JPWO2007145144A1 - 光変調器 - Google Patents

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健治 河野
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雅也 名波
佐藤 勇治
勇治 佐藤
内田 靖二
靖二 内田
五十嵐 信弘
信弘 五十嵐
中平 徹
中平  徹
英司 川面
英司 川面
松本 聡
松本  聡
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Abstract

【要約】
【課題】 駆動電圧が低く、かつ高速で変調が可能な光変調器を提供する。
【解決手段】光導波路3と、進行波電極4とを有し、進行波電極が、光の位相を変調するための相互作用部9と、入力用フィードスルー部7を具備する光変調器において、相互作用部の特性インピーダンスと、入力用フィードスルー部、入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタ、もしくは外部回路の少なくとも1つの特性インピーダンスとのインピーダンス不整合を低減するための少なくとも1つのインピーダンス変換部を具備し、インピーダンス変換部の少なくとも1つが、相互作用部の特性インピーダンスと入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、相互作用部の特性インピーダンスとコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは相互作用部の特性インピーダンスと外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なる特性インピーダンスを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は駆動電圧が低く、かつ高速で変調が可能な光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。
[第1の従来技術]
このLN光変調器にはz−カット基板を使用するタイプとx−カット基板(あるいはy−カット基板)を使用するタイプがある。ここでは、第1の従来技術としてx−カットLN基板とコプレーナウェーブガイド(CPW)進行波電極を使用したx−カット基板LN光変調器をとり上げ、その斜視図を図15に示す。図16は図15のA−A’における断面図である。なお、以下の議論はz−カット基板でも同様に成り立つ。
図中、1はx−カットLN基板、2は1.3μm、あるいは1.55μmなど光通信において使用する波長領域では透明な200nmから1μm程度の厚みのSiOバッファ層、3はx−カットLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、光は光入射用端面30から光導波路3に入射させる。なお、この光導波路3はマッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成しており、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。CPW進行波電極4は中心導体4a、接地導体4b、4cからなっている。また、図16においてSは中心導体4aの幅で6μmから20μm程度であり、一般には10μm前後が使用されている。一方、Wは中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップ(あるいはCPWのギャップ)である。
この第1の従来技術では、中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧(通常はDCバイアス電圧)と高周波電気信号(マイクロ波、あるいはRF電気信号とも言う)を重畳して印加する。また、SiOバッファ層2は高周波電気信号の等価屈折率n(あるいは、マイクロ波等価屈折率n)を光導波路3a、3bを伝搬する光の実効屈折率nに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
次に、このように構成されるLN光変調器の動作について説明する。このLN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間にDCバイアス電圧と高周波電気信号とを印加する必要がある。
図17に示す電圧−光出力特性はある状態でのLN光変調器の電圧−光出力特性であり、Vはその際のDCバイアス電圧である。この図17に示すように、通常、kDCバイアス電圧Vは光出力特性の山と底の中点に設定される。
図18には半波長電圧Vπと相互作用部の長さLとの積Vπ・LとCPWのギャップWとの関係を示す。なお、CPWのギャップWとしては、現状20μm〜30μm程度が使用されている。CPWのギャップWを狭くすると、相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光と相互作用する高周波電界強度が大きくなる。従って、この図に示すように、CPWのギャップWを狭くすると、この積Vπ・Lは小さくなる。そして、この積Vπ・Lが低いほど駆動電圧が低いLN光変調器を実現できる。10Gbps以上の速度でLN光変調器を駆動する際の駆動電圧は5〜6V程度が実用上の限界であり、さらに少しでも駆動電圧が低いことが望まれる。よって駆動電圧の観点からは、CPWのギャップWは狭いことが望ましい。
図19には高周波電気信号のマイクロ波の等価屈折率nとCPWのギャップWとの関係を示す。図には相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率n(n≒2.2)も示している。
CPWのギャップWが狭くなると中心導体4aと接地導体4b、4cの間に生成された高周波電気信号は比誘電率が4程度と低いSiOバッファ層2を多く感じるので、マイクロ波等価屈折率nを低減することができる(なお、x−カットLN基板1の比誘電率は35程度である)。
一般に、マイクロ波等価屈折率nは光の等価屈折率nよりも大きく、LN光変調器を高速・広帯域で動作する際の大きな制限要因となっている。そのためLN光変調器を10Gbps以上の高速で駆動するには、マイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに近づけることが不可欠となる。この観点からもCPWのギャップWは狭いことが望ましい。
以上のように、駆動電圧を低減するとともにマイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに近づけるという観点からはCPWのギャップWは狭いことが望ましいことがわかったが、第1の従来技術においてCPWのギャップWを15μm以下に狭くした際に生じる問題点について以下に記す。
図20は中心導体4aと接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の特性インピーダンスZ(以下の図22におけるZに対応)についてCPWギャップWを変数として示す。CPWギャップWを狭くすると、特性インピーダンスZが30Ωあるいはそれ以下と著しく低くなり、ほぼ50Ω系の外部信号源との間にインピーダンス不整合を生じてしまう。つまり、高周波電気信号のパワー反射率(いわゆるS11)が劣化するという問題が生じる。
次に、このことについてさらに詳しく考察する。図15に示したx−カットLN光変調器を構成する中心導体4aと接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を図21に示す。
ここで、Iは不図示の外部信号源からの高周波電気信号をCPW進行波電極4に印加するための不図示のコネクタの芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)を接続する入力用フィードスルー部、IIは入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIとの接続部(あるいは入力側接続部)、IIIは電気信号と光が相互作用する相互作用部、IVは出力用フィードスルー部Vと相互作用部IIIとの接続部(あるいは出力側接続部)である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタの芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続される。
なお、入力用フィードスルー部Iの中心導体において高周波電気信号を給電する部位を給電部とし、また、出力用フィードスルーの中心導体において高周波電気信号を取り出す部位を出力部と呼ぶ。
図22には図15に示したx−カットLN光変調器の等価回路を示す。ここで、5と6は外部回路に対応し、5は電気的ドライバなどの外部信号源、6は外部信号源の負荷抵抗(特性インピーダンスをRとする)を表す。また、7〜11は入力用フィードスルー部Iから出力用フィードスルー部Vまでの等価的な線路に各々対応する。具体的には、7は入力用フィードスルー部I、8は入力側接続部II、9は相互作用部III、10は出力側接続部IV、11は出力用フィードスルー部Vの線路を各々表す。また、12は終端抵抗である。
さらに、Z〜Zは入力用フィードスルー部Iから出力用フィードスルー部Vまでの特性インピーダンスであり、具体的には、Zは入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Zは入力側接続部II(あるいは線路8)、Zは相互作用部III(あるいは線路9)、Zは出力側接続部IV(あるいは線路10)、Zは出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスに対応している。また、Zは終端抵抗12の抵抗値である。
次に、図15から図22に示した第1の従来技術のx−カットLN光変調器について、インピーダンス不整合と変調帯域の観点からの問題点について考察する。
図22において、Zinは外部信号源5と負荷抵抗6(インピーダンスR)からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。つまり、Zinは入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12の抵抗値Zを、各部の長さと各部を伝搬する電気信号の等価屈折率を考慮した伝送線路の縦続接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。図中の13は外部信号源5や負荷抵抗6と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。
駆動電圧を下げ、マイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに近づけるためにCPWギャップWを15μm以下と狭くした場合を考察する。この場合、相互作用部IIIの特性インピーダンスZは30Ωあるいはそれ以下と低くなる。
さて、第1の従来技術では、その他の線路7、8、10、11の特性インピーダンス、つまり入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12の抵抗値Zは全て相互作用部IIIの特性インピーダンスZと等しくしていた(つまり、Z=Z=Z=Z=Z=Z)。
その結果、外部信号源5の負荷抵抗6からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスZinの実部Re(Zin)は図23の実線で示すようにほとんど周波数fに依存せず、相互作用部IIIの特性インピーダンスZと一致し、30Ωもしくはそれ以下と低かった。
それに伴い、光の変調指数(パワー変調指数)|m|入力インピーダンスZinと外部信号源5の負荷抵抗6(インピーダンスR)とのインピーダンス不整合のために、図24に示すように、周波数fとともに急速に劣化し3dB光変調帯域として10GHzを確保することが極めて困難であった。
なお、Z=Z=Z=Z=Z=Zと仮定すると、Zin(この場合には、Zin=Z)が30Ω以下、例えば22Ωになると高周波電気信号のパワー反射率(S11)は図25に示すように−10dBよりも高く(悪く)なってしまう(R=50Ω、Z=22Ωの場合には−8.2dBとなる。なお、実際の実験では、わずかなインピーダンス不整合により反射された高周波電気信号が重畳され、−5dB程度にまで劣化することになる)。ここで、高周波電気信号のパワー反射率(S11)は次の式で与えられる。
11=|(R−Zin)/(R+Zin)| (1)
また、反射された高周波電気信号が外部信号源5へ戻る際には、変調された光パルスのジッタを増加させてしまうという問題もある。
[第2の従来技術]
第1の従来技術における外部信号源5の特性インピーダンスRと相互作用部IIIの特性インピーダンスZとのインピーダンス不整合を改善するための技術として、特許文献1として提案された第2の従来技術について説明する。ここで、図15から図25に示した第1の従来技術と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
図26に第2の従来技術に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。第2の従来技術においても第1の従来技術と同様に、Iは入力用フィードスルー部、IIは入力側接続部、IIIは相互作用部、IVは出力側接続部、及びVは出力用フィードスルー部である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタ芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続されるのも同じである。これらの第1の従来技術と同じ構成に加えて、図26に示す第2の従来技術には長さLのインピーダンス変換部VIが付加されている。
図26の相互作用部IIIのB−B’におけるx−カットLN光変調器としての断面図を図27に示す。図16に示した第1の従来技術と同様に、図27に示す第2の従来技術でもCPWのギャップWを15μm程度以下と極めて狭く設定した場合を想定する。CPWのギャップWをこのように狭くすると、前述のように駆動電圧を低減できるとともに高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率nに近づけることができるという利点はあるものの、相互作用部IIIの特性インピーダンスZは30Ωかそれ以下となる(第1の従来技術で述べたように例えば22Ω)。
またインピーダンス変換部VIのC−C’におけるx−カットLN光変調器としての断面図を図28に示す。インピーダンス変換部VIにおけるCPWのギャップW’は50μm程度と相互作用部IIIにおけるCPWのギャップWよりも広く設定される。
図29には第2の従来技術の等価回路を示す。図22に示した第1の従来技術と同じく、Zは入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Zは入力側接続部II(あるいは線路8)、Zは相互作用部III(あるいは線路9)、Zは出力側接続部IV(あるいは線路10)、Zは出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスであるが、第2の従来技術には特性インピーダンスZのインピーダンス変換部VI(あるいは線路14)が付加されている。
図29中の13は外部信号源5の負荷抵抗6(特性インピーダンスR)と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。図29においてZin’は外部信号源5と外部信号源5の負荷抵抗6から第2の従来技術のx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。
つまり、Zin’は入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZを伝送線路の縦続接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。
前述のように、第2の従来技術においてはCPWギャップWを15μm以下と狭くしたので、相互作用部IIIの特性インピーダンスZは22Ωなど、30Ωあるいはそれ以下と低くなっている。
次に、インピーダンス変換部VIの作用について考察する。簡単のために、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZについて、Z=Z=Z=Z=Zが成り立っているとする。
この場合の等価回路を図30に示す。ここで、Z、Z、Z、Z、Zを合成して形成した合成部III’を表す伝送線路15の特性インピーダンスをZ’とした。また、図26に記した特性インピーダンスがZであるインピーダンス変換部VIの長さを図30にもLとして示している。
ここで、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZを外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRと同じ50Ωとする。
伝送線路の縦続接続の理論からよく知られているように、異なる2つの特性インピーダンスZとZの間に特性インピーダンスがZで電気的長さがLであるインピーダンス変換部がある場合に、Z、Z、Z及びLの間に
Z=(Z・Z1/2 (2)
L=λ/4 (3)
が成り立つならば、ZとZの間にインピーダンス整合が成り立ち、電気的反射は無くなる。ここで、λは高周波電気信号の電気的波長である。ZとZの相乗平均で表されたZを整合インピーダンスと呼ぶ。
なお、この第2の従来技術では、ZがZに、Z’がZに、ZがZに、LがLに対応する。つまり、この場合には入力用フィードスルー部I(Z)と合成部III’(Z’)との間にインピーダンス整合が成り立ち、電気的反射は無くなる。以下においては簡単のために、(2)式のZをZ、ZをZ’、ZをZ、さらに(3)式のLをLとして説明する。
なお、この第2の従来技術では、λは外部信号源5からの高周波電気信号がインピーダンス変換部VIのLN基板を伝搬する際の波長であり、LN基板を伝搬する電磁波の波長という意味で管内波長と呼ばれる。具体的には、高周波電気信号の真空中での波長をλとし、高周波電気信号がLN基板を伝搬する際の等価屈折率をn’とするとλは
λ=λ/n’ (4)
として与えられる。
次に、Z=R=50Ω、Z’=22Ωとした場合の電気的パワー反射率S11の周波数fに対する依存性について計算した例を図31に示す。ここで、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZは33.2Ωとなる。また、インピーダンス変換部VIの長さLはその等価屈折率n’を2.5として6mmとなる。なお、相互作用部IIIとインピーダンス変換部VIにおける各々の中心導体の幅SとS’は同じとした。
図31からわかるように、(2)式と(3)式を満足するようにインピーダンス変換部VIを設計すると、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzなどの特定の周波数において、S11を−50dB以下とでき、電気的なパワー反射をほぼ完全になくすことができる(なお、実際の実験において、ケーブルの接続部などからの電気的な反射などによりS11は負の無限大になることはないが、この第2の従来技術では(2)式と(3)式の条件を満たすものとする)。
以上述べたように、この第2の従来技術では(2)式と(3)式を満たす特定の周波数(ここでは、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzなど)においては、高周波電気信号の電気的な反射をほぼ完全になくすことができるが、通常、電気的パワー反射率S11としては−50dB、あるいはそれ以下といった極めて小さな値は必要ではなく、最低−12dB、あるいは−15dB程度あれば充分であり、いわばオーバースペックと言える。
逆に、図31から明らかなように、7.5GHz、12.5GHz、17.5GHzにおいては、電気的パワー反射率S11はその包絡線(図31中の破線)である−8.2dBのレベルまで劣化してしまい、第1の従来技術のレベルのように実用上使用できないほどの悪い反射特性となってしまう。
また、インピーダンス変換部VIの中心導体の幅S’は相互作用部IIIの中心導体の幅Sと同じ大きさ(一般には、10μm前後)と狭いので、高周波電気信号の等価屈折率nは2.5前後と小さい。従って、インピーダンス変換部VIの長さは(3)式と(4)式からわかるように、比較的長くなってしまう(この第2の従来技術では6mm)。特に図26に示したように、インピーダンス変換部VIを相互作用部IIIに垂直、あるいは大きな角度を持って形成する場合にはLN光変調器としての素子の横幅が大きくなり、1枚のLN基板ウェーハ当たりにとることのできるLN光変調器の数が少なくなってしまうという問題もあった。
さらには、前述のように、インピーダンス変換部VIの中心導体の幅S’は相互作用部IIIの中心導体の幅Sと同じ大きさ(一般には、10μm前後)と狭いので、インピーダンス変換部VIにおいて、高周波電気信号が減衰しやすく、高周波電気信号が相互作用部IIIにおける光変調に充分には利用できないという問題もあった。
特開2005−37547号公報
以上のように、入力側や出力側のフィードスルー部や相互作用部などのCPW進行波電極を構成する各部が全て同じ特性インピーダンスであった第1の従来技術に係る光変調器では、駆動電圧を低減するとともに、マイクロ波等価屈折率を光の等価屈折率に近づけるために、バッファ層を薄くしたり、CPW進行波電極のギャップを狭くすると、外部回路とのインピーダンス不整合が生じ、その結果、電気的パワー反射率の周波数特性が悪いとともに、変調周波数に対して光変調帯域が急速に劣化するという問題があった。またこれを解決するために、上記(2)式と(3)式を満たすインピーダンス変換部を設ける第2の従来技術では、特定の周波数において、電気的な反射をほぼ無視できるほどに、電気的パワー反射率を極めて小さくできるものの、他の周波数においては第1の従来技術のレベルにまで電気的な反射特性が劣化し、電気的な反射の観点から実用上使用できないという問題があった。さらに、第2の従来技術では光を変調する相互作用部とインピーダンス変換部の中心導体の幅が等しかったので、電気的な等価屈折率が比較的小さくなり、λを管内波長としてλ/4で与えられるインピーダンス変換部の長さが長くなり、結果的に1枚のウェーハ当たり生産できるLN光変調器の数が大幅に制限されるという問題があった。また、第2の従来技術ではインピーダンス変換部の中心導体の幅が相互作用部における中心導体と同程度まで狭く、インピーダンス変換部において高周波電気信号が減衰しやすく、相互作用部において充分には利用できないという問題もあった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極が、前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相が変調される領域である相互作用部と、外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部と前記相互作用部を通過して伝搬してくる前記高周波電気信号を出力するための出力用フィードスルー部を具備する光変調器において、前記光変調器は、前記相互作用部の特性インピーダンスと、前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンス、前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンス、もしくは前記外部回路の特性インピーダンスの少なくとも1つの特性インピーダンスとのインピーダンス不整合を低減するための少なくとも1つからなるインピーダンス変換部を具備し、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なる特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項2の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、そのうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均の少なくとも1つと同じ特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項3の光変調器は、請求項1または請求項2に記載の光変調器において、前記外部回路から前記入力用フィードスルー部に印加された前記高周波電気信号が残留反射を生じつつ、かつ前記インピーダンス変換部が無い場合と比較して電気的反射が小さくなって、前記相互作用部に伝搬することを特徴とする。
本発明の請求項4の光変調器は、請求項1から請求項3に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部の前記中心導体の幅が前記相互作用部の前記中心導体の幅よりも広いことを特徴とする。
本発明の請求項5の光変調器は、請求項1から請求項4に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部の前記中心導体の少なくとも一部が前記光導波路の長手方向に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項6の光変調器は、請求項1から請求項5に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部は、前記相互作用部が形成されている前記基板とは別体の基板上に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項7の光変調器は、請求項1から請求項6に記載の光変調器において、前記入力用フィードスルー部の中心導体は、前記高周波電気信号が給電される給電部を有し、前記出力用フィードスルー部の中心導体は、前記高周波電気信号が出力される出力部を有しており、前記相互作用部の長さが、前記給電部から前記出力部までの前記基板の長手方向における距離よりも長いことを特徴とする。
本発明の請求項8の光変調器は、請求項1から請求項7に記載の光変調器において、前記相互作用部における前記光の位相が変調される領域の始点から前記光導波路に光を入射するための光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離が、前記高周波電気信号の前記給電部から前記光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離よりも短いことを特徴とする。
本発明の請求項9の光変調器は、請求項1から請求項8に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つの前記中心導体と前記接地導体の間のギャップが、前記相互作用部の前記中心導体と前記接地導体の間のギャップよりも広いことを特徴とする。
本発明の請求項10の光変調器は、請求項1から請求項9に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、少なくとも2つの前記インピーダンス変換部の前記中心導体の幅が互いに異なることを特徴とする。
本発明の請求項11の光変調器は、請求項1から請求項10に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均よりも大きな特性インピーダンスをする前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均よりも小さな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部の数が等しいことを特徴とする。
本発明の請求項12の光変調器は、請求項1から請求項11に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均よりも大きな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均よりも小さな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均の特性インピーダンスを有する前記インピーダンス交換部を有することを特徴とする。
本発明の請求項13の光変調器は、請求項1から請求項12に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なるととともに、その差が約±7Ω以内である特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項14の光変調器は、請求項1から請求項12に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なるととともに、その差が約±15Ω以内である特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項15の光変調器は、請求項1から請求項14に記載の光変調器において、前記基板が半導体からなることを特徴とする。
本発明によれば、光変調器の駆動電圧を下げるとともに光と高周波電気信号の速度を近づけるなどの工夫をした結果、相互作用部の特性インピーダンスが低くなりすぎ、入力用フィードスルー部、入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタ、あるいは外部回路の特性インピーダンスとのインピーダンス不整合が生じた場合にも、光変調器を使用する周波数領域全体において高周波電気信号の電気的反射を低減できる。そして、本発明では、ある特定の、もしくは周期的に特定の周波数においてのみ著しく電気的反射が改善されるわけではなく、実用上差し支えない程度に電気的な残留反射を生じさせ、その代わりに広い範囲にわたって電気的反射特性を改善している。従って、外部回路への悪影響や光パルスのジッタなどを低減することができるばかりでなく、光変調指数の周波数劣化を抑圧することが可能であるという利点がある。また本発明はx−カットLN基板のみでなく、z−カットLN基板、あるいはInP基板やGaAs基板などの半導体基板などその他の基板にも適用可能であるという利点もある。
図1は本発明の第1の実施形態における進行波電極についての上面図である。 図2は図1のD−D’線での断面図である。 図3は図1のE−E’線での断面図である。 図4は図1のF−F’線での断面図である。 図5は本発明の第1の実施形態に係る光変調器の等価回路図である。 図6は本発明の第1の実施形態に係る光変調器の等価回路図である。 図7は本発明の第1の実施形態に係る光変調器のS11とfの関係を説明する図である。 図8は本発明に係る光変調器の|m|とfの関係を説明する図である。 図9は本発明の第2の実施形態における進行波電極についての上面図である。 10は本発明の第2の実施形態に係る光変調器の等価回路図である。 図11は本発明の第3の実施形態における進行波電極についての上面図である。 12は本発明の第4の実施形態における進行波電極についての上面図である。 図13は本発明の第5の実施形態における進行波電極についての上面図である。 図14は本発明の第6の実施形態における進行波電極についての上面図である。 図15は第1の従来技術に係る光変調器の斜視図である。 図16は図15のA−A’線における断面図である。 図17は第1の従来技術に係る光変調器の動作を説明する図である。 図18は第1の従来技術に係る光変調器のVπ・LとWの関係を説明する図である。 図19は第1の従来技術に係る光変調器のnとWの関係を説明する図である。 図20は第1の従来技術に係る光変調器のZとWの関係を説明する図である。 図21は第1の従来技術の進行波電極についての上面図である。 図22は第1の従来技術に係る光変調器の等価回路図である。 図23は第1の従来技術に係る光変調器のZinとfの関係を説明する図である。 図24は第1の従来技術に係る光変調器の|m|とfの関係を説明する図である。 図25は第1の従来技術に係る光変調器のS11とfの関係を説明する図である。 図26は第2の従来技術に係る進行波電極についての上面図である。 図27は図26のB−B’線における断面図である。 図28は図26のC−C’線における断面図である。 図29は第2の従来技術に係る光変調器の等価回路図である。 図30は第2の従来技術に係る光変調器の等価回路図である。 図31は第2の従来技術に係る光変調器のS11とfの関係を説明する図である。
符号の説明
1:x−カットLN基板(基板、LN基板)
2:SiOバッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用部の光導波路(光導波路)
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:外部信号源
6:負荷抵抗
7:入力用フィードスルー部Iを表す線路
8:入力側接続部IIを表す線路
9:相互作用部IIIを表す線路
10:出力側接続部IVを表す線路
11:出力用フィードスルー部Vを表す線路
12:終端抵抗
13:外部信号源及び負荷抵抗と光変調器との境界
14:インピーダンス変換部VIを表す線路
15:相互作用部IIIを含んで合成した伝送線路
16:第1インピーダンス変換部VIIを表す線路
17:第2インピーダンス変換部VIIIを表す線路
18:第1インピーダンス変換部IXを表す線路
19:第2インピーダンス変換部Xを表す線路
20:第3インピーダンス変換部XIを表す線路
30:光入射用端面
以下、本発明の実施形態について説明するが、図15から図31に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1に本発明の第1の実施形態に使用する中心導体4a、接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を示す。この第1の実施形態においても第1の従来技術や第2の従来技術と同様に、Iは入力用フィードスルー部であり、不図示のコネクタの芯線に接続される。IIは入力側接続部、IIIは相互作用部、IVは出力側接続部、及びVは出力用フィードスルー部である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタの芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続されるのも同じである。VIIは長さLの第1インピーダンス変換部、VIIIは長さLの第2インピーダンス変換部である。
なお、出力用フィードスルー部Vの中心導体や中心導体と接地導体間のギャップの形状は図1に示した直線的な構造に限らず、特性インピーダンスを規定し易い曲線テーパ形状でも良く、このことは本発明の全ての実施形態について言える。
この本発明の第1の実施形態は第2の従来技術と同様にインピーダンス変換部を有しているが、第2の従来技術と異なり、インピーダンス変換部が2つの部分、即ち第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIから構成されている。また、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIは不図示の光導波路3、あるいは3a、3bとほぼ平行方向に形成している。
図2は第1インピーダンス変換部VIIである図1のD−D’における断面図であり、S’’とW’’は各々中心導体の幅とギャップである。図3は第2インピーダンス変換部VIIIである図1のE−E’における断面図でありS’’’とW’’’は各々中心導体の幅とギャップである。なお、図4は相互作用部IIIのF−F’における断面図であり、第2の従来技術について説明した図27と基本的に同じである。
この本発明の第1の実施形態では、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIにおける高周波電気信号の減衰を抑圧するために、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの中心導体の幅を相互作用部IIIの中心導体の幅(例えば、8μm)よりも広くしている。ここでは、互いに等しく、例えば50μmとした。つまり、S’’=S’’’>Sとなっている。但し、勿論第1インピーダンス変換部VIIの中心導体の幅S’’を第2インピーダンス変換部VIIIの中心導体の幅S’’’よりも広くする、あるいはその逆とするなど、インピーダンス変換部が複数から構成されている場合にはそれらの中心導体の幅を異ならしめても良い。なお、入力用フィードスルー部Iとの整合を考えた場合、S’’>S’’’とした方が好ましい。
また、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンス(Z)と第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンス(Z)を異ならしめる(ここでは、Z>Z)ために、第1インピーダンス変換部VIIのギャップ(例えば70μm)を第2インピーダンス変換部VIIIのギャップ(例えば30μm)よりも広くしている(W’’>W’’’)。
図5に本発明の第1の実施形態についての等価回路を示す。図22に示した第1の従来技術や図29に示した第2の従来技術と同じく、Zは入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Zは入力側接続部II(あるいは線路8)、Zは相互作用部III(あるいは線路9)、Zは出力側接続部IV(あるいは線路10)、Zは出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスであるが、本発明の第1の実施形態には、長さがLで特性インピーダンスZの第1インピーダンス変換部VII(あるいは線路16)と長さがLで特性インピーダンスZの第2インピーダンス変換部VIII(あるいは線路17)が付加されている。
第1の従来技術と第2の従来技術についての説明と同様に、図5中の13は外部信号源5の負荷抵抗6(特性インピーダンスR)と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。図5においてZin’’は外部信号源5と外部信号源5の負荷抵抗6から第2の従来技術のx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。
つまり、Zin’’は入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZ、第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZを伝送線路の縦続接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。
なお、本発明の効果を示すために、本発明の第1の実施形態においてもCPWギャップWを15μm以下、つまり、相互作用部IIIの特性インピーダンスZが22Ωなどと低い場合を例にとり考察する。
次に、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの作用について考察する。簡単のために、従来技術の場合と同じく、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZについて、Z=Z=Z=Z=Zが成り立っているとする。
この場合の等価回路を図6に示す。ここで、図30に示した第2の従来技術と同じくZ、Z、Z、Z、Zを合成して形成した合成部III’を表す伝送線路15の特性インピーダンスをZ’とした。また、図1に示記した特性インピーダンスがZである第1インピーダンス変換部VIIと特性インピーダンスがZである第2インピーダンス変換部VIIIの各々の長さL、Lを図6中にも記している。
ここで、説明の簡単のために、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZは外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRと同じ50Ωとするが、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZは50Ωよりも低い場合もある。
入力用フィードスルー部Iに接続する不図示のコネクタ芯線(あるいは、金ワイヤーや金リボンの場合もあるが、本発明では入力用フィードスルー部Iに給電する手法を総称してコネクタ芯線と呼ぶ)は数十μmから数百μmと厚い金属であり、厚い金属は特性インピーダンスを低下させる。従って、不図示のコネクタ芯線を接続した入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスは50Ωより格段に低くなる場合がある。
LN光変調器を実際に使用する場合には、不図示のコネクタ芯線は入力用フィードスルー部Iに固定されているので、不図示のコネクタ芯線を接続して低下した特性インピーダンスを改めて入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスと考える。この考え方は次に述べるような入力用フィードスルー部Iをインピーダンス変換部の一部であるとする考え方の場合に特に重要となる。なお、従来技術と同じく、本発明の全ての実施形態でも、入力用フィードスルー部Iの中心導体において高周波電気信号を給電する部位を給電部とし、また、出力用フィードスルーの中心導体において高周波電気信号を取り出す部位を出力部と呼ぶ。
また、入力用フィードスルー部Iの長さが短い場合には入力用フィードスルー部Iに電気的に接続されるべき不図示のコネクタの特性インピーダンスが重要となる場合がある。
さらに考察を進める。インピーダンス変換を不図示のコネクタや図6の外部信号源5の負荷抵抗6と相互作用部IIIの中心導体4a、接地導体4b、4cからなる進行波電極との間で行うと考えると、入力用フィードスルー部Iもインピーダンス変換部の一部であるとみなすことができる。
また、一見、入力用フィードスルー部I及び、第1インピーダンス変換部VIIト第2インピーダンス変換部VIIIの中心導体と接地導体の寸法がほとんど同じであり、全体が入力用フィードスルー部Iのように見えていても、不図示のコネクタ芯線を接続した給電部から相互作用部IIIまでをインピーダンス変換部と考えることができる。
なお、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスは50Ωの場合が多いが、コネクタの特性インピーダンスや外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRも50Ωの場合が多い。従って、相乗平均である(2)式の中に入るべきZは入力用フィードスルー部I、コネクタ、あるいは外部信号源5が有する負荷抵抗6の特性インピーダンスのどれかとして考えることができる。
図1から図6に示した本発明の第1の実施形態は、図26から図31に示した第2の従来技術と考え方が全く異なっている。以下、それについて説明する。
第2の従来技術においては、そのインピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZの値とその長さLには(2)式と(3)式が同時に成り立つという絶対的な条件があった。そして、相互作用部IIIの特性インピーダンスZが例えば22Ω強と低い場合には、図31に示したように、ある周波数では電気的な反射がほぼゼロとなるが、その他の周波数ではx−カットLN光変調器として実用的上使用できない程の大きな電気的な反射が生じてしまっていた。ちなみに、第2の従来技術においてインピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZは(2)式から求まり、33.2Ωであった。
本発明の第1の実施形態では、(2)式により求められる特性インピーダンスの相乗平均の値はどこにも使用していない。つまり、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZとしては(2)式で与えられる33.2Ωよりも大きな、例えば37Ωとし、第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZとしては(2)式で与えられる値より小さな29Ωとする。
なお、この第1の実施形態ほどには効果はないが、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZと第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZのどちらか一方を(2)式で与えられる33.2Ωとしても良い。こうしても、ある特定の周波数でのみ完全に電気的反射がなくなる第2の従来技術とは考え方が異なり、広い周波数範囲において残留反射はあるものの(あるいは、残留反射を意図的に残しつつ)実用上充分な程度に電気的反射を抑圧することが可能となる。
こうすることにより、本発明の第1実施形態においては(2)式が成り立たなくなり、ある周波数において電気的パワー反射率S11が共振的に良くなることも無くなるが、第2の従来技術のようにいくつかの周期的な周波数において電気的パワー反射率S11が極めて悪くなることもない。
この第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの構成の場合における電気的パワー反射率S11の計算結果を図7に示す。図からわかるように、電気的パワー反射率S11はある特定の周波数においてのみ負の極めて大きな値をとり、他の周波数において劣化するのではなく、広い周波数範囲において−15dB以上は確保できている。この値は10Gbpsの光伝送には充分な電気的反射特性といえる。従って、x−カットLN光変調器から外部信号源5へ反射されて戻る高周波電気信号を抑圧できるので、ジッタの少ない光変調パルスを得ることが可能となる。なお、電気的パワー反射率S11の測定結果は図7に示した計算結果とよく一致した。
図8には光の変調指数(パワー変調指数)|m|の周波数応答を示している。電気的な反射が必要充分に抑圧されているので、|m|は滑らかなカーブを描いており、広帯域光変調が可能であることがわかる。
以上のように、本発明はある特定の周波数において電気的な反射が無くなるように構成するのではない。つまり、広い周波数において電気的な反射を意図的にある程度残し、その代わりに広い周波数範囲において電気的な反射をある程度抑圧する構造とも考えることができる。前述のようにこの意図的にある程度残した反射を残留反射と呼ぶ。
なお、(2)式が成り立っていないので、第1インピーダンス変換部VIIの長さLと第2インピーダンス変換部VIIIの長さLについて(3)式が成り立っても良いが成り立つ必要はない。つまり、本発明の第1の実施形態では(2)式も(3)式も成立する必要はなく、電気的な反射が無くなる事もないので、(2)式と(3)式が成り立つことが絶対の条件であり、かつ特定の周波数においてのみ原理的に反射が無くなる第2の従来技術と考え方が根本的に異なっている。
また、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZと第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZは(2)式で与えられる相乗平均の値よりも約±15Ω以内の範囲であれば本発明としての大きな効果を発揮でき、さらに約±7Ω以内の範囲であれば本発明の効果は顕著となる。そして、インピーダンス変換部の特性インピーダンスを(2)式で与えられる相乗平均の値からこれらの値(即ち、約±7Ω以内、あるいは約±15Ω以内)程度の範囲で異ならしめるという考え方は本実施形態のみでなく、本発明の全ての実施形態に適用可能である。
[第2の実施形態]
図9に本発明の第2の実施形態に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態において、IXは第1インピーダンス変換部、Xは第2インピーダンス変換部、XIは第3インピーダンス変換部である。
図10に本発明の第2の実施形態についての等価回路を示す。図5に示した本発明の第1の実施形態についての等価回路とほぼ同じ構成であるが、本実施形態の特徴はインピーダンス変換部が特性インピーダンスZの第1インピーダンス変換部IX(あるいは線路18)、特性インピーダンスZ10の第2インピーダンス変換部X(あるいは線路19)、特性インピーダンスZ11の第3インピーダンス変換部XI(あるいは線路20)からなる3つのインピーダンス変換部により構成されている点である(なお、インピーダンス変換部の数としては3つ以上でも良い)。
ここで、第1の実施形態と同じく、相互作用部IIIの特性インピーダンスZを22Ω、外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRを50Ωとすると、第2の従来技術において(2)式から得られる整合インピーダンスは33.2Ωであった。
本発明においては、第1インピーダンス変換部IX(あるいは線路18)の特性インピーダンスZ、第2インピーダンス変換部X(あるいは線路19)の特性インピーダンスZ10、第3インピーダンス変換部XI(あるいは線路20)の特性インピーダンスZ11の全てを33.2Ωと異ならしめても良いが、逆に例えば、本発明の第2の実施形態においては、Z>Z10=33.2Ω>Z11となるように、CPWのギャップを異ならしめている。なお、Z、Z10、Z11の大小関係についてはこの限りではないし、この内の2つを整合インピーダンス(ここでは33.2Ω)としても良い。
この第2の実施形態の場合には、第2インピーダンス変換部Xの特性インピーダンスZ10が(2)式を満たすものの、第1インピーダンス変換部IX(あるいは線路18)の特性インピーダンスZと第3インピーダンス変換部XI(あるいは線路20)の特性インピーダンスZ11は(2)式を満足していない。また、元来、ZとZ11が(2)式を満たさないので、(3)式は満たしても差し支えないが、満たす必要は無い。
この第2の実施形態の場合についても、図7に示した本発明の第1の実施形態と同様の電気的な反射特性を得ることができる。つまり、ある周波数において電気的パワー反射率S11が共振的に良くなることもないが、第2の従来技術のようにいくつかの周期的な周波数において電気的パワー反射率S11が極めて悪くなることもない。
換言すると、この第2の実施形態についても、広い周波数において電気的な反射を意図的にある程度残し、その代わりに広い周波数範囲において電気的な反射を実用上差しつかえない程度まで抑圧する構造とも考えることができる。つまり、本発明の第2の実施形態でも、電気的な反射が無くなる事もないので、(2)式と(3)式が成り立つことが絶対の条件であり、かつ原理的に反射が無くなる第2の従来技術と考え方が根本的に異なっている。
[第3の実施形態]
図11に本発明の第3の実施形態に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態において、XIIは第1インピーダンス変換部、XIIIは第2インピーダンス変換部である。本実施形態の場合には、インピーダンス変換部XII、XIIIを相互作用部IIIに対して一旦逆方向に折り返して形成することにより、相互作用部IIIの長さを充分長く確保している。なお、この考え方は本発明の第2の実施形態を含め、その他の実施形態にも適用可能である。
[第4の実施形態]
図12に本発明の第4の実施形態に使用する中心導体4a、接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態において、IXは第1インピーダンス変換部、Xは第2インピーダンス変換部である。本実施形態では図11に示した第3の実施形態と同様に、第1インピーダンス変換部IXと第2インピーダンス変換部Xを相互作用部IIIに対して一旦逆方向に折り返して形成しているが、相互作用部の始点から光入射用端面までの基板の長手方向における距離を、高周波電気信号の給電部から光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離よりも短くすることにより、図11に示した第3の実施形態よりも相互作用部IIIの長さを長く確保している。ここで、光導波路3については、本発明と第1の従来技術と同じなので、光入射用端面については第1の従来技術として紹介した図15に30として記している。
このように、インピーダンス変換部を相互作用部IIIに対して一旦逆方向に折り返して、相互作用部IIIの長さを極めて長く確保するという考え方は本発明の全ての実施形態に適用可能である。
さらに、相互作用部IIIの終点から出力用フィードスルー部Vも折り返しても良く、このことは本発明の全ての実施形態について言える。
[第5の実施形態]
図13に本発明の第5の実施形態に使用する中心導体4a、接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を示す。この第5の実施形態は図12に示した第4の実施形態の改良版である。本実施形態において、IXは第1インピーダンス変換部、XIVは第2インピーダンス変換部である。図からわかるように、第1インピーダンス変換部IXの中心導体の幅と第2インピーダンス変換部XIVの中心導体の幅とを異ならしめている。そして、入力用フィードスルー部Iとの電磁界の整合を考慮し、この場合には第1インピーダンス変換部IXの中心導体の幅を第2インピーダンス変換部XIVの中心導体の幅よりも広く設定している。
なお、このインピーダンス変換部が複数ある場合に、少なくとも2つのインピーダンス変換部において中心導体の幅を異ならしめるという考え方は本発明の全ての実施形態に適用可能である。この場合、入力用フィードスルー部に近いインピーダンス変換部の中心導体の幅を入力用フィードスルー部から遠いインピーダンス変換部の中心導体の幅よりも広く、つまり入力用フィードスルー部の中心導体の幅に近づけることが良い特性を実現する上で得策である。
[第6の実施形態]
以上の実施形態では、インピーダンス変換部が第1インピーダンス変換部、第2インピーダンス変換部、さらには第3インピーダンス変換部など複数のインピーダンス変換部から構成されていたが、1つのインピーダンス変換部を用いても同様の効果を発揮できる。その1つの実施形態を第6の実施形態として図14に示す。図中、XIがインピーダンス変換部である。
本発明では(2)式から求まる整合インピーダンスに近い値ではあるが、それよりもやや大きい、あるいは逆にやや小さいなど、(2)式を満たさない特性インピーダンスを有する1つのインピーダンス変換部を用いることにより、複数個のインピーダンス変換部を用いる実施形態ほどではないが、ある程度の電気的な反射を抑圧できる効果を発揮できる。その際には、そもそも(2)式が満たされていないので(3)式も成立しなくて良いことになる。あるいは、従来技術においては、(2)式と(3)式が同時に成り立つことが重要であるので、本実施形態では(2)式は成り立っても、(3)式が成り立たないようにすれば良い。これらのことは本発明の全ての実施形態について言える。
なお、インピーダンス変換部の特性インピーダンスは(2)式から求まる相乗平均の値よりもやや大きいかやや小さいと述べたが、その値は(2)式の値よりも約±15Ω以内の範囲であれば本発明としての大きな効果を発揮でき、さらに約±7Ω以内の範囲であれば本発明の効果は顕著である。このことは本発明のその他の実施形態についても成り立つ。
さらに、この第6の実施形態を例にとり、より深く考察する。高周波電気信号は入力用フィードスルー部とインピーダンス変換部を通過して相互作用部に達する。そこで、入力用フィードスルー部Iもインピーダンス変換部の一種であると考えると、図14に示した第6の実施形態において、インピーダンス変換部XIが式(2)と式(3)を満足したとしても、入力用フィードスルー部Iとインピーダンス変換部XIの合計として考えた場合に、式(2)と式(3)を同時に満たさず、残留反射があり、かつ電気的反射が小さくなるならば、その実施形態は本発明に属することになる。
つまり、図14に示した第6の実施形態において、その特性インピーダンスが例えば50Ωである不図示のコネクタと、相互作用部IIIの中心導体4a、接地導体4b、4cからなる進行波電極4との間に式(2)と式(3)が成り立つようにインピーダンス変換部XIを構成していても、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスがコネクタの特性インピーダンスと同じでない限り、その構造は本発明に属する。なぜならば、入力用フィードスルー部Iは式(2)と式(3)の条件を壊し、広い周波数範囲において残留反射を生じつつ電気的反射を実用上差しつかえないレベルまで全体的に改善する新たなインピーダンス変換部の一部として機能するからである。
例えば、入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIに対して、式(2)と式(3)の条件が成り立つように、インピーダンス変換部XIを構成しても、実際には入力用フィードスルー部Iにコネクタ芯線を接続したために、入力用フィードスルー部Iとコネクタの芯線の合計として考えた場合、コネクタの芯線の厚い金属のために特性インピーダンスが先の入力用フィードスルー部Iの値より低下してしまい、入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIに対して式(2)と式(3)の条件が成り立たなくなった場合がこれに当たる。この場合は、コネクタと相互作用部IIIの間に本発明を適用したと考えられる。さらにこの考え方は不図示の外部信号源の負荷抵抗と相互作用部IIIについても言える。つまり、負荷抵抗と相互作用部IIIの間にある不図示のコネクタを含む電気的線路要素を、広い周波数帯において残留反射を生じつつ、電気的反射を実用上差しつかえないレベルまで全体的に改善するインピーダンス変換部として構成することも可能である。なお、これらのことは本発明の全ての実施形態について言える。
[各実施形態について]
以上においては、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。また、光導波路としてはマッハツェンダ型光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。また少なくとも相互作用部がリッジ構造であっても良い。
インピーダンス変換部が複数のインピーダンス変換部から構成されている場合には、各インピーダンス変換部の特性インピーダンスを異ならしめるのにCPWのギャップを異ならしめたが、その代わりに中心導体の幅、あるいは中心導体の幅とギャップの両方を異ならしめても良い。なお、このことは進行波電極として、CPW以外のACPSやCPSなどの進行波電極を用いた場合にも適用可能である。
なお、以上において説明した実施形態では、インピーダンス変換部の少なくとも一部が相互作用光導波路にほぼ平行な構造として説明したが、ほぼ平行であること自体はインピーダンス変換とは無関係である。従って、インピーダンス変換部の少なくとも一部が相互作用光導波路に斜めあるいは垂直に配置されていても良いことは言うまでもない。
本発明ではインピーダンス変換部の少なくとも一部に(2)式で与えられる相乗平均の値よりもやや大きいかやや小さい箇所があると述べたが、計算と実験によれば(2)式の値よりも約±15Ω以内の範囲であれば本発明としての大きな効果を発揮でき、さらに約±7Ω以内の範囲であれば本発明の効果は顕著となる。
さらに、インピーダンス変換部の数が偶数個の場合には特性インピーダンスの値が(2)式の値よりも大きくなるインピーダンス変換部の数と(2)式の値よりも小さくなるインピーダンス変換部の数とを等しくし、インピーダンス変換部の数が奇数個の場合には、上記の各インピーダンス変換部の数を等しくするというこの工夫の他に、一部のインピーダンス変換部の特性インピーダンスを(2)式の値とすることにより広い周波数範囲で電気的反射を抑圧できるので極めて有効である。
以上の本発明の実施形態で説明した第1インピーダンス変換部、第2インピーダンス変換部、さらには第3インピーダンス変換部の特性インピーダンスの値については、本明細書で述べた数値はあくまで例であり、その他の値でも良いことは言うまでもない。
また、中心導体を挟んでマッハツェンダ光導波路の2本の相互作用光導波路を配置する場合、2本の相互作用光導波路の幅を異ならしめておけば、近づけてもDC及び動的消光比の劣化を避けることが可能となる。
以上の実施形態においては、x−カット、y−カットもしくはz−カットの面方位、即ち、基板表面(カット面)に対して垂直な方向に結晶のx軸、y軸もしくはz軸を持つ基板でも良いし、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良いし、LN基板のみでなく、リチウムタンタレートなどその他の基板でも良いことは言うまでもない。
以上の説明においては、インピーダンス変換部はLN光変調器のフィードスルー部と相互作用部の間、即ちLN光変調器のチップ上に形成されていたが、インピーダンス変換部を、アルミナ基板やLN基板など別体の基板に形成してそれとLN光変調器を接続しても同じ効果を得ることができる。
さらにはInP基板やGaAs基板等の半導体基板上に形成する進行波電極型の電界吸収光変調器やマッハツェンダ光変調器など進行波電極を使用する各種の光デバイスに本発明は使用可能である。
以上のように、本発明に係る光変調器は、RF変調性能について大幅に改善することができるという効果を有し、高速で駆動電圧が低い光変調器として有用である。
本発明は駆動電圧が低く、かつ高速で変調が可能な光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。
[第1の従来技術]
このLN光変調器にはz−カット基板を使用するタイプとx−カット基板(あるいはy−カット基板)を使用するタイプがある。ここでは、第1の従来技術としてx−カットLN基板とコプレーナウェーブガイド(CPW)進行波電極を使用したx−カット基板LN光変調器をとり上げ、その斜視図を図15に示す。図16は図15のA−A’における断面図である。なお、以下の議論はz−カット基板でも同様に成り立つ。
図中、1はx−カットLN基板、2は1.3μm、あるいは1.55μmなど光通信において使用する波長領域では透明な200nmから1μm程度の厚みのSiOバッファ層、3はx−カットLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、光は光入射用端面30から光導波路3に入射させる。なお、この光導波路3はマッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成しており、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。CPW進行波電極4は中心導体4a、接地導体4b、4cからなっている。また、図16においてSは中心導体4aの幅で6μmから20μm程度であり、一般には10μm前後が使用されている。一方、Wは中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップ(あるいはCPWのギャップ)である。
この第1の従来技術では、中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧(通常はDCバイアス電圧)と高周波電気信号(マイクロ波、あるいはRF電気信号とも言う)を重畳して印加する。また、SiOバッファ層2は高周波電気信号の等価屈折率n(あるいは、マイクロ波等価屈折率n)を光導波路3a、3bを伝搬する光の実効屈折率nに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
次に、このように構成されるLN光変調器の動作について説明する。このLN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間にDCバイアス電圧と高周波電気信号とを印加する必要がある。
図17に示す電圧−光出力特性はある状態でのLN光変調器の電圧−光出力特性であり、Vはその際のDCバイアス電圧である。この図17に示すように、通常、DCバイアス電圧Vは光出力特性の山と底の中点に設定される。
図18には半波長電圧Vπと相互作用部の長さLとの積Vπ・LとCPWのギャップWとの関係を示す。なお、CPWのギャップWとしては、現状20μm〜30μm程度が使用されている。CPWのギャップWを狭くすると、相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光と相互作用する高周波電界強度が大きくなる。従って、この図に示すように、CPWのギャップWを狭くすると、この積Vπ・Lは小さくなる。そして、この積Vπ・Lが低いほど駆動電圧が低いLN光変調器を実現できる。10Gbps以上の速度でLN光変調器を駆動する際の駆動電圧は5〜6V程度が実用上の限界であり、さらに少しでも駆動電圧が低いことが望まれる。よって駆動電圧の観点からは、CPWのギャップWは狭いことが望ましい。
図19には高周波電気信号のマイクロ波の等価屈折率nとCPWのギャップWとの関係を示す。図には相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率n(n≒2.2)も示している。
CPWのギャップWが狭くなると中心導体4aと接地導体4b、4cの間に生成された高周波電気信号は比誘電率が4程度と低いSiOバッファ層2を多く感じるので、マイクロ波等価屈折率nを低減することができる(なお、x−カットLN基板1の比誘電率は35程度である)。
一般に、マイクロ波等価屈折率nは光の等価屈折率nよりも大きく、LN光変調器を高速・広帯域で動作する際の大きな制限要因となっている。そのためLN光変調器を10Gbps以上の高速で駆動するには、マイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに近づけることが不可欠となる。この観点からもCPWのギャップWは狭いことが望ましい。
以上のように、駆動電圧を低減するとともにマイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに近づけるという観点からはCPWのギャップWは狭いことが望ましいことがわかったが、第1の従来技術においてCPWのギャップWを15μm以下に狭くした際に生じる問題点について以下に記す。
図20は中心導体4aと接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の特性インピーダンスZ(以下の図22におけるZに対応)についてCPWギャップWを変数として示す。CPWギャップWを狭くすると、特性インピーダンスZが30Ωあるいはそれ以下と著しく低くなり、ほぼ50Ω系の外部信号源との間にインピーダンス不整合を生じてしまう。つまり、高周波電気信号のパワー反射率(いわゆるS11)が劣化するという問題が生じる。
次に、このことについてさらに詳しく考察する。図15に示したx−カットLN光変調器を構成する中心導体4aと接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を図21に示す。
ここで、Iは不図示の外部信号源からの高周波電気信号をCPW進行波電極4に印加するための不図示のコネクタの芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)を接続する入力用フィードスルー部、IIは入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIとの接続部(あるいは入力側接続部)、IIIは電気信号と光が相互作用する相互作用部、IVは出力用フィードスルー部Vと相互作用部IIIとの接続部(あるいは出力側接続部)である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタの芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続される。
なお、入力用フィードスルー部Iの中心導体において高周波電気信号を給電する部位を給電部とし、また、出力用フィードスルーの中心導体において高周波電気信号を取り出す部位を出力部と呼ぶ。
図22には図15に示したx−カットLN光変調器の等価回路を示す。ここで、5と6は外部回路に対応し、5は電気的ドライバなどの外部信号源、6は外部信号源の負荷抵抗(特性インピーダンスをRとする)を表す。また、7〜11は入力用フィードスルー部Iから出力用フィードスルー部Vまでの等価的な線路に各々対応する。具体的には、7は入力用フィードスルー部I、8は入力側接続部II、9は相互作用部III、10は出力側接続部IV、11は出力用フィードスルー部Vの線路を各々表す。また、12は終端抵抗である。
さらに、Z〜Zは入力用フィードスルー部Iから出力用フィードスルー部Vまでの特性インピーダンスであり、具体的には、Zは入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Zは入力側接続部II(あるいは線路8)、Zは相互作用部III(あるいは線路9)、Zは出力側接続部IV(あるいは線路10)、Zは出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスに対応している。また、Zは終端抵抗12の抵抗値である。
次に、図15から図22に示した第1の従来技術のx−カットLN光変調器について、インピーダンス不整合と変調帯域の観点からの問題点について考察する。
図22において、Zinは外部信号源5と負荷抵抗6(インピーダンスR)からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。つまり、Zinは入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12の抵抗値Zを、各部の長さと各部を伝搬する電気信号の等価屈折率を考慮した伝送線路の縦続接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。図中の13は外部信号源5や負荷抵抗6と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。
駆動電圧を下げ、マイクロ波等価屈折率nを光の等価屈折率nに近づけるためにCPWギャップWを15μm以下と狭くした場合を考察する。この場合、相互作用部IIIの特性インピーダンスZは30Ωあるいはそれ以下と低くなる。
さて、第1の従来技術では、その他の線路7、8、10、11の特性インピーダンス、つまり入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12の抵抗値Zは全て相互作用部IIIの特性インピーダンスZと等しくしていた(つまり、Z=Z=Z=Z=Z=Z)。
その結果、外部信号源5の負荷抵抗6からx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスZinの実部Re(Zin)は図23の実線で示すようにほとんど周波数fに依存せず、相互作用部IIIの特性インピーダンスZと一致し、30Ωもしくはそれ以下と低かった。
それに伴い、光の変調指数(パワー変調指数)|m|は入力インピーダンスZinと外部信号源5の負荷抵抗6(インピーダンスR)とのインピーダンス不整合のために、図24に示すように、周波数fとともに急速に劣化し3dB光変調帯域として10GHzを確保することが極めて困難であった。
なお、Z=Z=Z=Z=Z=Zと仮定すると、Zin(この場合には、Zin=Z)が30Ω以下、例えば22Ωになると高周波電気信号のパワー反射率(S11)は図25に示すように−10dBよりも高く(悪く)なってしまう(R=50Ω、Z=22Ωの場合には−8.2dBとなる。なお、実際の実験では、わずかなインピーダンス不整合により反射された高周波電気信号が重畳され、−5dB程度にまで劣化することになる)。ここで、高周波電気信号のパワー反射率(S11)は次の式で与えられる。
11=|(R−Zin)/(R+Zin)| (1)
また、反射された高周波電気信号が外部信号源5へ戻る際には、変調された光パルスのジッタを増加させてしまうという問題もある。
[第2の従来技術]
第1の従来技術における外部信号源5の特性インピーダンスRと相互作用部IIIの特性インピーダンスZとのインピーダンス不整合を改善するための技術として、特許文献1として提案された第2の従来技術について説明する。ここで、図15から図25に示した第1の従来技術と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
図26に第2の従来技術に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。第2の従来技術においても第1の従来技術と同様に、Iは入力用フィードスルー部、IIは入力側接続部、IIIは相互作用部、IVは出力側接続部、及びVは出力用フィードスルー部である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタ芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続されるのも同じである。これらの第1の従来技術と同じ構成に加えて、図26に示す第2の従来技術には長さLのインピーダンス変換部VIが付加されている。
図26の相互作用部IIIのB−B’におけるx−カットLN光変調器としての断面図を図27に示す。図16に示した第1の従来技術と同様に、図27に示す第2の従来技術でもCPWのギャップWを15μm程度以下と極めて狭く設定した場合を想定する。CPWのギャップWをこのように狭くすると、前述のように駆動電圧を低減できるとともに高周波電気信号のマイクロ波等価屈折率nを相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の等価屈折率nに近づけることができるという利点はあるものの、相互作用部IIIの特性インピーダンスZは30Ωかそれ以下となる(第1の従来技術で述べたように例えば22Ω)。
またインピーダンス変換部VIのC−C’におけるx−カットLN光変調器としての断面図を図28に示す。インピーダンス変換部VIにおけるCPWのギャップW’は50μm程度と相互作用部IIIにおけるCPWのギャップWよりも広く設定される。
図29には第2の従来技術の等価回路を示す。図22に示した第1の従来技術と同じく、Zは入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Zは入力側接続部II(あるいは線路8)、Zは相互作用部III(あるいは線路9)、Zは出力側接続部IV(あるいは線路10)、Zは出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスであるが、第2の従来技術には特性インピーダンスZのインピーダンス変換部VI(あるいは線路14)が付加されている。
図29中の13は外部信号源5の負荷抵抗6(特性インピーダンスR)と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。図29においてZin’は外部信号源5と外部信号源5の負荷抵抗6から第2の従来技術のx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。
つまり、Zin’は入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZを伝送線路の縦続接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。
前述のように、第2の従来技術においてはCPWギャップWを15μm以下と狭くしたので、相互作用部IIIの特性インピーダンスZは22Ωなど、30Ωあるいはそれ以下と低くなっている。
次に、インピーダンス変換部VIの作用について考察する。簡単のために、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZについて、Z=Z=Z=Z=Zが成り立っているとする。
この場合の等価回路を図30に示す。ここで、Z、Z、Z、Z、Zを合成して形成した合成部III’を表す伝送線路15の特性インピーダンスをZ’とした。また、図26に記した特性インピーダンスがZであるインピーダンス変換部VIの長さを図30にもLとして示している。
ここで、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZを外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRと同じ50Ωとする。
伝送線路の縦続接続の理論からよく知られているように、異なる2つの特性インピーダンスZとZの間に特性インピーダンスがZで電気的長さがLであるインピーダンス変換部がある場合に、Z、Z、Z及びLの間に
=(Z・Z1/2 (2)
= λ/4 (3)
が成り立つならば、ZとZの間にインピーダンス整合が成り立ち、電気的反射は無くなる。ここで、λは高周波電気信号の電気的波長である。ZとZの相乗平均で表されたZを整合インピーダンスと呼ぶ。
なお、この第2の従来技術では、ZがZに、Z’がZに、ZがZに、LがLに対応する。つまり、この場合には入力用フィードスルー部I(Z)と合成部III’(Z’)との間にインピーダンス整合が成り立ち、電気的反射は無くなる。以下においては簡単のために、(2)式のZをZ、ZをZ’、ZをZ、さらに(3)式のLをLとして説明する。
なお、この第2の従来技術では、λは外部信号源5からの高周波電気信号がインピーダンス変換部VIのLN基板を伝搬する際の波長であり、LN基板を伝搬する電磁波の波長という意味で管内波長と呼ばれる。具体的には、高周波電気信号の真空中での波長をλとし、高周波電気信号がLN基板を伝搬する際の等価屈折率をn’とするとλは
λ=λ/n’ (4)
として与えられる。
次に、Z=R=50Ω、Z’=22Ωとした場合の電気的パワー反射率S11の周波数fに対する依存性について計算した例を図31に示す。ここで、インピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZは33.2Ωとなる。また、インピーダンス変換部VIの長さLはその等価屈折率n’を2.5として6mmとなる。なお、相互作用部IIIとインピーダンス変換部VIにおける各々の中心導体の幅SとS’は同じとした。
図31からわかるように、(2)式と(3)式を満足するようにインピーダンス変換部VIを設計すると、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzなどの特定の周波数において、S11を−50dB以下とでき、電気的なパワー反射をほぼ完全になくすことができる(なお、実際の実験において、ケーブルの接続部などからの電気的な反射などによりS11は負の無限大になることはないが、この第2の従来技術では(2)式と(3)式の条件を満たすものとする)。
以上述べたように、この第2の従来技術では(2)式と(3)式を満たす特定の周波数(ここでは、5GHz、10GHz、15GHz、20GHzなど)においては、高周波電気信号の電気的な反射をほぼ完全になくすことができるが、通常、電気的パワー反射率S11としては−50dB、あるいはそれ以下といった極めて小さな値は必要ではなく、最低−12dB、あるいは−15dB程度あれば充分であり、いわばオーバースペックと言える。
逆に、図31から明らかなように、7.5GHz、12.5GHz、17.5GHzにおいては、電気的パワー反射率S11はその包絡線(図31中の破線)である−8.2dBのレベルまで劣化してしまい、第1の従来技術のレベルのように実用上使用できないほどの悪い反射特性となってしまう。
また、インピーダンス変換部VIの中心導体の幅S’は相互作用部IIIの中心導体の幅Sと同じ大きさ(一般には、10μm前後)と狭いので、高周波電気信号の等価屈折率nは2.5前後と小さい。従って、インピーダンス変換部VIの長さは(3)式と(4)式からわかるように、比較的長くなってしまう(この第2の従来技術では6mm)。特に図26に示したように、インピーダンス変換部VIを相互作用部IIIに垂直、あるいは大きな角度を持って形成する場合にはLN光変調器としての素子の横幅が大きくなり、1枚のLN基板ウェーハ当たりにとることのできるLN光変調器の数が少なくなってしまうという問題もあった。
さらには、前述のように、インピーダンス変換部VIの中心導体の幅S’は相互作用部IIIの中心導体の幅Sと同じ大きさ(一般には、10μm前後)と狭いので、インピーダンス変換部VIにおいて、高周波電気信号が減衰しやすく、高周波電気信号が相互作用部IIIにおける光変調に充分には利用できないという問題もあった。
特開2005−37547号公報
以上のように、入力側や出力側のフィードスルー部や相互作用部などのCPW進行波電極を構成する各部が全て同じ特性インピーダンスであった第1の従来技術に係る光変調器では、駆動電圧を低減するとともに、マイクロ波等価屈折率を光の等価屈折率に近づけるために、バッファ層を薄くしたり、CPW進行波電極のギャップを狭くすると、外部回路とのインピーダンス不整合が生じ、その結果、電気的パワー反射率の周波数特性が悪いとともに、変調周波数に対して光変調帯域が急速に劣化するという問題があった。またこれを解決するために、上記(2)式と(3)式を満たすインピーダンス変換部を設ける第2の従来技術では、特定の周波数において、電気的な反射をほぼ無視できるほどに、電気的パワー反射率を極めて小さくできるものの、他の周波数においては第1の従来技術のレベルにまで電気的な反射特性が劣化し、電気的な反射の観点から実用上使用できないという問題があった。さらに、第2の従来技術では光を変調する相互作用部とインピーダンス変換部の中心導体の幅が等しかったので、電気的な等価屈折率が比較的小さくなり、λを管内波長としてλ/4で与えられるインピーダンス変換部の長さが長くなり、結果的に1枚のウェーハ当たり生産できるLN光変調器の数が大幅に制限されるという問題があった。また、第2の従来技術ではインピーダンス変換部の中心導体の幅が相互作用部における中心導体と同程度まで狭く、インピーダンス変換部において高周波電気信号が減衰しやすく、相互作用部において充分には利用できないという問題もあった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極が、前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相が変調される領域である相互作用部と、外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部と前記相互作用部を通過して伝搬してくる前記高周波電気信号を出力するための出力用フィードスルー部を具備する光変調器において、前記光変調器は、前記相互作用部の特性インピーダンスと、前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンス、前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンス、もしくは前記外部回路の特性インピーダンスの少なくとも1つの特性インピーダンスとのインピーダンス不整合を低減するための少なくとも1つからなるインピーダンス変換部を具備し、前記外部回路から前記入力用フィードスルー部に印加された前記高周波電気信号が残留反射を生じつつ、かつ前記インピーダンス変換部が無い場合と比較して電気的反射が小さくなって、前記相互作用部に伝搬することを特徴とする。
本発明の請求項2の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が前記進行波電極の一部に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項3の光変調器は、請求項1もしくは請求項2のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が、前記相互作用部と前記入力用フィードスルー部の間の前記進行波電極に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4の光変調器は、請求項1もしくは請求項2のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が、前記相互作用部と前記入力用フィードスルー部の間の前記進行波電極、及び前記入力用フィードスルー部により構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5の光変調器は、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも一つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なる特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項6の光変調器は、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、そのうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均の少なくとも1つと同じ特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項7の光変調器は、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部の前記中心導体の幅が前記相互作用部の前記中心導体の幅よりも広いことを特徴とする。
本発明の請求項8の光変調器は、請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部の前記中心導体の少なくとも一部が前記光導波路の長手方向に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項9の光変調器は、請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部は、前記相互作用部が形成されている前記基板とは別体の基板上に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項10の光変調器は、請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の光変調器において、前記入力用フィードスルー部の中心導体は、前記高周波電気信号が給電される給電部を有し、前記出力用フィードスルー部の中心導体は、前記高周波電気信号が出力される出力部を有しており、前記相互作用部の長さが、前記給電部から前記出力部までの前記基板の長手方向における距離よりも長いことを特徴とする。
本発明の請求項11の光変調器は、請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の光変調器において、前記相互作用部における前記光の位相が変調される領域の始点から前記光導波路に光を入射するための光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離が、前記高周波電気信号の前記給電部から前記光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離よりも短いことを特徴とする。
本発明の請求項12の光変調器は、請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つの前記中心導体と前記接地導体の間のギャップが、前記相互作用部の前記中心導体と前記接地導体の間のギャップよりも広いことを特徴とする。
本発明の請求項13の光変調器は、請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、少なくとも2つの前記インピーダンス変換部の前記中心導体の幅が互いに異なることを特徴とする。
本発明の請求項14の光変調器は、請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均よりも大きな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均よりも小さな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部の数が等しいことを特徴とする。
本発明の請求項15の光変調器は、請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部が複数からなり、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均よりも大きな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均よりも小さな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均の特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部を有することを特徴とする。
本発明の請求項16の光変調器は、請求項1から請求項15のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なるとともに、その差が約±7Ω以内である特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項17の光変調器は、請求項1から請求項15のいずれか一つに記載の光変調器において、前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なるとともに、その差が約±15Ω以内である特性インピーダンスを有することを特徴とする。
本発明の請求項18の光変調器は、請求項1から請求項17のいずれか一つに記載の光変調器において、前記基板がリチウムナイオベートからなることを特徴とする。
本発明の請求項19の光変調器は、請求項1から請求項17のいずれか一つに記載の光変調器において、前記基板が半導体からなることを特徴とする。
本発明によれば、光変調器の駆動電圧を下げるとともに光と高周波電気信号の速度を近づけるなどの工夫をした結果、相互作用部の特性インピーダンスが低くなりすぎ、入力用フィードスルー部、入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタ、あるいは外部回路の特性インピーダンスとのインピーダンス不整合が生じた場合にも、光変調器を使用する周波数領域全体において高周波電気信号の電気的反射を低減できる。そして、本発明では、ある特定の、もしくは周期的に特定の周波数においてのみ著しく電気的反射が改善されるわけではなく、実用上差し支えない程度に電気的な残留反射を生じさせ、その代わりに広い範囲にわたって電気的反射特性を改善している。従って、外部回路への悪影響や光パルスのジッタなどを低減することができるばかりでなく、光変調指数の周波数劣化を抑圧することが可能であるという利点がある。また本発明はx−カットLN基板のみでなく、z−カットLN基板、あるいはInP基板やGaAs基板などの半導体基板などその他の基板にも適用可能であるという利点もある。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図15から図31に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1に本発明の第1の実施形態に使用する中心導体4a、接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を示す。この第1の実施形態においても第1の従来技術や第2の従来技術と同様に、Iは入力用フィードスルー部であり、不図示のコネクタの芯線に接続される。IIは入力側接続部、IIIは相互作用部、IVは出力側接続部、及びVは出力用フィードスルー部である。出力用フィードスルー部Vは不図示のコネクタの芯線(あるいは金リボンや金ワイヤー)もしくは終端抵抗に接続されるのも同じである。VIIは長さLの第1インピーダンス変換部、VIIIは長さLの第2インピーダンス変換部である。
なお、出力用フィードスルー部Vの中心導体や中心導体と接地導体間のギャップの形状は図1に示した直線的な構造に限らず、特性インピーダンスを規定し易い曲線テーパ形状でも良く、このことは本発明の全ての実施形態について言える。
この本発明の第1の実施形態は第2の従来技術と同様にインピーダンス変換部を有しているが、第2の従来技術と異なり、インピーダンス変換部が2つの部分、即ち第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIから構成されている。また、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIは不図示の光導波路3、あるいは3a、3bとほぼ平行方向に形成している。
図2は第1インピーダンス変換部VIIである図1のD−D’における断面図であり、S’’とW’’は各々中心導体の幅とギャップである。図3は第2インピーダンス変換部VIIIである図1のE−E’における断面図であり、S’’’とW’’’は各々中心導体の幅とギャップである。なお、図4は相互作用部IIIのF−F’における断面図であり、第2の従来技術について説明した図27と基本的に同じである。
この本発明の第1の実施形態では、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIにおける高周波電気信号の減衰を抑圧するために、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの中心導体の幅を相互作用部IIIの中心導体の幅(例えば、8μm)よりも広くしている。ここでは、互いに等しく、例えば50μmとした。つまり、S’’=S’’’>Sとなっている。但し、勿論第1インピーダンス変換部VIIの中心導体の幅S’’を第2インピーダンス変換部VIIIの中心導体の幅S’’’よりも広くする、あるいはその逆とするなど、インピーダンス変換部が複数から構成されている場合にはそれらの中心導体の幅を異ならしめても良い。なお、入力用フィードスルー部Iとの整合を考えた場合、S’’>S’’’とした方が好ましい。
また、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンス(Z)と第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンス(Z)を異ならしめる(ここでは、Z>Z)ために、第1インピーダンス変換部VIIのギャップ(例えば70μm)を第2インピーダンス変換部VIIIのギャップ(例えば30μm)よりも広くしている(W’’>W’’’)。
図5に本発明の第1の実施形態についての等価回路を示す。図22に示した第1の従来技術や図29に示した第2の従来技術と同じく、Zは入力用フィードスルー部I(あるいは線路7)、Zは入力側接続部II(あるいは線路8)、Zは相互作用部III(あるいは線路9)、Zは出力側接続部IV(あるいは線路10)、Zは出力用フィードスルー部V(あるいは線路11)の特性インピーダンスであるが、本発明の第1の実施形態には、長さがLで特性インピーダンスZの第1インピーダンス変換部VII(あるいは線路16)と長さがLで特性インピーダンスZの第2インピーダンス変換部VIII(あるいは線路17)が付加されている。
第1の従来技術と第2の従来技術についての説明と同様に、図5中の13は外部信号源5の負荷抵抗6(特性インピーダンスR)と入力用フィードスルー部Iとの境界を表す。図5においてZin’’は外部信号源5と外部信号源5の負荷抵抗6から第2の従来技術のx−カットLN光変調器を見た入力インピーダンスである。
つまり、Zin’’は入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZ、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZ、第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZ、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZを伝送線路の縦続接続の考え方で合成した特性インピーダンスと言える。
なお、本発明の効果を示すために、本発明の第1の実施形態においてもCPWギャップWを15μm以下、つまり、相互作用部IIIの特性インピーダンスZが22Ωなどと低い場合を例にとり考察する。
次に、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの作用について考察する。簡単のために、従来技術の場合と同じく、入力側接続部IIの特性インピーダンスZ、相互作用部IIIの特性インピーダンスZ、出力側接続部IVの特性インピーダンスZ、出力用フィードスルー部Vの特性インピーダンスZ、及び終端抵抗12のZについて、Z=Z=Z=Z=Zが成り立っているとする。
この場合の等価回路を図6に示す。ここで、図30に示した第2の従来技術と同じくZ、Z、Z、Z、Zを合成して形成した合成部III’を表す伝送線路15の特性インピーダンスをZ’とした。また、図1に示記した特性インピーダンスがZである第1インピーダンス変換部VIIと特性インピーダンスがZである第2インピーダンス変換部VIIIの各々の長さL、Lを図6中にも記している。
ここで、説明の簡単のために、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZは外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRと同じ50Ωとするが、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスZは50Ωよりも低い場合もある。
入力用フィードスルー部Iに接続する不図示のコネクタ芯線(あるいは、金ワイヤーや金リボンの場合もあるが、本発明では入力用フィードスルー部Iに給電する手法を総称してコネクタ芯線と呼ぶ)は数十μmから数百μmと厚い金属であり、厚い金属は特性インピーダンスを低下させる。従って、不図示のコネクタ芯線を接続した入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスは50Ωより格段に低くなる場合がある。
LN光変調器を実際に使用する場合には、不図示のコネクタ芯線は入力用フィードスルー部Iに固定されているので、不図示のコネクタ芯線を接続して低下した特性インピーダンスを改めて入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスと考える。この考え方は次に述べるような入力用フィードスルー部Iをインピーダンス変換部の一部であるとする考え方の場合に特に重要となる。なお、従来技術と同じく、本発明の全ての実施形態でも、入力用フィードスルー部Iの中心導体において高周波電気信号を給電する部位を給電部とし、また、出力用フィードスルーの中心導体において高周波電気信号を取り出す部位を出力部と呼ぶ。
また、入力用フィードスルー部Iの長さが短い場合には入力用フィードスルー部Iに電気的に接続されるべき不図示のコネクタの特性インピーダンスが重要となる場合がある。
さらに考察を進める。インピーダンス変換を不図示のコネクタや図6の外部信号源5の負荷抵抗6と相互作用部IIIの中心導体4a、接地導体4b、4cからなる進行波電極との間で行うと考えると、入力用フィードスルー部Iもインピーダンス変換部の一部であるとみなすことができる。
また、一見、入力用フィードスルー部I及び、第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの中心導体と接地導体の寸法がほとんど同じであり、全体が入力用フィードスルー部Iのように見えていても、不図示のコネクタ芯線を接続した給電部から相互作用部IIIまでをインピーダンス変換部と考えることができる。
なお、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスは50Ωの場合が多いが、コネクタの特性インピーダンスや外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRも50Ωの場合が多い。従って、相乗平均である(2)式の中に入るべきZは入力用フィードスルー部I、コネクタ、あるいは外部信号源5が有する負荷抵抗6の特性インピーダンスのどれかとして考えることができる。
図1から図6に示した本発明の第1の実施形態は、図26から図31に示した第2の従来技術と考え方が全く異なっている。以下、それについて説明する。
第2の従来技術においては、そのインピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZの値とその長さLには(2)式と(3)式が同時に成り立つという絶対的な条件があった。そして、相互作用部IIIの特性インピーダンスZが例えば22Ω強と低い場合には、図31に示したように、ある周波数では電気的な反射がほぼゼロとなるが、その他の周波数ではx−カットLN光変調器として実用的上使用できない程の大きな電気的な反射が生じてしまっていた。ちなみに、第2の従来技術においてインピーダンス変換部VIの特性インピーダンスZは(2)式から求まり、33.2Ωであった。
本発明の第1の実施形態では、(2)式により求められる特性インピーダンスの相乗平均の値はどこにも使用していない。つまり、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZとしては(2)式で与えられる33.2Ωよりも大きな、例えば37Ωとし、第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZとしては(2)式で与えられる値より小さな29Ωとする。
なお、この第1の実施形態ほどには効果はないが、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZと第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZのどちらか一方を(2)式で与えられる33.2Ωとしても良い。こうしても、ある特定の周波数でのみ完全に電気的反射がなくなる第2の従来技術とは考え方が異なり、広い周波数範囲において残留反射はあるものの(あるいは、残留反射を意図的に残しつつ)実用上充分な程度に電気的反射を抑圧することが可能となる。
こうすることにより、本発明の第1実施形態においては(2)式が成り立たなくなり、ある周波数において電気的パワー反射率S11が共振的に良くなることも無くなるが、第2の従来技術のようにいくつかの周期的な周波数において電気的パワー反射率S11が極めて悪くなることもない。
この第1インピーダンス変換部VIIと第2インピーダンス変換部VIIIの構成の場合における電気的パワー反射率S11の計算結果を図7に示す。図からわかるように、電気的パワー反射率S11はある特定の周波数においてのみ負の極めて大きな値をとり、他の周波数において劣化するのではなく、広い周波数範囲において−15dB以上は確保できている。この値は10Gbpsの光伝送には充分な電気的反射特性といえる。従って、x−カットLN光変調器から外部信号源5へ反射されて戻る高周波電気信号を抑圧できるので、ジッタの少ない光変調パルスを得ることが可能となる。なお、電気的パワー反射率S11の測定結果は図7に示した計算結果とよく一致した。
図8には光の変調指数(パワー変調指数)|m|の周波数応答を示している。電気的な反射が必要充分に抑圧されているので、|m|は滑らかなカーブを描いており、広帯域光変調が可能であることがわかる。
以上のように、本発明はある特定の周波数において電気的な反射が無くなるように構成するのではない。つまり、広い周波数において電気的な反射を意図的にある程度残し、その代わりに広い周波数範囲において電気的な反射をある程度抑圧する構造とも考えることができる。前述のようにこの意図的にある程度残した反射を残留反射と呼ぶ。
なお、(2)式が成り立っていないので、第1インピーダンス変換部VIIの長さLと第2インピーダンス変換部VIIIの長さLについて(3)式が成り立っても良いが成り立つ必要はない。つまり、本発明の第1の実施形態では(2)式も(3)式も成立する必要はなく、電気的な反射が無くなる事もないので、(2)式と(3)式が成り立つことが絶対の条件であり、かつ特定の周波数においてのみ原理的に反射が無くなる第2の従来技術と考え方が根本的に異なっている。
また、第1インピーダンス変換部VIIの特性インピーダンスZと第2インピーダンス変換部VIIIの特性インピーダンスZは(2)式で与えられる相乗平均の値よりも約±15Ω以内の範囲であれば本発明としての大きな効果を発揮でき、さらに約±7Ω以内の範囲であれば本発明の効果は顕著となる。そして、インピーダンス変換部の特性インピーダンスを(2)式で与えられる相乗平均の値からこれらの値(即ち、約±7Ω以内、あるいは約±15Ω以内)程度の範囲で異ならしめるという考え方は本実施形態のみでなく、本発明の全ての実施形態に適用可能である。
[第2の実施形態]
図9に本発明の第2の実施形態に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態において、IXは第1インピーダンス変換部、Xは第2インピーダンス変換部、XIは第3インピーダンス変換部である。
図10に本発明の第2の実施形態についての等価回路を示す。図5に示した本発明の第1の実施形態についての等価回路とほぼ同じ構成であるが、本実施形態の特徴はインピーダンス変換部が特性インピーダンスZの第1インピーダンス変換部IX(あるいは線路18)、特性インピーダンスZ10の第2インピーダンス変換部X(あるいは線路19)、特性インピーダンスZ11の第3インピーダンス変換部XI(あるいは線路20)からなる3つのインピーダンス変換部により構成されている点である(なお、インピーダンス変換部の数としては3つ以上でも良い)。
ここで、第1の実施形態と同じく、相互作用部IIIの特性インピーダンスZを22Ω、外部信号源5の負荷抵抗6の特性インピーダンスRを50Ωとすると、第2の従来技術において(2)式から得られる整合インピーダンスは33.2Ωであった。
本発明においては、第1インピーダンス変換部IX(あるいは線路18)の特性インピーダンスZ、第2インピーダンス変換部X(あるいは線路19)の特性インピーダンスZ10、第3インピーダンス変換部XI(あるいは線路20)の特性インピーダンスZ11の全てを33.2Ωと異ならしめても良いが、逆に例えば、本発明の第2の実施形態においては、Z>Z10=33.2Ω>Z11となるように、CPWのギャップを異ならしめている。なお、Z、Z10、Z11の大小関係についてはこの限りではないし、この内の2つを整合インピーダンス(ここでは33.2Ω)としても良い。
この第2の実施形態の場合には、第2インピーダンス変換部Xの特性インピーダンスZ10が(2)式を満たすものの、第1インピーダンス変換部IX(あるいは線路18)の特性インピーダンスZと第3インピーダンス変換部XI(あるいは線路20)の特性インピーダンスZ11は(2)式を満足していない。また、元来、ZとZ11が(2)式を満たさないので、(3)式は満たしても差し支えないが、満たす必要は無い。
この第2の実施形態の場合についても、図7に示した本発明の第1の実施形態と同様の電気的な反射特性を得ることができる。つまり、ある周波数において電気的パワー反射率S11が共振的に良くなることもないが、第2の従来技術のようにいくつかの周期的な周波数において電気的パワー反射率S11が極めて悪くなることもない。
換言すると、この第2の実施形態についても、広い周波数において電気的な反射を意図的にある程度残し、その代わりに広い周波数範囲において電気的な反射を実用上差しつかえない程度まで抑圧する構造とも考えることができる。つまり、本発明の第2の実施形態でも、電気的な反射が無くなる事もないので、(2)式と(3)式が成り立つことが絶対の条件であり、かつ原理的に反射が無くなる第2の従来技術と考え方が根本的に異なっている。
[第3の実施形態]
図11に本発明の第3の実施形態に使用するCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態において、XIIは第1インピーダンス変換部、XIIIは第2インピーダンス変換部である。本実施形態の場合には、インピーダンス変換部XII、XIIIを相互作用部IIIに対して一旦逆方向に折り返して形成することにより、相互作用部IIIの長さを充分長く確保している。なお、この考え方は本発明の第2の実施形態を含め、その他の実施形態にも適用可能である。
[第4の実施形態]
図12に本発明の第4の実施形態に使用する中心導体4a、接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を示す。本実施形態において、IXは第1インピーダンス変換部、Xは第2インピーダンス変換部である。本実施形態では図11に示した第3の実施形態と同様に、第1インピーダンス変換部IXと第2インピーダンス変換部Xを相互作用部IIIに対して一旦逆方向に折り返して形成しているが、相互作用部の始点から光入射用端面までの基板の長手方向における距離を、高周波電気信号の給電部から光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離よりも短くすることにより、図11に示した第3の実施形態よりも相互作用部IIIの長さを長く確保している。ここで、光導波路3については、本発明と第1の従来技術と同じなので、光入射用端面については第1の従来技術として紹介した図15に30として記している。
このように、インピーダンス変換部を相互作用部IIIに対して一旦逆方向に折り返して、相互作用部IIIの長さを極めて長く確保するという考え方は本発明の全ての実施形態に適用可能である。
さらに、相互作用部IIIの終点から出力用フィードスルー部Vも折り返しても良く、このことは本発明の全ての実施形態について言える。
[第5の実施形態]
図13に本発明の第5の実施形態に使用する中心導体4a、接地導体4b、4cからなるCPW進行波電極4の上面図を示す。この第5の実施形態は図12に示した第4の実施形態の改良版である。本実施形態において、IXは第1インピーダンス変換部、XIVは第2インピーダンス変換部である。図からわかるように、第1インピーダンス変換部IXの中心導体の幅と第2インピーダンス変換部XIVの中心導体の幅とを異ならしめている。そして、入力用フィードスルー部Iとの電磁界の整合を考慮し、この場合には第1インピーダンス変換部IXの中心導体の幅を第2インピーダンス変換部XIVの中心導体の幅よりも広く設定している。
なお、このインピーダンス変換部が複数ある場合に、少なくとも2つのインピーダンス変換部において中心導体の幅を異ならしめるという考え方は本発明の全ての実施形態に適用可能である。この場合、入力用フィードスルー部に近いインピーダンス変換部の中心導体の幅を入力用フィードスルー部から遠いインピーダンス変換部の中心導体の幅よりも広く、つまり入力用フィードスルー部の中心導体の幅に近づけることが良い特性を実現する上で得策である。
[第6の実施形態]
以上の実施形態では、インピーダンス変換部が第1インピーダンス変換部、第2インピーダンス変換部、さらには第3インピーダンス変換部など複数のインピーダンス変換部から構成されていたが、1つのインピーダンス変換部を用いても同様の効果を発揮できる。その1つの実施形態を第6の実施形態として図14に示す。図中、XIがインピーダンス変換部である。
本発明では(2)式から求まる整合インピーダンスに近い値ではあるが、それよりもやや大きい、あるいは逆にやや小さいなど、(2)式を満たさない特性インピーダンスを有する1つのインピーダンス変換部を用いることにより、複数個のインピーダンス変換部を用いる実施形態ほどではないが、ある程度の電気的な反射を抑圧できる効果を発揮できる。その際には、そもそも(2)式が満たされていないので(3)式も成立しなくて良いことになる。あるいは、従来技術においては、(2)式と(3)式が同時に成り立つことが重要であるので、本実施形態では(2)式は成り立っても、(3)式が成り立たないようにすれば良い。これらのことは本発明の全ての実施形態について言える。
なお、インピーダンス変換部の特性インピーダンスは(2)式から求まる相乗平均の値よりもやや大きいかやや小さいと述べたが、その値は(2)式の値よりも約±15Ω以内の範囲であれば本発明としての大きな効果を発揮でき、さらに約±7Ω以内の範囲であれば本発明の効果は顕著である。このことは本発明のその他の実施形態についても成り立つ。
さらに、この第6の実施形態を例にとり、より深く考察する。高周波電気信号は入力用フィードスルー部とインピーダンス変換部を通過して相互作用部に達する。そこで、入力用フィードスルー部Iもインピーダンス変換部の一種であると考えると、図14に示した第6の実施形態において、インピーダンス変換部XIが式(2)と式(3)を満足したとしても、入力用フィードスルー部Iとインピーダンス変換部XIの合計として考えた場合に、式(2)と式(3)を同時に満たさず、残留反射があり、かつ電気的反射が小さくなるならば、その実施形態は本発明に属することになる。
つまり、図14に示した第6の実施形態において、その特性インピーダンスが例えば50Ωである不図示のコネクタと、相互作用部IIIの中心導体4a、接地導体4b、4cからなる進行波電極4との間に式(2)と式(3)が成り立つようにインピーダンス変換部XIを構成していても、入力用フィードスルー部Iの特性インピーダンスがコネクタの特性インピーダンスと同じでない限り、その構造は本発明に属する。なぜならば、入力用フィードスルー部Iは式(2)と式(3)の条件を壊し、広い周波数範囲において残留反射を生じつつ電気的反射を実用上差しつかえないレベルまで全体的に改善する新たなインピーダンス変換部の一部として機能するからである。
例えば、入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIに対して、式(2)と式(3)の条件が成り立つように、インピーダンス変換部XIを構成しても、実際には入力用フィードスルー部Iにコネクタ芯線を接続したために、入力用フィードスルー部Iとコネクタの芯線の合計として考えた場合、コネクタの芯線の厚い金属のために特性インピーダンスが先の入力用フィードスルー部Iの値より低下してしまい、入力用フィードスルー部Iと相互作用部IIIに対して式(2)と式(3)の条件が成り立たなくなった場合がこれに当たる。この場合は、コネクタと相互作用部IIIの間に本発明を適用したと考えられる。さらにこの考え方は不図示の外部信号源の負荷抵抗と相互作用部IIIについても言える。つまり、負荷抵抗と相互作用部IIIの間にある不図示のコネクタを含む電気的線路要素を、広い周波数帯において残留反射を生じつつ、電気的反射を実用上差しつかえないレベルまで全体的に改善するインピーダンス変換部として構成することも可能である。なお、これらのことは本発明の全ての実施形態について言える。
[各実施形態について]
以上においては、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。また、光導波路としてはマッハツェンダ型光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。また少なくとも相互作用部がリッジ構造であっても良い。
インピーダンス変換部が複数のインピーダンス変換部から構成されている場合には、各インピーダンス変換部の特性インピーダンスを異ならしめるのにCPWのギャップを異ならしめたが、その代わりに中心導体の幅、あるいは中心導体の幅とギャップの両方を異ならしめても良い。なお、このことは進行波電極として、CPW以外のACPSやCPSなどの進行波電極を用いた場合にも適用可能である。
なお、以上において説明した実施形態では、インピーダンス変換部の少なくとも一部が相互作用光導波路にほぼ平行な構造として説明したが、ほぼ平行であること自体はインピーダンス変換とは無関係である。従って、インピーダンス変換部の少なくとも一部が相互作用光導波路に斜めあるいは垂直に配置されていても良いことは言うまでもない。
本発明ではインピーダンス変換部の少なくとも一部に(2)式で与えられる相乗平均の値よりもやや大きいかやや小さい箇所があると述べたが、計算と実験によれば(2)式の値よりも約±15Ω以内の範囲であれば本発明としての大きな効果を発揮でき、さらに約±7Ω以内の範囲であれば本発明の効果は顕著となる。
さらに、インピーダンス変換部の数が偶数個の場合には特性インピーダンスの値が(2)式の値よりも大きくなるインピーダンス変換部の数と(2)式の値よりも小さくなるインピーダンス変換部の数とを等しくし、インピーダンス変換部の数が奇数個の場合には、上記の各インピーダンス変換部の数を等しくするというこの工夫の他に、一部のインピーダンス変換部の特性インピーダンスを(2)式の値とすることにより広い周波数範囲で電気的反射を抑圧できるので極めて有効である。
以上の本発明の実施形態で説明した第1インピーダンス変換部、第2インピーダンス変換部、さらには第3インピーダンス変換部の特性インピーダンスの値については、本明細書で述べた数値はあくまで例であり、その他の値でも良いことは言うまでもない。
また、中心導体を挟んでマッハツェンダ光導波路の2本の相互作用光導波路を配置する場合、2本の相互作用光導波路の幅を異ならしめておけば、近づけてもDC及び動的消光比の劣化を避けることが可能となる。
以上の実施形態においては、x−カット、y−カットもしくはz−カットの面方位、即ち、基板表面(カット面)に対して垂直な方向に結晶のx軸、y軸もしくはz軸を持つ基板でも良いし、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良いし、LN基板のみでなく、リチウムタンタレートなどその他の基板でも良いことは言うまでもない。
以上の説明においては、インピーダンス変換部はLN光変調器のフィードスルー部と相互作用部の間、即ちLN光変調器のチップ上に形成されていたが、インピーダンス変換部を、アルミナ基板やLN基板など別体の基板に形成してそれとLN光変調器を接続しても同じ効果を得ることができる。
さらにはInP基板やGaAs基板等の半導体基板上に形成する進行波電極型の電界吸収光変調器やマッハツェンダ光変調器など進行波電極を使用する各種の光デバイスに本発明は使用可能である。
以上のように、本発明に係る光変調器は、RF変調性能について大幅に改善することができるという効果を有し、高速で駆動電圧が低い光変調器として有用である。
本発明の第1の実施形態における進行波電極についての上面図 図1のD−D’線での断面図 図1のE−E’線での断面図 図1のF−F’線での断面図 本発明の第1の実施形態に係る光変調器の等価回路図 本発明の第1の実施形態に係る光変調器の等価回路図 本発明の第1の実施形態に係る光変調器のS11とfの関係を説明する図 本発明に係る光変調器の|m|とfの関係を説明する図 本発明の第2の実施形態における進行波電極についての上面図 本発明の第2の実施形態に係る光変調器の等価回路図 本発明の第3の実施形態における進行波電極についての上面図 本発明の第4の実施形態における進行波電極についての上面図 本発明の第5の実施形態における進行波電極についての上面図 本発明の第6の実施形態における進行波電極についての上面図 第1の従来技術に係る光変調器の斜視図 図15のA−A’線における断面図 第1の従来技術に係る光変調器の動作を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器のVπ・LとWの関係を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器のnとWの関係を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器のZとWの関係を説明する図 第1の従来技術の進行波電極についての上面図 第1の従来技術に係る光変調器の等価回路図 第1の従来技術に係る光変調器のZinとfの関係を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器の|m|とfの関係を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器のS11とfの関係を説明する図 第2の従来技術に係る進行波電極についての上面図 図26のB−B’線における断面図 図26のC−C’線における断面図 第2の従来技術に係る光変調器の等価回路図 第2の従来技術に係る光変調器の等価回路図 第2の従来技術に係る光変調器のS11とfの関係を説明する図
符号の説明
1:x−カットLN基板(基板、LN基板)
2:SiOバッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用部の光導波路(光導波路)
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:外部信号源
6:負荷抵抗
7:入力用フィードスルー部Iを表す線路
8:入力側接続部IIを表す線路
9:相互作用部IIIを表す線路
10:出力側接続部IVを表す線路
11:出力用フィードスルー部Vを表す線路
12:終端抵抗
13:外部信号源及び負荷抵抗と光変調器との境界
14:インピーダンス変換部VIを表す線路
15:相互作用部IIIを含んで合成した伝送線路
16:第1インピーダンス変換部VIIを表す線路
17:第2インピーダンス変換部VIIIを表す線路
18:第1インピーダンス変換部IXを表す線路
19:第2インピーダンス変換部Xを表す線路
20:第3インピーダンス変換部XIを表す線路
30:光入射用端面
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極が、前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相が変調される領域である相互作用部と、外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部と前記相互作用部を通過して伝搬してくる前記高周波電気信号を出力するための出力用フィードスルー部を具備する光変調器において、前記光変調器は、前記相互作用部の特性インピーダンスと、前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンス、前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンス、もしくは前記外部回路の特性インピーダンスの少なくとも1つの特性インピーダンスとのインピーダンス不整合を低減するための少なくとも1つからなるインピーダンス変換部を具備し、前記外部回路から前記入力用フィードスルー部に印加された前記高周波電気信号が、5GHzから10GHzの間の周波数において−15dBから−20dBの間の極小値を持つ電気的パワー反射率を有する残留反射を生じつつ、かつ前記インピーダンス変換部が無い場合と比較して電気的反射が小さくなって、前記相互作用部に伝搬することを特徴とする。

Claims (15)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、
    前記進行波電極が、前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相が変調される領域である相互作用部と、外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部と前記相互作用部を通過して伝搬してくる前記高周波電気信号を出力するための出力用フィードスルー部を具備する光変調器において、
    前記光変調器は、前記相互作用部の特性インピーダンスと、前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンス、前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンス、もしくは前記外部回路の特性インピーダンスの少なくとも1つの特性インピーダンスとのインピーダンス不整合を低減するための少なくとも1つからなるインピーダンス変換部を具備し、
    前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なる特性インピーダンスを有することを特徴とする光変調器。
  2. 前記インピーダンス変換部が複数からなり、そのうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均の少なくとも1つと同じ特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記外部回路から前記入力用フィードスルー部に印加された前記高周波電気信号が残留反射を生じつつ、かつ前記インピーダンス変換部が無い場合と比較して電気的反射が小さくなって、前記相互作用部に伝搬することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光変調器。
  4. 前記インピーダンス変換部の前記中心導体の幅が前記相互作用部の前記中心導体の幅よりも広いことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の光変調器。
  5. 前記インピーダンス変換部の前記中心導体の少なくとも一部が前記光導波路の長手方向に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の光変調器。
  6. 前記インピーダンス変換部は、前記相互作用部が形成されている前記基板とは別体の基板上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の光変調器。
  7. 前記入力用フィードスルー部の中心導体は、前記高周波電気信号が給電される給電部を有し、
    前記出力用フィードスルー部の中心導体は、前記高周波電気信号が出力される出力部を有しており、
    前記相互作用部の長さが、前記給電部から前記出力部までの前記基板の長手方向における距離よりも長いことを特徴とする請求項1から請求項6に記載の光変調器。
  8. 前記相互作用部における前記光の位相が変調される領域の始点から前記光導波路に光を入射するための光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離が、前記高周波電気信号の前記給電部から前記光入射用端面までの前記基板の長手方向における距離よりも短いことを特徴とする請求項1から請求項7に記載の光変調器。
  9. 前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つの前記中心導体と前記接地導体の間のギャップが、前記相互作用部の前記中心導体と前記接地導体の間のギャップよりも広いことを特徴とする請求項1から請求項8に記載の光変調器。
  10. 前記インピーダンス変換部が複数からなり、少なくとも2つの前記インピーダンス変換部の前記中心導体の幅が互いに異なることを特徴とする請求項1から請求項9に記載の光変調器。
  11. 前記インピーダンス変換部が複数からなり、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均よりも大きな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均よりも小さな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部の数が等しいことを特徴とする請求項1から請求項10に記載の光変調器。
  12. 前記インピーダンス変換部が複数からなり、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均よりも大きな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均よりも小さな特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部と、前記相乗平均の特性インピーダンスを有する前記インピーダンス変換部を有することを特徴とする請求項1から請求項11に記載の光変調器。
  13. 前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なるととともに、その差が約±7Ω以内である特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項1から請求項12に記載の光変調器。
  14. 前記インピーダンス変換部のうちの少なくとも1つが、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部の特性インピーダンスとの相乗平均、前記相互作用部の特性インピーダンスと前記入力用フィードスルー部に電気的に接続されるべきコネクタの特性インピーダンスとの相乗平均、もしくは前記相互作用部の特性インピーダンスと前記外部回路の特性インピーダンスとの相乗平均と異なるととともに、その差が約±15Ω以内である特性インピーダンスを有することを特徴とする請求項1から請求項12に記載の光変調器。
  15. 前記基板が半導体からなることを特徴とする請求項1から請求項14に記載の光変調器。
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