JP4460656B2 - 現場施工用透水コンクリート材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、材料混練物の流動性及び自己充填性を向上した現場施工用透水コンクリート材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
透水コンクリートは、その体積の10〜40%程度が互いに連続した空隙となっているコンクリートであり、上記連続空隙を水や空気が自由に出入りできるため、極めて大きな透水性を有しているものである。
このような透水コンクリート用の材料組成物は、骨材の量が極めて多いため、材料の流動性がなく、それ自体の充填性は極めて低い。そのため、成型、締め固めには強い振動を必要とする。例えば工場で生産する透水コンクリート製の二次製品は、型枠をテーブル振動機に載せて型枠ごと振動させながら材料組成物を投入し、締め固めを行なって生産している。また、今後、環境製品としての透水コンクリートの利用が増大すると考えられ、その場合、コストや工期の問題から、透水コンクリートの現場施工が増大すると考えられる。現在実施されている透水コンクリートの現場施工としては、透水舗装がある。この透水舗装は、施工厚さが約10cmと薄いため、加圧振動でも十分締め固めることができ、しかも平面状であるから現場施工が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記透水舗装以外の用途での透水コンクリートの現場施工は以下の問題点があるため、実施が困難であった。
・テーブル振動機、棒形振動機が使えないので、一度に打設する厚さが制限されていた。
・舗装材のような平面形状にしか対応できなかった。
・コストや工期がかかってしまうものであった。
そこで、これらの問題点を解決し、透水コンクリートの用途を拡充するには、通常のコンクリートのように流動性を有し、棒形振動機等でも容易に締め固めが可能な材料組成物にする必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、粗骨材を、少なくともセメントと、細骨材と、水と、セルロース系増粘剤又は高炉スラグとを配合してなり、水セメント比が35〜45%である少量の結合材で連結し、連続する微細空隙を形成させてなる現場施工用透水コンクリート材料において、0.3〜3.0kg/mのセルロース系増粘剤若しくは置換率がセメント重量の10〜30%の高炉スラグと、セメント100重量部に対して0.6〜1.2重量部の減水剤と、を配合してなり、記粗骨材100重量部に対して前記結合材が44〜86重量部であることを特徴とする現場施工用透水コンクリート材料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
前記のように本発明の透水コンクリート材料は、セメント、骨材(細骨材、粗骨材)、水、増粘剤(水溶性増粘剤、無機系微粒子状物)及び減水剤を配合してなるものであり、セメント及び骨材及び水については、従来より透水コンクリートに適用されているものであればどのような性状の原材料、組成でも良い。
例えばセメントは、通常普通ポルトランドセメントが用いられ、細骨材としては川砂、粗骨材としては7号砕石(粒径5〜2.5mm)が用いられるが、勿論これらに限定されるものではない。例えば粗骨材については7号砕石に限らず、粒径10mm以下の単粒度砕石やその他の材料を用いることでも可能である。
【0007】
前記本発明に用いる水溶性増粘剤は、混練物の粘性を上げる性質のものであれば特にその材質を限定するものではない。例えばセルロース系、ポリアクリルアミド系、アクリル系の水溶性ポリマーを主成分とする増粘剤等であり、具体的には水中不分離性コンクリートに用いられる水中不分離性混和剤や高流動コンクリートに用いられる分離低減剤など種々のものを使用できる(特にこの場合、セルロース系の水中不分離性混和剤が好ましい)。
また、上記水溶性増粘剤に代えて高炉スラグ、シリカヒューム等の無機系微細粒子状物を用いても良い。
尚、無機系微粒子状物も水溶性増粘剤と同様に混練物の粘性を上げる作用を果たすものであるから、以下の説明では添加量が関連する場合を除いて両者を増粘剤とする。
【0008】
前記本発明に用いる減水剤は、一般に減水剤(分散剤)として分類されるものでも高性能減水剤(流動化剤)として分類されるものでも良く、特にその材質を限定するものではない。具体的には、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸塩、或いはナフタリンスルホン酸塩縮合物(ナフタリン系)、メラミン樹脂スルホン酸塩縮合物(メラミン系)など、種々のものを使用することができる。特にこの場合、ポリカルボン酸系高性能減水剤が好ましい。
【0009】
増粘剤のみを添加した場合、透水コンクリート用の材料組成物では、混練物の粘性が上り、材料の分離を防止することができる。しかし、粘性は向上するが、混練物の流動性が減少する欠点が生ずる。
本発明では、増粘剤と減水剤とを特定の添加範囲で併用することにより、単位水量の増加がなく、流動性を向上することができる。また、減水剤は、増粘剤の分散剤として働くことにより、前記増粘剤の効果を効率よくする利点がある。さらに、これら増粘剤と減水剤とにより、セメントペーストの延展性が向上し、骨材間の滑性が向上したと考えることもできる。
【0010】
このように本発明の現場施工用透水コンクリート材料は、材料混練物の流動性、自己充填性が優れたものとなる。尚、増粘剤の配合量(水溶性増粘剤の添加量や無機系微粒子状物の置換率)が前記の規定範囲より少なく、減水剤の添加量が前記の規定範囲より少ない場合には、上述の効果が十分に発現されないものとなる。また、増粘剤の配合量(水溶性増粘剤の添加量や無機系微粒子状物の置換率)が前記の規定範囲より多く、減水剤の添加量が前記の規定範囲より多い場合には、適当な流動性が得られず、充填性の低下や不透水層の形成が起こる。
【0011】
本発明の現場施工用透水コンクリート材料の一般的な配合は表1に示す通りである。
【表1】
Figure 0004460656
前記のように水溶性増粘剤量は0.3〜3.0kg/mであるが、0.7〜2.0kg/m がより好ましく、特に1.0kg/m程度が最適である。また、無機系微細粒子状物は置換率がセメント重量の10〜30%であるが、特に14〜16%が好ましい。また、前記のように減水剤量はセメント100重量部に対して0.6〜1.5重量部であるが、特に1%程度が最適である。
【0012】
前記のように本発明の現場施工用透水コンクリート材料は、材料混練物の流動性、自己充填性が優れたものとなり、締め固めを行なわなくても高い圧縮強度のものが得られるが、さらに高い強度を得るためには、振動機による締め固めが必要となる。
但し、従来の表面振動機や棒形振動機の使用では、以下の問題が生じた。
・表面振動機を使用した場合には、振動機と直接接触する部分(表面)が平滑になり、打ち継ぎを行なった場合、接触面積が少ないために付着性が悪くなり、弱点となることが考えられる。また、振動機と接触した全面にセメントペーストの膜ができ、不透水層が形成される。
・棒形振動機を使用した場合には、振動が強いためにセメントペーストが空隙を潰し、不透水層が形成される。また、棒形振動機の棒径が大きく、材料に差し込むと大きな穴が開き、これが大きな間隙として残る場合がある。
【0013】
そこで、表面振動機に図1に示すような網形のアタッチメントを取り付けて網形振動機とし、棒形振動機に図2に示すようなはしご形のアタッチメントを取り付けてはしご型振動機とし、何れかの振動機を用いて締め固めを行なう。
上記網形のアタッチメントは、金網に溝形鋼を付けた構造であり、金網の網目寸法は、線径5mm、長目中心間距離が50mm、短目中心間距離が20mmである。尚、網目の形状については特に限定しないが、線径は2〜10mm、網目を形成する一辺は20〜100mmが好ましい。また、網形の平面の大きさは一辺を10〜20cmとする正方形が好ましい。図中、1は金網、2は溝形鋼、3は表面振動機である。
また、上記はしご形のアタッチメントは、2本の縦棒に対し、複数(4本)の横棒を連結した構造であり、長さ50cm、棒径6mm、縦棒の間隔は30mmであり、下から50cmのところに最初の横棒が固定され、そこから100mmおきに横棒が固定されている。また、それぞれの横棒は、縦棒から左右に20cmづつ張り出している。尚、棒径は5〜10mm、横棒の取り付け間隔は50〜100mm、縦棒の間は30〜50mmが好ましい。図中、4は縦棒、5は横棒、6は棒形振動機である。
【0014】
前記網形振動機を用いて締め固めを行なうと、網の部分が材料混練物に入り込むので、表面が平滑になりにくく、その結果、打ち継ぎした場合も付着性が良くなる。
また、表面仕上げとしてこの網形振動機で材料混練物を突き固めると、接触する部分が少なく、セメントペーストの膜ができにくい。そのため、不透水層の形成が抑えられる。尚、この効果は、本発明の透水コンクリート材料のセメントペーストの粘性の高さ、即ち材料の分離の防止作用が大きく貢献している。
【0015】
前記はしご形振動機を用いて締め固めを行なうと、厚さ50cmでも締め固めが可能である。尚、この効果も、本発明の透水コンクリート材料の流動性、並びに材料の分離の防止作用が大きく寄与している。
はしご形の縦棒は、通常の棒形振動機の作用をするが、本発明の透水コンクリート材料は流動性、自己充填性を有しているので、棒径を細くして作用振動を緩和することができる。そして、棒径を細くすることで、不透水層の形成を抑制し、振動機の差し込みによる間隙の形成を抑えることもできる。
また、はしご形の横棒は、縦棒から左右に張り出させることで、緩和された振動が広く伝わり、充填性が向上するという作用がある。
【0016】
【実施例】
〔実験例1〕表2に示す組成の実施例1,2の現場施工用透水コンクリート材料を、コンクリートミキサーで十分に混練りした後、φ10×20cmの円柱形型枠に流し込み、試験体を作製した。比較として従来の透水コンクリート材料(表2に示す組成の比較例1)も同様の作製方法で試験体を作製した。得られた試験体について、空隙率、圧縮強度、及び透水係数を測定した。結果は表2に併せて示した。
【表2】
Figure 0004460656
【0017】
〔試験結果1〕
表2より明らかなように、従来の透水コンクリート材料である比較例1の空隙率は約34%であったのに対し、本発明の実施例1,2の空隙率は23%,24%であり、自己充填性があることが確認できた。
また、従来の透水コンクリートである比較例1の圧縮強度が39kg/cm2 であったのに対し、本発明の実施例1,2の圧縮強度は160kg/cm2 ,142kg/cm2 、であり、強度の向上も見られた。
さらに、本発明の実施例1,2は、透水係数が2.7×10-1cm/s,3.0×10-1cm/sとなり、良好な透水性を有することが確認された。
【0018】
〔実験例2〕
前記実験例1における実施例1の透水コンクリート材料を、表面振動機、棒形振動機、前記図1の網形振動機、前記図2のはしご形振動機で締め固めた透水コンクリートの試験体の空隙率、圧縮強度、透水係数を調べた。それぞれの試験体の作製方法は、φ15×30cmの円柱形型枠上部まで材料混練物を投入し、それぞれの振動機で締め固めた後、不足分を補充し、表面振動機、棒形振動機の試験体については表面振動機で、網形振動機、はしご形振動機の試験体については網形表面振動機の突き固めで表面仕上げを行なった。
表3にその結果を示した。尚、前記のように何れも前記実施例1の透水コンクリート材料を用いて試験体を作成したものであるが、便宜上、網形振動機、はしご形振動機を用いる方法を実施例A,Bとし、表面振動機、棒形振動機を用いる方法を比較例A,Bと表記した。
【表3】
Figure 0004460656
【0019】
〔試験結果2〕
透水コンクリートの圧縮強度は、空隙率に依存する。網形、はしご形振動機を使用して締め固めた試験体の空隙率と圧縮強度の関係は、表面振動機、棒形振動機を使用した場合の関係とほぼ同じであった。
透水係数に関しては、実施例A,Bの網形振動機やはしご振動機を用いて締め固める方法により得られた試験体が、比較例A,Bの棒形振動機や表面振動機で締め固める方法により得られた試験体よりも高い値を示した。これより、表面振動機や棒形振動機で締め固めることでセメントペーストによる不透水層の形成が表面や内部で起こっているのに対し、網形振動機やはしご形振動機で締め固めを行なうとそれが解消されていることが確認された。
また、表面振動機で締め固めた試験体の強度試験で、打ち継ぎ部分に亀裂が入り、破断したのに対し、網形振動機の打ち継ぎ部分では亀裂が入るようなことはなかった。
【0020】
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特定量の増粘剤(水溶性増粘剤、無機系微粒子状物)と減水剤を添加することによって、本発明の現場施工用透水コンクリート材料の材料混練物に流動性と自己充填性が付与される。
【0022】
また、その現場施工において、網形振動機で締め固めを行なうと、材料と接触する部分が平滑になりにくく、その結果、打ち継ぎした場合も付着が良くなる。また、表面仕上げを行なう場合、この振動機で突き固めるとセメントペーストの膜ができにくく、不透水層の形成が抑えられる。
さらに、はしご形振動機で締め固めを行なうと、厚さ50cmでも締め固めが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明における網形のアタッチメントを示す平面図、(b)側面図である。
【図2】本発明におけるはしご形のアタッチメントを示す平面図である。

Claims (1)

  1. 粗骨材を、少なくともセメントと、細骨材と、水と、セルロース系増粘剤又は高炉スラグとを配合してなり、水セメント比が35〜45%である少量の結合材で連結し、連続する微細空隙を形成させてなる現場施工用透水コンクリート材料において、
    0.3〜3.0kg/mのセルロース系増粘剤若しくは置換率がセメント重量の10〜30%の高炉スラグと、セメント100重量部に対して0.6〜1.2重量部の減水剤と、を配合してなり、
    記粗骨材100重量部に対して前記結合材が44〜86重量部であることを特徴とする現場施工用透水コンクリート材料。
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