JPH0794820A - 単結晶薄膜および固体レーザ素子 - Google Patents

単結晶薄膜および固体レーザ素子

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JPH0794820A
JPH0794820A JP23804193A JP23804193A JPH0794820A JP H0794820 A JPH0794820 A JP H0794820A JP 23804193 A JP23804193 A JP 23804193A JP 23804193 A JP23804193 A JP 23804193A JP H0794820 A JPH0794820 A JP H0794820A
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JP
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thin film
crystal thin
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linb
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JP23804193A
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Masanori Nakamura
正則 中村
Masahiro Tsuji
昌宏 辻
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶基板
内またはその基板上に形成された少なくとも1種の活性
イオンを含有する LiNbxTa(1-x)O3 (0≦x≦1)単結
晶薄膜からなり、かつ上記単結晶基板と上記単結晶薄膜
との格子定数が互いに整合している単結晶薄膜、ならび
にその両端面に誘電体多層膜をコーティングするか、ま
たは一対の外部ミラーを配置して共振構造を形成してな
る。 【効果】 安定したコヒーレント光を確実に発生させる
ことができ、さらには、電気光学効果、音響光学効果、
非線形光学効果に優れることから集積化の可能な単結晶
薄膜ならびに固体レーザ素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コヒーレント光源を
利用した光ファイバー通信、光情報処理、光計測システ
ム等において、固体レーザや半導体レーザ等を励起源と
し、新たなコヒーレント光(第2高調波)を発生させる
ために用いられる、小型の優れた電気光学的効果を有す
る単結晶薄膜とこの単結晶薄膜を用いた固体レーザ素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光IC技術の発展に伴い、この技
術に利用される光学素子の研究・開発も進んでいる。こ
のなかでも固体レーザ素子は、光通信、光記録、光計測
システムにおいて、小型で安定したコヒーレント光源を
提供できるものとして注目されているものの1つであ
る。
【0003】かかる固体レーザとは、Nd3+、Er3+、H
o3+、Tm3+、Cr3+、Sm2+等の活性イオンを含有するYA
G、YVO4 、KTP、KN、LiNbO3、LiTaO3等の単結
晶(ホスト結晶)に、Xeフラッシュランプや、半導体レ
ーザ等により、そのイオン種が励起される波長の発光源
を結合することにより蛍光を発生させ、その蛍光を外部
ミラーや端面に形成したミラーによって共振させること
により、レーザ発振をさせるものである。
【0004】このような固体レーザとしては、例えば、
I.P.Kaminow らが、「IEEE. J. Quantum. Electron. 」
Vol. QE−11, P.306 (1975)にて詳細に紹介したNd:Li
NbO3レーザがある。また、このような固体レーザ結晶に
高効率発振を目的として導波路を形成した例が、E. Lal
lierらが、「IEEE. J. Quantum. Electron. 」 Vol.27,
No.3 P.618 (1991) で紹介したNd:MgO :LiNbO3導波
路レーザや、I. Chartierらが、「Opt. Lett.」 Vol.1
7, No.11, P.810 (1992)で紹介したNd:YAG導波路レ
ーザ等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
各刊行物に記載された固体レーザ材料(導波路)につい
ては、なお次のような解決を必要とする課題を抱えてい
た。まず、I.P.Kaminow らが、「IEEE. J. Quantum. El
ectron」で提案しているNd:LiNbO3レーザーについて
は、導波路構造でないため発振効率が低く、結晶性に優
れたNd添加LiNbO3バルクが得られない、等の問題があっ
た。E. Lallierらが、「IEEE. J. Quantum. Electron」
で提案したNd:MgO :LiNbO3固体レーザは、耐光損傷性
を向上させるためにMgO を添加しているが、上記と同様
に、結晶性の良い不純物添加LiNbO3バルクが得られない
という問題があった。I. Chartier らが、「Opt. Lette
r 」で提案したNd:YAGレーザは、工業的に成功して
いるバルク固体レーザを導波路化し、発振の効率向上を
狙ったが、低損失なチャンネル導波路が得られていな
い。以上説明したように、上記の各従来技術の下では、
良好な結晶性を有し、かつ損失の少ない不純物添加結晶
を得るまでには至っていない。そこで、この発明は、上
述したような問題点のない、良好な結晶性を有し、かつ
損失の少ない不純物添加LiNbO3薄膜を用いた高効率な単
結晶薄膜と固体レーザ素子とを提供することを目的とす
る。
【0006】
【問題点を解決するための手段】この発明は、従来技術
が抱えている上述した問題点を解決することを課題とし
て検討した結果なされたものであり、それは、結晶性の
良好な不純物添加単結晶が得られない原因が、単結晶基
板と単結晶薄膜を構成する各結晶材料の格子定数が整合
していないためであることを見出した。従って、従来技
術の問題点は、単結晶基板と単結晶薄膜の各結晶格子の
格子定数を整合させれば解決することができ、このこと
により、結晶性に優れた活性イオンを含有する固体レー
ザ素子を得ることができる。
【0007】すなわち、本発明は、 LiNbx Ta(1-x)
O3(0≦x≦1)単結晶基板内またはその基板上に形成
された少なくとも1種の活性イオンを含有するLiNbx Ta
(1-x) O3(0≦x≦1)の単結晶薄膜であって、上記単
結晶基板と上記単結晶薄膜との格子定数が互いに整合し
ていることを特徴とする単結晶薄膜、 LiNbx Ta
(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶基板内またはその基板上
に、少なくとも1種の活性イオンを含有するLiNbx Ta
(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄膜を形成し、かつ上記
単結晶基板と上記単結晶薄膜との格子定数が互いに整合
していて、その入・出射端面にはそれぞれ、誘電体多層
膜をコーティングして共振構造を付与したことを特徴と
する固体レーザ素子、 LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦
1)単結晶基板内またはその基板上に、少なくとも1種
の活性イオンを含有するLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦
1)単結晶薄膜を形成し、かつ上記単結晶基板と上記単
結晶薄膜との格子定数が互いに整合していて、その入・
出射の光軸上に外部ミラーの組合わせからなる共振構造
を付与したことを特徴とする固体レーザ素子、である。
【0008】
【作用】本発明にかかる単結晶薄膜の特徴は、特に、前
記LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶基板と活性イ
オンを含有するLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶
薄膜との格子定数を整合させた点の構成にある。なお、
基板上に形成するLiNbx Ta(1-x) O3単結晶薄膜は、前記
LiNbx Ta(1-x)O3(0≦x≦1)単結晶基板1の(00
01)面上に、少なくとも1種の活性イオンが添加され
たLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄膜の(00
01)面が積層されるように形成されなければいけな
い。また、LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶基板
1のa軸の格子定数と、少なくとも1種の活性イオンが
添加されたLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄膜
2のa軸の格子定数とが整合するものでなければならな
い。ここで、単結晶の格子定数が整合することとは、前
記LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)基板単結晶の格子定
数が、後述する活性イオンのいずれか少なくとも1種を
含有するLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄膜の
格子定数の 99.81〜100.07%の範囲、より好ましくは 9
9.92〜100.03%の範囲に収まるように、調整することを
意味する。
【0009】このような構成とすることにより、LiNbx
Ta(1-x) O3(0≦x≦1)基板単結晶基板上に、活性イ
オンのいずれか少なくとも1種を含有するLiNbx Ta
(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄膜を液相エピタキシャ
ル成長させる際に発生する結晶歪みを防止することがで
き、それ故に、LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)バルク
単結晶と同等の光学特性を有する活性イオン含有単結晶
が得られる。このような単結晶薄膜にて導波路を形成
し、固体レーザ素子を構成すると、小型で、安定した周
波数特性を有する導波路型固体レーザ素子を得ることが
できるようになり、とくに、その非線形光学効果を利用
した優れた第二高調波発生素子を得ることが容易にな
る。
【0010】本発明において、前記単結晶基板と前記単
結晶薄膜との格子整合を図る方法としては、(1) Naや M
g を LiNbO3 単結晶薄膜中に含有させる方法、(2) Li/
Nbの比率を41/59〜56/44の間で変える方法、
(3) LiTaO3単結晶基板中Tiなどを含有させて格子定数を
小さくする方法、などの各種の方法あるが、なかでも
(1) の方法が最も望ましい。というのは、LiTaO3単結晶
基板の格子定数は、LiNbO3単結晶のそれより大きいこと
から、LiNbO3単結晶にNaやMgを含有させることにより、
LiNbO3単結晶の格子定数を大きくできるから、比較的容
易に格子整合をとることができる。
【0011】なお、NaやMgを単結晶薄膜中に含有させる
場合、その含有量は、Naについては0.1〜14.3モル%、M
gについては、0.8 〜10.8モル%が望ましい。それぞれ
の上限, 下限の量は、前述した格子整合の範囲(99.81%
%〜100.07%) に限定される。
【0012】単結晶薄膜中にドープする活性イオンと
は、レーザ媒質中に含有され、励起光源により蛍光を発
する元素であればよく、例えば、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、
Ho、Er、Tm、Yb、Sm、U、V、Co、Ni、Crがあり、この
中でも特にNd、Er、Ho、Tmが有望である。Ndの添加量
は、0.5 〜10at%が望ましい。
【0013】次に、本発明にかかる上述した単結晶薄膜
導波路を用いて作製した固体レーザ素子の構成につい
て、図2, 図3を用いて説明する。ここに示す固体レー
ザ素子は、LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶基板
1の表面の(0001)面近傍に、少なくとも1種の活
性イオンを添加したLiNbxTa(1-x) O3(0≦x≦1)単
結晶薄膜2を液相エピタキシャル成長技術などの薄膜育
成技術によって育成し、半導体回路作製等に用いられる
プラナ技術により作製した導波路に対し、さらに図2に
示すように、その両端面に誘電体多層膜4,4´をコー
ティングするか、または、図3に示すように外部ミラー
5, 5´を配置した共振器構造を組合わせてなる端面励
起型固体レーザ素子が得られる。このようにして構成さ
れた固体レーザ素子は、励起光源3を、レンズ6によ
り、当該導波路の、とくに前記LiNbO3単結晶薄膜2に結
合させ、これによって結合させた励起光が活性イオンを
吸収して蛍光を発生するようになっている。そして、こ
の蛍光を、上記共振器により共振させることにより、レ
ーザ発振が可能となる。
【0014】次に、本発明にかかる固体レーザ素子の下
となる単結晶薄膜導波路の作製方法について述べる。か
かる固体レーザ素子の主要部を構成する導波路は、LiTa
O3単結晶基板1の導波路形成部に溝を形成し、LiNbO3
結晶薄膜を格子整合させながら形成したのち、不要部分
を取り除き、溝の中にのみLiNbO3単結晶薄膜2を残して
導波路2を形成する。また、LiTaO3単結晶基板1上にLi
NbO3単結晶薄膜を格子整合させながら育成した後、導波
路形成部にTiなどでマスクし、その他の部分をドライエ
ッチングすることにより不要部を除去し、導波路2を形
成する方法などが有利に適合する。また、LiNbO3単結晶
薄膜を格子整合させながら形成する方法としては、酸化
リチウム−五酸化バナジウム−五酸化ニオブ−酸化ナト
リウム−酸化マグネシウムからなる溶融体中に、LiTaO3
単結晶基板1を接触させることにより行う直接引き上げ
法などが有利に適合する。なお、本願では、薄膜を厚く
形成することにより、単結晶バルクとして取り扱うこと
ができ、バルク型の固体レーザとしても使用できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。 実施例1 (1)Na2CO3 16モル%、Li2CO3 34 モル%、V2O5 40
モル%、Nb2O5 10モル%、溶融体組成から析出可能なLi
NbO3の理論量に対して5モル%に当たるMgO 、6at%の
Ndを添加した混合物を白金るつぼに入れ、そのるつぼ内
混合物をエピタキシャル成長育成装置中の空気雰囲気下
で、1100℃まで加熱して溶解した。さらに、その溶融体
はプロペラを用い、100 rpm の回転速度で12時間撹拌し
た。 (2)一方、厚さ1mmのLiNbO3単結晶の(0001)面
を光学研磨して基板1を調整した後、この単結晶基板1
を白金のホルダーに取付けた。 (3)るつぼ内の前記溶融体を、1時間当り60℃の冷却
速度で 915℃まで徐冷した後、前記単結晶基板1を915
℃で30分予備加熱して、上記溶融体中に100 rpmで回転
させながら 200分間浸漬した。この処理でのLiNbO3単結
晶薄膜の成長速度は、1μm/分であった。 (4)前記溶融体から単結晶薄膜が育成された基板1を
引き上げ、回転数1000rpm で30秒間、溶融体上にて余分
の溶融体を振り切った後、1℃/分の速度で室温まで徐
冷し、単結晶基板1上に200 μm厚のNa、Mg、Nd含有の
LiNbO3単結晶薄膜2を育成した。 (5)得られたLiNbO3単結晶薄膜2中に含有されていた
Na、Mg、Ndの量は、それぞれ1モル%,3モル%、2at
%であった。 (6)さらに、このLiNbO3単結晶薄膜2の表面を、コロ
イダルシリカによりメカノケミカルポリッシュ処理を施
した後、長さ10mm、幅1mm、高さ1mmにカットし、両端
面を研磨した。 (7)研磨した端面に、蒸着装置により、誘電体多層膜
4, 4´をコートした。このときの誘電体多層膜4, 4
´の特性は、波長 0.814μmの透過率=0.99、波長1.08
μmの反射率=0.998 であった。 (8)このようにして形成した固体レーザ素子に、波長
0.814μmの半導体レーザをレンズにより結合させたと
ころ、出射端面より、1.08μmのレーザ光が発振した。
この時の、発振しきい値は、1mW、発振のスロープ効
率は40%であった。その発振線の半値幅は、 0.2nmで
あり、レーザ発振をした状態で24時間経過後も特性に変
化はみられなかった。
【0016】実施例2 (1)Na2CO3 16 モル%、 Li2CO3 34モル%、 V2O5 40
モル%、Nb2O5 10モル%、溶融体組成から析出可能なLi
NbO3の理論量に対して2モル%に当たるMgO 、および6
at%のNdを添加した混合物を白金るつぼに入れ、そのる
つぼ内混合物をエピタキシャル成長育成装置中の空気雰
囲気下で、1100℃まで加熱して溶解した。さらに、その
溶融体はプロペラを用い、100rpmの回転速度で12時間撹
拌した。 (2)一方、厚さ1mmのLiTaO3単結晶の(0001)面
を光学研磨して基板1を調整した後、この単結晶基板1
を白金のホルダーに取付けた。 (3)るつぼ内前記溶融体を、1時間当り60℃の冷却速
度で 915℃まで徐冷した後、前記単結晶基板1を 915℃
で30分予備加熱して上記溶融体中に100 rpm で回転させ
ながら6分間浸漬した。この処理でのLiNbO3単結晶薄膜
の成長速度は、1μm/分であった。 (4)前記溶融体から単結晶薄膜が育成された基板1を
引き上げ、回転数1000rpm で30秒間溶融体上にて余分の
溶融体を振り切った後、1℃/分の速度で室温まで徐冷
し、単結晶基板1上に約6μm厚のNa、Mg、Nd含有のLi
NbO3単結晶薄膜2を得た。 (5)得られたLiNbO3単結晶薄膜2中に含有されていた
Na、Mg、Ndの量は、それぞれ1モル%,3モル%、2at
%であった。 (6)さらに、このLiNbO3単結晶薄膜2の表面をコロイ
ダルシリカにより、メカノケミカルポリッシュを施し、
その厚さを 5.5μmとした後、フォトリソグラフィーに
よりパターニングし、Arプラズマによりエッチングする
ことにより、幅10μm、段差1μmのリッジ型チャンネ
ル導波路を形成した。そして、このリッジ型チャンネル
導波路を、長さ10mm、幅1mmにカットし、両端面を研磨
した。 (7)研磨した両端面に、蒸着装置により、誘電体多層
膜4 , 4 ´をコートした。このときの誘電体多層膜4 ,
4 ´の特性は、波長 0.814μmの透過率=0.99、波長1.
08μmの反射率=0.998 であった。 (8)このようにして形成した導波路型固体レーザ素子
に、波長0.814 μmの半導体レーザをレンズにより結合
させたところ、出射端面より、1.08μmのレーザ光が発
振した。この時の、発振しきい値は、0.1 mW、発振の
スロープ効率は60%であった。発振線の半値幅は、0.2
nmであり、レーザ発振をした状態で24時間経過後も特
性に変化はみられなかった。
【0017】実施例3 (1) K2CO3 14 モル%、Na2CO3 2モル%、 Li2CO3
34モル%、 B2O3 40モル%、Nb2O5 10モル%、溶融体組
成から析出可能なLiNbO3の理論量に対して5モル%に当
たる量のMgO 、および6at%のNdを添加した混合物を白
金るつぼに入れ、そのるつぼ内混合物をエピタキシャル
成長育成装置中の空気雰囲気下で、1050℃まで加熱して
溶解した。さらに、その溶融体はプロペラを用い、100
rpm の回転速度で12時間撹拌した。 (2)一方、厚さ1mmのLiTaO3単結晶の(0001)面
を光学研磨して基板1を調整した後、この単結晶基板1
を白金のホルダーに取付けた。 (3)るつぼ内前記溶融体を、1時間当り60℃の冷却速
度で 850℃まで徐冷した後、前記単結晶基板1を850 ℃
で30分予備加熱して前記溶融体中に20rpm で回転させな
がら6分間浸漬した。この処理でのLiNbO3単結晶薄膜の
成長速度は、1μm/分であった。 (4)前記溶融体から単結晶薄膜が育成された基板1を
引き上げ、回転数 1000rpm で30秒間溶融体上にて余分
の溶融体を振り切った後、1℃/分の速度で室温まで徐
冷し、単結晶基板1上に約6μm厚のNa、Mg、Nd含有の
LiNbO3単結晶薄膜2を形成した。 (5)得られたLiNbO3単結晶薄膜2中に含有されていた
Na、Mg、Ndの量は、それぞれ1モル%,3モル%、2at
%であった。 (6)さらに、このLiNbO3単結晶薄膜2の表面をコロイ
ダルシリカにより、メカノケミカルポリッシュ処理を施
し、その厚さを 5.5μmとした後、フォトリソグラフィ
ーにより、パターニングし、Arプラズマによりエッチン
グすることにより、幅10μm、段差1μmのリッジ型チ
ャンネル導波路を形成した。そして、このリッジ型チャ
ンネル導波路導波路を、長さ10mm、幅1mmにカットし、
両端面を研磨した。 (7)研磨した両端面に、蒸着装置により、誘電体多層
膜4, 4´をコートした。このときの誘電体多層膜4,
4´の特性は、波長 0.814μmの透過率=0.99、波長1.
08μmの反射率=0.998 であった。 (8)このようにして形成した固体レーザ素子に、波長
0.814μmの半導体レーザをレンズにより結合させたと
ころ、出射端面より、1.08μmのレーザ光が発振した。
この時の、発振しきい値は、0.1 mW、発振のスロープ
効率は60%であった。発振線の半値幅は 0.2nmであ
り、レーザ発振をした状態で24時間経過後も特性に変化
はみられなかった。
【0018】実施例4 (1)実施例3と同様の方法にて、 LiTaO3 単結晶基板
1上に、約6μm厚のNa、Mg、Nd含有LiNbO3単結晶薄膜
2を形成した。 (2)上記LiNbO3単結晶薄膜2の表面をメカノケミカル
ポリッシュ処理し、厚さ5.5μmの単結晶薄膜とした
後、フォトリソグラフィーによりパターニングし、蒸着
装置によりTa層を形成し、リフトオフ法により周期2μ
m, 長さ5mmのTaマスクを形成した。 (3)上記単結晶薄膜2を、260 ℃のピロリン酸に20分
間浸積し、プロトン交換した後、Taを除去し、560 ℃,
1分間の熱処理を行うことによって分極反転層を形成し
た。 (4)さらに、フォトリソグラフィーによりパターニン
グし、Arプラズマによりエッチングすることにより、幅
10μm, 段差1μmのリッジ型チャンネル導波路を形成
した。 (5)前記チャンネル導波路を、長さ10mm, 幅1mmにカ
ットし、両端面を研磨した。 (6)研磨した端面に、蒸着装置により、誘電体多層膜
4, 4´をコートした。このときの誘電体多層膜4, 4
´の特性は、波長 0.814μmの透過率=0.99、波長1.08
μmの反射率=0.998 であった。 (7)このようにして形成した導波路型固体レーザ素子
に、波長 0.814μmの半導体レーザをレンズにより結合
させたところ、出射端面より、0.54μmの青色レーザ光
が発振した。この時の青色レーザの出力は、半導体レー
ザ出力50mWの時、20mWであった。発振線の半値幅は
0.1nmであり、レーザ発振をした状態で24時間経過後
も特性に変化はみられなかった。
【0019】実施例5 (1)上記実施例1と同様にLiTaO3単結晶基板1を準備
すると同時に、この基板1上に育成したLiNbO3単結晶薄
膜2中にNa, Mg, Crを、それぞれ1モル%, 3モル%,
2at%含有させた。Cr添加LiNbO3膜は、膜厚11μmに調
整し、さらにメカノケミカルポリッシュ処理を施し、最
終的に膜厚を10μmとした。 (2)次に、上記の単結晶薄膜を、フォトリソグラフィ
ーによりパターニングし、スパッタリングにより、幅4
μm、厚さ 0.1μmのスリットとしてTaマスクを形成し
た。これを、260 ℃のピロリン酸に20分間浸漬し、Taマ
スクを剥離し、プロトン交換導波路を得た。 (3)このプロトン交換導波路を、長さ10mm, 幅1mmに
カットし、その両端面を研磨し、端面をSiO2によりコー
トした。 (4)このようにして形成した導波路型固体レーザ素子
に、波長1.48μmのTi:Al2O3 レーザをレンズにより結
合させたところ、出射端面より、1.56μmのレーザ光が
発信した。この時の、発信しきい値は 0.1mW、発振の
スロープ効率は60%であった。レーザ発振をした状態で
5時間経過後も特性に変化はみられなかった。
【0020】実施例6 (1)上記実施例2と同様に厚さ1mmのLiTaO3単結晶基
板1上に作製した膜厚11μmのNd添加LiNbO3単結晶薄膜
2を、メカノケミカルポリッシュ処理し、膜厚を10μm
とした。 (2)この単結晶薄膜2をフォトリソグラフィーにより
パターニングし、スパッタリングにより、幅4μm、厚
さ0.1 μmのスリットとしてTaマスクを形成した。これ
を、260 ℃のピロリン酸に20分浸漬し、Taマスクを剥離
し、380 ℃で10分間アニールし、プロトン交換導波路を
得た。 (3)このプロトン交換導波路を、長さ10mm、幅1mmに
カットし、その両端面を研磨した。 (4)研磨したその端面に、蒸着装置により、誘電体多
層膜4, 4´をコートした。このときの誘電体多層膜
4, 4´の特性は、波長0.814 μmの透過率=0.99、波
長1.08μmの反射率=0.998 であった。 (5)このようにして形成した導波路型固体レーザ素子
に、波長0.814 μmの半導体レーザをレンズにより結合
させたところ、出射端面より、1.08μmのレーザ光が発
振した。この時の、発振しきい値は 0.1mW、発振のス
ロープ効率は60%であった。発振線の半値幅は、0.2 n
mであり、レーザ発振をした状態で24時間経過後も特性
に変化はみられなかった。
【0021】実施例7 (1)上記実施例1と同様にしてLiTaO3単結晶基板1を
準備すると同時に、この基板1上に育成したLiNbO3単結
晶薄膜中に、Na, Mg, Erを、それぞれ1モル%,3モル
%, 2at%含有させた。Er添加LiNbO3薄膜は、膜厚11μ
mに調整し、さらにメカノケミカルポリッシュ処理を施
し、最終的に膜厚を10μmとした。 (2)次に、上記の単結晶薄膜を、フォトリソグラフィ
ーによりパターニングし、スパッタリングにより幅4μ
m、厚さ 0.1μmのスリットとしてTaマスクを形成し
た。これを、260 ℃のピロリン酸に20分浸漬し、Taマス
クを剥離し、380 ℃で10分間アニールし、プロトン交換
導波路を得た。 (3)この導波路2を、長さ10mm, 幅1mmにカットし、
その両端面を研磨した。研磨した端面に、蒸着装置によ
り、誘電体多層膜, 4´をコートした。このときの誘電
体多層膜4, 4´の特性は、波長0.814 μmの透過率=
0.99、波長1.08μmの反射率=0.998 であった。 (4)このようにして形成した導波路型固体レーザ素子
に、波長1.48μmのTi:Al2O3 レーザをレンズにより結
合させたところ、出射端面より、1.56μmのレーザ光が
発振した。この時の、発振しきい値は 0.1mW、発振の
スロープ効率は60%であった。発振線の半値幅は 0.2n
mであり、レーザ発振をした状態で24時間経過後も特性
に変化はみられなかった。
【0022】比較例1 (1)Na2CO3 22モル%、 Li2CO3 28モル%、 V2O5 40
モル%、Nb2O5 10モル%、溶融体組成から析出可能なLi
NbO3の理論量に対して2モル%のMgO および 0.2at%の
Ndを添加した混合物を白金るつぼに入れ、そのるつぼ内
混合物をエピタキシャル成長育成装置中の空気雰囲気下
で、1100℃まで加熱して溶解した。さらにその溶融体
は、プロペラを用い、100rpmの回転速度で12時間撹拌し
た。 (2)一方、厚さ1mmのLiNbO3単結晶の(0001)面
を光学研磨して基板1を得た後、この単結晶基板1を化
学エッチングした。これを、白金のホルダーに取付け
た。 (3)るつぼ内の前記溶融体を、1時間当り60℃の冷却
速度で 915℃まで徐冷した後、前記単結晶基板1を915
℃で30分予備加熱して前記溶融体中に100 rpm で回転さ
せながら200 分間浸漬した。この処理でのLiNbO3単結晶
薄膜2の成長速度は、1μm/分であった。 (4)前記溶融体から単結晶薄膜を形成した基板1を引
き上げ、回転数 1000 rpm で30秒間溶融体上にて余分の
溶融体を振り切った後、1℃/分の速度で室温まで徐冷
し、単結晶基板1上に200 μm厚のNa、Mg、Nd含有のLi
NbO3単結晶薄膜2を得た。 (5)得られたLiNbO3単結晶薄膜2中に含有されていた
Na、Mg、Ndの量は、それぞれ3モル%,3モル%、0.06
at%であった。 (6)さらに、このLiNbO3単結晶薄膜2の表面を、コロ
イダルシリカによりメカノケミカルポリッシュ処理した
後、長さ10mm、幅1mmにカットし、両端面を研磨した。 (7)研磨した端面に、蒸着装置により、誘電体多層膜
4, 4´をコートした。このときの誘電体多層膜4, 4
´の特性は、波長0.814 μmの透過率=0.99、波長1.08
μmの反射率=0.998 であった。 (8)このようにして形成した固体レーザ素子に、波長
0.814 μmの半導体レーザをレンズにより結合させたと
ころ、1.08μmのレーザ光は確認できなかった。
【0023】比較例2 (1)寸法5×15mm程度、厚さ0.5 mmで、C軸を厚さ方
向とするLiNbO3単結晶基板1のZ面に、フォトリソグラ
フィーによりパターニングし、Tiを厚さ100 nm程度蒸
着し、幅10μmのTiパターンを得た。これを1050℃で12
時間熱処理し、Tiを熱拡散させ、導波路を形成した。 (2)ついで導波路の直上にNdを蒸着し、1050℃で熱拡
散した。 (3)この導波路2を、長さ10mmにカットし、両端面を
研磨し、その端面にSiO2をコートした。 (4)このようにして形成した導波路型固体レーザ素子
に、波長0.814 μmの半導体レーザをレンズにより結合
させたところ、出射端面より、1.08μmのレーザ光が発
振した。この時の、発振しきい値は10mW、発振のスロ
ープ効率は10%であった。周波数の半値幅は、0.3 nm
であり、レーザ発振をした状態で24時間経過後も特性に
変化はみられなかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる単
結晶薄膜およびその固体レーザ素子は、小型で、安定し
たコヒーレント光を確実に発生させることができ、さら
には、電気光学効果、音響光学効果、非線形光学効果に
優れていることから集積化も可能であり、光ファイバー
通信、光情報処理、光計測システムなどの広い分野で有
利に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる単結晶薄膜。
【図2】図2は、本発明にかかる、反射膜付き固体レー
ザ素子の略線図。
【図3】図3は、本発明にかかる、外部ミラー付き固体
レーザ素子の略線図。
【符号の説明】 1 LiNbx Ta(1-x) O3単結晶基板 2 活性イオン含有LiNbx Ta(1-x) O3単結晶薄膜 3 励起光源 4, 4´誘電体多層膜 5, 5´反射ミラー 6 レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶
    基板内またはその基板上に形成された少なくとも1種の
    活性イオンを含有するLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)
    の単結晶薄膜であって、上記単結晶基板と上記単結晶薄
    膜との格子定数が互いに整合していることを特徴とする
    単結晶薄膜。
  2. 【請求項2】 LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶
    基板内またはその基板上に、少なくとも1種の活性イオ
    ンを含有するLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄
    膜を形成し、かつ上記単結晶基板と上記単結晶薄膜との
    格子定数が互いに整合していて、その入・出射端面には
    それぞれ、誘電体多層膜をコーティングして共振構造を
    付与したことを特徴とする固体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 LiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶
    基板内またはその基板上に、少なくとも1種の活性イオ
    ンを含有するLiNbx Ta(1-x) O3(0≦x≦1)単結晶薄
    膜を形成し、かつ上記単結晶基板と上記単結晶薄膜との
    格子定数が互いに整合していて、その入・出射の光軸上
    に外部ミラーの組合わせからなる共振構造を付与したこ
    とを特徴とする固体レーザ素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003104533A1 (ja) * 2002-06-11 2003-12-18 株式会社コイケ Ybを含む混晶酸化物単結晶、それを含む発光材料、γ線検出装置及びポジトロン断層撮影装置
JP2008270344A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Fujifilm Corp 固体レーザ装置

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