JP3085780B2 - 遠心成形用セメント - Google Patents

遠心成形用セメント

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JP3085780B2 JP04110450A JP11045092A JP3085780B2 JP 3085780 B2 JP3085780 B2 JP 3085780B2 JP 04110450 A JP04110450 A JP 04110450A JP 11045092 A JP11045092 A JP 11045092A JP 3085780 B2 JP3085780 B2 JP 3085780B2
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尚 井ノ川
純成 山下
秀樹 温井
健史 國西
清彦 内田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心成形法によって製
造される遠心成形コンクリート製品のうち特にヒューム
管の製造に好適なセメントに係り、詳しくは短い遠心成
形時間でも締め固め時に生じるスラッジの量を極力低減
することができ、脱水性の向上により成形体を緻密化す
ることができ、しかも管体の製造に用いた場合に短時間
で締め固まり成形後の内面仕上がりを良好にすることの
できる遠心成形用セメントに関する。
【0002】
【従来の技術】パイル、ポール、ヒューム管等のコンク
リート製品の製造方法としては、得られる製品の強度が
高く、また円柱状の製品を製造する際の成形性に適して
いることなどから、遠心成形法が広く採用されている。
この遠心成形法は、その成形用型枠を高速回転させて得
られる遠心力により硬化前のコンクリートを締め固め、
混練水を絞り出すことによって密実なコンクリート製品
を得る方法である。
【0003】しかしながらこの遠心成形法にあっては、
製品製造時に大量のスラッジを生じ、このスラッジの処
理に多大な処理費を必要とするといった不都合がある。
ここでスラッジとは、遠心成形時間にコンクリートから
絞り出される水が、コンクリート中の微粉部分を同伴し
て分離されたスラリーである。そして、工場等の現場で
はこのスラッジを埋め立て用土砂や産業廃棄物として処
理するため、多大な処理費を要してしまうのである。
【0004】従来、このようなスラッジの発生を防ぐた
めに、メチルセルロースなどの高分子増粘剤や種々の凝
集剤を添加して水と固形分に分離する方法や、保水剤の
添加によりノロの発生を抑制する方法等が提案されてい
る。しかし、増粘剤、保水剤の使用は製品の強度低下を
招くといった技術的課題があり、また凝集剤を使用する
場合には凝集剤散布用設備への投資が必要となる等コス
ト面での課題があった。
【0005】本出願人は、上述した従来の遠心成形時の
課題を解決する技術として、先に遠心成形コンクリート
製造用セメントを提案した。(特願平2−334081
号)この技術は、セメント粒子の粒径を限定してその微
粉部分と粗粉部分を所定量以下に制限することにより、
遠心成形時に排出されるスラッジ中の固形分量を大幅に
低減し、コンクリート成形品の強度増加にも大きな効果
を得るようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記セメン
トにあっては、これを各種管体の製造に用いた場合、管
内面のペースト層がうすくなるものの成形短時間では良
好なものにならず、特にヒューム管の製造に使用するに
はその内面を良好な状態に仕上げ難いといった課題を残
していた。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、特に遠心成形コンクリー
ト製造用セメントとして、遠心成形時に発生するスラッ
ジ中の固形分の発生を低減し、また成形時の脱水性を向
上させて成形体を緻密化させ、しかも短い成形時間で締
め固まり内面仕上がりの良好なヒューム管を製造するこ
とができる遠心成形用セメントを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の遠心成形用セメ
ントでは、粒径5μm以下の粒子の体積割合が12%以
下、粒径11μm以下の粒子の体積割合が30%以下、
粒径22μm以上の粒子の体積割合が25%以下、粒径
44μm以上の粒子の体積割合が3%以下であり、かつ
含有する石膏量がSO3換算で1.5%以下であることを
上記課題の解決手段とした。
【0009】以下、本発明の遠心成形用セメントを詳し
く説明する。本発明の遠心成形用セメントは、セメント
の粒度調整を行い、微粉部分および粗粉部分を特定量ま
で低減し、また、石膏量も制限したものである。上記セ
メントの種類としては、ポルトランド系セメントであれ
ば特に限定されることはないが、例えば普通ポルトラン
ドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルト
ランドセメント等の公知のポルトランドセメントや、こ
れらポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシ
ュ、シリカフューム等のセメント用混和材を1種類もし
くは2種類以上添加混合して得られた混合セメントも用
いられる。
【0010】また、このセメントはその粒度構成が、粒
径5μm以下の粒子の体積割合が12%以下、粒径11
μm以下の粒子の体積割合が30%以下、粒径22μm
以上の粒子の体積割合が25%以下、粒径44μm以上
の粒子の体積割合が3%以下であり、かつ含有する石膏
量がSO3換算で1.5%以下となるよう調整されてなる
ものである。ここで粒度調整としては、分級により微粉
粒子すなわち粒径5μm以下の粒子と、粗粉粒子すなわ
ち粒径44μm以上の粒子とをそれぞれ除去して上記範
囲となるように調整する方法や、予め分級操作により粒
度分布の範囲が狭いものを何種類か作製しておき、これ
らを適宜混合して上記範囲となるような調整方法等が採
用される。なお、分級法としては、重力分級機、遠心分
級機、慣性分級機等による方法が好適であるが、ふるい
による分級法等も採用可能なのはもちろんである。
【0011】上記粒度構成において、粒径5μm以下の
粒子の体積割合を12%以下としたのは、12%を越え
るとセメント中の微粉部分が多くなるため、遠心成形時
において排出されるスラッジ中の固形分が多くなり、ま
た管の内面に上記微粉部分が付着し、形成されるペース
ト層が厚くなってしまうからである。一方、粒径が22
μm以上の粒子の体積割合を25%以下にし、粒径44
μm以上の体積割合を3%以下としたのは、これら範囲
を越えると得られるコンクリート製品の強度発現性が低
下するためである。
【0012】また、石膏量をSO3換算で1.5重量%以
下としたのは、1.5重量%を越えると遠心成形時にお
いて排出されるスラッジ中の固形分が多くなり、また管
の内面に形成されるペースト層が厚くなってしまうから
である。なお、本発明のセメントに使用される石膏とし
ては、特に限定されることはなく、二水石膏、半水石
膏、無水石膏のいずれを用いてもよい。
【0013】
【作用】本発明の遠心成形用セメントによれば、粒径5
μm以下の粒子の体積割合を12%以下とし、かつ石膏
量をSO3換算で1.5重量%以下としたので、遠心成形
時において排出されるスラッジ中の固形分が少なくな
り、また管の内面にセメントクリンカー中の微粉部分が
付着することも極めて少なくなる。また、粒径が22μ
m以上の粒子の体積割合を25%以下にし、粒径44μ
m以上の体積割合を3%以下としたので、得られるコン
クリート製品の強度発現性の低下が防止される。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。セメントクリンカーが表1に示す粒度分布を
有するセメントを作製した。また、比較例としてのセメ
ントの粒度分布も表1に併記した。
【表1】 表1において、実施例1、2と比較例2、3とはそのセ
メントクリンカーの粒度を予め調整し、表1に示した粒
度分布となるようにしたものであり、比較例1は市販の
普通ポルトランドセメントを用い、その粒度の分析結果
を表1に示したものである。また、実施例1、2および
比較例2、3では、粒度調整後のセメントクリンカーに
二水石膏(粉末度5000cm2/g)をSO3換算で
1.2〜2.0重量%添加し、セメントに調整している。
【0015】そして、これらセメントを用い、表2に示
すように得られるコンクリートのスランプが4〜8cm
になるよう配合し、各材料を120分間強制攪拌ミキサ
ーで混練した。得られた混練物のスランプを測定し、そ
の結果を表2に併記する。なお、表2に示した配合にお
いて、細骨材としては鹿島産山砂と富谷産砕砂を1:1
に混合したものを用い、粗骨材としては富谷産砕石(最
大寸法15mm)を用いた。また、膨張材としてはカル
シウムサルフォアルミネート系混和材を用いた。
【表2】
【0016】次いで、得られた混練物を内径200m
m、長さ300mm、厚み40mmの円筒状の試験用遠
心成形型枠に15kgずつ投入し、低速2Gで2分間、
中速10Gで3分間、高速35Gで2、10、25分間
の遠心成形条件にて遠心成形を行った。その後、遠心成
形終了時点で排出されたスラッジを採取し、これを11
0℃で乾燥固化してスラッジ中の固形分量を測定した。
なお、表3中のスラッジ中の固形分量および水分量は、
供試体作製時に投入したフレッシュコンクリート単位体
積当たりの量に換算したものである。
【0017】また、内面の締め固まり状態を見るため、
遠心成形後供試体内面に付着している軟弱ペースト層の
厚さを測定した。さらに、遠心成形後得られた成形体を
20℃で2時間前置きし、次いでこれを蒸気養生槽に入
れて1時間に20℃の割合で昇温し、65℃に到達した
後この温度で3時間の蒸気養生を行い、その後室温まで
自然放冷をした。そして、このようにして得られた成形
体の圧縮強度をJIS A 1136に準じて測定し
た。このような実験によって得られた、成形体の内面の
ペースト層厚、スラッジ中の固形分量、遠心成形後のコ
ンクリート成形体の水−結合材比、蒸気養生後の圧縮強
度を表3に示した。なお、比較例1、2、3についても
実施例1と同一の測定を行い、その結果を表3に併記し
た。
【表3】
【0018】表3より、比較例1では高速遠心成形時間
2分で遠心成形後に排出されるスラッジ固形分量が成形
されたコンクリート1m3に対して24.9kg、内面付着
ペースト層厚が5mmであるのに対し、実施例1、2で
は、排出されるスラッジ固形分量が4.1〜6.2kg、
ペースト層厚が0mmであり、比較例1に比べ排出スラ
ッジ固形分量の低減率が75〜84%と極めて大きく、
また内面の締め固まり状態も非常によいことが確認され
た。さらに、蒸気養生後の圧縮強度も、実施例1、2で
は遠心成形中のコンクリートから脱水される量が多いた
め管体の水−結合材比が小さくなり、比較例1に比べ2
0%程度大きくなることが確認された。また、実施例2
と比較例2、3との比較により、高速成形時間が短い
(2分)場合でも、セメント中の微粉部分(5μm以
下)を12%に抑さえることと石膏量を1.5%以下に
することにより、遠心成形性に優れたものとなることが
確認された。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の遠心成形用
セメントは、セメント粒子を調整してその微粉部分と粗
粉部分とを所定量以下に制限するとともに、該セメント
粒子中の石膏量をも制限したものであるから、このセメ
ントを用いてコンクリートの遠心成形を行った場合に、
排出スラッジ中の固形分を大幅に低減でき、よってスラ
ッジ処理に費やす費用を大幅に削減できる。また、この
セメントから得られる成形体が短時間で締め固まり、特
に管体を製造した場合には管の内面にセメントクリンカ
ー中の微粉部分が付着することが極めて少なくなって成
形後の内面仕上がりが良好になるため、ヒューム管の製
造に最適なものとなる。さらに、成形体が短時間で締め
固まることから成形時間を短縮することができ、製造コ
ストの低減を図ることができる。また、遠心成形時の脱
水性が向上することにより成形体を緻密化することがで
き、従来の製品に比べその強度を格段に増進することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國西 健史 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 内田 清彦 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメ ント株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−202035(JP,A) 特開 平4−202036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 7/02 B28B 1/20 B28B 21/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径5μm以下の粒子の体積割合が12
    %以下、粒径11μm以下の粒子の体積割合が30%以
    下、粒径22μm以上の粒子の体積割合が25%以下、
    粒径44μm以上の粒子の体積割合が3%以下であり、
    かつ含有する石膏量がSO3換算で1.5%以下であるこ
    とを特徴とする遠心成形用セメント。
JP04110450A 1992-04-28 1992-04-28 遠心成形用セメント Expired - Lifetime JP3085780B2 (ja)

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JP2005289657A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Denki Kagaku Kogyo Kk 高強度遠心力成型製品の製造方法およびその高強度遠心力成型製品

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