JP2004217521A - ノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造方法 - Google Patents
ノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 A.C.C.法による膨潤度が22を超え、その最大二次粒子径が63μm以下のベントナイトを主成分とする遠心力成形体製造用のノロ低減材、単位セメント量が350〜600kg/m3、水セメント比が25〜36%、スランプが0〜18cmで、高性能減水剤をコンクリート中のセメント100重量部に対して、固形分換算で0.05〜1.5重量部配合し、さらに該ノロ低減材を0.2〜15kg/m3配合したコンクリートを遠心力成形し、蒸気養生及び/又はオートクレーブ養生する遠心力成形体の製造方法を構成とする。
Description
このノロは、セメントや砂などの微粉部分を20〜40重量%も含有する、強アルカリ性のスラッジであるため、工場外にそのまま廃棄することは公害防止上できず、固形分を沈澱ろ過した後、上澄み液は中和処理して排水し、沈澱物は産業廃棄物として投棄しているが、そのために多くの時間と経費を掛けているのが現状である。
このノロの発生を低減するために、本発明者らは、ベントナイトを主成分としたノロ低減材、それを使用した遠心力成形体及びその製造方法等を提案した(特許文献1参照) 。
ベントナイトの膨潤性は産地や鉱床によって異なり、かつ、人工的な精製や合成、化学的処理になどにより膨潤度を高くすることができ、ノロ低減効果の観点からでは膨潤度の大きい方が好ましいが、本発明ではA.C.C.法(American Colloid Campany規格)による膨潤度が22を超え90の範囲のものが使用され、通常、25以上が好ましく、30〜50がより好ましい。そして膨潤度が90を超えるようになると単位水量が大きくなり過ぎて強度が低下するようになるので好ましくない。
なお、本発明におけるA.C.C.法による膨潤度は次の方法により求めた。
即ち、試料2.0gを精製水100mlを入れた100mlの共栓付メスシリンダーに約10回に分けて加えた後、栓をする。
ただし、先に加えた試料がほとんど内壁に付着せず、スムーズにシリンダー底に沈着するように1回の加える量を加減し、また、先に加えた試料がほとんど沈着したのち次の試料を加える。加え終わってから24時間放置し、容器内に堆積した試料の見掛け容積(ml)を読み取り、この値を本発明におけるA.C.C.法による膨潤度(ml/2g)とする。
本発明者は、ノロ低減効果の増強という観点から、乾式篩い法で篩って、それぞれの二次粒子の粒度について検討を加えた結果、粒度によって膨潤性やコンクリートの単位水量、スランプなどには全く差がないにも拘らず63μmを境にノロ低減効果が極端に変わり、63μm以下では顕著なノロ低減効果を増強することを認めたものである。
高性能減水剤とは、従来のリグニンスルホン酸塩系などよりも減水率の大きい減水剤であり、一般に市販されている高性能減水剤は、ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系高分子、及びポリカルボン塩系のいずれかを主成分とし、また、これらの混合型がある。
2.コンクリート配合などを限定することによりノロ低減と、強度の確保が達成でき、かつ、圧縮強度だけでなく、曲げ強度の優れたパイル等の製造が可能となる。
3.本発明のノロ低減材を使用することにより、現在、産業廃棄物として廃棄されているノロの発生量を低減させることができるので公害防止や環境保全に役立つ。
作製したコンクリートを18Kg一定量型枠に投入し、低速を2G×3min、中速Iを4G×1min、中速IIを10G×3min、高速を30G×5minの条件で遠心力成形し、外径20×長さ30×厚さ5cmの遠心力成形供試体を作製し、この時発生するノロ量を測定した。
この際、発生したノロが漏れないように型枠の両端の中空開放部に蓋をして遠心力成形を行った。また、成形した供試体を前置き2時間後、昇温速度20℃/hrsで80℃まで昇温し、そのまま4時間保持した後、翌日まで放冷してから脱型し、温度20℃±3℃で室内養生して材齢28日の圧縮強度を測定した。その結果を表2に示す。なお、スランプ値は、水セメント比を一定として高性能減水剤の添加量で調整した。
セメント :電気化学工業社製、普通ポルトランドセメント
砕砂 :新潟県姫川産、砕砂、比重2.64
砕石 :新潟県姫川産、砕石、比重2.64
高性能減水剤A:第一工業製薬社製商品名「セルフロー110P」、主成分ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、粉末
ベントナイトa:膨潤度 22(A.C.C.法)天然品
ベントナイトb:膨潤度 25(A.C.C.法)天然品
ベントナイトc:膨潤度 30(A.C.C.法)天然品
ベントナイトd:膨潤度 45(A.C.C.法)精製品
ベントナイトe:膨潤度 80(A.C.C.法)アルキルトリアルコキシシランで化学修飾したもの
ベントナイトイ:150、90、63、及び44μmの篩いで篩ったときの150μm上品
ベントナイトロ:150、90、63、及び44μmの篩いで篩ったときの150〜90μm品
ベントナイトハ:150、90、63、及び44μmの篩いで篩ったときの90〜63μm品
ベントナイトニ:150、90、63、及び44μmの篩いで篩ったときの63〜44μm品
ベントナイトホ:150、90、63、及び44μmの篩いで篩ったときの44μm下品
ベントナイトヘ:篩わないもの
スランプ :JIS A1101に準拠
ノロ量 :メスシリンダーを用いて測定
圧縮強度 :JIS A1108に準拠
なお、使用した高性能減水剤は実施例1で使用したものと、高性能減水剤Bを一部使用した。また、スランプを合わせるために、減水剤の添加量を変え水セメント比を一定とした場合と、減水剤の添加量はそのままで、単位水量でスランプを一部調整した。
高性能減水剤B:デンカグレース(株)製商品名「ダーレックススーパー200」、ポリカルボン酸塩系、固形化した塊状のもの
また、高性能減水剤量を少なくするとノロ低減効果は極端に小さくはならないが、同一スランプを得るための単位水量の増加の割合が大きく、水セメント比が36%を超えるようになると、500kgf/cm2のパイルなどの設計強度の確保が困難となる傾向を示し、また、ポリカルボン酸塩系減水剤は減水作用は大きいが、添加量を0.5重量部を超えて添加すると遅延性が大きくなり強度の確保が困難となる傾向を示している。
ベントナイトは、cのベントナイトで63μm下のものを使用し、高性能減水剤は実施例1と同様とした。また、試験項目に内面のペースト層の厚さの測定を加えた。
また、一部の配合のコンクリートを単位水量を増減し、スランプを任意に変えたコンクリートも使用した。試験結果を表6〜7に示す。
ペースト厚:成形後、モノサシをペースト層にさし込んでペースト層の厚みを測定
ベントナイトは、cのベントナイトで63μm下のものを使用した。なお、ベントイトは練り混ぜ水全量と混合したスラリーにして添加した。
また、高性能減水剤Cと蒸気養生用の高強度混和材を用いた。遠心力成形条件は、練り混ぜたコンクリートを用いて低速1.5G×4分、中速Iを4G×1分、中速IIは15G×3分、高速を25G×3分として、外径300mm×長1m×60mmと外径300mm×長さ3m×厚さ60mmの有効プレストレス40kgf/cm2のA種の単杭を2種類製造した。
なお、パイルの仕様は主筋外径8mmのPC鋼棒を6本、ラセン筋は外径5mmの普通鉄線を50mmの間隔とした。
また、コンクリートは盛り込み方式で盛り込み、比較のブランクはノロが発生する分を見越してコンクリート投入量を5vol.%多くした。
蒸気養生条件は、製柱後、時間前養生した後、20℃/hrの速度で75℃まで上げ、そのまま4時間保持した後、養生層の中で翌日まで自然放冷して脱型し、屋外に1週間養生したときの、外径300mm×長1m×60mmの単杭の圧縮強度と外径300mm×長さ3m×厚さ60mmの単杭の静曲げ強度を測定した。その結果を表9に示す。
セメント :電気化学工業社製、普通ポルトランドセメント
砂 :富山県庄川産、砂、比重2.66
砕石 :富山県庄川産、砕石、比重2.66
高性能減水剤C:電気化学工業(株)製商品名「FT-500」、固形分43%の液体ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
高強度混和材:電気化学工業(株)製商品名「デンカΣ1000」
静曲げ強度:JIS A5337に準拠
Claims (4)
- A.C.C法による膨潤度が22を超え、その最大二次粒子径が63μm以下のベントナイトを主成分とする遠心力成形体製造用のノロ低減材。
- 請求項1記載のノロ低減材と高性能減水剤とを含有する遠心力成形体製造用コンクリート。
- 請求項2記載のコンクリートを遠心力成形してなる遠心力成形体。
- 単位セメント量が350〜600kg/m3、水セメント比が25〜36%、スランプが0〜18cmで、高性能減水剤をコンクリート中のセメント100重量部に対して、固形分換算で0.05〜1.5重量部配合し、さらに請求項1記載のノロ低減材を0.2〜15kg/m3配合したコンクリートを遠心力成形し、蒸気養生及び/又はオートクレーブ養生することを特徴とする遠心力成形体の製造方法。
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