JP3563202B2 - 電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リード線形式の電子部品のプリント基板への取付を容易にするために、その端面に実装用の絶縁板を取付けた、いわゆるリードレスの電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来のこの種のリードレス電子部品として、例えば特開昭59−211213号公報に示されているような電解コンデンサが存在する。
このリードレスアルミ電解コンデンサは、図3に示すように、コンデンサ素子1を金属ケース2内に収納し、コンデンサ素子1より伸びるリード3、3をケース2の開口端を封口する封口部材4を通して引き出してなるコンデンサ本体5と、このコンデンサ本体5のリード3、3を引き出した端面に当接され、かつリード3、3が貫通する貫通孔6、6及び外表面に設けた貫通孔6、6につながる凹溝7、7を有する絶縁性取付板8とからなり、貫通孔6、6を貫通したリード3、3の先端部を丸棒のまま、又は偏平加工を施して凹溝7、7内に納めるように折曲げ、この折曲げ部から先をプリント基板への半田付部とするものである。
【0003】
しかし、このコンデンサでは、凹溝7、7内に折曲げて納めたリード3、3の周面の外側部分のみが基板への半田付面となるために半田付面積が小さくなり、コンデンサをプリント基板に面実装する工程において、プリント基板に対するコンデンサの位置決めが困難である。そして、コンデンサとプリント基板の導体との接触面積が狭いために相互間に付着する溶融半田量が少なく、従って、接着強度を十分にとることができない。また、リード3、3を折曲げる際に内部のコンデンサ素子1にストレスが加わって特性を劣化させ易く、これを軽減するためにリード3、3の折曲げ予定箇所に切り込みを入れるなど、予め折曲げ易くすることも行われているが、これにより、プリント基板に実装したコンデンサに衝撃や振動が加わった場合に、リードが折曲げ部で断線することがある。
【0004】
更にこのようなコンデンサには、コンデンサ素子に取付板を結合する際に、リードを小径の貫通孔に挿通しなければならぬ問題がある。この挿通作業は、手作業で行えば非能率的なものとなり、自動化しようとすればコンデンサ素子と取付板の相互関係に非常な高精度を要し、特にリードが細線の場合は2本のリードが必ずしも平行になっていないので、その取扱いが困難である。そのためにこのような作業を自動化すると、装置が如何に精巧であっても、リードが貫通孔に挿通されずにコンデンサ本体端面と取付板との間で偏平な塊状に圧縮された形となり、このようなものが完成品として送出されることがある。量産工程では、このような不良品が1個でも発見されると、そのロットの製品の全てを廃棄することになるので、これによる損害は非常に大きい。
【0005】
上述のような取付板付きの電解コンデンサの問題点を解決するために、図4に示すように貫通孔6、6の代わりにスリット9、9を取付板8に設けることが考えられる。同図において、取付板8の外表面には、インサート成形により金属板端子10、10が接合されており、取付板8の一側縁8aから金属板端子10、10へ向けて互いに平行なスリット9、9が設けられている。コンデンサ本体5のリード3、3の長さは取付板8の厚さにほぼ等しく、その間隔はスリット9、9の間隔にほぼ等しい。
【0006】
上述の取付板8とコンデンサ本体5とを結合する際は、リード3、3を取付板側縁8aからスリット9、9内へ導入し、取付板8とコンデンサ本体5との位置を所定関係に保ち、リード3、3をそれぞれ金属板端子10、10へレーザー溶接する。
【0007】
図4に示したコンデンサは、リードを小径の貫通孔へ挿通しなくてよいので生産が容易であり、リードを折曲げなくてよいのでコンデンサ素子への悪影響やリードの断線を回避することができる。また面積が広い金属板端子が存在するため、プリント基板導体への半田付が容易である。
【0008】
そして、図4に示したコンデンサによると、プリント基板への取付強度は、取付板8と金属板端子10、10との結合強度に依存するので、各金属板端子10、10に複数の結合孔11、・・・・を設けて、これら各結合孔11内に取付板8を構成する絶縁物を充満させ、これによって取付板8と金属板端子10、10との結合強度を高めている。
【0009】
ところで、図4に示す金属板端子10のスリット9により切割られた両側の分割片10a、10bのうち取付板8の中央側の分割片10aは、他方の金属板端子10と接近しているので、互いに電気的に接続しないようにする必要性から狭い幅に形成されている。しかし、このように幅を狭くするとこの先端部10cは小さな外力が掛かっただけで先端部10cが取付板8の表面から浮き上がる方向に変形することがあり、この浮き上がった状態でリード3が溶接されると、この先端部10cが取付板8の外表面から突出した状態で固定される。そのために、コンデンサをプリント基板に実装する際に、その浮き上がった先端部10cにより金属板端子10とプリント基板導体との間の半田付を良好に行うことができず、その結合強度の低下を引き起こすこととなる。つまり、本発明は、金属板端子とプリント基板導体との半田付強度の低下を防いで、コンデンサのプリント基板への取付けを確実に行わせることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明における電子部品は、図4に示したコンデンサと同様に、同一端面より複数のリードが引出されている電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接されその一側縁より上記リード間の距離にほぼ等しい間隔でスリットが形成され、その外表面に上記取付板の上記以外の各側縁にそれぞれ向けて延在する複数の金属板端子がインサート成型により接合され、上記各スリットを通過した上記各リードが上記各金属板端子にそれぞれ接続されている絶縁物製の取付板とよりなる。
【0011】
本発明の特徴として、上記各金属板端子は、その一部に上記各スリットが重なり、当該各スリットにより切割られた両側の分割片のうち各金属板端子の延在する上記取付板側縁から遠い側の幅が狭い各分割片における上記各スリットの開口側の先端部に上記取付板内に埋没する折曲部が形成されている。このような金属板端子は、製作時に上記所定の分割片の先端部分に折曲げ加工を施しておき、この折曲部を有する金属板端子を上記取付板のモールド成型時にインサートする。
【0012】
望ましい実施態様では、上記各金属板端子は、上記スリットにより切割られた両側の上記分割片のうち上記金属板端子の延在する上記取付板側縁に近い上記分割片は結合孔を有し、この結合孔内にはモールド時に取付板を構成する絶縁物が充満する。また、結合孔の口縁の一部より取付板内部へ向けて舌片を伸延させることもできる。
【0013】
上述のように、金属板端子の幅が狭い分割片の先端部に形成した折曲部を取付板内に埋没させているので、その先端部が取付板の表面から浮き上がらないように留めておくことができ、これによって、金属板端子の表面が平らな状態でリードに接続させることができる。従って、電子部品をプリント基板に実装する際に、表面の平らな金属板端子をプリント基板導体の表面に半田付けすることができ、これにより、半田付を確実に行うことができる。そして、分割片の折曲部を取付板に埋没させているので、金属板端子の取付板に対する接合強度も高まり、結果として、プリント基板に対する電子部品の取付強度を高めることができる。
【0014】
また、この折曲部が形成されていない他方の分割片に結合孔または舌片を設けることにより、その部分における取付板との接合強度を高めたときは、金属板端子がその全面にわたって取付板から剥離する惧れが無くなるため、プリント基板に対する電子部品の取付強度を更に高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1において、コンデンサ本体5の端面に絶縁物製の取付板8が当接している。取付板8の外側面、即ち下面には、対向する側縁8b、8cよりそれぞれ中心方向に向けて金属板端子10、10が接合され、別の側縁8aよりそれぞれ金属板端子10、10へ向けて互いに平行なスリット9、9が形成されている。コンデンサ本体5の端面からは、取付板8の厚さにほぼ等しい長さのリード3、3がスリット9、9の間隔に等しい間隔で導出されている。
【0016】
各金属板端子10、10は各スリット9、9と一部重なっており、これら各スリット9、9により切割られた各金属板端子10、10の両側の分割片(10a、10b)、(10a、10b)のうち、各金属板端子10、10の延在する取付板側縁8b、8cに近い各分割片10b、10bに、図1に示すように結合孔11が形成されている。そして、各結合孔11内には取付板8を構成する絶縁物を充満させており、この箇所における取付板8との接合強度を高めている。上述のコンデンサがプリント基板に実装される際、各金属板端子10、10は全面的に基板導体に半田付されるが、コンデンサに加わった衝撃、振動等により取付板8とプリント基板との間に加わる力は、取付板8の中心部分よりも側縁部分の方が大きく、従って金属板端子10、10はこの箇所から剥離し易いが、これを上述の結合孔11、・・・・によって阻止することができる。
【0017】
各金属板端子10、10の、図1、及び図2に示す各スリット9、9により切割られた両側の分割片(10a、10b)、(10a、10b)のうち、各金属板端子10、10の延在する取付板側縁8b、8cから遠い各分割片10a、10aは、スリット9、9の開口側の先端部に取付板8内に埋没する折曲部10d、10dを有している。各金属板端子10、10には予め折曲部10dが加工されており、これをモールドにインサートして取付板8を製作することにより、折曲部10dは取付板8内に埋没した状態になり、各金属板端子10、10と取付板8との接合強度を高めることができる。
【0018】
また、折曲部10d、10dを取付板8内に埋没させたことにより、折曲部10d、10dが取付板8の表面から浮き上がることがなく、この折曲部10dが形成されている各分割片10a、10aが取付板8の表面に沿う平らな状態で各リード3、3とレーザ溶接により接続される。その結果、コンデンサをプリント基板上に実装する際に、外表面が平らであるこれら金属板端子10、10をプリント基板導体の表面に確実に接続できて金属板端子10、10とプリント基板導体との結合強度を高めることができる。これによって、プリント基板に対するコンデンサの取付強度を高めることができる。
【0019】
上述の実施例は、本発明を円筒形アルミ電解コンデンサに実施したものであるが、本発明は同様に一端面からリードが導出されている他の電子部品にも実施することができるものである。
【0020】
そして、図には示さないが、結合孔11の口縁の一部より取付板8の内部へ向けて舌片を伸延させて埋没させることにより、各金属板端子10、10と取付板8との結合強度を更に高めることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数のリードが一端より導出されている電子部品に取付板を結合して面実装型に変更する際に、リードを取付板の貫通孔に挿通しなければならない問題を解決すると同時に、取付板に設けた金属板端子とプリント基板導体との半田接続を確実にし、同時に金属板端子と取付板との接合をも強固なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したアルミ電解コンデンサの底面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う取付板の部分拡大断面図である。
【図3】従来の面実装型電子部品の一例を示し、(a)は一部切断正面図、(b)は底面図である。
【図4】本発明によらない改良された面実装型電子部品を示し、(a)は一部切断正面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
3 リード
5 コンデンサ本体
8 取付板
8a〜8d 取付板の側縁
9 スリット
10 金属板端子
10a 分割片
10b 分割片
10d 折曲部
11 結合孔
Claims (3)
- 同一端面より複数のリードが引出されている電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接されその一側縁より上記リード間の距離にほぼ等しい間隔でスリットが形成され、その外表面に上記取付板の上記以外の各側縁にそれぞれ向けて延在する複数の金属板端子がインサート成型により接合され、上記各スリットを通過した上記各リードが上記各金属板端子にそれぞれ接続されている絶縁物製の取付板とよりなり、
上記各金属板端子は、その一部に上記各スリットが重なり、当該各スリットにより切割られた両側の分割片のうち各金属板端子の延在する上記取付板側縁から遠い側の幅が狭い各分割片における上記各スリットの開口側の先端部に上記取付板内に埋没する折曲部が形成されていることを特徴とする電子部品。 - 請求項1に記載の電子部品において、上記各金属板端子は、上記スリットにより切割られた両側の上記分割片のうち上記金属板端子の延在する上記側縁に近い上記分割片に、上記絶縁物によって充たされた結合孔を有することを特徴とする電子部品。
- 請求項1に記載の電子部品において、上記各金属板端子は、上記スリットにより切割られた両側の上記分割片のうち上記金属板端子の延在する上記側縁に近い上記分割片に、上記取付板内に埋没している舌片を有することを特徴とする電子部品。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14799096A JP3563202B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 電子部品 |
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JP14799096A JP3563202B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 電子部品 |
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JPH09306785A JPH09306785A (ja) | 1997-11-28 |
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JP14799096A Expired - Lifetime JP3563202B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 電子部品 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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KR101133583B1 (ko) * | 2011-10-17 | 2012-04-04 | 주식회사 비츠로셀 | 결합 커패시터 모듈 및 이의 제조방법 |
-
1996
- 1996-05-16 JP JP14799096A patent/JP3563202B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09306785A (ja) | 1997-11-28 |
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