JP4849447B2 - 遮音壁用ブロック - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道または高速道路側壁として構築される遮音壁を構成するための遮音壁用ブロックに関する。
従来より、鉄道、高速道路等の側壁として、遮音壁を構築し、周囲の民家等への騒音の伝播を防止することが行なわれている。
この遮音壁としては、種々の構造を有するものが提案されている。
一例として、レール1脇に立設される鉄道用防音壁2であって、下端側を略鉛直な面を有する壁体部分2Aに、上端側を列車3の車輪3a近くで発生した騒音を斜め下方に反射させる曲面Bをもった壁体部分2Bに構成してあることを特徴とする鉄道用防音壁が、提案されている(特許文献1)。この鉄道用防音壁において、壁体部分2Aは、鉄筋コンクリート製であり、壁体部分2Bは、硬質合成樹脂(鉄板などでもよい。)から構成される。
他の例として、路盤の側縁に、上面が平坦に敷ならされた敷モルタル部2を長さ方向に沿って設けるとともに、上端部が敷モルタル部2の上面から突出するようにしてアンカーボルト3を植設し、下面部の一側縁に壁部を直立状に形成してなる防音壁5を敷モルタル部2の上面に設置し、下面部を上記したアンカーボルト3に固定して防音壁5を列状に並設するようにしたことを特徴とする道路用防音装置が、提案されている。この道路用防音装置において、防音壁5は、普通コンクリート、繊維補強コンクリート、合成樹脂含浸コンクリートなどのコンクリートにより形成される。また、防音壁5には、補強を目的として、左右一対の側面部9および複数のリブ材10が設けられている。
特開昭52−59407号公報 実開平3−2009号公報
上述のように、従来、遮音壁(防音壁)の材質として、硬質合成樹脂、鉄板、鉄筋コンクリート、普通コンクリート、繊維補強コンクリート等が知られている。
このうち、硬質合成樹脂や鉄板は、遮音性能、機械的強度、耐久性(破損や錆の発生等)等の観点から、単独で遮音壁を形成する材質にはなり難い。
一方、普通コンクリート等のセメント系の材質は、遮音性能、機械的強度、耐久性等に優れており、施工性等の観点から、遮音壁を構成する単位ブロック(遮音壁用ブロック)の形態で用いられることがある。
セメント系の材質を用いて遮音壁用ブロックを作製する場合、運搬や設置作業を容易に行ない得る質量に留める観点から、遮音壁用ブロックの幅は、通常、所定の大きさ(例えば、1.0m程度)以下に抑えている。しかし、遮音壁用ブロックの幅が小さいと、施工区間の単位長さ当たりの、遮音壁用ブロック相互間の連結箇所の数が多くなるため、遮音壁用ブロック同士の連結作業などに多大の労力および時間を要する。なお、遮音壁用ブロックの板状の壁体の厚さを小さくして、遮音壁用ブロックの幅を2m程度に増大させた場合には、遮音性能が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明は、従来の普通コンクリート製のものよりも幅を大きくしても、同一の質量を保つことができ、かつ、良好な遮音性能、機械的強度、耐久性等を発揮することのできる遮音壁用ブロックを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、遮音壁用ブロックの材質として、特定のセメント系組成物を用いることによって、遮音壁用ブロックの板状の本体(リブを除く薄肉の部分)の厚さを小さくしても、より大きな厚さを有する普通コンクリート製のものと同等な遮音性能を得ることができること、および、この知見によれば、遮音壁用ブロックの質量および遮音性能が同一である条件下で、普通コンクリートを用いた場合と比べて、遮音壁用ブロックの幅を大きく(50〜150%程度)増大させ得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
[1]鉄道または高速道路の側壁として構築される遮音壁を構成するための遮音壁用ブロックであって、該遮音壁用ブロックは、厚さが18〜25mmである板状の本体と、該本体を補強するためのリブとを備えセメント質硬化体からなりセメント質硬化体が、セメント、平均粒径1.0μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維若しくは有機質繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤、及び水を含む配合物の硬化体からなり、上記セメント質硬化体の、上記金属繊維若しくは有機質繊維以外の各材料の配合量が、セメント100質量部に対して、上記ポゾラン質微粉末5〜50質量部、上記細骨材50〜250質量部、上記石英粉末5〜50質量部、上記繊維状粒子若しくは薄片状粒子3〜35質量部、上記減水剤0.1〜4.0質量部(固形分換算)、水10〜30質量部であり、上記配合物中の上記金属繊維若しくは有機質繊維の体積割合が、金属繊維のみを用いる場合には0.1〜4%、有機質繊維のみを用いる場合または金属繊維と有機質繊維を併用する場合には0.1〜10%であることを特徴とする遮音壁用ブロック。
[2]上記遮音壁用ブロックの幅が、150〜250cmである上記[1]に記載の遮音壁用ブロック。
本発明の遮音壁用ブロックは、特定のセメント質硬化体からなるため、普通コンクリートを用いる場合と比べて、板状の本体の厚さを小さくしても、優れた遮音性能を発揮することができる。
また、このような薄肉化が可能であるため、遮音壁用ブロックの質量を従来よりも増大させることなく、遮音壁用ブロックの幅を大きくすることができる。そのため、施工区間の単位長さ当たりの、遮音壁用ブロック相互間の連結箇所の数を減少させることができ、これら連結箇所における作業の労力を大幅に軽減することができる。
さらに、本発明の遮音壁用ブロックは、特定のセメント質硬化体からなるため、板状の本体を薄肉化しても、補強用のリブを設けることを前提として、優れた機械的強度および耐久性を保持することができる。
本発明の遮音壁用ブロックは、セメント、平均粒径1.0μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維若しくは有機質繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤、及び水を含む配合物の硬化体からなる。
本発明において、セメントの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等を用いることができる。
本発明において、早期強度発現性を向上させようとする場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性を向上させようとする場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
本発明においては、平均粒径が1.0μm以下のポゾラン質微粉末が用いられる。平均粒径が1.0μmを超えると、硬化体の強度発現性が低下するので、好ましくない。
ポゾラン質微粉末としては、例えば、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。中でも、シリカフュームおよびシリカダストは、平均粒径が1.0μm以下であり、粉砕等を行なう必要がないので、コスト的に有利である。
ポゾラン質微粉末の配合量は、配合物の流動性や硬化体の強度発現性の観点から、セメント100質量部に対して、5〜50質量部である
該配合量が5質量部未満では、配合物の流動性が低下し、成形等の作業が困難となる。また、硬化体の強度発現性および耐久性が低下するうえ、硬化体(遮音壁用ブロック)の使用後に、硬化体の一部に欠けや剥れ等が発生するおそれがあり、それに伴う美観の低下も生じ得るので、好ましくない。
該配合量が50質量部を超えると、配合物の流動性が低下し、成形等の作業が困難となる。また、硬化体の強度発現性および耐久性が低下するうえ、硬化体(遮音壁用ブロック)の使用後に、硬化体の一部に欠けや剥れ等が発生するおそれがあり、それに伴う美観の低下も生じ得るので、好ましくない。
本発明においては、最大粒径2mm以下の細骨材が用いられる。細骨材の最大粒径が2mmを超えると、硬化体の強度発現性が低下するので好ましくない。
なお、本発明においては、硬化体の強度発現性等の観点から、最大粒径が1.5mm以下の細骨材を用いることが好ましい。
細骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物等を使用することができる。
細骨材の配合量は、配合物の流動性や、硬化体の強度発現性、さらには、自己収縮や乾燥収縮の低減、水和発熱量の低減等の観点から、セメント100質量部に対して50〜250質量部好ましくは80〜180質量部である。
本発明においては、金属繊維若しくは有機質繊維が用いられる。
金属繊維としては、例えば、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、高い強度を有し、かつコストや入手のし易さの点でも優れているため、好ましく用いられる。
金属繊維の形状および寸法は、好ましくは、長さが2mm以上で、長さ/直径の比が20以上であり、より好ましくは、長さが2〜30mmで、長さ/直径の比が20〜200である。
金属繊維の長さが2mm未満では、曲げ強度を向上させる効果が低下するので、好ましくない。該長さが30mmを超えると、混練の際にファイバーボールが生じ易くなるので、好ましくない。
金属繊維の長さ/直径の比が20未満では、同一配合量(同一体積)での本数が少なくなり、曲げ強度を向上させる効果が低下するので、好ましくない。該比が200を超えると、金属繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れ易くなるので、好ましくない。
金属繊維の配合量は、配合物(水を含むセメント組成物全体)の体積中の割合で0.1〜4%好ましくは0.5〜3.5%である。該配合量が0.1%未満では、硬化体の曲げ強度が低下することがある。該配合量が4%を超えると、混練時の作業性等を確保するために単位水量を増加しなければならず、硬化体の強度の低下を招くことがある。
有機質繊維としては、例えば、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。中でも、ビニロン繊維およびポリプロピレン繊維は、高い強度を有し、かつコストや入手のし易さの点でも優れているため、好ましく用いられる。
有機質繊維の形状および寸法は、好ましくは、長さが2mm以上で、長さ/直径の比が20以上であり、より好ましくは、長さが2〜30mmで、長さ/直径の比が20〜500である。
有機質繊維の長さが2mm未満では、破壊強度を向上させる効果が低下するので、好ましくない。該長さが30mmを超えると、混練の際にファイバーボールが生じ易くなるので、好ましくない。
有機質繊維の長さ/直径の比が20未満では、同一配合量(同一体積)での有機質繊維の本数が少なくなり、破壊強度を向上させる効果が低下するので、好ましくない。該比が500を超えると、有機質繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れ易くなるので、好ましくない。
有機質繊維の配合量は、配合物の体積中の割合で0.1〜10%好ましくは0.5〜8.0%である。該配合量が0.1%未満では、破壊エネルギーが低下することがある。該配合量が10%を超えると、混練時の作業性等を確保するために単位水量を増加しなければならず、硬化体の強度の低下を招くことがある。
本発明において、金属繊維と有機質繊維は、併用してもよい。この場合、金属繊維および有機質繊維の配合量(合計量)は、配合物の体積中の割合で0.1〜10%好ましくは0.5〜8.0%である。
本発明においては、平均粒径3〜20μm(好ましくは4〜10μm)の石英粉末が用いられる。該平均粒径が上記範囲外では、配合物の流動性や硬化体の強度発現性が低下するので、好ましくない。
石英粉末としては、例えば、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。
石英粉末の配合量は、配合物の流動性や硬化体の強度発現性の観点からセメント100質量部に対して5〜50質量部である。
本発明においては、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子が用いられる。平均粒度が1mmを超えると、硬化体の強度発現性が低下するので、好ましくない。
なお、本明細書中において、繊維状粒子若しくは薄片状粒子の「粒度」とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)を意味する。
繊維状粒子としては、例えば、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられる。
薄片状粒子としては、例えば、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子若しくは薄片状粒子の配合量(ただし、これら2種の粒子を併用する場合は合計量)は、配合物の流動性、および硬化体の強度発現性や靱性の観点からセメント100質量部に対して3〜35質量部である。
なお、繊維状粒子としては、硬化体の靱性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
減水剤としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。中でも、ポリカルボン酸系の高性能減水剤および高性能AE減水剤は、減水効果が大きいため、好ましく用いられる。
減水剤の配合量は、セメント100質量部に対して、固形分換算0.1〜4.0質量部好ましくは0.3〜1.5質量部である。該配合量が0.1質量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低下するので、好ましくない。該配合量が4.0質量部を超えると、硬化体の強度発現性が低下するので、好ましくない。なお、減水剤は、液状と粉末状のいずれでも使用可能である。
水量は、セメント100質量部に対して10〜30質量部好ましくは15〜25質量部である。該量が10質量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低くなるので、好ましくない。該量が30質量部を超えると、硬化体の強度発現性が低下するので、好ましくない。
配合物の混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、
(1)水、減水剤以外の材料を予め混合して、プレミックス材を調製し、該プレミックス材、水および減水剤をミキサに投入し、混練する方法;
(2)水以外の材料(ただし、減水剤としては粉末状のものを使用する。)を予め混合して、プレミックス材を調製し、該プレミックス材および水をミキサに投入し、混練する方法;
(3)各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する方法;
等が挙げられる。
混練に用いるミキサとしては、通常のコンクリートの混練に用いられる任意のタイプのミキサを用いることができ、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が挙げられる。
混練後、所定の型枠内に配合物を投入して成形し、その後、養生して、本発明の遮音壁用ブロックを製造する。
養生の方法としては、例えば、気中養生、蒸気養生等が挙げられる。
本発明の配合物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、230mm以上であり、流動性に優れるものである。
そのため、配合物の混練作業や、型枠内に投入して成形する作業等を容易に行なうことができる。また、遮音壁用ブロックの形状が複雑であっても、型枠内の隅々まで配合物が行き渡るので、所望の形状を有する成形体(遮音壁用ブロック)を高精度で製造することができる。
さらに、本発明の配合物の硬化体は、130MPa以上の圧縮強度と、20MPa以上の曲げ強度を発現するうえ、構造的に極めて緻密に形成されているので、機械的強度や耐久性の低下が生じ難い。また、硬化体(遮音壁用ブロック)に欠けや剥れ等が発生し難いので、美観の低下も生じ難い
次に、図面を参照しつつ本発明の遮音壁用ブロックの一例を説明する。
図1は、本発明の遮音壁用ブロックの一例を示す正面図、図2は、図1に示す遮音壁用ブロックの右側面図、図3は、図1に示す遮音壁用ブロックを、図1中のA−A線で鉛直に切断した状態を示す断面図、図4は、図1に示す遮音壁用ブロックを、図1中のB−B線で水平に切断した状態を示す断面図、図5は、図4中の固着具挿通孔に固着具を挿通した状態を示す鉛直方向の断面図、図6は、図1に示す遮音壁用ブロックを多数連結して遮音壁を構築した状態を示す図である。
図1中、遮音壁用ブロック1は、板状の本体2と、左右の側壁を形成するリブ3と、これら一対のリブ3の間に設けられている4つのリブ4と、底板5とから一体的に形成されている。
板状の本体2は、電車等が走行する内側に向かって湾曲した形状を有する上部2aと、上部2aの下端から鉛直に下方に延びる下部2bとからなる。
板状の本体2の幅(遮音壁用ブロック1の幅)は、好ましくは150〜250cm、より好ましくは170〜230cm、特に好ましくは180〜220cmである。該値が150cm未満では、遮音壁用ブロック1の相互間の連結作業の数が多くなり、労力等の軽減という本発明の目的を達成し難いので、好ましくない。該値が250cmを超えると、遮音壁用ブロック1の質量が大きくなり、運搬や施工作業上の負担が大きくなる。
板状の本体2の厚さ(図3及び図4中に「T」で示す寸法)は、18〜25mm、好ましくは18〜23mmである。該値が25mmを超えると、薄肉化による遮音壁用ブロック1の幅の増大を図ることができず、本発明の目的を十分に達成することが困難になる。
板状の本体2の高さ(遮音壁用ブロック1の高さ)は、好ましくは120〜200cm、より好ましくは130〜180cm、特に好ましくは140〜160cmである。該値が120cm未満では、良好な遮音性能を得難くなる。該値が200cmを超えると、遮音壁用ブロック1の質量の増大を抑えるために、遮音壁用ブロック1の幅を小さくする必要があり、その結果、遮音壁用ブロック1の相互間の連結作業の数が多くなり、労力等の軽減という本発明の目的を達成し難いので、好ましくない。
左右の側壁を形成する一対のリブ3は、各々、板状の本体2に対して垂直に延びるように形成されており、電車等が走行する内側に向かって湾曲した形状を有する板状の上部3aと、上部3aの下端から鉛直に下方に向かって幅を漸増させて延びる略三角形状の板状の下部3bとからなる。
図4に示すように、一対のリブ3の一方には、凸部3dが形成されており、他方には凹部3eが形成されている。遮音壁用ブロック1同士を連結させる際には、まず、一方の遮音壁用ブロック1の凸部3dと、他方の遮音壁用ブロック1の凹部3eを嵌合させ、次いで、当接された2つのリブ3に設けられている固着具挿通孔3c(図2参照)を利用して、固着具(例えば、ボルト、ナット等)で遮音壁用ブロック1同士を締結する。
リブ3の幅(台形の断面中、最大寸法である底辺の寸法;図4参照)は、補強効果の観点から、好ましくは30〜100mm、より好ましくは40〜90mmである。
一対のリブ3の間に設けられている4つのリブ4は、各々、緩い傾斜(図3参照)を有する上部4aと、急な傾斜(図3参照)を有する下部4bとからなる。
リブ4の幅(台形の断面中、最大寸法である底辺の寸法;図1及び図4参照)は、補強効果の観点から、好ましくは40〜120mm、より好ましくは60〜100mmである。
リブ4同士の間隔は、補強効果の観点から、好ましくは300〜500mm、より好ましくは350〜450mmである。
底板部5は、図4および図5に示すように、平板部5aに固着具挿通孔5bが穿設されてなる。
遮音壁用ブロック1を設置するには、図5に示すように、遮音壁の立設用の基礎6を、モルタル等の材料で形成した後、固着具挿通孔5bの中に固着具7(例えば、アンカー、ナット等)を挿通し、締結すればよい。
図6に、本発明の遮音壁用ブロック1を多数連結して、電車11の高架12の遮音壁13を構築した状態を示す。
以下、実施例により本発明を説明する。
[実施例1]
(a)使用材料
以下に示す材料を使用した。
1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径:0.25μm)
3)細骨材;珪砂5号(最大粒径:0.6mm)
4)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
5)石英粉末(平均粒径:7μm)
6)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
7)減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
8)水;水道水
(b)配合物の調製及び物性評価
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム30質量部、細骨材120質量部、高性能減水剤1.0質量部(固形分換算値)、水22質量部、石英粉末32質量部、ウォラストナイト24質量部、鋼繊維(配合物中の体積割合:2%)を二軸練りミキサに投入し、混練して、配合物を得た。
該配合物のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。その結果、フロー値は250mmであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠内に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、硬化体(3本)を得た。該硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は230MPaであった。
また、前記配合物を4×4×16cmの型枠内に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、硬化体(3本)を得た。該硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は45MPaであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠内に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、硬化体(3本)を得た。該硬化体の透水係数を、「地盤工学会基準JGS 0231(土の透水試験方法)」の変水位透水試験方法で測定した。その結果、水の浸透は認められず、透水係数は0であった。
(c)遮音壁用ブロックの製造、及び遮音性能の評価
前記配合物を用いて、図1に示す形状を有する遮音壁用ブロックを製造した。得られた遮音壁用ブロックの外形寸法は、幅2,000mm、高さ1,500mm、厚さ(板状の本体)20mmであった。
なお、前記配合物の硬化時の養生は、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生することによって行なった。
得られた遮音壁用ブロックについて、無響音場装置を用い、100Hz、200Hz、500Hz、1,000Hz、2,000Hz、5,000Hzの各周波数にて、音響透過損失の測定を行なった。
結果を表1に示す。表1中、測定値と共に、鉄道の高架の遮音性能の基準値である規格値を示す。
測定値が規格値を超えていれば、良好な遮音性能を有すると言える。表1中、「測定値(dB)−規格値(dB)」の値が8以上の場合を「◎」(非常に良好)、「測定値(dB)−規格値(dB)」の値が0以上、8未満の場合を「○」(良好)、「測定値(dB)−規格値(dB)」の値がマイナスの場合を「×」(劣る)として評価した。
表1から、本発明の遮音壁用ブロックは、厚さが20mmと小さいにもかかわらず、非常に良好な遮音性能を有することがわかる。
Figure 0004849447
[比較例1]
実施例1の配合物の材料に代えて、普通ポルトランドセメント100質量部、細骨材(砕砂)267質量部、粗骨材(砕石)329質量部、高性能減水剤(ナフタレンスルホン酸系)0.006質量部、水60質量部、鋼繊維(配合物中の体積割合:2%)を用いた以外は実施例1と同様にして、音響透過損失の測定を行なった。
結果を表2に示す。表2から、比較例1の遮音壁用ブロックは、実施例1と比べて遮音性能が劣ることがわかる。
Figure 0004849447
本発明の遮音壁用ブロックの一例を示す正面図である。 図1に示す遮音壁用ブロックの右側面図である。 図1に示す遮音壁用ブロックを、図1中のA−A線で鉛直に切断した状態を示す断面図である。 図1に示す遮音壁用ブロックを、図1中のB−B線で水平に切断した状態を示す断面図である。 図4中の固着具挿通孔に固着具を挿通した状態を示す、鉛直に切断した断面図である。 図1に示す遮音壁用ブロックを多数連結して遮音壁を構築した状態を示す図である。
符号の説明
1 遮音壁用ブロック
2 板状の本体
2a 上部
2b 下部
3 リブ(両端)
3a 上部
3b 下部
3c 固着具挿通孔
3d 凸部
3e 凹部
4 リブ(中間)
4a 上部
4b 下部
5 底板部
5a 平板部
5b 固着具挿通孔
6 遮音壁の立設用の基礎
7 固着具
11 電車
12 高架
13 遮音壁

Claims (2)

  1. 鉄道または高速道路の側壁として構築される遮音壁を構成するための遮音壁用ブロックであって、
    該遮音壁用ブロックは、厚さが18〜25mmである板状の本体と、該本体を補強するためのリブとを備えセメント質硬化体からなり
    セメント質硬化体が、セメント、平均粒径1.0μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維若しくは有機質繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤、及び水を含む配合物の硬化体からなり、上記セメント質硬化体の、上記金属繊維若しくは有機質繊維以外の各材料の配合量が、セメント100質量部に対して、上記ポゾラン質微粉末5〜50質量部、上記細骨材50〜250質量部、上記石英粉末5〜50質量部、上記繊維状粒子若しくは薄片状粒子3〜35質量部、上記減水剤0.1〜4.0質量部(固形分換算)、水10〜30質量部であり、上記配合物中の上記金属繊維若しくは有機質繊維の体積割合が、金属繊維のみを用いる場合には0.1〜4%、有機質繊維のみを用いる場合または金属繊維と有機質繊維を併用する場合には0.1〜10%であることを特徴とする遮音壁用ブロック。
  2. 上記遮音壁用ブロックの幅が、150〜250cmである請求項1に記載の遮音壁用ブロック。
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