JP4920212B2 - 光変調器 - Google Patents

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Description

本発明は高速で駆動電圧が低く、かつDCバイアス電圧が小さく、製作の歩留まりの良い光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。このLN光変調器にはz−カット基板を使用するタイプとx−カット基板(あるいはy−カット基板)を使用するタイプがある。
[第1の従来技術]
ここでは、第1の従来技術としてx−カットLN基板とコプレーナウェーブガイド(CPW)進行波電極を使用したx−カット基板LN光変調器をとり上げ、その斜視図を図4に示す。図5は図4のA−A’における断面図である。なお、以下の議論はz−カットでも同様に成り立つ。
図中、1はx−カットLN基板、2は1.3μm、あるいは1.55μmなど光通信において使用する波長領域で透明な厚みDのSiOバッファ層(なお、厚みDは200nmから1μm程度である)、3はx−カットLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。なお、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームを構成する光導波路である。CPW型の進行波電極4は中心導体4a、接地導体4b、4cからなっている。
この第1の従来技術では、中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧(通常はDCバイアス電圧)と高周波電気信号(RF電気信号とも言う)を重畳して印加するので、相互作用光導波路においてはRF電気信号のみならず、DCバイアス電圧も光の位相を変える。また、SiOバッファ層2は電気信号のマイクロ波実効屈折率nを光導波路3a、3bを伝搬する光の実効屈折率nに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
この第1の従来技術の上面から見た模式図を図6に示す。ここで、10は電気信号源11に内蔵しているDC成分をカットするコンデンサーである。12は電気的な終端、13はDC成分をカットするコンデンサー、また14はDCバイアス電圧を印加するためのDC電源である。2つのコンデンサー10と13があるために、DC電源14からのDC成分は電流として流れることはない。
この第1の従来技術に設けた長さLの進行波電極4を有する相互作用部15には図4に示したようにSiOバッファ層2があり、このSiOバッファ層2にDCバイアス電圧Vbが印加される。ところが、このSiOバッファ層2は電気的抵抗が高いので、ここでの電圧降下により、いわゆるDCドリフトが発生することが知られている。このDCドリフトはLN光変調器の信頼性に大きな悪い影響を与える。
次に、このように構成されるLN光変調器の動作について説明する。このLN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間にRF電気信号と同時にDCバイアス電圧を印加する必要がある。
図7は、LN光変調器の電圧−光出力特性の一例を示す特性図であり、進行波電極4に印加される電圧と、LN光変調器から出力される光の強度との関係を表している。ここで、Vbは動作時におけるDCバイアス電圧である。この図7に示すように、通常、DCバイアス電圧Vbは光出力特性の山と底の中点に設定される。
図8には相互作用部15に設けた進行波電極4の長さLを変数とした場合のRF電気信号についての半波長電圧VπRFとDCバイアスについての半波長電圧VπDCを示す。RF電気信号についての半波長電圧VπRFはLN光変調器における高周波(RF)動作についての重要な性能指標の一つであり、この値が小さいほど高速での駆動が容易となる。一方、DCバイアスについての半波長電圧VπDCはLN光変調器の長期信頼性を決定する極めて重要な性能指標であり、後に述べるようにこの値が小さいほどDCドリフトが小さくなり、長期信頼性が優れている。
この第1の従来技術では相互作用部15の進行波電極4にRF電気信号とDCバイアス電圧を同時に印加するので、RF電気信号の半波長電圧VπRFとDCバイアスについての半波長電圧VπDCは一致する。また、図からわかるように、RF電気信号の半波長電圧VπRFとDCバイアスについての半波長電圧VπDCはともに進行波電極4の長さLに厳密に反比例する。
図8に示したように、相互作用部15の長さLを長くすることにより、LN光変調器の重要な性能指標である2つの半波長電圧VπRFとVπDCを低減することができる。では単に相互作用部15の長さLを長くすれば駆動しやすくかつ長期信頼性に優れたLN光変調器を実現できるかというとそうではない。
図9にはLN光変調器の相互作用部15の長さLに対する3dB光変調帯域Δfを示す。RF電気信号は進行波電極4を伝搬するとともに減衰するので、3dB光変調帯域ΔfはLN光変調器の相互作用部15の長さLに反比例するよりも、さらに急速に劣化する。
次に、これを改善する手法について述べる。LN光変調器の3dB光変調帯域Δfは近似的に次式で表される。
Δf=1.4・c/(π|n−n|・L) (1)
ここで、nとnは各々進行波電極4と相互作用光導波路3a、3bを伝搬するRF電気信号と光の等価屈折率、cは真空中の光速である。
そのため、RF電気信号等価屈折率nを変数とした場合のLN光変調器の3dB光変調帯域Δfは図10のように示される。つまり、RF電気信号の等価屈折率nが光の等価屈折率nに近づくにつれて、LN光変調器の3dB光変調帯域Δfは急速に大きくなる。なお、実際にはRF電気信号等価屈折率nと光の等価屈折率nの差に加えて中心導体4a、接地導体4b、4cからなる進行波電極4を伝搬するRF電気信号には伝搬損失があるので、例え2つの等価屈折率が等しく(n=n)なってもΔfは発散するほど大きくなることはない。
一般に、RF電気信号の等価屈折率nは波長が1.55μm付近では2.2弱である光の等価屈折率nよりも大きく、光変調器の性能を改善するにはその低減が重要となる。そのために、特許文献1に示されている通常中心導体4aと接地導体4b、4cの厚みを厚くする手法と合わせて、特許文献2に示されているSiOバッファ層2の厚みDを厚くする手法が広く用いられている。後者は進行波電極4の特性インピーダンスZを高める上でも有用である。
図11にはSiOバッファ層2の厚みDを変数とした場合のRF電気信号の等価屈折率nを示す。図からわかるように、SiOバッファ層2の厚みDが厚くなると、RF電気信号の等価屈折率nは急速に小さくなる。
つまり、図12に示したように、SiOバッファ層2の厚みDを厚くするとLN光変調器の3dB光変調帯域Δfは改善される。しかしながら、SiOバッファ層2とx−カットLN基板1の熱膨張係数は異なるので、厚いSiOバッファ層2はx−カットLN基板1から剥離しやすい。また、実際に使用するドライバーの出力は5〜6V程度であるので、SiOバッファ層2の厚みDをむやみに厚くすることはできない。従って、SiOバッファ層2の厚みDとしては1.3μm程度が限界である。このことは基板としてz−カットLN基板を用いても同様である。図12には第1の従来技術の例について記号で示している。
第1の従来技術では相互作用部15の長さLをある程度は長くとることができるために、図12に記号で示したようにLN光変調器の3dB光変調帯域Δfが急速に高くなる領域を使用している。但し、前述のようにSiOバッファ層2の厚みDをむやみに厚くすることはできないので、設定できる相互作用部15の長さLにも限界がある。そのため、図4や図6においてマッハツェンダ光導波路3の分岐部と合波部の間にある2本の光導波路3aと3bの長さの全てを活用することはできない。
次に、LN光変調器の信頼性を左右するDCドリフトについて考える。図7で述べたDCバイアス電圧Vbは時間とともに変化する。これをDCドリフトという。このDCドリフトはSiOバッファ層2に起因する要素と(z−カットLN基板でも同様であるが)x−カットLN基板1に起因する要素があり、一般に前者が後者よりも大きい。また、中期的なDCドリフトはSiOバッファ層2が決定し、長期的なDCドリフトはx−カットLN基板1が決定する。
図13にはSiOバッファ層2におけるDC的な内部電界強度Eint,Bを変数とした場合におけるSiOバッファ層2に起因するDCドリフトΔVdrift,Bを示す。図からわかるように、SiOバッファ層2に起因するDCドリフトΔVdrift,BはSiOバッファ層2のDC的な内部電界強度Eint,Bが大きくなると増加する。従って、SiOバッファ層2に起因するDCドリフトΔVdrift,Bを小さくするにはバッファ層2のDC的な内部電界強度Eint,Bを小さくすることが重要となる。
図14には相互作用部15の長さLに対するSiOバッファ層2に起因するDCドリフトΔVdrift,Bを示す。図4や図5に示したように、第1の従来技術ではバッファ層2を介してDCバイアス電圧を中心導体4aと接地導体4b、4cに印加しており、5〜6Vと比較的大きな値のDCバイアス電圧VbがSiOバッファ層2に印加されることになる。従って、この第1の従来技術ではバッファ層2に起因するDCドリフトΔVdrift,Bが大きくなってしまう。
以上のように、第1の従来技術では、マッハツェンダ光導波路3の2本の光導波路3a、3bの長さを充分には活用できず、その結果SiOバッファ層2に起因するDCドリフトΔVdrift,Bが大きいという問題点があった。
[第2の従来技術]
第1の従来技術におけるDCドリフトの問題を解決しようとする試みである第2の従来技術について上面から見た模式図を図15に示す。
前述のように、第1の従来技術における大きな問題、即ちDCドリフトはDCバイアス電圧が印加されたSiOバッファ層2においてDC電圧の降下があるために引き起こされた。
そこで、この第2の従来技術ではRF電気信号を印加する領域(17)とDCバイアス電圧を印加する領域(18)とを分離する。図15に示すように、RF電気信号が印加される長さLのRF電気信号用相互作用部17と、DCバイアス電圧が印加される長さLの中心導体16aと接地導体16b、16cからなるバイアス電極を有するDCバイアス用相互作用部18を具備している。つまり、図15のB−B’における断面図として示した図16からわかるように、DCバイアス用相互作用部18には第1の従来技術として示した図4に存在したSiOバッファ層2がない。
従って、この第2の従来技術ではSiOバッファ層2に起因するDCドリフトが存在せず、長期信頼性はx−カットLN基板1そのものに起因するDCドリフトにより決定される。一般に、x−カットLN基板1そのものに起因するDCドリフトはSiOバッファ層に起因するDCドリフトよりも小さいので、LN光変調器の信頼性向上に有力な手段として採用されてきた。
しかしながら、図15に示した第2の従来技術の場合であっても、RF電気信号が印加されるRF電気信号用相互作用部17の長さLとDCバイアス電圧が印加されるDCバイアス用相互作用部18の長さLの合計はマッハツェンダ光導波路の2本の光導波路3a、3bの長さでほぼ決まっている。そのため、RF電気信号が印加されるRF電気信号用相互作用部17の長さLを長くするとDCバイアス電圧が印加されるDCバイアス用相互作用部18の長さLが短くなり、逆にDCバイアス用相互作用部18の長さLを長くすると、今度はRF電気信号用相互作用部17の長さLが短くなってしまう。
図17にはDCバイアス用相互作用部18の長さLに対するDCバイアスの半波長電圧VπDCを示す。DCバイアス用相互作用部18の長さLが短いと、その中心導体16aと接地導体16b、16cに印加するDCバイアス電圧を高くする必要がある。そうすると、中心導体16aと接地導体16b、16cの間における電界強度が高くなり、SiOバッファ層2に起因するDCドリフトよりは小さいとはいえ、x−カットLN基板1の中における高い内部電界強度に起因するx−カットLN基板1の中でのDCドリフトが生じてしまう。
一方、LN光変調器としての信頼性を確保するために、DCバイアス用相互作用部18の長さLを長くすると、今度はRF電気信号用相互作用部17の長さLが短くなってしまい、RF電気信号の半波長電圧VπRFが高くなる。この様子を図18に示す。第2の従来技術におけるRF電気信号の相互作用部17の長さLは第1の従来技術におけるRF電気信号の相互作用部15の長さLよりも短いため、図からわかるように、RF電気信号の半波長電圧VπRFが高くなっている。
これを避けるためには、RF電気信号用相互作用部17におけるSiOバッファ層2(不図示)の厚みDを薄く設定する必要があり、RF電気信号と光との速度整合、および特性インピーダンスの観点から不利となってしまう。
特開平01−091111号公報 特開平02−051123号公報
以上のように、第1の従来技術ではRF電気信号が光と相互作用する相互作用部にDCバイアス電圧も印加していたので、SiOバッファ層に起因するDCドリフトが生じてしまっていた。一方、第1の従来技術の問題を避けるために考案された第2の従来技術では、RF電気信号用相互作用部とは独立に設けたDCバイアス用相互作用部にDCバイアスのみを印加するが、RF電気信号用相互作用部の長さとDCバイアス用相互作用部の長さの和は決まっている。その結果、DCバイアス用相互作用部の長さ、もしくはRF電気信号用相互作用部の長さを充分にとることができないため、LN基板内での高い内部電界強度に起因して信頼性が劣化する、あるいはLN光変調器としてのRF変調性能が劣化するなどの問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成され光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を伝搬するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光にバイアス電圧を印加する中心導体及び接地導体からなるバイアス電極とを有し、前記光導波路には前記進行波電極に前記高周波電気信号が印加されることにより前記光の位相を変調するための高周波電気信号用相互作用部と、前記バイアス電極にバイアス電圧を印加することにより前記光の位相を調整するためのバイアス用相互作用部とが具備されている光変調器において、前記高周波電気信号用相互作用部を挟んで、前記光が伝搬する方向の前後に前記バイアス用相互作用部を具備し、当該バイアス用相互作用部を構成する各々の前記バイアス電極の中心導体が、前記高周波電気信号用相互作用部の中心導体と接地導体との間を除く位置で電気的に接続されてなり、前記高周波電気信号用相互作用部に設けた前記進行波電極の前記中心導体と前記バイアス用相互作用部に設けた前記バイアス電極の前記中心導体とが電気的に接続されてなり、接続すべき単一の電源から、前記光が伝搬する方向の前後に配置された前記バイアス用相互作用部の中心導体のうちの1つに前記バイアス電圧が印加されるとともに、前記高周波電気信号用相互作用部に設けた前記進行波電極の前記中心導体にも前記バイアス電圧が印加されることを特徴とする。
DCバイアス用相互作用部を具備せずRF電気信号とDCバイアス電圧を同時に相互作用部に印加する、あるいはRF電気信号用相互作用部にはRF電気信号のみを、DCバイアス用相互作用部にはDCバイアス電圧のみを印加していた従来の技術と異なり、本発明の請求項1の発明では、RF電気信号とDCバイアス電圧を同時に印加する進行波電極を具備する相互作用部とDCバイアスのみを印加するバイアス電極を具備するDCバイアス用相互作用部を備えている。従って、DCバイアス電圧を印加する相互作用部の全長が長くなるので、DCバイアス半波長電圧を低減することができる。その結果、RF電気信号とDCバイアス電圧を同時に印加する相互作用部でのSiOバッファ層に起因するDCドリフトと、LN基板そのものに起因するDCドリフトを抑制することが可能となる。また、DCバイアスを印加する相互作用部の全長を長くとれるので、一部をRF電気信号用相互作用部に割り振ることが可能となり、高速応答特性やRF電気信号半波長電圧を低減する設計も可能となる。
また、RF電気信号とDCバイアス電圧を同時に印加する相互作用部の中心導体とDCバイアスのみを印加するDCバイアス用相互作用部の中心導体を電気的に接続することにより、DCバイアス用電源を共通化できるので光変調器を駆動する際の構成が簡単になるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図4から図19に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1に本発明における第1の実施形態の模式的な上面図を示す。図6に示した第1の従来技術と同様に、中心導体4aと接地導体4b、4cからなりRF電気信号とDCバイアス電圧を印加する長さLの相互作用部20を具備している。また、図15に示した第2の従来技術と同様に、中心導体19aと接地導体19b、19cからなりDCバイアス電圧のみを印加する長さLのバイアス電極を有するDCバイアス電圧用相互作用部21を有している。
図2には図1におけるC−C’での断面図を示す。22a、22b、22c、22dはSiOバッファ層である。なお、これらのSiOバッファ層22a、22b、22c、22dは第2の従来技術のようになくても良いが、本実施形態ではこれらを用いることにより中心導体19aや接地導体19b、19cのエッジを光導波路3a、3bに近づけ、DCバイアス半波長電圧VπDCを低減している。
本実施形態では図6に示した第1の従来技術と同じく、中心導体4aと接地導体4b、4cの間にもDCバイアスを印加できるようにDC成分をカットするコンデンサー13を用いるとともに、DC電源14を電気的結線30により電気的に接続している。また、このDC電源14からのDCバイアス電圧はDCバイアス用相互作用部21の中心導体19aと接地導体19b、19cの間にも供給されている。なお、中心導体4aと中心導体19aには個々に設けたDC電源からDCバイアス電圧を供給しても良いが、この実施形態では印加するDCバイアス電圧を同じ電源から供給することにより構成を簡略化している。
このように、本実施形態ではDCバイアス電圧をDCバイアス用相互作用部21のみならず、RF電気信号を印加する相互作用部20にも供給している。従って、DCバイアス電圧にとってはその相互作用部の長さがL+Lになる。さらに、図2に示したように、DCバイアス用相互作用部21では、中心導体19aと接地導体19b、19cがx−カットLN基板1に直接接触している。
DCバイアス半波長電圧VπDCについては、図17に示したSiOバッファ層がなく中心導体19aと接地導体19b、19cがx−カットLN基板1に直接接触している場合には、図8に示したSiOバッファ層2を介してDCバイアス電圧を供給する場合よりも著しく低くなる。つまり、中心導体19aと接地導体19b、19cがx−カットLN基板1に直接接触する場合には、DCバイアス半波長電圧VπDCは低く、たとえDCバイアス用相互作用部21の長さLが短くても効果的にDCバイアス電圧を供給できる。従って、DCバイアス用相互作用部21にDCバイアス電圧を印加することにより、相互作用部20にのみDCバイアス電圧を印加するよりも光変調器全体としてのDCバイアス半波長電圧VπDCを下げることができる。
このように、DCバイアス電圧を印加するための相互作用部の全長さがL+Lと第1と第2の従来技術よりも長くなり、必要なDCバイアス電圧を低く設定できる。つまり、相互作用部20とDCバイアス用相互作用部に印加されるDCバイアス電圧も下げることができる。従って、相互作用部20においてSiOバッファ層2に起因するDCドリフトとDCバイアス用相互作用部21におけるx−カットLN基板に起因するDCドリフトの双方を同時に低減できることを意味している。さらに、RF電気信号を印加する相互作用部20の長さLも第1の従来技術の程度には長くとれるので、3dB光変調帯域Δfも広くできることになる。
図1に示した本発明の第1の実施形態と図4と図15に各々示した第1の従来技術と第2の従来技術によるx−カットLN光変調器の特性を表1にまとめている。この表からわかるように、本実施形態では3dB光変調帯域Δf、RF電気信号半波長電圧VπRF、DCバイアス半波長電圧VπDCともにより改善された特性を実現することができた。特に、DCバイアス半波長電圧VπDCが低いので、高い信頼性を実現できるという優れた利点がある。
Figure 0004920212
[第2の実施形態]
図3には本発明の第2の実施形態の光変調器について模式的な上面図を示す。図1に示した本発明の第1の実施形態の光変調器が具備していた中心導体4a、接地導体4b、4cからなりRF電気信号とDCバイアス電圧を印加する長さLの相互作用部25と、中心導体23a、接地導体23b、23cからなりDCバイアス電圧を印加する長さLのバイアス電極を有するDCバイアス用相互作用部26(ここでは第1のDCバイアス用相互作用部と呼ぶ)に加えて、本発明ではさらに、中心導体24aと接地導体24b、24cからなるとともにDCバイアスを印加する長さLのバイアス電極を有するDCバイアス用相互作用部27(第2のDCバイアス用相互作用部と呼ぶ)も具備している。なお、第1のDCバイアス用相互作用部26と第2のDCバイアス用相互作用部27の断面は図2(あるいは図16)と同様である。
第1のDCバイアス用相互作用部26と第2のDCバイアス用相互作用部27を構成する各々のバイアス電極の中心導体23aと24aを電気的な結線31で接続し、かつRF電気信号とDCバイアス電圧を同時に印加する相互作用部25の中心導体4aとも電気的な結線30で接続しておけば、DC電源14は1つのみで済むので好適である。なお、第1のDCバイアス用相互作用部26と第2のDCバイアス用相互作用部27の中心導体23aと24aを電気的に接続する場合、相互作用部25の中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップを避けて配線するのが望ましい。
また、接地導体23b、23c、24b、24cはお互いに電気的に接続した後、あるいは直接に(不図示の)金属筐体をアースとして接続すれば好都合である。通常バイアスはDCもしくは極めて低周波であるので、このように電極を引き回して接続してもなんら問題が生じることはない。但し、中心導体4a、23aと24aに異なる電源からバイアス電圧を供給しても良いことは言うまでもない。
図3に示した本発明の第2の実施形態ではDCバイアス電圧を印加する領域の長さの総和がL+L+Lと大幅に長くできる。あるいは、その長さの一部を相互作用部25に割り振り、その長さLを長くすることもできる。その結果、表1に示すように、本発明の第2の実施形態では、DCバイアス半波長電圧VπDCを低減できるばかりでなく、3dB光変調帯域Δfも改善できる。
前述のように、一般に、RF電気信号用相互作用部の長さを長くできれば、進行波電極4の直下に形成するバッファ層の厚みを厚くすることが可能となる。従って、マイクロ波と光の速度を近づけるとともに光変調器の特性インピーダンスをドライバーの特性インピーダンスに近づけることができ、変調性能が向上する。
また、DCバイアス半波長電圧VπDCを低減されると、相互作用部25に印加するDCバイアス電圧も低くでき、SiOバッファ層2に起因するDCドリフトも抑制できる。さらに、中心導体23a、24a、接地導体23b、23c、24b、24cが直接x−カットLN基板1に接触しているDCバイアス用相互作用部の総和が長くなれば、x−カットLN基板1内のDC電界強度を低くすることができるのでx−カットLN基板1におけるDCドリフトを低減することが可能となる。
[各実施形態について]
なお、x−カットLN基板の代わりにz−カット基板を使用する際には、DCバイアス用相互作用部において光導波路の直上にバッファ層が必要となる。本発明ではDCバイアス用相互作用部の総和を長くとれるので、DCバイアス電圧を低く設定できる。つまり、バッファ層内の電界強度も下げることができるので、z−カットLN基板内におけるDCドリフトのみならず、バッファ層に起因するDCドリフトも低減することが可能となる。
以上においては、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。また、光導波路としてはマッハツェンダ型光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。
また、DCバイアス相互作用部にはRF電界は印加されないので、DCバイアス用相互作用部の特性インピーダンスは考える必要はなく、DCバイアス用相互作用部の中心導体の幅はRF電気信号用相互作用部の中心導体の幅よりも広くする、あるいはDCバイアス用相互作用部における中心導体と接地導体の間のギャップをRF電気信号用相互作用部における中心導体と接地導体の間のギャップよりも狭くすることが可能であることは言うまでもない。
また、以上の実施形態においては、x−カット,y−カットもしくはz−カットの面方位、即ち、基板表面(カット面)に対して垂直な方向に結晶のx軸、y軸もしくはz軸を持つ基板でも良いし、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良いし、LN基板のみでなく、リチウムタンタレートや半導体などその他の基板でも良いことは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る光変調器は、高速で駆動電圧が低く、かつDCバイアス電圧が小さく、製作の歩留まりの良い光変調器として有用である。
本発明の第1の実施形態における光変調器の模式的な上面図 本発明の第1の実施形態の光変調器を表す図1のC−C’線における断面図 本発明の光変調器における第2の実施形態の模式的な上面図 第1の従来技術の斜視図 第1の従来技術を表す図4のA−A’線における断面図 第1の従来技術の模式的な上面図 一般の光変調器の動作を説明する図 一般の光変調器のVπRF、VπDCとLとの関係を示す図 一般の光変調器のΔfとLとの関係を示す図 一般の光変調器のΔfとnとの関係を示す図 一般の光変調器のnとDとの関係を示す図 一般の光変調器のΔfとDとの関係を示す図 バッファ層の内部電界強度とバッファ層に起因するDCドリフトを説明する図 DCバイアス用相互作用部の長さとバッファ層に起因するDCドリフトを説明する図 第2の従来技術の模式的な上面図 第2の従来技術のB−B’線における断面図 一般の光変調器のVπDCとLとの関係を示す図 一般の光変調器のVπRFとLとの関係を示す図 DCバイアス用相互作用部の長さとx−カットLN基板に起因するDCドリフトを説明する図
符号の説明
1:x−カットLN基板(基板)
2:SiOバッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用部の光導波路(光導波路)
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
10:コンデンサー
11:電気信号源
12:電気的な終端
13:コンデンサー
14:DC電源
15:相互作用部
16a:中心導体
16b、16c:接地導体
17:RF電気信号用相互作用部
18:DCバイアス用相互作用部
19a:中心導体
19b、19c:接地導体
20:相互作用部
21:相互作用部
22a、22b、22c、22d:SiOバッファ層
23a:中心導体
23b、23c:接地導体
24a:中心導体
24b、24c:接地導体
25:相互作用部
26:相互作用部
27:相互作用部
30、31:電気的結線

Claims (1)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成され光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を伝搬するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光にバイアス電圧を印加する中心導体及び接地導体からなるバイアス電極とを有し、
    前記光導波路には前記進行波電極に前記高周波電気信号が印加されることにより前記光の位相を変調するための高周波電気信号用相互作用部と、前記バイアス電極にバイアス電圧を印加することにより前記光の位相を調整するためのバイアス用相互作用部とが具備されている光変調器において、
    前記高周波電気信号用相互作用部を挟んで、前記光が伝搬する方向の前後に前記バイアス用相互作用部を具備し、当該バイアス用相互作用部を構成する各々の前記バイアス電極の中心導体が、前記高周波電気信号用相互作用部の中心導体と接地導体との間を除く位置で電気的に接続されてなり、
    前記高周波電気信号用相互作用部に設けた前記進行波電極の前記中心導体と前記バイアス用相互作用部に設けた前記バイアス電極の前記中心導体とが電気的に接続されてなり、
    接続すべき単一の電源から、前記光が伝搬する方向の前後に配置された前記バイアス用相互作用部の中心導体のうちの1つに前記バイアス電圧が印加されるとともに、前記高周波電気信号用相互作用部に設けた前記進行波電極の前記中心導体にも前記バイアス電圧が印加されることを特徴とする光変調器。
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