JP7294063B2 - 酸化物単結晶の育成方法 - Google Patents

酸化物単結晶の育成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7294063B2
JP7294063B2 JP2019197602A JP2019197602A JP7294063B2 JP 7294063 B2 JP7294063 B2 JP 7294063B2 JP 2019197602 A JP2019197602 A JP 2019197602A JP 2019197602 A JP2019197602 A JP 2019197602A JP 7294063 B2 JP7294063 B2 JP 7294063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
additive
raw material
growing
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019197602A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021070605A (ja
Inventor
大輔 土橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2019197602A priority Critical patent/JP7294063B2/ja
Publication of JP2021070605A publication Critical patent/JP2021070605A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7294063B2 publication Critical patent/JP7294063B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、酸化物単結晶の育成方法に関する。
従来、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶や、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶は、主に移動体通信機器に用いる、電気信号ノイズ除去のための表面弾性波素子(SAWフィルター、Surface Acoustic Wave Filter)の材料として用いられている。
タンタル酸リチウム単結晶や、ニオブ酸リチウム単結晶は、産業的にはCz(Czochralski、チョクラルスキー)法によって育成される。例えば、タンタル酸リチウム単結晶は、イリジウム(Ir)製坩堝を用いて、窒素-酸素混合ガス雰囲気の高周波誘導加熱式育成炉中で育成される。Cz法とは、円筒状の坩堝内にある原料融液に種結晶を浸し、その後に種結晶を回転させながら上方に引き上げることで、種結晶と同一方位の単結晶を育成する方法である。種結晶の回転速度や引上げ速度は、育成する結晶の種類、育成時の温度環境に応じた速度に設定する。育成後は、育成炉内で所定の冷却速度で冷却し、冷却後に炉から取り出す。取り出された単結晶は、アニール、ポーリング工程を経た後に、スライス、研磨工程によって厚さ数百ミクロン程度の基板に加工され、SAWフィルターの材料として用いられる。
近年、SAWフィルターの小型化に伴い、SAWフィルターに用いる材料についても、様々な特性の向上が要求されてきている。
例えば、特許文献1には、圧電振動子の外形を微細に加工するために行うウェットエッチング加工における、エッチング加工速度の向上を目的として、ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法において、原料中に酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の添加物を1mol%~5mol%含有することが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、耐応力衝撃性や耐熱衝撃性を向上させることを目的として、Cz法により育成した、鉄、銅、マンガン、チタン等を0.002wt%以上0.1wt%以下含有するタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶が記載されている。
特開2007-169074号公報 WO2007/046176号公報
しかしながら、特許文献1に記載のニオブ酸リチウム単結晶の育成方法は、融液から単結晶を下方向に成長させるマイクロ引下げ法を用いることを前提としており、結晶成長用坩堝のノズルが長さ10mm、幅1mmであって、育成される結晶が小さい。このため、特許文献1に記載の育成方法は、大型のデバイスの材料には用いることができない上、生産性も低い。また、特許文献1には、固相反応を利用した単結晶の育成では空孔が発生する等の問題があり、高品質の結晶を育成することが困難であることが記載されており、Cz法を用いることについての提案はない。
また、特許文献2に記載のものは、実施例において、添加元素として鉄を0.002wt%以上0.1wt%以下含有するタンタル酸リチウム単結晶が結晶欠陥なく育成できることが実証されているが、その他の添加元素については、0.10wt%含有するタンタル酸リチウム単結晶が育成できることが実証されているにとどまり、0.10wt%とは異なる含有量で含有するタンタル酸リチウム単結晶が結晶欠陥なく育成できることについては実証されていない。
しかるに、本発明者が、添加物としてチタンを含有する酸化物単結晶をCz法で育成することについて、求められる酸化物単結晶の特性に応えるべく、チタンの含有量を異ならせて試験研究を行ったところ、チタンの含有量が増加するにしたがって単結晶にクラックが生じ易くなることが判明した。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、高い生産性を極力維持しながら、ゲルマニウム、ジルコニウム、チタン又は銅から選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物の含有量を異ならせてもクラックのないタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の単結晶をCz法により育成することの可能な酸化物単結晶の育成方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明による酸化物単結晶の育成方法は、高周波誘導加熱炉を用いたCz法による酸化物単結晶の育成に際し、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料にゲルマニウム、ジルコニウム、チタン、銅から選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物を添加する酸化物単結晶の育成方法において、前記原料に前記添加物を3.7mol%以上6mol%以下の含有量となるように添加し、かつ、該添加物の含有量における2mol%からの増加量に応じて、前記原料に前記添加物を添加しないで酸化物単結晶を育成する場合における種結晶の引上げ速度よりも遅い所定範囲の引上げ速度で種結晶を引き上げることを特徴とする。
また、本発明の酸化物単結晶の育成方法においては、前記原料に前記添加物を3.7mol%以上4mol%以下の含有量となるように添加したときには、前記原料に前記添加物を添加しないで酸化物単結晶を育成する場合における種結晶の引上げ速度の1倍未満1/2倍以上の引上げ速度で種結晶を引き上げ、前記原料に前記添加物を4mol%超6mol%以下の含有量となるように添加したときには、前記原料に前記添加物を添加しないで酸化物単結晶を育成する場合における種結晶の引上げ速度の1/2倍未満1/4倍以上の引上げ速度で種結晶を引き上げるのが好ましい。
また、本発明の酸化物単結晶の育成方法においては、前記添加物は、チタンを用いて構成されるのが好ましい。
本発明によれば、高い生産性を極力維持しながら、ゲルマニウム、ジルコニウム、チタン又は銅から選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物の含有量を異ならせてもクラックのないタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の単結晶をCz法により育成することの可能な酸化物単結晶の育成方法が得られる。
本発明の実施形態に係る酸化物単結晶の育成方法に用いる結晶育成装置の一例を示した断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る酸化物単結晶の育成方法に用いる結晶育成装置の一例を示した断面図である。結晶育成装置は、坩堝10と、坩堝台20と、断熱材30と、耐火物40と、リフレクタ50と、アフター・ヒーター60と、誘導コイル70と、引き上げ軸80と、載置台90と、チャンバー100とを備えた高周波加熱炉である。
なお、引上げ軸80の下端には種結晶保持部81が設けられ、種結晶110を保持している。また、坩堝10内には原料融液120が貯留保持されている。
本実施形態の結晶育成装置において、坩堝10は坩堝台20の上に載置されている。坩堝10及び坩堝台20の周囲には、円筒形の断熱材30が設けられている。断熱材30は、坩堝10が発熱体となって発する熱が外部に漏れるのを抑制するとともに、坩堝10の下端部が繰り返し使用により変形し、外側に突出し易くなるのを抑制する。また、断熱材30を囲むように、耐火物40が設けられている。耐火物40は、断熱材30の側方及び下部を囲む下部容器41と、断熱材30の上部を囲む上部容器42とを有する。
坩堝10の上方には、リフレクタ50を介して、アフター・ヒーター60が設置されている。アフター・ヒーター60は、坩堝10から引き上げられた単結晶を加熱するように構成されている。リフレクタ50は、加熱された坩堝10内の熱を反射するように、坩堝10の側面の上端の周縁部を覆うようにして設けられている。更に、坩堝10、坩堝台20、断熱材30、耐火物40、リフレクタ50及びアフター・ヒーター60を取り囲むように誘導コイル70が設けられている。また、誘導コイル70の外側にはチャンバー100が設けられ、耐火物40及び誘導コイル70の周囲全体を覆っている。
また、坩堝10の上方には、引き上げ軸80が設けられている。引き上げ軸80は、下端に種結晶保持部81を有し、図示しない引き上げ軸駆動モータにより昇降可能に構成されている。耐火物40の下方かつチャンバー100内には載置台90が設けられ、チャンバー100以外の全体を支持している。
また、結晶育成装置全体の動作を制御するための制御部と、誘導コイル70及び結晶育成装置全体に電力を供給するための電源がチャンバー100の外部に設けられている。
なお、実施形態の酸化物単結晶の育成方法に用いる結晶育成装置は、図1に示した構成に限定されるものではなく、Cz法による結晶育成ができるものであれば、どのような構成であってもよい。
次に、本実施形態に係る酸化物単結晶の育成方法により育成される酸化物単結晶について説明する。
本実施形態の育成方法により育成される酸化物単結晶は、高周波誘導加熱炉を用いたCz法による酸化物単結晶の育成に際して、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料にゲルマニウム、ジルコニウム、チタン、銅から選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物を3.7mol%以上添加することによって育成されたものである。
次に本実施形態の酸化物単結晶の育成方法について、本発明を導出するに至った経緯とともに説明する。
本実施形態の酸化物単結晶の育成方法では、上述の高周波誘導加熱炉を使用する。
まず、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料と添加物の原料を用意し、それぞれ所定量混合する。タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料に添加する添加物の形態は、金属、酸化物のいずれも可能である。但し、酸化物であるタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの融液へ溶解させることから、添加物の形態は、酸化物が望ましい。
なお、添加物は、育成された酸化物単結晶においては、添加量の全てが含有されるわけではない。育成された酸化物単結晶に取り込まれる量は、添加物の偏析係数(結晶中の添加物濃度/融液中の添加物濃度)の影響を受けて減少する。本発明者が上述の高周波誘導加熱炉を用いて、タンタル酸リチウムの原料に、ジルコニウム、ゲルマニウム、チタンから選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物を添加した、Cz法によるタンタル酸リチウム単結晶を育成するための試験研究を行い、添加物の偏析係数を調べたところ、ジルコニウムは約0.6、ゲルマニウムは約0.2、チタンは約0.15、銅は約0.28であった。例えば、添加物がチタンの場合、原料秤量時の濃度に対し育成した単結晶に取り込まれる濃度は、原料秤量時の濃度の約0.15になる。このため、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料に添加する添加物の量は偏析係数を考慮して設定する。
次に、高周波加熱炉のヒーター(誘導コイル70)を加熱させ坩堝10内の原料粉を融解させる。原料が融解後、坩堝10の上方に配置した引き上げ軸80の下端の種結晶保持部81に保持された種結晶110を、坩堝10内の融解した原料融液120の表面に接触させ、引き上げ軸80を介して種結晶110を回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶110と同一方位の円筒状のタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの単結晶を育成する。
なお、Cz法による酸化物単結晶の育成においては、種結晶の回転速度や引上速度は、育成する結晶の種類、育成時の温度環境に応じた速度に設定する。
ところで、Cz法による酸化物単結晶の育成において酸化物単結晶の原料に添加物を添加する場合、セル状結晶成長に起因したクラックが発生する虞がある。セル状とは細胞(Cell)のように小さく分かれた形状を指し、セル状結晶成長とは、細胞のように小さく分かれて結晶が成長する状態をいう。それぞれのセル形状が変化することで、結晶中に欠陥が入ったり、セル同士の境界に不純物が優先的に集まったりする状態となり、それによりクラックなどが発生し、得られる酸化物単結晶の品質低下に大きな影響を与える。
本発明者は、上述の高周波誘導加熱炉を用いて、タンタル酸リチウム原料に添加物としてチタンを添加してCz法によりタンタル酸リチウム単結晶を育成する試験研究を、種結晶の回転速度や引上げ速度、育成時の温度等が同じ育成条件下で、求められる酸化物単結晶の特性に応えるべく、チタンの含有量を異ならせて行った。その結果、タンタル酸リチウム原料にチタンを添加した原料粉中のチタンの含有量が所定量(2mol%)を超えると、セル状結晶成長によりクラックが発生し、タンタル酸リチウム原料にチタンを添加してCz法によりタンタル酸リチウム単結晶を育成する場合、原料粉中のチタンの含有量の増加によりセル状結晶が成長し易くなることが認められた。
ここで、本発明者は、セル状結晶の成長を抑えるために、種結晶の引上げ速度を遅くすることを考えたが、種結晶の引上げ速度を遅くしすぎると、生産性が悪くなるという課題が生じた。
ところで、上記試験では、チタンの含有量が2mol%以下の場合、2mol%を超えた場合のいずれも同じ育成条件下で育成を行っており、種結晶の引上げ速度は、タンタル酸リチウム原料にチタンを添加しないでタンタル酸リチウム単結晶を育成する場合の種結晶の引上げ速度と同じ速度である。チタンの含有量が2mol%までは、チタンを添加しないでタンタル酸リチウム単結晶を育成する場合の種結晶の引上げ速度と同じ速度でクラックの無いタンタル酸リチウム単結晶を育成できることが認められた。
そこで、本発明者は、高い生産性を極力維持しながらクラックのない酸化物単結晶をCz法により育成すべく、更に考察検討を重ねた末に、酸化物単結晶の原料にチタンを添加しないで酸化物単結晶を育成するときの種結晶の引上げ速度を基準として、チタンの含有量が2mol%を超えたときの増加量に応じて所定の速度調整をすることを着想し、本発明を導出するに至った。
本実施形態の酸化物単結晶の育成方法では、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料にゲルマニウム、ジルコニウム、チタン、銅から選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物を、3.7mol%以上6mol%以下の所定の含有量となるように添加し、かつ、添加物の含有量における2mol%からの増加量に応じて、添加物を添加しない場合における種結晶の引上げ速度よりも遅い所定範囲の引上げ速度で種結晶を引き上げることを特徴としている。
上述の通り、セル状結晶成長が添加物の濃度の影響を受けており、添加物の濃度が高くなるにしたがい、セル状結晶が成長し易くなる。セル状結晶の成長を抑えるためには、種結晶の引上げ速度を遅くすることが考えられるが、種結晶の引上げ速度を遅くすると、生産性が悪くなる。そこで、高い生産性を極力維持しながらセル状結晶の成長を抑えるために、原料に添加する添加物の濃度における2mol%からの増加量に応じて、添加物を添加しない場合における種結晶の引上げ速度よりも遅い所定範囲の引上げ速度で種結晶を引き上げる。例えば、チタンを添加物とした場合、秤量時の添加量が2mol%までは、種結晶の引上げ速度は、添加物を添加しない場合と同じ引上げ速度で引き上げることが可能であるが、秤量時の添加量が4mol%の場合は、種結晶の引上げ速度は、添加物を添加しない場合の速度の1/2、秤量時の添加量が6mol%の場合は、添加物を添加しない場合の引上げ速度の1/4まで減速した引上げ速度で引き上げることでセル状結晶の成長が抑えられ、高い生産性を極力維持しながらクラックの無い酸化物単結晶を得ることができる。
このような条件下で、所望の大きさまで酸化物単結晶を育成後、育成した酸化物単結晶を融液から切り離し、その後、育成炉のパワーを所定の速度で低下させることで徐冷し、炉内温度が室温近傍となった後に育成炉内から酸化物単結晶を取り出す。取り出された酸化物単結晶は、温度勾配がある育成炉内の環境で結晶育成、冷却がなされたために、結晶内に温度差に起因する熱歪(残留歪)が内在している。その残留歪を取り除くために、均熱炉内でアニール、徐冷を行う。これにより、SAWフィルターに用いる材料として好適な酸化物単結晶が得られる。
実施例1
高周波誘導加熱炉内に図1に示す構成の高周波加熱炉を構築し、タンタル酸リチウム単結晶の育成を行った。Ir(イリジウム)製坩堝内にタンタル酸リチウム原料をチャージした。ツルボ径はφ50mmとした。このとき、タンタル酸リチウム原料に対し酸化チタンをチタンの含有量が4mol%となるように添加して原料粉を作製した。その後、加熱炉を加熱して原料粉を融解し、引き上げ軸下端の種結晶保持部に保持された種結晶先端部を原料融液に浸し、引き上げ軸を介して回転させながら上方に引き上げることにより、φ25mm直胴長25mmのタンタル酸リチウム単結晶を得た。なお、種結晶の回転数は15rpmから育成終盤にかけて6rpmに減速させた。また、種結晶の引上げ速度は1.1mm/hrとした。
このタンタル酸リチウム単結晶をICP-MS法により分析した結果、タンタル酸リチウム単結晶中に含有するチタンは0.59mol%であった。
また、育成したタンタル酸リチウム単結晶を目視観察したところ、クラックの発生は認められなかった。
実施例2
タンタル酸リチウム原料に対し酸化チタンをチタンの含有量が6mol%となるように添加して原料粉を作製し、育成時の種結晶の引上げ速度を0.55mm/hrとした。それ以外は、実施例1と同様の育成方法で、φ25mm直胴長25mmのタンタル酸リチウム単結晶を得た。
このタンタル酸リチウム単結晶をICP-MS法により分析した結果、タンタル酸リチウム単結晶中に含有するチタンは0.83mol%であった。
また、育成したタンタル酸リチウム単結晶を目視観察したところ、クラックの発生は認められなかった。
参考例1
タンタル酸リチウム原料のみの原料粉を作製し、育成時の種結晶の引上げ速度を2.2mm/hrとした。それ以外は、実施例1と同様の育成方法で、φ25mm直胴長25mmのタンタル酸リチウム単結晶を得た。
このタンタル酸リチウム単結晶をICP-MS法により分析した結果、タンタル酸リチウム単結晶中に含有するチタンは0mol%であった。
また、育成したタンタル酸リチウムの単結晶を目視観察したところ、クラックの発生は認められなかった。
参考例2
タンタル酸リチウム原料に対し酸化チタンをチタンの含有量が2mol%となるように添加して原料粉を作製し、育成時の種結晶の引上げ速度を2.2mm/hrとした。それ以外は、実施例1と同様の育成方法で、φ25mm直胴長25mmのタンタル酸リチウム単結晶を得た。
このタンタル酸リチウム単結晶をICP-MS法により分析した結果、タンタル酸リチウム単結晶中に含有するチタンは0.58mol%であった。
また、育成したタンタル酸リチウム単結晶を目視観察したところ、クラックの発生は認められなかった。
比較例1
タンタル酸リチウム原料に対し酸化チタンをチタンの含有量が4mol%となるように添加して原料粉を作製し、育成時の種結晶の引上げ速度を2.2mm/hrとした。それ以外は、実施例1と同様の育成方法でタンタル酸リチウム単結晶を育成した。
このタンタル酸リチウム単結晶をICP-MS法により分析した結果、タンタル酸リチウム単結晶中に含有するチタンは0.58mol%であった。
また、育成したタンタル酸リチウム単結晶を目視観察したところ、クラックの発生が認められた。
比較例2
タンタル酸リチウム原料に対し酸化チタンをチタンの含有量が6mol%となるように添加して原料粉を作製し、育成時の種結晶の引上げ速度を1.1mm/hrとした。それ以外は、実施例1と同様の育成方法でタンタル酸リチウム単結晶を育成した。
このタンタル酸リチウム単結晶をICP-MS法により分析した結果、タンタル酸リチウム単結晶中に含有するチタンは0.82mol%であった。
また、育成したタンタル酸リチウム単結晶を目視観察したところ、比較例1と同様にクラックの発生が認められた。
実施例、参考例、比較例のタンタル酸リチウム単結晶の製造方法のそれぞれにおける、タンタル酸リチウム原料に対するチタン添加量、種結晶の引上げ速度、タンタル酸リチウム単結晶中のチタン含有量、クラック発生有無を次の表1に示す。
Figure 0007294063000001
10 坩堝
20 坩堝台
30 断熱材
40~42 耐火物
50 リフレクタ
60 アフター・ヒーター
70 誘導コイル
80 引き上げ軸
81 種結晶保持部
90 載置台
100 チャンバー
110 種結晶
120 原料融液

Claims (3)

  1. 高周波誘導加熱炉を用いたCz法による酸化物単結晶の育成に際し、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの原料にゲルマニウム、ジルコニウム、チタン、銅から選択される少なくとも1種以上の元素を用いて構成される添加物を添加する酸化物単結晶の育成方法において、
    前記原料に前記添加物を3.7mol%以上6mol%以下の含有量となるように添加し、かつ、該添加物の含有量における2mol%からの増加量に応じて、前記原料に前記添加物を添加しないで酸化物単結晶を育成する場合における種結晶の引上げ速度よりも遅い所定範囲の引上げ速度で種結晶を引き上げることを特徴とする酸化物単結晶の育成方法。
  2. 前記原料に前記添加物を3.7mol%以上4mol%以下の含有量となるように添加したときには、前記原料に前記添加物を添加しないで酸化物単結晶を育成する場合における種結晶の引上げ速度の1倍未満1/2倍以上の引上げ速度で種結晶を引き上げ、
    前記原料に前記添加物を4mol%超6mol%以下の含有量となるように添加したときには、前記原料に前記添加物を添加しないで酸化物単結晶を育成する場合における種結晶の引上げ速度の1/2倍未満1/4倍以上の引上げ速度で種結晶を引き上げることを特徴とする請求項1に記載の酸化物単結晶の育成方法。
  3. 前記添加物は、チタンを用いて構成されることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の酸化物単結晶の育成方法。
JP2019197602A 2019-10-30 2019-10-30 酸化物単結晶の育成方法 Active JP7294063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019197602A JP7294063B2 (ja) 2019-10-30 2019-10-30 酸化物単結晶の育成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019197602A JP7294063B2 (ja) 2019-10-30 2019-10-30 酸化物単結晶の育成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021070605A JP2021070605A (ja) 2021-05-06
JP7294063B2 true JP7294063B2 (ja) 2023-06-20

Family

ID=75712426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019197602A Active JP7294063B2 (ja) 2019-10-30 2019-10-30 酸化物単結晶の育成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7294063B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7332565B2 (ja) 2020-11-05 2023-08-23 株式会社鷺宮製作所 温度式弁装置及び冷却装置並びに冷凍サイクルシステム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007046176A1 (ja) 2005-10-19 2007-04-26 Yamaju Ceramics Co., Ltd. 強誘電体単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタ及びその製造方法
CN1974888A (zh) 2006-11-11 2007-06-06 南开大学 掺锆铌酸锂晶体
US20170253994A1 (en) 2016-03-01 2017-09-07 Nankai University Bismuth and magnesium co-doped lithium niobate crystal, preparation method thereof and application thereof

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3121361B2 (ja) * 1990-12-28 2000-12-25 イビデン株式会社 Ti含有ニオブ酸リチウム薄膜及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007046176A1 (ja) 2005-10-19 2007-04-26 Yamaju Ceramics Co., Ltd. 強誘電体単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタ及びその製造方法
US20090230817A1 (en) 2005-10-19 2009-09-17 Yamaju Ceramics Co., Ltd. Ferroelectric single crystal, surface acoustic wave filter comprising the same, and production method thereof
CN1974888A (zh) 2006-11-11 2007-06-06 南开大学 掺锆铌酸锂晶体
US20170253994A1 (en) 2016-03-01 2017-09-07 Nankai University Bismuth and magnesium co-doped lithium niobate crystal, preparation method thereof and application thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7332565B2 (ja) 2020-11-05 2023-08-23 株式会社鷺宮製作所 温度式弁装置及び冷却装置並びに冷凍サイクルシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021070605A (ja) 2021-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2012127703A1 (ja) SiC単結晶の製造方法および製造装置
JP4810346B2 (ja) サファイア単結晶の製造方法
JP2009007203A (ja) 酸化物単結晶育成装置及びそれを用いた酸化物単結晶の製造方法
WO2021020539A1 (ja) ScAlMgO4単結晶及びその作成方法並びに自立基板
JP7294063B2 (ja) 酸化物単結晶の育成方法
JP6451700B2 (ja) 酸化物単結晶の育成方法
JP7072146B2 (ja) 鉄ガリウム合金の単結晶育成方法
JP7115252B2 (ja) 酸化物単結晶の製造方法及び結晶育成装置
JP2010059031A (ja) 酸化アルミニウム単結晶、及び、その製造方法
JP2019147698A (ja) 結晶育成装置及び結晶育成方法
JP2013001581A (ja) タンタル酸リチウム単結晶の育成方法
JP4957619B2 (ja) 酸化物単結晶の製造方法
JP7310339B2 (ja) ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法
JP6834493B2 (ja) 酸化物単結晶の育成装置及び育成方法
JP7271843B2 (ja) タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP7271842B2 (ja) タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP2018135228A (ja) LiTaO3単結晶の育成方法とLiTaO3単結晶の処理方法
JP4735594B2 (ja) 酸化物単結晶の育成方法
JP2010265150A (ja) サファイア単結晶の製造方法及び種結晶の製造方法
JP6593157B2 (ja) タンタル酸リチウム単結晶の育成方法
JP2018100202A (ja) LiNbO3単結晶の育成方法
JP7275674B2 (ja) ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法
JP2010280525A (ja) タンタル酸リチウム基板と、タンタル酸リチウム単結晶の製造方法
JP2013147361A (ja) サファイア単結晶およびサファイア単結晶の製造方法
JP6992488B2 (ja) 単結晶育成用ルツボ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230522

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7294063

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150