JP2019147698A - 結晶育成装置及び結晶育成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、結晶成長中、特に直胴部の成長における電気炉内の温度揺らぎに起因する成長速度の急激な変化を低減して多結晶化を抑制し、加えて、固化潜熱の放出を促進することで結晶融点の等温線変化を低減し、転位集積等による多結晶化や結晶変形を抑制し、単結晶化率を向上させることが可能な結晶育成装置及び結晶育成方法を提供することを目的とする。【解決手段】原料融液を貯留保持可能なルツボと、前記ルツボと同材質であり、前記ルツボの外側面の外側に設けられた発熱体と、前記ルツボを取り囲み、高周波誘導加熱により前記ルツボ及び前記発熱体を発熱させる高周波誘導コイルと、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、結晶育成装置及び結晶育成方法に関する。
従来から、タンタル酸リチウムLiTaO(以下「LT」と呼んでもよいこととする)やニオブ酸リチウムLiNbO(以下「LN」と呼んでもよいこととする)の単結晶は、主に、携帯電話の送受信用のデバイスに用いられる表面弾性波フィルターの材料として広く利用されている。LTやLNの単結晶インゴットは、一般的にはチョクラルスキー法(以下「Cz法」と呼んでもよいこととする)により製造される。かかるCz法では、例えば電気炉内に原料を収容したルツボを配置し、高周波誘導加熱によりルツボを発熱させることで溶融した原料融液の表面に種結晶を接触させ、炉内の温度を低下させながら種結晶を徐々に引き上げる。これにより、肩と呼ばれるコーン状の成長部を形成した後、円形の基板を得るための円柱状の成長部(以下、直胴部と呼んでもよいこととする)を形成することで、単結晶インゴットを得る。
また、引き上げが進むにつれて単結晶の上部は、シード棒(引き上げ軸)を伝わって冷却されるが、発熱体がルツボのみである場合には、成長中の単結晶内の温度分布が大きくなるため、ルツボ上部を保温する工夫がなされている。例えば、結晶内の温度差に伴う熱応力によるクラックを抑制するため、ルツボの上部に、ルツボ以外の発熱体である円筒状のアフター・ヒーターを配置している。また、ルツボ上部を保温するためドーナツ状のリフレクタを配置することもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−125404号公報
しかしながら、LTやLNの単結晶を製造する場合、電気炉内の温度分布が適切でないと、結晶成長中に発生する構造転位の集積や移動にともなう多結晶化や、融液が固化する際の潜熱の放出不足による結晶変形が発生しやすくなり、歩留りが低下してしまうという問題があった。
ここで、高周波誘導加熱でルツボを発熱させる際、ルツボの発熱量はルツボ内壁部に比べ、ルツボ上端部および下端部が大きくなることが知られている(エッジ効果)。そのため、初期の原料融液の表面高さはルツボ上端部に近く、種付けから肩の成長時は、ルツボ内壁部と結晶成長部の水平方向の温度差が比較的大きい状態で成長させることが可能である。一方、直胴部の成長時には、ルツボ内壁部と結晶成長部の距離が近くなり水平方向の温度差が小さくなり、加えて、結晶成長に伴う融液表面の高さの低下により、発熱量の大きいルツボ上端部と結晶成長部の距離が遠くなることで、結晶成長部に発熱効果が及びにくくなり、水平方向の温度差が小さくなる。
ここで、結晶成長部の温度差が小さ過ぎると、主に2つの問題を生じてしまう。すなわち1つ目は、電気炉内の温度揺らぎに起因する単位時間あたりの成長量(以下、成長速度)が大きくなり、成長速度が一定の臨界値を超えると単結晶構造を維持できなくなって多結晶化を引き起こしてしまう。
2つ目は、融液から結晶へ固化する際の潜熱を系外へ放出する量が小さくなることで、結晶融点の等温線が変化し、結晶成長部の界面形状が特に融液に対して凹型となった箇所に、構造転位が集積してしまう点である。これにより、多結晶化を引き起こしたり、あるいは結晶成長部が円柱状を維持できなくなったりして結晶が変形してしまうことがあった。これにより、結晶育成を行った回数に対して単結晶インゴットが得られた割合を示す単結晶化率を悪化させていた。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、結晶成長中、特に直胴部の成長における電気炉内の温度揺らぎに起因する成長速度の急激な変化を低減して多結晶化を抑制し、加えて、固化潜熱の放出を促進することで結晶融点の等温線変化を低減し、転位集積等による多結晶化や結晶変形を抑制し、単結晶化率を向上させることが可能な結晶育成装置及び結晶育成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る結晶育成装置は、原料融液を貯留保持可能なルツボと、
前記ルツボと同材質であり、前記ルツボの外側面の外側に設けられた発熱体と、
前記ルツボを取り囲み、高周波誘導加熱により前記ルツボ及び前記発熱体を発熱させる高周波誘導コイルと、を有する。
本発明によれば、ルツボ内壁部と結晶成長部の水平方向の温度差を大きくすることができ、電気炉内の温度揺らぎに起因する成長速度の急激な変化を低減し、多結晶化を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した概要図である。 本発明の実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法におけるシーディング時の構成を説明する概略断面図である。 本発明の実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法における直胴部成長中の構成を説明する概略断面図である。 本発明の実施形態に係る結晶育成方法における結晶切り離し段階を説明するための概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
本発明のチョクラスキー法を用いた結晶育成装置は、大気中または不活性ガス雰囲気中で育成されるニオブ酸リチウムLiNbO(以下「LN」)、タンタル酸リチウムLiTaO(以下「LT」)、イットリウムアルミニウムガーネットYAl12(以下「YAG」)などの酸化物単結晶の製造に用いる結晶育成装置である。チョクラルスキー法は、ある結晶方位に従って切り出された種と呼ばれる、通常は断面の一辺が数mm程度の直方体単結晶の先端を、同一組成の融液に浸潤し、回転しながら徐々に引上げることによって、種結晶の性質を伝播しながら大口径化して単結晶を製造する方法である。
図1は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した概要図である。図1に示されるように、本実施形態に係る結晶育成装置は、ルツボ10と、ルツボ台20と、リフレクタ30と、アフター・ヒーター40と、断熱材50、51と、耐火物60と、引き上げ軸70と、高周波誘導コイル80と、発熱体90と、電源100と、制御部110とを備える。なお、加熱手段は、ルツボ10と、アフター・ヒーター40と、発熱体90とを加熱する高周波誘導コイル80である。また、電源100は、誘導コイル80に高周波電力を供給するために設けられている。
本実施形態に係る結晶育成装置において、ルツボ10はルツボ台20の上に載置される。ルツボ10の上方には、リフレクタ30を介して、アフター・ヒーター40が設置されている。ルツボ10を取り囲むように断熱材50が設置されている。更に、アフター・ヒーター40を取り囲むように断熱材51が設けられている。また、断熱材50の外側には耐火物60が設けられ、ルツボ10の周囲全体を覆っている。耐火物60の側面の外側には、高周波誘導コイル80が配置されている。
なお、誘導コイル80が外側に設けられた耐火物60は、図示しない支持台の上に載置される。また、高周波誘導コイル80の周囲を、図示しないチャンバーが覆う。
ルツボ10及びその周囲に設けられた断熱材50は、ホットゾーン部を構成する。また、ルツボ10の上方には、引き上げ軸70が設けられている。引き上げ軸70は、下端に種結晶保持部71を有し、引き上げ軸駆動部72により昇降可能に構成されている。更に、上述の図示しないチャンバーの周辺の外部に、電源100及び制御部110が設けられる。
また、図1において、関連構成要素として、種結晶150と、結晶原料160と、引き上げられた単結晶(結晶体とも呼ぶ)170とが示されている。
次に、個々の構成要素について説明する。
ルツボ10は、結晶原料160を貯留保持し、単結晶170を育成するための容器である。結晶原料160は、結晶化する金属等が溶融した融液の状態で保持される。ルツボの材質は、結晶原料160にもよるが耐熱性のある白金やイリジウム、白金ロジウム等で作製される。
ルツボ台20は、ルツボ10を下方から支持する載置台として設けられる。ルツボ台20は、高周波誘導コイル80の加熱に耐え得る十分な耐熱性及びルツボ10を支持する耐久性を有すれば、種々の材料から構成されてよい。
リフレクタ30は、加熱されたルツボ10内の熱を反射してルツボ10内に戻すための熱反射手段であり、ルツボ10の側面の上端の周縁部を覆うように、ルツボ10の側面の上端に設けられる。よって、リフレクタ30は、円環形状を有する。リフレクタ30も、金属材料から構成される。リフレクタ30も、種々の金属材料から構成されてよいが、例えば、ルツボ10と同様に、耐熱性に優れたイリジウム、白金等で構成されてもよい。
アフター・ヒーター40は、ルツボ10から引き上げられた単結晶を加熱するための加熱手段である。アフター・ヒーター40は、リフレクタ30上に設けられ、円筒形状を有する。アフター・ヒーター40も、金属材料から構成される。アフター・ヒーター40も、種々の金属材料から構成されてよいが、例えば、ルツボ10と同様に、耐熱性に優れたイリジウム、白金等で構成されてもよい。
断熱材50、51は、ルツボ10の周囲を覆い、熱が外部に放出されるのを抑制するための手段である。
耐火物60は、ルツボ10、アフター・ヒーター40及び発熱体90の高周波誘導コイル80による発熱を内部に保持し、外部への放出を防ぐ役割を果たす。耐火物60は、耐熱性の高い材料で構成される。よって、耐火物60は、ルツボ10を取り囲むように設けられる。耐火物60は、天井面に開口61を有し、引き上げ軸70を挿入可能に構成される。
引き上げ軸70は、種結晶150を保持し、ルツボ10に保持された結晶原料160の融液の表面に種結晶150を接触させ、回転しながら単結晶170を引き上げるための手段である。引き上げ軸70は、種結晶150を保持する種結晶保持部71を下端部に有するとともに、回転機構であるモーターを備えた引き上げ軸駆動部72を有する。なお、モーターは、結晶の引き上げの際、結晶を回転させながら引き上げる動作を行うための回転駆動機構である。
なお、育成される単結晶170は、単結晶170の引き上げが進むにつれてルツボ10から遠ざかって行く為、単結晶170の温度分布が大きくなり単結晶170の割れ等の不具合が発生する場合がある。これを改善するため、ルツボ10の上方に上述のアフター・ヒーター40を設置して適切な温度分布を維持する構成としている。
高周波誘導コイル80は、ルツボ10、アフター・ヒーター40、発熱体90を加熱するための手段であり、ルツボ10、アフター・ヒーター40、発熱体90を囲むように配置する。高周波誘導コイル80は、ルツボ10、アフター・ヒーター40及び発熱体90を誘導加熱できれば形態は問わないが、例えば、高周波加熱コイルからなる高周波誘導加熱装置として構成される。この場合には、電源100は、高周波誘導コイル80に高周波電力を供給する高周波電源として構成される。
また、電源100は、高周波誘導コイル80のみならず、結晶育成装置全体に電源供給を行う。
発熱体90は、ルツボ10の側壁の外側に断熱材50の中に埋めて配置する。即ち、発熱体90は、ルツボ10の外側面の外側に、ルツボ10の外側面を囲むように設けられる。発熱体90は、高周波誘導コイル80により発熱可能な部材であり、ルツボ10の加熱を補う役割を果たす。なお、発熱体90の詳細は後述する。
図示しないチャンバーは、ルツボ10及び高周波誘導コイル80の高熱を遮断するとともに、これらを収容する機能を有する。
制御部110は、結晶育成装置全体の制御を行うための手段であり、結晶育成プロセスを含めて結晶育成装置全体の動作を制御する。制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを備え、プログラムにより動作するマイクロコンピュータから構成されてもよいし、特定の用途のために開発されたASIC(Application Specified Integrated Circuit)等の電子回路から構成されてもよい。
本実施形態に係る結晶育成装置は、種々の結晶原料160に適用することができ、結晶原料160の種類は問わないが、例えば、タンタル酸リチウム原料を用いてもよい。その他、種々の酸化物単結晶を育成するための結晶原料160を用いることができる。
次に、図2及び図3を用いて、本発明の特徴である発熱体90についてより詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法におけるシーディング時の構成を説明する概略断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法における直胴部成長中の構成を説明する概略断面図である。
図2に示されるように、発熱体90は、ルツボ10の側壁の外側で、耐火物60内の断熱材50中に埋め込み配置する。即ち、発熱体90は、ルツボ10の外側面を囲むように、ルツボ10の外側面よりも外側に配置される。
発熱体90は、ルツボ10の側壁部の外側に高周波誘導によるエッジ発熱効果を発現させるため、ルツボと同材質としている。具体的には、ルツボ10と同様に、白金やイリジウム、白金ロジウム等で作製される。
発熱体90の高さ位置は、ルツボ10の上端部11より下方であれば良いが、ルツボ内壁部12と結晶成長部171の温度差を大きくするには、初期の融液表面161より下方であることが好ましい。また、結晶の成長が終了した時点における前記原料融液162の表面の高さよりも高い位置に配置される。例えば、初期の融液表面161より40mm下方の位置に配置することがより好ましい。また発熱体90の形状(平面形状、平面配置)は、リング状でなく例えばイリジウム製の断片をルツボ1の周囲に並べたものでも良いが、結晶成長部171に対し中心対称性の高い温度分布を形成させるにはリング状が好ましい。なお、発熱体90は、必ずしもリング状(輪状、円環状)でなくてもよく、楕円形状や、四角形、六角形等の多角形の形状であってもよい。即ち、発熱体90は、連続してルツボ10の外側面又は外周面を取り囲む枠状の形状、環状の形状であってもよい。また、上述のように、連続してルツボ10の外側面を囲むことは必須ではなく、断片をルツボ10の外側面を取り囲むように配置した構成であってもよい。
発熱体90の断面は、矩形でなく例えば円形でも良いが、エッジ効果により効率的な発熱を行うには矩形とすることが好ましい。その他、六角形、八角形等の多角形の断面であってもよい。
ルツボ10の外壁部と発熱体90との距離は、ルツボ10と発熱体90が接していても離れていても良いが、効率的な発熱を行うにはルツボ10に接していた方が好ましい。即ち、ルツボ10と発熱体90との距離は、小さければ小さい程好ましく、ゼロであることが最も好ましい。離れている場合には、例えば、ルツボ1の外側面から100mm以内に発熱体90を配置してもよいし、好ましくは50mm以内、更に好ましくは30mm以内に配置してもよい。
図3は、本発明の実施形態に係る結晶育成方法における直胴部成長中の構成を説明するための概略断面図である。また、図4は、本発明の実施形態に係る結晶育成方法における結晶切り離し段階を説明するための概略断面図である。
まず、図2に示されるように、ルツボ10および発熱体90の周囲に配置した高周波誘導コイル80に電流を流すことで、ルツボ10および発熱体90が加熱され、初期の融液表面161が形成される。
次に、図2及び図3に示されるように、LT種結晶150を上方から融液表面161へ接触させ、電気炉内の温度を低下させながら、種結晶150を上方へ徐々に引き上げることで肩部172を成長させ、次いで直胴部173を成長させると、発熱体90が存在しない場合と比べ、ルツボ内壁部12と結晶成長部171の温度差が大きな状態で結晶成長が可能となる。特に、直胴部173の成長における、電気炉内の温度揺らぎに起因する成長速度の急激な変化を低減させることで多結晶化を抑制することが可能となり、加えて、固化潜熱の放出を促進することで結晶融点の等温線変化を低減し、転位集積等による多結晶化や結晶変形を抑制することが可能となる。このような構成で、所定の長さまで直胴部173の成長を行う。
そして、図4に示されるように、最終的には成長させた単結晶170を結晶原料160の結晶成長後の融液表面162から切り離すことで、多結晶化や結晶変形のない単結晶インゴット170が歩留り良く得られる。
このように、本実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法によれば、ルツボ10の外側面を取り囲むように発熱体90を配置することにより、ルツボ内壁部12の温度を高くし、結晶成長部171との温度差を大きくすることができる。これにより、温度変動があった場合でも、温度制御の制御許容幅を十分に設けることができ、温度変化の影響を低減させる制御を行うことができる。
次に、本実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法を実施した実施例について説明する。
外直径200mm、内高さ200mmのイリジウム製のルツボの周囲に、外直径210mm、内直径200mm、断面5mm×5mmのリング状かつイリジウム製の発熱体をルツボ底部より180mmの高さに設置した。そして、ルツボ内に初期の融液高さが180mmとなるようにLT原料を入れ、直径150mm、直胴部長さ80mmの結晶成長を実施した。その結果、最終の融液高さは90mmとなり、結晶成長を10回行ったところ、単結晶インゴットが得られた割合は90%であり、結晶直胴部の変形も見られなかった。
外直径200mm、内高さ200mmのイリジウム製のルツボの周囲に、外直径210mm、内直径200mm、断面5mm×5mmのリング状かつイリジウム製の発熱体をルツボ底部より140mmの高さに設置した。そして、ルツボ内に初期の融液高さが180mmとなるようにLT原料を入れ、直径150mm、直胴部長さ80mmの結晶成長を実施した。その結果、最終の融液高さは90mmとなり、結晶成長を10回行ったところ、単結晶インゴットが得られた割合は100%であり、結晶直胴部の変形も見られなかった。
外直径200mm、内高さ200mmのイリジウム製のルツボの周囲に、外直径210mm、内直径200mm、断面5mm×5mmのリング状かつイリジウム製の発熱源をルツボ底部より90mmの高さに設置した。そして、ルツボ内に初期の融液高さが180mmとなるLT原料を入れ、直径150mm、直胴部長さ80mmの結晶成長を実施した。その結果、最終の融液高さは90mmとなり、結晶成長を10回行ったところ、単結晶インゴットが得られた割合は80%であり、結晶直胴部の変形も見られなかった。
比較例
外直径200mm、内高さ200mmのイリジウム製のルツボの周囲に発熱源は設置せず、初期の融液高さが180mmとなるようにLT原料を入れ、直径150mm、直胴部長さ80mmの結晶成長を実施した。その結果、最終の融液高さは90mmとなり、結晶成長を10回行ったところ、単結晶インゴットが得られた割合は70%であり、結晶直胴部の後半に結晶の変形が見られた。
以下、実施例1〜3及び比較例の結果を表1に示す。
Figure 2019147698
表1において、発熱体の寸法の5□は、断面が5mm×5mmの矩形であることを示す。表1に示されるように、発熱体を設けることにより、発熱体を設けない比較例とは異なり、結晶直胴部の変形を防止することができた。また、単結晶化率も向上させることができた。また、実施例1〜3同士の比較では、発熱体の高さがルツボの上端に接近した高い位置に設けた方が、良好な単結晶化率を得ることができた。
よって、初期融液の表面高さを超えない範囲で、発熱体は高い位置に設ける方が好ましいと考えられる。
このように、本実施例により、本実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法によれば、結晶直胴部の変形を防止し、単結晶化率を向上させることができることが示された。
以上、本実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法について説明したが、本実施形態に係る結晶育成装置及び結晶育成方法によれば、ルツボ内壁部と結晶成長部の水平方向の温度差を大きくすることで、特に直胴部の成長における、電気炉内の温度揺らぎに起因する成長速度の急激な変化を低減し多結晶化を抑制することが可能となる。加えて、固化潜熱の放出を促進することで結晶融点の等温線変化を低減し、転位集積等による多結晶化や結晶変形を抑制することが可能となり、単結晶化率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の各種実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各部材の改良、構造の変更を行なってもよい。即ち、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 ルツボ
20 ルツボ台
30 リフレクタ
40 アフター・ヒーター
50、51 断熱材
60 耐火物
70 引上げ軸
80 高周波誘導コイル
90 発熱体
100 電源
110 制御部
150 種結晶
160 原料
161 初期の融液表面
162 結晶成長後の融液表面
170 単結晶

Claims (5)

  1. 原料融液を貯留保持可能なルツボと、
    前記ルツボと同材質であり、前記ルツボの外側面の外側に設けられた発熱体と、
    前記ルツボを取り囲み、高周波誘導加熱により前記ルツボ及び前記発熱体を発熱させる高周波誘導コイルと、を有する結晶育成装置。
  2. 前記発熱体は、前記ルツボの外側面を取り囲む形状を有する請求項1に記載の結晶育成装置。
  3. 前記発熱体は、前記ルツボに前記原料融液が貯留保持されたときの初期融液の表面の高さよりも低く、結晶の成長が終了した時点における前記原料融液の表面の高さよりも高い位置に配置されている請求項1又は2に記載の結晶育成装置。
  4. 前記ルツボ及び前記発熱体の材質は、イリジウム、白金、白金ロジウムのいずれかである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の結晶育成装置。
  5. 電気炉内に設けられ、原料を収容したルツボを高周波誘導加熱により発熱させ、溶融した原料融液の表面に種結晶を接触させるとともに、前記電気炉内の温度を低下させながら前記種結晶を引き上げて結晶を成長させる結晶育成方法であって、
    前記種結晶を引き上げる際、前記ルツボの外側面の外側に設けられた前記ルツボと同材質の発熱体も前記高周波誘導加熱により発熱させながら前記結晶を成長させる結晶育成方法。
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CN112609237A (zh) * 2019-10-04 2021-04-06 信越化学工业株式会社 单晶培养装置

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