JP2009173466A - 凍結抑制機能を有する舗装用セメント組成物とその舗装体 - Google Patents

凍結抑制機能を有する舗装用セメント組成物とその舗装体 Download PDF

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Abstract

【課題】凍結抑制機能を長期にわたって持続する凍結抑制機能を有する舗装体と、該舗装体を形成することができる舗装用セメント組成物を提供する。
【解決手段】
保水性注入材と塩化物系粉末材とを含有し凍結抑制機能を有する舗装用セメント組成物において、保水性注入材がセメント系結合材と保水性材料とを含み、保水性材料の粒径が200μm以下であることを特徴とし、好ましくは、セメント系結合材がカルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分と、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩、オキシカルボン酸からなる凝結調整剤成分とを含有する超速硬セメントであって、無機硫酸塩含有量が50質量%以上である舗装用セメント組成物とその舗装体。
【選択図】なし

Description

本発明は、凍結抑制機能を長期にわたって持続する凍結抑制機能を有する舗装体と、該舗装体を形成することができる舗装用セメント組成物に関する。
冬季における舗装面の凍結を抑制する技術として、塩化カルシウムのような塩類を混入させたアスファルト混合物を舗装面に用いる方法が知られている。この方法は、塩類の凝固点の降下によって凍結を遅延させるものであるが、塩類を混入させる舗装は、1年〜2年程度の使用によって塩類が溶出し、凍結抑制効果を消失してしまう問題があった。
この問題を解決する方策として、セメントと、塩類と、吸水性樹脂とを含む凍結抑制材が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に示される凍結抑制材は、吸水性樹脂によって塩類の保持性を高め、舗装面からの塩類の溶出を抑制している。また、セメントと、疎水性の被膜を有する吸水性樹脂と塩類を含む舗装用処理材が開示されている(特許文献2参照)。特許文献2に示される舗装用処理材は、疎水性の被膜を有する吸水性樹脂を用いることによって舗装内への注入可能時間を長くし、吸水性樹脂の注入を長い時間にかけて行うことによって多量の吸水性樹脂を舗装内に注入するようにしたものである。
上記特許文献1および特許文献2に示される舗装用処理材は、凍結抑制効果を有する塩類を吸水性樹脂に保持させており、舗装内部に吸水性樹脂を閉じ込めたままでは凍結抑制効果を充分に発現することができないので、吸水性樹脂を舗装の表層近傍に配置する必要がある。ところが、舗装の表層近傍に吸水性樹脂を配置した場合、1年〜2年程度の使用によって、多数の走行車両の通行で舗装面が摩耗をうけて吸水性樹脂が舗装から剥がれてしまい、長期間安定に凍結抑制効果を維持することができない問題があった。
従来の上記凍結抑制舗装体の欠点を解決するため、最大吸水率5〜80%の保水性注入材100重量部に対して塩化物粉末を1〜30重量部含有したセメント組成物を全体空隙率が18〜30%の開粒度アスファルトコンクリートに浸透させてなる凍結抑制効果を有する舗装体が提案されている(特許文献3参照)。この舗装体は耐流動性および耐摩耗性に優れており、長期の凍結抑制効果を維持することができる。
一方、凍結抑制舗装体において、凍結抑制機能を有するセメントミルク硬化物の凍結融解抵抗性が十分でない場合、舗装体表層部分のセメントミルク硬化物が劣化し、車両の走行等によって剥がれてしまい、凍結抑制機能を長期間持続できないと云う問題を招く。
また、舗装体の構成材料として保水性材料を用いている場合、保水性材料の空隙部分に水分が入り込み、空隙中の水分が凍結したときに、その膨張力に舗装体の強度が耐えられないと、舗装体表層部分のセメントミルク硬化物が劣化して剥がれてしまう。従って、凍結した水分が過大な膨張力を生じない対策が求められる。さらに、凍結抑制機能を有するセメントミルクを舗装体内部に浸透させるときに浸透不良が生じると、十分な凍結抑制効果が得られない。
さらに、凍結抑制成分として塩化物が用いられるが、保水性材料の結合材としてセメント系結合材を用いている場合、セメントの水和硬化過程において、セメントに含まれるカルシウム分と塩素が反応してフリーデル氏塩が形成され、塩化物が硬化体中に固定されてしまい、凍結抑制効果が低下する問題がある。
特許第2981458号公報 特開2002−212906号公報 特開2005−97957号公報
本発明は、凍結抑制機能を有する舗装体について、従来の上記問題を解決したものであり、凍結抑制機能を長期にわたって持続する凍結抑制機能を有する舗装体と、該舗装体を形成することができる舗装用セメント組成物を提供する。
本発明は、以下の〔1〕〜〔7〕に示す構成を有することによって、上記課題を解決した凍結抑制効果を有する舗装用セメント組成物と、該セメント組成物を用いた舗装体に関する。
〔1〕保水性注入材と塩化物系粉末材とを含有し凍結抑制機能を有する舗装用セメント組成物において、保水性注入材がセメント系結合材と保水性材料とを含み、保水性材料の粒径が200μm以下であることを特徴とする舗装用セメント組成物。
〔2〕保水性材料が製紙スラッジ焼却灰または珪藻質濾過助剤であり、製紙スラッジ焼却灰がアルミナおよびシリカを主成分とし、粒径200μm以下、最大吸水率30〜100%であり、珪藻質濾過助剤が平均粒径5〜10μm、最大吸水率10〜100%である上記[1]に記載する舗装用セメント組成物。
〔3〕保水性注入材と塩化物系粉末材の含有量が、保水性注入材100質量部に対して塩化物系粉末1〜30質量部であり、保水性注入材中のセメント系結合材と保水性材料の含有量が、セメント系結合材100質量部に対して保水性材料5〜80質量部である上記[1]または上記[2]に記載する舗装用セメント組成物。
〔4〕保水性注入材のセメント系結合材が超速硬セメントであり、該超速硬セメントがカルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分と、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩、オキシカルボン酸からなる凝結調整剤成分とを含有する上記[1]〜上記[3]に記載する舗装用セメント組成物。
〔5〕上記[4]において、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分の無機硫酸塩含有量が50質量%以上である舗装用セメント組成物。
〔6〕上記[4]において、上記超速硬セメントとして、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩とが質量比で1:(0.5〜3)の割合で混合された急硬成分に対して、内割でアルミン酸ナトリウム0.2〜35.0質量%、無機炭酸塩0.2〜35.0質量%およびオキシカルボン酸類0.1〜15.0質量%からなる凝結調整剤を含み、カルシウムアルミネートのガラス化率が80%以上であって、アルミン酸ナトリウム、上記無機炭酸塩および上記オキシカルボン酸類からなる凝結調整剤のうちのいずれか1種を100質量%とするとき他の2種をそれぞれ60〜160質量%含み、アルミン酸ナトリウム、上記無機炭酸塩または上記オキシカルボン酸類のうちの少なくとも1種の凝結調整剤が、この選ばれた1種の凝結調整剤の総量を100質量%とするとき、平均粒径45μmを越えかつ90μm以下の第1粒子10〜45質量%と、平均粒径90μmを越えかつ150μm以下の第2粒子30〜70質量%と、平均粒径150μmを越えかつ500μm以下の第3粒子5〜30質量%とを含み、かつ上記第2粒子を上記第1粒子より多く含むとともに上記第3粒子より多く含む混和材を配合した舗装用セメント組成物。
〔7〕塩化物系粉末材が、粒子径700μm以下の、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、または、これらの加工品であり、該加工品が、母材中に上記塩化物が吸着されたものであり、または上記塩化物がシリカ質でコーティングされたものであり、または、上記塩化物が吸着された母材がシリカ質でコーティングされたものである上記[1]〜上記[6]の何れかに記載する舗装用セメント組成物。
〔8〕上記[1]〜上記[7]の何れかに記載するセメント組成物に所定の水を加えて混練した浸透用セメントミルクを、全空隙率18〜30%の開粒度アスファルトコンクリートの空隙部分に浸透させてなることを特徴とする凍結抑制機能を有する舗装体。
本発明の舗装用セメント組成物は、上記[1]に示すように、舗装体に用いる保水性注入材の構成材料である保水性材料の粒径が200μm以下であるので、保水性材料の空隙径が小さく、この空隙に入り込んだ水分が凍結した場合にも膨張力が過大にならず、繰り返し凍結融解作用による劣化が少なく,セメントミルク硬化物が劣化して剥がれることが少ないので、凍結抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
また、本発明の舗装用セメント組成物は、上記[2]に示すように、保水性材料の製紙スラッジ焼却灰が最大吸水率30〜100%および粒径200μm以下であり、珪藻質濾過助剤が最大吸水率10〜100%および平均粒径5〜10μmであり、充分な吸水率を有すると共に、これらの粒径が小さく、粗粒部分を含まないので、水を添加してセメントミルクとしたときに良好な流動性を有し、これを舗装体に浸透させるときに粗粒部分による抵抗がなく、浸透しやすいので、浸透不良を生じる虞がなく、塩化物を舗装体全厚にわたってに浸透させることができ、持続的な凍結抑制効果を得ることができる。また、保水性材料として珪藻質濾過助剤を用いることによって、6価クロムの溶出量を大幅に低減することができる。
本発明の舗装用セメント組成物は、上記[3]に示すように、保水性注入材と塩化物系粉末材の含有量が、保水性注入材100質量部に対して塩化物系粉末1〜30質量部であり、保水性注入材中のセメント系結合材と保水性材料の含有量が、セメント系結合材100質量部に対して保水性材料5〜80質量部であるので、吸水率の大きな保水性材料を用いても、該セメント組成物を舗装面に浸透させて硬化させたときに舗装面が十分な圧縮強度を有すると共に塩化物によって良好な路面凍結抑制効果を発揮する。
さらに、本発明の舗装用セメント組成物は、上記[4]に示すように、保水性注入材のセメント系結合材として、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分と、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩、オキシカルボン酸からなる凝結調整剤成分とを含有する超速硬セメントを用いることによって、塩化物を含有させたときの初期強度ないし長期強度の低下を改善することができる。
従来、塩化物を含有するセメントは、セメントミルクの可使時間を50分程度に長くすると、初期強度あるいは長期強度が低下する傾向があるが、上記[4]に示す速硬成分を有する超速硬セメントを用いることによって初期および長期の強度低下を抑制することができ、セメントミルクが凍結融解作用を受けても健全な状態が維持され、長期間にわたって凍結抑制効果が維持される。例えば、上記超速硬セメントとして上記[6]に記載する成分のものを用いると良い。
さらに、本発明の舗装用セメント組成物は、上記[5]に示すように、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分の無機硫酸塩含有量が50質量%以上であるので、塩化物系粉末を含有したセメント組成物でも、フリーデル氏塩が実質的に生成せず、硬化体の水和物の組成は実質的にエトリンガイト、モノサルフェイト、カルシウムシリケート水和物のみである。従って、塩化物が水和物に固定されず、従来のものに比べて大幅に改善された凍結抑制機能、凍結融解作用を受けた後の凍結抑制機能を発揮する。
また、本発明の舗装用セメント組成物は、上記[7]に示すように、塩化物系粉末材が、粒子径700μm以下の、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、または、これらの加工品であり、該加工品が、母材中に上記塩化物が吸着されたものであり、または上記塩化物がシリカ質でコーティングされたものであり、または上記塩化物が吸着された母材がシリカ質でコーティングされたものを用いることによって、路面温度−5℃程度までの路面凍結や氷結を効果的に抑制することができる。上記[1]〜[6]の構成下で、これらを用いることによって、長期間にわたってこの効果を持続させることができる。
さらに、本発明の凍結抑制機能を有する舗装体は、上記[8]に示すように、上記[1]〜[7]の何れかに記載するセメント組成物に所定の水を加えて混練した浸透用セメントミルクを、全空隙率18〜30%の開粒度アスファルトコンクリートの空隙部分に浸透させてなることを特徴とするものであり、長期にわたって持続する凍結抑制機能を有することができる。
本発明の舗装用セメント組成物は、保水性注入材と塩化物系粉末材とを含有し凍結抑制機能を有する舗装用セメント組成物において、保水性注入材がセメント系結合材と保水性材料とを含み、保水性材料の粒径が200μm以下であることを特徴とする舗装用セメント組成物である。
保水性注入材はセメント系結合材と保水性材料とを含む。保水性材料の粒径は200μm以下である。保水性材料の粒径が200μm以下であることによって、保水性材料によって形成される空隙径が小さくなり、このような空隙径の気泡は連続空隙になっているため、この水分が凍結した場合にも膨張力が過大にならず、保水性注入材によって形成されるセメントミルク硬化物が劣化して剥がれることが少ないので、凍結抑制効果を長期間にわたって維持することができる。
保水性注入材は、最大吸水率が5〜80%のものが好ましい。最大吸水率が5%より低いと水分を殆ど吸収しないので塩化物を保持することができず、一方、最大吸水率が80%を上回ると、硬化体の強度が低下し、凍結抑制効果の持続性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
保水性注入材に含まれる保水性材料として、製紙スラッジ焼却灰または珪藻質濾過助剤を用いることができる。製紙スラッジ焼却灰はアルミナおよびシリカを主成分としており、粒径200μm以下、最大吸水率30〜100%のものが好ましい。また、珪藻質濾過助剤は平均粒径5〜10μm、最大吸水率10〜100%のものが好ましい。
上記粒径を有する保水性材料は、保水性注入材に水を加えてセメントミルクにしたときに、固形分である保水性材料の粒径が小さく、粗粒部分を含まないので、これを舗装体に浸透させるときに、粗粒部分による抵抗が少なく、注入性が良好であるので浸透不良を生じる虞がなく、十分に塩化物を舗装体に浸透させることができ、持続的な凍結抑制効果を得ることができる。
保水性注入材に含まれるセメント系結合材として、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、白色セメント、超速硬セメントなどを用いることができる。特に超速硬セメントが好ましく、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分と、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩、オキシカルボン酸からなる凝結調整剤成分とを含有する該超速硬セメントがより好ましい。上記凝結調整成分を有することによって、塩化物を含有させたときの初期強度ないし長期強度の低下を改善することができる。
上記超速硬セメントとして、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩とが質量比で1:(0.5〜3)の割合で混合された急硬成分に対して、内割でアルミン酸ナトリウム0.2〜35.0質量%、無機炭酸塩0.2〜35.0質量%およびオキシカルボン酸類0.1〜15.0質量%からなる凝結調整剤を含み、カルシウムアルミネートのガラス化率が80%以上であって、アルミン酸ナトリウム、前記無機炭酸塩および前記オキシカルボン酸類からなる凝結調整剤のうちのいずれか1種を100質量%とするとき他の2種をそれぞれ60〜160質量%含み、アルミン酸ナトリウム、前記無機炭酸塩または前記オキシカルボン酸類のうちの少なくとも1種の凝結調整剤が、この選ばれた1種の凝結調整剤の総量を100質量%とするとき、平均粒径45μmを越えかつ90μm以下の第1粒子10〜45質量%と、平均粒径90μmを越えかつ150μm以下の第2粒子30〜70質量%と、平均粒径150μmを越えかつ500μm以下の第3粒子5〜30質量%とを含み、かつ前記第2粒子を前記第1粒子より多く含むとともに前記第3粒子より多く含む混和材を配合した超速硬セメント組成物が知られている(特許第3912425号)。
保水性注入材に含まれるセメント系結合材として、上記特許に示される超速硬セメントを本発明に適する成分範囲で用いるとよい。なお、上記特許に示される超速硬セメントは、材齢3時間程度の圧縮強度を低下させずに、可使時間を60分程度と長く確保することができ、また長期的な強度性状も良好で、凝結時間の温度依存性が小さいので作業性に優れており、さらにセメント水和物が6価クロムを吸着,固定するなどの効果を有することが示されている。
なお、上記特許に示される6価クロムの溶出量は0.03mg/kgであり、土壌環境基準(0.05mg/kg以下)を満足するが、本発明においては、保水性材料として珪藻質濾過助剤を用いることによって更に6価クロムの溶出量を低減することができる。具体的には、本発明の実施例において示す6価クロムの溶出量は0.01mg/kg以下である。珪藻質濾過助剤は珪素土に融剤を加えて焼成(焼成温度1000〜1500℃)し、焼成物を粉砕(粒径200μm以下)したものである。
本発明の舗装用セメント組成物において、保水性注入材のセメント系結合材として用いる上記超速硬セメントは、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分の無機硫酸塩含有量が50質量%以上であるものが好ましい。無機硫酸塩含有量が50質量%以上であることによって、塩化物系粉末を含有したセメント組成物でも、フリーデル氏塩が実質的に生成せず、硬化体の水和物の組成を実質的にエトリンガイト、モノサルフェイト、カルシウムシリケート水和物のみに制御することができる。従って、塩化物が水和物に固定されず、水溶性の塩類として硬化体中に存在するため,従来のものに比べて大幅に改善された凍結抑制機能、凍結融解作用を受けた後の凍結抑制機能を発揮させることができる。無機硫酸塩としては無水石膏などが用いられる。
保水性注入材と共に用いる塩化物系粉末材として粒子径700μm以下の粉末が好ましく、塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、またはこれらの加工品を用いることができる。
塩化物の加工品としては、母材にシリカ質材料を用い、母材中に上記塩化物が吸着されたもの、または上記塩化物がシリカ質でコーティングされたもの、または上記塩化物が吸着された母材がシリカ質材料でコーティングされたものを用いることができる。これらの加工品を用いることによって、路面温度−5℃程度までの路面凍結や氷結を効果的に抑制することができる。
本発明の舗装用セメント組成物において、保水性注入材と塩化物系粉末材の含有量は保水性注入材100質量部に対して塩化物系粉末1〜30質量部が好ましい。塩化物系粉末の使用量が上記範囲より少ないと十分な凍結抑制効果を得るのが難しく、一方、塩化物系粉末の使用量が上記範囲より多くても凍結抑制効果は大幅には変わらない。
また、保水性注入材中のセメント系結合材と保水性材料の含有量はセメント系結合材100質量部に対して保水性材料5〜80質量部が好ましい。この範囲内において十分な保水効果と十分な強度が得られる。保水性材料が5重量部未満のときは十分な保水効果が得られない。また保水性材料が80重量部を越えても大幅な保水効果は得られず、むしろ強度の低下を招く虞がある。好ましくは、セメント系結合材と保水性材料の配合量は、セメント系結合材100質量部に対して、保水性材料が5〜60重量部が適当であり、保水性材料が10〜50重量部がより好ましい。
本発明の舗装用セメント組成物を、例えば、全空隙率18〜30%の開粒度アスファルトコンクリートの空隙部分に浸透させ、硬化させることによって、長期にわたって持続する凍結抑制機能を有する舗装体を得ることができる。
一般に凍結抑制機能を有する舗装体は,寒冷地の繰り返し凍結融解作用を受ける舗装に適用されることが多い。しかし,凍結抑制機能を有するセメントミルク硬化物の凍結融解抵抗性が十分ではないと、凍結融解作用によって凍結抑制機能を有する舗装体表層部分のセメントミルク硬化物が劣化し、車両の走行等によって剥がれてしまい、凍結抑制機能が短期間に失われるという問題を招く。
凍結融解抵抗性が十分でない理由としては、セメント系結合材に結晶性のカルシウムアルミネート(CA,C3A,C127など)を用いた超速硬セメントを使用した場合、一般に、このセメントミルク硬化体の初期強度(3時間)は0.5N/mm2以上(実際には3〜4N/mm2程度)であるが、長期強度(28日)は5〜20N/mm2程度であり、大きくない。また、保水性材料の空隙部に水分が入り込み,空隙中の水が凍結したときの膨張力に硬化体が耐えられない場合がある。特に最大粒度が1000μmと比較的粒度の大きい製紙スラッジ焼却灰の空隙径は100μm以上の独立した空隙が多く、この空隙に入った水分の凍結による膨張力が大きく、凍結融解抵抗性に及ぼす悪影響が著しい。
また、超速硬セメントと共に凍結抑制剤として塩化物系の混和剤を併用する場合、塩化物系混和剤が十分な凍結抑制効果を有するには一定量以上必要である。しかし,塩化物系混和剤を添加した場合、セメントミルクの初期強度、長期強度は何れも塩化物系混和剤を添加しないものと比較して低くなる傾向がある。
さらに、保水性材料として用いる製紙スラッジ焼却灰の最大粒度が1000μmと粗い場合には、セメントミルクを開粒度アスファルトコンクリートに浸透させる際に,粗粒分が抵抗となり浸透不良を生じる可能性がある。セメントミルクが十分に均一に浸透されないことによって、舗装体中に存在する塩化物総量が減少し、凍結抑制機能およびその持続性が十分に発揮されなくなる。
また、凍結抑制用の混和剤として添加した塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の塩化物中の凍結抑制作用に有効な成分は塩化物イオン(Cl-)である。しかし、セメントや超速硬セメントが水和、硬化する過程において、本来はカルシウムシリケート水和物やエトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)、モノサルフェイト(3CaO・Al2O3・CaSO4・10H2O)などの水和物が形成されるが、塩化物の存在下ではフリーデル氏塩(3CaO・Al2O3・3CaCl2・10H2O)が生成され、塩化物が硬化体中に固定されてしまい、塩化物イオンの溶出による凍結抑制効果が阻害されるという弊害がある。
以上のような凍結融解作用によるセメントミルクの劣化に対して、本発明の舗装用セメント組成物は、その解決策として、保水性注入材のセメント系結合材として超速硬セメントを使用する場合、上記[4]に示す速硬成分を有するものを用いる。これによって、従来の超速硬セメントに比べて超速硬セメント中の速硬材量を少なくしても、一定水準以上のセメントミルク硬化体の初期強度(3時間で3〜4N/mm2以上)が得られる。その分、超速硬セメント中のポルトランドセメントの量を相対的に増やすことができ、長期強度の増進に寄与するポルトランドセメントの量が増加することにより、長期強度(28日)が20N/mm2以上に高くなる。また、セメントミルク硬化体の長期強度が高くなることによって、セメントミルク硬化体の凍結融解抵抗性が向上し、舗装体が凍結融解作用を受けた状態でも舗装体表面が劣化することなく、長期間にわたって凍結抑制機能を持続することができる。
また、本発明の舗装用セメント組成物は、上記[4]に示す特定の急硬成分および粒度構成の規定されたアルミン酸ナトリウム,無機炭酸塩およびオキシカルボン酸によりなる凝結調整剤を用いることによって、従来からの問題点であった塩化物系の混和剤を一定量添加したときに、セメントミルクの可使時間を50分程度に長くした場合の初期強度あるいは長期強度が低下する問題を改善した。
さらに、従来は保水性材料に比較的粒度の粗い製紙スラッジ焼却灰(最大粒径1000μm)を用いていたが、本発明はこれを粉砕して最大粒径200μmにした。これによって凍結融解抵抗性に悪影響を及ぼす空隙径の大きな空隙が除去され、セメントミルク硬化体の凍結融解抵抗性が良くなり、舗装体が凍結融解作用を受けた状態でも舗装体表面が劣化するがことなく、長期間にわたって凍結抑制機能を持続することができた。
本発明の舗装用セメント組成物ないしその舗装体は、これらの対策によってセメントミルクが凍結融解作用を受けても健全な状態が維持され、長期間にわたって凍結抑制機能を維持することができた。
さらに、セメントミルク硬化体に含有される凍結抑制に有効な塩化物成分の減少に対する解決策として、本発明の舗装用セメント組成物は、保水性材料に使用されている比較的粒度の粗い製紙スラッジ焼却灰(最大粒径1000μm)を粉砕して最大粒径を200μmにした。これによって、開粒度アスファルトコンクリートにセメントミルクを浸透させるときに抵抗となる粗粒分が除去されているため、舗装体全層にわたって良好でかつ均一な浸透性が得られ、十分な量の塩化物が浸透するので、舗装体中に存在する塩化物総量が大きくなり、長期間にわたって安定した凍結抑制機能が持続するようになった。
また、超速硬セメント中の速硬材の成分であるカルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物において、無機硫酸塩の割合を50質量%以上にすることによって、塩化物系混和剤を添加した場合においても、フリーデル氏塩の生成が認められなくなり、硬化体の水和物の組成は実質的にエトリンガイト,モノサルフェイト,カルシウムシリケート水和物のみになり、塩素が固定されない。これによって本発明の舗装用セメント組成物ないしその舗装体について直後の凍結抑制機能、および凍結融解作用を受けた後の凍結抑制機能の何れも大幅に改善された。
さらに、有害成分の溶出を防止に関する解決策として、本発明の舗装用セメント組成物は、珪藻土に代えて、珪藻質濾過助剤(珪藻土に融剤を添加して焼成、粉砕したもの)を使用することによって、人体に有害な重金属の溶出量をさらに低減することができ、例えば、6価クロム溶出量を0.01mg/kg以下に低減することができる。6価クロムが固定されて溶出量が減少することによって、地中や排水中に対する環境汚染物質の散逸をより防止することが可能になった。なお、これによって凍結抑制に関する機能を阻害することはなかった。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に示す。使用材料を表1に示した。
該超速硬セメントとして、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分と、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩、オキシカルボン酸からなる凝結調整剤成分とを含有するものを用いた。超速硬セメントに含まれる凝結調整剤の粒度構成を表2に示した。超速硬セメントに含まれるカルシウムアルミネートの化学組成を表3に示した。
実施例および比較例において、
凝結時間は規格(JIS R 5201)「セメントの物理試験方法」に従って測定した。
圧縮強度は規格(JIS R 5201)「セメントの物理試験方法」に従って測定した。
凍結融解試験および凍結融解試験後の動弾性係数は規格(JIS A 1148)「コンクリートの凍結融解試験方法」に従って測定した。6価クロム溶出量は環境省告示第13号法に従って測定した。
氷着引張試験は以下の方法により測定した。
先ず、全体空隙率22%の開粒度アスコン試験体(30cm×30cm×5cm)を用意した。この開粒度アスコンは開粒度アスファルト混合物を舗設したものである。上記開粒度アスファルト混合物には6号砕石と石粉と細砂とバインダーを用い、バインダーには高粘度改質アスファルトを用いた。高粘度改質アスファルトは開粒度アスファルト混合物全体を100重量%としたとき4.7重量%となるように配合した。この試験体はマーシャル密度の100±1%の締固め度になるように作製した。次いで、実施例1〜9および比較例1〜6のセメント組成物(表4,表5)を用いて混練したセメントミルクを(表6,表7),上記開粒度アスファルト混合物に注入して、凍結抑制機能を有する舗装体を作製した。次に、得られた試験体を20℃に保たれた恒温室で7日間養生した。この試験体の表面に厚さ8mmの貼り付けた引張治具(直径15cmの鋼製版)を不織布が試験体との設置面側になるように配置した。次いで、試験体の周囲に目張りを施し、試験体を0℃にして3時間養生した。3時間養生後に、織布が完全に浸る程度まで試験体上に注水した。注水後は,試験体を−5℃に保ち、20時間養生した。養生後に引張試験治具を用いて引張試験を行った。この氷着引張試験の値は小さいほうが凍結抑制機能が高いことを示す。
ラベリング試験による舗装面が露出するまでの時間は。以下の方法により実施した。
上記試験体を切断加工して30cm×15cm×5cmの形状にした。次いで、試験体の周囲に目張りを施し,供試体を0℃にて3時間養生した。3時間養生後に,厚さ5mm程度の氷膜が形成する程度にまで試験体上に注水した。注水後は,試験体を−5℃に保ち、20時間養生し、試験体上に氷膜を形成した。次に、左右に可動可能な台に試験体を氷膜を上方に向けて配置した。また車輪にチェーンを巻きつけたチェーン付き車輪を用意した。チェーン付き車輪はを200回転/分で回転させながら上下に可動させるとともに、試験体を載置した台も可動させて、チェーン付き車輪と試験体の氷膜とを接触させた。この接触によってチェーン付き車輪で試験体の氷膜を叩き、氷膜が剥がれて縦方向に全ての舗装面が露出するまでの時間を計測した。ラベリング試験による舗装面が露出するまでの時間は短いほうが凍結抑制機能が高いことを示す。
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〔1.凍結融解作用によるセメントミルクの劣化に対する解決策に関する実施例〕
表1〜表3に示す材料を用い、表4に示す配合割合に従って本発明に係るセメント組成物を調製した。このセメント組成物ついて、表6に示す分量の水を加えて練り混ぜ、凝結時間と圧縮強度を測定した。この結果を表6に示した。さらに、このセメント組成物について、凍結融解抵抗性,凍結抑制効果(氷着引張試験,ラベリング試験での舗装面が露出するまでの時間)を調べた。この結果を表8に示した。
実施例1〜6の超速硬セメントに代えて、表5に示す超速硬セメント(速硬成分相違、凝結調整剤含まず)を用い、表5に示す配合割合に従って比較例のセメント組成物を調製した。このセメント組成物ついて、表7に示す分量の水を加えて練り混ぜ、凝結時間と圧縮強度を測定した。この結果を表7に示した。さらに、このセメント組成物について、凍結融解抵抗性,凍結抑制効果(氷着引張試験,ラベリング試験での舗装面が露出するまでの時間)を調べた。この結果を表9に示した。
表6および表7に示すように、本発明のセメント組成物は、速硬材成分の比率を15〜30質量%に低下した場合でも(実施例1〜実施例3)、従来の速硬材(コーカエース)を40質量%含む場合(比較例3)と同等の3時間強度が得られる。しかも、比較例3では28日強度の伸びが低いのに対して、実施例1〜実施例3では伸びが良好であり、実施例1と実施例3では20N/mm2以上の値を示す。
試験温度の影響に関して、表6および表7に示す実施例1と比較例1の対比からわかるように、本発明のセメント組成物は、幅広い温度範囲においてセメントミルクの可使時間を50分程度に適度に調整することが可能であり、さらに初期強度あるいは長期強度の発現性も良好である。一方、比較例1は温度35℃では凝結始発時間は短い。
表8に示すように、本発明のセメント組成物は、凍結融解後の相対弾性係数が大きく、また、氷着引張試験による圧縮強度、およびラベリング試験での舗装面が露出する時間は何れも凍結融解前後において近似している。この結果から、セメントミルクの凍結融解抵抗性、および凍結融解試験後における凍結抑制機能の持続性は、実施例で大幅に改善されていることが判る。
一方、表9に示すように、比較例1〜2では、凍結融解後の相対弾性係数が小さく、また、氷着引張試験による圧縮強度、およびラベリング試験での舗装面が露出する時間は何れも凍結融解前後において大きく変化しており、凍結抑制機能が持続していないことが判る。
実施例7は塩化物系の混和剤を過剰に添加した場合の例であるが、この初期強度および長期強度は、塩化物系混和剤の少ない実施例6に比べて大きな差が無く、塩化物添加による強度低下の問題が改善されていることが判る。なお、実施例9は従来の粒子径の大きい製紙スラッジ焼却灰を用いた例であるが、この場合には凍結融解作用による強度低下が認められる。
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〔2.セメントミルク硬化体に含有される凍結抑制に有効な塩化物成分の減少に対する解決策に関する実施例〕
(1)空隙率22%の開粒度アスファルト母体(寸法30cm×30cm×厚み10cm)へのセメントミルクの注入量でアスファルトへの浸透性を評価した。母体の理論空隙量は30×30×10×0.22=1980ccであることから,注入量が1900cc以上を○,1700〜1899ccを△,1699cc以下を×として評価した。
実施例1〜9について上記試験の結果を表10に示した。比較例1〜6について上記試験の結果を表11に示した。表10に示すように、保水材として粒度の小さい珪藻質濾過助剤および製紙スラッジ焼却灰を用いた実施例1〜8の浸透性は良好であることが判る。
Figure 2009173466
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(2)カルシウムアルミネート(CA90)と無機硫酸塩(無水石膏S8)の比率を、表12に示すように、(1)50:50とした場合(実施例1,10,11),(2)40:60とした場合(実施例12,13,14),(3)60:40とした場合(比較例7,8,9)について、硬化体中に固定された塩化物の量の大小を調べた。塩化物添加剤は、加工品であるマフィロンの他に、試薬の塩化ナトリウムと塩化カルシウムを使用した。
試験方法は,硬化体の粉末X線による組成物の同定を行なった。回折ピークが非常に高いものを◎,回折ピークが高いものを○,回折ピークが認められるものを△,回折ピークが認められないものを×として評価した。
また、塩化物の溶出試験として100ccの水に硬化体の粉砕物10gを入れて10分間攪拌した後、上澄みの塩化物濃度を測定した。この試験結果を表13に示した。
試験結果よれば、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の比率において、無機硫酸塩S8の比率を50質量%以上にすることによって、硬化体中のフリーデル氏塩の生成を抑えることができ、凍結抑制作用に有効な溶出可能な塩化物量を確保できることが判る。
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〔3.有害成分の溶出を防止に関する解決策に関する実施例〕
実施例1、6,8について6価クロムの溶出量を測定した。この結果を表14に示した。また、比較例1、4、6について6価クロムの溶出量を測定した。この結果を表14に示した。
実施例と比較例を対比してみれば、実施例の6価クロムの溶出量は何れも6価クロム溶出量0.01mg/kg以下であり、珪藻土に替えて珪藻質濾過助剤(珪藻土に融剤を添加して焼成,粉砕したもの)を使用することによって、人体に有害な重金属(6価クロムなど)の溶出量をさらに低減することが出来ることが判る。
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Claims (8)

  1. 保水性注入材と塩化物系粉末材とを含有し凍結抑制機能を有する舗装用セメント組成物において、保水性注入材がセメント系結合材と保水性材料とを含み、保水性材料の粒径が200μm以下であることを特徴とする舗装用セメント組成物。
  2. 保水性材料が製紙スラッジ焼却灰または珪藻質濾過助剤であり、製紙スラッジ焼却灰がアルミナおよびシリカを主成分とし、粒径200μm以下、最大吸水率30〜100%であり、珪藻質濾過助剤が平均粒径5〜10μm、最大吸水率10〜100%である請求項1に記載する舗装用セメント組成物。
  3. 保水性注入材と塩化物系粉末材の含有量が、保水性注入材100質量部に対して塩化物系粉末1〜30質量部であり、保水性注入材中のセメント系結合材と保水性材料の含有量が、セメント系結合材100質量部に対して保水性材料5〜80質量部である請求項1または請求項2に記載する舗装用セメント組成物。
  4. 保水性注入材のセメント系結合材が超速硬セメントであり、該超速硬セメントがカルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分と、アルミン酸ナトリウム、無機炭酸塩、オキシカルボン酸からなる凝結調整剤成分とを含有する請求項1〜請求項3に記載する舗装用セメント組成物。
  5. 請求項4において、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物からなる急硬成分の無機硫酸塩含有量が50質量%以上である舗装用セメント組成物。
  6. 請求項4において、上記超速硬セメントとして、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩とが質量比で1:(0.5〜3)の割合で混合された急硬成分に対して、内割でアルミン酸ナトリウム0.2〜35.0質量%、無機炭酸塩0.2〜35.0質量%およびオキシカルボン酸類0.1〜15.0質量%からなる凝結調整剤を含み、カルシウムアルミネートのガラス化率が80%以上であって、アルミン酸ナトリウム、上記無機炭酸塩および上記オキシカルボン酸類からなる凝結調整剤のうちのいずれか1種を100質量%とするとき他の2種をそれぞれ60〜160質量%含み、アルミン酸ナトリウム、上記無機炭酸塩または上記オキシカルボン酸類のうちの少なくとも1種の凝結調整剤が、この選ばれた1種の凝結調整剤の総量を100質量%とするとき、平均粒径45μmを越えかつ90μm以下の第1粒子10〜45質量%と、平均粒径90μmを越えかつ150μm以下の第2粒子30〜70質量%と、平均粒径150μmを越えかつ500μm以下の第3粒子5〜30質量%とを含み、かつ上記第2粒子を上記第1粒子より多く含むとともに上記第3粒子より多く含む混和材を配合した舗装用セメント組成物。
  7. 塩化物系粉末材が、粒子径700μm以下の、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、または、これらの加工品であり、該加工品が、母材中に上記塩化物が吸着されたものであり、または上記塩化物がシリカ質でコーティングされたものであり、または、上記塩化物が吸着された母材がシリカ質でコーティングされたものである請求項1〜請求項6の何れかに記載する舗装用セメント組成物。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載するセメント組成物に所定の水を加えて混練した浸透用セメントミルクを、全空隙率18〜30%の開粒度アスファルトコンクリートの空隙部分に浸透させてなることを特徴とする凍結抑制機能を有する舗装体。
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