JP2004026552A - コンクリート製電柱の補強方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリート製の既設電柱の耐用年数を大幅に延ばすことができるコンクリート製電柱の補強方法を提供する。
【解決手段】コンクリート製電柱の内部の中空に、セメント、平均粒径1μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤及び水を含む配合物を充填し、硬化させるコンクリート製電柱の補強方法。
前記金属繊維は、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上の鋼繊維であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】コンクリート製電柱の内部の中空に、セメント、平均粒径1μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤及び水を含む配合物を充填し、硬化させるコンクリート製電柱の補強方法。
前記金属繊維は、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上の鋼繊維であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製電柱の耐用年数を延ばすことができるコンクリート製電柱の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電柱として、コンクリート製の電柱が多用されている。該コンクリート製電柱では、特に、地面近傍で劣化が生じやすく、劣化した電柱は交換が必要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、電柱の交換は、古い既設電柱と新設用電柱とを交換することにより行われている。具体的には、既設電柱の近傍の舗装を破壊し、新設電柱を埋設するための孔を掘削する。掘削した孔に新設電柱を挿入し、孔内に掘削土を埋め戻して新設電柱を立設する。
【0004】
新設電柱が立設されると、既設および新設電柱が2本並んで立つ状態となり、既設電柱に架かっているケーブルや吊線を外し、新設電柱に架設する作業が行われる。次いで、既設電柱をジャッキ等により引き抜いて撤去する。撤去後、引き抜いた後の孔の埋め戻し及び舗装が行われる。
【0005】
上記のように、電柱の交換は、非常に手間がかかるうえ、ケーブル等を新設電柱に架設する際には、一時的に送電を中止する必要がある等の問題があった。
そのため、コンクリート製の既設電柱を交換するのではなく、耐用年数を延ばすことができるコンクリート製電柱の補強方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、コンクリート製の電柱の内部が中空になっていることに着目し、該中空に、セメントやポゾラン質微粉末等の特定の材料を含む配合物を充填し硬化させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、コンクリート製電柱の内部の中空に、セメント、平均粒径1μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤及び水を含む配合物を充填し、硬化させることを特徴とするコンクリート製電柱の補強方法である(請求項1)。
そして、本発明においては、前記金属繊維は、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上の鋼繊維であることが好ましいものである(請求項2)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、コンクリート製電柱の内部の中空に、特定の材料を含む配合物を充填し硬化させるコンクリート製電柱の補強方法である。
配合物に使用する材料とその配合割合について説明する。
本発明において、セメントの種類は限定するものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。
本発明において、早期強度発現性を向上しようとする場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性を向上しようとする場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0009】
ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。これらの中では、シリカフューム又はシリカダストは、その平均粒径が1μm以下であり、粉砕等をする必要がないのでコスト的に有利である。
ポゾラン質微粉末の平均粒径は1μm以下である。ポゾラン質微粉末の平均粒径が1μmを越えると、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
ポゾラン質微粉末の配合量は、配合物の流動性や硬化体の強度発現性から、セメント100重量部に対して5〜50重量部とするのが好ましい。ポゾラン質微粉末の配合量が前記範囲外では、配合物の流動性が低くコンクリート製電柱の内部の中空への充填作業が困難となる。また、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
【0010】
本発明においては、最大粒径2mm以下の細骨材が用いられる。細骨材の最大粒径が2mmを超えると、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
なお、本発明においては、配合物の強度発現性等から最大粒径が1.5mm以下の細骨材を用いることが好ましい。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物を使用することができる。
細骨材の配合量は、配合物の流動性や強度発現性から、セメント100重量部に対して50〜250重量部であり、80〜180重量部がより好ましい。
【0011】
金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中でも鋼繊維は強度に優れており、またコストや入手のし易さの点からも好ましいものである。金属繊維は、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上のものが好ましく、長さ2〜30mmで、長さ/直径比が20〜200のものがより好ましい。長さが2mm未満では曲げ強度を向上させる効果が低下するので好ましくない。長さが30mmを超えると、混練の際ファイバーボールが生じやすくなるので好ましくない。長さ/直径比が20未満では、同一配合量での本数が少なくなり、曲げ強度を向上させる効果が低下するので好ましくない。長さ/直径比が200を越えると、繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れやすくなるので好ましくない。
金属繊維の配合量は、配合物の体積の0.1〜4%、好ましくは0.5〜3.5%である。これは、金属繊維の配合量が少ないと曲げ強度が低下し、金属繊維の配合量が多過ぎると混練時の作業性等を確保するために単位水量を増加しなければならず、強度低下を招くためである。
【0012】
石英粉末としては、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。石英粉末の平均粒径は3〜20μmであり、好ましくは4〜10μmである。石英粉末の平均粒径が上記範囲外では、配合物の流動性や強度発現性が低下するので好ましくない。
石英粉末の配合量は、配合物の流動性や強度発現性から、セメント100重量部に対して5〜50重量部であり、8〜45重量部がより好ましい。
【0013】
繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が、薄片状粒子としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。これらの繊維状粒子若しくは薄片状粒子の平均粒度は1mm以下である。なお、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。
繊維状粒子若しくは薄片状粒子の平均粒度が1mmを越えると、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
繊維状粒子若しくは薄片状粒子の配合量は、配合物の流動性、強度発現性や靱性から、セメント100重量部に対して4〜35重量部であり、4〜30重量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子においては、靱性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
【0014】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。
減水剤の配合量は、セメント100重量部に対して、固形分換算で0.1〜4.0重量部が好ましく、より好ましくは固形分換算で0.3〜1.5重量部である。セメント100重量部に対して、減水剤量(固形分換算)が0.1重量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低くなり好ましくない。セメント100重量部に対して、減水剤量(固形分換算)が4.0重量部を超えると、強度発現性が低下するので好ましくない。
なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。
【0015】
水量は、セメント100重量部に対して10〜30重量部が好ましく、より好ましくは15〜25重量部である。セメント100重量部に対して、水量が10重量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低くなり好ましくない。セメント100重量部に対して、水量が30重量部を超えると、強度発現性が低下するので好ましくない。
【0016】
配合物の混練方法は、特に限定するものではなく、例えば、
1)水、減水剤以外の材料を予め混合しておき(プレミックス)、該プレミックス、水、減水剤をミキサに投入し、混練する。
2)水以外の材料を予め混合しておき(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)、該プレミックス、水をミキサに投入し、混練する。
3)各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。
などの方法が挙げられる。
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
【0017】
本発明においては、上記配合物をコンクリート製電柱の内部の中空に充填し硬化させて、コンクリート製電柱を補強する。
配合物をコンクリート製電柱の内部の中空に充填する方法としては、例えば、電柱の下部に中空にまで達する孔(直径20mm程度)を形成し、該孔から配合物を電柱内部の中空に流し込む方法等が挙げられる。
本発明においては、コンクリート製電柱の内部の中空の全てを配合物で充填しても良いが、作業時間の短縮やコストの低減等から、地面より1〜2mの高さまでの中空を配合物で充填することが好ましい。
【0018】
本発明の配合物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、230mm以上と流動性に優れるものである。従って、例えば、上記のように電柱の下部に中空にまで達する孔を形成し、該孔から配合物を電柱内部の中空に流し込む場合において、電柱内部の中空への流し込み等の作業が容易である。
また、本発明においては、流動性に優れる配合物を、例えば、上記のようにコンクリート製電柱の下部に形成した孔から内部の中空に流し込めば良いので、作業中に一時的に送電を中止する必要がある等の問題が生じることはない。
さらに、本発明の配合物の硬化体は、120MPa以上の圧縮強度と20MPa以上の曲げ強度を発現するうえ、極めて緻密なものであり、塩害等の耐久性にも優れるので、該配合物を内部の中空に充填することにより、コンクリート製電柱の耐用年数を大幅に延ばすことができる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径0.25μm)
3)細骨材;珪砂5号
4)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
5)減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
6)水;水道水
7)石英粉末(平均粒径7μm)
8)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ0.3mm、長さ/直径の比4)
【0020】
低熱ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム30重量部、細骨材120重量部、高性能AE減水剤1.0重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部、石英粉末32重量部、ウォラストナイト24重量部、鋼繊維(配合物中の体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練した。
該配合物のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。その結果、フロー値は250mmであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後脱型し、さらに20℃で91日間気中養生した。該硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は130MPaであった。
また、前記配合物を4×4×16cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後脱型し、さらに20℃で91日間気中養生した。該硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は45MPaであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後脱型し、さらに20℃で91日間気中養生した。該硬化体の透水係数を「地盤工学会基準JGS 0231(土の透水試験方法)」の変水位透水試験方法で測定した。その結果、水の浸透は認められず、透水係数は0であった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンクリート製電柱の補強方法では、流動性に優れる配合物を用いるので、コンクリート製電柱の内部の中空への充填等の作業が容易である。
また、本発明においては、流動性に優れる配合物を、例えば、コンクリート製電柱の下部に形成した孔から内部の中空に流し込めば良いので、作業中に一時的に送電を中止する必要がある等の問題が生じることはない。
さらに、本発明の配合物の硬化体は、120MPa以上の圧縮強度と20MPa以上の曲げ強度を発現するうえ、極めて緻密なものであり、塩害等の耐久性にも優れるので、該配合物を内部の中空に充填することにより、コンクリート製電柱の耐用年数を大幅に延ばすことができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製電柱の耐用年数を延ばすことができるコンクリート製電柱の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電柱として、コンクリート製の電柱が多用されている。該コンクリート製電柱では、特に、地面近傍で劣化が生じやすく、劣化した電柱は交換が必要になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、電柱の交換は、古い既設電柱と新設用電柱とを交換することにより行われている。具体的には、既設電柱の近傍の舗装を破壊し、新設電柱を埋設するための孔を掘削する。掘削した孔に新設電柱を挿入し、孔内に掘削土を埋め戻して新設電柱を立設する。
【0004】
新設電柱が立設されると、既設および新設電柱が2本並んで立つ状態となり、既設電柱に架かっているケーブルや吊線を外し、新設電柱に架設する作業が行われる。次いで、既設電柱をジャッキ等により引き抜いて撤去する。撤去後、引き抜いた後の孔の埋め戻し及び舗装が行われる。
【0005】
上記のように、電柱の交換は、非常に手間がかかるうえ、ケーブル等を新設電柱に架設する際には、一時的に送電を中止する必要がある等の問題があった。
そのため、コンクリート製の既設電柱を交換するのではなく、耐用年数を延ばすことができるコンクリート製電柱の補強方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、コンクリート製の電柱の内部が中空になっていることに着目し、該中空に、セメントやポゾラン質微粉末等の特定の材料を含む配合物を充填し硬化させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、コンクリート製電柱の内部の中空に、セメント、平均粒径1μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤及び水を含む配合物を充填し、硬化させることを特徴とするコンクリート製電柱の補強方法である(請求項1)。
そして、本発明においては、前記金属繊維は、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上の鋼繊維であることが好ましいものである(請求項2)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、コンクリート製電柱の内部の中空に、特定の材料を含む配合物を充填し硬化させるコンクリート製電柱の補強方法である。
配合物に使用する材料とその配合割合について説明する。
本発明において、セメントの種類は限定するものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。
本発明において、早期強度発現性を向上しようとする場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性を向上しようとする場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0009】
ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。これらの中では、シリカフューム又はシリカダストは、その平均粒径が1μm以下であり、粉砕等をする必要がないのでコスト的に有利である。
ポゾラン質微粉末の平均粒径は1μm以下である。ポゾラン質微粉末の平均粒径が1μmを越えると、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
ポゾラン質微粉末の配合量は、配合物の流動性や硬化体の強度発現性から、セメント100重量部に対して5〜50重量部とするのが好ましい。ポゾラン質微粉末の配合量が前記範囲外では、配合物の流動性が低くコンクリート製電柱の内部の中空への充填作業が困難となる。また、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
【0010】
本発明においては、最大粒径2mm以下の細骨材が用いられる。細骨材の最大粒径が2mmを超えると、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
なお、本発明においては、配合物の強度発現性等から最大粒径が1.5mm以下の細骨材を用いることが好ましい。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物を使用することができる。
細骨材の配合量は、配合物の流動性や強度発現性から、セメント100重量部に対して50〜250重量部であり、80〜180重量部がより好ましい。
【0011】
金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中でも鋼繊維は強度に優れており、またコストや入手のし易さの点からも好ましいものである。金属繊維は、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上のものが好ましく、長さ2〜30mmで、長さ/直径比が20〜200のものがより好ましい。長さが2mm未満では曲げ強度を向上させる効果が低下するので好ましくない。長さが30mmを超えると、混練の際ファイバーボールが生じやすくなるので好ましくない。長さ/直径比が20未満では、同一配合量での本数が少なくなり、曲げ強度を向上させる効果が低下するので好ましくない。長さ/直径比が200を越えると、繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れやすくなるので好ましくない。
金属繊維の配合量は、配合物の体積の0.1〜4%、好ましくは0.5〜3.5%である。これは、金属繊維の配合量が少ないと曲げ強度が低下し、金属繊維の配合量が多過ぎると混練時の作業性等を確保するために単位水量を増加しなければならず、強度低下を招くためである。
【0012】
石英粉末としては、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。石英粉末の平均粒径は3〜20μmであり、好ましくは4〜10μmである。石英粉末の平均粒径が上記範囲外では、配合物の流動性や強度発現性が低下するので好ましくない。
石英粉末の配合量は、配合物の流動性や強度発現性から、セメント100重量部に対して5〜50重量部であり、8〜45重量部がより好ましい。
【0013】
繊維状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が、薄片状粒子としては、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。これらの繊維状粒子若しくは薄片状粒子の平均粒度は1mm以下である。なお、粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。
繊維状粒子若しくは薄片状粒子の平均粒度が1mmを越えると、配合物の強度発現性が低下するので好ましくない。
繊維状粒子若しくは薄片状粒子の配合量は、配合物の流動性、強度発現性や靱性から、セメント100重量部に対して4〜35重量部であり、4〜30重量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子においては、靱性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
【0014】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。
減水剤の配合量は、セメント100重量部に対して、固形分換算で0.1〜4.0重量部が好ましく、より好ましくは固形分換算で0.3〜1.5重量部である。セメント100重量部に対して、減水剤量(固形分換算)が0.1重量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低くなり好ましくない。セメント100重量部に対して、減水剤量(固形分換算)が4.0重量部を超えると、強度発現性が低下するので好ましくない。
なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。
【0015】
水量は、セメント100重量部に対して10〜30重量部が好ましく、より好ましくは15〜25重量部である。セメント100重量部に対して、水量が10重量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性が低くなり好ましくない。セメント100重量部に対して、水量が30重量部を超えると、強度発現性が低下するので好ましくない。
【0016】
配合物の混練方法は、特に限定するものではなく、例えば、
1)水、減水剤以外の材料を予め混合しておき(プレミックス)、該プレミックス、水、減水剤をミキサに投入し、混練する。
2)水以外の材料を予め混合しておき(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)、該プレミックス、水をミキサに投入し、混練する。
3)各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。
などの方法が挙げられる。
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
【0017】
本発明においては、上記配合物をコンクリート製電柱の内部の中空に充填し硬化させて、コンクリート製電柱を補強する。
配合物をコンクリート製電柱の内部の中空に充填する方法としては、例えば、電柱の下部に中空にまで達する孔(直径20mm程度)を形成し、該孔から配合物を電柱内部の中空に流し込む方法等が挙げられる。
本発明においては、コンクリート製電柱の内部の中空の全てを配合物で充填しても良いが、作業時間の短縮やコストの低減等から、地面より1〜2mの高さまでの中空を配合物で充填することが好ましい。
【0018】
本発明の配合物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、230mm以上と流動性に優れるものである。従って、例えば、上記のように電柱の下部に中空にまで達する孔を形成し、該孔から配合物を電柱内部の中空に流し込む場合において、電柱内部の中空への流し込み等の作業が容易である。
また、本発明においては、流動性に優れる配合物を、例えば、上記のようにコンクリート製電柱の下部に形成した孔から内部の中空に流し込めば良いので、作業中に一時的に送電を中止する必要がある等の問題が生じることはない。
さらに、本発明の配合物の硬化体は、120MPa以上の圧縮強度と20MPa以上の曲げ強度を発現するうえ、極めて緻密なものであり、塩害等の耐久性にも優れるので、該配合物を内部の中空に充填することにより、コンクリート製電柱の耐用年数を大幅に延ばすことができる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径0.25μm)
3)細骨材;珪砂5号
4)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
5)減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
6)水;水道水
7)石英粉末(平均粒径7μm)
8)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ0.3mm、長さ/直径の比4)
【0020】
低熱ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム30重量部、細骨材120重量部、高性能AE減水剤1.0重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部、石英粉末32重量部、ウォラストナイト24重量部、鋼繊維(配合物中の体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練した。
該配合物のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。その結果、フロー値は250mmであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後脱型し、さらに20℃で91日間気中養生した。該硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は130MPaであった。
また、前記配合物を4×4×16cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後脱型し、さらに20℃で91日間気中養生した。該硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は45MPaであった。
また、前記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後脱型し、さらに20℃で91日間気中養生した。該硬化体の透水係数を「地盤工学会基準JGS 0231(土の透水試験方法)」の変水位透水試験方法で測定した。その結果、水の浸透は認められず、透水係数は0であった。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンクリート製電柱の補強方法では、流動性に優れる配合物を用いるので、コンクリート製電柱の内部の中空への充填等の作業が容易である。
また、本発明においては、流動性に優れる配合物を、例えば、コンクリート製電柱の下部に形成した孔から内部の中空に流し込めば良いので、作業中に一時的に送電を中止する必要がある等の問題が生じることはない。
さらに、本発明の配合物の硬化体は、120MPa以上の圧縮強度と20MPa以上の曲げ強度を発現するうえ、極めて緻密なものであり、塩害等の耐久性にも優れるので、該配合物を内部の中空に充填することにより、コンクリート製電柱の耐用年数を大幅に延ばすことができる。
Claims (2)
- コンクリート製電柱の内部の中空に、セメント、平均粒径1μm以下のポゾラン質微粉末、最大粒径2mm以下の細骨材、金属繊維、平均粒径3〜20μmの石英粉末、平均粒度1mm以下の繊維状粒子若しくは薄片状粒子、減水剤及び水を含む配合物を充填し、硬化させることを特徴とするコンクリート製電柱の補強方法。
- 金属繊維が、長さが2mm以上で、長さ/直径比が20以上の鋼繊維である請求項1記載のコンクリート製電柱の補強方法。
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