JPWO2007013227A1 - スライドバルブ - Google Patents

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Abstract

最少領域のコンダクタンスを高精度に制御可能にして安定した制御ができるようにし、スライドプレートが塑性変形を生じないようにして最少流量の制御性を良好に行うことができ、弁体およびエア駆動部をスライドプレートと一体で取り外しを可能とし、メンテナンスを容易にするスライドバルブを提供する。流路2を有するボデー3と流路2の流れを阻止する閉鎖位置と流れを許容する開放位置との間を流路軸に対して垂直で水平又は直線上に移動するスライドプレート4をボデー3内に設けたスライドバルブ1において、スライドプレート4内に組み込んだ弁体13をエアシリンダ駆動で流路軸方向に開閉させ、弁体13の開状態でボデー3とスライドプレート4の上下面に微少な隙間を設けてミニマムコンダクタンス制御を可能にし、弁体13の閉状態でスライドプレート4が差圧荷重を受けても塑性変形しない構造にしたスライドバルブ1である。

Description

本発明は、スライドバルブに関し、特に、ボデー内に振り子式のプレートを流路軸に対して水平に横移動自在に設け、全閉位置で弁口の流路を弁体で閉止する振り子式タイプのスライドバルブに関する。
一般に、この種のバルブは、扁平中空形状の弁箱内を横移動または水平移動しながら、全閉位置と全開位置に移動して開閉または制御するスライドバルブである。
このバルブの従来例として、弁箱に弁座シール用のエア駆動部が装着され、弁座シール用のシールリングが弁箱内に着脱自在に取り付けられ、移動可能なスイングプレートが弁閉位置に移動した状態でシールリングをスイングプレートに押圧することにより、弁座がシールできるようにした構造のスライドバルブが提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1は、シールリングの弁座シール用のOリングと摺動Oリングの径の差分の面積にのみ背圧が加わる構造のため、小さな弁推力で大気圧と真空差圧の推力に耐えてシールすることができる利点を有している。
また、このスイングプレートの円周部に凹凸或いは溝を形成して、ミニマム流量の制御性を良好にした構造のスライドバルブも提案されている(特許文献2参照)。この制御性を良好にする他方式として、スライドプレートに接触リングを取り付け、スライドプレートが閉止位置にあるときスプリングの付勢力によりボデーの接触面に押圧接触させる構造のバルブも知られている(特許文献3参照)。
従来の他例として、弁体締切り時に弁体とその背面に設置したプレートをコロを使用したカムにより両側に押し広げてボデーの内面に押圧し、弁体締切りの荷重をプレートで受けて弁体を締切る構造のゲートバルブが提案されている(特許文献4参照)。このゲートバルブは、弁体とその背面に設置したプレートをコロを使用したカムにより両側に押し広げて弁座シールOリングを押圧しコロがカムの水平位置に乗り越えることにより、大気圧と真空差圧の推力が弁開方向に力が変換されないためシールを保持することができる構造である。
特開平9-178000号公報 特開平9-210222号公報 特開2005−9678号公報 特開2002−295695号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2は、シールリングがボデー側に設けられており、スライドプレートが流路の流れを阻止する閉鎖位置でシールリングと係合して弁閉する構造であり、スライドプレート側が大気圧でシールリング側が真空に排気された場合、差圧の荷重によりスライドプレートが撓み、弁体締切シリンダの推力は差圧荷重より小さく、さらにシールリングを作動ストローク分押し上げてストッパとなるため、スライドプレートを撓ませる量を大きく設定する必要があり、スライドプレートの剛性が弱くなると、弁を閉じて弁推力と差圧荷重を受けた場合にスライドプレートのアームが塑性変形で曲がりボデーと接触する。その結果、スライドプレートとボデーの隙間を狭く設定することが不可能であるため、ミニマム制御コンダクタンスが大きくなり、したがって、ミニマム制御性が悪くなる。その対策として、特許文献3に開示されているスライドプレートに接触リングを取り付けてミニマム制御性を改善しているが、接触してスライドする構造であるから却ってパーテイクルが発生しやすくなるという事情がある。
特許文献4は、弁体とその背面のプレートを押し広げてシールする構造のため、スイングプレートのアーム部に曲げ荷重は発生しないが、荷重を受けるプレートの駆動部にカム等の機構が必要であるから、構造が複雑になると共に、パーテイクルの発生原因となる。また、真空中の作動や加熱(150℃)の作動は、カム機構部のカジリを発生しやすい。さらに、弁座シールOリングをシールする荷重は、例えば320Aでは150kg以上の荷重が必要であるから、カムを作動させるには20〜30kg程度のカム移動推力が必要であり、そのため、回転軸からスライドプレート中心距離でその推力を発生させるには大きなトルクを必要とする事情がある。
更には、圧力制御は、弁体が開く位置から制御範囲として利用できるので、制御範囲は広く利用できるが、シール用Oリングの接触防止のため、弁体を開く隙間を大きく設定する必要がある。この弁体シール用Oリングは、締切荷重や熱の影響で変形しやすくボデーとOリングの隙間で制御させると、隙間が不安定であり、弁体が流路軸方向に開閉する制御範囲とスライドプレートがスライドして制御する範囲にコンダクタンス特性の変化や不感帯が生じやすく、特に、カム機構のバックラッシュや摩耗等も加わると、ミニマム制御領域がさらに不安定になる。また、特許文献1乃至4は、弁体を締切る駆動部が弁箱側に形成されていたり、駆動部分を複雑なカム機構で駆動させているので、駆動部を含むすべてのメンテナンスを容易にできない等の事情がある。
本発明の技術的課題は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、最少領域のコンダクタンスを高精度に制御可能にして安定した制御ができるようにし、さらに、スライドプレートが塑性変形を生じないようにして最少流量の制御性を良好に行うことができ、弁体およびエア駆動部をスライドプレートと一体で取り外しを可能とし、もって、メンテナンスを容易にするスライドバルブを提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、流路を有するボデー内に、前記流路の流れを阻止する閉鎖位置と該流れを許容する開放位置との間を流路軸に対して垂直で水平又は直線上に移動するスライドプレートを設けたスライドバルブにおいて、前記スライドプレ−ト内に組み込んだ弁体を流路軸方向に作動させて開閉可能に設け、前記弁体が開いている状態で、前記ボデーと前記スライドプレートの上下面に微少な隙間を設け、前記弁体が閉じて差圧荷重が発生した場合に、前記スライドプレートの上下面のいずれかをストッパとし、前記弁体が開いたときに前記スライドプレートの弾性により微少な隙間を一定に保持したスライドバルブである。すなわち、弁体を閉じている状態では、スライドプレートが微少な隙間分弾性変形しストッパになることで差圧荷重を受けても塑性変形しないようにしている。なお、制御用のスライドバルブの場合、ボデーとスライドプレートの上下面に微少な隙間を設けてミニマムコンダクタンス制御を可能にしている。
請求項2に係る発明は、前記弁体が閉じて前記スライドプレートが微少な隙間分弾性変形している状態で、前記スライドプレートの上下面の何れかがストッパとなり、前記ストッパにより差圧荷重を受けても塑性変形しない構造としたスライドバルブである。
請求項3に係る発明は、前記スライドプレートの外周にストッパを突設し、前記ストッパのストッパ面よりやや内方に前記弁体を格納し、前記ストッパ面を、前記スライドプレートの上下面の隙間間の一方又は双方でミニマム流量の制御を可能にする制御面としたスライドバルブである。
請求項4に係る発明は、流路を有するボデー内に、前記流路の流れを阻止する閉鎖位置と該流れを許容する開放位置との間を流路軸に対して垂直で水平上に移動するスライドプレートを設けたスライドバルブにおいて、前記スライドプレート内に組み込んだ弁体を流路軸方向に移動させて前記弁体を開閉自在に設けると共に、前記スライドプレートの基端部を前記ボデーに軸装した回転軸に着脱可能に取り付けたスライドバルブである。
請求項5に係る発明は、前記スライドプレートの基端部に台形形状を形成し、前記回転軸に前記基端部の台形形状が嵌合する台形部を設け、前記基端部の台形形状と前記回転軸の台形部とを嵌合するように前記スライドプレートの基端部を前記回転軸に接続したスライドバルブである。
請求項6に係る発明は、前記スライドプレートの基端部を前記回転軸のねじ部にナットを介して着脱自在に締結すると共に、前記スライドプレートを前記ボデー内に無摺動状態で水平移動させたスライドバルブである。
請求項7に係る発明は、前記回転軸のねじ部の途中に、前記ナットの抜脱を回避するよう空回りするねじの未加工部分を設けたスライドバルブである。
請求項8に係る発明は、前記スライドプレートに設けた基端部と前記回転軸を接続する際に、前記回転軸の接続部位に設けた連通孔と排気路と、前記スライドプレートに設けたエア供給排気ポートと排気ポートとの両者を同時にOリングを介してシール着脱できるようにしたスライドバルブである。
請求項9に係る発明は、前記スライドプレートの排気ポートは、前記弁体の締切り用シリンダ用ピストン軸の二重シール構造の中間部位と連通させたスライドバルブである。
請求項10に係る発明は、前記弁体を前記スライドプレートの下流側に組み込んだスライドバルブである。
請求項11に係る発明は、前記ボデーを、装置チャンバーの開口部に直接装着したスライドバルブである。
請求項1に係る発明によると、ボデーとスライドプレートの上下面の隙間をミニマムコンダクタンス制御可能な隙間程度に精度を出して設定することができ、その上下面の二箇所、或はその一方側の隙間面で制御することが可能になるため、ミニマム流量の制御性を従来のスライドバルブに比較して、例えば、1/2以下程度にまで高精度に制御することができる。
請求項2に係る発明によると、前記スライドプレート内にエアシリンダ駆動で流路軸方向に開閉する弁体を組み込み、この弁体をスライドプレートの上端面より下方に格納し、ボデーとスライドプレートの上下面に微小の隙間を設定し、スライドプレート内にエアシリンダ駆動で流路軸方向に開閉する弁体を組み込み、弁体は、スライドプレートの上端面(ストッパ面)より例えば1mm程度下方へ格納することができ、弁体に装着したシールリング(Oリング)の変形で制御の隙間が変化しないため安定した制御が可能となる。
請求項3に係る発明によると、前記スライドプレートの外周にストッパを突設し、このストッパのストッパ面よりやや内方に弁体を格納し、ストッパ面をスライドプレートの上下面の隙間間でミニマム流量を制御する制御面としたから、ストッパ面とボデー面との隙間を最小にすることができ、微小な圧力制御を可能とし、従来例に比して著しく高精度に制御することができる。
例えば、弁体が閉じて大気圧力と真空の圧力差がスライドプレートに発生した場合、スライドプレートは弾性変形内で撓み、差圧荷重の方向によりボデーとスライドプレートの上下面がストッパ(図面状、X部とY部)となり、弁推力と差圧荷重を受けても塑性変形しない構造にしたから、スライドプレートは、自重による撓みを例えば0.1mm以下程度に抑え、ボデーとスライドプレートの隙間を最小に設定することができ、また、スライドプレートの剛性を高めれば、圧力制御中のスライドプレートに発生する最高使用圧力差を高くすることができる。
請求項4、6、8に係る発明によると、スライドプレートに設けた基端部と回転軸を接続する際に、この回転軸の接続部位に設けたエア供給排気ポートとシリンダピストンに設けた排気ポートとの両者を同時にシール着脱できるようにしたので、弁体およびエア駆動部をスライドプレートと一体で容易に取り外しができるため、洗浄時等のメンテナンスを容易にすることができると共に、特に、回転軸からスライドプレートを上部からのナット等の締め付けだけでエア供給と排気ポートの二箇所のシールとスライドプレートの取り付け位置出しが可能であり、その着脱するための作業性が頗る良好である。
請求項5に係る発明によると、スライドプレートと回転軸との嵌合部を台形状にしたことで、スライドプレートは、回転軸の台形部のテーパー面に案内され、確実かつ容易に接続する。
請求項7に係る発明によると、回転軸のねじ部の途中にねじの未加工部分を設け、ねじが空回りすることで、緩みによるナットの抜脱を防止することができる。
請求項9に係る発明によると、弁体の締切り用シリンダのピストン軸を二重シール構造とし、その二重シールの中間部位を排気ポートと連結したので、中間をピストン背面側の排気ポートと連結して大気に開放することにより操作圧力の差圧が加わらないため、ピストン作動時のシール部からの外部リークを最小にでき、弁体を確実に作動させることができる。
請求項10に係る発明によると、弁体をスライドプレート内の下流側に組み込んだので、流体流れの影響を受けにくく、弁体の浸食が抑えられる。
請求項11に係る発明によると、ボデーを、装置チャンバーの開口部に直接装着したので、配管の節約ができ、装置のコンパクト化が図られる。
本発明の一実施の形態に係るスライドバルブを装着した圧力制御システムの構成図である。 図1に示すスライドバルブの平面図である。 図2に示すスライドバルブ要部の縦断面図である。 図3に示すスライドプレートの平面図である。 図4のスライドプレートの縦断面図である。 図3に示すシリンダハウジングの平面図である 図6のシリンダハウジングの縦断面図である 図3に示すスライドバルブの回転軸の一部切欠き正面図である。 スライドプレートの基端部を回転軸に取付ける状態を示す断面図である。 図9の取付け後の状態を示す断面図である。 回転軸の他の例を示す要部正面図である。 図11の回転軸の平面図である。 スライドプレートの他の例を示す要部底面図である。 スライドプレートと回転軸との係合状態を示す平面図である。 スライドプレートの固定に用いられるナットの平面図である。 図15のナットの縦断面図である。 スライドプレートの固定に用いられるワッシャの平面図である。 図17のワッシャの使用時の正面図である。 図3に示すスライドプレートのモータ駆動の例を示す縦断面図である。 図3に示すスライドプレートのエアシリンダ駆動の例を示す縦断面図である。 遅延切換バルブを用いた例を示すNCタイプシリンダ機構の回路図である。 図3において、スライドバルブの弁体開状態を示したA部拡大断面図である。 図3に示すスライドバルブの弁体閉状態を示したA部拡大断面図である。 図3に示すスライドバルブの弁体閉状態を示したA部拡大断面図である。 スライドプレートの撓み説明図である。 スライドプレートの撓み説明図である。 カバー体を取り外してスライドプレートを着脱位置に回動した状態を示す平面図である。 他のスライドバルブにおけるスライドプレートの制御開度位置を示す要部縦断面図である。 図28に示すスライドバルブにおけるスライドプレートの全閉位置を示す要部縦断面図である。 スライドバルブをチャンバーに組み込んだ例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 スライドバルブ
2 流路
3 ボデー
4 スライドプレート
7 回転軸
13 弁体
14 ストッパ
15 弁座面
17,18 隙間
19 制御リブ
20 ピストン
27 スプリング
30 弁体シリンダ
31 スイングシリンダ
36 モータ
本発明におけるスライドバルブの好ましい実施の形態を図面に従って詳述する。
図1は、本発明におけるスライドバルブを装着した一例を示す圧力制御の構成システム図であり、同図において、チャンバCHにプロセスガスやN2ガスを供給し、排気側には、スライドバルブ1と圧力センサSとバルブコントローラCとポンプPを設けている。
図2は、スライドバルブ1の平面図であり、図3は、スライドバルブ1の要部を示す縦断面図である。
図2、3において、前記スライドバルブ1は、扁平形状のボデー3を有し、このボデー3は、ボデー本体3aとカバー体3bより構成され、カバー体3bは、ボルト等の締結手段12によりボデー本体3aに分離可能に設けられ、メンテナンス時に分離できるようになっている。
前記ボデー3は、流路2を有し、ボデー3内に、流路2の流れを阻止する閉鎖位置と、流れを許容する開放位置との間を流路軸に対して垂直で水平状態に移動するスライドプレート4を設けている。本例におけるスライドプレート4は、流路軸に垂直で水平に移動するが、流路軸に対して直線上に移動するものであっても良い。なお、図中、4A、4Bは、スライドプレート4の移動位置を示す。
このようなスライドプレート4に、弁体13を組み込み、円盤状のピストン20の中心に設けたピストン軸20aにシリンダハウジング21をOリング22,22とOリング24,25を介して装着し、このピストン軸20aの上部に、前記弁体13をナット23で固着している。
スライドプレート4は、ボデー3内では、回転軸7の摺動以外では無摺動で開閉することができる構造である。スライドプレート4の上下面に設けたストッパ14,14は、スライドプレート4の撓み量を最少に制御することができ、スライドプレート4は、弾性変形の撓み量で作動し、ボデー3との接触を防止できる。すなわち、スライドプレート4の円形の長さ方向に交叉する中心部位にストッパを有し、ボデー3との接触を確実に防止している。
このように、ストッパ14,14をスライドプレート4に配置したので、弁座シール後に真空と大気圧との差異が発生してもスライドプレート4に曲げ加重が加わらないため、塑性変形を確実に防止できる。特に、スライドバルブが300Aや250Aの場合は、スライドプレート4の下面の半円部分と他の半円部分に、0.3〜0.4mm程度の段差面を設けて、スライドプレート4の中心部位に上下面のストッパ14,14が位置するようにすると、スライドプレート4の塑性変形を防止でき、スライドプレート4とボデー3との微少間隙を一定に保持することが可能となる。
そして、このスライドプレート4は、弁体13が閉じて大気圧力と真空の圧力差がスライドプレート4に発生した場合、スライドプレート4は弾性変形内で撓み、差圧荷重の方向によりボデー3とスライドプレート4の上下面がストッパ14,14となり、スライドプレート4は、弁推力と差圧荷重を受けても塑性変形しない構造である。この弁体13には、複数個の穴13aを均等にあけ、この穴13aで圧力バランスを図っている。図中、14aは、ストッパ14のストッパ面を示す。
シリンダハウジング21の外側で、弁体13の下面と図4、5に示すスライドプレート4の上面に設けた装着穴27aに、例えば5〜7個の複数個のスプリング27を配置している。エア排気時のスプリング27の弾発力で弁体13を閉止するようにしている。また、弁体13は、締切用移動ガイド部29aに弁座シール用ガスケット28とほぼ同径のOリング29を装着し、このOリング29の摺動構造を採用することにより、正圧逆圧の着圧が発生しても締め切り推力の反力として発生する加重は小さく、弁座面15を押圧シールするだけの最少加重のスプリング27で弁座面15を確実にシールすることができるように構成されている。
図4、5において、円盤状のスライドプレート4を支えるアーム部5に切欠き部5aを形成することにより、弾性を持たせて弾性変形内で撓むように設けられており、このアーム部5の基端部6にU字状の係合溝6aを形成し、この係合溝6aの下部に四角形状の嵌合部6bを連設し、この嵌合部6bの奥部面にエア供給排気ポート6cと排気ポート6dを設けている。このポート6c,6dは、スライドプレート4に埋設され、先端部分を上面にそれぞれ開口させている。
シリンダハウジング21は、図6、7に示すように、スライドプレート4のエア供給排気ポート6cと連通する連通ポート21aと排気ポート6dと連通する排気孔21bをそれぞれ形成し、排気ポート6dは、Oリング22,22の中間位置に形成して、この排気孔21bから排気ポート6dを通って、排気路9より大気に開放することにより操作圧力の差圧が加わらないため、ピストン作動時のシール部位からの外部リークを最少にできる。上記の連通ポート21aの先端は、ピストン20とシリンダハウジング21で構成されるシリンダ26内に連通している。
回転軸7は、図8〜10に示すように、上端に前記係合溝6aに係合する円形部7aと嵌合部6bに嵌合する四角部7bを形成し、円形部7aと四角部7bとの連接位置の肩部位にテーパ部7cを形成し、回転軸7には、エア供給排気ポート6cと排気ポート6dに連通する連通孔8と排気路9が形成され、エア供給排気ポート6cと排気ポート6dの開口部位にはOリング10が装着されている。この連通孔8には、シーケンス制御された後述するエアシリンダ駆動機構が設けられている。
スライドプレート4に設けたアーム部5の基端部と回転軸7を接続する際に、この回転軸7の接続部位に設けたエア供給排気ポート6cと排気ポート6dとの両者を同時にシール着脱できるように構成されている。装着した後に、ナット11で回転軸7にスライドプレート4を固着し、取り外す際にもナット11の取り外しにより回転軸7よりスライドプレート4を外すことができる。
スライドプレート4のU溝状の係合溝6aを回転軸7の四角部7bに、図9に示すように約2〜3mm上げて横方向から挿入し、Oリング10,10の当たり位置で少し斜めに上げた状態で四角部7bとテーパー部7cに挿入する。そして、スライドプレート4を水平にすると、自重でOリング10,10が圧縮されて取付位置も決定され、その結果、図10に示すように、スライドプレート4の基端部が回転軸7に嵌合された状態でナット11で締めて固定される。
図11は、回転軸の他の例を示す要部正面図であり、図12は、回転軸の平面図を示す。図11、12において、回転軸41は、上端に円形部43を形成すると共に、この円形部43の下部に隣接する四角部42を形成し、回転軸41には、エア供給排気ポート6cと排気ポート6dに連通する連通孔8と排気路9が形成されている。円形部43には、ねじ部43aが形成され、このねじ部43aの途中には、小径のリング状凹部43bが形成されている。また、四角部42は、両側にテーパー面42aを有する台形状に形成されている。
図13は、スライドプレートの他の例を示す要部底面図である。同図において、円盤状のスライドプレート50のアーム部53にU字状の係合溝52を形成し、この係合溝52の下部に、両側にテーパー面51aを有し、回転軸41の四角部42と略整合する台形状の嵌合部51を連設している。
アーム部53の嵌合部51は、図14に示すように、回転軸41の四角部42に横方向から挿入される。この場合、嵌合部51のテーパー面51aが四角部42のテーパー面42aに案内されて、アーム部53は回転軸41に位置決めされ、スムーズかつ容易に挿入され、アーム部53の係合溝52は回転軸41の円形部43にがたつきなく確実に嵌合される。
このようなアーム部53と回転軸41とは、図15、16に示すナット60によって締結固定される。このナット60は、その周方向に複数の貫通孔61を有し、側面には溝60aが形成されている。図17、18は、ナット60の締結時に用いられるワッシャ70である。このワッシャ70の外端部には、複数の係合片71が所定角度間隔をおいて突設され、使用時は、図21に示すように、係合片71の先端を上方に屈曲することで、ナット60の溝60aに係合させ、ナット60からの脱落を防止している。また、ナット60が緩んでも、ねじ部途中のリング状凹部43bで空回りするので、回転軸41からのナット60の脱落を防止することができる。
スライドプレート4の駆動源は、図19に示すように、モータ駆動による駆動例と、図20、21に示すように、エアシリンダ駆動による駆動例がある。
すなわち、図19において、モータ駆動による駆動例によると、ステッピングモータ36の駆動力をベルト37を介して後述する回転軸を回転駆動させてスライドプレート4を回転させる。この場合、ステッピングモータ36は、図示しないコントローラにより制御されて弁体13の開閉を制御しながら作動させ、制御用のスライドバルブ1に用いる。
モータ駆動による制御用のスライドバルブの場合、ボデー3の制御面に制御リブ19を着脱可能に取り付けている。この制御リブ19は、スライドプレート4が全閉位置の近傍において流路2の弁口が三日月形になった際に、微少圧力の制御を行うために、スライドプレート4の両面制御により微少圧力の制御性が良く、しかも、所望な制御リブ19を取り付けることにより制御特性を適宜に変えることができる。場合、スライドプレートの両面制御により微小圧力の制御性が良く、しかも、所望な制御リブを取り付けることにより制御特性を変えることができる。
また、エアシリンダ駆動による駆動例は、図20、21に示すように、弁体シリンダ30とスライドプレート4用のスイングシリンダ31の2個のシリンダとエア作動用の遅延切換バルブ32を組み合わせて構成されている。この場合、弁体シリンダ30の作動圧力範囲よりニードル32aを有する遅延切換バルブ32の作動圧力範囲を小さく設定している。
弁体シリンダ30のエア供給口33にオリフィス34を装着してエアを排気してもスイングシリンダ31と遅延切換バルブ32の圧力がほぼ同圧に保たれるように設けられている。弁体シリンダ30とエア供給ポートには、逆止弁35が装着され、エア供給と同時に弁体シリンダ30にエアが供給され、切換バルブ32が作動すると、弁体シリンダ30のエアが排気される。
弁体シリンダ30の作動圧力を0.4〜0.6Mpa、スイングシリンダ31の作動圧力を0.25〜0.30Mpa、遅延切換バルブ32のシリンダの作動圧力を0.15〜0.18Mpaと圧力により作動を切り換えられる構造にしたことで、シリンダ30,31の切換は、確実に行える。例えば、弁開状態から操作圧力を排気した場合、スイングシリンダ31のエアが排気され、0.2Mpaまで排気されると、弁閉位置までスイング動作するが、遅延切換バルブ32の操作圧力は、エア供給口33のオリフィス34で絞められているため、同じ圧力が供給された状態であり、スイング動作中は遅延切換バルブ32が作動するおそれはない。
さらに、0.2Mpa以下に排気されると、遅延切換バルブ32が作動し、弁体シリンダ30のエアが排気されて弁体13が閉止される。弁体シリンダ30は、長期間開状態でも閉じないように常時エアを供給するが、遅延切換バルブ32が作動するまでは、操作圧力を保持する必要があるため、逆止弁35を設けている。
スライドプレート4に組み込んだ弁体13をエアシリンダ機構で作動させる例以外に次のような手段を採用しても良い。例えば、スライドプレート4に流路2を直角方向に駆動するエアーシリンダ(図示しない)を内蔵し、このシリンダのエアー圧力またはスプリングの推力でカム(図示しない)を作動させて弁体13を流路方向に開閉する構造でも良く、或は、スライドプレート4に組み込んだ弁体13を、例えば、モータ等の電気的駆動手段によって流路方向に開閉することも可能である。
図22〜図26は、スライドプレート4の撓みとストッパ14,14の説明図で、スライドプレート4内には、エアシリンダ駆動機構で流路軸方向に開閉する弁体13を組み込み、この弁体13をスライドプレート4の外周上端より突設させたストッパ14のストッパ面14aより1mm程度下方に格納し、ボデー3の弁座面15と内周面16とスライドプレート4の上下面に、例えば、0.3〜0.5mmの微小の隙間17,18を設けている。この場合、ストッパ面14aのみならず、スライドプレート4の下面も同様に、ボデー3の内周面との間を0.3〜0.5mmの隙間にして、スライドプレート4の下面をストッパ面14bとしている。なお、図22〜図24は、図3のA部拡大図である。
図22は、弁体13が開状態を示したものであり、上下面の2箇所のストッパ14,14で制御することによりミニマム流量の制御性を向上させることができる。図23は、弁体13が閉状態であり、上部側が大気圧力で、下部側が真空状態であって、下面のストッパ14がストッパ機能を発揮し、ガスケット28で弁座シールされている。図24は、弁体13が閉状態であり、下部側が大気圧力で、上部側が真空状態であって、上面のストッパ14がストッパ機能を発揮している。この場合、スライドプレート4の上下面の微少な隙間で制御するようにしているが、これに限ることなく、スライドプレート4の下面が制御面で、上面側は単にストッパとしての機能のみを発揮するようにしても良い。
また、スライドプレート4のアーム部5はスライドプレートユニットの自重による撓みを0.1mm以下程度に抑え、スライドプレート4のアーム部5が弁推力と差圧荷重を受けて撓みが発生しても塑性変形をしない弾性を持たせたことで、ボデー3とスライドプレート4の隙間17,18を最小に設定することができる。しかも、スライドプレート4の剛性を高めたことで圧力制御中のスライドプレート4に発生する最高使用圧力差を大きくすることができる。例えば、320Aの弁体面積は、830cmあり、10Torrの差圧で11kgfのスライドプレート重量程度の荷重が加わることになる。すると、自重による撓みの倍の撓みとなるため、ボデー3と接触しやすくなるが、スライドプレート4の剛性を高くすることで最高使用差圧を高くすることが可能となる。
次に上記実施形態の作用を説明する。
弁体シリンダ30にエアを例えば0.4MPa供給すると、図3において、ピストン20のシリンダ26内に流入してピストン20を押圧すると共に、ピストン20に連結している弁体13を同図において下方に引き込んで弁体13が開く。この場合、遅延切換バルブ32はニードル32aでエア供給されるので、例えば2秒間は動作しない。そして、2秒後に遅延切換バルブ32が作動し、スイングシリンダ31にエアが供給されると、スライドプレート4が旋回し、0.3〜0.4MPaで図2に示すように、スライドプレート4'の位置で全開位置になる。
次いで、エアが排気されると、スライドプレートが旋回し、0.2MPaで図3に示すように全閉位置になる。更に、エアを排気すると、遅延切換バルブ32が0.2MPa〜0.1MPaで作動し、一方、弁体シリンダ30のエアが排気されると、スプリング27の弾発力で弁体13が図3において上方である閉止方向に作動し、弁体13に装着したガスケット28が弁座面15に押圧接触して弁体13は閉止状態を保持する。図19において、モータ駆動による制御用のスライドバルブの場合は、スライドプレート4をモータ36の駆動によって旋回して、制御するものであって、弁体シリンダ30については前述の例と同様である。
図22において、弁体13が開いている状態のスライドプレート4は、スライドプレート4を支えるアーム部5の弾性によりボデー3の中央位置にボデー3とスライドプレート4の上下面の隙間17,18がほぼ同程度に設定されている。したがって、弁体13が閉じて、図23または図24に示すように、大気圧力と真空の圧力差がスライドプレート4に発生した場合、スライドプレート4は弾性変形内で撓み、図25および図26に示すように、着圧荷重の方向によりボデー3とスライドプレート4の上下面がストッパXまたはストッパYとなり、弁推力と着圧荷重を受けても塑性変形しない構造になっている。
また、図2に示すボデー3の連結手段12を取り外してボデー本体3aからカバー体3bを外し、次いで、図27に示す位置までスライドプレート4を回転させる。この状態で、回転軸7のナット11を外すと、弁体13等を組み込んだスライドプレート4を簡単に取り外すことが可能となるため、洗浄やメンテナンスに極めて作業が良い。この場合、ナット11を外すのみでスライドプレート4を取り外し可能であり、その後、ナット23等を外すことによってスライドプレート4に組み込んだ弁体13等の部品構成を分離させてメンテナンスを確実に行うことができる。一方、スライドプレート4を取り付けるには、回転軸7にスライドプレート4の基端部をナット11で容易に装着できる。
なお、ボデー3、弁体13、スライドプレート4などのように接ガス例の材料は、耐薬品性を有するステンレスやアルミ材等が好ましい。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
例えば、図28、29に示すスライドバルブ80のように、弁体81をスライドプレート82内の下流側に組み込むようにすれば、弁体81に装着されたガスケット等のシール材83は流体流の影響を受けにくくなり、シール材83の浸食が抑制される。さらには、プラズマや副生成物の影響も少なくなり、浸食が低減される。なお、図28は、スライドプレート82の制御開度位置を示し、図29は、スライドプレート82の全閉位置を示す。
また、図30に示すように、スライドバルブ80を半導体製造装置のチャンバー90の開口部91に直接取り付けてもよい。これにより、配管が節約され、コンパクトな製造装置が低コストで得られる。その際、弁体81をスライドプレート82の下流側に組み込めば、弁体81の浸食が抑制される。
本発明に係るスライドバルブは、半導体製造装置や液晶製造装置等の真空排気系システムに適用することができる。


Claims (11)

  1. 流路を有するボデー内に、前記流路の流れを阻止する閉鎖位置と該流れを許容する開放位置との間を流路軸に対して垂直で水平又は直線上に移動するスライドプレートを設けたスライドバルブにおいて、
    前記スライドプレ−ト内に組み込んだ弁体を流路軸方向に作動させて開閉可能に設け、前記弁体が開いている状態で、前記ボデーと前記スライドプレートの上下面に微少な隙間を設け、前記弁体が閉じて差圧荷重が発生した場合に、前記スライドプレートの上下面のいずれかをストッパとし、前記弁体が開いたときに前記スライドプレートの弾性により微少な隙間を一定に保持したことを特徴とするスライドバルブ。
  2. 前記弁体が閉じて前記スライドプレートが微少な隙間分弾性変形している状態で、前記スライドプレートの上下面の何れかがストッパとなり、前記ストッパにより差圧荷重を受けても塑性変形しない構造としたことを特徴とする請求項1に記載のスライドバルブ。
  3. 前記スライドプレートの外周にストッパを突設し、前記ストッパのストッパ面よりやや内方に前記弁体を格納し、前記ストッパ面を、前記スライドプレートの上下面の隙間間の一方又は双方でミニマム流量の制御を可能にする制御面としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドバルブ。
  4. 流路を有するボデー内に、前記流路の流れを阻止する閉鎖位置と該流れを許容する開放位置との間を流路軸に対して垂直で水平上に移動するスライドプレートを設けたスライドバルブにおいて、
    前記スライドプレート内に組み込んだ弁体を流路軸方向に移動させて前記弁体を開閉自在に設けると共に、前記スライドプレートの基端部を前記ボデーに軸装した回転軸に着脱可能に取り付けたことを特徴とするスライドバルブ。
  5. 前記スライドプレートの基端部に台形形状を形成し、前記回転軸に前記基端部の台形形状が嵌合する台形部を設け、前記基端部の台形形状と前記回転軸の台形部とを嵌合するように前記スライドプレートの基端部を前記回転軸に接続したことを特徴とする請求項4に記載のスライドバルブ。
  6. 前記スライドプレートの基端部を前記回転軸のねじ部にナットを介して着脱自在に締結すると共に、前記スライドプレートを前記ボデー内に無摺動状態で水平移動させたことを特徴とする請求項4又は5に記載のスライドバルブ。
  7. 前記回転軸のねじ部の途中に、前記ナットの抜脱を回避するよう空回りするねじの未加工部分を設けたことを特徴とする請求項6に記載のスライドバルブ。
  8. 前記スライドプレートに設けた基端部と前記回転軸を接続する際に、前記回転軸の接続部位に設けた連通孔と排気路と、前記スライドプレートに設けたエア供給排気ポートと排気ポートとの両者を同時にOリングを介してシール着脱できるようにしたことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のスライドバルブ。
  9. 前記スライドプレートの排気ポートは、前記弁体の締切り用シリンダ用ピストン軸の二重シール構造の中間部位と連通させたことを特徴とする請求項8に記載のスライドバルブ。
  10. 前記弁体を前記スライドプレート内の下流側に組み込んだことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のスライドバルブ。
  11. 前記ボデーを、装置チャンバーの開口部に直接装着したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスライドバルブ。

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