JPWO2007000827A1 - 組積ユニットの成形方法 - Google Patents
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Abstract
組積ユニット(10)は、層間金属プレート(50)を介挿した状態で、ボルト(60)及びナット(70)の機械的締結力によって一体化される。組積ユニット(10)を成形するために、組積ユニットの原形(11)が型枠内に収容され、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間(98)がユニット原形(11)の上面及び下面と型枠面との間に画成され、流動性被覆材が被覆材充填空間に充填される。組積ユニットの上面及び下面は、被覆材の硬化体(12)で被覆される。本発明によれば、組積ユニットの高い寸法精度を確保するとともに、組積ユニットの生産工程を効率化し、その生産性を向上することができる。
Description
本発明は、組積ユニットの成形方法に関するものであり、より詳細には、機械的締結力を利用した乾式組積工法において使用される組積ユニットを製造するための組積ユニット成形方法に関するものである。
木造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造等の各種建築構造が知られている。建築構造の一種として、煉瓦(レンガ)やコンクリートブロック等の組積ユニットを組積して壁体等を構築する組積構造が知られている。
粘土を高温焼成してなる煉瓦は、テクスチュア、重厚感、風合い及び色彩等の意匠的又は美観的効果において高い評価を受けているばかりでなく、耐久性、遮音性、耐火性及び蓄熱性等の物理的性能においても優れており、世界各国で古くから親しまれ、建築物の壁材として広く使用されてきた。また、コンクリートブロック等の組積可能なコンクリートプレキャスト製品は、経済性、施工性、耐久性、耐火性等に比較的優れた性能を有し、近年では、意匠性及び安全性を高めた設計等も適宜採用されており、壁体等を構築するための建築材料として広く実用に供されている。
一般に、煉瓦やコンクリートブロック等の組積ユニットは、未硬化モルタルを組積面に塗布し、相対位置、間隔及びレベル等の組積精度の調整を組積時に逐次行いながら組積される。このような従来の組積構造は,湿式工法として位置付けられる。
これに対し、本発明者は、乾式の煉瓦組積工法として、DUP(Distributed and Unbonded Prestress:分散型アンボンドプレストレス)工法を提案している。この工法によれば、金属ボルトの機械的な締結力によってプレストレスを導入しながら煉瓦を多層に積層し、耐震性を有する煉瓦組積構造の壁体等を構築することができる(特願平4−51893号、特願平5−91674号、特願平6−20659号、特願平7−172603号、特願平8−43014号)。
本発明者は、DUP工法の実用化研究を現在も継続的に実施しており、例えば、特願2000−270219号(特開2002−81152号公報)において、ボルト挿通孔及び大径中空部を煉瓦の所定位置に形成し、共通形状及び共通寸法の煉瓦を用いて、複雑且つ多様な壁体各部を構築する煉瓦組積工法を提案している。本発明者は又、PCT国際出願PCT/JP03/09730号において、DUP工法の各種構成要素(煉瓦、層間金属プレート及びボルト・ナット等)の迅速且つ規則的な割付けを可能にするグリット法を提案するとともに、PCT国際出願PCT/JP03/11288号において、DUP工法の煉瓦壁と乾式工法の内壁とを剪断補強部材によって応力伝達可能に連結した二重壁形式の壁体構造を提案している。
このような乾式工法の煉瓦組積工法は、ボルト・ナットの機械的締結力によって煉瓦を一体化する乾式組積工法であり、従来の湿式工法の煉瓦組積工法と対比すると、工期全体を大幅に短縮するなど、所期の目的を達成した。しかし、この工法は、未硬化モルタルによる精度調整を組積時に逐次行うことなく、ボルト・ナットで煉瓦を締付けながら壁体又は柱体等を組積する工法であることから、煉瓦自体の高い寸法精度が要求される。例えば、上下の煉瓦は、層間金属プレートを介して組積されるので、金属プレートと接する煉瓦の下面及び上面は、高精度の平滑性及び水平性を求められ、煉瓦の高さ寸法は、高い寸法精度を要求される。現状では、DUP工法の煉瓦は、上下面精度(煉瓦高の精度管理目標値)の標準偏差を0.118mm、小口面精度(煉瓦長の精度管理目標値)の標準偏差を0.142mmに設定されている。
このような事情より、従来は、DUP工法に使用される煉瓦の組積面(上面及び下面)を製造過程で研磨し、所望の水平性、平滑性及び寸法精度を確保するとともに、所望により、片側又は両側の端面(小口面)をも製造過程で研磨し、小口面の垂直性、平滑性及び寸法精度を得ていた。
しかしながら、焼成後の煉瓦の研磨工程は、研磨に要する水及びエネルギーの損失を生じさせるばかりでなく、例えば、製造工程の煩雑化、時間的ロス、作業工数又は工程の付加、労務費を含む生産コストの増加、研磨時に発生する削り屑等の廃棄処分の必要を生じさせるので、煉瓦の生産性及び廉価性を損なう要因となっていた。従って、組積面の研磨工程を採用することなく、組積面(及び小口面)の高い寸法精度、平滑性及び水平性(又は垂直性)を確保し、煉瓦の生産性及び廉価性を向上させる必要が生じた。
また、上記DUP工法の煉瓦は、ナット及びボルトを夫々収容可能な大径及び小径の貫通孔を備えることから、直径が異なる2種類の貫通孔を比較的高い精度で焼成後の煉瓦に穿孔する必要が生じる。しかしながら、このような2種類の貫通孔の穿孔工程も又、煉瓦の生産性及び廉価性を損なう要因となっており、このような2種類の貫通孔を比較的簡易な工程で形成することができれば、煉瓦の生産性及び廉価性を更に向上させることが可能となるであろう。
なお、このような課題は、必ずしもDUP工法の煉瓦に限られたものではなく、コンクリートブロックを上記DUP工法又はこれに類似した乾式工法で組積する場合においても、同様に認識される。
本発明は、ボルト・ナットの機械的締結力を利用した乾式組積工法において使用される組積ユニットに関し、各組積ユニットの高い寸法精度を確保するとともに、組積ユニットの生産工程を効率化し、その生産性を向上することができる組積ユニットの成形方法を提供することを目的とする。
本発明は殊に、上記DUP工法の煉瓦に関し、その生産工程を効率化し、煉瓦の生産性を向上することを目的とする。
粘土を高温焼成してなる煉瓦は、テクスチュア、重厚感、風合い及び色彩等の意匠的又は美観的効果において高い評価を受けているばかりでなく、耐久性、遮音性、耐火性及び蓄熱性等の物理的性能においても優れており、世界各国で古くから親しまれ、建築物の壁材として広く使用されてきた。また、コンクリートブロック等の組積可能なコンクリートプレキャスト製品は、経済性、施工性、耐久性、耐火性等に比較的優れた性能を有し、近年では、意匠性及び安全性を高めた設計等も適宜採用されており、壁体等を構築するための建築材料として広く実用に供されている。
一般に、煉瓦やコンクリートブロック等の組積ユニットは、未硬化モルタルを組積面に塗布し、相対位置、間隔及びレベル等の組積精度の調整を組積時に逐次行いながら組積される。このような従来の組積構造は,湿式工法として位置付けられる。
これに対し、本発明者は、乾式の煉瓦組積工法として、DUP(Distributed and Unbonded Prestress:分散型アンボンドプレストレス)工法を提案している。この工法によれば、金属ボルトの機械的な締結力によってプレストレスを導入しながら煉瓦を多層に積層し、耐震性を有する煉瓦組積構造の壁体等を構築することができる(特願平4−51893号、特願平5−91674号、特願平6−20659号、特願平7−172603号、特願平8−43014号)。
本発明者は、DUP工法の実用化研究を現在も継続的に実施しており、例えば、特願2000−270219号(特開2002−81152号公報)において、ボルト挿通孔及び大径中空部を煉瓦の所定位置に形成し、共通形状及び共通寸法の煉瓦を用いて、複雑且つ多様な壁体各部を構築する煉瓦組積工法を提案している。本発明者は又、PCT国際出願PCT/JP03/09730号において、DUP工法の各種構成要素(煉瓦、層間金属プレート及びボルト・ナット等)の迅速且つ規則的な割付けを可能にするグリット法を提案するとともに、PCT国際出願PCT/JP03/11288号において、DUP工法の煉瓦壁と乾式工法の内壁とを剪断補強部材によって応力伝達可能に連結した二重壁形式の壁体構造を提案している。
このような乾式工法の煉瓦組積工法は、ボルト・ナットの機械的締結力によって煉瓦を一体化する乾式組積工法であり、従来の湿式工法の煉瓦組積工法と対比すると、工期全体を大幅に短縮するなど、所期の目的を達成した。しかし、この工法は、未硬化モルタルによる精度調整を組積時に逐次行うことなく、ボルト・ナットで煉瓦を締付けながら壁体又は柱体等を組積する工法であることから、煉瓦自体の高い寸法精度が要求される。例えば、上下の煉瓦は、層間金属プレートを介して組積されるので、金属プレートと接する煉瓦の下面及び上面は、高精度の平滑性及び水平性を求められ、煉瓦の高さ寸法は、高い寸法精度を要求される。現状では、DUP工法の煉瓦は、上下面精度(煉瓦高の精度管理目標値)の標準偏差を0.118mm、小口面精度(煉瓦長の精度管理目標値)の標準偏差を0.142mmに設定されている。
このような事情より、従来は、DUP工法に使用される煉瓦の組積面(上面及び下面)を製造過程で研磨し、所望の水平性、平滑性及び寸法精度を確保するとともに、所望により、片側又は両側の端面(小口面)をも製造過程で研磨し、小口面の垂直性、平滑性及び寸法精度を得ていた。
しかしながら、焼成後の煉瓦の研磨工程は、研磨に要する水及びエネルギーの損失を生じさせるばかりでなく、例えば、製造工程の煩雑化、時間的ロス、作業工数又は工程の付加、労務費を含む生産コストの増加、研磨時に発生する削り屑等の廃棄処分の必要を生じさせるので、煉瓦の生産性及び廉価性を損なう要因となっていた。従って、組積面の研磨工程を採用することなく、組積面(及び小口面)の高い寸法精度、平滑性及び水平性(又は垂直性)を確保し、煉瓦の生産性及び廉価性を向上させる必要が生じた。
また、上記DUP工法の煉瓦は、ナット及びボルトを夫々収容可能な大径及び小径の貫通孔を備えることから、直径が異なる2種類の貫通孔を比較的高い精度で焼成後の煉瓦に穿孔する必要が生じる。しかしながら、このような2種類の貫通孔の穿孔工程も又、煉瓦の生産性及び廉価性を損なう要因となっており、このような2種類の貫通孔を比較的簡易な工程で形成することができれば、煉瓦の生産性及び廉価性を更に向上させることが可能となるであろう。
なお、このような課題は、必ずしもDUP工法の煉瓦に限られたものではなく、コンクリートブロックを上記DUP工法又はこれに類似した乾式工法で組積する場合においても、同様に認識される。
本発明は、ボルト・ナットの機械的締結力を利用した乾式組積工法において使用される組積ユニットに関し、各組積ユニットの高い寸法精度を確保するとともに、組積ユニットの生産工程を効率化し、その生産性を向上することができる組積ユニットの成形方法を提供することを目的とする。
本発明は殊に、上記DUP工法の煉瓦に関し、その生産工程を効率化し、煉瓦の生産性を向上することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべく、上下の組積ユニット(10:10’:10”)の間に金属プレート(50)を介挿し、緊締要素(60,70)の機械的締結力によって上下の組積ユニットを一体化する乾式組積工法に使用される組積ユニットの成形方法において、
前記組積ユニットを型枠内に収容し、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間を前記組積ユニットの上面及び下面と型枠面との間に画成し、流動性被覆材を前記被覆材充填空間に充填して前記組積ユニットの上面及び下面を前記被覆材の硬化体で被覆することを特徴とする組積ユニットの成形方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、組積ユニットの上面及び下面は、流動性被覆材の硬化体で被覆される。硬化体表面の精度は、型枠面の精度に依存するので、高い寸法精度の型枠を予め用意することにより、上面及び下面の寸法精度を向上した多数の組積ユニットを製造することができる。従って、本発明によれば、組積面(上面及び下面)を研磨せずに、組積面の高い寸法精度(標準偏差=約0.1mm)、平滑性及び水平性を確保し、組積ユニットの生産性及び廉価性を向上することができる。
本発明は又、上記構成の成形方法において、貫通孔を有する組積ユニットを型枠内に収容し、芯材を貫通孔内に挿入し、組積ユニットの上面及び下面と貫通孔の内壁面とを同時に被覆材硬化体で被覆することを特徴とする組積ユニットの成形方法を提供する。
このような本発明の構成によれば、内周面を流動性被覆材の硬化体で被覆した貫通孔が組積ユニットに形成される。貫通孔の内寸及び位置は、芯材の外寸及び位置により決定され、内周面の精度は、芯材の外周面の精度に依存する。このため、型枠内に挿入すべき組積ユニット(組積ユニットの原形又は素材)には、最終的位置、寸法及び精度の貫通孔を形成する必要がなく、最終的な貫通孔の位置を包含する未仕上げ又は概略寸法・位置の貫通孔(貫通孔原形)を形成すれば良い。しかも、貫通孔の最終的な寸法、位置及び精度は、芯材によって決定されるので、貫通孔原形は、最終寸法、位置及び精度と直接関係なく、均一又は均等な寸法・形状に設定することができる。従って、高い精度で精密又は正確に組積ユニットを穿孔する工程を省略し、組積ユニットの生産性及び廉価性を更に向上させることができる。
本発明は更に、上記構成の成形方法において、上記型枠内に収容すべき組積ユニットとして、全体的に直方体形状を有する煉瓦を使用したことを特徴とする組積ユニット成形方法を提供する。組積面を被覆材硬化体で平滑且つ水平に仕上げた組積ユニットは、研磨工程を省略したにもかかわらず、層間金属プレートを介して高精度に組積することができる。しかも、このような組積ユニットは、ボルト・ナット等の機械的締結力によって高精度の乾式組積構造体として一体化する。従って、上記成形方法に従って成形された組積ユニットは、DUP工法の煉瓦として好適に使用することができる。
本発明は又、煉瓦を使用した上記成形方法において、上記型枠内に収容すべき組積ユニット(組積ユニットの原形又は素材)として、複数の貫通孔を有する煉瓦を使用することを特徴とする組積ユニット成形方法を提供する。このような成形方法によれば、比較的大きな内寸を有する均等な貫通孔を従来技術に従って煉瓦焼成時に成形した煉瓦を用意し、これを組積ユニットの素材又は原形として使用し、ナット、ボルト等を夫々収容可能な任意寸法の貫通孔を被覆材硬化体で形成することができる。
一般に、煉瓦焼成時に成形した煉瓦の孔は、位置及び寸法的精度が劣り、このため、DUP工法の煉瓦の孔としては使用し難い。しかし、このような煉瓦の孔の内面を上面及び下面の被覆と同時に被覆材で被覆することにより、DUP工法の煉瓦として必要なナット収容用貫通孔及びボルト挿通用貫通孔を比較的高い精度で汎用煉瓦に形成することができる。
所望により、貫通孔の少なくとも一つに芯材を挿入せずに流動性被覆材を被覆材充填空間に充填し、これにより、貫通孔の少なくとも一つに被覆材を充填することができる。このような成形方法によれば、組積ユニットの孔の数及び位置を適当に設定変更することができる。
本発明の好適な実施形態では、上記組積ユニットを型枠内に収容し、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間を組積ユニットの各端面(小口面)と型枠面との間に更に画成する。好ましくは、この被覆材充填空間は、組積ユニットの上下面に形成された前述の被覆材充填空間と連通する。このような構成によれば、組積ユニットの小口面も又、流動性被覆材の硬化体で被覆され、隣り合う組積ユニット同士の相対位置の施工精度を向上し、高精度の垂直目地(縦目地)を比較的容易に組積ユニットの間に形成することができる。
本発明の更に好適な実施形態において、上記型枠は、鋼製型枠等の金属製型枠からなる。型枠として、被覆材充填圧力に耐える適切な強度を備えた樹脂製型枠又はセラミック製型枠等を使用することができる。好ましくは、型枠は、上型及び下型からなり、下型は、煉瓦の上面、下面、両小口面に対応する四面を有する四方枠と、四方枠に昇降可能に組付け可能な底板部とから構成される。上型は、組積ユニットの本体(素材又は原形)を頂部開口形の下型の中に収容した状態で下型の頂部開口を閉塞する。型枠内には、流動性被覆材を圧入可能な被覆材注入キャビティが形成される。更に好ましくは、被覆材注入ゲートが型枠に設けられ、被覆材注入ゲートは、ポンプ等の被覆材圧入手段又は加圧手段を備えた被覆材圧送系の管路を介して流動性被覆材の供給源に接続される。
好適には、下型の垂直壁には、上記芯材を挿入可能な芯材挿入用開口部が形成される。芯材は、開口部に挿入され、組積ユニットに予め形成された貫通孔に挿通される。第2の被覆材充填空間が、芯材の外面と貫通孔の内面との間に形成され、前述の被覆材充填空間に圧入された流動性被覆材は、芯材外面と貫通孔内面との間の第2充填空間に充填される。
被覆材の硬化後、芯材は、型枠から分離される。底板部の押上げ等により、上型が分離され、同時に、上下面(所望により、上下面及び両小口面)及び貫通孔内面を被覆材の硬化体で被覆した組積ユニットが脱型される。
更に好適には、型枠は、組積ユニットの縁部を縁取るように型枠内空間に突出又は膨出する段部、目地棒、面取り部、隆起部又は垂下部等を備える。これにより、被覆材を被覆しない組積ユニットの面(正面及び背面)と、上面及び下面等の被覆層とを明確に分離又は区分することができる。
流動性被覆材として、ポルトランドセメント等のセメント、細骨材及び水(所望により、更に混和剤)を混練して得られたセメントペーストを好適に使用し得る。好適に使用可能な混和剤として、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、高分子混和剤、増粘剤、早強剤、防水剤等を例示し得る。好適に使用可能な細骨材として、フライアッシュ(石炭灰)、フライアッシュ起源超微粉末、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等を例示し得る。
被覆材として、フライアッシュを比較的多量に混合したセメントペースト(例えば、水185kg、ポルトランドセメント285kg及びフライアッシュ455kgの混合比で混合したセメントペースト)を好適に使用することができる。このようなフライアッシュの使用は、石炭火力発電所の副産物を有効利用する廃材再利用の観点から有益である。また、フライアッシュの流動化促進作用によって、型枠内空間に密実に充填可能な被覆材の流動性が得られるので、フライアッシュの使用は、有利である。
レジンモルタル、或いは、繊維補強コンクリート等のコンクリートを被覆材として使用しても良い。被覆材として、各種ポルトランドセメントを主成分とする流動材の他、混合セメント、石膏、石灰、ドロマイトプラスター、合成樹脂等を主成分とする流動材を使用することも可能である。
好ましくは、被覆材の被覆厚は、2mm〜5mmに設定される。被覆材の成分、混合比、厚さ等は、組積ユニットの種類、製造条件、使用条件等に相応して適宜設定変更し得る。
本発明者の実験によれば、2〜5mm程度の薄い被覆層を通常のセメントモルタルによって煉瓦上に形成する場合には、煉瓦の吸水性等と関連してセメントモルタルの硬化時に多数のひび割れが発生し易い。他方、上述の如く、フライアッシュ(石炭灰)を骨材として混入したセメントペーストを用いた場合、表面のひび割れが発生しないことが確認された。従って、フライアッシュ(石炭灰)を細骨材として混入したセメント系被覆材の使用は、本発明において殊に有効である。この場合、セメントペーストは、少なくとも重量比3%、好ましくは、重量比5%以上のフライアッシュを含むことが望ましい。本発明者の実験においては、硬化後のペーストセメントの比重、圧縮強度及び弾性係数は、次のとおりであった。
比重:約2.3
圧縮強度(材齢28日):20〜50N/mm2
弾性係数(材齢28日):2〜3×104N/mm2
前記組積ユニットを型枠内に収容し、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間を前記組積ユニットの上面及び下面と型枠面との間に画成し、流動性被覆材を前記被覆材充填空間に充填して前記組積ユニットの上面及び下面を前記被覆材の硬化体で被覆することを特徴とする組積ユニットの成形方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、組積ユニットの上面及び下面は、流動性被覆材の硬化体で被覆される。硬化体表面の精度は、型枠面の精度に依存するので、高い寸法精度の型枠を予め用意することにより、上面及び下面の寸法精度を向上した多数の組積ユニットを製造することができる。従って、本発明によれば、組積面(上面及び下面)を研磨せずに、組積面の高い寸法精度(標準偏差=約0.1mm)、平滑性及び水平性を確保し、組積ユニットの生産性及び廉価性を向上することができる。
本発明は又、上記構成の成形方法において、貫通孔を有する組積ユニットを型枠内に収容し、芯材を貫通孔内に挿入し、組積ユニットの上面及び下面と貫通孔の内壁面とを同時に被覆材硬化体で被覆することを特徴とする組積ユニットの成形方法を提供する。
このような本発明の構成によれば、内周面を流動性被覆材の硬化体で被覆した貫通孔が組積ユニットに形成される。貫通孔の内寸及び位置は、芯材の外寸及び位置により決定され、内周面の精度は、芯材の外周面の精度に依存する。このため、型枠内に挿入すべき組積ユニット(組積ユニットの原形又は素材)には、最終的位置、寸法及び精度の貫通孔を形成する必要がなく、最終的な貫通孔の位置を包含する未仕上げ又は概略寸法・位置の貫通孔(貫通孔原形)を形成すれば良い。しかも、貫通孔の最終的な寸法、位置及び精度は、芯材によって決定されるので、貫通孔原形は、最終寸法、位置及び精度と直接関係なく、均一又は均等な寸法・形状に設定することができる。従って、高い精度で精密又は正確に組積ユニットを穿孔する工程を省略し、組積ユニットの生産性及び廉価性を更に向上させることができる。
本発明は更に、上記構成の成形方法において、上記型枠内に収容すべき組積ユニットとして、全体的に直方体形状を有する煉瓦を使用したことを特徴とする組積ユニット成形方法を提供する。組積面を被覆材硬化体で平滑且つ水平に仕上げた組積ユニットは、研磨工程を省略したにもかかわらず、層間金属プレートを介して高精度に組積することができる。しかも、このような組積ユニットは、ボルト・ナット等の機械的締結力によって高精度の乾式組積構造体として一体化する。従って、上記成形方法に従って成形された組積ユニットは、DUP工法の煉瓦として好適に使用することができる。
本発明は又、煉瓦を使用した上記成形方法において、上記型枠内に収容すべき組積ユニット(組積ユニットの原形又は素材)として、複数の貫通孔を有する煉瓦を使用することを特徴とする組積ユニット成形方法を提供する。このような成形方法によれば、比較的大きな内寸を有する均等な貫通孔を従来技術に従って煉瓦焼成時に成形した煉瓦を用意し、これを組積ユニットの素材又は原形として使用し、ナット、ボルト等を夫々収容可能な任意寸法の貫通孔を被覆材硬化体で形成することができる。
一般に、煉瓦焼成時に成形した煉瓦の孔は、位置及び寸法的精度が劣り、このため、DUP工法の煉瓦の孔としては使用し難い。しかし、このような煉瓦の孔の内面を上面及び下面の被覆と同時に被覆材で被覆することにより、DUP工法の煉瓦として必要なナット収容用貫通孔及びボルト挿通用貫通孔を比較的高い精度で汎用煉瓦に形成することができる。
所望により、貫通孔の少なくとも一つに芯材を挿入せずに流動性被覆材を被覆材充填空間に充填し、これにより、貫通孔の少なくとも一つに被覆材を充填することができる。このような成形方法によれば、組積ユニットの孔の数及び位置を適当に設定変更することができる。
本発明の好適な実施形態では、上記組積ユニットを型枠内に収容し、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間を組積ユニットの各端面(小口面)と型枠面との間に更に画成する。好ましくは、この被覆材充填空間は、組積ユニットの上下面に形成された前述の被覆材充填空間と連通する。このような構成によれば、組積ユニットの小口面も又、流動性被覆材の硬化体で被覆され、隣り合う組積ユニット同士の相対位置の施工精度を向上し、高精度の垂直目地(縦目地)を比較的容易に組積ユニットの間に形成することができる。
本発明の更に好適な実施形態において、上記型枠は、鋼製型枠等の金属製型枠からなる。型枠として、被覆材充填圧力に耐える適切な強度を備えた樹脂製型枠又はセラミック製型枠等を使用することができる。好ましくは、型枠は、上型及び下型からなり、下型は、煉瓦の上面、下面、両小口面に対応する四面を有する四方枠と、四方枠に昇降可能に組付け可能な底板部とから構成される。上型は、組積ユニットの本体(素材又は原形)を頂部開口形の下型の中に収容した状態で下型の頂部開口を閉塞する。型枠内には、流動性被覆材を圧入可能な被覆材注入キャビティが形成される。更に好ましくは、被覆材注入ゲートが型枠に設けられ、被覆材注入ゲートは、ポンプ等の被覆材圧入手段又は加圧手段を備えた被覆材圧送系の管路を介して流動性被覆材の供給源に接続される。
好適には、下型の垂直壁には、上記芯材を挿入可能な芯材挿入用開口部が形成される。芯材は、開口部に挿入され、組積ユニットに予め形成された貫通孔に挿通される。第2の被覆材充填空間が、芯材の外面と貫通孔の内面との間に形成され、前述の被覆材充填空間に圧入された流動性被覆材は、芯材外面と貫通孔内面との間の第2充填空間に充填される。
被覆材の硬化後、芯材は、型枠から分離される。底板部の押上げ等により、上型が分離され、同時に、上下面(所望により、上下面及び両小口面)及び貫通孔内面を被覆材の硬化体で被覆した組積ユニットが脱型される。
更に好適には、型枠は、組積ユニットの縁部を縁取るように型枠内空間に突出又は膨出する段部、目地棒、面取り部、隆起部又は垂下部等を備える。これにより、被覆材を被覆しない組積ユニットの面(正面及び背面)と、上面及び下面等の被覆層とを明確に分離又は区分することができる。
流動性被覆材として、ポルトランドセメント等のセメント、細骨材及び水(所望により、更に混和剤)を混練して得られたセメントペーストを好適に使用し得る。好適に使用可能な混和剤として、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、高分子混和剤、増粘剤、早強剤、防水剤等を例示し得る。好適に使用可能な細骨材として、フライアッシュ(石炭灰)、フライアッシュ起源超微粉末、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等を例示し得る。
被覆材として、フライアッシュを比較的多量に混合したセメントペースト(例えば、水185kg、ポルトランドセメント285kg及びフライアッシュ455kgの混合比で混合したセメントペースト)を好適に使用することができる。このようなフライアッシュの使用は、石炭火力発電所の副産物を有効利用する廃材再利用の観点から有益である。また、フライアッシュの流動化促進作用によって、型枠内空間に密実に充填可能な被覆材の流動性が得られるので、フライアッシュの使用は、有利である。
レジンモルタル、或いは、繊維補強コンクリート等のコンクリートを被覆材として使用しても良い。被覆材として、各種ポルトランドセメントを主成分とする流動材の他、混合セメント、石膏、石灰、ドロマイトプラスター、合成樹脂等を主成分とする流動材を使用することも可能である。
好ましくは、被覆材の被覆厚は、2mm〜5mmに設定される。被覆材の成分、混合比、厚さ等は、組積ユニットの種類、製造条件、使用条件等に相応して適宜設定変更し得る。
本発明者の実験によれば、2〜5mm程度の薄い被覆層を通常のセメントモルタルによって煉瓦上に形成する場合には、煉瓦の吸水性等と関連してセメントモルタルの硬化時に多数のひび割れが発生し易い。他方、上述の如く、フライアッシュ(石炭灰)を骨材として混入したセメントペーストを用いた場合、表面のひび割れが発生しないことが確認された。従って、フライアッシュ(石炭灰)を細骨材として混入したセメント系被覆材の使用は、本発明において殊に有効である。この場合、セメントペーストは、少なくとも重量比3%、好ましくは、重量比5%以上のフライアッシュを含むことが望ましい。本発明者の実験においては、硬化後のペーストセメントの比重、圧縮強度及び弾性係数は、次のとおりであった。
比重:約2.3
圧縮強度(材齢28日):20〜50N/mm2
弾性係数(材齢28日):2〜3×104N/mm2
図1は、DUP工法の煉瓦壁を備えた建築物を例示する概略断面図である。
図2は、外壁を構成する標準煉瓦の構造を示す平面図、正面図、I−I線断面図及び斜視図である。
図3は、型枠内に収容すべき煉瓦本体の形態を示す平面図、正面図、II−II線断面図及び斜視図である。
図4は、煉瓦組積構造を概略的に示す斜視図、平面図及び正面図である。
図5は、煉瓦の成形型枠を示す斜視図である。
図6は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図であり、型締め前の状態が示されている。
図7は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図であり、被覆材注入前の状態が示されている。
図8は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図であり、被覆材注入時の状態が示されている。
図9は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図であり、芯材引抜き時の状態が示されている。
図10は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図であり、脱型時の状態が示されている。
図11は、成形後の煉瓦の組積手順を示す縦断面図である。
図12は、4段に組積した煉瓦壁の状態を示す縦断面図である。
図13は、外壁を構成する他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、III−III線断面図及び斜視図である。
図14は、図13に示す煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。
図15は、更に他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、IV−IV線断面図及び斜視図である。
図16は、図15に示す煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。
図2は、外壁を構成する標準煉瓦の構造を示す平面図、正面図、I−I線断面図及び斜視図である。
図3は、型枠内に収容すべき煉瓦本体の形態を示す平面図、正面図、II−II線断面図及び斜視図である。
図4は、煉瓦組積構造を概略的に示す斜視図、平面図及び正面図である。
図5は、煉瓦の成形型枠を示す斜視図である。
図6は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図であり、型締め前の状態が示されている。
図7は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図であり、被覆材注入前の状態が示されている。
図8は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図であり、被覆材注入時の状態が示されている。
図9は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図であり、芯材引抜き時の状態が示されている。
図10は、煉瓦の成形工程を示す縦断面図であり、脱型時の状態が示されている。
図11は、成形後の煉瓦の組積手順を示す縦断面図である。
図12は、4段に組積した煉瓦壁の状態を示す縦断面図である。
図13は、外壁を構成する他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、III−III線断面図及び斜視図である。
図14は、図13に示す煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。
図15は、更に他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、IV−IV線断面図及び斜視図である。
図16は、図15に示す煉瓦の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、DUP工法の煉瓦壁を備えた建築物を例示する概略断面図である。
建築物は、基礎及び床スラブ1、外壁2、内側壁3、2階床組5、天井6、小屋組4及び屋根材(図示せず)を備える。外壁2は、DUP工法に従って煉瓦10を基礎及び床スラブ1上に組積した煉瓦壁からなる。内側壁3は、木造2×4工法に使用される木製パネル部材からなり、基礎及び床スラブ1上に建込まれる。小屋組4は、内側壁3の上端に支持され、屋根材は、小屋組4の上面に施工される。小屋組4の荷重は、鉛直荷重として内側壁3に作用し、内側壁3の耐荷力により支持される。
剪断補強金物7の外端部が、外壁2の最上端部に固定され、内側壁3側に水平に延びる。剪断補強金物7の内端部は、下側に直角に屈曲し、内側壁3の上端部に連結される。2階床組5及び上階内側壁3は、横架材9によって支持される。中間階剪断補強手段8が、横架材9と外壁2とを応力伝達可能に相互連結する。小屋組4及び内側壁3に作用する水平荷重(地震力等)は、剪断補強金物7及び剪断補強手段8を介して外壁2に伝達し、外壁2の耐震力によって支持される。
図2は、外壁2を構成する標準的又は代表的な煉瓦の構造を示す平面図、正面図、I−I線断面図及び斜視図であり、図3は、煉瓦本体(素材又は原形)の形態を示す平面図、正面図、II−II線断面図及び斜視図である。
図2に示す煉瓦10は、粘土の高温焼成により一体成形された煉瓦本体11と、本体11の上面、下面、左端面(左小口面)及び右端面(右小口面)を被覆する被覆層12とから構成される。円形断面の垂直な大径中空部20及びボルト挿通孔30が、煉瓦10の長手方向に整列配置され、煉瓦10を上下方向に貫通する。大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周壁面も又、被覆層12によって被覆される。
被覆層12は、セメント、細骨材及び水(所望により、更に混和剤)を混練して得られたセメント系流動材の硬化物からなる。使用可能な混和剤として、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、高分子混和剤、増粘剤、早強剤、防水剤等を例示し得る。好適に使用可能な細骨材として、フライアッシュ(石炭灰)、フライアッシュ起源超微粉末、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等を例示し得る。セメント、細骨材及び水の混合比は、煉瓦10の形態、製造条件、使用条件等に相応して適宜設定される。
本例において、煉瓦10、被覆層12、中空部20及びボルト挿通孔30の各寸法値は、以下のとおり設定される。
煉瓦の幅W、奥行D、高さH:220mm×110mm×85mm
ボルト挿通孔及び中空部の中心位置a、b:55mm、55mm
ボルト挿通孔及び中空部の直径d1、d2:16mm、40mm
縁部寸法e,f:5mm
被覆材の被覆厚t:5mm
これら寸法値より明らかなとおり、煉瓦10は、縦横比1:2(平面寸法比)のプロポーションを有し、半部の平面形状は、正方形である。大径中空部20及びボルト挿通孔30の各中心は、煉瓦10の幅(W)方向に均等な相互間隔(b)を隔てて煉瓦10の中心線上に配置される。ボルト挿通孔30は、煉瓦10の片側半部(図示左側の半部)の中心に位置し、大径中空部20は、煉瓦10の他側半部(図示右側の半部)の中心に位置する。
本体(素材又は原形)11は、図3に示す如く、全体的に直方体形状に焼成された通常の煉瓦からなり、本体11には、比較的大形且つ円形断面の貫通孔20’、30’が等間隔に形成されている。このような形態の煉瓦は、従来製法により焼成可能な汎用の煉瓦製品として、市場で比較的容易に入手し得る。
貫通孔30’、20’の直径d1’、d2’は、いずれも、d2+2×tに設定される。従って、本体11は、その中心線上に均等間隔bを隔てて整列配置された同一直径d1’、d2’(=d2+2×t)の貫通孔30’、20’を備える。
図4は、外壁2の煉瓦組積構造を示す斜視図、平面図及び正面図である。
図4には、煉瓦10を鉄筋コンクリート基礎1の上に4層に組積した状態が示されている。上下の煉瓦10の間には、ボルト穴53を有する層間金属プレート50が介挿され、ナット70が中空部20に挿入される。ボルト挿通孔30及びボルト穴53に挿通されたボルト60が、ナット70に螺入する。ボルト60、バネ座金62、丸座金63及び長ナット70が組付けられ、煉瓦10及び金属プレート50は、これらの緊締要素60:62:63:70の締付けトルクによって一体化する。図4(B)及び図4(C)に示すように、ボルト60及びナット70は、均等な相互間隔(2b)を隔てて煉瓦壁(外壁2)の中心線上に交互に配置される。所望により、シーリング材等の目地充填材が、上下及び左右の煉瓦10の間に形成された横目地及び縦目地に充填される。
図5は、煉瓦10の成形型枠を示す斜視図であり、図6〜図10は、煉瓦10の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。
煉瓦10を成形するための鋼製型枠が、図5に示されている。型枠は、煉瓦10の本体11を収容可能な頂部開口形の下型80と、下型80の頂部開口を閉鎖可能な上型90とから構成される。
下型80は、互いに組付け可能な矩形筐体部81及び可動底板部82からなり、頂部開口形の成形空間87を形成する。筐体部81は、左右の側板83及び両端壁84を一体化した長方形の枠体構造を有する。底板部82は、筐体部81の下面開口に挿入可能な平面輪郭を有し、底板部82の平面寸法は、筐体部81の内寸と実質的に一致する。図6に示す如く、筐体部81内に挿入された底板部82は、筐体部81の内壁面に摺接し、筐体部81の枠体内に上下動可能に保持される。底板部82の外周部には、水平底面88から隆起した方形断面の隆起帯89が形成される。隆起帯88の断面寸法は、煉瓦10の縁部寸法e、fに相応する寸法値に設定される。
上型90は、実質的に底板部82と同一の平面輪郭及び平面寸法を有し、図7に示すように、筐体部81内に上から挿入され、下型80内の成形空間87を閉塞する。筐体部81の内壁面に上下動可能に摺接する。上型90の外周部には、水平頂面91から垂下する方形断面の垂下帯92が形成される。垂下帯92の断面寸法は、煉瓦10の縁部寸法e、fに相応する寸法値に設定される。
図5に示す如く、下型80の左右の側板83には、円柱形輪郭の芯材95、96を挿入可能な円形開口部85、86が夫々形成される。両側の開口部85同士および開口部86同士は対向し、下型80は、長手方向の中心軸線に対して対称な構造を有する。開口部85、86の中心間隔は、大径中空部20及びボルト挿通孔30の中心間距離と同じく、寸法値bに設定される。芯材95、96は、鋼製丸棒又は鋼製円筒部材からなる。開口部85、86の中心は、本体11を型枠内に挿入したときに本体11の貫通孔20’、30’の中心と整合するように位置決めされる。
芯材95、96は、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周面を成形するためのインサートとして成形時に機能する。開口部85、86は、芯材95、96を型枠内の所定位置に位置決めし且つ保持するガイド手段且つ保持手段として成形時に機能する。開口部85の直径は、煉瓦10の中空部20(図2)と同一の直径d2に設定され、芯材95の外径は、直径d2と実質的に同一、若しくは、直径d2よりも僅かに小さい寸法値に設定される。開口部86の直径は、煉瓦10のボルト挿通孔30(図2)と同一の直径d1に設定され、芯材96の外径は、直径d1と実質的に同一、若しくは、直径d1よりも僅かに小さい寸法値に設定される。
成形工程の初期段階(下型セット段階)において、底板部82は、筐体部81の下面開口から筐体部81内に挿入され、図6に示す如く、型枠の底壁を形成する。煉瓦10の本体11は、貫通孔20’、30’を側面に向けた姿勢(横向きの姿勢)で筐体部81の頂部開口から成形空間87内に垂直に挿入され、図6に破線で示す如く、水平底面88に着座する。水平底面88の平面寸法は、本体11の正面寸法(W−2e)×(H−2e)と実質的に一致し、本体11は、底板部82の隆起帯89によって成形空間87内の所定位置に位置決めされる。
芯材95、96が開口部85、86を介して本体11の貫通孔20’、30’に挿通される。上型90が筐体部81の頂面開口から成形空間87内に挿入される。図7に示す如く、芯材95、96は、貫通孔20’、30’の中心に固定され、上型90は、型枠内空間を閉塞し、型枠内空間の頂壁を形成する。かくして、均等な厚さを有する被覆材注入用キャビティ98が、側板83と本体11の上下面との間、端壁84と本体11の小口面との間に画成される。円環状の被覆材注入用キャビティ99が、貫通孔20’、30’の内周面と、芯材95、96の外周面との間に画成される。キャビティ98、99は、互いに連通する連続空間を型枠内に形成する。
筐体部81には、スラリー注入ゲート(図示せず)が設けられる。図8に示すように、スラリー注入用ゲートは、スラリー圧送用ポンプPを介装したスラリー圧送管Lによってスラリー供給源に接続される。適度な流動性を有するセメント系流動物がポンプPによってスラリー供給源からスラリー注入ゲートに圧送され、スラリー注入ゲートから型枠内に圧入される。セメント系流動物は、型枠内空間を流動し、キャビティ98、99に充填される。
セメント系流動物の注入後、所定のスラリー硬化時間の経過時に煉瓦10の脱型が行われる。脱型段階は、図9に示す如く、芯材95、96を先行して型枠から引抜き、次いで、図10に示す如く、底板部82を昇降駆動機構(図示せず)によって押上げることにより実行される。昇降駆動機構として、流体圧(油圧・空圧)作動型シリンダ装置や、電動機等の任意の駆動源を備えた駆動装置を使用し得る。底板部82は、昇降駆動機構の駆動力で押上げられる。煉瓦10は、底板部82の圧力で押上げられ、上型90は、煉瓦10の上昇圧力で押上げられる。かくして型枠から脱型された煉瓦10は、上面、下面及び両小口面をセメント系硬化物の被覆層12で被覆するとともに、貫通孔20’、30’の内周面をセメント系硬化物の被覆層12で被覆した煉瓦である。煉瓦10の上下面の精度は、標準偏差0.118mm以内であり、煉瓦10の小口面の精度は、標準偏差0.142mm以内であり、煉瓦10は、高い寸法精度を有する。しかも、煉瓦10は、正確な寸法及び位置の大径中空部20及びボルト挿通孔30を備える。
図11には、このようにして成形した煉瓦10の組積手順が示されている。
図11に示す如く、金属プレート50が、煉瓦10の第1段A及び第2段Bの間に介挿される。金属プレート50のボルト穴53は、大径中空部20及びボルト挿通孔30と整列する。2層に積層した煉瓦と同等の高さ(長さ)を有する全螺子ボルト60Aが、中空部20、挿通孔30及びボルト穴53を貫通し、ボルト60Aを螺入可能な長ナット70が、中空部20の中空領域21に配置される。ボルト60Aの下端部は、ナット79に螺入し、締付けられる。
既に組積した煉瓦10(第1段A:第2段B)の上面にプレート50が更に配置され、丸座金63及びバネ座金62が、ボルト穴53と整合するようにプレート50上に載置される。ボルト60Aは、ボルト穴53、丸座金63及びバネ座金62を貫通して上方に突出し、長ナット70の内螺子71がボルト60Aの上端部に螺着する。
長ナット70をボルト60Bに螺着するにあたって、図11に仮想線で示す専用脱着工具100が使用される。脱着工具100は、携帯可能な駆動部101、ボルト60及び長ナット70に選択的に係合可能なソケット部102、そして、ソケット部102の基端部を駆動部101の回転軸104に一体的に連結可能な連結部103を備える。ソケット部102は、長ナット70を受入れ、駆動部101のトルクを長ナット70に伝達し、長ナット70を螺合方向に回転させる。長ナット70は、ボルト60Aに対して相対回転し、ボルト60Aの上端部に締結される。
引き続く組積工程において、上層の煉瓦10(第3段C)が下層煉瓦10(第2段B)の上に更に組積される。長ナット70が中空部20内に収容され、金属プレート50が煉瓦10(第3段C)の上に積層され、更に上層の煉瓦10(第4段D)が金属プレート50の上に積層される。ボルト60Bが、最上層煉瓦10(第4段D)のボルト挿通孔30に挿入され、ボルト60Bの下端部が長ナット70内に螺入する。前述の如く、脱着工具100は、ボルト60Bを長ナット70に螺合すべく使用される。
かくして組積した煉瓦10(第1〜4段A:B:C:D)の状態が図12に示されている。上端部及び下端部が長ナット70に螺合したボルト60には、締結トルクに相応する引張応力がプレストレスとして作用し、上下のプレート50の間の煉瓦10には、圧縮応力がプレストレスとして作用する。なお、上下及び左右の煉瓦10の間に形成された横目地及び縦目地には、所望により、シーリング材等の目地充填材が充填される。
このような組積工程において、煉瓦10は、被覆層12によって高精度に成形した平滑且つ水平な上面及び下面を備えるので、煉瓦10、金属プレート50及び各緊締要素60:62:63:70は、所定の締付けトルクによって高精度に一体化する。従って、高い施工精度の煉瓦壁を組積することができる。
図13は、外壁2を構成する他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、III−III線断面図及び斜視図であり、図14は、図13に示す煉瓦10’の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。各図において、図2〜図12に示す構成要素と実質的に同一の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
図13に示す煉瓦10’は、本体11’の上面及び下面を被覆する被覆層12を備える。被覆層12は又、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周壁面を被覆する。本体11’の幅は、煉瓦10’の幅Wと一致し、被覆層12は、煉瓦10’の端面(小口面)には、設けられていない。このような煉瓦10’は、小口面が外界に露出する壁体部分等に好ましく使用し得る。
図14に示す如く、本体11’は、前述の型枠と実質的に同一の型枠内に収容される。前述の如く、底板部82及び上型90が筐体部81の下面開口及び頂部開口から筐体部81内に挿入される。芯材95、96が開口部85、86を介して本体11’の貫通孔20’、30’に挿通され、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周面を成形するためのインサートを型枠内に形成する。被覆材注入用キャビティ98、99が、本体11’を型枠内に収容した状態で型枠内に形成され、適度な流動性を有するセメント系流動物がポンプPによってスラリー供給源からスラリー注入ゲートに圧送され、スラリー注入ゲートからキャビティ98、99内に圧入される。
セメント系流動物は、キャビティ98、99に充填され、流動物の硬化後、煉瓦10’の脱型工程が前述の如く実施され、被覆層12を被覆した煉瓦10’が、型枠から脱型される。
図15は、更に他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、IV−IV線断面図及び斜視図であり、図16は、図15に示す煉瓦10”の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。各図において、図2〜図12に示す構成要素と実質的に同一の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
図15に示す煉瓦10”は、図2〜12に示す実施例と同じく、セメント系硬化物の被覆層12を備える。被覆層12は、本体11の上下面及び端面を被覆するとともに、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周壁面を被覆する。
図16に示す如く、下型80の側板83は、本体11の中央の貫通孔20’に相応する円形開口部85を備えておらず、これを貫通する芯材95は、用いられない。このため、型枠内に注入されたセメント系流動物は、本体11の中央の貫通孔20’(図3)に充填される。この結果、煉瓦10”は、図15に示す如く、単一のボルト挿通孔30と、単一の大径中空部20とを備える。即ち、本例の成形方法では、貫通孔20’の一方には芯材が挿入されず、流動性被覆材をキャビティ98、99に充填する際に、貫通孔20’の一方に被覆材が充填されるので、前述の各実施例と比べて、大径中空部20の数が減少する。煉瓦10”の他の構造及び成形方法は、図1〜12に示す実施例と実質的に同じである。
以上説明した如く、本発明の成形方法によれば、煉瓦本体11、11’を型枠内に収容し、セメント系流動物を充填可能なキャビティ98、99を形成し、セメント系流動物をキャビティ98、99に充填して煉瓦本体11、11’の上下面(及び両小口面)および貫通孔20’、30’の内周面をセメント系硬化物で被覆する。従って、高い寸法精度の上面及び下面を煉瓦10、10’、10”に形成するとともに、正確な寸法及び位置の大径中空部20及びボルト挿通孔30を煉瓦10、10’、10”に形成することができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、壁体の角部又は柱型部等に使用されるコーナー煉瓦等の異形煉瓦を上記成形方法に従って成形することができる。
また、コンクリートブロック等の従来のユニット型建築材料に上記成形方法を適用して乾式組積工法の組積ユニットを成形しても良い。
更には、複数の型枠を連結し、或いは、複数の組積ユニットを収容可能な複数の成形空間を有する型枠を用意し、複数の組積ユニットを同時に成形するようにしても良い。
また、スラリー圧送管及びスラリー注入用ゲートを連通させるスラリー注入用チャンネルを型枠に形成しても良い。
なお、高い充填圧力を要しない場合には、上型を省略し、下型のみで型枠を構成することも可能である。
また、上記実施例では、芯材を挿入可能な開口部を型枠の両側の側板に配設したが、片側の側板のみに開口部を配設しても良い。片側の側壁のみに開口部を設ける場合には、芯材先端部を位置決めする位置決め手段を型枠に設けることが望ましい。例えば、芯材の先端部を位置決めするための位置決めピン及びピン係合部等を他方の側(反対側)の側板及び芯材先端面に設けたり、或いは、弾力部材を芯材の先端面に取付け、芯材先端部を反対側の型枠内面に押圧して芯材の位置を固定するような構成を採用することができる。
図1は、DUP工法の煉瓦壁を備えた建築物を例示する概略断面図である。
建築物は、基礎及び床スラブ1、外壁2、内側壁3、2階床組5、天井6、小屋組4及び屋根材(図示せず)を備える。外壁2は、DUP工法に従って煉瓦10を基礎及び床スラブ1上に組積した煉瓦壁からなる。内側壁3は、木造2×4工法に使用される木製パネル部材からなり、基礎及び床スラブ1上に建込まれる。小屋組4は、内側壁3の上端に支持され、屋根材は、小屋組4の上面に施工される。小屋組4の荷重は、鉛直荷重として内側壁3に作用し、内側壁3の耐荷力により支持される。
剪断補強金物7の外端部が、外壁2の最上端部に固定され、内側壁3側に水平に延びる。剪断補強金物7の内端部は、下側に直角に屈曲し、内側壁3の上端部に連結される。2階床組5及び上階内側壁3は、横架材9によって支持される。中間階剪断補強手段8が、横架材9と外壁2とを応力伝達可能に相互連結する。小屋組4及び内側壁3に作用する水平荷重(地震力等)は、剪断補強金物7及び剪断補強手段8を介して外壁2に伝達し、外壁2の耐震力によって支持される。
図2は、外壁2を構成する標準的又は代表的な煉瓦の構造を示す平面図、正面図、I−I線断面図及び斜視図であり、図3は、煉瓦本体(素材又は原形)の形態を示す平面図、正面図、II−II線断面図及び斜視図である。
図2に示す煉瓦10は、粘土の高温焼成により一体成形された煉瓦本体11と、本体11の上面、下面、左端面(左小口面)及び右端面(右小口面)を被覆する被覆層12とから構成される。円形断面の垂直な大径中空部20及びボルト挿通孔30が、煉瓦10の長手方向に整列配置され、煉瓦10を上下方向に貫通する。大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周壁面も又、被覆層12によって被覆される。
被覆層12は、セメント、細骨材及び水(所望により、更に混和剤)を混練して得られたセメント系流動材の硬化物からなる。使用可能な混和剤として、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、高分子混和剤、増粘剤、早強剤、防水剤等を例示し得る。好適に使用可能な細骨材として、フライアッシュ(石炭灰)、フライアッシュ起源超微粉末、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等を例示し得る。セメント、細骨材及び水の混合比は、煉瓦10の形態、製造条件、使用条件等に相応して適宜設定される。
本例において、煉瓦10、被覆層12、中空部20及びボルト挿通孔30の各寸法値は、以下のとおり設定される。
煉瓦の幅W、奥行D、高さH:220mm×110mm×85mm
ボルト挿通孔及び中空部の中心位置a、b:55mm、55mm
ボルト挿通孔及び中空部の直径d1、d2:16mm、40mm
縁部寸法e,f:5mm
被覆材の被覆厚t:5mm
これら寸法値より明らかなとおり、煉瓦10は、縦横比1:2(平面寸法比)のプロポーションを有し、半部の平面形状は、正方形である。大径中空部20及びボルト挿通孔30の各中心は、煉瓦10の幅(W)方向に均等な相互間隔(b)を隔てて煉瓦10の中心線上に配置される。ボルト挿通孔30は、煉瓦10の片側半部(図示左側の半部)の中心に位置し、大径中空部20は、煉瓦10の他側半部(図示右側の半部)の中心に位置する。
本体(素材又は原形)11は、図3に示す如く、全体的に直方体形状に焼成された通常の煉瓦からなり、本体11には、比較的大形且つ円形断面の貫通孔20’、30’が等間隔に形成されている。このような形態の煉瓦は、従来製法により焼成可能な汎用の煉瓦製品として、市場で比較的容易に入手し得る。
貫通孔30’、20’の直径d1’、d2’は、いずれも、d2+2×tに設定される。従って、本体11は、その中心線上に均等間隔bを隔てて整列配置された同一直径d1’、d2’(=d2+2×t)の貫通孔30’、20’を備える。
図4は、外壁2の煉瓦組積構造を示す斜視図、平面図及び正面図である。
図4には、煉瓦10を鉄筋コンクリート基礎1の上に4層に組積した状態が示されている。上下の煉瓦10の間には、ボルト穴53を有する層間金属プレート50が介挿され、ナット70が中空部20に挿入される。ボルト挿通孔30及びボルト穴53に挿通されたボルト60が、ナット70に螺入する。ボルト60、バネ座金62、丸座金63及び長ナット70が組付けられ、煉瓦10及び金属プレート50は、これらの緊締要素60:62:63:70の締付けトルクによって一体化する。図4(B)及び図4(C)に示すように、ボルト60及びナット70は、均等な相互間隔(2b)を隔てて煉瓦壁(外壁2)の中心線上に交互に配置される。所望により、シーリング材等の目地充填材が、上下及び左右の煉瓦10の間に形成された横目地及び縦目地に充填される。
図5は、煉瓦10の成形型枠を示す斜視図であり、図6〜図10は、煉瓦10の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。
煉瓦10を成形するための鋼製型枠が、図5に示されている。型枠は、煉瓦10の本体11を収容可能な頂部開口形の下型80と、下型80の頂部開口を閉鎖可能な上型90とから構成される。
下型80は、互いに組付け可能な矩形筐体部81及び可動底板部82からなり、頂部開口形の成形空間87を形成する。筐体部81は、左右の側板83及び両端壁84を一体化した長方形の枠体構造を有する。底板部82は、筐体部81の下面開口に挿入可能な平面輪郭を有し、底板部82の平面寸法は、筐体部81の内寸と実質的に一致する。図6に示す如く、筐体部81内に挿入された底板部82は、筐体部81の内壁面に摺接し、筐体部81の枠体内に上下動可能に保持される。底板部82の外周部には、水平底面88から隆起した方形断面の隆起帯89が形成される。隆起帯88の断面寸法は、煉瓦10の縁部寸法e、fに相応する寸法値に設定される。
上型90は、実質的に底板部82と同一の平面輪郭及び平面寸法を有し、図7に示すように、筐体部81内に上から挿入され、下型80内の成形空間87を閉塞する。筐体部81の内壁面に上下動可能に摺接する。上型90の外周部には、水平頂面91から垂下する方形断面の垂下帯92が形成される。垂下帯92の断面寸法は、煉瓦10の縁部寸法e、fに相応する寸法値に設定される。
図5に示す如く、下型80の左右の側板83には、円柱形輪郭の芯材95、96を挿入可能な円形開口部85、86が夫々形成される。両側の開口部85同士および開口部86同士は対向し、下型80は、長手方向の中心軸線に対して対称な構造を有する。開口部85、86の中心間隔は、大径中空部20及びボルト挿通孔30の中心間距離と同じく、寸法値bに設定される。芯材95、96は、鋼製丸棒又は鋼製円筒部材からなる。開口部85、86の中心は、本体11を型枠内に挿入したときに本体11の貫通孔20’、30’の中心と整合するように位置決めされる。
芯材95、96は、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周面を成形するためのインサートとして成形時に機能する。開口部85、86は、芯材95、96を型枠内の所定位置に位置決めし且つ保持するガイド手段且つ保持手段として成形時に機能する。開口部85の直径は、煉瓦10の中空部20(図2)と同一の直径d2に設定され、芯材95の外径は、直径d2と実質的に同一、若しくは、直径d2よりも僅かに小さい寸法値に設定される。開口部86の直径は、煉瓦10のボルト挿通孔30(図2)と同一の直径d1に設定され、芯材96の外径は、直径d1と実質的に同一、若しくは、直径d1よりも僅かに小さい寸法値に設定される。
成形工程の初期段階(下型セット段階)において、底板部82は、筐体部81の下面開口から筐体部81内に挿入され、図6に示す如く、型枠の底壁を形成する。煉瓦10の本体11は、貫通孔20’、30’を側面に向けた姿勢(横向きの姿勢)で筐体部81の頂部開口から成形空間87内に垂直に挿入され、図6に破線で示す如く、水平底面88に着座する。水平底面88の平面寸法は、本体11の正面寸法(W−2e)×(H−2e)と実質的に一致し、本体11は、底板部82の隆起帯89によって成形空間87内の所定位置に位置決めされる。
芯材95、96が開口部85、86を介して本体11の貫通孔20’、30’に挿通される。上型90が筐体部81の頂面開口から成形空間87内に挿入される。図7に示す如く、芯材95、96は、貫通孔20’、30’の中心に固定され、上型90は、型枠内空間を閉塞し、型枠内空間の頂壁を形成する。かくして、均等な厚さを有する被覆材注入用キャビティ98が、側板83と本体11の上下面との間、端壁84と本体11の小口面との間に画成される。円環状の被覆材注入用キャビティ99が、貫通孔20’、30’の内周面と、芯材95、96の外周面との間に画成される。キャビティ98、99は、互いに連通する連続空間を型枠内に形成する。
筐体部81には、スラリー注入ゲート(図示せず)が設けられる。図8に示すように、スラリー注入用ゲートは、スラリー圧送用ポンプPを介装したスラリー圧送管Lによってスラリー供給源に接続される。適度な流動性を有するセメント系流動物がポンプPによってスラリー供給源からスラリー注入ゲートに圧送され、スラリー注入ゲートから型枠内に圧入される。セメント系流動物は、型枠内空間を流動し、キャビティ98、99に充填される。
セメント系流動物の注入後、所定のスラリー硬化時間の経過時に煉瓦10の脱型が行われる。脱型段階は、図9に示す如く、芯材95、96を先行して型枠から引抜き、次いで、図10に示す如く、底板部82を昇降駆動機構(図示せず)によって押上げることにより実行される。昇降駆動機構として、流体圧(油圧・空圧)作動型シリンダ装置や、電動機等の任意の駆動源を備えた駆動装置を使用し得る。底板部82は、昇降駆動機構の駆動力で押上げられる。煉瓦10は、底板部82の圧力で押上げられ、上型90は、煉瓦10の上昇圧力で押上げられる。かくして型枠から脱型された煉瓦10は、上面、下面及び両小口面をセメント系硬化物の被覆層12で被覆するとともに、貫通孔20’、30’の内周面をセメント系硬化物の被覆層12で被覆した煉瓦である。煉瓦10の上下面の精度は、標準偏差0.118mm以内であり、煉瓦10の小口面の精度は、標準偏差0.142mm以内であり、煉瓦10は、高い寸法精度を有する。しかも、煉瓦10は、正確な寸法及び位置の大径中空部20及びボルト挿通孔30を備える。
図11には、このようにして成形した煉瓦10の組積手順が示されている。
図11に示す如く、金属プレート50が、煉瓦10の第1段A及び第2段Bの間に介挿される。金属プレート50のボルト穴53は、大径中空部20及びボルト挿通孔30と整列する。2層に積層した煉瓦と同等の高さ(長さ)を有する全螺子ボルト60Aが、中空部20、挿通孔30及びボルト穴53を貫通し、ボルト60Aを螺入可能な長ナット70が、中空部20の中空領域21に配置される。ボルト60Aの下端部は、ナット79に螺入し、締付けられる。
既に組積した煉瓦10(第1段A:第2段B)の上面にプレート50が更に配置され、丸座金63及びバネ座金62が、ボルト穴53と整合するようにプレート50上に載置される。ボルト60Aは、ボルト穴53、丸座金63及びバネ座金62を貫通して上方に突出し、長ナット70の内螺子71がボルト60Aの上端部に螺着する。
長ナット70をボルト60Bに螺着するにあたって、図11に仮想線で示す専用脱着工具100が使用される。脱着工具100は、携帯可能な駆動部101、ボルト60及び長ナット70に選択的に係合可能なソケット部102、そして、ソケット部102の基端部を駆動部101の回転軸104に一体的に連結可能な連結部103を備える。ソケット部102は、長ナット70を受入れ、駆動部101のトルクを長ナット70に伝達し、長ナット70を螺合方向に回転させる。長ナット70は、ボルト60Aに対して相対回転し、ボルト60Aの上端部に締結される。
引き続く組積工程において、上層の煉瓦10(第3段C)が下層煉瓦10(第2段B)の上に更に組積される。長ナット70が中空部20内に収容され、金属プレート50が煉瓦10(第3段C)の上に積層され、更に上層の煉瓦10(第4段D)が金属プレート50の上に積層される。ボルト60Bが、最上層煉瓦10(第4段D)のボルト挿通孔30に挿入され、ボルト60Bの下端部が長ナット70内に螺入する。前述の如く、脱着工具100は、ボルト60Bを長ナット70に螺合すべく使用される。
かくして組積した煉瓦10(第1〜4段A:B:C:D)の状態が図12に示されている。上端部及び下端部が長ナット70に螺合したボルト60には、締結トルクに相応する引張応力がプレストレスとして作用し、上下のプレート50の間の煉瓦10には、圧縮応力がプレストレスとして作用する。なお、上下及び左右の煉瓦10の間に形成された横目地及び縦目地には、所望により、シーリング材等の目地充填材が充填される。
このような組積工程において、煉瓦10は、被覆層12によって高精度に成形した平滑且つ水平な上面及び下面を備えるので、煉瓦10、金属プレート50及び各緊締要素60:62:63:70は、所定の締付けトルクによって高精度に一体化する。従って、高い施工精度の煉瓦壁を組積することができる。
図13は、外壁2を構成する他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、III−III線断面図及び斜視図であり、図14は、図13に示す煉瓦10’の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。各図において、図2〜図12に示す構成要素と実質的に同一の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
図13に示す煉瓦10’は、本体11’の上面及び下面を被覆する被覆層12を備える。被覆層12は又、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周壁面を被覆する。本体11’の幅は、煉瓦10’の幅Wと一致し、被覆層12は、煉瓦10’の端面(小口面)には、設けられていない。このような煉瓦10’は、小口面が外界に露出する壁体部分等に好ましく使用し得る。
図14に示す如く、本体11’は、前述の型枠と実質的に同一の型枠内に収容される。前述の如く、底板部82及び上型90が筐体部81の下面開口及び頂部開口から筐体部81内に挿入される。芯材95、96が開口部85、86を介して本体11’の貫通孔20’、30’に挿通され、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周面を成形するためのインサートを型枠内に形成する。被覆材注入用キャビティ98、99が、本体11’を型枠内に収容した状態で型枠内に形成され、適度な流動性を有するセメント系流動物がポンプPによってスラリー供給源からスラリー注入ゲートに圧送され、スラリー注入ゲートからキャビティ98、99内に圧入される。
セメント系流動物は、キャビティ98、99に充填され、流動物の硬化後、煉瓦10’の脱型工程が前述の如く実施され、被覆層12を被覆した煉瓦10’が、型枠から脱型される。
図15は、更に他の形態の煉瓦の構造を示す平面図、正面図、IV−IV線断面図及び斜視図であり、図16は、図15に示す煉瓦10”の成形工程を示す縦断面図及び横断面図である。各図において、図2〜図12に示す構成要素と実質的に同一の構成要素については、同一の参照符号が付されている。
図15に示す煉瓦10”は、図2〜12に示す実施例と同じく、セメント系硬化物の被覆層12を備える。被覆層12は、本体11の上下面及び端面を被覆するとともに、大径中空部20及びボルト挿通孔30の内周壁面を被覆する。
図16に示す如く、下型80の側板83は、本体11の中央の貫通孔20’に相応する円形開口部85を備えておらず、これを貫通する芯材95は、用いられない。このため、型枠内に注入されたセメント系流動物は、本体11の中央の貫通孔20’(図3)に充填される。この結果、煉瓦10”は、図15に示す如く、単一のボルト挿通孔30と、単一の大径中空部20とを備える。即ち、本例の成形方法では、貫通孔20’の一方には芯材が挿入されず、流動性被覆材をキャビティ98、99に充填する際に、貫通孔20’の一方に被覆材が充填されるので、前述の各実施例と比べて、大径中空部20の数が減少する。煉瓦10”の他の構造及び成形方法は、図1〜12に示す実施例と実質的に同じである。
以上説明した如く、本発明の成形方法によれば、煉瓦本体11、11’を型枠内に収容し、セメント系流動物を充填可能なキャビティ98、99を形成し、セメント系流動物をキャビティ98、99に充填して煉瓦本体11、11’の上下面(及び両小口面)および貫通孔20’、30’の内周面をセメント系硬化物で被覆する。従って、高い寸法精度の上面及び下面を煉瓦10、10’、10”に形成するとともに、正確な寸法及び位置の大径中空部20及びボルト挿通孔30を煉瓦10、10’、10”に形成することができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、壁体の角部又は柱型部等に使用されるコーナー煉瓦等の異形煉瓦を上記成形方法に従って成形することができる。
また、コンクリートブロック等の従来のユニット型建築材料に上記成形方法を適用して乾式組積工法の組積ユニットを成形しても良い。
更には、複数の型枠を連結し、或いは、複数の組積ユニットを収容可能な複数の成形空間を有する型枠を用意し、複数の組積ユニットを同時に成形するようにしても良い。
また、スラリー圧送管及びスラリー注入用ゲートを連通させるスラリー注入用チャンネルを型枠に形成しても良い。
なお、高い充填圧力を要しない場合には、上型を省略し、下型のみで型枠を構成することも可能である。
また、上記実施例では、芯材を挿入可能な開口部を型枠の両側の側板に配設したが、片側の側板のみに開口部を配設しても良い。片側の側壁のみに開口部を設ける場合には、芯材先端部を位置決めする位置決め手段を型枠に設けることが望ましい。例えば、芯材の先端部を位置決めするための位置決めピン及びピン係合部等を他方の側(反対側)の側板及び芯材先端面に設けたり、或いは、弾力部材を芯材の先端面に取付け、芯材先端部を反対側の型枠内面に押圧して芯材の位置を固定するような構成を採用することができる。
本発明の組積ユニット成形方法は、ボルト及びナット等の機械的締結力に構造上の耐力を依存する乾式組積工法において使用される組積ユニットを製造するために使用される。本発明によれば、組積ユニットの高い寸法精度を実現するとともに、組積ユニットの生産工程を効率化し、その生産性を向上することができる。
本発明の組積ユニット成形方法は、殊に、DUP工法の煉瓦の製造に好ましく適用し得る。本発明によれば、DUP工法の煉瓦の生産工程を効率化し、その生産性を向上することができる。
本発明は又、コンクリートブロック等の従来のユニット型建築材料の成形方法として応用することができる。本発明の適用により、高精度で組積可能な乾式工法の組積ユニットを効率的に製造することが可能となる。
本発明の組積ユニット成形方法は、殊に、DUP工法の煉瓦の製造に好ましく適用し得る。本発明によれば、DUP工法の煉瓦の生産工程を効率化し、その生産性を向上することができる。
本発明は又、コンクリートブロック等の従来のユニット型建築材料の成形方法として応用することができる。本発明の適用により、高精度で組積可能な乾式工法の組積ユニットを効率的に製造することが可能となる。
Claims (14)
- 上下の組積ユニットの間に金属プレートを介挿し、緊締要素の機械的締結力によって上下の組積ユニットを一体化する乾式組積工法に使用される組積ユニットの成形方法において、
前記組積ユニットを型枠内に収容し、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間を前記組積ユニットの上面及び下面と型枠面との間に画成し、流動性被覆材を前記被覆材充填空間に充填して前記組積ユニットの上面及び下面を前記被覆材の硬化体で被覆することを特徴とする組積ユニットの成形方法。 - 貫通孔を有する前記組積ユニットを前記型枠内に収容し、芯材を前記貫通孔内に挿入し、前記組積ユニットの上面及び下面と前記貫通孔の内面とを前記被覆材の硬化体で同時に被覆することを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
- 前記型枠内に収容すべき組積ユニットとして、全体的に直方体形状を有する煉瓦を使用することを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
- 前記型枠内に収容すべき組積ユニットとして、複数の貫通孔を有する煉瓦を使用することを特徴とする請求項2に記載の成形方法。
- 前記組積ユニットを型枠内に収容し、流動性被覆材を充填可能な被覆材充填空間を該組積ユニットの各端面と型枠面との間に更に画成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の成形方法。
- 前記型枠は、金属製型枠からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の成形方法。
- 前記型枠は、上型及び下型から構成され、下型は、前記組積ユニットの上面、下面及び両端面に対応する四面を有する四方枠と、該四方枠に昇降可能に組付けられる底板部とを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の成形方法。
- 被覆材注入ゲートが前記型枠に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の成形方法。
- 前記芯材を挿入可能な芯材挿入用開口部を前記型枠の壁体に形成し、前記被覆材充填空間と連通する第2の被覆材充填空間を前記貫通孔の内面と前記芯材の外面との間に形成することを特徴とする請求項2又は4に記載の成形方法。
- 前記貫通孔の少なくとも一つに前記芯材を挿入せず、前記流動性被覆材を前記被覆材充填空間に充填するときに前記貫通孔の少なくとも一つに前記被覆材を充填し、組積ユニットの孔の数を変更することを特徴とする請求項4に記載の成形方法。
- 前記底板部は、前記組積ユニットの脱型時に強制的に押上げられ、組積ユニットは、底板部の圧力により下型から脱型することを特徴とする請求項7に記載の成形方法。
- 前記型枠は、前記組積ユニットの縁部を縁取るように型枠内空間に突出又は膨出する段部、目地棒、面取り部、隆起部又は垂下部を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の成形方法。
- 石炭灰及びセメントを主成分とした流動物を前記被覆材として使用することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の成形方法。
- 前記被覆材の被覆厚は、2mm以上に設定されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の成形方法。
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