JP4731287B2 - コンクリート建築物の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼繊維補強モルタルの如き繊維含有水硬性組成物の硬化体からなるパネル(プレキャストパネル)を用いた、既存のコンクリート建築物の補強構造および補強方法に関する。
日本国内には、1960年代〜1970年代にかけての高度成長期に建てられ、現在、更新または補修の時期を迎えている集合住宅が数多く存在する。
これらの集合住宅は、1981年の新たな耐震基準の前に建築されているため、大地震に遭遇した場合、倒壊や、簡単な修復では済まない大きな損傷を受ける可能性がある。そのため、補強工事を予め行ない、大地震の遭遇時に受ける損傷の程度を小さく抑えることが望まれている。このような事情下において、既存の建築物を補強するための技術が、種々提案されている。
例えば、建築物の壁にアンカーボルトを取り付け、このアンカーボルトによって鋼板を前記壁と略平行に取り付け、この壁と前記鋼板との間にコンクリート又はモルタルを充填してなることを特徴とする建築物の耐震補強構造が、提案されている(特許文献1)。
また、高靭性セメントボードを、既設構造物の表面から所定の間隔を隔てて配置し、前記間隔内にコンクリート、モルタルなどの硬化性材料を充填して、前記硬化性材料を硬化させることにより、前記高靭性セメントボードを前記既設構造物に一体化させることを特徴とする既設構造物の補強工法が、提案されている(特許文献2)。この補強工法で用いる高靭性セメントボードとして、PVA繊維をセメントマトリックス中に2次元的にランダム配向させた、約10mm程度の厚みを有するセメントボードが例示されている。
特開平10−219929号公報 特開2004−52310号公報
特許文献1に記載されている補強構造では、アンカーボルトに多数の鋼板を取り付ける必要があるので、工事に手間がかかるという問題がある。また、アンカーボルトが露出するので、美観性が低下するという問題もある。
特許文献2に記載されている既設構造物の補強工法では、セメントボードを係止するためのアンカーが露出するので、美観性が低下するという問題がある。また、セメントボードを相互に接合するための繊維シートを必要とするなど、施工時の部材の数が多く、工事の工程の数の削減にも限界がある。さらに、連続的な広い施工面を有する橋脚部の補強には適しているが、比較的狭い補強対象面が断続的に存在する既設建築物(例えば、集合住宅の壁)への適用は困難である。
そこで、本発明は、短時間で容易に施工することができ、施工後の美観性が良好であり、比較的狭い補強対象面が断続的に存在する集合住宅等の既設建築物に対しても適用することができ、さらには、少量の部材および材料で効果的な補強をなし得る、コンクリート建築物の補強構造および補強方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、既存の建築材であるコンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁の中から選択される2つ以上の建築材における所定の表面領域に対して、特定のパネルと、アンカー部材と、グラウト材を用いて補強構造を形成すればよいことに想到し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
] (a)コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁の中から選択される相互に隣接する2つ以上の既存の建築材の各々の鉛直方向に延びる表面を含む連続的な表面領域を、補強対象面として定める補強面決定工程と、(b)上記2つ以上の既存の建築材に対して、上記補強対象面から適宜の長さの突出部分が形成されるようにアンカー部材を挿着するアンカー部材挿着工程と、(c)上記補強対象面の形状に対応する固着用の面を有し、かつ、該固着用の面に適宜の長さの突出部分が形成されるようにアンカー部材を挿着してなる、繊維含有水硬性組成物からなるパネルを準備するパネル準備工程と、(d)上記補強対象面に対して、適宜の距離を隔てて上記固着用の面を対向させて、上記パネルを配設するパネル配設工程と、(e)上記補強対象面と上記パネルの間の少なくとも上記アンカー部材を含む空間領域内に、グラウト材を充填して、コンクリート建築物の補強構造を完成させるグラウト材充填工程、を含むコンクリート建築物の補強方法であって、
上記パネルとして、セメントと、BET比表面積が5〜15m /gのポゾラン質微粉末と、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子と、ブレーン比表面積が2,500〜30,000cm /gの無機粉末であって、上記セメント、上記ポゾラン質微粉末及び上記繊維状粒子または薄片状粒子以外の無機粉末と、細骨材と、直径が0.01〜1.0mmで長さが2〜30mmの金属繊維と、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤と、水とからなり、かつ、上記金属繊維以外の各材料の配合量が、セメント100質量部に対して、上記ポゾラン質微粉末3〜50質量部、上記繊維状粒子または薄片状粒子0〜35質量部、上記無機粉末10〜50質量部、細骨材50〜250質量部、上記減水剤0.1〜1.0質量部(固形分換算)、水10〜35質量部で、上記金属繊維の配合量が、上記繊維含有水硬性組成物中の体積百分率で0.5〜4%である繊維含有水硬性組成物からなり、かつ、平板部の厚さが3〜10cmであるパネルを用いることを特徴とするコンクリート建築物の補強方法。
[2] 上記パネルが、上記平板部の厚さを含まない高さとして、上記平板部の厚さの0.5〜1.5倍の高さのリブを有する上記[1]のコンクリート建築物の補強方法
[3] 上記パネルを、複数の階を有するコンクリート建築物に対して鉛直方向に複数配設する上記[1]又は[2]のコンクリート建築物の補強方法
本発明のコンクリート建築物補強方法によれば、既存の建築材の補強対象面にアンカー部材を打ち込んだ後、該補強対象面と繊維含有水硬性組成物からなるパネルの間にグラウト材を充填するだけで補強構造が完成するので、短時間で容易に施工することができる。
また、コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁の中から選択される2つ以上の既存の建築材の特定の面を含む連続的な表面領域を対象にして補強を行なうので、比較的少量の部材および材料によって効果的な補強を行なうことができる。
また、施工後には、繊維含有水硬性組成物からなるパネルのみが外方から見えるので、美観性に優れている。
また、断続的に分布する補強対象面に対しても、繊維含有水硬性組成物からなるパネルの大きさを単位として断続的に施工することができるので、集合住宅、商業ビル、総合病院等に対する耐震補強工事に広く適用することができる。
さらに、繊維含有水硬性組成物からなるパネルを、複数の階を有するコンクリート建築物に対して鉛直方向に複数配設して、補強構造(特に、コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁のすべてを含むように補強対象面を定めた補強構造)を構築するようにすれば、繊維含有水硬性組成物からなるパネルを各階に1枚ずつ配設するだけで大きな補強効果を得ることができる。ただし、コンクリート建築物の幅が大きい場合には、各階に2枚以上配設することもある。
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のコンクリート建築物の補強方法によって構築した補強構造(以下、本発明のコンクリート建築物の補強構造ともいう。)の一例を示す水平断面図、図2は、図1中のA−A線で切断した状態を示す鉛直断面図、図3は、本発明のコンクリート建築物の補強構造の他の例を示す水平断面図、図4は、本発明のコンクリート建築物の補強構造の更なる他の例を示す水平断面図、図5は、本発明のコンクリート建築物の補強方法の一例を示すフロー図、図6は、5階建ての建築物における補強領域の一例を示す正面図である。
なお、図中、同一の名称を有する各部は、原則として同一の符号を付してある。
図1および図2中、本発明のコンクリート建築物の補強構造1は、下階のバルコニー10の上面から上階のバルコニー11の下面までの鉛直方向の領域(図2参照)と、コンクリート柱2を中心として左右のコンクリート壁3,3の一部を含む水平方向の領域(図1参照)とによって規定される矩形の連続的な表面領域である補強対象面に対して、グラウト材7およびアンカー部材8,9を介して、繊維含有水硬性組成物からなるパネル(以下、単に「パネル」ともいう。)6を固着することによって形成されている。
なお、図1および図2中、コンクリート柱2、コンクリート壁3、コンクリート梁4、間仕切壁5および床スラブ12の各部の境界は、点線で示してある。
本発明においては、補強対象面である連続的な表面領域として、図1に示す形態に限定されず、他の種々の形態を採ることができる。なお、図1中、表面領域は、コンクリート柱2の鉛直方向に延びる表面の全部と、コンクリート梁4,4の各々の鉛直方向に延びる表面の一部と、コンクリート壁3,3の各々の鉛直方向に延びる表面の一部とからなるものである。
他の形態とは、具体的には、(a)コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁の各々の鉛直方向に延びる表面を含むもの(例えば、図1に示すもの)、(b)コンクリート壁およびコンクリート柱の各々の鉛直方向に延びる表面を含むもの、(c)コンクリート壁およびコンクリート梁の各々の鉛直方向に延びる表面を含むもの、(d)コンクリート柱およびコンクリート梁の各々の鉛直方向に延びる表面を含むもの、が含まれる。
なお、補強対象面である連続的な表面領域には、コンクリート柱等の各建築材の鉛直方向に延びる表面の一部が含まれていればよい。
これらの形態のうち、補強効果の観点から、(a)〜(c)の形態が好ましく、(a)の形態が特に好ましい。
なお、本明細書において、コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁についての表面とは、屋外側の表面と屋内側の表面のいずれか任意に選択される一方の表面を意味する。例えば、集合住宅における居住部分とバルコニー部分の間のコンクリート壁の屋外側の面(図1参照)や、集合住宅における居住部分と共用通路部分の間のコンクリート壁の屋外側の面や、これらの屋外側の面とは反対側の屋内側の面(例えば、図1中の屋内側のコンクリート壁3の表面と、間仕切り壁5の面と平行に形成されているコンクリート柱2の表面を含む、水平断面がL字状の表面領域)等が挙げられる。
本発明においては、施工時の居住性、および施工後の美観性、居住空間の維持等の観点から、屋外側の表面を施工対象とすることが好ましい。
コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁は、少なくともコンクリートを含むものであればよく、例えば、鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)等によって構成することができる。
本発明の補強構造の接合部は、補強対象面とパネル6の間の空隙に充填されるグラウト材7が硬化して形成されている。グラウト材の好適な例としては、無収縮モルタルが挙げられる。無収縮モルタルの市販品の例としては、「プレユーロックス」(商品名;太平洋マテリアル社製)が挙げられる。
接合部の厚さは、好ましくは5〜15cm、より好ましくは5〜10cmである。なお、本明細書において、接合部の厚さとは、補強対象面とパネル(具体的には、パネルの平板部の面)の間の距離を意味する。
アンカー部材8としては、例えば、コンクリート用アンカーが用いられる。コンクリート用アンカーの一例としては、挿着対象物であるコンクリート柱等の建築材に穿設した孔に打ち込んで埋設するための、内周面が螺刻された円筒部材と、該円筒部材と螺合するボルト部材とを組み合わせてなるものが挙げられる。
ここで、円筒部材は、ボルト部材を螺入するにつれて、最深地点の端部が拡開し、挿着対象物に対する固着力を強めるようになっている。
また、ボルト部材は、円筒部材に螺入するための螺刻されたボルト部分と、該ボルト部分の端部と反対側の端部に形成されている頭部を有する。頭部は、ボルト部分の径よりも大きな径を有する部分であり、コンクリート柱等の建築材の表面から所定の長さだけ突き出た地点に位置し、グラウト材7からなる接合部が形成されたときにアンカーの役割を果たすものである。
アンカー部材8は、アンカー部材の頭部同士を結ぶ板体によって相互に結合させてもよい。この場合、アンカーの作用を強めることができる。
アンカー部材9としては、例えば、コンクリート用アンカーのボルト部材(例えば、アンカー部材8を構成するボルト部材と同じもの)が挙げられる。このボルト部材は、パネル6の製造時に、例えば、パネル6のリブ形成側の表面(固着用の面)から所定の高さの地点に頭部が位置するように、パネル6に対して一体的に取り付けられる。
アンカー部材9は、アンカー部材の頭部同士を結ぶ板体によって相互に結合させてもよい。この場合、アンカーの作用を強めることができる。
本発明においては、コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁以外のコンクリート建築材を含めて、補強対象面を形成してもよい。例えば、図2に示すように、下階のバルコニー10の上面と上階のバルコニー11の下面を、補強対象面の一部に含めることができる。
パネル6は、図1および図2に示すように、所定の厚みを有する矩形の平板部6aの周縁および中央(図1参照)に所定の高さのリブ6b,6cを形成してなるものである。周縁にリブ6bを設けることによって、パネル6の強度を向上させ、かつ施工後に外方から見える接合部(グラウト材の硬化体)の領域を小さくし目立たないようにすることができる。また、中央にリブ6cを設けることによって、パネル6の強度を向上させることができる。
中央のリブ6cは、パネル6の幅が小さい場合には省略することができる。また、パネル6の幅が大きい場合には、周縁のリブ6bに挟まれた中間のリブ6cの数を2つ以上にすることができる。一般に、リブの間隔は、パネルの強度の向上の観点から、好ましくは50〜100cmである。リブの幅は、パネルの強度の向上の観点から、好ましくは5〜15cmである。リブの高さ(平板部の厚さを含まない寸法)は、パネルの強度の向上の観点から、好ましくは平板部の厚さの0.5〜1.5倍である。
リブは、固着面とは反対側の外表面に設けてもよいが、固着面に設けたほうが、美観性およびグラウト材充填時の型枠の役割を有し得ることから、好ましい。
パネル6には、パネルの強度の向上のために、鉄筋を埋設することもできる。
パネル6の平板部6aの厚さは3〜10cm好ましくは4〜8cmである。該厚さが3cm未満では、パネルの強度や耐久性が低下し、補強の効果が低下する。該厚さが10cmを超えると、パネルの質量が大きくなり、またコストも増大するので、好ましくない。
パネル6の幅は、補強の効果、コストの削減、施工作業の効率性等の観点から、コンクリート壁3と対向する部分の寸法(図1中に符号Lとして示す寸法)が、10〜100cmとなるように定めることが好ましく、10〜60cmとなるように定めることがより好ましい。
図3に示すように補強対象面に凹凸がある場合には、この凹凸の形状に対応させたパネル13を用いて、補強構造を形成すればよい。図3中、コンクリート柱13は、コンクリート壁3の面よりも突き出して形成されている。補強対象面(コンクリート柱13の面およびコンクリート壁3の面)に対して、所定の距離を隔ててパネル13を配設すると共に、補強対象面とパネル14の間にグラウト材7を充填して接合部を形成することによって、補強構造が形成されている。
図4に示す補強構造は、図3に示す補強構造の変形例であり、図3のパネル14とは異なるパネル15を含む。パネル15は、コンクリート柱13の表面の半分のみを補強対象面とする形状を有し、かつ、リブを有しないものである。
次に、本発明で使用するパネル6の材料について、詳しく説明する。
本発明で使用するパネル6は、補強用の繊維を含有するモルタル、コンクリート等の水硬性組成物を硬化させてなるプレキャスト板である。
パネル6の材料である繊維含有水硬性組成物は、セメント、BET比表面積が5〜15m/gのポゾラン質微粉末、ブレーン比表面積が2,500〜30,000cm/gの無機粉末であって、上記セメント、上記ポゾラン質微粉末及び後述の平均粒径が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子以外の無機粉末、細骨材、直径が0.01〜1.0mmで長さが2〜30mmの金属繊維、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤、及び水を必須成分として含む。必要に応じて配合される成分として、平均粒径が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子、及び粗骨材が挙げられる。
セメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。
本発明において、組成物の早期強度を向上させようとする場合には、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、組成物の作業性を向上させようとする場合には、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
セメントのブレーン比表面積は、好ましくは2,500〜5,000cm/g、より好ましくは3,000〜4,500cm/gである。該値が2,500cm/g未満では、水和反応が不活性になって、硬化後の強度発現性が低下する等の欠点があり、5,000cm/gを超えると、セメントの粉砕時に時間がかかり、また、所定の流動性を得るための水量が多くなるため、硬化後の強度発現性が低下する等の欠点がある。
細骨材の例としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂またはこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
本発明においては、組成物の流動性や、硬化後の強度発現性及び耐久性等の観点から、最大粒径が2mm以下の細骨材を使用することが好ましく、最大粒径が1.5mm以下の細骨材を用いることがより好ましい。
細骨材の配合量は、組成物の作業性や、自己収縮や、硬化後の強度発現性及び耐久性等の観点から、セメント100質量部に対して50〜250質量部好ましくは80〜200質量部である。
本発明では、補強用繊維として、金属繊維が用いられる
金属繊維の例としては、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、強度に優れ、低コストで入手し易いことから、好ましく用いられる。
金属繊維の寸法は、組成物中における金属繊維の材料分離の防止や、硬化後の曲げ強度の向上等の観点から、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。
金属繊維のアスペクト比(繊維の長さ/繊維の直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
金属繊維の形状は、直線状よりも、何らかの物理的付着力を付与する形状(例えば、螺旋状や波形)が好ましい。螺旋状等の形状にすれば、金属繊維とマトリックスとが引き抜けながら応力を担保するため、曲げ強度が向上する。
金属繊維の好適な例としては、例えば、直径が0.5mm以下、引張強度が1〜3.5GPaの鋼繊維からなり、かつ、120MPaの圧縮強度を有するセメント系硬化体のマトリックスに対する界面付着強度(付着面の単位面積当たりの最大引張力)が3MPa以上であるものが挙げられる。本例において、金属繊維は、波形や螺旋形の形状に加工することができる。また、本例の金属繊維の周面上に、マトリックスに対する運動(長手方向の滑り)に抵抗するための溝または突起を付けることもできる。また、本例の金属繊維は、鋼繊維の表面に、鋼繊維のヤング係数よりも小さなヤング係数を有する金属層(例えば、亜鉛、錫、銅、アルミニウム等から選ばれる1種類以上からなるもの)を設けたものとしてもよい。
金属繊維の配合量は、組成物中の体積百分率で0.5〜4%好ましくは1〜3%である。該配合量が0.5%未満では、金属繊維による曲げ強度等の向上の効果を十分に得ることができない。該配合量が4%を超えると、流動性を確保するために単位水量が増大するうえ、配合量を増やしても金属繊維による補強効果が向上しないため、経済的でなく、さらに、組成物中でいわゆるファイバーボールを生じ易くなるので、好ましくない。
減水剤としては、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤が用いられる
減水剤の配合量は、セメント100質量部に対して固形分換算で0.1〜1.0質量部である。該配合量が0.1質量部未満では、混練が困難になるとともに、組成物の作業性が極端に低下する等の欠点がある。該配合量が4.0質量部を超えると、材料分離や著しい凝結遅延が生じ、また、硬化後の強度発現性が低下することもある。
なお、減水剤は、液状と粉末状のいずれも使用することができる。
水量は、セメント100質量部に対して10〜35質量部好ましくは12〜30質量部である。該量が10質量部未満では、混練が困難になるとともに、組成物の作業性が極端に低下する等の欠点がある。該量が35質量部を超えると、硬化後の強度発現性が低下する。
ポゾラン質微粉末の例としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゲル、沈降シリカ等が挙げられる。
一般に、シリカフュームやシリカダストは、そのBET比表面積が5〜25m/gであり、粉砕等をする必要がないので、好ましく用いられる。
ポゾラン質微粉末のBET比表面積は5〜15m/gである。該値が5m/g未満では、硬化後の強度発現性が低下する等の欠点があり、該値が25m/gを超えると、所定の流動性を得るための水量が多くなるため、硬化後の強度発現性が低下する等の欠点がある。
ポゾラン質微粉末の配合量は、セメント100質量部に対して3〜50質量部である。該配合量が3質量部未満では、硬化後の強度発現性が低下する等の欠点がある。該配合量が50質量部を超えると、コンクリートの作業性の低下や、自己収縮の増大や、硬化後の強度発現性の低下等の欠点がある。
平均粒度が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子は、組成物の硬化後の靭性を高める観点から配合される。
ここで、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に繊維状粒子ではその長さ)である。
繊維状粒子の例としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられる。
薄片状粒子の例としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子または薄片状粒子の配合量(これらの粒子を併用する場合はその合計量)は、組成物の作業性や、硬化後の強度発現性、耐久性及び靭性等の観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは0〜35質量部、より好ましくは1〜25質量部である。
なお、繊維状粒子としては、硬化後の靭性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いることが好ましい。
その他の無機粉末(具体的には、セメントと、ポゾラン質微粉末と、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子のいずれにも属さない無機粉末)の例としては、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、石灰石粉末及び石英粉末は、コストや硬化後の品質安定性の観点から好ましく用いられる。
該無機粉末のブレーン比表面積は2,500〜30,000cm/g好ましくは4,500〜20,000cm/gである。該値が2,500cm/g未満では、組成物の作業性の低下や、硬化後の強度発現性の低下等の欠点がある。該値が30,000cm/gを超えると、粉砕に手間がかかるため材料の入手が難しくなったり、組成物の作業性が低下する等の欠点がある。
該無機粉末の配合量は、組成物の作業性や、自己収縮や、硬化後の強度発現性及び耐久性の観点から、セメント100質量部に対して10〜50質量部である。該配合量が55質量部を超えると、硬化後の強度発現性が低下する等の欠点がある。
本発明においては、その他の無機粉末として、ブレーン比表面積が異なる2種の無機粉末A(ブレーン比表面積が大きい粉末)および無機粉末B(ブレーン比表面積が小さい粉末)を併用することができる。
この場合、無機粉末Aと無機粉末Bは、同じ種類の粉末(例えば、石灰石粉末)を使用してもよいし、異なる種類の粉末(例えば、石灰石粉末及び石英粉末)を使用してもよい。
無機粉末Aのブレーン比表面積は、好ましくは5,000〜30,000cm/g、より好ましくは6,000〜20,000cm/gである。該値が5,000cm/g未満では、セメントや無機粉末Bとのブレーン比表面積の差が小さくなり、1種の無機粉末のみを用いる場合と比べて、組成物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性を向上させる効果が小さくなるばかりか、2種の無機粉末を用いているために、材料の準備に手間がかかるので、好ましくない。該値が30,000cm/gを超えると、粉砕に手間がかかるため、材料が入手し難くなったり、組成物の作業性が低下する等の欠点がある。
無機粉末Bのブレーン比表面積は、好ましくは2,500〜4,500cm/gである。該値が2,500cm/g未満では、組成物の作業性の低下や、硬化後の強度発現性の低下等の欠点がある。該値が4,500cm/gを超えると、ブレーン比表面積の数値が無機粉末Aに近づくため、1種の無機粉末のみを用いる場合と比べて、組成物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性を向上させる効果が小さくなるばかりか、2種の無機粉末を用いているために、材料の準備に手間がかかるので、好ましくない。
セメントと無機粒子Bとのブレーン比表面積の差は、好ましくは100cm/g以上、より好ましくは200cm/g以上である。該値が好ましい数値範囲内であると、組成物を構成する粒子の充填性が向上し、組成物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性を向上させることができる。
無機粉末Aの配合量は、セメント100質量部に対して好ましくは5〜45質量部である。無機粉末Bの配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは3〜40質量部、より好ましくは5〜35質量部である。無機粉末A及び無機粉末Bの配合量が前記の好ましい数値範囲外では、1種の無機粉末のみを用いる場合と比べて、組成物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性の向上の効果が小さくなるばかりか、2種の無機粉末を用いているために、材料の準備に手間がかかるので、好ましくない。
なお、無機粉末Aと無機粉末Bの合計量は、セメント100質量部に対して10〜50質量部である。
粗骨材の例としては、川砂利、海砂利、砕石等が挙げられる。
粗骨材の最大粒径は、組成物の作業性や、硬化後の強度発現性及び耐久性等の観点から、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、特に好ましくは10mm以下である。
粗骨材の配合量は、組成物の作業性や、自己収縮や、硬化後の強度発現性及び耐久性の観点から、セメント100質量部に対して、好ましくは0〜30質量部、より好ましくは0〜10質量部である。
パネルの材料である繊維含有水硬性組成物の硬化体の圧縮強度は、好ましくは100N/mm以上、より好ましくは120N/mm以上である。該値が100N/mm未満では、強度を確保するためにパネルの厚さが大きくなり、施工後に建築物の基礎を補強することが必要になるなどの問題が生じうるので、好ましくない。
パネルの材料である繊維含有水硬性組成物の硬化体の曲げ強度は、好ましくは15N/mm以上、より好ましくは20N/mm以上である。該値が15N/mm未満では、強度を確保するためにパネルの厚さが大きくなり、施工後に建築物の基礎を補強することが必要になるほか、補強用鉄筋が多数必要となり、施工が煩雑になるなどの問題が生じうるので、好ましくない。
本発明で使用するパネル6の製造方法について説明する。
本発明で使用するパネル6は、上記材料を混練してなる繊維含有水硬性組成物を所定の型枠に投入して成形し、硬化させることによって得ることができる。
繊維含有水硬性組成物の混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、(1)水、減水剤以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材、水及び減水剤を、ミキサに投入し、混練する方法、(2)粉末状の減水剤を用意し、水以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製しておき、該プレミックス材及び水をミキサに投入し、混練する方法、(3)各材料を各々個別にミキサに投入し、混練する方法等を採用することができる。
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
繊維含有水硬性組成物の成形方法は、特に限定されるものではなく、例えば、振動成形等を行えばよい。
繊維含有水硬性組成物の養生方法は、特に限定されるものではなく、例えば、気中養生、湿空養生、水中養生、加熱促進養生(蒸気養生、オートクレープ養生)等の慣用手段またはこれらを併用したものを行えばよい。
次に、図5を参照しつつ、本発明のコンクリート建築物の補強方法の好適な一例について説明する。
図5中、まず、コンクリート柱2、コンクリート壁3およびコンクリート梁4(図2参照)の各々の鉛直方向に延びる表面を含む連続的な表面領域を、補強対象面として定める。なお、補強対象面には、バルコニー10の上面およびバルコニー11の下面も含まれている(図2参照)。
次に、コンクリート柱2、コンクリート壁3およびコンクリート梁4に対して、補強対象面に適宜の長さの突出部分が形成されるように、アンカー部材8を挿着する(図5中の(A))。
一方、補強対象面の形状に対応する固着用の面を有し、かつ、該固着用の面に適宜の長さの突出部分が形成されるようにアンカー部材9を挿着してなる、繊維含有水硬性組成物からなるパネル6を準備する。このパネル6には、グラウト材を注入するための注入口6dが設けられている。そして、補強対象面に対して、適宜の距離を隔てて、固着用の面を対向させてパネル6を配設する(図5中の(B))。この際、補強対象面とパネル6の間の空間と外部空間との連通口17を塞ぐために、連通口17に対して外方から断面矩形の棒状部材16を当接させる。なお、連通口17を設けることによって、補強対象面とパネル6の周縁の間にグラウト材が充填され、補強対象面に対して一体的にパネル6を固着することができる。
次いで、補強対象面とパネル6の間の空間領域内に、注入口6dを通じてグラウト材7を充填する(図5中の(C))。なお、充填作業の最後に、注入口6dをグラウト材7で塞ぎ、パネル6の表面を平滑にする。グラウト材7が硬化して接合部が形成された後、棒状部材16を取り外せば、本発明の補強構造1が完成する(図5中の(D))。
なお、グラウト材7は、アンカー部材8,9を含む部分的な空間領域内にのみ充填してもよい。この場合、グラウト材7の使用量が減少し、材料コストの削減を図ることができる。
本発明の補強構造の応用例としては、複数の階を有するコンクリート建築物に対して、パネルを鉛直方向に複数配設し、最上階から最下階に亘る帯状の連続的または断続的な補強構造を構築させたものが挙げられる。図6は、地盤19上の5階建てのコンクリート建築物18を構成するコンクリート柱2およびコンクリート梁4の格子状の集合体を模式的に示したものである。コンクリート壁は、コンクリート柱2とコンクリート梁4に囲まれた、窓等の開口部分を除いた領域内に形成されているが、図示を省略する。1階から5階までの中央のコンクリート柱2に沿って、5枚のパネル6を直列に配設し、これらのパネル6を含む本発明の補強構造を、図6中に斜線部として示す領域に形成するだけで、十分な補強効果を得ることができる。
本発明で使用するパネル6の材料の実験例を説明する。以下の調製例1、2で調製された繊維含有水硬性組成物、および上述のアンカー部材9を用いて、パネル6を作製した後、上述の方法に従って、パネル6とグラウト材7とアンカー部材8を用いて施工することによって、本発明の補強構造を構築することができる。
[1.使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製;ブレーン比表面積:3,200cm/g)
(2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径:0.25μm、BET比表面積:11m/g)
(3)石英粉末A(ブレーン比表面積:7,500cm/g)
(4)石英粉末B(ブレーン比表面積:3,500cm/g)
(5)細骨材;珪砂(最大粒径0.6mm)
(6)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
(7)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(8)水;水道水
(9)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
[金属繊維含有水硬性組成物の調製例1]
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム30質量部、石英粉末Aを32質量部、細骨材120質量部、ウォラストナイト24質量部、鋼繊維2%(組成物中の体積割合)、高性能減水剤1.0質量部(固形分換算)、水22質量部を二軸ミキサに投入し混練して、組成物を調製した。この組成物の0打フロー値は、250mmであった。
調製した組成物を鋼製の型枠(φ50×100mm)に流し込み、20℃で48時間静置後、90℃で48時間蒸気養生した。得られた硬化体の圧縮強度(3本の試験体の平均値)は、230N/mmであった。
調製した組成物を鋼製の型枠(4×4×16cm)に流し込み、20℃で48時間静置後、90℃で48時間蒸気養生した。得られた硬化体の曲げ強度(3本の試験体の平均値)は、45N/mmであった。
[繊維含有水硬性組成物の調製例2]
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム30質量部、石英粉末Aを23質量部、石英粉末Bを9質量部、細骨材120質量部、ウォラストナイト24質量部、鋼繊維2%(組成物中の体積割合)、高性能減水剤1.0質量部(固形分換算)、水22質量部を二軸ミキサに投入し混練して、組成物を調製した。この組成物の0打フロー値は、270mmであった。
調製した組成物を鋼製の型枠(φ50×100mm)に流し込み、20℃で48時間静置後、90℃で48時間蒸気養生した。得られた硬化体の圧縮強度(3本の試験体の平均値)は、235N/mmであった。
調製した組成物を鋼製の型枠(4×4×16cm)に流し込み、20℃で48時間静置後、90℃で48時間蒸気養生した。得られた硬化体の曲げ強度(3本の試験体の平均値)は、45N/mmであった。
本発明のコンクリート建築物の補強構造の一例を示す水平断面図である。 図1中のA−A線で切断した状態を示す鉛直断面図である。 本発明のコンクリート建築物の補強構造の他の例を示す水平断面図である。 本発明のコンクリート建築物の補強構造の更なる他の例を示す水平断面図である。 本発明のコンクリート建築物の補強方法の一例を示すフロー図である。 5階建ての建築物における補強領域の例を示す正面図である。
符号の説明
1 本発明のコンクリート建築物の補強構造
2 コンクリート柱
3 コンクリート壁
4 コンクリート梁
5 間仕切壁
6 繊維含有水硬性組成物からなるパネル
7 グラウト材(接合部)
8,9 アンカー部材
10,11 バルコニー
12 床スラブ
13 コンクリート柱
14,15 繊維含有水硬性組成物からなるパネル
16 棒状部材
17 連通口
18 コンクリート建築物
19 地盤

Claims (3)

  1. (a) コンクリート柱、コンクリート梁およびコンクリート壁の中から選択される相互に隣接する2つ以上の既存の建築材の各々の鉛直方向に延びる表面を含む連続的な表面領域を、補強対象面として定める補強面決定工程と、
    (b) 上記2つ以上の既存の建築材に対して、上記補強対象面から適宜の長さの突出部分が形成されるようにアンカー部材を挿着するアンカー部材挿着工程と、
    (c) 上記補強対象面の形状に対応する固着用の面を有し、かつ、該固着用の面に適宜の長さの突出部分が形成されるようにアンカー部材を挿着してなる、繊維含有水硬性組成物からなるパネルを準備するパネル準備工程と、
    (d) 上記補強対象面に対して、適宜の距離を隔てて上記固着用の面を対向させて、上記パネルを配設するパネル配設工程と、
    (e) 上記補強対象面と上記パネルの間の少なくとも上記アンカー部材を含む空間領域内に、グラウト材を充填して、コンクリート建築物の補強構造を完成させるグラウト材充填工程、
    を含むコンクリート建築物の補強方法であって、
    上記パネルとして、セメントと、BET比表面積が5〜15m /gのポゾラン質微粉末と、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子または薄片状粒子と、ブレーン比表面積が2,500〜30,000cm /gの無機粉末であって、上記セメント、上記ポゾラン質微粉末及び上記繊維状粒子または薄片状粒子以外の無機粉末と、細骨材と、直径が0.01〜1.0mmで長さが2〜30mmの金属繊維と、ポリカルボン酸系の高性能減水剤または高性能AE減水剤と、水とからなり、かつ、上記金属繊維以外の各材料の配合量が、セメント100質量部に対して、上記ポゾラン質微粉末3〜50質量部、上記繊維状粒子または薄片状粒子0〜35質量部、上記無機粉末10〜50質量部、細骨材50〜250質量部、上記減水剤0.1〜1.0質量部(固形分換算)、水10〜35質量部で、上記金属繊維の配合量が、上記繊維含有水硬性組成物中の体積百分率で0.5〜4%である繊維含有水硬性組成物からなり、かつ、平板部の厚さが3〜10cmであるパネルを用いることを特徴とするコンクリート建築物の補強方法。
  2. 上記パネルが、上記平板部の厚さを含まない高さとして、上記平板部の厚さの0.5〜1.5倍の高さのリブを有する請求項1に記載のコンクリート建築物の補強方法
  3. 上記パネルを、複数の階を有するコンクリート建築物に対して鉛直方向に複数配設する請求項1又は2に記載のコンクリート建築物の補強方法
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