JP2009196333A - Pcパネルの製造方法 - Google Patents

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俊章 宮井
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Abstract

【課題】軽量で、しかも、外装壁面として所望の耐久性、耐候性及び強度を発揮するとともに、外装表面の高い意匠性を有するPCパネルを製造する。
【解決手段】水硬性セメント、カラー骨材、顔料及び水を含むコンクリート原料を混練してなる混合物をテーブルバイブレータ(8)上に打設し、比重2.3以上のコンクリート硬化体の表層部分(2)を成形する。テーブルバイブレータを停止して所定の乾燥硬化時間が経過した後、表層部分の上に軽量コンクリートを更に打設して比重2.1以下の裏層部分(3)を表層部分の背後層として成形する。複層構造を有するコンクリート成形体(21)を脱型した後、外装表面(4)に表面処理を施してカラー骨材の一部を外装表面に露出せしめる。
【選択図】図4

Description

本発明は、PCパネル(プレキャストコンクリートパネル)の製造方法に関するものであり、より詳細には、カラー骨材及び顔料等を含むアーキテクチュラルコンクリートのPCパネルを製造するPCパネル製造方法に関するものである。
応力伝達可能な係止具又は取付け具等の係止手段を介してプレキャストコンクリートパネル(以下「PCパネル」という)を建築物の主要構造部に固定するPCパネル工法又はPCカーテンウォール工法が、主に中高層建築物の外壁施工法として広く実用に供されている(特開2000−141349号公報、特開2002−339469号公報等)。
また、鉛直面を介して異種コンクリートを互いに隣接するように打設し、両者を一体化するコンクリート打設方法が知られている(特開2001−123666号公報)。
PCカーテンウォールの外装表面の仕上げ方法として、タイル張り、石張り、コンクリート打放し、骨材洗い出し、表面酸処理、表面塗装等の各種方法が知られている。これらの仕上げ方法には、各方法にそれぞれの特色又は長所・短所等があることが知られている。例えば、タイル張り又は石張りPCカーテンウォールにおいては、優れた意匠性が得られるが、タイルや石材の剥離を確実に防止する対策等が必要となり、パネルの形態上の制約も生じる。他方、打放しPCカーテンウォールでは、表面の意匠性が比較的単調であり、自然石のような質感や風合い等は得られない。また、骨材洗い出しPCカーテンウォールの場合は、製造時にコンクリート表面に遅延剤等を使用するため、表層部にセメント硬化不良が生じ易く、従って、外装表面の長期の耐久性を確保する上で難点がある。更には、表面酸処理PCカーテンウォールの場合、通常は、アルカリ性のセメント硬化物に酸処理を施すことから、セメント結合の破壊や、コンクリート中性化の早期進行等により長期耐久性が損なわれることが懸念される。また、塗装仕上げのPCカーテンウォールの場合、色彩等の多様性や、色彩選択等の任意性又は自由度は得られるが、自然石のような質感や、重厚感等は得られない。
特開2000−141349号公報 特開2002−339469号公報 特開2001−123666号公報
本発明者等は、建築の外装材として優れた意匠性を発揮するPCパネルを製造すべく研究を重ねた結果、PCカーテンウォール等に使用される平板形態のPCパネルを製造する際、カラー骨材又は天然骨材等を普通セメント又は白色セメントとともに混練してなるコンクリート流動体を型枠内に打設し、養生・硬化工程を経て脱型されたPCパネルの表面にサンドブラス処理を更に施して骨材の一部を表層に露出せしめ、これにより、自然石に類する質感、風合い、重厚感等を発揮するPCパネルを製造することが可能であることを知得した。このような手段で外装表面の意匠性を向上させたコンクリートは、一般にアーキテクチュラルコンクリートと呼ばれる。
しかしながら、我が国の建築物においては極めて厳格な建築物の耐震性が要求されることから、建築物の軽量化を常に期待し又は追求せざるを得ない事情がある。このような背景より、建築物の外壁を構成するPCパネルの軽量性は当業者にとって重要な課題である。このため、本発明者等は、このようなアーキテクチュラルコンクリートのPCパネルを比重約2.1以下(1.9以下)の軽量コンクリートによって製造することを試みた。しかし、一般に軽量骨材は高い吸水性を有し、その強度も比較的低いことから、サンドブラスト処理によって軽量骨材が露出したPCパネル表面によっては、外装壁面として要求される所要の水密性、耐久性、耐候性及び強度等を所望の如く確保し難い。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽量で、しかも、外装壁面として所望の耐久性、耐候性及び強度を発揮するとともに、外装表面の高い意匠性を有するPCパネルを製造するためのPCパネル製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成すべく、水硬性セメント、カラー骨材、顔料及び水を含むコンクリート原料を混練してなる混合物を型枠内のコンクリート打設空間に打設するPCパネル製造方法において、
前記コンクリート打設空間の底面を構成するテーブルバイブレータ上に前記混合物を打設し、テーブルバイブレータの振動締固め作用の下でテーブルバイブレータのテーブル上に前記混合物を流し延べて、比重2.3以上のコンクリート硬化体の表層部分を成形する工程と、
前記テーブルバイブレータを停止して所定の乾燥硬化時間が経過した後、前記表層部分の上に軽量コンクリートを更に打設して比重2.1以下のコンクリート硬化体の裏層部分を前記表層部分の背後層として成形する工程と、
前記表層部分及び裏層部分の複層構造を有するコンクリート成形体を脱型した後、前記表層部分の外装表面に表面処理を施して前記カラー骨材の一部を外装表面に露出せしめることを特徴とするPCパネル製造方法を提供する。
本発明の上記構成によれば、カラー骨材(カラー細骨材、カラー粗骨材)及び顔料を含有する比較的高い比重の表層側(外装側)コンクリート層と、相対的に低比重の裏層側(屋内側)軽量コンクリート層とから構成される複層構造のPCパネルが成形される。表層及び裏層は、先行して打設した表層コンクリートの硬化反応が適当に進行した時期に裏層側のコンクリートを後打ちする二層打ち成形法により成形される。このような二層構造のPCパネルによれば、裏層部分の軽量化によってPCパネル全体の軽量化を図るとともに、表層部分のコンクリートによって外装壁面の強度を耐久性、耐候性及び強度を確保することができ、しかも、PCパネルの外装壁面は、カラー骨材の一部を外装表面に露出させる表面処理によって高い意匠性を発揮する。
また、テーブルバイブレータの振動締固め作用の下で表層コンクリートを打設することにより、裏層側のコンクリートを積層する前に表層コンクリート中に含まれる空気を十分に排出することができるので、緻密且つ密実な外装表面を成形することが可能となる。
本発明者等は、このようにして成形した二層構造のPCパネルに関し、異種コンクリートの剪断及び付着強度試験、強度物性試験、鉄筋の付着強度試験、凍結融解試験、促進中性化試験、吸水率試験等を実施した結果、このようなPCパネルは、建築物の外壁として使用可能な性能を発揮することが確認された。また、打ち継ぎ時間(オープンタイム)90分及び30分で製造したPCパネルにおいては、打ち継ぎ界面の破断は生じないことが異種コンクリート付着強度試験(実験)によって確認された。
本発明のPCパネル製造方法によれば、軽量で、しかも、外装壁面として所望の耐久性、耐候性及び強度を発揮するとともに、外装表面の高い意匠性を有するPCパネルを製造することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記表面処理は、研磨材を外装表面に衝突させる研磨処理であり、更に好ましくは、外装表面に対するサンドブラスト処理である。
好適には、打ち継ぎ時の乾燥硬化時間(オープンタイム)は、10分〜90分の範囲内、更に好適には、20〜60分の範囲内(例えば、30分)に設定される。このような乾燥硬化時間(オープンタイム)よりも短い時間で後打ちコンクリートを打設した場合、後打ちコンクリートを棒状バイブレート等で振動締固めする際に後打ちコンクリートが先打ちコンクリートと混合することが懸念され、逆に、上記乾燥硬化時間(オープンタイム)を超える時間が経過した後に後打ちコンクリートを打設した場合、良好な打ち継ぎ界面の一体性が得られないことが懸念される。
好ましくは、表層部分の厚さは、少なくとも、外装面に近接して配筋される外側鉄筋の最小の被り厚寸法と同一の寸法に設定される。更に好ましくは、表層部分の厚さは、鉄筋を表層部分に実質的に完全に埋設可能な寸法(例えば、50〜80mm)に設定される。
本発明の好適な実施形態においては、白色又は普通セメントをベースに天然骨材を配合したアーキテクチュラルコンクリートにより、PCパネルの外装表面は、自然石に限りなく近い風合いを表出する。また、各種の色の天然骨材を主原料として、退色のない無機質顔料を白色又は普通セメントに配合することにより、従来のカラーコンクリートの問題点であった退色を防ぐとともに、色むらの少ないPCパネルを製造することが可能である。更には、外装表面は、研磨処理又はサンドブラストの作用と、骨材の種類及び配合等とを適切に組合せることにより、デザインイメージに適した最適な色調又はテクスチャーを表出する。
本発明において、内部振動機、高周波型枠振動機、ロータリースペーサ等を併用することにより、コンクリートの材料分離を生じさせることなく、脱型後の製品表面に気泡が極めて少ないPCパネルを製造することができる。本発明に従って、30N/mm2以上の圧縮強度(材齢28日)を有し、中性化、凍結融解抵抗性などの長期耐久性も従来のコンクリートと同等の性能を発揮するPCパネルを製造することができる。また、本発明のPCパネルによれば、従来の本石打ち込みPCパネルと比べ、製造コストをかなり低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1(A)〜図1(C)は、PCパネルの構造を示す部分断面図である。
図1(A)〜図1(C)に示すPCパネル1、10、20は、構造鉄筋5、6をコンクリート版内に埋設してなる鉄筋コンクリート構造の平板である。PCパネル1、10、20は、同一の厚さTを有する。屋外側に配筋された構造用鉄筋(外側鉄筋)5は、縦横にメッシュ状に配筋された縦筋5a及び横筋5bからなり、屋内側に配筋された構造用鉄筋(内側鉄筋)6は、縦横にメッシュ状に配筋された縦筋6a及び横筋6bからなる。PCパネル1、10、20には、建築物の主要構造部に応力伝達可能に取付け可能なパネル支持金具(図示せず)が所定位置に配設される。
PCパネル1、10、20のコンクリートには、顔料及びカラー骨材(カラー粗骨材及びカラー細骨材)が配合される。PCパネル1、10、20の外装表面4はサンドブラスト処理を施され、表層近傍のカラー骨材の一部は外装表面4に露出する。このため、外装表面4は、自然石に類する質感、風合い、重厚感等を有し、優れた意匠性を発揮する。このようにして意匠性を向上したコンクリートは、一般にアーキテクチュラルコンクリートと呼ばれる。
図1(A)に示すPCパネル1は、比重2.3(ton/m3)程度の普通コンクリートに鉄筋5、6を配筋してなる厚さTのPCコンクリート板からなる。これに対し、図1(B)及び図1(C)に示すPCパネル10、20は、比重2.3(ton/m3)程度の普通コンクリートからなる厚さT1の表層部分2と、比重2.1(ton/m3)以下、好ましくは、比重1.9(ton/m3)以下の軽量コンクリートからなる厚さT2の裏層部分3とから構成される。即ち、図1(A)に示すPCパネル1は、全厚さTが普通コンクリートの単一素材パネルであるのに対し、図1(B)及び図1(C)に示すPCパネル10、20は、異種コンクリート(軽量コンクリート及び普通コンクリート)の複合積層体からなり、厚さTの半分以上の厚さ(T2)部分が軽量コンクリートからなるので、PCパネル1に比べて、その全体重量がかなり軽量化されている。
表層部分2の厚さT1は、図1(B)に示すPCパネル10においては、一般的な外側鉄筋5の最小の被り厚h(約40mm)に相当する寸法に設定される。他方、図1(C)に示すPCパネル20においては、表層部分2の厚さT1は、外側鉄筋5を実質的に完全に埋設可能にする寸法(例えば、60mm)に設定される。なお、PCパネル20における表層部分2の厚さT1は、PCパネル20の使用条件、鉄筋の径及び種類等によって若干相違するが、その目標値又は管理値は、好ましくは、50〜80mmの範囲内、更に好ましくは、60〜70mmの範囲内の寸法に設定し得る。
PCパネル10、20においては、サンドブラスト処理を施す表層部分2は、比較的高比重の骨材を配合した普通コンクリート成形体からなるので、サンドブラスト処理後の外装表面4は、PCパネル1の外装表面4と同じく、十分な耐久性及び耐候性を発揮し得ると考えられる。
しかしながら、外装表面4にサンドブラスト処理を施してアーキテクチュラルコンクリートとしての優れた意匠性を発揮せしめるには、外装表面4のコンクリートの緻密性、密実性、強度等を十分に確保する必要があるが、このような異種コンクリートを打設する手法は確立されておらず、このため、本発明者等は、上記PCパネル10、20を製造するためのPCパネル製造方法に関し、主として以下の課題を解決すべく研究を重ねた。
(1)脱型後の外装表面4に関し、コンクリートの緻密性、密実性、強度等を十分に確保する。
(2)コンクリート内の巻き込み空気を十分に排出する。
(3)異種コンクリート(普通コンクリート及び軽量コンクリート)の混合を防止するとともに、両者の一体性を確保する。
(4)異種コンクリートの打継ぎ界面における十分な剪断付着性を確保する。
(5)異種コンクリートの打継ぎ界面近傍における鉄筋の付着強度を十分に確保する。
図2〜図4は、PCパネル20の製造工程を段階的に示す概略断面図及び斜視図であり、図5は、PCパネル20の部分破断斜視図である。なお、図2〜図5は、PCパネル20の製造工程を示す図であるが、PCパネル10に関しても実質的に同じ製造工程に従って製造することができる。
PCパネル20の製造工程においては、PCパネル20の端面及び側面を成形するための方形の鋼製型枠7と、外装表面4を成形するためのテーブルバイブレータ8とが使用される。アーキテクチュラルコンクリートにおいては、ノロ漏れ等が発生すると表層仕上面の不良(色むら、打設むら、ブラストむら等)が生じ易いので、型枠7及びテーブルバイブレータ8の接合部には、ゴム等の弾性体(図示せず)を用いた水密処理が施される。コンクリート打設空間9が型枠7及びテーブルバイブレータ8によって画成される。型枠7には、脱型のために必要な抜き勾配が適当に付けられる。
構造鉄筋5、6が打設空間9に配筋される。屋外側鉄筋5が屋内側鉄筋6の下側に配置される。鉄筋5、6として、D10(φ10mm)〜D13(φ13mm)程度の異形鉄筋を好適に使用し得る。鉄筋5、6は、通常は、100乃至200mm程度の間隔、例えば、150mm程度の間隔を隔てて縦横に配筋される。鉄筋5、6は、打設空間の底面(テーブルバイブレータ8の上面8a)及び頂面(型枠7の上端レベル)から所要の被り厚寸法(例えば、h=40mm)だけ上方又は下方に離間する。必要に応じて、インサート、スペーサ、中子等が打設空間9の適所に配置される。
予め調製されたアーキテクチュラルコンクリートの流動体が、型枠7及びテーブルバイブレータ8によって画成された打設空間9に流し込まれる。アーキテクチュラルコンクリートは、例えば、以下の配合(実施例1又は2)を有する混合物である。
(1)実施例1
水硬性セメント(普通ポルトランドセメント):13〜43重量部
カラー細骨材:25〜77重量部
カラー粗骨材:0〜60重量部
顔料:0〜1重量部
コンクリート用混和剤:0〜1重量部
水:5〜13重量部
必要に応じて混和材:0〜10重量部
(2)実施例2
白色セメント:15.4重量部
黄色細骨材:34.4重量部
白色粗骨材:43.7重量部
顔料:0.33重量部
コンクリート用混和剤:0.39重量部
水:6.5重量部
アーキテクチュラルコンクリートは、テーブルバイブレータ8上に設置した型枠7内の打設空間9に打設され、棒状バイブレーターによってテーブルバイブレータ8上に均一な厚さに流し延べられる。テーブルバイブレータ8が作動され、打設空間9の未硬化コンクリートは、テーブルバイブレータ8の振動締固め作用により型枠7内に密実に充填される。コンクリート中の巻き込み空気は、テーブルバイブレータ8の振動により大気に放出される。かくして打設されたアーキテクチュラルコンクリートは、図3に示す如く厚さT1の表層部分2を構成する。厚さT1は、50〜80m、好ましくは、60〜70mmに設定され、外側鉄筋5は、実質的に完全に表層部分2内に埋設される。例えば、鉄筋5として異形鉄筋(異形棒鋼)D10を用いる場合、鉄筋5を実質的に完全にアーキテクチュラルコンクリート内に埋設し得る厚さT1の最小値である62mm(=鉄筋外径11mm×2+被り厚40mm)を目標値又は管理値に設定することができる。
所要の打ち継ぎ時間(オープンタイム)が経過した後、予め調製した軽量コンクリートが打設空間9に流し込まれる。オープンタイムは、例えば、30分に設定される。軽量コンクリートは、棒状バイブレータの使用により、表層部分2の上に流し延べられ、図4に示す如く、表層部分2の上に積層される。硬化後の軽量コンクリートは、比重2.1以下(好ましくは、比重1.9以下)の比重を有する。
打設後のコンクリートは、外気温に相応して所定時間(例えば、24時間)、適切に養生される。所望により、常圧蒸気養生等が採用される。適当な養生工程の後、図5に示すコンクリート硬化体21が型枠7から脱型される。コンクリート硬化体21は、適切な強度発現のため、例えば4週間程度の自然養生期間を経た後、外装表面4のサンドブラスト処理を受ける。サンドブラスト処理においては、コンクリート硬化体21は、外装表面4を上に向けた状態で適所に設置され、所望のテクスチュア、色合い、風合い等の表面が得られるようにサンドブラスト装置の研磨材(砂)粒度、吹付け強度、吹付け距離等が適当に設定される。サンドブラスト装置の作動により、外装表面4はサンドブラスト処理され、骨材の一部が外装表面4の表層に露出する。かくして、自然石に類する質感、風合い、重厚感等を発揮するPCパネル20が製造される。なお、大きな気泡や欠け等の不良部分が生じた場合、不良部分は、外装表面4の色、仕上り具合等に相応して適切に調製した補修材によって補修される。所望により、長期間の使用によるPCパネル20の経年的な汚れ等を防止すべく、適当な表面保護材が外装表面4等に塗布される。
本発明者が実施した各種実験によれば、上記PCパネル製造方法により、(1)脱型後の外装表面4に関し、コンクリートの緻密性、密実性、強度等を十分に確保し、(2)コンクリート内の巻き込み空気を十分に排出し、(3)異種コンクリート(普通コンクリート及び軽量コンクリート)の混合を防止するとともに、両者の一体性を確保し、(4)異種コンクリートの打継ぎ界面における十分な剪断強度及び付着性を確保し、しかも、(5)異種コンクリートの打継ぎ界面近傍における鉄筋5の付着強度を十分に確保することができることが確認された。なお、中高層建築物の外壁に施工されるPCパネル又はPCカーテンウォールは、通常は、壁体の挙動又は変位を許容する係止手段等を介して建築物の主要構造部に取付けられる構造のものであることから、このような異種コンクリートの複合的なパネル構造の適用が可能となったものと考えられる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、裏層部分の軽量コンクリートとして、比重1.2以下の超軽量コンクリートを使用しても良い。
また、窓等の開口部をPCパネルに形成しても良い。本発明者の実験によれば、PCパネルの性能を損なうことなく、開口部をPCパネルに形成することができる。
本発明は、カラー骨材及び顔料等を含むアーキテクチュラルコンクリートのPCパネルを製造するPCパネル製造方法に適用される。本発明に従って製造されたPCパネルは、比較的軽量で、意匠性が高いPCパネル又はPCカーテンウォールとして中高層建築物の外壁等に施工される。
PCパネルの構造を示す部分断面図であり、異種コンクリート(軽量コンクリート及び普通コンクリート)の積層体からなるPCパネルが図1(B)及び図1(C)に示されている。 PCパネルの製造工程を段階的に示す概略断面図及び斜視図であり、配筋工程が示されている。 PCパネルの製造工程を段階的に示す概略断面図及び斜視図であり、表層部分の普通コンクリート打設工程が示されている。 PCパネルの製造工程を段階的に示す概略断面図及び斜視図であり、裏層部分の軽量コンクリート打設工程が示されている。 PCパネルの部分破断斜視図であり、脱型後のコンクリート硬化体が示されている。
符号の説明
2 表層部分
3 裏層部分
4 外装表面
5、6 構造鉄筋
7 鋼製型枠
8 テーブルバイブレータ
9 コンクリート打設空間
10、20 PCパネル
21 コンクリート硬化体
T、T1、T2 コンクリートの厚さ
h 鉄筋の被り厚

Claims (7)

  1. 水硬性セメント、カラー骨材、顔料及び水を含むコンクリート原料を混練してなる混合物を型枠内のコンクリート打設空間に打設するPCパネル製造方法において、
    前記コンクリート打設空間の底面を構成するテーブルバイブレータ上に前記混合物を打設し、テーブルバイブレータの振動締固め作用の下でテーブルバイブレータのテーブル上に前記混合物を流し延べて、比重2.3以上のコンクリート硬化体の表層部分を成形する工程と、
    前記テーブルバイブレータを停止して所定の乾燥硬化時間が経過した後、前記表層部分の上に軽量コンクリートを更に打設して比重2.1以下のコンクリート硬化体の裏層部分を前記表層部分の背後層として成形する工程と、
    前記表層部分及び裏層部分の複層構造を有するコンクリート成形体を脱型した後、前記表層部分の外装表面に表面処理を施して前記カラー骨材の一部を外装表面に露出せしめることを特徴とするPCパネル製造方法。
  2. 前記表面処理は、研磨材を前記外装表面に衝突させる研磨処理であることを特徴とする請求項1に記載のPCパネル製造方法。
  3. 前記表面処理は、前記外装表面に対するサンドブラスト処理であることを特徴とする請求項1に記載のPCパネル製造方法。
  4. 前記乾燥硬化時間は、10分〜90分の範囲内に設定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のPCパネル製造方法。
  5. 前記表層部分の厚さは、少なくとも、外装面に近接して配筋される外側鉄筋の最小の被り厚寸法と同一の寸法に設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のPCパネル製造方法。
  6. 前記表層部分の厚さは、前記鉄筋を該表層部分に埋設可能な寸法に設定されることを特徴とする請求項5に記載のPCパネル製造方法。
  7. 前記表層部分の厚さは、50〜80mmの範囲内に設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のPCパネル製造方法。
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