JP3565990B2 - 電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リード線形式の電子部品のプリント基板への取付を容易にするために、その端面に実装用の絶縁板を取付けた、いわゆるリードレスの電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来のこの種のリードレス電子部品として、例えば特開昭59−211213号公報に示されているような電解コンデンサが存在する。
このリードレスアルミ電解コンデンサは、図2に示すように、コンデンサ素子1を金属ケース2内に収納し、コンデンサ素子1より伸びるリード3、3をケース2の開口端を封口する封口部材4を通して引き出してなるコンデンサ本体5と、このコンデンサ本体5のリード3、3を引き出した端面に当接され、かつリード3、3が貫通する貫通孔6、6及び外表面に設けた貫通孔6、6につながる凹溝7、7を有する絶縁性取付板8とからなり、貫通孔6、6を貫通したリード3、3の先端部を丸棒のまま、又は偏平加工を施して凹溝7、7内に納めるように折曲げ、この折曲げ部から先をプリント基板への半田付部とするものである。
【0003】
しかし、このコンデンサでは、凹溝7、7内に折曲げて納めたリード3、3の周面の外側部分のみが基板への半田付面となるために半田付面積が小さくなり、コンデンサをプリント基板に面実装する工程において、プリント基板に対するコンデンサの位置決めが困難である。そして、コンデンサとプリント基板の導体との接触面積が狭いために相互間に付着する溶融半田量が少なく、従って、接着強度を十分にとることができない。また、リード3、3を折曲げる際に内部のコンデンサ素子1にストレスが加わって特性を劣化させ易く、これを軽減するためにリード3、3の折曲げ予定箇所に切り込みを入れるなど、予め折曲げ易くすることも行われているが、これにより、プリント基板に実装したコンデンサに衝撃や振動が加わった場合に、リードが折曲げ部で断線することがある。
【0004】
更にこのようなコンデンサには、コンデンサ素子に取付板を結合する際に、リードを小径の貫通孔に挿通しなければならぬ問題がある。この挿通作業は、手作業で行えば極めて非能率的なものとなり、自動化しようとすればコンデンサ素子と取付板の相互関係に非常な高精度を要し、特にリードが細線の場合は2本のリードが必ずしも平行になっていないので、その取扱いが困難である。そのためにこのような作業を自動化すると、装置が如何に精巧であっても、リードが貫通孔に挿通されずにコンデンサ本体端面と取付板との間で偏平な塊状に圧縮された形となり、このようなものが完成品として送出されることがある。量産工程では、このような不良品が1個でも発見されると、そのロットの製品の全てを廃棄することになるので、これによる損害は非常に大きい。
【0005】
上述のような取付板付きの電解コンデンサの問題点を解決するために、図3に示すように貫通孔6、6の代わりにスリット9、9を取付板8に設けることが考えられる。同図において、取付板8の外表面には、インサート成形により金属板端子10、10が接合されており、取付板8の一側縁8aから金属板端子10、10へ向けて互いに平行なスリット9、9が設けられている。コンデンサ本体5のリード3、3の長さは取付板8の厚さにほぼ等しく、その間隔はスリット9、9の間隔にほぼ等しい。
【0006】
上述の取付板8とコンデンサ本体5とを結合する際は、リード3、3を取付板側縁8aからスリット9、9内へ導入し、取付板8とコンデンサ本体5との位置を所定関係に保ち、リード3、3をそれぞれ金属板端子10、10へレーザー溶接する。
【0007】
図3に示したコンデンサは、リードを小径の貫通孔へ挿通しなくてよいので生産が容易であり、リードを折曲げなくてよいのでコンデンサ素子への悪影響やリードの断線を回避することができる。また面積が広い金属板端子が存在するため、プリント基板導体への半田付が容易である。しかし、金属板端子10は厚さtが0.1〜0.2mm程度にすぎないので、これと溶接できるようにリード3の先端の位置を規定するのが難しく、余裕を見てリード3の先端を金属板端子面から突出させるときは、突出部分が完成した電子部品をプリント基板に実装する際に障害になる。また、リードの工業的な切断手段においては、リード3の切断面から切断バリ11が突出することが多いが、この切断バリ11や溶接バリ12もプリント基板への実装時に障害になる。そして、総じてリード3と金属板端子10との溶接が困難で、溶接が金属端子の厚さtに相当する深さまでしかできないので、リード3と金属板端子10との結合強度が不充分である。
【0008】
従って本発明は、このような取付板に設けた金属板端子にリード先端を溶接する電子部品において、溶接を容易に、確実に、強固に、しかもプリント基板への実装時に障害とならないように行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品は、複数のリードを同一端面より引出した電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接され、上記各リードそれぞれ対応する位置に上記各リードを挿通できる孔またはスリットが形成されその外表面に上記各リードにそれぞれ電気的に接続された金属板端子をそれぞれ有している絶縁物製取付板とよりなる。
【0010】
本発明の特徴として、上記金属板端子は上記孔またはスリット内へ押込まれた折曲部を有し、上記リードの先端面の周縁の少なくとも一部がこの折曲部に溶接されている。この場合、上記リードの先端面の切断バリが上記金属板端子の外表面から突出してはならない。そして、上記リード先端面は上記金属板端子の外表面から同端子の厚さの1乃至3倍の深さに置かれることが望ましく、最適の深さは、断面が円弧状をなしている上記折曲部の肩部分の最奥部付近である。
【0011】
上述のように本発明においては金属端子板に折曲部を形成し、これにリードの先端を溶接するため、金属端子板の切断端縁にリード先端を溶接する場合に較べてリード先端の位置の調節範囲が拡がり、溶接作業が著しく容易になり、しかもリードの先端やその切断バリが金属端子板面より突出しないようにすることが容易である。そして、溶接は金属端子板の厚さよりも大幅に深部まで行われるために、溶接の強度も向上する。
【0012】
また、折曲部を形成する際に、その肩部は金属端子の厚さの1倍以上、3倍以内の曲率半径になるので、リードの先端面を図4に示すように金属板端子の外表面近傍に位置させると、リードの先端面と金属端子板との間隔が拡がって溶接が不確実になり、所望通りの溶接が出来なくなるが、リードの先端面と折曲部の肩部の最奥部、即ち金属板端子外表面より上記曲率半径に相当する深さ付近に位置させることにより、リード先端面と折曲部内面との間隔が狭くなって、確実な溶接が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1において、コンデンサ本体5の端面に絶縁物製の取付板8が当接している。取付板8の外側面、即ち下面には、対向する側縁8b、8cよりそれぞれ中心方向に向けて金属板端子10、10が接合され、別の側縁8aよりそれぞれ金属板端子10、10へ向けて互いに平行なスリット9、9が形成されている。コンデンサ本体5の端面からは、取付板8の厚さにほぼ等しい長さのリード3、3がスリット9、9の間隔に等しい間隔で導出されており、これらリード3、3はそれぞれスリット9、9の最奥部において金属板端子10、10にレーザー溶接されている。
【0014】
金属板端子10、10のスリット9、9と重なる部分は、スリット9、9内へ押込まれて、その内壁の一部をなす折曲部13、13を形成している。折曲部13、13の入口部分は、曲率半径rの肩部分14を形成するが、曲率半径rの値は通常金属板端子10の厚さtの1乃至3倍である。リード3は、その先端面が肩部分14の最奥部付近、即ち金属板端子10の外表面からt乃至3tの深さに置かれ、その周縁が折曲部13にレーザー溶接される。溶接部15は、表層部分だけでなく、リード3の周面に沿い奥深く形成される。
【0015】
ちなみに、図4に示すようにリード3の先端面を金属板端子10の外表面付近に位置させるときは、リード先端面と折曲部13との隙間が拡がるために溶接が困難になり、所望箇所を確実に溶接することができなくなる。
【0016】
上述の実施例は、図3に示したようなスリットを設けた取付板に本発明を実施したものであるが、本発明は図2に示したような貫通孔を有する取付板に金属板端子を設け、これにリードの先端を溶接する場合にも有効である。また、上述の実施例は、本発明を円筒形アルミ電解コンデンサに実施したものであるが、本発明は同様に一端面よりリードが導出されている他の電子部品にも実施することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数のリードが一端より導出されている電子部品に取付板を結合して面実装型に変更する際に、リードと取付板に設けた金属板端子との間の溶接を容易かつ確実にして、プリント基板に対する電子部品の取付強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は底面図におけるC−C線に沿う拡大断面図である。
【図2】従来の面実装型コンデンサを示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図3】本発明によらない改良された面実装型コンデンサを示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は底面図におけるC−C線に沿う拡大断面図である。
【図4】図1に示す実施例において、リード先端面の位置を変えた場合の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
3 リード
5 コンデンサ本体
8 取付板
9 スリット
10 金属板電極
11 切断バリ
13 折曲部
14 肩部分
15 溶接部
Claims (3)
- 複数のリードを同一端面より引出した電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接され、上記各リードそれぞれ対応する位置に上記各リードを挿通できる孔またはスリットが形成されその外表面に上記各リードにそれぞれ電気的に接続された金属板端子をそれぞれ有している絶縁物製取付板とよりなり、上記金属板端子は上記孔またはスリット内へ押込まれた折曲部を有し、上記リードの先端面は、少なくともその切断バリが上記金属板端子の外表面よりも内方に位置するように上記折曲部内に置かれ、上記リード先端面の周縁の少なくとも一部が上記折曲部に溶接されていることを特徴とする電子部品。
- 複数のリードを同一端面より引出した電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接され、上記各リードそれぞれ対応する位置に上記各リードを挿通できる孔またはスリットが形成されその外表面に上記各リードにそれぞれ電気的に接続された金属板端子をそれぞれ有している絶縁物製取付板とよりなり、上記金属板端子は上記孔またはスリット内へ押込まれた折曲部を有し、上記リードの先端面は、上記折曲部の断面が円弧状をなす肩部分の最奥部付近に位置し、上記リード先端面の周縁の少なくとも一部が上記折曲部に溶接されていることを特徴とする電子部品。
- 複数のリードを同一端面より引出した電子部品本体と、この電子部品本体の上記端面に当接され、上記各リードそれぞれ対応する位置に上記各リードを挿通できる孔またはスリットが形成されその外表面に上記各リードにそれぞれ電気的に接続された金属板端子をそれぞれ有している絶縁物製取付板とよりなり、上記金属板端子は上記孔またはスリット内へ押込まれた折曲部を有し、上記リードの先端面は、上記金属板端子の外表面よりその厚さの1乃至3倍の深さの位置にあってその周縁の少なくとも一部が上記折曲部に溶接されていることを特徴とする電子部品。
Priority Applications (2)
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US08/844,496 US5880926A (en) | 1996-04-19 | 1997-04-18 | Electronic device with mounting structure |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14799196A JP3565990B2 (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 電子部品 |
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JPH09306786A JPH09306786A (ja) | 1997-11-28 |
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ID=15442693
Family Applications (1)
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JP14799196A Expired - Lifetime JP3565990B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-05-16 | 電子部品 |
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1996
- 1996-05-16 JP JP14799196A patent/JP3565990B2/ja not_active Expired - Lifetime
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