側板11dとの折り曲げ部にもR形状を有するように加工されている。これにより、接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dにおいて、電荷の集中度合いが小さくできるので、接合部12bや接合部13a〜13dの寄与度が小さくなり、さらに信号のロスを小さくでき、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
加えて本実施の形態では、共振素子12の先端部12dにおける切断面も、はんだ14で覆っている。これによりさらに、特に電荷の集中する共振素子12の先端部12dにおいて、切断面が露出し難くなり、先端部12dでの電気抵抗を小さくできる。従って、メッキ鋼板を用いても、フィルタ装置の挿入損失を改善することができる。
なお、本実施の形態では、枠体11aと蓋体11bとの間もはんだ14によって接続したが、これはねじなどにより固定しても良い。この場合、蓋体11bの取り外しが可能となり、修理などが容易となる。また、本実施の形態において、共振素子12は底部11cに取り付けたが、これは側板11dや蓋体11bに取り付けても良い。ただし、調整用ネジ15の中心軸と共振素子12の中心軸とがほぼ一直線上となるようにしておくことが望ましい。
次に、以上のように構成されたフィルタ装置の製造方法について説明する。プレス加工工程は、銅メッキ鋼板を打ち抜いて、折り曲げて、枠体11a、蓋体11b、仕切り板11eや共振素子12を得る工程である。そしてロウ付け工程は、プレス加工工程の後で、枠体11aに共振素子12や仕切り板11e、蓋体11bをロウ付け固定する工程である。
このロウ付け工程において、最初に、はんだ塗布・組み立てが行われる。このはんだ塗布・組み立て工程は、プレス加工工程の後で、共振素子12や仕切り板11eを枠体11aの底面11cに装着し、この接合部12bや接合部13a、13b、13c、13dに対してそれぞれクリームはんだ14を塗布するとともに、蓋体11bが枠体11aへ装着される。
なお本実施の形態では、クリーム状のはんだ14をディスペンサで塗布するが、蓋体11bのような平板形状のものであればスクリーン印刷法などにより塗布しても良い。この場合、安定した量のクリームはんだを塗布できる。またクリームはんだ14に代えて、棒状のはんだ14を用いても良い。この場合、さらに、はんだ14の量が安定する。
次にロウ付け工程では、はんだ14の塗布・組み立て工程の後で、加熱してはんだ14を溶融することで、共振素子12や蓋体11bが枠体11aに対して接続・固定される。また、枠体11aにおける接続部13a、13b、13c、13dも、はんだ14によって接続・固定される。
なお、本実施の形態では、クリームはんだ14ペーストによるロウ付けを行ったが、棒状はんだ14や銀ロウ材料によるロウ付けとしても良い。ただし、銀ロウ材料を用いた場合には、約900℃の雰囲気の還元炉により接合させることが望ましい。このように本実施の形態では、側板11d同士の接合と、底部11cと共振素子12との接合、共振素子12の隙間12cをはんだ14で覆うという作業を、1つの工程で行うことができるため、量産性が良好となる。
次に調整工程では、ロウ付け工程の後で蓋体11bに周波数調整用ネジ15を取り付け、この周波数調整用ネジ15と共振素子12との距離を調整することにより、フィルタ装置の周波数特性を調整し、フィルタ装置が完成する。
図4Aは、メッキ面の片側のみで接合された接合部の拡大断面図であり、図4Bはメッキ面の両側で接合された接合部の拡大断面図である。ここで図4Aは、接合部13a、13cを示し、図4Bは接合部12b、13bを示している。図4A、図4Bにおいて、図1から図3A、3B、3Cと同じものには同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。
図4A、図4Bにおいて、枠体11a(あるいは共振素子12)をプレス切断するときに、切断用金型のクリアランスを調整することにより、接合部13a、13b、13c、13dでは、切断面側へメッキ面の材料を巻き込む領域17が形成される。これにより側板11d同士や、仕切り板11eと蓋体11bあるいは仕切り板11eとフィルタ筐体11、さらにはフィルタ筐体11と発振素子12とにおける各接続部において、容易にハンダ14で接続することができる。
ここで、本実施の形態ではメッキ鋼板を用いているので、破断面を有している。そして、接合部12b、13a、13b、13c、13dにおいて、破断面はメッキ面と対向するように配置される。これにより、この破断面でははんだ14の馴染みが悪いので、はんだ14の流動が防止され、はんだの不要な広がりを防止できる。従って、接合部12b、13a、13b、13c、13dにおいて、安定した適度な形状を得ることができる。従って、挿入損失性能のばらつきを小さくできる。
加えて、接続部12b、13a、13b、13c、13dには、はんだ14の流れと広がりを防止するために、V溝19を設けている。これにより、溶けたはんだ14がV溝を越えて広がり難くでき、各接合部において安定した形状と大きさのR形状を実現できる。従って、挿入損失が小さくかつそのばらつきも小さくできる。なお、本実施の形態において、はんだ14の広がり防止手段としてV溝19を用いたが、これは突起やレジスト膜などでも良い。ただし、はんだ14の広がり防止手段として突起を用いた場合、この突起に電荷が集中しないように、尖った箇所を作らないことが望ましい。
また、共振素子12の接合部12bや先端部12dにおける外周面側にも、巻き込み領域17を設けている。そして本実施の形態においては、はんだ塗布・組み立て工程で、共振素子12の先端部12dに対してもクリーム状のはんだ14が塗布される。これにより、両面のメッキ面間の距離(破断面が露出した距離)が小さくなり、切断面全体が溶融したはんだ14で覆われ易くなる。これにより、特に電荷が集中し易い先端部12dがはんだ14によって覆われるので、先端部12dの抵抗値を小さくできる。従って、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
本実施の形態における仕切り板11eには、隣接するキャビティ同士を結合させるための結合窓18(図10Aに表示)が設けられている。そして本実施の形態ではさらに、仕切り板11eの結合窓18側の端部18aにも、メッキ面の材料が巻き込まれている。これによりメッキ面間の距離が短くなり、抵抗値を小さくできる。
そしてさらに本実施の形態では、はんだ塗布・組み立て工程において、この端部18aの破断面にもクリーム状のはんだ14が塗布される。これにより、電位が高くなり易い仕切り板11eの先端部において、さらに抵抗値を小さくできるので、さらに挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。なお、切断面にメッキの材料を巻き込む領域17は広い方が良く、切断面の30%より広い方が望ましく、より好ましくは50%以上が望ましい。このようにすることにより、安定して切断面全体をはんだ14で覆うことができる。また、メッキの厚みは、メッキの材料を切断面に巻き込むためには厚い方が望ましく、メッキ鋼板の厚みの0.5%以上とすることで、安定して切断面の30%以上を巻き込むことができる。
さらに本実施の形態では、共振素子12の隙間12cの両側に形成される破断面においても、切断面側へメッキ面の材料を巻き込むようにすると良い。なお、このメッキ面の巻き込みは、共振素子12の外側となる側に形成する。これにより、隙間12cにおいて、はんだ14は、毛細管現象によって切断面全体を覆いながら、共振素子12の頂部に向かって吸い上がり易くなる。これにより、容易に隙間12cに対してもロウ付けが可能となる。さらに言えば、これらのロウ付けを一括で処理することも可能であるので、非常に生産性が良好となる。
以上のように、本実施の形態におけるフィルタ装置は、共振素子12と枠体11aの内側との空間で共振を起こすことにより、共振器を構成し、これらを組み合わせることにより、フィルタ特性を得るものである。このとき、フィルタ筐体11における内側のメッキ面同士がはんだによって接続され、また共振素子12の外側めっき面とフィルタ筐体11の内側メッキ面とが接続されることにより、共振素子12を含むループの一部における電気抵抗を小さくできる。従って、共振器のQ値が高く、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
なお、メッキおよびロウ付けの材料については、フィルタ装置の特性の観点から電気抵抗の低いのが望ましく、さらに、メッキ材料の融点とロウ付け材料の融点との差が大きいことが望ましい。ロウ付け温度はそれらの融点間の温度に設定する必要があるため、この温度差が小さいとロウ付け材料の粘度が十分に小さくならず、広がりにくいためである。これらを考慮すると、メッキ材料として銅(融点約1050℃)を用い、ロウ付け材料として銀ロウ(融点約800℃)あるいは、はんだ14(融点約180〜240℃)を用いると、ロウ材の粘度を十分に小さくし、安定して切断面全体をロウ材で覆うことが可能となる。
また、本実施の形態1では、枠体の底面に共振素子12をロウ付けしたが、これは蓋体11bや側板11dにロウ付けしても、同様のフィルタ装置を得ることができる。また本実施の形態では、周波数調整用ネジ15を蓋体11bに取り付けたが、これも側板11dあるいは底部11cに取り付けても良い。ただし、精度良く周波数の調整を行うためには、共振素子12を設けた面と対向する面に、周波数調整用ネジ15を取り付けることが望ましい。また、周波数調整用ネジ15は、共振素子12の中心と周波数調整用ネジ15の中心とがほぼ一直線上となる位置に配置すると良い。
さらに、切断面全体にロウ材を行き渡らせるために、全ての部分にロウ材を付着させて、還元炉に入れることによりロウ材を溶融させる。あるいは、接合部12b、13a、13b、13c、13dと接合部でない切断部との間を、細い溝でつないでも良い。そして接合部にロウ材を付着させて還元炉に入れば、溶融したロウ材が毛細管現象によって細い溝を通じて、接合部でない切断部に伝わる。このようにすれば、切断面全体を容易にロウ材で覆うことができる。なおこの溝は、枠体11あるいは共振素子12のプレス加工工程で同時に形成できるので、余計な手間がかかることはない。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について図面を用いて説明する。図5は本実施の形態2におけるフィルタ装置の断面図であり、図6は同フィルタ装置の枠体の展開図である。図5、図6において、図1と同じものには、同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。
実施の形態1では、枠体11aは底部11cから側板11dが折り曲げられることによって、一体に形成されている。それに対し、本実施の形態2における枠体11aは、底部11cと側板11dとが分離されている。一方、本実施の形態2における側板11dは天面11fを有し、4つの側板11dは、この天面11fの周縁から折り曲げて立設されている。そして、蓋体11bは、天面11fに対してネジ止めで固定されている。そして底部11cと側板11dとの接合部22は、はんだ14によって接合されている。
次に、本実施の形態における共振素子21は、実施の形態1と同様に、底部11cにはんだ14でロウ付けされている。図7Aは、本実施の形態2のフィルタ装置に用いる共振素子21の上面図であり、図7Bは同共振素子21の側面図、図7Cは同共振素子21の下面図である。図7A〜7Cにおいて、共振素子21はプレス加工により折り曲げて整形されている。ここで共振素子21は、搭載面21aと、この搭載面21の周縁から折り曲げて形成された連結部21bと、この連結部21bに連結して設けられた筒部21cとから構成される。なおこの筒部21cは半円筒形状に折り曲げられている。そして、この共振素子21は、搭載面21aが底部11c側となり、開口側が蓋体11bに向く方向で、底部11c上に搭載される。本実施の形態における枠体11a、蓋体11bや、共振素子21全てには銅メッキ鋼板が用いられているので、搭載面21aの外側メッキ面と底部11cの内側メッキ面との間や、側板11dの開口側先端部の内側メッキ面と底部11cの内側メッキ面とが、はんだ14によってロウ付けされる。
本実施の形態における共振素子21では、筒部21c同士の間に隙間21dが形成されるが、この隙間21dもはんだ14により塞がれる。これにより、メッキ鋼板を用いて挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。なお、筒部21cの外周側における先端は、実施の形態1と同様にメッキ面が巻き込まれた領域17が形成され、はんだ14が破断面を覆っている。
さらに、本実施の形態では、天面11fの上面と蓋体11bの下面とが対向し接する箇所にクリームはんだを塗布し、蓋体11bと天面11fとを接合している。ここで、天面11fの穴16aにより段差が生じるが、この穴の破断面もはんだで接合しておくことが望ましい。
そこで、本実施の形態において、天面の穴16aの切断面に対し、メッキ面が巻き込まれるようにしておく。このようにすることにより、穴16aの周囲においてもはんだが回り易くなり、段差部分への電位の集中を少なくできる。従って、損失の小さなフィルタ装置を実現できる。このとき、メッキ面が巻き込まれる側が、蓋体11bに対向する側としておくと良い。このようにすれば、さらに接合部に対し容易にロウ付けできる。
なお、本実施の形態のはんだ塗布・組み立て工程では、最初に底部11cと蓋体11bとに、クリーム状のはんだ14が塗布される。底部11cにおいては、共振素子21の搭載面21aや底部11cと側板11dとの接合部22に対して、クリーム状のはんだ14が供給される。一方蓋体11bに対しては、天面11fと対向する位置に、クリーム状のはんだ14が塗布される。
ここで、本実施の形態の底部11、蓋体11bは平板状としているので、スクリーン印刷によって容易にはんだ14を塗布することができ、生産性が良好である。なお、本実施の形態では、蓋体11bに対して、はんだ14を塗布したが、これは天面11fにおいて蓋体11bと対向する位置にはんだを塗布しても良い。そしてこの場合においても、天面11fの上面は平坦であるので、スクリーン印刷などにより、容易にはんだ14を塗布することができる。
そしてその後に、共振素子21、仕切り板(図示せず)や側板11dが装着され、その後に側板11d同士の接合部13a、13b、13c、13dへ、クリーム状のはんだ14が供給される。
(実施の形態3)
以下、本実施の形態3について、図面を用いて説明する。図8は、本実施の形態3におけるフィルタ装置の断面図である。図8において、本実施の形態3におけるフィルタ装置は、実施の形態1におけるフィルタ装置に対し、共振素子31が蓋体11b側に装着され、周波数調整用ネジ15が底部11cに取り付けられている点と、仕切り板11eの先端部18aの形状が異なっている。
図9Aは、本実施の形態3における共振素子31の展開図であり、図9Bは同共振素子の側面図である。図9A、9Bに示すように、共振素子31の先端は内側の方向へ折り曲げられている。これにより、めっき面にて覆われた面が共振素子31の先端部分31aとなるので、先端部分31aにおいて素地の露出が無く、抵抗値が小さくなる。従って、フィルタ装置の挿入損失を小さくできる。なお、本実施の形態3において折り曲げ長さは、約3mmとしている。
ここで、図9Aに示すように、共振素子31の展開状態において、折り曲げ側端部近傍はCカットされている。これにより、共振素子31を折り曲げたときの材料干渉を小さくでき、寸法精度の良好な共振素子31を実現できる。
図10Aは、本実施の形態3におけるフィルタ装置を上から見た断面図であり、図10Bは、同フィルタ装置の仕切り板の先端部の拡大断面図である。図10A、10Bにおいて、図1と同じものには同じ番号を用いており、それらについては説明を簡略化している。
ここで、仕切り板11eの端部と側板11dとの間に設けられた結合窓18は、仕切り板11eで仕切られた各キャビティ間を連結するためのものである。そして、この仕切り板11eの先端部18aにおいても電位が高くなり易い。
そこで、本実施の形態3では、仕切り板11eの先端部18aにおいて、切断面側へメッキ面の材料を巻き込むために、プレス加工の工程において、先端部18を両面側からV字型に押し面32を形成する。そしてV字形状の頂点近傍で切断すれば、押し面32にはメッキ面が形成され、仕切り板11eの先端部18aにおいて、破断面の露出を小さくできる。
従って、電位の高くなり易い場所における抵抗値を小さくできるので、挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。なお、この場合において従来と同様に、先端部18aにはんだ14を塗布し、はんだ14により覆うとさらによい。
図11は本実施の形態3において、第2の例の仕切り板を用いた場合のフィルタ装置を上から見た断面図である。図11においては、仕切り板41は、仕切り板41の先端部において折り返されている。これにより、仕切り板41の先端部分はメッキ面となるので、抵抗値が小さくなる。従って、さらに挿入損失の小さなフィルタ装置を実現できる。
本発明にかかるフィルタ装置は、メッキ鋼板を用いて枠体を構成しても、挿入損失の劣化がなく、量産性に優れたフィルタ装置を得ることができ、マイクロ波、準マイクロ波通信装置等のフィルタ装置に有用である。
本発明の実施の形態1におけるフィルタ装置の断面図 同フィルタ装置の枠体の展開図 同フィルタ素子に用いる共振素子の展開図 同共振素子の上面図 同共振素子の側面図 メッキ面の片側のみで接合された接合部の拡大断面図 メッキ面の両側で接合された接合部の拡大断面図 実施の形態2におけるフィルタ装置の断面図 同フィルタ装置の枠体の展開図 同フィルタ装置に用いる共振素子の上面図 同共振素子の側面図 同共振素子の下面図 実施の形態3におけるフィルタ装置の断面図 同フィルタ装置に用いる共振素子の展開図 同共振素子の側面図 同フィルタ装置を上から見た断面図 同フィルタ装置の仕切り板の先端部の拡大断面図 実施の形態3において、第2の例の仕切り板を用いた場合のフィルタ装置を上から見た断面図 従来のフィルタ装置の断面図
符号の説明
11 フィルタ筐体
11a 枠体
11b 蓋体
11c 底部
11d 側板
11e 仕切り板
12 共振素子
12b,13a,13b,13c,13d 接合部
14 はんだ

Claims (12)

  1. 少なくとも上方が開放された枠体と、前記枠体の前記開放側を覆うとともに前記枠体に取り付けられた蓋体とからなるフィルタ筐体と、
    前記フィルタ筐体内に設けられた共振素子とを備え、
    少なくとも前記フィルタ筐体の内側にメッキ面が形成されたフィルタ装置において、
    前記共振素子には鋼板の両面に前記メッキ面が形成されたメッキ鋼板が用いられ、
    前記共振素子は前記メッキ鋼板が筒状に折り曲げられて整形され、
    前記共振素子の側面に形成される隙間が接合部材でロウ付けされるとともに、前記共振素子における外側のメッキ面と前記枠体の内側のメッキ面とが前記接合部材でロウ付けされた、
    フィルタ装置。
  2. 前記共振素子の先端は内側へと折り返された、
    請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記枠体は、底部と、前記底部から立設され互いにほぼ直交して配置された第1の側板と第2の側板とを有し、
    前記枠体は、鋼板の両面に前記メッキ面が形成されたメッキ鋼板がプレス加工により切断されて整形され、
    前記第1の側板と第2の側板における内側のメッキ面同士が前記接続部材でロウ付けされた、請求項1に記載のフィルタ装置。
  4. 少なくとも前記第1の側板と第2の側板の切断面には、前記メッキ面が巻き込まれた、請求項3に記載のフィルタ装置。
  5. 前記枠体内には、前記底面に立設され前記第1の側板に対しほぼ直交して配置された第3の側板と、前記第3の側板で仕切られた空間同士を連結する結合窓部とを設け、
    前記第3の側板には鋼板の両面にメッキ面が形成されたメッキ鋼板が用いられ、
    前記第3の側板は前記メッキ鋼板がプレス加工により切断されて整形され、
    前記第3の側板はその両面において前記枠体と前記接合部材でロウ付けされた、請求項3に記載のフィルタ装置。
  6. 前記フィルタ装置は前記共振素子を複数備え、各共振素子間は、連結窓を有する仕切り板によって仕切られた、請求項1に記載のフィルタ装置。
  7. 少なくとも前記仕切り板の連結窓側端部の一部には前記メッキ面が形成された、請求項6に記載のフィルタ装置。
  8. 前記仕切り板の前記連結窓側端部における前記メッキ面は、前記仕切り板側面のメッキ面がプレス加工により巻き込まれて形成された、請求項7に記載のフィルタ装置。
  9. 前記仕切り板の前記連結窓側端部における前記メッキ面は、前記仕切り板を折り返して整形することで形成された、請求項7に記載のフィルタ装置。
  10. 請求項1に記載のフィルタ装置を製造する方法であって、鋼板の両面にメッキを施したメッキ鋼板をプレス加工により切断・折り曲げて枠体を得るステップと、前記枠体における側板同士を接合部材によりロウ付けするステップと、前記枠体に蓋体を取り付けるステップと、前記蓋体を取り付けるステップの前に共振素子を前記枠体内へロウ付けするステップを有した、フィルタ装置の製造方法。
  11. 前記共振素子を前記枠体内へ取り付けるステップでは、前記共振素子の外側側面と前記枠体の内側のメッキ面とを接合部材によりロウ付けする、請求項10に記載のフィルタ装置の製造方法。
  12. 前記共振素子を前記枠体内へ取り付けるステップの前に共振素子を得るステップを有し、
    前記共振素子を得るステップではメッキ鋼板を筒状に折り曲げて整形し、その後に前記共振素子の側面に形成される隙間を接合部材でロウ付けする、請求項10に記載のフィルタ装置の製造方法。
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