JP3121361B2 - Ti含有ニオブ酸リチウム薄膜及びその製造方法 - Google Patents

Ti含有ニオブ酸リチウム薄膜及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜導波路型SHG素
子を始めとして、各種光学材料に好適な膜厚のニオブ酸
リチウム単結晶薄膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の光応用技術の進展に伴って、レー
ザ光源の短波長化が要求されている。これは、短波長化
により、記録密度、感光感度を向上させることができる
ためであり、光ディスク、レーザプリンタ等の光学機器
分野への応用が考えられる。
【0003】このため、入射するレーザ光の波長を1/
2変換できる第2高調波発生(SHG)素子の研究が行
なわれてきた。
【0004】かかる第2高調波発生(SHG)素子とし
ては、従来高出力のガスレーザを光源として、非線形光
学結晶のバルク単結晶が用いられてきた。しかし、光デ
ィスク装置、レーザプリンタ等の装置を小型化する要求
が強いこと、ガスレーザは、光変調のため、外部に変調
器が必要であるのに対して、半導体レーザは、直接変調
が可能であること、安価であることなどのために、ガス
レーザに代えて半導体レーザが主として用いられるよう
になってきた。このため、数mW〜数十mWの低い光源
出力で高い変換効率を得る必要から、薄膜導波路型のS
HG素子が必要となってきた。
【0005】このような薄膜導波路型SHG素子用の非
線形光学材料としては、従来ニオブ酸リチウムバルク単
結晶にTi等を拡散させることにより、屈折率を変化さ
せた層を導波路としたものや、タンタル酸リチウム基板
上に高周波スパッタ法により形成させたニオブ酸リチウ
ム薄膜を導波路としたものなどが知られているが、何れ
も結晶性に優れたニオブ酸リチウム薄膜を得ることが困
難で、高い変換効率を得ることができなかった。
【0006】結晶性に優れた単結晶薄膜を製造する方法
として、基板物質上でニオブ酸リチウムを液相エピタキ
シャル法により成長させる方法が最も好適であると考え
られている。
【0007】しかし、従来の技術では、このような薄膜
を得ることは、困難であった。本発明者らは研究の結
果、この原因が、薄膜と基板の格子のミスマッチによる
ものであることを見い出すとともに、基板上にニオブ酸
リチウム単結晶薄膜を形成させ、すぐれた光学的特性を
有するニオブ酸リチウム単結晶薄膜とするには、ニオブ
酸リチウム単結晶と基板とを格子整合し、基板と一体化
し、格子の歪や結晶欠陥をなくさなければならないこと
を知見した。
【0008】ところで、ニオブ酸リチウム単結晶のa軸
の格子定数は5.148Åであり、該格子定数を有する
ニオブ酸リチウム単結晶と基板とを格子整合し、一体化
するように種々検討した結果本発明を完成したもので、
本発明の目的は基板と格子整合したニオブ酸リチウム単
結晶薄膜及びその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明の要旨は、a軸の格
子定数が5.128〜5.148Åであってニオブ酸を
含まない基板上に形成されたニオブ酸リチウム単結晶薄
膜であって、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜は少なくとも
Tiを含有し、かつ前記基板と格子整合されてなること
を特徴とするTi含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜であ
る。そして、その製造方法としては、a軸の格子定数が
5.128〜5.148Åであってニオブ酸を含まない
基板を、Li2O−V25−Nb25−TiO2 からなる
溶融体に前記基板を接触させて液相エピタキシャル成長
により、前記基板上に格子整合されたニオブ酸リチウム
単結晶薄膜を製造する。前記Li2O,V25,Nb2
5の組成は三角図でA〜E点で囲まれる範囲TiO2の組
成範囲は溶融体から析出可能なニオブ酸リチウム単結晶
の理論量に対して0.2から60モル%添加する。前記
Li2O−V25−Nb25のA〜E点組成は次の通り
である。
【0010】本発明について詳細に述べる。本発明にお
いて使用する基板としては、a軸の格子定数が5.12
8〜5.148Åの範囲のものである。通常ニオブ酸リ
チウムa軸の格子定数は5.148Åであるので、基板
の格子定数もまた、この値の近傍の格子定数を有する基
板でなければならない。このような値を有する基板とし
ては、ZnO,Gd3Ga512、MgO、Al23等が
考えられるが、タンタル酸リチウムが最も好ましい。そ
の理由はタンタル酸リチウム基板の結晶系は、六方晶で
あって、ニオブ酸リチウム単結晶に類似し、エピタキシ
ャル成長させやすく、更にこのタンタル酸リチウム基板
は市販され入手しやすいからである。ただし、タンタル
酸リチウムのa軸の格子定数は5.128〜5.148
Åの範囲を超えるので後述するように異種元素を含有さ
せてその格子定数を上記の範囲に調整する。
【0011】そして、タンタル酸リチウム基板の形状は
繊維、バルク状何れでもよい。タンタル酸リチウム基板
のニオブ酸リチウム単結晶薄膜形成面の面粗度はJIS
B0601Rmax=10〜1000Åであることが
望ましい。R maxの値を10Åより小さくすること
は困難であり、またR maxの値が1000Åより大
きいとニオブ酸リチウム単結晶薄膜の結晶性が低下する
からである。
【0012】本発明において、ニオブ酸リチウム単結晶
薄膜、又は、タンタル酸リチウム基板には異種元素を含
有していてもよい。
【0013】ニオブ酸リチウム単結晶薄膜を第2高調波
発生素子として使用する場合、第2高調波を発振するた
め、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜とタンタル酸リチウム
基板との屈折率の差を大きくする必要がある。そのため
異種元素を添加してニオブ酸リチウム単結晶の屈折率を
上げるか、或いはタンタル酸リチウム基板の屈折率を下
げる必要がある。このためには、タンタル酸リチウム基
板にMg、V、Ti、Cr、Fe、Ni、Ndなどの異
種元素を添加するとよい。これら異種元素のうち、Mg
又はVはタンタル酸リチウム基板の屈折率を小さくし、
Ti、Cr、Fe、Ni、Ndは、基板の屈折率を大き
くする作用を有する。これらの異種元素は原子、イオ
ン、酸化物など種々の形態で含有させることができる。
異種元素を基板に拡散させる場合、拡散層の厚みは50
〜20×10Åが望ましい。
【0014】特に、タンタル酸リチウム基板に前記異種
元素を含有させる際、異種元素は、基板全体に均一に存
在していなくてもよい。本発明において、前記タンタル
酸リチウム基板の特定箇所に異種元素を添加して導波路
形成部分の屈折率が非形成部分に比べて相対的に低いパ
ターンを形成することにより、該基板にニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜をスラブ状に形成するだけで、前記パター
ン部分に形成されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜が導波
路となり、導波路形成のための加工工程を省くことがで
きる。
【0015】ニオブ酸リチウム単結晶薄膜には、薄膜の
屈折率を変えるために、Rh、Zn、Ni、Co、C
r、Ti、Nd、V等を添加させることが好ましい。
【0016】本発明においては、ニオブ酸リチウム薄膜
にTiを含有させてニオブ酸リチウムの格子定数を小さ
くして、タンタル酸リチウム基板と格子整合させる。ニ
オブ酸リチウム薄膜にTiを添加した場合、ニオブ酸リ
チウムのa軸の格子定数は図2に示されているように変
化する。Ti添加量は0.2〜30モルが適当である。
なお、本発明において格子定数はCuをターゲットとし
たX線回析から測定し、2θ値の15本のピークの値と
その面指数を用い、最小2乗法によって求めた値であ
る。
【0017】本発明の格子整合とは、基板の格子定数の
99.81〜100.07%、特に望ましくは99.9
2〜100.03%とすることである。
【0018】次に、本願の製造方法について述べる。基
板として主に六方晶構造を有し、そのa軸の格子定数が
5.128〜5.148Åの特性を有する材質を使用
し、これにニオブ酸リチウム単結晶薄膜を液相エピタキ
シャル成長させる。
【0019】本発明において使用する基板としてはタン
タル酸リチウムが望ましい。このタンタル酸リチウム基
板は、Tiのような異種元素を添加し、a軸の格子定数
を調整する。このような調整された基板は、CZ(チョ
クラルスキー)法で単結晶を引き上げて、製造すること
が望ましい。基板の原料としては、例えば炭酸リチウ
ム、五酸化タンタル、酸化チタンが挙げられる。これら
の原料をイリジウムるつぼ、あるいは、白金−ロジウム
るつぼ中で加熱溶解させ、タンタル酸リチウム単結晶を
引き上げることによって得られる。
【0020】また、前記タンタル酸リチウム基板のa軸
の格子定数、ナトリウムなどの異種元素の添加により大
きくすることができる。
【0021】液相エピタキシャル成長に際しては、Li
O、Nb、V、TiOなどからなる溶
融体に基板を接触させエピタキシャル成長によってニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の格子定数をタンタル酸
リチウム基板のa軸の格子定数に整合させる。
【0022】溶融体として、主としてLiO、V
、Nb、TiOからなる組成物を用い、この
溶融体に基板を接触させることにより、液相エピタキシ
ャル成長を行い、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜のa軸の
格子定数と基板のa軸の格子定数を整合させる方法が有
利である。
【0023】本発明において、溶融体の原料は酸化物も
しくは加熱により酸化物に変化する化合物、例えばNb
、LiCO,V,LiNbO,Li
VO等を用いる。これらの化合物は何れも光学グレー
ドのものが望ましい。そしてLiO、V、Nb
の組成割合は、この3成分系の三角図(第1図)
において、A(88.90,2.22,8.88)、B
(55.00,43.00,2.00)、C(46.5
0,51.50,2.00)、D(11.11,80.
00,8.89)、E(37.50,5.00,57.
50)の5組成点で囲まれる領域で示される組成範囲内
にあることが必要で、この範囲外の組成を有する溶融体
では血漿性の高いニオブ酸リチウム膜が得られないから
である。なお、前記組成点は、(LiOのモル%、V
のモル%,Nbのモル%)を指す。また、
前記組成のうち、F(49.49,45.46,5.0
5)、G(11.11,80.00,8.89)、H
(42.81,22.94,34.25)の3組成点で
囲まれた組成割合のものは有利であり、更に、I(4
7.64,46.12,6.24)、J(27.01,
64.69,8.30)、K(36.71,37.9
7,25.32)、L(44.05,32.97,2
2.98)の4組成点で囲まれる範囲のものは好まし
く、M(45.36,46.45,8.19)、N(3
2.89,57.05,10.06)、O(36.7
1,44.30,18.99)、P(44.95,4
0.54,14.51)の4組成点で囲まれる範囲が最
適である。
【0024】そして、本発明は、この組成物に対しTi
を添加する。Tiの添加量は、溶融体組成から析出
可能なニオブ酸リチウム単結晶の理諭量に対し、0.2
〜60モル%の割合で添加することが好ましい。
【0025】Mgは光損傷を防止する作用を有するの
で、Mgを添加することが好ましく、MgOの組成割合
として、モル比でMgO/ニオブ酸リチウムの値が、
0.1/99.9〜25.0/75.0を満たす組成範
囲であることが望ましい。更に、MgOの組成割合とし
て、モル比でMgO/ニオブ酸リチウムの値が、0.7
/100〜9.0/100を満たす組成範囲であること
が好ましく、特に、3.5/100〜6.0/100を
満たす組成範囲であることが好適である。前記ニオブ酸
リチウムとは溶融体組成から析出可能なニオブ酸リチウ
ムの理論量を意味する。この理由は、前記範囲よりMg
Oの割合が低い場合は、Mgの光損傷防止効果が不十分
で、上範囲よりMgOの割合が高い場合は、ニオブ酸マ
グネシウム系の結晶が析出して、ニオブ酸リチウム単結
晶薄膜が得られないからである。
【0026】Mgの添加量を調整することによって格子
を合わせる事が出来る。
【0027】更に溶融体組成としてNb、V
、LiO、の外にNd、Rh、Zn、Ni、Co、
Ti、Mg、Naなどから選ばれる元素の酸化物を薄膜
の屈折率を変えるために添加してもよい。
【0028】上記の組成を有する溶融体を形成するた
め、上記原料成分を空気雰囲気下或いは酸化雰囲気下6
00〜1300℃の温度範囲に加熱溶融する。液相エピ
タキシャル成長では、溶融体を過冷却状態とした後基板
と接触させ育成させるのであり、本発明においては溶融
体を冷却状態とするため冷却速度を0.5〜300℃/
時のようなゆるやかな速度で冷却する。溶融体に基板を
接触させ、ニオブ酸リチウム単結晶を育成させる温度は
通常600〜1250℃の温度範囲である。その理由は
ニオブ酸リチウムの融点は1250度であり、これ以上
の高温では原料をニオブ酸リチウム単結晶を析出させる
ことができないからである。
【0029】基板と溶融体との接触に際しては基板を回
転させ、晶出して来るニオブ酸リチウム単結晶の薄膜及
び特性が均一になるようにすることが好ましい。基板の
回転は水平状態で行い、回転速度は50〜150rpm
程度であることが望ましい。
【0030】基板上の溶融体は0.5〜300℃/時の
冷却速度で冷却して晶出させることが望ましい。そし
て、400℃からは指数関数的に冷却させることが好ま
しい。この冷却に当って、基板としてタンタル酸リチウ
ムを使用した場合、タンタル酸リチウム基板のキュリー
点の温度(650℃)では一定時間保持するか、或いは
キュリー点近傍の温度範囲では0.1〜5℃/時の速度
で冷却する。その理由は、キュリー点において生ずる相
転移にもとづく応力のためクラックが発生しやすく、こ
れを防止することが望ましいからである。なお、タンタ
ル酸リチウム基板のキュリー点は異種元素を含有させる
ことにより多少変化するが、一般には650℃近傍であ
る。
【0031】本発明のニオブ酸リチウム単結晶薄膜を、
SHG素子として使用する場合には、前記ニオブ酸リチ
ウム単結晶薄膜の常光屈折率n、異常光屈折率n
は、波長が0.83μmのレーザー光源(基本波長)
に対して、それぞれ2.25≦n≦2.40の範囲、
2.0<n<n−0.01なる範囲、又、発生する
第2高調波波長(0.415μm)に対して異常光屈折
率nが前記第2高調波に対する常光屈折率nより小
さい範囲であることが望ましい。
【0032】ところで、SHG素子を始めとする光学デ
バイスの構成材料にニオブ酸リチウムやタンタル酸リチ
ウム単結晶を使用するためには、前記ニオブ酸リチウム
やタンタル酸リチウム単結晶が、電気光学効果、非線形
光学効果など光学的に有用な諸特性を有することが必要
である。
【0033】前記ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウ
ム単結晶に電気光学効果、非線形光学効果などの特性を
持たせるためには、その製造工程にて、結晶をキュリー
点以上の温度に加熱して電界をかけ、結晶をポーリング
(分極)させなければならない。また、異種元素を含有
させたニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどの単
結晶は容易にポーリングできないことが知られている。
【0034】しかしながら、本発明のニオブ酸リチウム
単結晶薄膜は、基板であるタンタル酸リチウムが分極状
態であっても、また分極反転により電気的に中和されて
いても、常に分極された状態にあり、極めて優れた電気
光学効果、非線形光学効果などの諸特性を示す。
【0035】このため、本発明のニオブ酸リチウム単結
晶薄膜とタンタル酸リチウム基板は、ポーリング工程を
必要としないため、製造工程が簡単で、またポーリング
工程が不要であることから従来は使用が困難であった異
種元素を含有したタンタル酸リチウム基板を使用できる
という利点を持つ。
【0036】
【実施例】(実施例1) (1)Al,Yを原料とし、CZ法により
Yを含有するAlバルク単結晶を引き上げた。
【0037】この単結晶をC軸に垂直に切断してAl
単結晶基板を得た。
【0038】a軸の格子定数は、5.144Åであっ
た。
【0039】(2)LiCO40.0モル%、V
50.0モル%、Nb10.0モル%、Mg
Oを溶融体組成から析出可能なLiNbOの理論量に
対して、5.6モル%、TiOを溶融体組成から析出
可能なLiNbOの理論量に対して、12.5モル%
添加した混合物を白金ルツボに入れ、エピタキシャル成
長育成装置中で空気雰囲気下で1100℃まで加熱して
ルツボの内容物を溶解した。
【0040】ついで、溶融体をプロペラを用い、100
rpmの回転速度で6時間撹拌させた。
【0041】(3)Y:Al単結晶の(000
1)面を光学研磨した後、化学エッチングし、厚さ0.
9mmとした基板を面取り(R面)した。この基板の表
面の面粗度は、JIS B0601 R max=10
0Åであった。溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で
898℃まで徐冷した後、この基板を898℃で20分
間予備加熱し、溶融体中に100rpmで回転させなが
ら9分間浸漬した。ニオブ酸リチウムの成長速度は、
0.78μm/分であった。
【0042】(4)溶融体から基本材料を引き上げ、回
転数1000rpmで30秒間溶融体上で、溶融体を振
り切った後、1時間当り120℃の冷却速度で室温まで
徐冷し、基板材料上に約7μmの厚さのマグネシウム、
チタン含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。
【0043】(5)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄
膜中に含有されていたマグネシウム、チタンの量は、そ
れぞれ5モル%、10.0モル%であった。又、格子定
数(a軸)は5.144Å、入射光波長1.15μmで
測定した屈折率は2.247±であった。
【0044】ニオブ酸リチウムの表面粗度は、JIS
B0601 R max=10Åであった。
【0045】(実施例2) (1)BeO,Yを原料とし、CZ法により引き
上げ、Yを含有するBeOバルク単結晶を引き上げた。
【0046】この単結晶をC軸に垂直に切断してBeO
結晶品基板を得た。
【0047】a軸の格子定数は、5.142Åであっ
た。
【0048】(2)LiCO40.0モル%、V
50.0モル%、Nb10.0モル%、Ti
Oを溶融体組成から析出可能なLiNbOの理論量に
対して、9.4ル%添加した混合物を白金ルツボに入
れ、エピタキシャル成長育成装置中で空気雰囲気下で1
100℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。
【0049】ついで、溶融体をプロペラを用い、100
rpmの回転速度で6時間攪拌させた。
【0050】(3)Y:BeO単結晶の(0001)面
を光学研磨した後、化学エッチングし、厚さ0.9mm
とした基板を面取り(R面)した。この基板の表面の面
粗度は、JIS B0601 R max=100Åで
あった。溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で898
℃まで徐冷した後、この基板を898℃で20分間予備
加熱し、溶融体中に100rpmで回転させながら9分
間浸漬した。ニオブ酸リチウムの成長速度は、0.80
μm/分であった。
【0051】(4)溶融体から基本材料を引き上げ、回
転数1000rpmで30秒間溶融体上で、溶融体を振
り切った後、1時間当り120℃の冷却速度で室温まで
徐冷し、基板材料上に約7μmの厚さのチタン含有ニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。
【0052】(5)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄
膜中に含有されていたチタンの量は、7.5モル%であ
った。又、格子定数(a軸)はÅ、入射光波長1.15
μmで測定した屈折率は、2.245±0.001であ
った。
【0053】ニオブ酸リチウムの表面粗度は、JIS
B0601 R max=100Åであった。
【0054】(実施例3) (1)LiCO、TaTiOを原料とし、
CZ法にて、Tiを8.8モル%含有するタンタル酸リ
チウム単結晶C軸方向に引き上げた。
【0055】ついで、この単結晶からC軸に垂直に切断
して基板を切りだした。
【0056】(2)LiCO40.2モル%V
46.0モル%、Nb13.8モル%、MgO
を溶融体組成から析出可能なLiNbOの理論量に対
して、5.6モル%、TiOを前記溶融体組成から析
出可能なLiNbOの理論量に対して、6.25モル
%添加した混合物をイリジウムルツボに入れ、エピタキ
シャル成長装置中で空気雰囲気下で1100℃まで加熱
してルツボの内容物を溶解した。
【0057】(3)溶融体を1時間当り60℃の冷却速
度で893℃まで除冷した。厚さ1.7mmのタンタル
酸リチウム単結晶の(0001)面を光学研磨した後、
フォトリソグラフィー及びRFスパッタ法により、膜厚
800Å、幅5μmのMgO膜と、この幅5μmのMg
O膜以外の部分に膜厚400ÅのCu膜を形成した後、
1000℃にて熱拡散させ、400Åの拡散層を形成し
た。ついで幅5μmのMgOの拡散チャンネルをもつも
のを化学エッチングし、基板材料とした。MgOを拡散
させたチャンネル部分及びチャンネル部分以外のCuを
拡散させた部分は、何も拡散させない基板材料に比べ
て、常光屈折率はそれぞれ10×10−3減少および1
×10−3増大していた。また、面粗度は,JIS B
0601 R max=500Åであった。
【0058】この基板材料を溶融体から10mmの高さ
で893℃で60分間予備加熱した後、溶融体中に10
0rpmで回転させながら12分間浸漬した。成長速度
は、0.58μm/分であった。
【0059】(4)溶融体から基板材料を引き上げ、回
転数1000rpmで30秒間溶融体上で、溶融体を振
り切った後、2℃/分の冷却速度で室温まで徐冷し、基
板材料上に約7μmの厚さのマグネシウム、チタン含有
ニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。
【0060】(5)得られたニオブ酸リチウムの単結晶
薄膜中に含有されていたマグネシウム、チタンの量は、
それぞれ5.0モル%、5.0モル%であった。また、
格子定数(a軸)は5.147Å、入射光波長1.15
μmで測定した屈折率は、2.241±0.001であ
った。
【0061】得られたニオブ酸リチウム単結晶薄膜の表
面の面粗度は、JIS B0601R max=200
0Åであった。
【0062】(6)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄
膜を、幅5μmのMgO拡散チャンネルに対して垂直に
端面研磨を施して、レーザ光を端面入射させ、出射光の
ニアフィールドパターンを観察したところ、レーザ光が
幅5μmのMgO拡散チャンネル上で良好に閉じ込めら
れていることが確認できた。
【0063】(実施例4) (1)LiCO、TaTiOを原料としC
Z法にて、Tiを12.5モル%含有するタンタル酸リ
チウム単結晶をC軸方向に引き上げた。ついで、この単
結晶からC軸方向に垂直に切断して基板を切り出した。
a軸の格子定数は5.144Åあった。
【0064】(2)LiCO35モル%、V
50モル%,Nb15モル%、MgOを溶融体組
成から析出可能なLiNbOの理論量に対して4.3
モル%添加、TiOを前記溶融体組成から析出可能な
LiNbOの理論量に対して、8.75モル%添加し
た混合物を白金ルツボに入れ、エピタキシャル成長育成
装置中で空気雰囲気下で、1100℃まで加熱してルツ
ボの内容物を溶解した。
【0065】さらに溶融体をプロペラを用い、100r
pmの回転速度で12時間撹拌させた。
【0066】(3)厚さ2mmのタンタル酸リチウム単
結晶の(0001)面を光学研磨した後、化学エッチン
グし、面取り(R面)を行った。
【0067】この基板の面粗度は、JIS B0601
R max=100Åであった。
【0068】溶融体を1時間当りに60℃の冷却速度で
915℃まで徐冷した後、この基板を915℃で30分
予備加熱した後、溶融体中に100rpmで回転させな
がら8分間浸漬した。ニオブ酸リチウムの成長速度は、
1μm/分であった。
【0069】(4)溶融体から基板材料を引き上げ、回
転数1000rpmで30秒間溶融体上で溶融体を振り
切った後、1℃/分の速度で室温まで徐冷し、基板材料
上に約8μmの厚さのマグネシウム、チタン含有ニオブ
酸リチウム単結晶薄膜を得た。
【0070】(5)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄
膜中に含有されていたチタン、マグネシウムの量は、そ
れぞれ、7.5モル%、3モル%であった。又、薄膜の
格子定数(a軸)は5.144Å、入射光波長1.15
μmで測定した屈折率は2.242±0.001であっ
た。ニオブ酸リチウムの表面粗度は、JIS B060
1 R max=1000Åであった。
【0071】(実施例5) (1)NaCO7モル%、LiCO40モル
%、V43モル%、Nb10モル%、Mg
Oを前記溶融物組成から析出可能なLiNbOの理論
量に対して5モル%添加(MgO/Nb=10/
95),TiOを前記溶融物組成から析出可能なLi
NbOの理論量に対して12モル%添加した混合物を
白金ルツボにいれ、エピタキシャル成長装置中で空気雰
囲気下で1100℃まで加熱してルツボの内容物を溶解
した。
【0072】(2)溶融体を1時間当り60℃の冷却速
度で932℃まで徐冷した。チタンを含有させたタンタ
ル酸リチクム単結晶の(0001)面を光学研磨した
後、化学エッチングし厚さ0.8mmにしたものを基板
材料とした。この基板材料に含有されていたチタンの量
は9モル%であった。面粗度は、JIS B0601
Rmax=100Åであった。
【0073】また、基板材料の格子定数(a軸)は、
5.146Åであった。この基板材料を溶融体中に10
0rpmで回転させながら18分間浸漬した。ニオブ酸
リチウム単結晶薄膜の成長速度は、0.72μm/分で
あった。
【0074】(3)溶融体から基板材料を引き上げ、回
転数1000rpmで回転させながら30秒間溶融体上
で溶融体を振り切った後、1℃/分の冷却速度で室温ま
で徐冷し、基板材料上に約13μmの厚さのナトリウ
ム、マグネシウム、チタン含有ニオブ酸リチウム単結晶
薄膜を得た。
【0075】(4)得られたニオブ酸リチウム単結晶薄
膜中に含有されたいたナトリウム、マグネシウム、チタ
ンの量は、それぞれ0.3モル%、6モル%、5モル%
であった。また、単結晶薄膜の格子定数(a軸)は5.
146Å、入射光波長1.15μmで測定した屈折率
は、2.240±0.001であった。
【0076】得られたニオブ酸リチウム単結晶薄膜の表
面の面粗度は、JIS B0601R max=200
0Åであった。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は基板にエピ
タキシャル成長されたニオブ酸リチウム薄膜中にTiを
含有させて基板と格子整合させたので、基板と一体化
し、格子欠陥の無いニオブ酸リチウム短結晶薄膜が得ら
れ、これを導波路として使用した場合、伝播損失が少な
く高出力の第2高調波発生素子が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるLiO−V−Nb
三成分系の三角図である。
【図2】本発明におけるニオブ酸リチウム薄膜中のTi
の含有量である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a軸の格子定数が5.128〜5.148
    Åであってニオブ酸を含まない基板上に形成されたニオ
    ブ酸リチウム単結晶薄膜であって、ニオブ酸リチウム単
    結晶薄膜は少なくともTiを含有し、かつ前記基板と格
    子整合されてなることを特徴とするTi含有ニオブ酸リ
    チウム単結晶薄膜。
  2. 【請求項2】前記基板は六方晶構造を有し、そのa軸の
    格子定数が5.128〜5.148Åである請求項1記
    載のTi含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜。
  3. 【請求項3】溶融体にそのa軸の格子定数が5.128
    〜5.148Åであってニオブ酸を含まない基板を接触
    させ、液相エピタキシャル成長により、前記基板上にニ
    オブ酸リチウム単結晶薄膜を製造するにあたり、Li2
    O−V25−Nb25−TiO2からなる溶融体に前記
    基板を接触させることにより、析出するニオブ酸リチウ
    ム単結晶薄膜と基板を格子整合させるニオブ酸リチウム
    単結晶薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記溶融体組成は、Li2O,V25,N
    25の組成割合が、Li2O−V25−Nb25三角
    図における、下記のA,B,C,D,Eで囲まれる範囲
    であり、TiO2の組成割合は、析出するニオブ酸リチ
    ウム単結晶の理論量に対して0.2から60モル%であ
    る請求項3に記載のニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造
    方法。
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