JP2002104886A - ポーラスコンクリートの製造方法 - Google Patents
ポーラスコンクリートの製造方法Info
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Abstract
に、ペーストあるいはモルタルが底部に流れ落ちやす
い。これは、透水係数の低下と強度の低下を招くものと
なる。本発明は、透水率および強度を高く維持しつつ、
容易且つ経済的ポーラスコンクリートを製造することを
課題とする。 【解決手段】本発明の解決手段は、粗骨材に、セメント
ペースト等を加えて混練し、前記粗骨材の表面を前記セ
メントペースト等で被覆した混練物とし、該混練物を型
枠内に投入して硬化させるポーラスコンクリートの製造
方法において、前記混練物中に、高性能AE減水剤と、
該高性能AE減水剤と適合性の悪い混和剤とを添加する
ことを特徴とするポーラスコンクリートの製造方法にあ
る。
Description
水性に優れたポーラスコンクリートの製造方法に関す
る。
有しているため、透水性のコンクリートとして主として
車道等の舗装材料に使用されている。ポーラスコンクリ
ートを使用すると降雨時にも雨水が透過され易く、走行
車両のハイドロプレーン現象を防止するとともに水飛沫
を防止して視界不良を改善することにより、安全性を高
めることができる。また、騒音を低減する効果をも有す
る。
系と調和あるいは共存しうる材料、すなわちエコマテリ
アルとして注目され、緑化や植栽用のコンクリート、水
質浄化コンクリート、吸音コンクリートなどとして各分
野において広く利用されている。
に、セメント等の無機質結合材料と、該粉体100重量
部に対して概ね15〜30重量部の水と、粗骨材、およ
び必要に応じて細骨材や分散剤とを混練することによ
り、粗骨材とセメントペースト(またはモルタル)とを
均一にまぶして製造される。
形状の型枠内や、あるいは型枠等で仕切られた所定場所
に直接打ち込まれ、表面や側面等から外部振動機によっ
て加振されて締め固められて成形される。
は、上述のように振動機によって振動が加えられた際
に、セメントペーストあるいはモルタルが底部に流れ落
ちて空隙部分を塞いでしまいやすい。このような場合に
は、成形体底部の透水係数が大幅に低下するとともに、
成形体の上部ではペーストあるいはモルタル量が不足す
ることとなり、全体として成分が不均一となってしま
い、強度の低下を招きやすい。
剤を加えて単位水量を減らすとともに、骨材に粒径5m
m未満の細骨材を加えてポーラスコンクリートを製造す
る方法(特開平7−206537)や、さらに水量を減
らし、具体的には粉体全質量に対する水の質量比を7〜
19%まで減らしてポーラスコンクリートを製造する方
法(特開平11−268969)等が開示されている。
係数に対する強度が低く、即ち、強度を確保するために
は透水係数を下げざるを得ないという問題を有してい
る。一方、後者の方法によれば、透水係数に対する強度
は高いが極めて水粉体比の小さいセメントペーストを練
り混ぜる必要があるため、ペーストの練り混ぜ時間が長
くなり、ポーラスコンクリートの製造効率が低下すると
いう問題や、単位粉体量が多くなるために、材料費が高
くなるという問題を有している。
率および強度を高く維持しつつ、容易且つ経済的に製造
できるポーラスコンクリートの製造方法を提供すること
を課題とする。
記課題に鑑みて鋭意研究したところ、高性能AE減水剤
と、これと適合性の悪い混和剤を併用することにより、
これら課題が解決されることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
トペースト又はモルタルを加えて混練し、前記粗骨材の
表面を前記セメントペースト又は前記モルタルで被覆し
た混練物とし、該混練物を型枠内に投入して硬化させる
ポーラスコンクリートの製造方法において、前記混練物
中に、高性能AE減水剤と、該高性能AE減水剤と適合
性の悪い混和剤とを添加することを特徴とするポーラス
コンクリートの製造方法にある。
混和剤とは、高性能AE減水剤とともにセメントペース
トあるいはモルタル中で練り混ぜた際に、凝集現象が生
じて流動性を悪化させるものをいう。
0〜12000vpm、振幅0.2〜2.0mmで振動
締固めを行うことが好ましい。
混和剤とを添加すると、凝集現象によってこわばりを生
じ、セメントペースト又はモルタルの粘性を効果的に増
大させることができ、粗骨材より剥離して流れ落ちるこ
とを防止することができる。また、該凝集現象は、上記
のような高周波振動を加えることによって一時的に解砕
させることができる(即ち、チキソトロピー性を示す)
ため、型枠へ投入した後に必要に応じて高周波振動を加
えて流動化させることによって締め固め、振動を停止さ
せて再度凝集させることによって、良好なポーラスコン
クリートの性状を維持させることができる。
高性能AE減水剤と前記混和剤との合計添加量が、前記
セメントペースト又は前記モルタルを構成する粉体材料
に対して0.5〜5重量%であることが好ましく、さら
に、該合計添加量に対して、高性能AE減水剤又は混和
剤がともに20重量%以上であることが好ましい。
は、前記セメントペースト又は前記モルタルを構成する
粉体材料に対し、前記高性能AE減水剤の添加量を1〜
7重量%とし、且つ前記混和剤の添加量を0.2〜2.
5重量%とすることが好ましい。
構成する粉体材料としては、セメントペーストの場合に
は、セメント単体か、あるいはこれに混和材等を加えた
ものであり、モルタルの場合には、さらに細骨材を含め
たものである。
トの製造方法の一実施形態について説明する。まず、セ
メント及び必要に応じて添加された混和材等からなる結
合材に水を加え、さらに必要に応じて細骨材を加えて混
練することによってセメントペースト又はモルタルを調
製する。この際、高性能AE減水剤と、該高性能AE減
水剤と適合性の悪い混和剤とを添加し、前記セメントペ
ースト又はモルタルとともに混練する。さらに、該セメ
ントペースト又はモルタルに粗骨材を加えて混練するこ
とにより、該粗骨材の表面をセメントペースト又はモル
タルで被覆した状態の混練物を調製する。その後、該混
練物を型枠内に投入し、振動締固めを行った後、養生す
ることによってポーラスコンクリートを成形することが
できる。
ボン酸系、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン
酸系等の各高性能AE減水剤を使用することができる。
水剤としては、ポリカルボン酸エーテル系の複合体、ポ
リカルボン酸塩等のポリカルボン酸系化合物、マレイン
酸共重合物、マレイン酸誘導体共重合物、マレイン酸エ
ステル共重合物等のマレイン酸系化合物などを主成分と
するするものを例示でき、ナフタレン系の高性能AE減
水剤としては、リグニン誘導体、アルキルアリルスルホ
ン酸系化合物などを主成分とするものを例示でき、メラ
ミン系の高性能AE減水剤としては、変性メチロールメ
ラミン縮合物等を主成分として含有するものを例示で
き、さらに、アミノスルホン酸系の高性能AE減水剤と
しては、芳香族スルホン酸縮合物とリグニンスルホン酸
誘導体を主成分とするものを例示できる。
い混和剤としては、前記高性能AE減水剤と混合した際
に凝集現象により、例えばゲル状となって、流動性を悪
化させるものであればよく、具体的には、前記高性能A
E減水剤のうち、種類の異なる高性能AE減水剤を併用
して用いるか、あるいは前記高性能AE減水剤に対して
適合性の悪い減水剤、AE減水剤、凝結促進剤、凝結遅
延剤、あるいは増粘剤等を使用することができる。但
し、種類の異なる高性能AE減水剤を用いる際には、ナ
フタレン系とアミノスルホン酸系の高性能AE減水剤の
組み合わせは除くものとする。
系、アクリル系、グリコール系等の増粘剤を使用するこ
とができるが、前記高性能AE減水剤と併用した場合の
適合性を考慮すると、セルロース系及びグルコース系の
増粘剤は、ポリカルボン酸系、あるいはメラミン系の高
性能AE減水剤に対して好適であり、アクリル系の増粘
剤は、ナフタレン系、メラミン系、およびアミノスルホ
ン酸系の高性能AE減水剤に対して好適である。
計添加量は、前記混和剤が増粘剤でない場合には、前記
セメントペースト又は前記モルタルを構成する粉体材料
に対して0.5〜5重量%とすることが好ましく、ま
た、双方が合計添加量に対して20重量%以下とならな
いように、より好ましくは30重量%以下とならないよ
うに添加することが好ましい。
と、高周波振動を与えてもペーストあるいはモルタルが
流動し難く、一方、5重量%を越えると高周波を加えた
際に流動化しすぎてセメントペーストあるいはモルタル
が流れ落ち下易くなる。さらに、両者のうち一方が20
重量%以下であれば、凝集現象によるこわばりの程度が
弱く、本発明の意図する性状を得ることが困難となる。
は、増粘剤と高性能AE減水剤とを、前記セメントペー
スト又はモルタルを構成する粉体材料に対して、それぞ
れ0.2〜2.5重量%、および1〜7重量%添加する
ことが好ましい。
と、高性能AE減水剤との凝集作用が十分でなく、2.
5重量%以上とすると、高周波で振動を与えた際にも、
好ましい流動性を示さない虞があるとともに、不経済と
なる。一方、高性能AE減水剤の添加量を1重量%以下
とすると、増粘剤との凝集作用が十分でなく、7重量%
以上とすると、高周波で振動を与えた際に流動しすぎて
セメントペースト又はモルタルが流れ落ちる虞があると
ともに、不経済となる。
のではなく、JISに規定されているポルトランドセメ
ントや混合セメント等の一般的なセメントを広く使用す
ることができる。
スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰
石微粉末又はけい石微粉末等の混和材や、細骨材を混合
することができる。この場合の置換率としては、30%
以下とすることが好ましい。
分布、空隙率等を考慮して適宜調整した上で添加する
が、一般的には、50〜130kg/m3とすることが
好ましい。
なるものであるが、通常コンクリート用粗骨材として用
いられているものを広く使用することができ、川砂利、
砕石、人工軽量骨材等を使用することができる。また、
該粗骨材の粒径および粒度分布は、空隙の大きさ、空隙
率、強度等のポーラスコンクリートの一般的性質に影響
するものであり、用途ならびに目的によって自由に選択
することができる。具体的には、5〜80mm程度のも
の、中でも10〜30mmのものを好適に使用すること
ができる。
しては、通常のコンクリートの練り混ぜに用いられるも
のを使用することができるが、中でもオムニタイプまた
は強制練りタイプのものが練り混ぜ効率よく好ましい。
ペーストあるいはモルタルを予め混練した後、粗骨材を
投入して混練する、いわゆる分割方式が好ましく、全材
料を同時に練り混ぜる一括方式に比べて、粗骨材表面が
前記セメントペースト又はモルタルによって均一に被覆
する時間を短縮することができる。本発明において添加
する高性能AE減水剤と、該高性能AE減水剤と適合性
の悪い混和剤とは、いずれの方式の場合にも、予め練り
混ぜ水に希釈しておくことで均一になり易い。
ルを一時的に流動させ、骨材同士が接触する部分に該ペ
ースト又はモルタルを集中させることによって骨材同士
を強固に決着させるために、振動締め固めを行うことが
好ましい。該振動締固めには、型枠バイブレータ、振動
台などの高周波振動機を用いて、振動数2000〜12
000vpm、振幅0.2〜2.0mmの条件で2〜1
0秒程度行うことが好ましい。
に応じて水中養生、湿空養生、蒸気養生、オートクレー
ブ養生などの、常法に従って養生される。
る。
混和剤及びにより、比較例1〜4のポーラスコンク
リートを調製した。材料は以下のものを使用した。
度3.15g/cm3)粗骨材 :粒径13〜20mmの硬質砂岩砕
石(表乾密度2.69 g/cm3、実容積61.0%)混和剤:ポ
リカルボン酸系高性能AE減水剤(NMB社製「レオビ
ルドPS−8S」)混和剤:ナフタレン系高性能AE減水
剤(花王社製「マイティ2000WH」)
し、他は実施例1〜4と同様にして比較例1のポーラス
コンクリートを調製した。
和剤とは適合性の良い下記の混和剤を使用し、他は
実施例1〜4と同様にして比較例2を調製した。混和剤
:リグニン系AE減水剤(NMB社製「ポゾリスNo.7
0」)
が少ない場合として比較例3、混和剤及びの合計量
が多い場合として比較例4、及び、一方の混和剤が2
0重量%以下である場合として比較例5をそれぞれ調製
した。
和剤とは適合性の悪い下記の混和剤を使用し、他は
実施例1〜4と同様のものを使用して実施例5を調製し
た。混和剤:セルロース系増粘剤(信越化学社製「ア
スカクリーン」)
和剤とは適合性の良い混和剤を使用し、他は実施例
5と同様にして実施例5を調製した。
び細骨材を加えてモルタルとし、他は実施例1〜4と同
様のものを使用して実施例6を調製した。
和剤とは適合性の良い混和剤を使用し、他は実施例
6と同様にして実施例7を調製した。
について、表1に示す。
し、90秒練り混ぜてペーストまたはモルタルを調製す
る。その後、粗骨材を投入し、60秒間練り混ぜてポー
ラスコンクリートを得た。練りあがったポーラスコンク
リートをミキサから排出し、成形用の鋼製型枠に詰め
た。試料を詰めた型枠は、振動数3000vpm、振幅
1.5mmの振動台に固定し、5秒間振動締固めを行っ
た。
型枠をはずして20℃の水中で28日間養生を行った。
このようにして得た実施例1〜6、及び比較例1〜7の
供試体を用いて、透水係数及び圧縮強度を求めた。透水
係数は、日本コンクリート工学協会エココンクリート研
究委員会が提案した「ポーラスコンクリートの透水試験
方法(案)」に準じて行い、また、圧縮強度は、JIS
A 1108「コンクリートの圧縮試験方法」に準じ
て行った。結果を表2に示す。
施例1〜6においては、いずれも透水係数が2.0cm
/secを越える高い透水性能を有し、且つ20N/m
m2以上の高い圧縮強度が得られていることがわかる。
ンクリートの製造方法によれば、透水性能に優れ、且つ
高い強度を有するポーラスコンクリートを製造すること
ができる。また、製造工程においては、通常の水の配合
量でセメントペースト又はモルタルを調製することがで
きるため、容易且つ経済的にポーラスコンクリートを製
造することが可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 粗骨材に、セメントペースト又はモルタ
ルを加えて混練し、前記粗骨材の表面を前記セメントペ
ースト又は前記モルタルで被覆した混練物とし、該混練
物を型枠内に投入して硬化させるポーラスコンクリート
の製造方法において、前記混練物中に、高性能AE減水
剤と、該高性能AE減水剤と適合性の悪い混和剤とを添
加することを特徴とするポーラスコンクリートの製造方
法。 - 【請求項2】 前記投入から硬化までの間に、振動数2
000〜12000vpm、振幅0.2〜2.0mmで
振動締固めを行うことを特徴とする請求項1記載のポー
ラスコンクリートの製造方法。 - 【請求項3】 前記混和剤が増粘剤でない場合に、前記
高性能AE減水剤と前記混和剤との合計添加量が、前記
セメントペースト又は前記モルタルを構成する粉体材料
に対して0.5〜5重量%であることを特徴とする請求
項1又は2記載のポーラスコンクリートの製造方法。 - 【請求項4】 前記高性能AE減水剤と前記混和剤との
合計添加量に対して、該高性能AE減水剤および該混和
剤がともに20重量%以上であることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載のポーラスコンクリートの製
造方法。 - 【請求項5】 前記混和剤が増粘剤である場合に、前記
セメントペースト又は前記モルタルを構成する粉体材料
に対し、前記高性能AE減水剤の添加量が1〜7重量%
であり、且つ前記混和剤の添加量が0.2〜2.5重量
%であることを特徴とする請求項1又は2記載のポーラ
スコンクリートの製造方法。
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- 2000-09-28 JP JP2000295835A patent/JP3290171B2/ja not_active Expired - Fee Related
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