JP6997628B2 - 保水性舗装の施工方法 - Google Patents
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Description
したがって、本願の目的は、前記潜在効果を実現しながら短時間で少ない労力で施工ができる排水性を有する、現場打ち保水性舗装の施工方法を提供することにある。本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、路盤上に保水性セメントミルクを所定の厚さで敷き均した後、特定のポーラスコンクリートを打設し敷き均し養生することにより、ポーラスコンクリートの分離を防ぎ、所定の強度を確保でき、また、保水性セメントミルクとポーラスコンクリートの施工を連続して行うことで、短時間に少ない労力で施工ができることを見いだし、本発明を完成させたものである。
(B)ポーラスコンクリートの一部(下部)が、前記保水性セメントミルクに浸されるようにポーラスコンクリートを打設する工程、
(C)ポーラスコンクリートを締固めて敷き均した後、養生する工程、
を含む排水性を有する保水性舗装の施工方法であって、
上記ポーラスコンクリートが、セメントの単位量が125~950kg/m3、細骨材の単位量が40~350kg/m3、粗骨材の単位量が1100~2100kg/m3、水の単位量が20~180kg/m3、増粘剤又は水中不分離性混和剤の単位量が0.5~6.0kg/m3、および高性能減水剤又は高性能AE減水剤の配合量がセメントに対して1.7~6.0質量%であり、
上記保水性セメントミルクを、下記(1)式から算出される厚さで敷き均すことを特徴とする排水性を有する保水性舗装の施工方法。
保水性セメントミルクの敷き均し厚さ=(舗装の設計厚さ)×(ポーラスコンクリートの空隙率)×D (1)
上記式中のDは0.3~0.7の定数
保水性セメントミルクとしては、例えば、オートクレーブ養生した気泡コンクリート(ALC)粉粒体、パーライトの粉粒体、ロックウールの粉粒体、セピオライト粉粒体から選ばれる1種以上の粉粒体と、水と、セメントと、減水剤を含む保水性セメントミルクが挙げられる。
本発明で使用する材料とその好ましい配合割合を説明する。
セメントは、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の各種混合セメント、エコセメント、シリカフュームプレミックスセメントや、石灰石粉末混合セメント等を使用することができる。
(A)まず、路盤上に側溝用コンクリート用ブロックを設置し、該ブロックに挟まれた路盤上に保水性セメントミルクを敷き均す。側溝用コンクリートブロックの設置方法は特に限定されるものでなく、慣用の方法で行えばよい。なお、側溝用コンクリートブロックは、保水性舗装と接する側壁に排水を通すための貫通孔を有するものを使用する。当該貫通孔の位置(高さ)は、保水性舗装における保水性セメントミルクの充填高さに応じて設定すれば良い。また、保水性セメントミルクの敷き均し方法は特に限定されるものではなく、慣用の方法で行えばよい。
(a)使用材料
表1にポーラスコンクリートの使用材料を、表2に保水性セメントミルクの使用材料を示す。
表3にポーラスコンクリートの配合を、表4に保水性セメントミルクの配合を示す。なお、ポーラスコンクリートの空隙率の測定は、内径10cm、高さ20cmの鋼製型枠に詰めたポーラスコンクリートの上に厚さ1mmの鉄板(質量は60g)を載せ、当該鉄板の上にさらに錘(質量は4kg)を載せ、当該錘の上から壁打バイブレータを用いて120秒間加振して、当該加振後のポーラスコンクリートの体積(Vb)に基づき、下記式を用いて空隙率を算出した。
空隙率(体積%)=100-(W/(Vb×T))×100
(式中、Wは型枠内に投入したポーラスコンクリートの質量を表し、Vbは加振後のポーラスコンクリートの体積を表し、Tは空隙率を0体積%として計算したポーラスコンクリートの配合上の単位容積質量を表す。)
ポーラスコンクリートの製造は, レディミクストコンクリート工場において, 公称容量が3.0m3の水平二軸形強制練りミキサを用いて、全ての材料を一括してミキサに投入し2分間混練した。
保水性セメントミルクの練混ぜには、万能混合撹拌機を使用した。水、混和剤、セメントおよび保水材を投入し、2分間混練した。なお、該保水性セメントミルクのPロート流下時間は11秒であった。
路盤上に側溝用コンクリートブロック10を設置し、該ブロックに挟まれた路盤上に、表4の保水性セメントミルク20を所定厚さa(13mm)に敷き均した後、空隙率17.5%に揃えた表3の各ポーラスコンクリート30をバイブ式のアスファルトフィニッシャを使用して敷均しと締固めを行った。次に、ゴム巻きの振動ローラで締固めて仕上げを行った。その後、速やかに、ポーラスコンクリートの表面にビニルシートを敷設して材齢7日まで養生して、図1に示す保水性舗装を構築した。なお、該舗装の設計厚さは150mmで、保水性セメントミルクの目標充填高さbは75mm((1)式のDは、0.5)である。
なお、側溝用コンクリートブロックとしては、幅150mm×長さ600mm×高さ150mmのU字溝(保水性舗装と接する側壁の高さ75mmの位置を中心とした直径50mmの貫通孔11を3つ等間隔で有する)を使用した。また、保水性舗装の施工から養生終了まで、貫通孔の内面側にガムテープ12(養生後に剥離)を貼り、保水性セメントミルク及びポーラスコンクリートがU字溝内に漏れないようにして保水性舗装を構築した。図1では、ポーラスコンクリートの骨材等を強調して模式的に図示している。
材齢28日目の実施例1~3の保水性舗装に、時間50mmに相当する水を1時間供給したところ、舗装面上面での水の滞留は認められなかった。
次に、材齢28日目の実施例1~3および比較例の舗装上の図2に示す位置からφ100mmの円柱状コアを採取した。
表3の実施例1のポーラスコンクリートを使用して、側溝用コンクリートブロックを設置しなかったこと、また、保水性セメントミルクの目標充填高さを150mm((1)式のDは1.0)としたこと以外は、上記実施例1と同様にして保水性舗装を構築した。
材齢28日目の参考例の保水性舗装に、時間雨量50mmに相当する水を1時間供給したところ、舗装上面に水が滞留し水溜まりが生じた。
(1) 保水性セメントミルクの充填状況
No.1~3のコアを縦に割裂し、保水性セメントミルクの充填高さを割裂断面の目視で確認した。
(2) 保水量
20℃の恒温水槽に供試体を24時間水浸させた後、供試体回りの水滴をウエスで軽く拭き取り、供試体の湿潤質量(Wt)を測定した。その後、供試体を乾燥炉に入れて、60℃で24時間乾燥させた後、供試体の乾燥質量(Wd)を測定した。数1式により、保水量(kg/m2)を求めた。
JIS A 1107「コンクリートからのコアの採取方法および圧縮強度試験方法」に準拠した。
表5に保水量の試験結果を、表6に圧縮強度試験結果を示す。表5、表6から、増粘剤を含むポーラスコンクリートを用いた実施例1~3の保水性舗装においては、保水量と圧縮強度が高いことが分かる。また、目視観察の結果、実施例1~3の保水性舗装では、保水性セメントミルクの充填高さは75mmであった。
一方、増粘剤を含まないポーラスコンクリートを用いた比較例の保水性舗装では、圧縮強度が低かった。
11:貫通孔
12:ガムテープ
20:保水性セメントミルク
30:ポーラスコンクリート
a: 保水性セメントミルクの敷き均し高さ
b: 保水性セメントミルクの目標充填高さ
Claims (1)
- (A)路盤上に、保水性舗装と接する側壁に排水を通すための貫通孔を有する側溝用コンクリートブロックを設置し、該ブロックに挟まれた路盤上に保水性セメントミルクを敷き均す工程、
(B)連続して、ポーラスコンクリートの一部(下部)が、前記保水性セメントミルクに浸されるようにポーラスコンクリートを打設する工程、
(C)ポーラスコンクリートを締固めて敷き均した後、養生する工程、
を含む排水性を有する保水性舗装の施工方法であって、
上記ポーラスコンクリートが、セメントの単位量が125~950kg/m3、細骨材の単位量が40~350kg/m3、粗骨材の単位量が1100~2100kg/m3、水の単位量が20~180kg/m3、増粘剤又は水中不分離性混和剤の単位量が0.5~6.0kg/m3、および高性能減水剤又は高性能AE減水剤の配合量がセメントに対して1.7~6.0質量%であり、
上記保水性セメントミルクを、下記(1)式から算出される厚さで敷き均すことを特徴とする排水性を有する保水性舗装の施工方法。
保水性セメントミルクの敷き均し厚さ=(舗装の設計厚さ)×(ポーラスコンクリートの空隙率)×D (1)
前記式中のDは0.3~0.7の定数
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