JPH1130945A - ホログラムメモリ素子 - Google Patents

ホログラムメモリ素子

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JPH1130945A
JPH1130945A JP18529097A JP18529097A JPH1130945A JP H1130945 A JPH1130945 A JP H1130945A JP 18529097 A JP18529097 A JP 18529097A JP 18529097 A JP18529097 A JP 18529097A JP H1130945 A JPH1130945 A JP H1130945A
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JP
Japan
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light
hologram memory
memory element
hologram
laser light
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Application number
JP18529097A
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English (en)
Inventor
Shinji Inoue
真司 井上
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の結晶から成り且つ性能の優れたホロ
グラムメモリ素子を簡便で容易に提供できるようにする
こと。 【解決手段】 遷移金属元素を含有したニオブ酸リチウ
ム単結晶体から成るとともに、記録用レーザー光及び/
又は再生用レーザー光における光吸収量が3〜20%/
mmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を用いて情報の
書き込み(記録)や読み出し(再生)を行う光メモリ素
子の一種であり、デジタル・ホログラフィック・メモリ
として好適なホログラムメモリ素子に関し、特にニオブ
酸リチウム単結晶体を用いたホログラムメモリ素子に関
する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より、パソコンの記憶媒体
として、主にフロッピーディスク、ハードディスク等が
使用されてきた。最近では、これらの記憶媒体に加え、
CD−ROM、MO(Magneto-optical Disk) 、DVD
(Digital Video Disk)等の各種記憶媒体が使用される
ようになり、新しい記憶媒体の開発も盛んに行われてい
る。
【0003】また、ハードディスクの低価格化により、
メモリコストの低減に拍車をかけ、現在ではメモリコス
トは記憶容量1メガバイト当たりおよそ10〜20円と
いわれているが、さらに低価格化が促進され、次世代の
DVDでは1メガバイト当たり数円程度になると予測さ
れている。
【0004】さらに、近年、DVDに続く次世代メモリ
素子として有望視されているホログラムメモリ素子は、
今後のCPUの高速化、データ容量の巨大化、アクセス
速度の高速化等の向上により、1メガバイト当たり5〜
10銭程度の低価格化も実現可能である。
【0005】ところで、このホログラムメモリ素子の素
材として、これまでにニオブ酸リチウム、チタン酸バリ
ウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、有機感光剤等
の各種材料が提案されてきたが、最も実用化が可能であ
るとされているのが、ニオブ酸リチウム単結晶といわれ
ている。これは、高い読み出し(再生)効率が期待で
き、記録や消去の繰り返しが可能で、しかもそれによる
特性の劣化がないこと、また、多重記録ができることや
高い解像度が期待できること等の理由による。
【0006】また、ニオブ酸リチウム単結晶には、高出
力レーザー光を照射すると、光照射部の屈折率が局所的
に変化する、いわゆる光損傷(フォトリフラクティブ)
効果があり、これを利用することにより情報の記録や再
生が可能となる。しかもFe(鉄)を添加することによ
り、その感度(効率)が向上することが知られている。
【0007】しかしながら、従来の製造方法では大型で
且つ品質の良好な結晶が得られないこと、Feの均一ド
ープが困難であったこと、Feを添加することにより結
晶格子を歪ませクラックを誘発すること、及び測定評価
技術が未熟であること等の要因により、実用化までには
至っていないのが現状である。また、現在においてもF
eの最適添加量が不明であり、特にFeが結晶中に不均
一に添加されると小傾角粒界が発生しやすいという問題
がある上、未だ結晶品質の良好なものが得られていな
い。
【0008】そこで本発明では、上述の諸問題を解消す
るとともに、高品質の結晶から成り且つ性能の優れたホ
ログラムメモリ素子を簡便で容易に提供できるようにす
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のホログラムメモリ素子は、遷移金属元素
(例えば、Fe,Cu(銅),Mn(マンガン),Ni
(ニッケル),Rh(ロジウム)等)を含有せしめ、記
録用レーザー光及び/又は再生用レーザー光における光
吸収量が3〜20%/mmであることを特徴とする。こ
れにより、低出力(例えば、20mW/cm2 以下)
で、情報の書き込み(記録)や読み出し(再生)が可能
となる。また、遷移金属元素の適当量を添加したサンプ
ルを用意し、それらのサンプルの光吸収量を評価するだ
けの単純な作業により、容易かつ簡便に性能の優れたホ
ログラムメモリ素子を提供できる。また、上記光吸収量
はより好適には5〜10%/mmとするとよく、これに
よりレーザー光の極小出力域での記録や再生を可能とす
る。
【0010】また、遷移金属元素が鉄を主成分とし、前
記ニオブ酸リチウム単結晶体中に鉄を0.01〜0.1
モル%含有させたことを特徴とする。また、より好適に
は、0.01〜0.05モル%とする。
【0011】また、ニオブ酸リチウム単結晶を抵抗加熱
方式の引き上げ法により育成したことを特徴とする。こ
れにより、例えば高周波加熱方式による引き上げ法に比
べ、抵抗加熱方式では簡便な装置で広い均熱域を確保す
ることができるので、結晶中の欠陥を低減させることが
でき、しかも鉄を添加したときの結晶格子の歪みを極力
緩和することができ、クラックの発生を抑制することが
できる。さらに、簡便な装置で安価な作製が可能とな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図面に
基づいて詳細に説明する。図1に、ホログラムメモリ素
子1にレーザー光を照射して記録(書き込み)及び/又
は再生(読み出し)等を行い得る光学系Hの模式図を示
す。
【0013】ここで、2は波長500〜600nmのレ
ーザー光L1を出射する半導体レーザーやガスレーザー
波長を変換したレーザー等のレーザー装置、3はレーザ
ー光を信号光L2及び参照光L3に分離するためのガラ
スプリズム等のビームスプリッタ、4は情報入力を行う
ための空間変調器、5は信号光遮断のためのシャッタ、
6は二光波測定により回折ゲインを測定するためのシリ
コン等を用いたフォトダイオード、7は回折ゲインを測
定するため、もしくは情報の再生を行うためのCCDカ
メラ、8はフォトダイオード6及びCCDカメラ7から
の信号より回折ゲインを演算し測定するためのディスプ
レイ付きのパーソナルコンピュータ、9はCCDカメラ
7からの信号より情報の再生画像を映すための受像機、
10は参照光の進行方向を変えるためのミラー、11は
解像用の回折格子、12はビーム走査用のミラーであ
る。
【0014】ここで、ホログラム素子1は、Fe,C
u,Mn,Ni,Rh等の、いわゆる遷移金属元素を含
有した、ニオブ酸リチウム単結晶体から成るものであ
り、記録用レーザー光及び/又は再生用レーザー光の光
吸収量が3〜20%/mmであることを特徴とするもの
である。また、上記光吸収量は5〜10%/mmとした
場合に、レーザー光がほぼ最低出力(10mW/cm2
以下)での記録及び/又は再生が可能になる。
【0015】特に遷移金属元素は鉄を主成分とした場
合、ニオブ酸リチウム単結晶体中に0.01〜0.1モ
ル%含有させたものであり、特に、0.01〜0.05
とするとより好適である。また、このニオブ酸リチウム
単結晶は抵抗加熱方式の引き上げ法により育成したもの
とすると、高周波加熱方式等の単結晶育成法に比べて結
晶性の非常に良好なものが得られる。
【0016】次に、上記光学系Hの動作について図面に
基づいて説明する。まず、ホログラムメモリ素子1の解
像度の指標となる回折ゲインを測定する場合について説
明する。
【0017】レーザー装置2から発せられたレーザー光
L1は、ビームスプリッタ3により、二方向の光、すな
わち信号光L2と参照光L3のそれぞれに分離される。
そして、信号光L2は空間変調器4及びシャッタ5を通
って、ホログラムメモリ素子1へ入射される。一方、参
照光L3はミラー10により進行方向を変えられ、回折
格子11を通って、再びビーム走査用のミラー12によ
り進行方向を変えられ、ホログラムメモリ素子1へ入射
される。ホログラムメモリ素子1を透過した信号光L2
はCCDカメラ7へ、参照光L3はフォトダイオード6
へそれぞれ入射され、フォトダイオード6及びCCDカ
メラ7からの信号のそれぞれがパーソナルコンピュータ
8に入力される。
【0018】次に、記録用レーザー光をホログラムメモ
リ素子1へ入射し、ホログラムメモリ素子1に情報を記
録する場合について説明する。なおこの場合、フォトダ
イオード6及びパーソナルコンピュータ8は不要とな
る。
【0019】レーザー装置2から発せられた記録用のレ
ーザー光L1は、ビームスプリッタ3により、信号光L
2と参照光L3のそれぞれに分離される。そして、信号
光L2は空間変調器4及びシャッタ5を通って、ホログ
ラムメモリ素子1へ入射される。一方、参照光L3はミ
ラー10により進行方向を変えられ、回折格子11を通
って、変動可能なビーム走査用のミラー12により進行
方向を変えられ、ホログラムメモリ素子1へ入射され
る。ここで、信号光L2及び参照光L3との交差点f0
において光損傷領域を形成することにより情報の記録を
行う。なお、情報の記録はミラー10の角度の変動やホ
ログラムメモリ素子1の移動等により行う。
【0020】次に、再生用レーザー光をホログラムメモ
リ素子1へ入射し、ホログラムメモリ素子1に情報を記
録する場合について説明する。なおこの場合、参照光L
3のホログラムメモリ素子1への入射は行わないので、
ミラー10,12及び回折格子11、フォトダイオード
6、及びパーソナルコンピュータ8は不要となる。
【0021】レーザー装置2から発せられた再生用のレ
ーザー光L1は、ビームスプリッタ3、空間変調器4、
及びシャッタ5を通って、ホログラムメモリ素子1へ入
射され、ホログラムメモリ素子1を透過した信号光L2
はCCDカメラ7に入射し、CCDカメラ7からの信号
を受像機9に入力することにより、ホログラムメモリ素
子1に記録されている情報を画像として映し出すことが
できる。
【0022】次に、光吸収量と回折ゲイン、及び光吸収
量と記録光強度の関係について図2〜図3に基づいて説
明する。図2に、種々の光吸収量を有するホログラムメ
モリ素子について、上記回折ゲインの測定方法により測
定した結果を示す。図2から明らかなように、光吸収量
がほぼ10%/mm以上となると回折ゲインが飽和する
ことが判る。ここで、回折ゲインはホログラムメモリ素
子の単位厚み(1mm)における吸収特性を示したもの
である。
【0023】図3に、種々の光吸収量を有するホログラ
ムメモリ素子について、光吸収量と図1の光学系により
測定した記録光強度との関係を示す。ホログラムメモリ
素子に添加されている遷移金属元素の種類によらず図3
に示す傾向を示すことが判明した。そして、図3に示す
ように、光吸収量が3〜20%/mmにおいて記録光強
度が半導体レーザーの実用化基準値となる20mW/c
2 以下の低い光出力(光強度)で記録が可能であるこ
とが判明した。特に、光吸収量が5〜10%/mmにお
いては極小領域となることが判明し、10mW/cm2
以下の非常に低い光出力でも記録が可能であることが判
明した。
【0024】これらの結果より、光吸収量を適当に定め
ることにより、遷移金属元素の最適含有量を決定するこ
とが可能となり、優れたホログラムメモリ素子を提供す
ることができる。
【0025】
【実施例】次に、さらに具体的な実施例について説明す
る。調和組成比に混合されたニオブ酸リチウム原料及び
酸化鉄(Fe2 3 )を、内径100mm、高さ100
mm、厚さ1.5mmの白金製坩堝に2100g充填し
た。この場合、鉄の添加量を種々のものを用意した。
【0026】次に、抵抗加熱方式にて単結晶の育成を行
った。ここで、育成条件は雰囲気を大気とし、引き上げ
方向を45°回転Y軸方向、5〜20rpm の回転速度で
回転させながら、引き上げ速度1〜3mm/時間で引き
上げ育成を行い、固化率60%とした。
【0027】このようにして育成された単結晶は、大き
さφ80mm×100mmの欠陥の非常に少ない良好な
結晶であった。すなわち、育成結晶はクラックなどの巨
視的欠陥が全く無かっただけでなく、小傾角粒界と呼ば
れる結晶欠陥の無いものであった。
【0028】また、育成結晶の鉄添加量を分析したとこ
ろ、0〜1.0mol%であり、その分配係数が1〜
1.3にあることが分かったが、これは結晶育成にした
がい鉄濃度が変化することを示しており、素子特性バラ
ツキの原因と考えられるので、分配係数がほぼ1の付近
の結晶からサンプルを得るようにした。
【0029】上記育成方法により得られた単結晶体か
ら、大きさが10mm×10mm×5mmの直方体を切
り出して、入出射面のそれぞれにSiO2 やTiO2
の多層膜から成る反射防止膜をスパッタリングにより成
膜することでもってホログラムメモリ素子を作製した。
そして、これらホログラムメモリ素子についてスペクト
ルアナライザーにより光吸収量を測定したところ、図4
に示す結果が得られた。これにより、光吸収量が3〜2
0%/mmに相当する鉄添加量は0.01〜0.09m
ol%、光吸収量が5〜10%/mmに相当する鉄添加
量は0.03〜0.05mol%であることが判明し
た。また、このようなホログラムメモリ素子を用いて、
図1に示す光学系で記録及び再生を行ったところ好適で
あった。
【0030】一方、比較例として上記と同様な鉄の添加
量で、高周波加熱方式にて同様な雰囲気条件、育成条件
で得られたニオブ酸リチウム単結晶体を切り出して、同
様な大きさのホログラムメモリ素子を用意した。
【0031】育成結晶は、クラックなどの巨視的欠陥も
見られ、小傾角粒界も無数確認された。また、この結晶
から上記と同様にして切り出して作製したホログラムメ
モリ素子を評価したところ、回折ゲインについてはほぼ
同様な傾向を示したが、素子面内での再現性に乏しく不
均質であった。これは、特に結晶中の確認された小傾角
粒界の影響と思われる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のホログラ
ムメモリ素子によれば、光吸収量の変化と記録用及び/
又は再生用レーザー光の光強度との変化に着目したこと
から、光吸収量の極小範囲と遷移金属元素の添加量とか
ら、最適なホログラムメモリ素子を選定することがで
き、従来のようにホログラム特性等を何ら測定すること
なく、簡便かつ容易に最適なホログラムメモリ素子の提
供を行うことができる。
【0033】また、従来不明だった最適な鉄含有量を設
定することができ、これにより最小な光出力で高効率な
回折ゲインを有する優れたホログラムメモリ素子を提供
することができる。
【0034】さらに、特に抵抗加熱方式で育成したニオ
ブ酸リチウム単結晶体からホログラムメモリ素子を作製
すれば、非常に高品質でかつ安価な単結晶を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた光学系を説明する模式図であ
る。
【図2】光吸収量と回折ゲインとの関係を説明するグラ
フである。
【図3】光吸収量と記録光強度との関係を説明するグラ
フである。
【図4】鉄添加量と光吸収量との関係を説明するグラフ
である。
【符号の説明】
1:ホログラムメモリ素子 2:レーザー装置 3:ビームスプリッタ 4:空間変調器 5:シャッタ 6:フォトダイオード 7:CCDカメラ 8:パーソナルコンピュータ 9:受像機 10,12:ミラー 11:回折格子 H:光学系

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属元素を含有せしめ、記録用レー
    ザー光及び/又は再生用レーザー光の光吸収量が3〜2
    0%/mmであるニオブ酸リチウム単結晶から成るホロ
    グラムメモリ素子。
  2. 【請求項2】 遷移金属元素が鉄を主成分とし、鉄を
    0.01〜0.1モル%含有させたことを特徴とする請
    求項1に記載のホログラムメモリ素子。
JP18529097A 1997-07-10 1997-07-10 ホログラムメモリ素子 Pending JPH1130945A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007046176A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Yamaju Ceramics Co., Ltd. 強誘電体単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタ及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007046176A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Yamaju Ceramics Co., Ltd. 強誘電体単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタ及びその製造方法
JP4789281B2 (ja) * 2005-10-19 2011-10-12 株式会社山寿セラミックス 弾性表面波フィルタ及びその製造方法

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