JP3563197B2 - 電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リード線形式の電子部品のプリント基板への取付を容易にするために、その端面に実装用の絶縁板を取付けた、いわゆるリードレスの電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来のこの種のリードレス電子部品として、例えば特開昭59−211213号公報に示されているような電解コンデンサが存在する。
このリードレスアルミ電解コンデンサは、図2に示すように、コンデンサ素子1を金属ケース2内に収納し、コンデンサ素子1より伸びるリード3、3をケース2の開口端を封口する封口部材4を通して引き出してなるコンデンサ本体5と、このコンデンサ本体5のリード3、3を引き出した端面に当接され、かつリード3、3が貫通する貫通孔6、6及び外表面に設けた貫通孔6、6につながる凹溝7、7を有する絶縁性取付板8とからなり、貫通孔6、6を貫通したリード3、3の先端部を丸棒のまま、又は偏平加工を施した凹溝7、7内に納めるように折曲げ、この折曲げ部から先をプリント基板への半田付部とするものである。
【0003】
しかし、このコンデンサでは、凹溝7、7内に折曲げて納めたリード3、3の周面の外側部分のみが基板への半田付面となるために半田付面積が小さくなり、コンデンサをプリント基板に面実装する工程において、プリント基板に対するコンデンサの位置決めが困難である。そして、コンデンサとプリント基板の導体との接触面積が狭いために相互間に付着する溶融半田量が少なく、従って、接着強度を十分にとることができない。また、リード3、3を折曲げる際に内部のコンデンサ素子1にストレスが加わって特性を劣化させ易く、これを軽減するためにリード3、3の折曲げ予定箇所に切り込みを入れるなど、予め折曲げ易くすることも行われているが、これにより、プリント基板に実装したコンデンサに衝撃や振動が加わった場合に、リードが折曲げ部で断線することがある。
【0004】
更にこのようなコンデンサには、コンデンサ素子に取付板を結合する際に、リードを小径の貫通孔に挿通しなければならぬ問題がある。この挿通作業は、手作業で行えば非能率的なものとなり、自動化しようとすればコンデンサ素子と取付板の相互関係に非常な高精度を要し、特にリードが細線の場合は2本のリードが必ずしも平行になっていないので、その取扱いが困難である。そのためにこのような作業を自動化すると、装置が如何に精巧であっても、リードが貫通孔に挿通されずにコンデンサ本体端面と取付板との間で偏平な塊状に圧縮された形となり、このようなものが完成品として送出されることがある。量産工程では、このような不良品が1個でも発見されると、そのロットの製品の全てを廃棄することになるので、これによる損害は非常に大きい。
【0005】
上述のような取付板付きの電解コンデンサの問題点を解決するために、図3に示すように貫通孔6、6の代わりにスリット9、9を取付板8に設けることが考えられる。同図において、取付板8の外表面には、インサート成形により金属板端子10、10が接合されており、取付板8の一側縁8aから金属板端子10、10へ向けて互いに平行なスリット9、9が設けられている。コンデンサ本体5のリード3、3の長さは取付板8の厚さにほぼ等しく、その間隔はスリット9、9の間隔にほぼ等しい。
【0006】
上述の取付板8とコンデンサ本体5とを結合する際は、リード3、3を取付板側縁8aからスリット9、9内へ導入し、取付板8とコンデンサ本体5との位置を所定関係に保ち、リード3、3をそれぞれ金属板端子10、10へレーザー溶接する。
【0007】
図3に示したコンデンサは、リードを小径の貫通孔へ挿通しなくてよいので生産が容易であり、リードを折曲げなくてよいのでコンデンサ素子への悪影響やリードの断線を回避することができる。また面積が広い金属板端子が存在するため、プリント基板導体への半田付が容易である。しかし、プリント基板への取付強度は、取付板と金属板端子との結合強度に依存する。よって本発明はこの取付板と金属板端子との結合強度を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明における電子部品は、図3に示したコンデンサと同様に、複数のリードを同一端面から引出した電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接している絶縁物製の取付板とからなる。この取付板の外側面には、上記各リードにそれぞれ接続されて上記取付板の各側縁にそれぞれ向けて複数の金属板電極が、上記取付板をモールド成型する際にインサートすることにより一体に接合されている。また、上記取付板には、上記以外の側縁から上記各リード位置へ向かって複数のスリットがほぼ平行に形成されている。即ち、各リードは各スリット内をそれぞれ通って、取付板の外側面に位置する各金属板端子に接続されている。
【0009】
本発明の特徴として、上記各金属板端子には、上記スリットに重なる位置に、これらスリットの壁面の一部をなす折曲部が形成されている。このような金属板端子は、製作時にスリット部分に折曲げ加工を施しておき、この折曲部を有する金属板端子を上記取付板のモールド成型時にインサートする。
【0010】
望ましい実施態様では、上記金属板端子は適所に結合孔を有し、この結合孔内にはモールド時に取付板を構成する絶縁物が充満する。この結合孔は、少なくとも金属板端子の取付板の側縁に近い端部、即ちスリットとは反対側の端部近傍に設けることが望ましい。また、結合孔の口縁の一部より取付板内部へ向けて舌片を伸延させることもできる。
【0011】
上述のように、金属板端子は、スリット部分に折曲部を有する状態でインサート成型が行われる結果、折曲部も取付板を形成する絶縁物に接合してスリット壁面の一部を構成するようになる。そのために、金属板端子の取付板に対する接合強度が高まるばかりでなく、リードに対する溶接或いは半田付の面積が拡がって、リードとの結合強度も高まる。そして結果として、プリント基板に対する電子部品の取付強度を高めることができる。
【0012】
また、金属端子板の上述のスリット部分における折曲部に加えて、これとは反対側の端部の近傍に結合孔または舌片を設けることにより、その部分における取付板との接合強度を高めるときは、金属端子板がその全面にわたって取付板から剥離する惧れが無くなるため、プリント基板に対する電子部品の取付強度を更に高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1(a)及び(b)において、コンデンサ本体5の端面に絶縁物製の取付板8が当接している。取付板8の外側面、即ち下面には、対向する側縁8a、8cよりそれぞれ中心方向に向けて金属板端子10、10が接合され、別の側縁8aよりそれぞれ金属板端子10、10へ向けて互いに平行なスリット9、9が形成されている。コンデンサ本体5の端面からは、取付板8の厚さにほぼ等しい長さのリード3、3がスリット9、9の間隔に等しい間隔で導出されている。
【0014】
各金属板端子10、10は、取付板側縁8b、8cに接近した箇所に、図1(c)に示すように舌片12付きの結合孔11、11が形成されており、この箇所における取付板8との接合強度を高めている。上述のコンデンサがプリント基板に実装される際、各金属板端子10、10は全面的に基板導体に半田付されるが、コンデンサに加わった衝撃、振動等により取付板8とプリント基板との間に加わる力は、取付板8の中心部分よりも側縁部分の方が大きく、従って金属板端子10、10はこの箇所から剥離し易いが、これを上述の結合孔11、11によって阻止することができる。
【0015】
各金属板端子10、10は、図1(d)に示すようにスリット9、9内へ向かった折曲部13を有し、この折曲部はスリット9、9の壁面の一部をなしている。各金属板端子10、10には予め折曲部13が加工されており、これをモールドにインサートして取付板8を製作することにより、折曲部13も取付板8に接合された状態になり、各金属板端子10、10と取付板8との接合強度を高めることができる。
【0016】
また、折曲部13を設けたことにより各金属板端子10、10のリード3、3に対する接触面積が大きくなる結果、両者をレーザー溶接により接続する作業が容易になり、かつ接続強度も向上する。そしてこのようなコンデンサをプリント基板上に実装する際には、折曲部13に沿って這上がった溶融半田がレーザー溶接されていない隙間を埋めるため、各金属板端子10、10のリード3、3への結合を一層強固にする。従ってコンデンサを極めて強力にプリント基板上に固定することが可能になる。
【0017】
上述の実施例は、本発明を円筒形アルミ電解コンデンサに実施したものであるが、本発明は同様に一端面からリードが導出されている他の電子部品にも実施することができるものである。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数のリードが一端より導出されている電子部品に取付板を結合して面実装型に変更する際に、リードを取付板の貫通孔に挿通しなければならない問題を解決すると同時に、取付板に設けた金属板端子とリードの接続を容易かつ強固にし、同時に金属板端子と取付板との接合をも強固なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したアルミ電解コンデンサを示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は底面図におけるc−c線に沿う拡大断面図、(d)は底面図におけるd−d線に沿う拡大断面図である。
【図2】従来の面実装型電子部品の一例を示し、(a)は一部切断正面図、(b)は底面図である。
【図3】本発明によらない改良された面実装型電子部品を示し、(a)は一部切断正面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
3 リード
5 コンデンサ本体
8 取付板
8a〜8c 取付板の側縁
9 スリット
10 金属板端子
11 結合孔
12 舌片
13 折曲部
Claims (3)
- 複数のリードを同一端面より引出した電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接された絶縁物製の取付板とからなり、上記取付板には、その外側面に上記各リードにそれぞれ接続されて上記取付板の各側縁にそれぞれ向けて延在する複数の金属板電極がインサート成型により接合されており、かつ上記以外の側縁より上記各リード位置へ向けて複数のスリットがほぼ平行に形成されており、上記各金属板端子にはこれらスリットに重なる位置においてこれらスリットの壁面の一部を構成する折曲部が形成されていることを特徴とする電子部品。
- 請求項1に記載の電子部品において、上記各金属板端子は、少なくともその取付板側縁に近い端部の近傍に、上記絶縁物によって充たされた結合孔を有することを特徴とする電子部品。
- 請求項1に記載の電子部品において、上記各金属板端子は、少なくともその取付板側縁に近い端部の近傍に、上記取付板内に埋没している舌片を有することを特徴とする電子部品。
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- 1996-04-24 JP JP12898996A patent/JP3563197B2/ja not_active Expired - Lifetime
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