JP2014153537A - 光変調器 - Google Patents

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健治 河野
Tomoyuki Kikukawa
知之 菊川
Masaya Nanami
雅也 名波
Eiji Kawazura
英司 川面
Tsutomu Kito
勤 鬼頭
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Abstract

【課題】光変調特性が高性能であるとともに、安定性について改善された光変調器を提供する。
【解決手段】基板と、2本の光導波路と、中心導体と接地導体からなる進行波電極と、基板の一部を掘り下げることにより形成されるリッジ部とを具備し、リッジ部は中心導体が上方に形成された中心導体用リッジ部と、接地導体が上方に形成された接地導体用リッジ部からなり、中心導体用リッジ部に2本の光導波路のうちの1本が形成されており、光導波路が形成されている接地導体用リッジ部と、当該接地導体用リッジ部の接地導体と相対向する接地導体がその上方に形成されている基板との間に、両者を橋渡しするブリッジ部が形成され、ブリッジ部の上方に、光導波路が形成されている接地導体用リッジ部の接地導体と、当該接地導体と相対向して形成された接地導体とを連結する接続用接地導体が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気光学効果を利用して、光導波路に入射した光を高周波電気信号で変調して光信号パルスとして出射する光変調器に関する。
近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されている。このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、低価格、かつ高安定な光変調器の開発が求められている。
このような要望に応える光変調器として、リチウムナイオベート(LiNbO3)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
以下、従来、実用化され、又は提唱されてきたリチウムナイオベートの電気光学効果を利用したLN光変調器について説明する。
(第1の従来技術)
特許文献1に開示された、z−カットLN基板を用いて構成した、いわゆるリッジ型LN光変調器を第1の従来技術の光変調器として図13にその斜視図を示す。なお、図14は図13のA−A´線における断面図である。
z−カットLN基板1上に光導波路3が形成されている。この光導波路3は、金属Tiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。したがって、光導波路3の電気信号と光が相互作用する部(相互作用部と言う)には2本の相互作用光導波路3a、3b、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームが形成されている。
この光導波路3の上面にSiO2バッファ層2が形成され、このSiO2バッファ層2の上面に進行波電極4が形成されている。進行波電極4としては、1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いている。なお、通常、進行波電極4は高価な貴金属材料であるAuにより形成されている。5はz−カットLN基板1を用いて製作したLN光変調器に特有の焦電効果に起因する温度ドリフトを抑圧するための導電層であり、通常はSi導電層を用いる。中心導体4aの幅Sは7μm程度で、中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップWは15μm程度である。なお、説明を簡単にするために、図13では図示したSi導電層5を図14においては省略している。また、以下においてもSi導電層5は省略して議論する。
この第1の従来技術では、z−カットLN基板1をエッチングなどで掘り込むことにより、凹部9a、9b、及び9c(あるいは、リッジ部8a、8bとも言える)を形成している。ここで、10a、10bは接地導体において高周波電信号の電磁界が小さくなった領域あるいは部位であり、外周部と呼ぶ。なお、リッジ部8a、8bを各々中心導体用リッジ部、接地導体用リッジ部とも呼ぶ。
このリッジ構造をとることにより、高周波電気信号の実効屈折率(あるいは、マイクロ波実効屈折率)、特性インピーダンス、変調帯域、駆動電圧などにおいて優れた特性を実現することができる。なお、図14では凹部9a、9b、及び9cの深さ(あるいはリッジ部8a、8bの高さ)を強調して描いているが、実際には2〜5μm程度であり、中心導体4aや接地導体4b、4cの厚み約20μmに比較するとその値は小さい。
さて、この第1の従来技術はLN光変調器としての変調特性は高いものの、安定性について問題があることがわかった。即ち、Si導電層5を使用しているにもかかわらず、温度ドリフト特性が悪いことが判明した。その原因は高い変調性能を生み出すリッジ構造に起因していると考えられる。
以下にその原因について詳しく説明する。図14からわかるように、中心導体4aの直下のリッジ部8aについては、接地導体4b、4cとは独立しているので、z−カットLN基板1の表面に平行な方向にリッジ部8aを引っ張る力は存在しない。
ところが、リッジ部8bについては、前述のように約20μmの厚い接地導体4bが凹部9c、外周部10bとともに形成されている。そして、接地導体4bのAuとz−カットLN基板1の熱膨張係数は互いに大きく異なる。さらに、z−カットLN基板1の幅は数ミリメートル(例えば、1mm〜5mm)と広い。一方、相互作用光導波路3a、3bのギャップは約15μm程度と狭いので、接地導体4bや4cの幅は各々z−カットLN基板1の幅の約半分と言えるくらいに広い(換言すると、外周部10aや10bが広い)。つまり、図14の接地導体4bの幅も広いので環境変化に起因する熱膨張や熱収縮などの応力が積み重なり、リッジ部8bへかなり大きな応力(あるいは厚みが厚いことに起因するモーメント)がかかる。さらに、リッジ部8bは突起しているので、応力(特にモーメントによる応力)の影響を受けやすい。なお、実際には接地導体4cの幅が広いので応力が一層大きくなる。
ところが、z−カットLN基板1に応力がかかるとその屈折率が変化する(応力複屈折)ので、結果的に相互作用光導波路3aの屈折率が変化することになり、LN光変調器を動作させる際のDCバイアス点が変わってしまう。これがリッジ構造特有の温度ドリフト現象であり、LN光変調器としての安定性を損なう結果となる。ちなみに、LN光変調器の環境温度を室温から80℃まで変化させた際に、この第1の従来技術でのDCバイアス点の変化は6Vと大きかった。
(第2の従来技術)
この第1の従来技術の問題点を解決するために、特許文献2に開示された第2の従来技術の相互作用部における断面図を図15に示す。この図15からわかるように、リッジ部8bの上に形成された接地導体4b´と外周部10bの上に形成された接地導体4b´´の厚みは厚いが、凹部9cに形成された接地導体4b´´´の厚みを例えば約300nm以下と薄くしている。このように凹部9cにおける接地導体4b´´´の厚みを薄く、かつパターニングして欠落部を設けることにより、広い面積を有する接地導体4b´´がリッジ部8bへ与える応力を小さくすることができるので、温度安定性を改善できるという考え方である。
この第2の従来技術では、凹部9cに形成された接地導体4b´´´の厚みが薄い上に、接地導体4b´´´が欠落するようにパターンが形成されているので、進行波電極の中心導体4aと接地導体4b´、4b´´、4cを伝搬する高周波電気信号に対して、接地導体4b´´から4b´への電流の供給が不足する、電磁界分布が安定しない、あるいは放射損失(または伝搬損失)が生じるなど、動特性の観点から問題が生じる。
この動特性の問題をある程度解決するには凹部9cに形成された接地導体4b´´´にパターン状の欠落部をなくすことが考えられるが、そうすると厚みが薄いとはいえ、接地導体4b´´´を介してリッジ部8bへ応力を及ぼすため、温度ドリフトが発生してしまうという問題があった。
(第3の従来技術)
図16に特許文献3に開示された第3の従来技術の上面図を示す。なお、z−カットLN基板1の幅は数ミリメートルあり、相互作用光導波路3aと3bのギャップは15μm〜60μm程度である。またz−カットLN基板1の長さは5cm〜7cm程度である。
ここで、B−B´とC−C´における断面図を図17と図18に示す。なお、11a、11b、11c、及び11dは凹部9a、9b、9c及び9dがあることによる空隙部であり、4b(4)、4b(5)、4b(6)、4c(4)、4c(5)、4c(6)は接地導体である。ここで、接地導体4b(5)は接地導体4b(4)と4b(6)とを、また接地導体4c(5)は接地導体4c(4)と4c(6)とを接続している。また、10b、10cは外周部である。8a、8b、8cはリッジ部である。空隙部11aと11dは接地導体における導体が欠落した部位(あるいは、接地導体に開けた窓)とも言える。また、13a、13dは空隙部11aと11dを接地導体4b(5)と4c(5)で埋めた埋め込み部である。
図からわかるように、接地導体4b(4)と4c(4)の幅は図15に示した第2の従来技術の接地導体4b´や中心導体4aと同程度に狭い。また、接地導体4b(6)、4c(6)は図15に示した第2の従来技術における接地導体4b´´のように広い。そして、この第3の従来技術において接地導体4b(4)と4b(6)を接続する接地導体4b(5)と、接地導体4c(4)と4c(6)を接続する接地導体4c(5)の厚みは接地導体4b(4)や4c(4)とほぼ同じであり、図15に示した第2の従来技術の接地導体4b´´´よりも厚く設定している。
そのために、環境温度が変化した際に、熱膨張係数の違いにより発生する接地導体4b(6)からの応力は接地導体4b(5)を介して接地導体4b(4)に伝わり、リッジ部8bを横から押す、あるいは引くなどのモーメントを加える。
その結果、環境温度の変化とともに刻々と変化する応力による圧電効果のために不均一な電荷分布(即ち、不均一な電界分布)が生じるので光導波路3bに不均一な電圧が印加される。これらの不均一な電界分布を打ち消すように外部回路からDCバイアスを印加する必要があるので、最終的に温度ドリフトを生じてしまうと結論できる。
特開平4−288518号公報 特開2004−157500号公報 特開2006−84537号公報
以上のように、リッジ型構造を有するLN光変調器として提案された第1の従来技術では、電極を構成するAuとz−カットLN基板との熱膨張係数の差に起因する接地導体からの応力(あるいは、モーメントによる応力)が温度とともに最適DCバイアス点を変化させる温度ドリフトを生じた。この温度特性を改善するために提案された第2の従来技術では、温度ドリフトをかなり改善できるもののリッジの溝部に形成された接地電極の厚みが薄く、かつパターン状の欠落部があるために電流の供給が不十分となり、その結果高周波電気特性が劣化するという問題があった。そしてこの欠落部をなくすと温度ドリフトが発生していた。また第3の従来技術では広い接地導体からの応力がリッジの溝部に形成された厚い接地電極のために、光変調器の環境温度が変化した際に接地導体側のリッジに応力が加わる。その結果、この第3の従来技術においても圧電効果による温度ドリフトが生じるという問題があった。つまり、光変調器としての高速性・低駆動電圧性を犠牲にしないで温度安定化を実現できる光変調器の開発が急務となっている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光変調特性が高性能であるとともに、安定性について改善された光変調器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、前記基板に形成された2本の光導波路と、前記基板の上方に配置された中心導体と接地導体からなる進行波電極と、前記進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における前記基板の少なくとも一部を掘り下げることにより形成した凹部により構成されるリッジ部とを具備し、該リッジ部は前記中心導体が上方に形成された中心導体用リッジ部と、前記接地導体が上方に形成された接地導体用リッジ部からなり、該中心導体用リッジ部に前記2本の光導波路のうちの1本が形成されている光変調器において、前記光導波路が形成されている前記接地導体用リッジ部と、当該接地導体用リッジ部の接地導体と相対向する接地導体がその上方に形成されている前記基板との間に、両者を橋渡しするブリッジ部が形成され、前記ブリッジ部の上方に、前記光導波路が形成されている前記接地導体用リッジ部の接地導体と、当該接地導体と相対向して形成された接地導体とを連結する接続用接地導体が形成されていることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記接続用接地導体の厚みが、前記中心導体と前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体との少なくともどちらか一方の厚みと等しいことを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記接続用接地導体の厚みが、前記中心導体と前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体との少なくともどちらか一方の厚みよりも薄いことを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記接続用接地導体の厚みが、前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体と相対向する前記接地導体の厚みよりも薄いことを特徴としている。
本発明の請求項5に記載の光変調器は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の光変調器において、前記ブリッジ部の高さが、その両側に位置する前記接地導体用リッジ部または前記基板の高さの少なくともいずれか一方と等しいことを特徴としている。
本発明の請求項6に記載の光変調器は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の光変調器において、前記ブリッジ部の高さが、その両側に位置する前記接地導体用リッジ部または前記基板の高さの少なくともどちらか一方よりも低いことを特徴としている。
本発明の請求項7に記載の光変調器は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の光変調器において、前記ブリッジ部に隣接する、前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体と相対向する前記接地導体の厚みが、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一部とほぼ同じ厚みを持つことを特徴としている。
本発明の請求項8に記載の光変調器は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の光変調器において、前記接地導体が、前記凹部で導体が欠落した部位を具備することを特徴としている。
本発明の請求項9に記載の光変調器は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の光変調器において、前記接地導体が、前記凹部で導体が欠落していない部位を具備することを特徴としている。
本発明の請求項10に記載の光変調器は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の光変調器において、前記光導波路を下方に具備しない前記接地導体の下方に、前記凹部を具備しない構造であることを特徴としている。
本発明の請求項11に記載の光変調器は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の光変調器において、前記基板がリチウムナイオベートからなることを特徴としている。
本発明に係る光変調器では、中心導体に相対向する接地導体とリッジの溝部以外に形成された接地導体とを電気的に接続する接続用接地導体の底面をリッジの溝部の表面よりも位置的に高く設定している。そのために接地導体側のリッジ部に接地導体からの応力のモーメントがかかりにくい。その結果、温度ドリフトを低減できるという特徴がある。
さらに、本発明を適用することにより、上述の中心導体に相対向する接地導体とリッジの溝部以外に形成された接地導体とを電気的に接続する接続用接地導体の厚みを厚くすることが可能となり、高周波電気特性も改善できる。
本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す上面図 図1のD−D´における断面図 図1のE−E´における断面図 図1のJ−J´における断面図 本発明の第1の実施形態の特性を説明する図 本発明の第2の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す上面図 図5のF−F´における断面図 図5のG−G´における断面図 本発明の第3の実施形態に係わる光変調器の概略構成を示す上面図 図9のH−H´における断面図 図9のI−I´における断面図 本発明の第3の実施形態の特性を説明する図 第1の従来技術の光変調器についての概略構成を示す斜視図 図13のA−A´における断面図 第2の従来技術の光変調器についての概略構成を示す断面図 第3の従来技術の光変調器についての概略構成を示す上面図 図16のB−B´における断面図 図16のC−C´における断面図
以下、本発明の実施形態について説明するが、図13から図18に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態についてその上面図を示す。また、D−D´、E−E´、J−J´における断面図を各々図2、図3、及び図4に示す。ここで、11a、11b、11c、及び11eは空隙部である。なお、4b(4)、4b(5)、4b(6)、4c(4)、4c(5)、4c(6)は接地導体である。接地導体4b(5)は接地導体4b(4)と4b(6)を、また接地導体4c(5)は接地導体4c(4)と4c(6)を接続している(接地導体4b(5)と接地導体4c(5)は接続用接地導体とも呼ぶ)。
本実施形態では、高周波電気信号としての表皮効果の影響を受けにくいように、接続用接地導体である接地導体4b(5)と4c(5)の厚みを厚くしている。また、10bと10dは接地導体において高周波電気信号の強度が小さくなった部位であり、外周部と呼ぶ。8aと8bはリッジ部である。空隙部11aと11eは接地導体における導体が欠落した部位(あるいは、接地導体に開けた窓)とも言える。
環境温度が変化した際に、熱膨張係数の違いにより発生する接地導体4b(6)からの応力は、接続用接地導体4b(5)を介して接地導体4b(4)に伝わり、リッジ部8bを横から押す、あるいは引くなどのモーメントを加える。そこで、本発明では、図4に示すように、リッジ8bに対して横から強度的に補強するいわば梁の役割をするブリッジ部100を設ける構成としている。これにより、リッジ部8bに接地導体4b(6)からの応力が加わり難いようにしている。その結果、本発明は優れた高周波特性を有しつつ、小さな温度ドリフトを実現できる構造と言うことができる。なお、ブリッジ部100は図3から分かるように、リッジ部8b、外周部10bと同じ高さとなっている。
図6には環境温度Tを20℃から80℃まで変化させた場合の本発明における第1の実施形態についての実験結果を示す。比較のために、図には第1の従来技術、第2の従来技術、及び第3の従来技術についての測定結果も示している。ここで、中心導体4aの幅Sは7μm、中心導体4aと接地導体4b(4)、もしくは接地導体4c(4)とのギャップWは15μmとした。
図からわかるように、高周波光変調の観点から有利な第3の従来技術よりも温度ドリフトを大幅に抑えることが可能となり、本発明の考え方が正しいことを実証できた。なお、温度ドリフトについては第2の従来技術も優れているが、先に述べたように第2の従来技術は高周波電気信号のモード変換の観点から問題がある。ここで、空隙部11aと11bの長さLwと接地導体4b(5)の長さLeは各々30μm〜3mm、及び5μm〜500μm程度まで変化させても効率よく温度ドリフトを抑圧できた。
なお、以上の説明では接続用接地導体4b(5)の底面の下方にあるブリッジ部100の上面がリッジ部8aや8bとほぼ同じ高さにあるとして説明したが、必ず同じ高さとする必要はなく、例えばその高さがリッジ部8aや8bよりもやや低くてもリッジ部8bの強度を補強する効果はある。そして、このことは本発明の全ての実施形態について言う事ができる。
(第2の実施形態)
図6に本発明の第2の実施形態についてその上面図を示す。また、F−F´、G−G´における断面図を各々図7と図8に示す。ここで、11a、11b、11c、及び11fは空隙部である。
なお、4b(7)、4b(8)、4b(9)、4c(7)、4c(8)、4c(9)は接地導体である。接地導体4b(8)は接地導体4b(7)と4b(9)を、また接地導体4c(8)は接地導体4c(7)と4c(9)を接続している(接地導体4b(8)と接地導体4c(8)は接続用接地導体とも呼ぶ)。また、10bと10dは外周部である。8aと8bはリッジ部である。101は、図4に示した100と同様のブリッジ部である。
本実施形態では、図8の接続用接地導波路4b(8)と4c(8)にはパターニングを施していない(つまり欠落部がない)。そのため接地導体4b(8)の厚みは薄いとはいえ、やはりリッジ部8bを押してしまう。しかしながら、本実施形態においてもLN基板1にブリッジ部101を設けているので、リッジ部8bの剛性が高くなり、その結果、4b(9)からリッジ部8bへの応力がかかっても、リッジ部8bは変形することがなく、極めて優れた温度ドリフト特性を実現できる。なお、前述のように接地導体4b(8)と4c(8)にはつまり欠落部がないので第2の従来例に比べると高周波電気特性を改善することができる。
(第3の実施形態)
図9に本発明の第3の実施形態についてその上面図を示す。また、H−H´、I−I´における断面図を各々図10と図11に示す。ここで、11a、11b、11c、及び11eは空隙部である。なお、4b(10)、4b(12)、4b(13)、4c(10)、4c(12)、4c(13)は接地導体である。接地導体4b(11)は接地導体4b(10)と4b(12)を、また接地導体4c(11)は接地導体4c(10)と4c(12)を接続している(接地導体4b(11)と接地導体4c(11)は接続用接地導体とも呼ぶ)。また、10b、10dは高周波電気信号が小さくなった部位、つまり外周部である。8aと8bはリッジ部である。100は、ブリッジ部である。空隙部11aと11eは接地導体において導体が欠落した部位(あるいは、接地導体に開けた窓)とも言える。
この本発明の第3の実施形態において注目すべきことは、接地導体4b(13)と4c(13)の厚みが例えば300nmのように薄くなっていることである。接地導体の厚みが厚いと、てこの原理によりz−カットLN基板1、ひいてはリッジ部8bに加わる応力(あるいは、モーメントによる応力)が大きくなる。そこで、まずこの実施形態では外周部10bの接地導体4b(13)の厚みを薄くすることにより、この応力を小さくしている。さらに、本発明の効果を一層顕著とするために、外周部10d上に形成した接地導体4c(13)の厚みも同じく薄くしている。この構成を取り入れることにより、図12に示すように20℃から80℃の環境温度の変化に対するDCバイアスの温度ドリフトを第1の実施形態よりもさらに小さく抑えることができた。
また、先に述べたように、相互作用光導波路3aと3bのギャップが15μm〜60μm程度であることを考慮すると、高周波電気信号と相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光が相互作用する相互作用部の幅は、z−カットLN基板1の幅(約1mm〜5mm程度)と比較して著しく狭い。従って、接地導体4b(13)と4c(13)の厚みを薄くすることにより、高価なAuの使用量を著しく低減することができ、コスト削減に貢献できる。
なお、厚みは薄いものの面積が広い接地導体4b(13)と4c(13)は、高周波電気信号の観点からしっかりとした電気的アースの確立と電気的アースである筐体とのワイヤやリボンによる接続の観点から有用である。このことは本発明の全ての実施形態について言える。
このように、高周波電気信号が小さい外周部の接地導体の厚みを薄くすることにより、変調特性を損なわずに、かつ温度ドリフトを改善するという思想は、図6から図8に示した本発明の第2の実施形態にも適用可能であることは言うまでもない。また図10や図11に示した接地導体4b(13)と4c(13)の厚みのどちらか一方のみを薄く構成しても、ある程度の効果がある。また、もともと高周波電気信号の電磁界は外周部では小さいので、非対称性がこの程度壊れても高周波電気信号の伝搬特性に影響を与えることは小さい。そしてこのことは本発明の全ての実施形態にあてはまる。
(各実施形態)
なお、中心導体と接地導体の厚みが20μm〜60μm程度ある場合に、接続用接地導体の厚みは100nm〜60μmの範囲でも本発明は有効であったが、とりわけ接続用接地導体の厚みとしては、中心導体、もしくは光導波路を具備するリッジの上方にある接地導体の半分以下、さらに具体的には30μm以下であると温度ドリフトを極めて抑圧できるという著しい効果があった。
本発明において進行波電極は中心導体の中心線に対して左右対称であっても良いし、そうでなくても良い。また、図1から図4に示した第1の実施形態において切り欠き部には接地導体がないとして説明をしたが、切り欠き部にも接地導体があっても良いことは言うまでもないし、接続用接地導体としては厚みが厚い接地導体、厚みが薄い接地導体、あるいは中間の厚みの接地導体、さらにはそれらを組み合わせた接地導体も良いことは言うまでもない。
分岐光導波路の例としてマッハツェンダ光導波路を用いたが、方向性結合器などその他の分岐合波型の光導波路にも本発明を適用可能であることは言うまでもなく、考え方は3本以上の光導波路にも適用可能であるし、光導波路が1本の位相変調器にも適用できる。なお、位相変調器の場合には、その1本の光導波路と進行波電極が中心導体の中心線に対して対称となる。また光導波路の形成法としてはTi熱拡散法の他に、プロトン交換法など光導波路の各種形成法を適用できるし、バッファ層としてAl23等のSiO2以外の各種材料も適用できる。
また、z−カットLN基板について説明したが、x−カットやy−カットなどその他の面方位のLN基板でも良いし、リチウムタンタレート基板、さらには半導体基板など異なる材料の基板でも良い。さらに、電極は進行波電極として説明してきたが、原理的には集中定数電極でも良いので、本明細書における進行波電極は集中定数電極も含むものとする。
また、通常、各凹部は同じ程度の幅で形成するが、外周部に近い凹部が極めて広くなるように(外周部が凹部の底部とほぼ同じ高さとなるように)エッチングしている場合には、その広くエッチングされた部分を事実上の外周部と考え、本発明を適用することが可能である。
以上のように、本発明に係る光変調器は、高性能なリッジ型の光変調器において、接続用接地導体の下の基板の上面を高くすることにより、応力に対して強い構造とすることにより環境温度が変化した際に温度ドリフトを抑えることができる光変調器として有用である。
1:z−カットLN基板(LN基板)
2:SiO2バッファ層(バッファ層)
3:マッハツェンダ光導波路(光導波路)
3a、3b:マッハツェンダ光導波路を構成する相互作用光導波路
4:進行波電極
4a:中心導体
4b、4b´、4b´´4b´´´、4b(4)、4b(5)、4b(6)、4b(7)、4b(8)、4b(9)、4b(10)、4b(11)、4b(12)、4b(13)、4c、4c(4)、4c(5)、4c(6)、4c(7)、4c(8)、4c(9)、4c(10)、4c(11)、4c(12)、4c(13):接地導体
5:Si導電層
6:高周波(RF)電気信号給電線
7:高周波(RF)電気信号出力線
8a:リッジ部(中心導体用リッジ部)
8b、8c:リッジ部(接地導体用リッジ部)
9a、9b、9c、9d:凹部
10a、10b、10c、10d:外周部
11a、11b、11c、11d、11e、11f:空隙部(導体が欠落した部位)
13a、13d:埋め込み部(接地導体)
100、101:ブリッジ部

Claims (11)

  1. 電気光学効果を有する基板と、前記基板に形成された2本の光導波路と、前記基板の上方に配置された中心導体と接地導体からなる進行波電極と、前記進行波電極を伝搬する高周波電気信号の電界強度が強い領域における前記基板の少なくとも一部を掘り下げることにより形成した凹部により構成されるリッジ部とを具備し、該リッジ部は前記中心導体が上方に形成された中心導体用リッジ部と、前記接地導体が上方に形成された接地導体用リッジ部からなり、該中心導体用リッジ部に前記2本の光導波路のうちの1本が形成されている光変調器において、
    前記光導波路が形成されている前記接地導体用リッジ部と、当該接地導体用リッジ部の接地導体と相対向する接地導体がその上方に形成されている前記基板との間に、両者を橋渡しするブリッジ部が形成され、
    前記ブリッジ部の上方に、前記光導波路が形成されている前記接地導体用リッジ部の接地導体と、当該接地導体と相対向して形成された接地導体とを連結する接続用接地導体が形成されていることを特徴とする光変調器。
  2. 前記接続用接地導体の厚みが、前記中心導体と前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体との少なくともどちらか一方の厚みと等しいことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記接続用接地導体の厚みが、前記中心導体と前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体との少なくともどちらか一方の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  4. 前記接続用接地導体の厚みが、前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体と相対向する前記接地導体の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  5. 前記ブリッジ部の高さが、その両側に位置する前記接地導体用リッジ部または前記基板の高さの少なくともいずれか一方と等しいことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の光変調器。
  6. 前記ブリッジ部の高さが、その両側に位置する前記接地導体用リッジ部または前記基板の高さの少なくともどちらか一方よりも低いことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の光変調器。
  7. 前記ブリッジ部に隣接する、前記光導波路を具備する前記接地導体用リッジ部上の接地導体と相対向する前記接地導体の厚みが、前記中心導体もしくは前記接地導体の少なくとも一部とほぼ同じ厚みを持つことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の光変調器。
  8. 前記接地導体が、前記凹部で導体が欠落した部位を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の光変調器。
  9. 前記接地導体が、前記凹部で導体が欠落していない部位を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の光変調器。
  10. 前記光導波路を下方に具備しない前記接地導体の下方に、前記凹部を具備しない構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の光変調器。
  11. 前記基板がリチウムナイオベートからなることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の光変調器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016191878A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 住友大阪セメント株式会社 電気回路基板

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