JPWO2007046176A1 - 強誘電体単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

応力衝撃や熱衝撃に強い、タンタル酸リチウム(LT)又はニオブ酸リチウム(LN)単結晶、また前記単結晶から作製された圧電基板を有する弾性表面波フィルタ及びその製造方法を提供する。本発明のタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有することを特徴とする。

Description

本発明は、主に圧電基板として用いられるタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶に関し、さらに、該単結晶から作製された圧電基板を用いた弾性表面波フィルタ、およびその製造方法に関する。
弾性表面波を利用した弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下適宜SAWと略す)フィルタ(SAWフィルタ)は、圧電基板の表面に、微細な櫛形電極を形成したものであり、テレビ、携帯電話等に広く用いられている。
弾性表面波フィルタは、圧電基板表面にアルミニウム等からなる電極薄膜を形成し、該電極薄膜を、フォトリソグラフィにより所定形状の電極とすることで製造される。具体的には、まず、圧電基板表面に、スパッタリング法等により電極薄膜を形成する。次いで、フォトレジストである有機樹脂を塗布し、高温下でプリベイクする。続いて、ステッパー等により露光して電極膜のパターンニングを行う。そして、高温下でのポストベイクの後、現像し、フォトレジストを溶解する。最後に、ウエットあるいはドライエッチングを施して所定形状の電極を形成する。
またタンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶(適宜LT単結晶と略す)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶(適宜LN単結晶と略す)は、強誘電体単結晶として知られ、弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)の圧電基板や焦電センサー、各種圧電センサー、振動アクチュエーター等に幅広く使用されている。
近年、携帯電話の高機能化や、周波数バンド数の増加などにより、デバイスの小型化や低背化が進んでいる。またセンサー等の検知感度の向上要求により、同様にセンサー等の小型化、薄板化が進んでいる。それに伴い、単結晶基板には薄板化の要求が厳しくなってきている。
しかしながら、LT単結晶基板、LN単結晶基板は、加工性が悪く、単結晶特有のヘキ開割れが起こり、少しの応力衝撃によって基板全体が割れてしまうという欠点を持つ。またLT単結晶、LN単結晶は、方位によって熱膨張係数が著しく異なるという特性を持つため、熱変化にさらされると内部に応力歪みが生じ、一瞬のうちに割れてしまうことがある。
またSAWフィルタにおいては、携帯電話の高機能化や、周波数バンド数の増加により、容積縮小化の要求が厳しくなっている。つまり、SAWフィルタ作製時に一枚の圧電基板から作製されるフィルタの数量が増大することになり、熱加工プロセスによる基板の割れや、切断加工に伴う基板の割れが多大な損失につながることになる。
また一枚の圧電基板から作製されるフィルタの数量の増大に伴い、圧電基板上の切断幅も狭くする必要がある。そのため切断幅が狭くなればなるほど、切断時の切断境界に発生するチッピングが、フィルタまで広がり、フィルタ上の電極部の破損が起こり収率の低下につながる。またそれを避けるため、切断速度を落とす対応をとると、多大な時間を要し、生産性の低下につながる。
このような薄板化、容積縮小化の要求に対して様々な方法が検討されている。
例えば基板にSiやガラス板等を貼り合わせて強度を出したり、切断時や研磨加工時にテーピングや金属蒸着などを行って、割れやチッピングを防いだりしている。
上記のような基板にSiやガラス板等を貼り合わせて強度を出したり、切断時や研磨加工時にテーピングや金属蒸着などを行って、割れやチッピングを防ぐ方法では工程が増えることになり、生産性が下がることになる。従って、単結晶基板を製造する工程における、切削加工工程、研磨加工工程、熱加工工程において割れやかけ、チッピング等が少なく、またSAWフィルタ作製時に、同様に割れやかけ、チッピング等が少なく、良好な生産性を持つ単結晶基板及びそれを用いたSAWフィルタが求められている。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、応力衝撃や熱衝撃に強い、タンタル酸リチウム(LT)又はニオブ酸リチウム(LN)単結晶、また前記単結晶から作製された圧電基板を有する弾性表面波フィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、タンタル酸リチウム(LT)単結晶又はニオブ酸リチウム(LN)単結晶に、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有させることにより、圧電特性を何ら変化させることなく、応力衝撃や熱衝撃特性が強くなることを発見し、本発明を完成するに至った。
<タンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶>
すなわち、本発明のタンタル酸リチウム(LT)単結晶又はニオブ酸リチウム(LN)単結晶は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有することを特徴とする。
また上記添加元素の含有割合は0.002wt%以上0.01wt%未満が望ましい。
後に実施例において説明するが、前記LT又はLN単結晶は、所定の添加元素を上記割合で含有することにより衝撃特性及び熱衝撃特性が向上し、加工時の割れやかけ、チッピング等が抑制され、生産性が向上する。
添加元素を鉄とした前記LT又はLN単結晶はウェーハ形状で黄色又はオレンジ色をしており、ウェーハ形状で白色である添加元素を含まないLT又はLN単結晶と容易に区別が付く。また前記LT又はLN単結晶の黄色又はオレンジ色の色は、ウェーハ形状で偏りなく均一に色がついており添加元素である鉄が均一に分散されていることが一目で分かる。
また焦電効果の抑制のために前記LT又はLN単結晶に還元処理を行っても良い。還元処理された前記LT又はLN単結晶は焦電効果の抑制された単結晶となる。
また添加元素を鉄とした前記還元処理されたLT又はLN単結晶はウェーハ形状で黒みがかった黄色又はオレンジ色をしており、添加元素を含まないLT又はLN単結晶と容易に区別が付く。また前記還元処理されたLT又はLN単結晶の黒みがかった黄色又はオレンジ色の色は、ウェーハ形状で偏りなく均一に色がついており添加元素である鉄が均一に分散されていること又還元が均一に行われていることが一目で分かる。
また還元処理された前記LT又はLN単結晶の製造方法は、単結晶作製工程と、作製された該単結晶を還元する還元処理工程と、を有することができる。
単結晶作製工程は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶の作製工程である。
単結晶作製工程で得られた前記LT又はLN単結晶は、所定の添加元素を上記割合で含有することにより衝撃特性及び熱衝撃特性が向上し、加工時の割れやかけ、チッピング等が抑制され、生産性が向上する。
また後に実施例において説明するが、還元処理工程を有することによって還元処理された前記LT又はLN単結晶が効率良く作製出来、作製された還元処理された単結晶は、焦電効果の抑制された単結晶となる。
これらのLT又はLN単結晶から作成された圧電基板は、弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)の圧電基板のみならず、様々な薄板化や小型化する必要がある基板にも用いることが出来る。例えば、焦電センサー、各種圧電センサー、振動アクチュエーター等の基板が挙げられる。
<弾性表面波フィルタ>
本発明の弾性表面波フィルタは、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を有することを特徴とする。
また前記添加元素の含有割合は0.002wt%以上0.01wt%未満であることが望ましい。
添加元素を鉄とした前記LT又はLN単結晶から作成された圧電基板は黄色又はオレンジ色をしており、白色である添加元素を含まないLT又はLN単結晶から作成された圧電基板と容易に区別が付く。また圧電基板の黄色又はオレンジ色の色は、偏りなく均一に色がついており添加元素である鉄が均一に分散されていることが一目で分かる。
また前記圧電基板は還元処理された前記タンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板でもよい。還元処理された前記圧電基板とすると焦電効果の抑制された圧電基板となる。
また添加元素を鉄とした前記還元処理された圧電基板の色は黒みがかった黄色又はオレンジ色をしており、添加元素を含まないLT又はLN単結晶から作成された圧電基板と容易に区別が付く。また圧電基板の黒みがかった黄色又はオレンジ色の色は、偏りなく均一に色がついており添加元素である鉄が均一に分散されていること又還元が均一に行われていることが一目で分かる。
本発明の弾性表面波フィルタは、本発明の単結晶から作製された圧電基板を有するので、加工時の割れやかけ、チッピング等が抑制され、また切削時の加工精度も向上し、生産性が向上する。また保管時や使用時においても、衝撃や熱衝撃による不良の発生が少ない弾性表面波フィルタとなる。
<弾性表面波フィルタの製造方法>
本発明の弾性表面波フィルタの製造方法は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を準備する圧電基板準備工程と、前記圧電基板の表面に電極薄膜を形成する電極薄膜形成工程と、前記電極薄膜をフォトリソグラフィにより所定形状の電極とする電極形成工程と、を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明の弾性表面波フィルタの製造方法では、上記本発明のタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を用い、該圧電基板の表面に電極を形成する。また還元処理されたタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を用いてもよい。
本発明の単結晶から作製された圧電基板を用いることにより、すべての工程において、切削、研磨及び熱加工時における圧電基板の割れ、かけ、チッピング等が抑制でき、不良率が低下して生産性が向上する。また切削、研磨加工等の処理スピードを上げることが出来、効率よく生産出来る。
また前記圧電基板準備工程は、タンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板の還元処理工程を含むことが出来る。還元処理工程を含むことにより、焦電効果が抑制された弾性表面波フィルタの製造方法となる。
図1は本発明の実施形態の弾性表面波フィルタの一例を示す斜視図である。
図2は鉄の含有率が0.02wt%のLT単結晶、添加元素を含まないLT単結晶のウェーハの厚みの違いによる抗折強度を比較したグラフである。
図3は鉄の含有率が0.02wt%のLT単結晶ウェーハ及び添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの切断面境界の顕微鏡写真である。
図4は還元された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハと還元処理された鉄の含有率が0.01wt%のLT単結晶ウェーハとの熱処理前と熱処理後の体積抵抗率と表面電位を比較したグラフである。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。なお本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することが出来る。
<タンタル酸リチウム単結晶及びニオブ酸リチウム単結晶>
本発明のタンタル酸リチウム(LT)単結晶又はニオブ酸リチウム(LN)単結晶は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有する。
添加元素は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素のうちの何れが一種であればよく、また2種以上であってもよい。
添加元素の含有割合は、本発明のタンタル酸リチウム単結晶、或いはニオブ酸リチウム単結晶の質量全体を100wt%とした場合の添加元素の質量割合である。
上記添加元素の含有割合であれば、衝撃特性及び熱衝撃特性が向上する。より均一な組成の単結晶を得るという観点から、添加元素の含有割合を0.002wt%以上0.1wt%以下とすることが望ましい。またより好ましくは、添加元素の含有割合を0.002wt%以上0.01wt%未満とすることが望ましい。
<還元処理された前記単結晶の製造方法>
本発明の還元処理されたタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶の製造方法は、前記単結晶の作製工程と、作製された該単結晶を還元する還元処理工程と、を含む。
単結晶の作製工程は、特に限定されるものではない。チョクラルスキー法等のすでに公知の方法に従って製造すればよい。すなわち、上記した所定の原料を混合、焼成して原料混合物とした後、該原料混合物を溶融し、該融液の中に種結晶を浸し、引き上げることで単結晶を得ればよい。
また作製された該単結晶を還元する還元処理工程も、焦電効果の抑制を行うための還元処理であれば特に限定されない。例えば還元処理方法としては、上記添加元素を含有したタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶とアルカリ金属化合物を含む還元剤とを処理装置に収容し、該処理装置内を減圧下、200℃以上1000℃以下の温度に保持することにより、該ウェーハを還元する方法が挙げられる。
<弾性表面波フィルタ>
本発明の弾性表面波フィルタは、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を有する。
以下、本発明の一実施形態である弾性表面波フィルタについて説明する。
まず、本実施形態の弾性表面波フィルタの構成を説明する。図1に、本実施形態の弾性表面波フィルタの一例を斜視図で示す。図1に示すように、弾性表面波フィルタ1は、ケース本体2と、チップ3とを備える。
ケース本体2は、セラミックス製であり、上面が開口した直方体箱状を呈する。ケース本体2は、上面の開口を、蓋部(図略)により覆うことで密閉される。
チップ3は、ケース本体2の内部に収容される。チップ3は、圧電基板31と入力側電極32a、32bと出力側電極33a、33bとを備える。圧電基板31は、平板状を呈する。圧電基板31は、鉄を0.10wt%の割合で含むタンタル酸リチウム単結晶から作製される。
入力側電極32a、32bは、アルミニウム製であり、櫛歯状を呈する。入力側電極32a、32bは、圧電基板31の表面に、互いの歯同士が噛み合うように、短手方向に対向して配置される。入力側電極32a、32bは、ケース本体2に埋設された入力端子21と、導線320a、320bを介して電気的に接続される。
同様に、出力側電極33a、33bは、アルミニウム製であり、櫛歯状を呈する。出力側電極33a、33bは、圧電基板31の表面に、互いの歯同士が噛み合うように、短手方向に対向して配置される。また、出力側電極33a、33bは、入力側電極32a、32bと長手方向に対向して配置される。出力側電極33a、33bは、ケース本体2に埋設された出力端子22と、導線330a、330bを介して電気的に接続される。
次に、本実施形態の弾性表面波フィルタの動作を説明する。まず、入力端子21から導線320a、320bを介して入力側電極32a、32bへ電圧を印加する。すると、圧電効果により、入力側電極32a、32b間に互いに逆位相の歪みが生じ、弾性表面波が励起される。この弾性表面波は、圧電基板31表面を伝搬する。圧電基板31の表面では、伝搬された弾性表面波により歪みが生ずる。その歪みにより電荷が生じる。生じた電荷は、出力側電極33a、33bから導電330a、330b、および出力端子22を介して電気信号として取り出される。
なお、上記実施形態では、圧電基板を鉄を含むタンタル酸リチウム単結晶から作製した。しかしながら、含まれる添加元素は鉄に限定されるものではなく、上述した元素から適宜選択すればよい。また、圧電基板は、所定の添加元素を含むニオブ酸リチウム単結晶から作製されたものでもよい。また焦電効果の抑制のために還元処理を行った所定の添加元素を含むLT又はLN単結晶から作製されたものでもよい。さらに、入力側電極と出力側電極の材質もアルミニウムに限定されるものではなく、アルミニウム合金、銅、金等の金属を用いることができる。また、上記実施形態では、セラミックス製のケース本体を使用した。しかし、ケース本体は、樹脂等の他の絶縁材料から形成されたものであってもよい。
<弾性表面波フィルタの製造方法>
本発明の弾性表面波フィルタの製造方法は、圧電基板準備工程と、電極薄膜形成工程と、電極形成工程とを含んで構成される。以下、各工程について説明する。
(1)圧電基板準備工程
本工程は、鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を準備する工程である。
例えば、上記本発明のタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶のいずれか一方から所定の厚さに切り出して、その両面を鏡面研磨してウェーハとしたものを、圧電基板として準備すればよい。なお、いずれの単結晶を用いる場合であっても、単結晶における添加元素の割合は0.002wt%以上0.1wt%以下であることが望ましい。またより好ましくは、0.002wt%以上0.01wt%未満であることが望ましい。 また焦電効果の抑制のために添加元素を含むLT又はLN単結晶の還元処理工程を有しても良い。また、本工程において、後の工程の前処理として、圧電基板表面の洗浄や、圧電基板の表面処理等を行ってもよい。
(2)電極薄膜形成工程
本工程は、圧電基板の表面に電極薄膜を形成する工程である。電極薄膜の材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、金等の金属を用いればよい。材料となる金属を、圧電基板表面に成膜して電極薄膜を形成する。成膜方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、化学的気相成長法(CVD法)等の既に公知の方法を用いればよい。
(3)電極形成工程
本工程は、圧電基板の表面に形成された電極薄膜を、フォトリソグラフィにより所定形状の電極とする工程である。フォトリソグラフィは、通常行われる手順に従えばよい。例えば、まず、フォトレジストである有機樹脂を、電極薄膜の上から塗布する。そして、70〜90℃程度の温度下でプリベイクする。次に、金属電極等のパターンが形成されたフォトマスク等を用いて、フォトレジストを露光する。続いて、約130℃でポストベイクする。その後、現像して、フォトレジストの露光された領域を除去する。最後に、ウエットあるいはドライエッチングを施して、所定形状の電極とする。
なお、本工程にて電極を形成した後、圧電基板を所定の大きさに切断し、ケースに収容すればよい。そして、所定の端子と電極とを接続し、ケースを密閉して弾性表面波フィルタとすればよい。
上記実施の形態に基づいて、本発明のタンタル酸リチウム単結晶を種々製造した。そして製造したタンタル酸リチウム単結晶について種々の測定を行うことにより、衝撃特性、熱衝撃特性などを評価した。以下にタンタル酸リチウム単結晶の製造、種々の測定及び評価について説明する。なお以下タンタル酸リチウム単結晶をLT単結晶と略称する。
添加元素として鉄(Fe)を用い、その含有割合が0〜1.20wt%であるLT単結晶を、チョクラルスキー法により製造した。まず、鉄源となる酸化鉄(Fe)と、リチウム源となる炭酸リチウム(LiCO)と、タンタル源となる五酸化タンタル(Ta)とを所定量ずつ混合し、1000℃で10時間焼成して原料混合物とした。なお、炭酸リチウムおよび五酸化タンタルは、純度99.99%の純度のものを使用した。次いで、原料混合物を、イリジウム製の坩堝に入れ、高周波誘導加熱により溶融させた。溶融温度は1700℃とした。この原料混合物融液の中に、所定の方位に切り出した種結晶を浸し、回転数10rpm、引き上げ速度5mm/hrで引き上げて、直径約80mm、長さ約60mmの単結晶を得た。
また添加元素として銅、コバルト、ニッケル、マンガン、イットリウム、チタンを用いてその含有割合が0.10wt%であるLT単結晶を作製した。上記した鉄を添加元素とした方法のうち材料である酸化鉄を各添加元素の酸化物として用いる以外は同様の方法で単結晶を得た。
得られた単結晶の上端から5mmおよび60mmの位置から、それぞれ厚さ1mmの結晶ブロックを切り出した。なお、単結晶の上端とは、単結晶における軸方向の種結晶側の端部、すなわち、先に引き上げられた側の端部を意味する。次いで、切り出した結晶ブロックの片面を鏡面研磨してウェーハを作製した。つまり、製造したLT単結晶ごとに、切り出し位置が上部、下部と異なる二種類のウェーハを作製した。なお、切り出し位置が上部のものを結晶上部ウェーハと、下部のものを結晶下部ウェーハとした。
またウェーハの厚みは、350μm、300μm、250μm、200μm、180μm、150μmとし、最終研磨加工においては、コロイダルシリカによるメカノケミカルポリッシュ方式を採用した。
鉄を含有したLT単結晶は、固まりの状態では、赤色をしていた。それからウェーハを作成するとウェーハの色は黄色からオレンジ色をしており、鉄の含有量が多くなるにつれてオレンジ色となった。
作成した上記各添加量の鉄を含有するLT単結晶は、鉄の添加量が0.001wt%、0.002wt%、0.005wt%、0.01wt%、0.02wt%であるLT単結晶から作成されたウェーハは、黄色であり、鉄の添加量が0.10wT%、0.50wt%、1.00wt%、1.20wt%であるLT単結晶から作成されたウェーハはオレンジ色をしていた。また添加元素を含まないLT単結晶から作成されたウェーハは白色をしていた。
また上記ウェーハの黄色又はオレンジ色は、ウェーハ全体が均一な色になっており、添加元素である鉄が均一に添加されていることが一目で分かった。
また鉄を含有したLT単結晶に還元処理を行ったものも作製した。ここでは、処理容器と、ヒータと、真空ポンプとを備える帯電抑制処理装置を用いて還元を行った。帯電抑制処理装置は、処理容器の一端に配管が接続され、さらにその配管には真空ポンプが接続されている構造であり、接続された配管を通して、処理容器中の排気が行われる。
処理容器には、各ウエーハおよび還元剤としての塩化リチウム粉末が収容される。各ウエーハは、石英製のウエーハカセットケースにて支持される。ウエーハの直径は4インチ(100mm)、厚さは0.5mmである。ウエーハは、約5mmの間隔で50枚配置される。塩化リチウム粉末は、ウエーハとは別に、石英ガラス製のシャーレ内に収容される。収容される塩化リチウム粉末の量は100gである。
ヒータは、処理容器の周囲を覆うように配置される。
帯電抑制処理装置による帯電抑制処理の一例の流れを説明する。まず、真空ポンプにより、処理容器内を1.33Pa程度の真空雰囲気とする。次いで、ヒータにより処理容器を加熱し、処理容器内の温度を3時間で550℃まで上昇させる。処理容器内の温度が550℃に達したら、その状態で18時間保持する。その後、ヒータを停止し、処理容器内を自然冷却し、還元処理された各ウエーハを得た。
還元処理された鉄の含有率が0.002wt%〜0.01wt%であるLT単結晶から作成されたウェーハは、元の黄色の色が黒くなった黒っぽい黄色をしていた。元の色がオレンジ色の鉄の含有率が0.05wt%〜1.20wt%であるLT単結晶から作成されたウェーハは還元処理後は黒っぽいオレンジ色をしていた。
また同様の方法で還元処理された添加元素を含まないLT単結晶から作成されたウェーハは、還元処理されることによってもとの白色の色が黒くなった。
LT単結晶ごとに作製した結晶上部ウェーハおよび結晶下部ウェーハを使用して、種々の測定を行った。まず、測定した項目を説明し、その後に測定結果および評価について述べる。
(1)キュリー点測定
結晶上部ウェーハおよび結晶下部ウェーハのキュリー点を、示差熱分析装置(DTA)により測定した。キュリー点は、ウェーハの中心部、およびウェーハエッジより5mm内側周部における四箇所の合計五箇所にて測定した。また、結晶上部ウェーハのキュリー点と、結晶下部ウェーハのキュリー点との差を算出した。なお、キュリー点の差の算出には、各ウェーハの中心部にて測定された値を用いた。
(2)添加元素の偏析の有無
結晶上部ウェーハおよび結晶下部ウェーハ(以下、単に「ウェーハ」と称す。)における添加元素の偏析の有無を目視で観察した。また、白色蛍光灯下にて、ウェーハの内部および外周部を目視で観察し、クラック、気泡、双晶等の結晶欠陥の有無を調べた。
(3)結晶育成成功率とウェーハ良品率
結晶育成成功率は、結晶育成が成功した回数を結晶育成回数で割ったものを%表示した。
また良品率は、単結晶から厚さ1mmの結晶ブロックを切り出しその枚数100枚中の、最終製品としての良品の枚数を%表示した。良品とは、洗浄、研磨工程を経て最終的に必要な厚みのウェーハが、割れ、かけ、クラック等なく製品として使用可能と判断されたものとした。
鉄を添加元素としたLT単結晶を用いた上記(1)〜(3)の測定および観察結果を、まとめて表1に示す。また銅、コバルト、ニッケル、マンガン、イットリウム、チタンを添加元素としたLT単結晶を用いた上記(2)とウェーハ良品率の測定及び観察結果を表2に示す。また還元処理を行った鉄を添加元素としたLT単結晶のウェーハ良品率の測定結果を表3に示す。
まず、製造したLT単結晶の組成の均一性について述べる。組成の均一性は、LT単結晶から切り出した結晶上部ウェーハのキュリー点と、結晶下部ウェーハのキュリー点との差(キュリー点上下差)で評価することができる。
すなわち、単結晶の上部と下部とでキュリー点の差が小さいほど、単結晶の軸方向における組成は均一であるといえる。また、組成が均一であれば、添加元素の偏析や結晶欠陥も生じない。また鉄を含有するLT単結晶又はLN単結晶は、ウェーハの色が黄色或いはオレンジ色となる。このウェーハの色はウェーハ全体で均一な色をしており、鉄が均一に添加されていることが一目で確認できる。
表1に示すように、添加元素が含まれていないLT単結晶では、キュリー点上下差は0.5℃であった。つまり、単結晶の上下でキュリー点の差がほとんどないため、添加元素が含まれていないLT単結晶の組成は均一であることがわかる。
一方、鉄の含有割合が1.20wt%のLT単結晶では、キュリー点上下差が6.2℃であった。これより、鉄の含有割合が1.20wt%のLT単結晶では、上下で組成のばらつきがあるといえる。このことは、添加元素の偏析の有無等でも明らかである。添加元素が結晶中に均一に含まれていない場合には、添加元素の偏析が現れ、結晶欠陥が生じ易い。鉄の含有割合が1.20wt%のLT単結晶では、添加元素である鉄の偏析が観察され、結晶欠陥も生じていた。
また、鉄の含有割合が0.002〜1.00wt%のLT単結晶では、キュリー点上下差は0.1〜3.5℃であった。これより、鉄の含有割合が0.002〜1.00wt%のLT単結晶の組成は均一であることがわかる。
加えて、鉄の含有割合が0.002〜1.00wt%のLT単結晶では、鉄の偏析は観察されず、結晶欠陥も生じていなかった。このように、キュリー点上下差が上記範囲の単結晶は、組成が均一であるため、弾性表面波フィルタの圧電基板を作製するのに適している。
特に、鉄の含有割合が0.002〜0.1wt%のLT単結晶の組成は、より均一であり、弾性表面波フィルタの圧電基板を作製するのにより好適である。
また表1の厚みによる良品率にみられるように、鉄の含有割合が0.002〜0.1wt%のLT単結晶では、添加元素が含まれていないLT単結晶に比べて、200μm厚み、150μm厚みのウェーハにおいて、大幅に良品率が向上している。
また表2の厚みによる良品率に見られるように、銅、コバルト、ニッケル、マンガン、イットリウム、チタンの含有割合が0.10wt%のLT単結晶においても、添加元素が含まれていないLT単結晶に比べて、200μm厚み、150μm厚みのウェーハにおいて、大幅に良品率が向上している。
また表3の還元処理を行った鉄の含有されたLT単結晶の厚みによる良品率にみられるように、焦電効果の抑制のために還元処理されたものでも、良品率は大幅に向上していた。
従来のウェーハに求められる厚みは、1mm〜0.3mmであったが、最近の薄板化の要求は0.3mm〜0.1mmである。従って、上記した良品率は、実用に値する。
また厚み0.25mm、直径4インチ(100mm)の添加元素を含まないLT単結晶ウェーハ、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハ、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、及び還元処理された鉄を0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハを用いてダイシング試験を行った。
これは各ウェーハをブレードの幅が0.2mmT、#600のダイヤモンドブレードで、切断速度10.0mm/secで切断し、その際切断面に10μm以上のチッピングが観察された個数を数えた。その結果添加元素を含まないLT単結晶ウェーハが11カ所、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハが15カ所観察されたのに対し、還元処理された鉄を0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハで1カ所観察されただけで、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ及び還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハはチッピング箇所が観察されなかった。
このことから添加元素を含まないLT単結晶ウェーハに対し、鉄を0.005wt%又は鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハは、還元されたものも含み、同条件でダイシングを行った場合に切断面にチッピングが殆どみられない良好なダイシングを行うことが出来ることがわかった。
(4)抗折強度測定、ヤング率測定
鉄を含有した各LT単結晶から作製した各厚みのウェーハをそのまま用い、抗折強度測定を行った。抗折強度測定は、島津製オートグラフ装置(AGS−1000B)を用い、3点曲げ試験を行って測定した。試験条件は、ベース長55mm、室温、空気環境下で、クロスヘッドスピード0.5mm/minで行った。また装置の最大荷重は、150Nであった。
またヤング率測定は、鉄を含有した各LT単結晶から作製した各厚みのウェーハを各18mm×10mm×0.2mmtに切り出した試験片を用いて行った。抗折強度測定と同様に、島津製オートグラフ装置(AGS−1000B)を用い、3点曲げ試験を行って測定した。試験条件は、支点間距離3.0mm、室温、空気環境下で、クロスヘッドスピード0.5mm/minで行った。この時の装置の最大荷重は、50Nであった。ヤング率測定は、破断時、または最大荷重時の3点曲げ試験結果のたわみから計算した。
結果を図2、表4に表す。表4には鉄を含有した各LT単結晶ウェーハの破断までの曲げ強度、ヤング率、及びヤング率比を記載した。図2は、X軸にウェーハの厚みを表し、Y軸に抗折強度(N)を表す。
図2中の●は、鉄の含有率が0.02wt%のLT単結晶の結果を示し、▲は添加元素を含まないLT単結晶の結果を示す。
図2より明らかなように、鉄を0.02wt%含有するLT単結晶の抗折強度はそのウェーハ厚みに関わらず、添加元素を含まないLT単結晶に比べ大幅に向上した。また図示されていないが、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶及び還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶の抗折強度も合わせて測定した。還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶は、還元処理されていない鉄を0.01wt%含有するLT単結晶の抗折強度と変化なく、添加元素を含まないLT単結晶に比べ抗折強度が向上した。
また表4より明らかなように、鉄を含むLT単結晶の曲げ強度は、添加元素を含まないLT単結晶よりも向上した。特に鉄を0.02wt%含有するLT単結晶は、最大荷重の50Nまで破断しなかった。また鉄を0.005wt%、0.02wt%含有するLT単結晶のヤング率は、添加元素を含まないLT単結晶に比べ低下した。
(5)切断面観察
添加元素を含まないLT単結晶ウェーハと鉄を0.02wt%含有するLT単結晶ウェーハとをブレードの幅が0.2mmT、#600のダイヤモンドブレードで、切断速度5.0mm/sec、10.0mm/secで切断し、切断面を顕微鏡で観察した。切断は、切断機DISCO社製 DAD−2H/6を用いて行った。顕微鏡観察は、KEYENCE社 VF−7500を用いて行った。
観察された切断面境界の顕微鏡写真を図3に表す。図中の矢印は切断方向を示す。図3の左図は、添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの切断面写真であり、右図は鉄を0.02wt%含有するLT単結晶ウェーハの切断面写真である。また左図右図共に上段が切断速度5.0mm/secの結果を示し、下段が切断速度10.0mm/secの結果を示す。この時左図で観察された切断幅は平均0.25mmであり、右図で観察された切断幅は平均0.21mmであった。
図3に見られるように、添加元素を含まないLT単結晶ウェーハでは、切断速度5.0mm/secで切断してもチッピングが生じているのが観察された。切断速度10.0mm/secでは、全体に大きなチッピングが観察された。それに対し鉄を0.02wt%含有するLT単結晶ウェーハの切断面では、どちらの切断速度においても殆どチッピングが観察されなかった。
また切断幅に関しては、ブレード幅0.2mmに対して、添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの切断面では、切断幅が平均0.26mm、鉄を0.02wt%含有するLT単結晶ウェーハの切断面では、切断幅が平均0.21mmとなった。このことから、鉄を0.02wt%含有することにより、切断加工においても加工性が良く、精度良く切断出来ることが確認された。
また、図示はしていないが、還元処理された鉄を0.01wt%含むLT単結晶ウェーハの切断面も合わせて観察した。還元処理された鉄を0.01wt%含むLT単結晶ウェーハの切断面も鉄を0.02wt%含有するLT単結晶ウェーハの切断面と同様に殆どチッピングが観察されず、その結果還元処理された鉄を0.01wt%含むLT単結晶ウェーハも切断加工において加工性が良く、精度良く切断出来ることが確認された。
(6)熱衝撃試験
室温(20℃)で保管した、厚み0.2mmの鉄を含有する各ウェーハを、各100枚、200℃に加熱したホットプレート上に設置した。約5分間ホットプレート上に置き、ホットプレートから取り出し、室温まで急速に放冷した。一連の工程後の破損したウェーハの枚数を数え、破損率を計算した。ウェーハは、ホットプレートに設置されると、1分間に約90℃の速度で昇温した。
破損率(%)=破損ウェーハ数/100枚×100
その結果、添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの破損率は17%であったのに対し、鉄を0.001wt%含有するLT単結晶ウェーハの破損率は10%、0.002wt%含有するLT単結晶ウェーハの破損率は4%、0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハの破損率は2%、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ及び鉄を0.1wt%含有するLT単結晶ウェーハでは0%となった。
このように添加元素として鉄を0.002wt%〜0.1wt%含有するLT単結晶ウェーハの熱衝撃特性は大幅に向上した。
また還元処理されたウェーハの熱衝撃試験も合わせて行った。これは上記と同様の方法で条件を一部変更して行った。
室温(20℃)で保管した、厚み0.25mmの添加元素を含まないLT単結晶ウェーハ、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハ、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、及び還元処理された鉄を0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハを、各100枚、300℃に加熱したホットプレート上に設置した。各ウェーハをホットプレート上に置き瞬時に、ホットプレート上から取り出し、室温まで急速に放冷した。一連の工程後の破損したウェーハの枚数を数え、上記と同様に破損率を計算した。
その結果、添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの破損率は24%であり、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの破損率は、17%であった。それに対し、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、及び還元処理された鉄を0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハの破損率はいずれも0%であった。
このように還元処理された添加元素として鉄を0.01wt%又は0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハの熱衝撃特性も還元処理されても変わらず破損率の低いものであった。
(7)焦電抑制効果確認試験
還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハと還元処理された鉄を含有するLT単結晶ウェーハの体積抵抗率と表面電位を測定した。
厚み0.25mmの添加元素を含まないLT単結晶ウェーハ、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハ、鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハ、及び還元処理された鉄を0.005wt%含有するLT単結晶ウェーハの体積抵抗率と表面電位を測定した。
体積抵抗率は、東亜ディーケーケー株式会社製「DSM−8103」を用いて測定した。また表面電位は各ウェーハを85℃に設定されたプレートの上に置き、室温20℃から85℃までの表面電位の経持変化を測定し、そのピークとなった表面電位の値を示した。
体積抵抗率、表面電位、及びウェーハの色を表5に示す。
表5に示されるように、鉄を0.01wt%添加元素として含有するLT単結晶ウェーハは、添加元素を含まないLT単結晶ウェーハに比べて、体積抵抗率も低く、表面電位も低くなった。
また鉄を0.005wt%或いは0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハは還元処理されることによって還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハと比較して体積抵抗率も低く、表面電位も低くなった。従って鉄を0.005wt%或いは0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハにおいても、還元処理されたことにより焦電抑制効果があることがわかった。
また厚み0.25mmの還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハと還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの熱処理前と熱処理後の体積抵抗率及び表面電位の変化を測定した。熱処理は、各ウェーハを300℃のホットプレート上で一時間放置しその後室温まで放冷した後の体積抵抗率と表面電位を測定した。
体積抵抗率は、上記同様東亜ディーケーケー株式会社製「DSM−8103」を用いて測定した。また表面電位は表面電位計で測定した。熱処理前及び熱処理後室温まで放冷した各ウェーハの表面電位は、室温の各ウェーハを85℃に設定されたプレートの上に置き、室温20℃から85℃までの表面電位の経持変化を測定し、そのピークとなった表面電位の値で示した。
還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハをn=1、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハをn=3で測定した。
結果を表6及び図4に示す。
図4において▲は還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハの測定結果を示し、3種類の丸印は各々還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハの測定結果を示す。図中の矢印の元となる印が熱処理前の値であり、矢印の先の印が各々の熱処理後の値を示す。
表6及び図4に示されるように還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハは、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶と同様に表面電位及び体積抵抗率は低下していることが分かった。
また熱処理後の表面電位を比較すると、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハのほうが表面電位が小さく、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハに比べ熱処理後も表面電位の変動が小さいのがわかった。
また熱処理後の体積抵抗率を比較すると、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハのほうが体積抵抗率が低く、還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハに比べ熱処理後も体積抵抗率が上昇しにくい、すなわち導電性が保持され帯電抑制効果が高いことがわかった。
体積抵抗率の上昇は、酸化されることによって起こると考えられる。そのため還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハは300℃の高温にさらされても再酸化されにくいことを示す。
このことは、LT単結晶ウェーハを弾性表面波フィルタに用いる場合に大きな効果を奏する。
弾性表面波フィルタの製造工程には、圧電基板表面への電極薄膜の形成や、フォトリソグラフィでのプリベイクやポストベイク等、圧電基板の温度変化を伴う工程がいくつかある。しかしながらフィルタ材料であるLT単結晶やLN単結晶は、焦電性係数が大きく、抵抗が高いという特性を有する。そのため、わずかな温度変化により表面に電荷が発生する。そして、一旦発生した電荷は蓄積され、外部から除電処理を施さない限り帯電状態が続いてしまう。
そのため、LT単結晶やLN単結晶を圧電基板として用いる場合、弾性表面波フィルタの製造過程において、温度変化による圧電基板における静電気の発生が問題となる。圧電基板が帯電すると、圧電基板内で静電気放電が生じ、クラックや割れの原因となる。また、圧電基板表面に形成された電極が、静電気によりショートするおそれもある。さらに、製造過程にて生じる微細な金属粉や塵、埃等が、静電気により圧電基板表面に引き寄せられ、それらの粒子により電極がショートし、また、電極がオープン状態となることで破壊されるおそれもある。
さらに近年弾性表面波フィルタの製造工程において高温での製造が要求されてきている。
上記したように、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハは300℃の熱処理後でも還元処理された添加元素を含まないLT単結晶ウェーハに比べ体積抵抗率が上昇しにくく、すなわち導電性が保持され帯電抑制効果が高いため、還元処理された鉄を0.01wt%含有するLT単結晶ウェーハを弾性表面波フィルタに用いると大きな効果を奏すると考えられる。

Claims (14)

  1. 鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶。
  2. 前記添加元素の含有割合は0.002wt%以上0.01wt%未満である請求項1に記載のタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶。
  3. 前記添加元素は鉄であり、前記単結晶の色はウェーハ形状で黄色又はオレンジ色である請求項1又は2に記載のタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶。
  4. 還元処理された請求項1〜3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶。
  5. 前記添加元素は鉄であり、還元処理された前記単結晶の色はウェーハ形状で黒みがかった黄色又はオレンジ色である請求項4記載の還元処理されたタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶。
  6. 鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶の作製工程と、
    作製された該単結晶を還元する還元処理工程と、
    を含む、還元処理されたタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶の製造方法。
  7. 鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を有する弾性表面波フィルタ。
  8. 前記添加元素の含有割合は0.002wt%以上0.01wt%未満である請求項7記載の弾性表面波フィルタ。
  9. 前記添加元素は鉄であり、前記圧電基板の色は黄色又はオレンジ色である請求項7又は8に記載の弾性表面波フィルタ。
  10. 還元処理された請求項7又は8に記載のタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を有する弾性表面波フィルタ。
  11. 前記添加元素は鉄であり、前記圧電基板の色は黒みがかった黄色又はオレンジ色である請求項7に記載の弾性表面波フィルタ。
  12. 鉄、銅、マンガン、モリブデン、コバルト、ニッケル、亜鉛、炭素、マグネシウム、チタン、タングステン、インジウム、錫、レニウム、スカンジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、白金、金、イットリウム、ネオジウム、イリジウム、ゲルマニウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ガリウム、セリウム及びその他の遷移元素から選ばれる少なくとも一種以上の添加元素を0.002wt%以上0.1wt%以下の割合で含有し、優れた応力衝撃特性及び熱衝撃特性を有するタンタル酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム単結晶から作製された圧電基板を準備する圧電基板準備工程と、
    前記圧電基板の表面に電極薄膜を形成する電極薄膜形成工程と、
    前記電極薄膜をフォトリソグラフィにより所定形状の電極とする電極形成工程と、
    を含む弾性表面波フィルタの製造方法。
  13. 前記添加元素の含有割合は0.002wt%以上0.01wt%未満である請求項12記載の弾性表面波フィルタの製造方法。
  14. 前記圧電基板準備工程は、前記圧電基板の還元処理工程を含む、還元処理された請求項12又は13に記載の弾性表面波フィルタの製造方法。
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