JPWO2007129676A1 - 熱間プレス成形鋼板部材およびその製造方法 - Google Patents

熱間プレス成形鋼板部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

焼入れままで靱性が良好で、引張強さが1.8GPa以上の熱間プレス成形された鋼板部材は、旧オーステナイト粒径10μm以下で、自動焼戻しマルテンサイトを含む微細組織を有する。鋼板の化学組成は、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5を満たす量のTi、さらにSi:0.5%以下、Ni:2%以下、Cu:1%以下、V:1%以下及びAl:1%以下の1種又は2種以上、場合によりB:0.01%以下、Nb:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Ca:0.001〜0.005%の1種又は2種以上を含有する。この鋼板をAc3点以上、(Ac3点+100℃)以下の温度で5分以下保持した後で熱間プレス成形し、次いでMs点までの冷却速度が上部臨界冷却速度以上、かつMs点から150℃までの平均冷却速度が10〜500℃/秒の冷却により焼入れを行う。

Description

本発明は、熱間プレス成形により作製された、靱性に優れ、かつ引張強さが1.8GPa以上という高強度の鋼板部材とその製造方法に関する。この鋼板部材は、自動車のボデー構造部品、足回り部品等を始めとする機械構造部品として好適である。本発明はまた、この鋼板部材の製造に使用される熱間プレス成形用鋼板とその製造方法にも関する。
近年、自動車の燃費向上のため、使用する鋼材の高強度化を図り、自動車の重量を減ずる努力が進んでいる。その結果、自動車に広く利用されている薄鋼板のプレス成形による部材の製造においては、鋼板強度の増加に伴うプレス成形性の低下により、複雑な形状の部材を製造することが困難になってきている。具体的には、鋼板の延性低下に起因して、加工度が高い部位で破断が生じるスプリングバックや、壁反りが大きくなって寸法精度が劣化する、といった問題が発生している。そのため、特に780MPa以上の引張強さを有する高強度の鋼板を用いたプレス成形による部品の製造には困難性がつきまとう。
プレス成形ではなくロール成形を利用すれば、高強度鋼板でも容易に加工を行うことができる。しかし、ロール成形は長手方向に一様な断面を有する部品の製造にしか適用できないので、複雑な形状の部材の製造には利用できない。
GB 1,490,535に提案されているように、加熱した鋼板をプレス成形する熱間プレス成形と呼ばれる方法では、高温の鋼板が軟質かつ高延性になっているため、複雑な形状を寸法精度よく成形することが可能である。その上、鋼板をオーステナイト域に加熱してからプレス成形し、プレス成形に用いた金型内で成形品を急冷して焼入れすることによって、鋼板の成形と同時に、マルテンサイト変態による鋼板の高強度化を達成することができる。
特開平10−96031号公報には、鋼板素材を予め室温で所定の形状にプレス成形した後、成形に用いた金型に入れたまま成形品をオーステナイト域に加熱し、急冷することによって、鋼板の高強度化とプレス成形を同時に行う予成形プレスクエンチ法が開示されている。
上述した熱間プレス成形法や予成形プレスクエンチ法は、鋼板のプレス成形とプレス成形品の高強度化を同時に達成することができる。
ところが、焼入れ後の成形品の引張強さが1.8GPa以上という高強度になると、従来の熱間プレス成形法(予成形プレスクエンチ法を含む)では、焼入れ後のプレス成形品の靱性が不十分で、実用レベルに達しないことが判明した。実際、熱間プレス成形のままで靱性が良好な、引張強さ1.8GPa以上の高強度プレス成形品を製造した例はこれまで知られていない。
従って、従来の熱間プレス成形では、引張強さが1.8GPa以上の実用可能なプレス成形品を作製するためには、焼入れされたプレス成形品に焼戻し処理を施してその靱性を高める必要がある。しかし、熱間プレス成形において焼戻し工程を追加することは、作業効率や設備の点で著しいコストアップにつながり、好ましくない。
本発明は、焼入れ後の焼戻しを行わずに、靱性に優れ、かつ引張強さが1.8GPa以上の熱間プレス成形されたプレス成形品の製造を実現可能にする技術を提供する。
本発明によれば、鋼板の化学組成を適切に選択し、かつ鋼板製造時の熱間圧延条件や場合によりその後の冷間圧延、焼鈍、合金化溶融亜鉛めっきなどの熱処理条件、さらには熱間プレス成形後の焼入れ条件を適切に制御することにより、上記目的を達成することができる。
1側面において、本発明は、質量%で、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、下記式(1)を満たす量のTi、Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%、B:0〜0.01%、Mo:0〜1.0%、Ca:0〜0.005%、並びに残部Fe及び不純物から本質的になる化学組成を有するとともに、旧オーステナイト平均粒径が10μm以下で自動焼戻しマルテンサイトを含む微細組織を有し、かつ引張強さが1.8GPa以上である熱間プレス成形された鋼板部材である:
3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5・・・(1)
式中のTi及びNは鋼中の該元素の含有量(質量%)を意味し、Nは鋼中に不純物として含まれる。
本発明において、熱間プレス成形は、鋼板を予めオーステナイト域(Ac点以上)の温度に加熱してからプレス成形を行う狭義の意味での熱間プレス成形法に加えて、オーステナイト域より低温(例、室温)でプレス成形した後、プレス成形に使用した金型内で成形品をオーステナイト域の温度に加熱し、焼入れを行う予成形プレスクエンチ法をも包含する。
前記化学組成は、質量%で、Si:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜2%、Cu:0.01〜1%、V:0.01〜1%、Al:0.01〜1%、B:0.001〜0.01%、Mo:0.01〜1.0%、及びCa:0.001〜0.005%から選ばれた1種又は2種以上を含有していてもよい。
前記化学組成において、鋼中に不純物として含まれるP、S及びNのうちの1種又は2種以上は、質量%でP:0.005%以下、S:0.005%以下及びN:0.002%以下を満たす含有量であることが好ましい。
別の側面からは、本発明は、上記化学組成を有する、引張強さが1.8GPa以上の熱間プレス成形された鋼板部材を製造することができる熱間プレス成形用鋼板である。
本発明はまた、上記化学組成を有する鋼板を、Ac点以上、(Ac点+100℃)以下の温度域に5分以下の時間保持した後、この鋼板に熱間プレス成形を施し、熱間プレス成形された高温の成形品をMs点までの冷却速度が上部臨界冷却速度以上、かつMs点から150℃までの平均冷却速度が10〜500℃/秒となるように冷却することを含む、熱間プレス成形された鋼板部材の製造方法も提供する。
1態様において、熱間プレス成形された鋼板部材は、前述した予成形プレスクエンチ法によって製造することもできる。この態様による鋼板部材の製造方法は、上記化学組成を有する鋼板をAc点より低温で金型を用いてプレス成形し、プレス成形された鋼板を該金型に入れたまま、Ac点以上、(Ac点+100℃)以下の温度域に5分間以下の時間保持し、次いでMs点までの冷却速度が上部臨界冷却速度以上、かつMs点から150℃までの平均冷却速度が10〜500℃/秒となるように冷却することを含む。この態様におけるプレス成形温度は典型的には室温である。
本発明はさらに、特に予成形プレスクエンチ法に使用するのに適した、プレス成形性に優れた熱間プレス成形用鋼板の製造方法も提供する。この熱間プレス成形用鋼板の製造方法は、上記化学組成を有する鋼塊又は鋼片を1050〜1300℃の温度としたのちに熱間圧延に供し、800〜950℃の温度で該熱間圧延を完了し、熱間圧延で得られた鋼帯を500〜700℃の温度で巻取ることを含む。
この熱間プレス成形用鋼板の製造方法は、下記工程をさらに含んでいてもよい:
(1)上記の巻き取られた鋼帯をアンコイルし、この鋼帯に脱スケール処理と冷間圧延とを施す;
(2)上記(1)で冷間圧延された鋼帯を、(Ac点+10℃)以上、Ac点以下の温度域に10秒間以上保持した後、1〜100℃/秒の平均冷却速度で300〜500℃の温度域まで冷却し、この鋼帯を次いで300〜500℃の温度域に30秒間〜10分間保持した後、1〜50℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却する;
(3)上記(1)で冷間圧延された鋼帯を、(Ac点−100℃)以上、(Ac点+30℃)以下の温度域に1〜24時間保持したのちに1〜100℃/時の平均冷却速度で室温まで冷却する;
(4)上記の巻き取られた鋼帯をアンコイルし、この鋼帯に脱スケール処理と溶融亜鉛めっきとを施し、次いでこの鋼帯に500℃以上、Ac点以下の温度域で合金化熱処理を施す;
(5)上記(1)で冷間圧延された鋼帯を、700〜900℃の温度域で焼鈍を施したのちに1〜60℃/秒の平均冷却速度で500℃以下の温度域まで冷却し、この鋼帯に溶融亜鉛めっきと、その後に500℃〜Ac点の温度域で合金化熱処理とを施す;又は
(6)上記(3)で室温まで冷却された鋼帯に、溶融亜鉛めっきと、その後に500℃〜Ac点の温度域で合金化熱処理を施す。
このように、本発明の熱間プレス成形用鋼板は、熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板、熱処理された冷間圧延鋼板、並びに熱間圧延鋼板若しくは冷間圧延鋼板を基材とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板を包含する。
本発明により、焼戻しを行わずに、熱間プレス成形とその際の焼入れのままで、靱性に優れ、引張強さが1.8GPa以上の高強度熱間プレス成形された鋼板部材を製造することが可能となる。その結果、熱間プレス成形を利用した高強度鋼板部材の製造コストを著しく低減することができる。
臨界冷却速度測定用の試験片の形状の説明図である。 本発明の熱間プレス鋼板部材の微細組織を示すTEM写真である。 ハット成形法の模式的説明図である。
以下に本発明をより詳しく説明する。以後の説明において、鋼板やめっきの組成に関する「%」は全て「質量%」を表す。
本発明において鋼板の化学組成は次の通りである。
C:0.26〜0.45%
Cは、鋼板の焼入れ性を高め、かつ焼入れ後強度(post−quenching strength)を主に決定する非常に重要な元素である。焼入れ後に引張強さ1.8GPa以上の高強度を達成するために、C含有量を少なくとも0.26%とする。一方、C含有量が0.45%を超えると、焼入れ後の鋼板の強度が高くなりすぎて、その靱性劣化が著しくなる。望ましいC含有量は0.28〜0.33%である。
Mn+Cr:0.5〜3.0%
Mn及びCrは、鋼板の焼入れ性を高め、かつ高い焼入れ後の強度を安定して得るのに非常に効果のある元素である。Mn及びCrの合計含有量(以下、「(Mn+Cr)含有量」という)が0.5%未満ではその効果は十分ではない。一方、(Mn+Cr)含有量が3.0%を超えるとその効果は飽和し、逆に安定した強度確保が困難となる。望ましい(Mn+Cr)含有量は0.8〜2.0%である。
Nb:0.02〜1.0%
Nbは、鋼板をAc点以上に加熱したときに、再結晶化を抑制し、かつ微細な炭化物を形成することによってオーステナイト粒を細粒にし、それにより焼入れ後の鋼板の靱性を大きく改善するという効果がある。この効果を確実に得るために、0.02%以上のNbを含有させる。しかし、Nb含有量が1.0%超になると、Nbの上記効果は飽和し、いたずらにコスト増を招く。望ましいNb含有量は0.03〜0.5%であり、より望ましくは0.04〜0.15%である。
Ti:(1)式(3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5)を満たす量
Tiは、鋼板をAc点以上に加熱したときに、再結晶化を抑制し、かつ微細な炭化物を形成することによって、オーステナイト粒を細粒にし、それにより焼入れ後の鋼板の靱性を大きく改善するという効果を有する。Tiのこの効果を確実に発揮させるために、Ti含有量(%)を(3.42N+0.001)以上とする。Nは鋼中に不純物として含有される。Nは実質的に0%であってもよい。一方、Ti含有量が(3.42N+0.5)を超えると、Tiの上記効果は飽和し、いたずらにコスト増を招く。望ましいTi含有量は、3.42N+0.02≦Ti≦3.42N+0.08を満たす量である。
Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%
これらの元素は任意添加元素であるが、いずれも鋼板の焼入れ性を高め、かつ高い焼入れ後強度を安定して達成するのに効果があるので、それらの1種又は2種以上を含有させることが好ましい。これらの元素のこの効果は、Si:0.01%以上、Ni:0.01%以上、Cu:0.01%以上、V:0.01%以上、Al:0.01%以上で顕著となる。しかし、各元素をその上限値以上に含有させても上記効果は小さく、かついたずらにコスト増を招くため、各元素の含有量は上述の範囲とする。これらの1種又は2種以上の元素を添加する場合の好ましい含有量は、Si:0.02〜0.4%、Ni:0.02〜1%、Cu:0.02〜0.8%、V:0.02〜0.5%、Al:0.01〜0.1%である。
B:0〜0.01%
Bは任意添加元素であり、鋼板の焼入れ性を高め、かつ高い焼入れ後強度を安定して得るのに有効である。また、Bは粒界に偏析して粒界強度を高め、焼入れ後の鋼板の靱性を向上させる効果があり、さらに加熱時のオーステナイト粒成長抑制効果も高い。これらの効果はB含有量が0.001%以上で顕著となる。しかし、B含有量が0.01%を超えるとこれらの効果は飽和し、かつコスト増を招く。Bを含有させる場合の望ましいB含有量は0.001〜0.01%であり、より望ましくは0.001〜0.0030%である。
Mo:0〜1.0%
Moは任意添加元素であり、鋼板をAc点以上に加熱したときに、微細な炭化物を形成してオーステナイト粒を細粒にするため、焼入れ後の鋼板の靱性を大きく改善する効果を有する。これらの効果はMo含有量が0.01%以上で顕著となる。しかしMo含有量が1.0%超になると、その効果は飽和し、いたずらにコスト増を招く。Moを含有させる場合の望ましいMo含有量は0.01〜1.0%であり、さらに望ましくは0.04〜0.20%である。
Ca:0〜0.005%
Caは任意添加元素であり、鋼中の介在物を微細化し、焼入れ後の鋼板の靱性を向上させる効果を有する。これらの効果はCa含有量が0.001%以上で顕著となる。しかし、Ca含有量が0.005%を超えるとその効果は飽和する。したがって、Caを含有させる場合の望ましいCa含有量は0.001〜0.005%であり、より望ましくは0.002〜0.004%である。
化学組成の残部は、Fe及び不純物から本質的になる。不純物は、P、S、Nのような非金属元素と、上記以外の金属元素とを包含しうる。そのうち、P、S、Nの含有量は好ましくは下記の通りである。
P:0.005%以下
Pは、焼入れ後の鋼板の靱性を大きく劣化させる元素であるため、0.005%以下とすることが好ましい。より望ましくは0.003%以下である。
S:0.005%以下
Sは、焼入れ後の鋼板の靱性を大きく劣化させる元素であるため、0.005%以下とすることが好ましい。より望ましくは0.003%以下である。
N:0.002%以下
Nは、鋼中にて介在物を形成し、焼入れ後の鋼板の靱性を劣化させる元素であるため、0.002%以下とすることが好ましい。より望ましくは0.001%以下である。
P、S、Nの少なくとも1種の含有量が上記の通りであることが好ましい。残りの不純物元素の含有量は上記の上限を超えてもよいが、P、S、Nの全ての含有量が上記の上限以下であることが特に好ましい。
本発明の熱間プレス成形された鋼板部材は、引張強さが1.8GPa以上の高強度を有する。この引張強さは、熱間プレス成形工程において、プレス成形に続く焼入れにより達成される。焼入れは、通常は熱間プレス成形に使用した金型内で行われるが、それに限られるものではない。
前述したように、このような高強度の熱間プレス成形された鋼板部材は、従来は靱性が著しく劣化するため、実用に供することができなかった。本発明の熱間プレス成形された鋼板部材は、この1.8GPa以上という高強度と同時に良好な靱性を達成するために、旧オーステナイト平均粒径が10μm以下という、結晶粒が微細化された微細組織を有する。旧オーステナイト平均粒径は、望ましくは8μm以下、さらに望ましくは4μm以下である。旧オーステナイト平均粒径は、次に説明するように、熱間プレス成形前の加熱条件(保持温度及び保持時間)に依存して変化する。
本発明によれば、上記化学組成を有する鋼板に対して熱間プレス成形を行うが、そのときの熱間プレス成形前の加熱条件(保持温度及び保持時間)は次の通りである。
熱間プレス成形工程において焼入れにより目的とする強度と靱性を得るために、熱間プレス成形に供する鋼板をAc点以上、(Ac点+100℃)以下の温度域で5分間以下の時間保持する。保持温度をAc点以上とするのは、鋼の組織を一旦オーステナイト単相として、焼入れにより目的とする強度を得るためである。保持温度の上限及び保持時間の上限は、焼入れ後の旧オーステナイト粒径を10μm以下に抑制し、鋼板の引張強さが1.8GPa以上の強度でも良好な靱性を達成するためである。保持温度を(Ac点+100℃)超とするか、或いは保持時間を5分超とすると、旧オーステナイト粒径は10μm以上となって、焼入れ後に良好な靱性を得ることができないことがある。より望ましい保持温度は、Ac点以上、(Ac点+50℃)以下で、より望ましい保持時間は2分以下である。なお、旧オーステナイト粒径は細粒であればあるほど好ましいので、保持時間の下限は特に規定しない。
本発明における熱間プレス成形は、使用金型も含めてそれ自体特に制限されない。熱間プレス成形は、予め鋼板を上記条件で加熱してから行うことが好ましいが、前述した予成形プレスクエンチ法に従って実施することもできる。その場合には、予成形された成形品の加熱を上記条件下で行えばよい。
予成形プレスクエンチ法を採用する場合、プレス成形をAc点より低温で行い、プレス成形された鋼板を金型に入れたまま、Ac点以上、(Ac点+100℃)以下の温度域に5分間以下の時間保持し、次いでMs点までの冷却速度が上部臨界冷却速度以上、かつMs点から150℃までの平均冷却速度が10〜500℃/秒となるように冷却する。予成形プレスクエンチ法でのプレス成形は通常は室温で行われるが、Ac点より低温に加熱された鋼板をプレス成形することもできる。
熱間プレス成形工程(予成形プレスクエンチ法を含む)における焼入れのための冷却条件及び冷却方法は次の通りである。
引張強さが1.8GPa以上の強度を得ると同時に靱性を少しでも改善するためには、熱間プレス成形により得られた鋼板部材の焼入れ後の微細組織を、実質的にマルテンサイトのみからなる完全マルテンサイト組織とするのではなく、自動焼戻しマルテンサイトを含む組織にすることが肝要である。
自動焼戻しマルテンサイトとは、焼戻しのための熱処理を行うことなく焼入れ時の冷却中に生成した焼戻しマルテンサイトのことであり、例えば、谷野、鈴木著「鉄鋼材料の科学−鉄に凝縮されたテクノロジー」内田老鶴圃、東京(2001)100頁に解説されている。焼戻しマルテンサイトは、ラス内部に微細セメンタイトが析出していることで、完全マルテンサイトと区別できる。
上記化学組成を有する鋼板の場合、自動焼戻しマルテンサイトを含む微細組織は、焼入れ時の冷却速度を、Ms点までは拡散変態が起きないように上部臨界冷却速度以上とし、その後、Ms点から150℃までの温度範囲の平均冷却速度を10〜500℃/秒にすることにより得ることができる。Ms点から150℃までの好ましい平均冷却速度は15〜200℃/秒である。
冷却中に鋼板温度がMs点に到達すると、マルテンサイト変態による変態発熱が起こるが、この変態の発熱量は非常に大きい。上記のようにMs点から150℃までの温度範囲の平均冷却速度はMs点までの冷却速度より遅くするが、Ms点以下の冷却をMs点に到達するまでと同じ冷却方法で実施すると、Ms点での大きな変態発熱のために必要な冷却速度を達成できない場合がある。その場合には、Ms点までの冷却よりもMs点から150℃までの冷却をより強く行う必要があり、具体的には次に述べるようにすることが好ましい。
熱間プレス成形法では、通常は、高温の鋼板を常温又は数十℃程度の温度の鋼製金型でプレス成形することにより、金型によって冷却が達成される。冷却速度は、金型寸法(例、厚み)を変えて金型の熱容量を変化させることにより変化させることができる。また金型材質を異種金属(例えば銅など)に変えることでも、冷却速度を変化させることができる。金型の寸法や材質を変えられない場合、水冷型の金型を用いて冷却水量を変えることによっても、冷却速度を変えることができる。また、予め溝を数ヶ所切った金型を用い、プレス成形中にその溝に水を通すことによって冷却速度を変えたり、プレス成形途中でプレス成形機を上げ、その間に金型内に水を流すことによって冷却速度を変えることもできる。さらには、金型クリアランスを変え、鋼板との接触面積を変化させることでも冷却速度を変えることもできる。
Ms点前後で冷却速度を変える手段としては、例えば、次の手段が考えられる。
(1)Ms点到達直後に、熱容量の異なる金型又は室温状態の金型に移動させて、冷却速度を変える;
(2)水冷金型の場合、Ms点到達直後に金型の冷却水量を変化させて冷却速度を変える;
(3)Ms点到達直後に、金型と成形品との間に水を流し、その水量を変化させることで、冷却速度を変える。
本発明における熱間プレス成形法における成形の形態は、特に制限されないが、例示すれば、曲げ加工、絞り成形、張出し成形、穴拡げ成形、フランジ成形がある。プレス成形法は、目的とする鋼板部材の種類によって適宜選択することができる。熱間プレス成形された鋼板部材の代表例として、自動車用補強部品であるドアガードバーやバンパーレインフォースメントなどを挙げることができる。本発明の鋼板部材の製造方法は、成形と同時又は直後に鋼板を冷却する手段を備えていれば、プレス成形以外の成形法、例えばロール成形に適用することもできる。
本発明に係る鋼板部材は良好な靱性も保持している。実用に耐えうる靱性のレベルとして、−120℃でのシャルピー衝撃値が30J/cm以上であることが望ましい。
熱間プレス成形された鋼板部材は、スケール除去の目的でショットブラストにより処理されるのが普通である。このショットブラスト処理には、表面に圧縮応力を導入する効果があるため、遅れ破壊が抑制され、かつ疲労強度が向上する、という利点がある。
熱間プレス成形では、鋼板はオーステナイト温度域に加熱されてオーステナイト変態を受ける。従って、プレス成形温度が低い予成形プレスクエンチ法は別にして、加熱前の室温での鋼板の機械的特性は重要ではないので、鋼板の種類や加熱前の微細組織については特に規定しない。つまり、熱間プレス成形用鋼板は、熱延鋼板、冷延鋼板(フルハード材、焼鈍材)、めっき鋼板のいずれを使用してもよい。また、その製造方法も特に限定されない。めっき鋼板としては、アルミニウム系めっき鋼板(例、溶融アルミニウムめっき鋼板、溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板)、亜鉛系めっき鋼板(例、電気若しくは溶融亜鉛めっき鋼板、溶融5%Al−Znめっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気Ni−Zn合金めっき鋼板)等が挙げられる。
一方、予め室温またはオーステナイト域より低温でプレス成形を行う予成形プレスクエンチ法のような熱間プレス成形方法では、熱間プレス成形に供する鋼板はできるだけ軟質であることが望ましい。例えば、熱間圧延鋼板や連続焼鈍を施した冷間圧延鋼板については引張強さが780MPa以下、冷間圧延ままの鋼板については引張強さが780〜1180MPa、箱焼鈍を施した冷間圧延鋼板については引張強さが590MPa以下であることが望ましい。このような軟質な鋼板を得るための好適な製造方法について次に述べる。
熱間圧延
上述した化学組成を有する鋼塊又は鋼片を、1050〜1300℃の温度としたのちに熱間圧延を施して鋼帯にする。熱間圧延は800〜950℃の温度で完了し、得られた鋼帯を500〜700℃の温度で巻取る。
鋼塊又は鋼片を1050〜1300℃とするのは、加工性を劣化させる非金属介在物を十分に固溶させるためである。このような効果は、上述組成の鋼板に対して、1050℃以上とすることで認められる。1300℃以上としても、効果が飽和するだけでなく、スケールロスが増加する。この温度は、より望ましくは1050〜1250℃、さらに望ましくは1050〜1200℃である。
熱間圧延に供する鋼塊又は鋼片の温度を1050〜1300℃とする手法は、1050℃未満となった鋼塊又は鋼片を加熱して1050〜1300℃とする場合のみならず、連続鋳造後の鋼塊又は分塊圧延後の鋼片を1050℃未満に低下させることなく熱間圧延に供する場合をも含む。
熱間圧延完了温度は、Ar点より低くならないようにする。Ar点より低い温度で圧延を施すと、加工フェライトが残存し、延性が大幅に劣化する。上述した化学組成の鋼板では、熱間圧延完了温度が800℃以上であれば、これらの問題は生じない。一方、熱間圧延完了温度が950℃より高くなると、スケール噛み込み等の表面欠陥を生じる場合がある。したがって、熱間圧延完了温度を800〜950℃とする。
巻取り温度は、低すぎると、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトといった低温変態組織が多く生成し、フェライト組織が減少するため、鋼板強度が高くなりすぎる。そのため、巻取り温度の下限を500℃とする。一方、巻取り温度が高すぎると、酸化スケールが厚くなり、脱スケール処理が困難となるため、巻取り温度の上限を700℃とする。巻取り温度はより望ましくは550〜650℃である。
こうして製造された熱間圧延鋼帯は、予成形プレスクエンチ法における、典型的には室温でのプレス成形において良好な成形性を熱間圧延ままで得るには、体積率で50%以上のフェライトを含有する組織とし、引張強さが780MPa以下であることが好ましい。組織の残部は、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト、及び残留オーステナイトの1種又は2種以上を含むことができる。フェライトは、セメンタイトといったFe系炭化物やTi系、Nb系、Mo系、Cr系、V系、Mn系炭化物を含んでいてもよい。成形性の観点からは鋼帯の強度は低強度のほうが望ましいが、コスト面や強度調整のし易さといった点より、強度は590MPa以上であるのが望ましく、さらに望ましくは690MPa以上である。
熱間圧延後に巻取られて放冷された鋼帯には、普通には、アンコイルしてから、酸洗、ショットブラスト、研削等の1種又は2種以上により、表面に生成したスケールの除去(脱スケジュール)処理を行う。
冷間圧延
上記のように熱間圧延された鋼帯に、冷間圧延を施して冷間圧延ままの鋼帯としてプレス成形に使用する場合には、予成形プレスクエンチ法による熱間プレス成形において良好な成形性を得るには、体積率で50%以上のフェライトを含有する組織とし、引張強さが1180MPa以下であることが好ましい。冷延鋼帯の強度は、成形性の観点からは低いほうが望ましいが、コスト面や強度調整のしやすさといった点より、780MPa以上であることが好ましい。冷延鋼帯の引張強さはより望ましくは780〜1100MPa、さらに望ましくは780〜1050MPaの範囲である。冷間圧延時の圧下率は30〜80%とするのが望ましく、より望ましくは40〜70%である。
焼鈍方法
上記のように冷間圧延された鋼帯の焼鈍は、アンコイル状態で行う連続焼鈍とコイル状に巻取って行う箱焼鈍のいずれでもよい。
冷延鋼帯を連続焼鈍する場合には、(Ac点+10℃)以上、Ac点以下に加熱し、その温度域で10秒間以上保時したのち、1〜100℃/秒の平均冷却速度で300〜500℃の温度域まで冷却し、さらに300〜500℃の温度域に30秒間から10分間以上保持し、その後に1〜50℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却することにより焼鈍を行う。
この時の加熱温度が(Ac点+10℃)より低いと、再結晶が十分に進行せず、鋼帯の強度が高くなりやすい。一方、加熱温度がAc点より高いと、オーステナイト単相化に起因して、冷却中に低温変態相が生成しやすく、やはり鋼帯の強度が高くなりやすい。加熱後の保持時間が10秒間より短くなると、置換型元素であるMn等の偏析が残り、焼鈍後の微細組織が不均一となる。長時間加熱はいたずらにコスト増を招くため、加熱後の保持時間は300秒間以下とするのが望ましい。焼鈍雰囲気は非酸化性雰囲気(例えば、98体積%N+2体積%H)とすることが好ましい。
焼鈍時の平均冷却速度が速すぎると、低温変態相が多く生成して、フェライトが減少し、鋼帯強度が高くなる。一方、平均冷却速度が遅すぎると、生産効率が落ちる。望ましい平均冷却速度は1〜20℃/秒であり、1〜10℃/秒がさらに望ましい。
冷却停止温度域を300〜500℃としたのは、低温変態相の生成をできるだけ抑制するためである。冷却停止温度域は望ましくは350〜500℃、さらに望ましくは400〜450℃である。冷却停止温度域で30秒間〜10分間保持するのは、未変態オーステナイトのフェライト変態を促進するためである。この保持時間は望ましくは30秒間〜5分間、さらに望ましくは30秒間〜3分間である。この後、鋼帯を1〜50℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却する。この時の平均冷却速度が50℃/秒より速いと、低温変態相が多く生成し、鋼帯強度が高くなる。一方、平均冷却速度が1℃/秒より遅いと、生産効率が低下する。望ましい平均冷却速度は1〜10℃/秒である。
冷延鋼帯を巻取ってから箱焼鈍する場合には、(Ac点−100℃)以上、(Ac点+30℃)以下の温度域に1〜24時間保持したのち、1〜100℃/時の平均冷却速度で室温まで冷却することにより焼鈍を行う。保持温度が(Ac点−100℃)より低いと、鋼帯の引張強さが十分に低下しない。一方、保持温度が(Ac点+30℃)より高いと、セメンタイトの再固溶−逆変態が進行し過ぎ、その後の冷却過程で低温変態相が生成し、鋼帯の引張強さが高くなりすぎる。保持時間が1時間未満では鋼帯の強度低下が十分ではなく、保持時間が24時間を超えても効果は飽和し、いたずらにエネルギーの浪費を招く。焼鈍後の冷却過程では、冷却速度が速いと低温変態相が生成するため、できるだけ遅いほうが好ましい。しかし、遅すぎると処理効率の低下を招くので、冷却速度は1〜100℃/時とし、望ましくは1〜50℃/時である。
箱焼鈍の炉内雰囲気は、窒素ガスの混入が少なく、露点ができるだけ低い、水素を95容積%以上含むガスであることが好ましい。
こうして得られる冷間圧延後に焼鈍が施された冷間圧延鋼帯は、予成形プレスクエンチ法による熱間プレス成形において良好な成形性を得るために、体積率で50%以上のフェライトを含有する組織とし、鋼帯の引張強さは連続焼鈍の場合で780MPa以下、箱焼鈍の場合は590MPa以下であることが好ましい。鋼帯の引張強さは、低いほうが望ましいが、コスト面や強度調整のしやすさといった点より、いずれの焼鈍法の場合でも440MPa以上とするのが望ましい。
溶融亜鉛めっき
溶融亜鉛めっきは、熱延鋼帯、冷延鋼帯、冷間圧延後に焼鈍された鋼帯のいずれに施すこともできる。溶融亜鉛めっきは、製造コストの観点から連続溶融亜鉛めっきラインにて行うことが好ましい。通常の連続溶融亜鉛めっきラインは、加熱炉、冷却ゾーン、溶融亜鉛めっき浴、合金化炉が連続して配置されている。ここでは、鋼帯の微細組織に影響を及ぼす、各段階での好適な製造条件について述べる。
冷間圧延ままの冷間圧延鋼帯に焼鈍を施す場合には焼鈍温度を700〜900℃とすることが好ましい。700℃より低い温度では、再結晶化が十分に進行せず、鋼帯の強度が高くなりやすい。一方、900℃より高い温度では、オーステナイト単相化に起因して、冷却中に低温変態相が生成しやすく、やはり鋼帯の強度が高くなりやすい。熱間圧延鋼帯や焼鈍を施した冷間圧延鋼帯については本来焼鈍を施す必要はない。しかし、連続溶融亜鉛めっきラインの操業性の観点から加熱温度を著しく低温とすることは困難であるので、通常の操業範囲内の加熱を行うことが好ましい。その場合、上記理由により最高加熱温度を900℃以下とすることが好ましい。
焼鈍温度又は最高加熱温度から溶融亜鉛めっきを施すために鋼帯を冷却する。この冷却時の500℃以下の温度域までの平均冷却速度は1〜60℃/秒とすることが好ましい。冷却が速すぎると、低温変態相が多く生成し、フェライトが減少して鋼帯の強度が高くなりすぎる。一方、冷却が遅すぎると、生産効率が落ちる。
溶融亜鉛めっきは、常法により、溶融した亜鉛又は亜鉛合金(例、5%までのAlを含有する亜鉛合金)を収容しためっき浴に鋼帯を浸漬して引き上げればよい。めっき付着量の制御は引き上げ速度やノズルより吹き出すワイピングガスの流量調整により行われる。
溶融亜鉛めっきが施された鋼帯は、めっき浴から出た後、ガス炉、誘導加熱炉等の合金化炉に送られて加熱される。この加熱により、めっき層と素地鋼帯との間での金属拡散による合金化が進行し、めっき層は亜鉛−鉄合金となる。この加熱温度(合金化温度)は500℃以上とすることが望ましい。合金化温度が500℃より低いと、合金化速度が遅いため、ライン速度の低下により生産性を阻害するか、或いは合金化炉を長くする等の設備的対応が必要となる。合金化温度が高いほど、合金化速度が速くなるが、合金化温度がAc点より高くなると、焼鈍温度の上限や最高加熱温度と同じ理由により、鋼帯が高強度化する。合金化温度の好ましい範囲は550〜650℃である。
以上のように、種々の製造方法で製造された熱間プレス成形用鋼板に、平坦矯正、表面粗度の調整のために、調質圧延を行ってもよい。熱間プレス成形用鋼板は、他のめっき鋼板、例えば55%Al−Zn合金めっき鋼板等のアルミニウム系めっき鋼板であってもよい。
以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明を制限する意図はない。
表1に示した化学組成を有する冷延鋼板(板厚:1.6mm)を素地鋼板とした。これらの鋼板は、実験室にて溶製したスラブを、熱間圧延及び冷間圧延により製造した鋼板である。
さらに、めっきシミュレーターを用いて、鋼種No.1の鋼板にはAlめっき(片面あたりのめっき付着量は120g/m)、No.2の鋼板には溶融亜鉛めっき(片面あたりのめっき付着量は60g/m)を施した。さらに、No.2の鋼板には合金化熱処理(めっき皮膜中のFe含有量は15質量%)を行った。めっきシミュレーターにおける焼鈍温度は、800℃であり、800℃からMs点までの平均冷却速度は5℃/秒あった。
これらの鋼板を、1.6t×100w×200L(mm)の寸法に切断し、大気雰囲気の加熱炉内で、表2の条件にて加熱して、加熱炉より取り出した直後の鋼板に、平板の鋼製金型を用いて熱間プレス成形を行った。保持時間とは、炉に装入後に鋼板温度がAc点に達した時から、炉から取り出すまでの時間をいう。鋼板には熱電対を貼付し、冷却速度測定を行った。
得られた熱間プレス成形された鋼板部材については、切断法による旧オーステナイト粒径測定、引張試験(JIS5号試験片)に供した。
また、熱間プレス成形された鋼板部材から切り出した厚み1.6mmの鋼片を6枚積層してネジ止めした後、Vノッチ試験片を作製し、−120℃でのシャルピー衝撃試験に供した。靱性は、−120℃での衝撃値が30J/cm以上となる場合を○(合格)、30J/cm未満である場合を×(不合格)として、衝撃値とともに表示する。
各鋼種のAc点、Ms点及び上部臨界冷却速度は、次の方法にて測定した。
熱延鋼板から直径3.0mm、長さ10mmの円柱試験片(図1)を切り出し、この試験片を大気中で900℃まで10℃/秒の昇温速度で加熱し、その温度に5分間保持したのち、種々の冷却速度で室温まで冷却した。そのときの加熱、冷却中の試験片の熱膨張変化を測定することにより、Ac点、Ms点を測定した。また、得られた試験片のビッカース硬度測定(荷重49N、測定数:3)及び組織観察を行い、それらの結果からその鋼板の上部臨界冷却速度を見積もった。
これらの結果は、表3に示す。
発明例であるNo.1〜12では、熱間プレスされた鋼板部材は、旧オーステナイト粒径が10μm以下と微細であり、引張強さが1.8GPa以上で、かつ靱性値も良好である。一方、比較例であるNo.13〜15では、旧オーステナイト粒径が10μmを超え、靱性値が不芳である。比較例のうち、No.13及び14は鋼の化学組成が本発明の範囲外である例であり、No.15は鋼の化学組成は本発明の範囲に入るが、熱間プレス成形におけるMs点から150℃までの平均冷却速度が本発明の範囲外である例である。
熱間プレスされた鋼板部材の鋼の微細組織を透過電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、No.1からNo.14までの鋼板部材は自動焼戻しマルテンサイトを含む組織であることを確認した。一方、No.15の鋼板部材は完全マルテンサイト組織であった。熱間プレス成形された鋼板部材が自動焼戻しマルテンサイトを含む組織を有していても、旧オーステナイト粒径が10μmを超えると良好な靱性は得られない。
発明例であるNo.2の熱間プレス成形された鋼板部材の異なる倍率でのTEM写真を図2に示す。上段が10,000倍、下段は40,000倍である。組織の大半はラス状マルテンサイトであるが、ラス幅が大きい部分には、そのラス内部に微細な針状セメンタイトが析出していて、自動焼戻しマルテンサイトとなっていることが、特に下段の40,000倍の写真から確認できる。例えば、図中矢印で示した箇所が微細セメンタイトである。
また、鋼種No.2の合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対して、1.0t×80w×320L(mm)のサイズのブランクを用いて、大気雰囲気の加熱炉内で900℃に到達した後、この温度に1分間保持し、加熱炉より取り出し、直ちにハット型の熱間プレス成形を行った。図3は、ハット成形法の模式的説明図である。熱間プレス成形条件は、成形高さが70mm、Rd(ダイス肩部R)が8mm、Rp(パンチ肩部R)が8mm、クリアランスが1.0mm、しわ押さえ力は12.7kNであった。
このハット成形品に対して、低温衝撃試験を行った。部材を−40℃に冷却した後、高さ1000mmより重さ2450N(250kgf)の錘体を部材に衝突させ、割れの有無を調査した。その結果、割れ発生がなく、十分な靱性を有していることが判明した。

Claims (17)

  1. 質量%で、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、下記式(1)を満たす量のTi、Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%、B:0〜0.01%、Mo:0〜1.0%、Ca:0〜0.005%、並びに残部:Fe及び不純物から本質的になる化学組成を有するとともに、旧オーステナイト平均粒径が10μm以下で自動焼戻しマルテンサイトを含む微細組織を有し、かつ引張強さが1.8GPa以上である、熱間プレス成形された鋼板部材:
    3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5・・・(1)
    式中のTi及びNは鋼中の該元素の含有量(質量%)を意味し、Nは鋼中に不純物として含まれる。
  2. 前記化学組成が、質量%で、Si:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜2%、Cu:0.01〜1%、V:0.01〜1%、Al:0.01〜1%、B:0.001〜0.01%、Mo:0.01〜1.0%、及びCa:0.001〜0.005%から選ばれた1種又は2種以上を含有する、請求項1に記載の熱間プレス成形された鋼板部材。
  3. 前記化学組成に不純物として含まれるP、S及びNの1種又は2種以上の量が、質量%でP:0.005%以下、S:0.005%以下及びN:0.002%以下を満たす、請求項1又は2に記載の熱間プレス成形された鋼板部材。
  4. 質量%で、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、下記式(1)を満たす量のTi、Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%、B:0〜0.01%、Mo:0〜1.0%、Ca:0〜0.005%、並びに残部Fe及び不純物から本質的になる化学組成を有する、熱間プレス成形により引張強さが1.8GPa以上の熱間プレス成形された鋼板部材を製造することができる熱間プレス成形用鋼板:
    3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5・・・(1)
    式中のTi及びNは鋼中の該元素の含有量(質量%)を意味し、Nは鋼中に不純物として含まれる。
  5. 前記化学組成が、質量%で、Si:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜2%、Cu:0.01〜1%、V:0.01〜1%、Al:0.01〜1%、B:0.001〜0.01%、Mo:0.01〜1.0%、及びCa:0.001〜0.005%から選ばれた1種又は2種以上を含有する、請求項4に記載の熱間プレス成形用鋼板。
  6. 前記化学組成に不純物として含まれるP、S及びNの1種又は2種以上の量が、質量%でP:0.005%以下、S:0.005%以下及びN:0.002%以下を満たす、請求項4又は5に記載の熱間プレス成形用鋼板。
  7. 質量%で、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、下記式(1)を満たす量のTi、Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%、B:0〜0.01%、Mo:0〜1.0%、Ca:0〜0.005%、並びに残部Fe及び不純物から本質的になる化学組成を有する鋼板を、Ac点以上、(Ac点+100℃)以下の温度域に5分間以下の時間保持した後、この鋼板に熱間プレス成形を施し、熱間プレス成形された高温の鋼板をMs点までの冷却速度が上部臨界冷却速度以上、かつMs点から150℃までの平均冷却速度が10〜500℃/秒となるように冷却することを含む、熱間プレス成形された鋼板部材の製造方法:
    3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5・・・(1)
    式中のTi及びNは鋼中の該元素の含有量(質量%)を意味し、Nは鋼中に不純物として含まれる。
  8. 質量%で、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、下記式(1)を満たす量のTi、Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%、B:0〜0.01%、Mo:0〜1.0%、Ca:0〜0.005%、並びに残部Fe及び不純物から本質的になる化学組成を有する鋼板を、Ac点より低温で金型を用いてプレス成形し、プレス成形された鋼板を該金型に入れたまま、Ac点以上、(Ac点+100℃)以下の温度域に5分間以下の時間保持し、次いでMs点までの冷却速度が上部臨界冷却速度以上、かつMs点から150℃までの平均冷却速度が10〜500℃/秒となるように冷却することを含む、熱間プレス成形された鋼板部材の製造方法:
    3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5・・・(1)
    式中のTi及びNは鋼中の該元素の含有量(質量%)を意味し、Nは鋼中に不純物として含まれる。
  9. 質量%で、C:0.26〜0.45%、Mn+Cr:0.5〜3.0%、Nb:0.02〜1.0%、下記式(1)を満たす量のTi、Si:0〜0.5%、Ni:0〜2%、Cu:0〜1%、V:0〜1%、Al:0〜1%、B:0〜0.01%、Mo:0〜1.0%、Ca:0〜0.005%、並びに残部Fe及び不純物から本質的になる化学組成を有する鋼塊又は鋼片を、1050〜1300℃の温度で熱間圧延に供し、800〜950℃の温度で該熱間圧延を完了し、熱間圧延で得られた鋼帯を500〜700℃の温度で巻き取ることを含む、熱間プレス成形用鋼板の製造方法:
    3.42N+0.001≦Ti≦3.42N+0.5・・・(1)
    式中のTi及びNは鋼中の該元素の含有量(質量%)を意味し、Nは鋼中に不純物として含まれる。
  10. 巻き取られた鋼帯をアンコイルし、この鋼帯に脱スケール処理と冷間圧延とを施すことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 冷間圧延された鋼帯を、(Ac点+10℃)以上、Ac点以下の温度域に10秒間以上保持した後、1〜100℃/秒の平均冷却速度で300〜500℃の温度域まで冷却し、この鋼帯を次いで300〜500℃の温度域に30秒間〜10分間保持した後、1〜50℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 冷間圧延された鋼帯を、(Ac点−100℃)以上、(Ac点+30℃)以下の温度域に1〜24時間保持した後、1〜100℃/時の平均冷却速度で室温まで冷却することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  13. 巻き取られた鋼帯をアンコイルし、この鋼帯に脱スケール処理と溶融亜鉛めっきとを施し、次いでこの鋼帯に500℃以上、Ac点以下の温度域で合金化熱処理を施すことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  14. 冷間圧延された鋼帯を、700〜900℃の温度域で焼鈍を施したのちに1〜60℃/秒の平均冷却速度で500℃以下の温度域まで冷却し、この鋼帯に溶融亜鉛めっきと、その後に500℃以上、Ac点以下の温度域で合金化熱処理とを施すことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 室温まで冷却された鋼帯に溶融亜鉛めっきと、その後に500℃以上、Ac点以下の温度域で合金化熱処理とを施すことを含む、請求項12に記載の方法。
  16. 前記化学組成が、質量%で、Si:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜2%、Cu:0.01〜1%、V:0.01〜1%、Al:0.01〜1%、B:0.001〜0.01%、Mo:0.01〜1.0%、及びCa:0.001〜0.005%から選ばれた1種又は2種以上を含有する、請求項7〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記化学組成に不純物として含まれるP、S及びNの1種又は2種以上の量が、質量%でP:0.005%以下、S:0.005%以下及びN:0.002%以下を満たす、請求項7〜16のいずれかに記載の方法。
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