JP2860800B2 - ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法 - Google Patents
ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法Info
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Description
関し、特に薄膜導波路型SHG素子等に好適な膜厚のニオ
ブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法に関する。
長化が要求されている。これは、短波長化により、記録
密度、感光感度を向上させることができるためであり、
光ディスク、レーザープリンター等の光機器分野への応
用が考えられる。
る第二高調波発生(SHG)素子の研究が行なわれてき
た。
スレーザを光源として、非線型光学結晶のバルク短結晶
が用いられてきた。しかし、光ディスク装置、レーザプ
リンタ等の装置を小型化する要求が強いこと、ガスレー
ザは、光変調のため、外部に変調器が必要であるのに対
して、半導体レーザは直接変調が可能であること、半導
体レーザは、安価であることなどのために、ガスレーザ
に代えて半導体レーザが主として用いられるようになっ
てきた。このため、数mW〜数+mWの低い光源出力で高い
変換効率を得る必要から、薄膜導波路型のSHG素子が必
要となってきた。
ては、非線型光学効果が大きいことからニオブ酸リチウ
ム材料が最も広く用いられている。
タ法、液相エピタキシャル法などにより製造されている
が、結晶性のよい薄膜を得るためには、液相エピタキシ
ャル成長法の方が適しており、例えば、1)Applied Ph
ysics Letters,Vol.26、No.l,January 1975には、タン
タル酸リチウムを基板として、液相エピタキシャル成長
法により光導波路用ニオブ酸リチウム薄膜を形成して、
光を導波させた例が記載されている。
チウムを基板とし、ニオブ酸リチウムに不純物としてMg
Oを添加し、液相エピタキシャル成長法により膜厚7μ
mのMgO含有ニオブ酸リチウム固溶体薄膜単結晶を得た
例が記載されている。
入射させるレーザ光と第二高調波との位相整合を行なう
必要があり、膜厚を制御して波長λの基本波長光と波長
λ/2の第2高調波との実効屈折率を一致させなければな
らない。タンタル酸リチウム基板上のニオブ酸リチウム
薄膜を用いて、半導体レーザ用SHG素子を作成する場
合、実効屈折率を一致させるためには、ニオブ酸リチウ
ムの膜厚が、5μm以上必要である。
薄膜の格子定数のずれから、薄膜の厚さが3μm以上に
なると、クラックが発生し光を導波することができなか
った。
と、クラックが発生するなど製造可能な膜厚に限界があ
った。
溶融剤として用いるため、溶融剤からLiが供給され、化
学量論組成のニオブ酸リチウムしか得られず、Li/Nbの
モル比を制御して、格子定数を変えることにより格子整
合を行なうことができないなどの問題があった。
ンタル酸リチウム基板上にニオブ酸リチウム単結晶薄膜
を晶出させる場合、SHG素子を作成するために充分な膜
厚を得るための技術がこれまで示されていなかった。
解決するための手段として、酸化カリウムと五酸化バナ
ジウムを溶融剤として用いることにより、ニオブ酸リチ
ウム結晶中のLi/Nbのモル比を制御できるようにし、な
お且つニオブ酸リチウムにMgOをドープさせ、ニオブ酸
リチウム薄膜とタンタル酸リチウム基板を格子整合させ
ることにより、非常に厚い膜が得られることを、新規に
知見した。
を溶融剤として用いる技術は、Lournal of Crystal Gro
wth 54(1981)572−276に、記載されているものの、こ
れは、SAW(Surface Acoustic Wave)デバイスを製造す
るための技術であって、光導波路として使用可能な光学
的特性をもった材料ではなく、本発明は全く新規なもの
である。
シャル成長法によりニオブ酸リチウム薄膜を形成する方
法において、溶融剤として作用するK2O及びV2O5と、Li2
O、Nb2O5及びMgOからなる混合物とを溶融した溶融液に
タンタル酸リチウム基板を接触させて、育成させること
を特徴とするニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法で
ある。
ブ酸リチウム単結晶薄膜を晶出させる際、液相エピタキ
シャル成長法に用いる溶融液が、K2O、V2O5、Li2O、Nb2
O、MgOからなることが、必要である。
おいては、溶融温度を低下させるために溶融剤を添加す
る。
いることにより、溶融剤からのLiもしくはNbの供給を防
止できる。このため、ニオブ酸リチウム結晶の減量であ
るLi2OとNb2Oの組成を制御することにより、ニオブ酸リ
チウム結晶中のLi/Nbのモル比を変えることができ、Li/
Nbのモル比の変化に伴い、格子定数も変化することか
ら、ニオブ酸リチウム結晶格子定数を制御することがで
きる。更に、MgOを加えることにより、ニオブ酸リチウ
ム格子にMgOがドープされ格子定数を大きくすることが
できる。
モル比及び、MgOの添加量を変えることにより、ニオブ
酸リチウム単結晶の格子定数を大きくできる。このた
め、タンタル酸リチウム基板との格子整合を得ることが
でき、非常に大きな膜厚のニオブ酸リチウム単結晶薄膜
を得ることが可能になる。
で、Li2O/Nb2O5が43/57〜56/44であることが望ましく、
更に好ましくは、43/57〜50/50であり、また、K2OとV2O
5からなる溶融剤/ニオブ酸リチウムが25/75〜75/25で
あることが、更にMgO/ニオブ酸リチウムが0/100〜30/10
0なる範囲であることがそれぞれ望ましい。
Nb2O5との混合モル比は、Li2O/Nb2O5が43/57〜56/44、
特に好ましくは、43/57〜50/50である。Li2O/Nb2O5が43
/75〜56/44の組成範囲を越えた場合、ニオブ酸リチウム
とは構造が異なり、LiNb3O8、Li3NbO4などが析出してし
まう。又、43/57〜50/50の組成範囲が更に好ましい理由
は、この組成範囲では、ニオブ酸リチウムの格子定数が
化学量論組成のそれより大きくなるためである。
ブ酸リチウムは25/75〜75/25である。K2OとV2O5からな
る溶融剤/ニオブ酸リチウムが25/75〜75/25の範囲を越
えると、前記ニオブ酸リチウムの結晶構造が変化してし
まうため、非線型光学材料としての特性が変化してしま
う。
ることができるが、混合モル比でMgO/ニオブ酸リチウム
が30/100を越えると、ニオブ酸マグネシウム系の結晶が
析出してしまう。
合がとれないか、結晶の性質を損する可能性がある。
任意に変えることができるが、特に1対1の割合が好適
である。
成割合が前記組成範囲内になるように選択されるが、原
料成分としては酸化物、もしくは、加熱により酸化物に
変化する化合物が望ましく、例えば、Li2CO3、Nb2O、K2
CO3、V2O5、MgOの組成物などが挙げられる。
が望ましい。又、前記加熱溶融は、空気雰囲気下或いは
酸化雰囲気下で行なうことが望ましい。
タンタル酸リチウムの基板を接触させ、育成させること
が必要である。
ムの基板を接触させることにより、基板表面を核として
ニオブ酸リチウム結晶が晶出する。
5〜300℃/時であることが望ましい。
が望ましい。この理由はニオブ酸リチウムの融点が1250
℃であり、これ以上の温度では結晶が晶出せず、又、60
0℃は、溶融剤の融点であるため、これより低い温度で
は原料を溶融液とすることができないためである。
い。これは、基板を回転させることにより、Z軸方向及
びXY軸方向に特性及び膜厚が均一な結晶ができるからで
ある。
リチウムの単結晶のZ面であることが必要であって、少
なくとも片面は光学研磨されていることが望ましい。
溶融液との接触時間、溶融体の温度を適当に選択するこ
とにより、基板上に晶出するニオブ酸リチウム単結晶薄
膜の厚みを制御することができる。
上が好ましい。
れたニオブ酸リチウム単結晶薄膜は、光導波路として好
適な性質をもち、なお且つ従来よりも厚い膜厚のものが
えられるため、薄膜導波路型SHG素子の構成材料として
最適であるだけでなく、光偏向器、光変調器、マルチモ
ードの光デバイスなどに応用できる。
1.5モル%、V2O521.5%モルからなる溶融液組成に、MgO
をニオブ酸リチウムの理論量に対して5モル%添加した
混合物を白金ルツボにいれ、LPE成長育成装置中で空気
雰囲気下で1250℃まで加熱してルツボの内容物を溶解し
た。
徐冷した後、タンタル酸リチウムのZ面を光学研磨した
単結晶を基板材料として溶融体中に100rpmで回転させな
がら10分間浸漬した。
で30秒間溶融体上で溶融体を振り切った後、室温まで徐
冷し基板材料上に約50μmの厚さのMgO含有ニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜を得た。
3.5モル%、V2O523.5モル%からなる溶融液組成に、MgO
をニオブ酸リチウムの理論量に対して12.5モル%添加し
た混合物を白金ルツボにいれ、LPE装置中で空気雰囲気
下で1250℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。
徐冷した後、タンタル酸リチウムのZ面を光学研磨した
単結晶を基板材料として溶融液中に100rpmで回転させな
がら20分間浸漬して、厚さ30μmのMgO含有ニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜を得た。
Li2CO318モル%、Nb2O522.0モル%、K2CO330モル%、V2
O530.0モル%からなる溶融液組成に、MgOをニオブ酸リ
チウムの理論量に対して15.0モル%添加した混合物を用
い、930℃で13分間育成することにより、約15μmのMgO
含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜を得た。実施例1〜3
で得られたMgO含有ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の光伝
播損失を、波長0.84μm、30mWの半導体レーザを光源と
して測定した。
て記載した。
光学的特性を持ち、従来得られる膜厚より厚いニオブ酸
リチウム単結晶薄膜を形成でき、SHG素子を始めとして
光学デバイスの構成材料として有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】タンタル酸リチウム基板上に液相エピタキ
シャル成長法によりニオブ酸リチウム薄膜を形成する方
法において、 溶融剤として作用するK2O及びV2O5と、Li2O、Nb2O5及び
MgOからなる混合物とを溶融した溶融液に タンタル酸リチウム基板を接触させて、育成させること
を特徴とするニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法。 - 【請求項2】前記育成の温度は、600〜1200℃である請
求項第1項記載のニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方
法。 - 【請求項3】前記溶融液の組成は、混合モル比で、Li2O
/Nb2O5が43/57〜56/44、K2OおよびV2O5からなる溶融剤
/ニオブ酸リチウムが25/75であり、更に、MgO/ニオブ
酸リチウムが、混合モル比で30/100多くないの量の組成
範囲である請求項第1項或いは第2項記載のニオブ酸リ
チウム単結晶薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20126989A JP2860800B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-08-04 | ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20126989A JP2860800B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-08-04 | ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0369586A JPH0369586A (ja) | 1991-03-25 |
JP2860800B2 true JP2860800B2 (ja) | 1999-02-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20126989A Expired - Lifetime JP2860800B2 (ja) | 1989-08-04 | 1989-08-04 | ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
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US20050136292A1 (en) * | 2003-08-14 | 2005-06-23 | Mariani Robert D. | Thin film dielectrics with perovskite structure and preparation thereof |
JP2023007522A (ja) * | 2019-12-24 | 2023-01-19 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光デバイス |
-
1989
- 1989-08-04 JP JP20126989A patent/JP2860800B2/ja not_active Expired - Lifetime
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