JP6834493B2 - 酸化物単結晶の育成装置及び育成方法 - Google Patents

酸化物単結晶の育成装置及び育成方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物単結晶の育成装置及び育成方法に関する。
従来、表面弾性波デバイス、光変調デバイス等の材料としてニオブ酸リチウムの単結晶が多く利用されてきた。そして、単結晶の育成には、高周波誘導加熱方式のチョクラスキー式育成法(以下、「Cz法」とする。)を採用する育成装置が多く利用されてきた。しかし、高周波誘導加熱方式では、高周波電源、育成炉、ワークコイル等の水冷が必要なために単結晶の製造コストが高くなるという問題があった。また、育成炉内の温度勾配が急峻で単結晶に欠陥が発生し易いという問題があった。これらの問題を解決する手段として、抵抗加熱方式を採用する育成装置が知られている(特許文献1参照。)。特許文献1は、抵抗加熱方式のCz法においても、高周波誘導加熱方式のCz法と同様に、ニオブ酸リチウムの単結晶を育成できることを示している。
特開2003−221299号公報
近年、表面弾性波デバイスの市場が拡大している。そのため、表面弾性波デバイスの材料となるニオブ酸リチウムの単結晶の生産量を確保するため、単結晶の大口径化及び長尺化が行われている。
しかしながら、単結晶の大口径化及び長尺化は、単結晶の良品率を低下させる原因となっている。具体的には、単結晶の大口径化は、原料を溶融するためのルツボ径の拡大を必要とする。そして、ルツボ径の拡大は、融液表面の中央部における径方向の温度勾配を緩やかにし、シーディング又は肩部(円錐状に形成される単結晶の上端部分)育成の際における単結晶の急成長を引き起こす場合がある。また、融液の自然対流の低下をもたらし、直胴部(ほぼ円柱状に形成される単結晶の部分)育成の際における単結晶の曲がりを引き起こす場合がある。更に、単結晶の外周部と内部の間で大きな温度差をもたらし、冷却中の熱歪に起因するクラックを引き起こす場合がある。また、単結晶の長尺化は、引き上げ距離の延長をもたらし、単結晶の上端と下端の間で大きな温度差をもたらし、冷却中の熱歪に起因するクラックを引き起こす場合がある。
そのため、低コストで酸化物単結晶の大口径化及び長尺化に対応できる、抵抗加熱方式を採用した、酸化物単結晶の育成装置を提供することが望ましい。
本発明の実施形態に係る酸化物単結晶の育成装置は、酸化物単結晶の育成装置であって、加熱空間を囲む耐火物と、前記加熱空間内に配置されるルツボと、前記加熱空間内に配置される抵抗加熱方式のヒータと、前記加熱空間内に配置される遮熱板と、を有し、前記加熱空間は、前記ルツボと前記遮熱板によって上部加熱空間と下部加熱空間に熱的に分離され、前記ヒータは、前記上部加熱空間に配置される上部ヒータと、前記下部加熱空間に配置される下部ヒータとを含み、前記遮熱板は、前記耐火物の内壁から前記ルツボに向かって延び、前記ルツボと接している
上述の手段により、低コストで酸化物単結晶の大口径化と長尺化に対応できる、抵抗加熱方式を採用した、酸化物単結晶の育成装置が提供される。
本発明の実施形態に係る育成装置の縦断面図である。 図1のII−II線で示す平面を上から見た横断面図である。 ルツボよりも上にある部材が取り外された状態にある図1の育成装置の上面図である。 ルツボと中間環状板部材との位置関係を示す図である。
本発明の実施形態に係る育成装置は、Cz法を利用した酸化物単結晶の育成(製造)に用いる抵抗加熱方式の育成装置である。酸化物単結晶は、ニオブ酸リチウム(以下、「LN」とする。)、タンタル酸リチウム(以下、「LT」とする。)、ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以下、「GGG」とする。)、サファイア等を含む。酸化物単結晶は、大気中又は不活性ガス雰囲気中で育成される。
Cz法は、ある結晶方位に従って切り出された種結晶を同一組成の融液に浸漬し、回転しながら徐々に引上げることによって、種結晶の性質を伝播しながら大口径化して単結晶を製造する方法である。種結晶は、例えば、断面の一辺が5~10mm程度の直方体単結晶であり、シード棒の先端に取り付けられている。そして、シード棒の昇降により、融液への浸漬、引き上げ等が行われる。
ここで、図1〜図3を参照し、本発明の実施形態に係る育成装置100について説明する。図1は、育成装置100の縦断面図である。図2は、図1のII−II線で示す平面を上(+Z方向)から見た横断面図である。図3は、ルツボ1よりも上にある部材が取り外された状態にある育成装置100の上面図である。
育成装置100は、ルツボ1、ルツボ台2、ルツボ軸3、ヒータ4、断熱材7、架台13、外壁15、制御装置50、回転昇降装置51、及び電源52を含む。
ルツボ1は、酸化物単結晶11の原料を保持するための容器である。原料は、単結晶化の対象となる金属等が溶融した融液12の状態で保持される。ルツボ1は、例えば、耐熱性のある白金、インジウム等の金属で作製される。
ルツボ台2は、ルツボ1を載せる台である。ルツボ軸3は、ルツボ台2を支える軸である。ルツボ軸3は、ルツボ台2に載せられたルツボ1を回転させるために回転可能であってもよい。また、ルツボ台2に載せられたルツボ1を上下動させるために上下動可能であってもよい。
ヒータ4は、原料、ルツボ1、育成された酸化物単結晶11等を加熱する装置である。図1の例では、ヒータ4は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って3段構成となるように配置されている。具体的には、上段ヒータ4U、中段ヒータ4M、及び下段ヒータ4Lを含む。
断熱材7は、加熱空間SPを囲む耐火物である。図1の例では、ルツボ1及びヒータ4を取り囲むように設置されている。断熱材7は、例えば、ジルコニア、アルミナ、白金等で形成されている。
具体的には、断熱材7は、上部環状板部材7A、上部円筒状部材7B、中間環状板部材7C、下部円筒状部材7D、及び、下部板部材7Eを含む。上部環状板部材7A、上部円筒状部材7B、中間環状板部材7C、下部円筒状部材7D、及び、下部板部材7Eのうちの少なくとも2つは一体的に形成されていてもよい。例えば、上部円筒状部材7B、及び中間環状板部材7Cは一体的に形成されていてもよい。或いは、上部環状板部材7A、上部円筒状部材7B、及び中間環状板部材7Cは一体的に形成されていてもよい。また、下部円筒状部材7D、及び、下部板部材7Eは一体的に形成されていてもよい。
図1の例では、ルツボ1、上部環状板部材7A、上部円筒状部材7B、及び中間環状板部材7Cは、上部加熱空間SP1を定める。また、ルツボ1、中間環状板部材7C、下部円筒状部材7D、及び下部板部材7Eは、下部加熱空間SP2を定める。ルツボ1の上端は、中間環状板部材7Cの内周端のところで中間環状板部材7Cの下面(−Z側面)と接している。すなわち、加熱空間SPは、ルツボ1及び中間環状板部材7Cによって上部加熱空間SP1と下部加熱空間SP2に熱的に分離される。中間環状板部材7Cは、環状の遮熱板として機能する。
ルツボ1と中間環状板部材7Cとは、図4に示すような位置関係であってもよい。図4は、ルツボ1と中間環状板部材7Cとの位置関係の別の例を示す図であり、図1におけるルツボ1の周辺の拡大図に相当する。
具体的には、図4(A)は、中間環状板部材7Cの内径D1がルツボ1の内径D2よりも小さい場合の位置関係を示す。図4(B)は、ルツボ1の上端のところで中間環状板部材7Cの内周端面とルツボ1の外側表面とが接する場合の位置関係を示す。図4(C)は、ルツボ1の中央部のところで中間環状板部材7Cの内周端面とルツボ1の外側表面とが接する場合の位置関係を示す。図4(C)の例では、ルツボ1の上端は、中間環状板部材7Cの上面(+Z側面)よりも上方(+Z方向)に距離D3だけ突出している。図4(D)は、中間環状板部材7Cの内周端のところで下方(−Z方向)に突出する環状突出部7C1の外周端面とルツボ1の上端部分の内側表面とが接する場合の位置関係を示す。このように、ルツボ1と中間環状板部材7Cとは、上部加熱空間SP1と下部加熱空間SP2とを気密に分離できるように配置されている。
育成された酸化物単結晶11は、酸化物単結晶11の引き上げが進むにつれてルツボ1から遠ざかる。そのため、鉛直方向における酸化物単結晶11内の温度勾配が大きくなり酸化物単結晶11の割れ等の不具合が発生するおそれがある。この不具合の発生を抑制するために、上部加熱空間SP1内には上部ヒータとしての上段ヒータ4Uが設置されている。上部加熱空間SP1内での適切な温度分布を維持するためである。一方で、下部加熱空間SP2内には下部ヒータとしての中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lが配置されている。ルツボ1を加熱して原料を融解させるためである。また、結晶育成中においては、融液12の自然対流を促すためである。図1の例では、上段ヒータ4Uは、ルツボ1よりも高い位置に配置されている。中段ヒータ4Mは、ルツボ1と略同じ高さに配置されている。下段ヒータ4Lは、ルツボ1よりも低い位置に配置されている。図3は、ルツボ1よりも上にある部材、すなわち、上部環状板部材7A、上部円筒状部材7B、中間環状板部材7C、及び上段ヒータ4Uが取り外された状態にある育成装置100の上面図である。
架台13は、育成装置100の本体部を支持するための支持台である。架台13の上には、本体部としての断熱材7及び外壁15が載置されている。
外壁15は、熱を遮断する部材であり、断熱材7を囲むように配置されている。図1の例では、円筒形状を有し、ルツボ1及びヒータ4のそれぞれが発する高熱が外部に伝わるのを遮断する。外壁15は、所定の鉛直断面で水平方向等に分割可能であり、一部の取り外しによって内部のルツボ1、ヒータ4等を露出させることができる構造となっている。所定の水平断面で鉛直方向に分割可能であってもよい。
制御装置50は、育成装置100の全体的な制御を行うための手段であり、結晶育成プロセスを含め、育成装置100の全体の動作を制御する。図1の例では、制御装置50は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータである。但し、ASIC等の電子回路で構成されていてもよい。制御装置50は、例えば、外壁15の外側に設けられ、ヒータ4、回転昇降装置51等を制御する。図1の破線矢印は、制御信号を伝達する信号線を表している。
回転昇降装置51は、シード棒10を回転させながら昇降させることができる装置である。図1の例では、回転昇降装置51は、ルツボ1の上方(+Z方向)に設けられている。そして、回転装置及び昇降装置として機能するモータを含む。回転装置として機能するモータと昇降装置として機能するモータとを別々に含んでいてもよい。シード棒10は、種結晶9を保持する種結晶保持部を下端部に有する。
回転昇降装置51は、ルツボ1に入れられた原料(融液12)の表面に種結晶9を接触させ、回転しながら種結晶9を引き上げる。
電源52は、育成装置100に電力を供給する装置である。図1の例では、電源52は、外壁15の外側に設けられ、ヒータ4、回転昇降装置51等に電力を供給している。図1の実線矢印は電力線を表している。
次に、育成装置100を用いた酸化物単結晶11の育成方法について説明する。最初に、作業者は、LN、LT、GGG、サファイア等の酸化物単結晶11の原料をルツボ1に投入する。その後、ヒータ4でルツボ1内の原料を加熱して融解する。その後、回転昇降装置51でシード棒10の先端に取り付けられた種結晶9をルツボ1内の融液12の表面に接触させる。以下では、この工程をシーディングと称する。
その後、回転昇降装置51で種結晶9を回転させながら徐々に上方へ引き上げる。加熱温度、回転数、引き上げ速度等を制御し、酸化物単結晶11の肩部及び直胴部を育成する。その後、酸化物単結晶11が所定の長さになったところで、引き上げ速度等を制御し、融液12の表面と育成した酸化物単結晶11とを切り離す。その後、切り離した酸化物単結晶11を冷却して酸化物単結晶11の育成を完了させる。
育成装置100を用いた上述の育成方法では、例えば、シーディング及び肩部育成の際には、上段ヒータ4Uは使用されず、中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lのみが使用される。また、中間環状板部材7Cは、下部加熱空間SP2から上部加熱空間SP1へ熱が伝わるのを抑制し、上部加熱空間SP1の温度が必要以上に高くなるのを防止する。そのため、上部加熱空間SP1における上下方向の温度勾配は大きくなり易い。また、融液12の表面の中央部近傍は温度が上昇し難い。
一方、ルツボ1は、中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lによって加熱されて温度が上昇する。そのため、融液12の表面の周縁部近傍は温度が上昇し易い。従って、融液12の表面の径方向の温度勾配は大きくなり易い。その結果、酸化物単結晶11の急成長が抑制される。
酸化物単結晶11の肩部が形成された後で直胴部の育成が開始されると、上段ヒータ4Uが使用され、上部加熱空間SP1が保温される。すなわち、融液12の表面から引き上げられた酸化物単結晶11が保温される。
そのため、上述の育成装置100は、大口径で長尺な酸化物単結晶11を育成する場合であっても、育成中に酸化物単結晶11が曲がってしまうのを防止できる。また、酸化物単結晶11の内外の温度差によるクラック、融液12の対流の不安定さから生じる多結晶化によるクラック、冷却時の歪によるクラック等の発生を抑制できる。
次に、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。以下の説明では、一例として、ニオブ酸リチウムの単結晶の育成方法について説明する。
図1に示すように、ルツボ軸3に支えられたルツボ台2の上には白金製のルツボ1が配置されている。そして、ルツボ1の中にはニオブ酸リチウムの原料が充填されている。ルツボ1の周囲には抵抗加熱方式のヒータ4が配置されている。ヒータ4は、金属製で且つ図2及び図3に示すような円筒形状を有する。ヒータ4は、上段ヒータ4U、中段ヒータ4M、及び下段ヒータ4Lを含む。中段ヒータ4Mと下段ヒータ4Lは一体化されていてもよい。ヒータ4の外側、上側、及び下側はジルコニア製又はアルミナ製の断熱材7で覆われている。また、上段ヒータ4Uと中段ヒータ4Mの間にはジルコニア製、アルミナ製又は白金製の中間環状板部材7Cが配置されている。中間環状板部材7Cの下面(−Z側面)は、ルツボ1の上端と接している。そのため、断熱材7で囲まれた加熱空間SPは、ルツボ1及び中間環状板部材7Cによって上部加熱空間SP1と下部加熱空間SP2に熱的に遮断されている。すなわち、中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lによって加熱された下部加熱空間SP2内の雰囲気ガスの中間環状板部材7Cの上側(+Z側)への移動は、抑制され或いは防止される。その結果、育成装置100は、比較的少ない電力で中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lを作動させてルツボ1を加熱しニオブ酸リチウムの原料を効率的に融解させることができる。
原料が融解した後、育成装置100は、中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lの出力を制御し、融液12をシーディングに適した温度に調整する。そして、融液12がシーディングに適した温度になったときに白金製のシード棒10を下降させ、シード棒10の先端に取り付けられた種結晶9と融液12とを接触させる。その後、シード棒10を1〜20rpmで回転させながら、2〜5mm/hの速度で鉛直上方(+Z方向)に引き上げることによって、種結晶9から連続的に延びるニオブ酸リチウム単結晶を取得する。
シーディング及び肩部育成の際には、ニオブ酸リチウム単結晶の急成長を抑えるために、融液12の表面における径方向の温度勾配がある程度の大きさになっている必要がある。
育成装置100は、中間環状板部材7Cによって下部加熱空間SP2から上部加熱空間SP1への熱の伝達を抑制して上部加熱空間SP1の温度の上昇を抑えることで、融液12の表面における径方向の温度勾配を比較的急峻にすることができる。比較的低温の上部加熱空間SP1に接している融液12の表面の中央部と、中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lによって直接的に加熱された比較的高温のルツボ1に接している融液12の表面の周縁部との温度差を大きくできるためである。
このようにして、育成装置100は、ニオブ酸リチウム単結晶の肩部形成の際に、ニオブ酸リチウム単結晶の急成長を抑制できる。
また、ニオブ酸リチウム単結晶の肩部が形成された後で直胴部が形成される際には、育成装置100は、上段ヒータ4Uを作動させることで、ニオブ酸リチウム単結晶の引き上げの際に肩部が過度に冷却されてしまうのを防止できる。
このように、育成装置100は、ニオブ酸リチウム単結晶の成長に応じて上段ヒータ4Uを適切に作動させることで、ニオブ酸リチウム単結晶が大口径で且つ長尺であっても、ニオブ酸リチウム単結晶を適切に育成できる。具体的には、融液12の表面における径方向の温度勾配を適切に維持し、融液12の自然対流を適切に維持することで、ニオブ酸リチウム単結晶の育成中におけるニオブ酸リチウム単結晶の湾曲を防止できる。また、ニオブ酸リチウム単結晶の内外の温度差によるクラック、融液12の対流の不安定さから生じる多結晶化によるクラック、冷却時の歪によるクラック等の発生を抑制或いは防止できる。
上述の通り、酸化物単結晶11の育成装置100は、加熱空間SPを囲む耐火物としての断熱材7と、加熱空間SP内に配置されるルツボ1と、加熱空間SP内に配置される抵抗加熱方式のヒータ4と、加熱空間SP内に配置される遮熱板としての中間環状板部材7Cとを有する。加熱空間SPは、ルツボ1と中間環状板部材7Cとによって上部加熱空間SP1と下部加熱空間SP2に熱的に分離されている。抵抗加熱方式のヒータ4は、上部加熱空間SP1に配置される上部ヒータとしての上段ヒータ4Uと、下部加熱空間SP2に配置される下部ヒータとしての中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lとを含む。
この構成により、抵抗加熱方式の育成装置100は、低コストで酸化物単結晶11の大口径化と長尺化に対応できる。具体的には、育成装置100は、大口径で長尺な酸化物単結晶11を育成する場合であっても、育成中に酸化物単結晶11が曲がってしまうのを防止できる。また、酸化物単結晶11の内外の温度差によるクラック、融液12の対流の不安定さから生じる多結晶化によるクラック、冷却時の歪によるクラック等の発生を抑制できる。
中間環状板部材7Cは、断熱材7の内壁からルツボ1に向かって延び、ルツボ1の上端と接するように構成されている。すなわち、ルツボ1と中間環状板部材7Cとによって、加熱空間SPが上部加熱空間SP1と下部加熱空間SP2とに分離されている。そのため、育成装置100は、シーディング又は肩部育成の際に、下部加熱空間SP2から上部加熱空間SP1へ熱が伝わるのを抑制し、上部加熱空間SP1の温度が必要以上に高くなってしまうのを防止できる。その結果、融液12の表面の径方向の温度勾配を大きくすることができ、シーディング又は肩部育成の際の酸化物単結晶11の急成長を抑制できる。また、育成装置100は、直胴部の育成の際には、上段ヒータ4Uによって上部加熱空間SP1を適切に保温できる。そのため、大口径で長尺な酸化物単結晶11が育成される場合であっても、育成中に酸化物単結晶11が曲がってしまうのを防止できる。また、上部加熱空間SP1における酸化物単結晶11の内外の温度差によるクラック、融液12の対流の不安定さから生じる多結晶化によるクラック、冷却時の歪によるクラック等の発生を抑制できる。
上部加熱空間SP1と下部加熱空間SP2とは気密に分離されていてもよい。この場合、育成装置100は、中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lによって加熱された下部加熱空間SP2内の雰囲気ガスが上部加熱空間SP1に侵入するのを防止できる。その結果、育成装置100は、比較的少ない電力で中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lを作動させてルツボ1を効率的に加熱しニオブ酸リチウムの原料を効率的に融解させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に限定されることはない。例えば、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各部材の改良、構造の変更等が行われてもよい。
例えば、上述の実施例では、上部加熱空間SP1に上部ヒータとしての上段ヒータ4Uが配置され、下部加熱空間SP2に下部ヒータとしての中段ヒータ4M及び下段ヒータ4Lが配置されている。しかしながら、上部ヒータは、2段以上のヒータで構成されていてもよい。また、下部ヒータは、1段のヒータで構成されていてもよく、3段以上のヒータで構成されていてもよい。
また、上述の実施例では、ヒータ4は、円筒形状を有するが、円周方向で分離可能に構成されていてもよい。
また、育成装置100は、ルツボ軸3を上昇させることで、ルツボ1の上端を中間環状板部材7Cの下面(−Z側面)に接触させてもよい。
1・・・ルツボ 2・・・ルツボ台 3・・・ルツボ軸 4・・・ヒータ 4U・・・上段ヒータ 4M・・・中段ヒータ 4L・・・下段ヒータ 7・・・断熱材 7A・・・上部環状板部材 7B・・・上部円筒状部材 7C・・・中間環状板部材 7D・・・下部円筒状部材 7E・・・下部板部材 9・・・種結晶 10・・・シード棒 11・・・酸化物単結晶 12・・・融液 13・・・架台 15・・・外壁 50・・・制御装置 51・・・回転昇降装置 52・・・電源

Claims (6)

  1. 酸化物単結晶の育成装置であって、
    加熱空間を囲む耐火物と、
    前記加熱空間内に配置されるルツボと、
    前記加熱空間内に配置される抵抗加熱方式のヒータと、
    前記加熱空間内に配置される遮熱板と、を有し、
    前記加熱空間は、前記ルツボと前記遮熱板によって上部加熱空間と下部加熱空間に熱的に分離され、
    前記ヒータは、前記上部加熱空間に配置される上部ヒータと、前記下部加熱空間に配置される下部ヒータとを含み、
    前記遮熱板は、前記耐火物の内壁から前記ルツボに向かって延び、前記ルツボと接している
    育成装置。
  2. 前記遮熱板は、前記ルツボの上端と接する、
    請求項1に記載の育成装置。
  3. 酸化物単結晶の育成装置であって、
    加熱空間を囲む耐火物と、
    前記加熱空間内に配置されるルツボと、
    前記加熱空間内に配置される抵抗加熱方式のヒータと、
    前記加熱空間内に配置される遮熱板と、を有し、
    前記加熱空間は、前記ルツボと前記遮熱板によって上部加熱空間と下部加熱空間に熱的に分離され、
    前記ヒータは、前記上部加熱空間に配置される上部ヒータと、前記下部加熱空間に配置される下部ヒータとを含み、
    前記上部加熱空間と前記下部加熱空間とは気密に分離されている
    成装置。
  4. 前記酸化物単結晶は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ガドリニウム・ガリウム・ガーネット、及び、サファイアの単結晶を含む、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の育成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の育成装置を用いて前記酸化物単結晶を育成する方法。
  6. 前記下部ヒータで前記ルツボを加熱して原料を融解する工程と、
    シード棒の先端に取り付けられた種結晶を前記ルツボ内の原料の融液に接触させる工程と、
    前記シード棒を回転させながら引き上げる工程と、
    前記上部ヒータで前記シード棒の先端に形成された前記酸化物単結晶を加熱する工程と、を有する、
    請求項5に記載の方法。
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