JP4086328B2 - ノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造 方法 - Google Patents

ノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造 方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造方法に関し、詳しくはモルタル又はコンクリートを遠心力成形して製造するコンクリートパイル、ポール、鋼管複合パイル、鋼管ライニング、及びヒューム管等のコンクリート製品製造時に発生するノロを低減するノロ低減材、それを用いた遠心力成形体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、パイルやポール等の遠心力成形によって製造されるコンクリート製品は、その製造時には遠心力によってノロが絞り出され、発生してくる。
このノロは、セメントや砂などの微粉部分を20〜40重量%も含有する強アルカリ性のスラッジであるため、工場外にそのまま廃棄することは公害防止上できず、固形分を沈澱ろ過した後、上澄み液は中和処理して排水し、沈澱物は産業廃棄物として投棄しているが、そのために多くの時間と経費を掛けているのが現状である。
このノロの発生を低減するために、本発明者らは、ベントナイトを主成分としたノロ低減材、それを使用した遠心力成形体及びその製造方法等を提案した( 特開平3-247543号公報など) 。
【0003】
しかしながら、この公知のノロ低減材は、ベントナイトの膨潤度とノロ低減効果について言及しているだけであり、膨潤度の大小と添加量だけでは、コンクリート中の単位セメント量が極端に少なく、かつ、砕砂などの保水性の小さい骨材を使用している場合や、型枠への投入方法がポンプ打ちなどでコンクリートスランプが大きい場合などでは、ノロ低減効果にバラツキが示され実用範囲が狭いという課題があった。
【0004】
本発明者は前記課題を解決し、さらなるノロ低減効果の向上を目的として鋭意研究した結果、特定の膨潤度と特定粒度のベントナイトを使用することによりノロ低減効果が効率的に増強することを知見し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は(1)A.C.C法による膨潤度が22 超〜 80 であり、その最大二次粒子径が63μm以下のベントナイトからなる遠心力成形体製造用のノロ低減材、(2)(1)記載のノロ低減材と高性能減水剤とを含有する遠心力製造用コンクリート、(3)(2)記載のコンクリートを遠心力成形してなる遠心力成形体、(4)単位セメント量が350〜600kg/m3、水セメント比が36〜25%、スランプが0〜18cmで、高性能減水剤をコンクリート中のセメント100重量部に対して、固形分換算で0.05〜1.5重量部配合し、さらに(1)記載のノロ低減材を0.2〜15kg/m3配合したコンクリートを遠心力成形し、蒸気養生及び/又はオートクレーブ養生することを特徴とする遠心力成形体の製造方法である。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するベントナイトは、モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物の一種であり膨潤性を有するものである。そしてベントナイトの膨潤性は産地や鉱床によって異なり、かつ、人工的な精製や合成、化学的処理になどにより膨潤度を高くすることが出来るが、ノロ低減効果の観点からでは膨潤度の大きい方が好ましいが、本発明ではA.C.C.法(American Colloid Campany規格)による膨潤度が22 超〜 80の範囲のものが使用され、通常、25以上が好ましく、30〜50がより好ましい。そして膨潤度が80を超えるようになると単位水量が大きくなり過ぎて強度が低下するようになるので好ましくない。
なお、本発明におけるA.C.C.法による膨潤度は次の方法により求めた。すなわち、試料2.0gを精製水100mlを入れた100mlの共栓付メスシリンダーに約10回に分けて加えた後、栓をする。但し、先に加えた試料がほとんど内壁に付着せず、スムーズにシリンダー底に沈着するように1回の加える量を加減し、また先に加えた試料がほとんど沈着してのち次の試料を加える。加え終わってから24時間放置し、容器内に堆積した試料の見掛け容積(ml)を読み取り、この値を本発明におけるA.C.C.法による膨潤度(ml/2g)とする。
【0007】
さらに、本発明で使用するベントナイトは、最大二次粒子径が63μm以下の粒子としたものである。最大二次粒子径が63μm以下のベントナイトを調整する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記ベントナイトを粉砕あるいは粉砕後に分級する方法である。
本発明者らはノロ低減効果の増強という観点から、乾式篩い法で篩って、それぞれの二次粒子の粒度について検討を加えた結果、粒度によって膨潤性やコンクリートの単位水量、スランプなどには全く差がないにも拘らず最大二次粒子径が63μmを境にノロ低減効果が極端に変わり、最大二次粒子径が63μm以下では顕著なノロ低減効果を増強することを認めたものである。
【0008】
そしてこの理由を明かにするために、ベントナイトをセメントに対して2%添加しセメントペーストを練り混ぜ、その直後に液体窒素で凍結させたまま走査型電子顕微鏡で破断面を観察した結果、ベントナイトのシート状結晶によるカードハウス構造をセメントの粒子上や粒子間を問わず形成されており蜂の巣状の小さなブロックが密集した状態となっていると推察される。このブロックの中にコンクリート中の水が閉じ込められて遠心力によって移動するのを阻止され結果的にノロ低減効果が得られるものと考えられるが、63μm以下の粒子の場合では、コンクリートと一緒に練り混ぜた時に、前述のようなカードハウス構造をコンクリート中に形成する速度が速いものと推察されるものである。
【0009】
また、本発明においてベントナイトの使用量は、ベントナイトの膨潤度が大きければ大きいほど、少量でノロ低減効果を発揮し、さらに、粉末状態で添加するよりは水、又は水と減水剤等と一緒にスラリーにして使用する方が、よりノロ低減効果を発揮するが、通常、コンクリート1m3の中に、ベントナイト0.2〜15kgの範囲が好ましく、0.5〜10kgがより好ましく、ノロ低減効果と強度の確保及び経済性を加味すると1.0〜8kgが最も好ましい。
コンクリート1m3の中に、15kgを超えてベントナイトを使用すると、膨潤度が小さくても単位水量が大きくなり過ぎて強度低下が大きくなる傾向を示す。また、強度低下しないように減水剤の添加量を上げ水セメント比を下げると、コンクリート自体に減水剤特有の粘性が出て、ノロ低減効果が小さくなるものである。また、0.2kg未満では膨潤度が大きくても、かつ、スラリーで使用してもノロ低減効果はあまり得られない。
【0010】
本発明の遠心力成形体は、単位セメント量が350〜600kg/m3、水セメント比が36〜25%で、高性能減水剤はコンクリート中のセメント100重量部に対して、固形分換算で0.05〜1.5重量部及びベントナイトからなるノロ低減材を0.2〜15kg/m3配合してコンクリートを練り混ぜ、スランプを0〜15cmとし、盛り込み方式、又は、ポンプ圧送により型枠に投入し、遠心力成形後、蒸気養生及び/又はオートクレーブ養生によって得られる。
【0011】
単位セメント量の多少は保水力の強化という観点からノロ低減効果に影響を与え、かつ、他の条件が同一の場合はセメント量が多い方が水セメント比を小さくすることが出来るので強度にも良い影響を与える。
【0012】
従って、単位セメント量、水セメント比、高性能減水剤使用量、当該ノロ低減材量は、それぞれ、有機的なつながりを持っているものであり、独立して限定できるものではないが、ノロ低減効果と強度を確保するためには、当該ノロ低減材量が0.2〜15Kg/m3 の範囲では単位セメント量は350〜600kg/m3 必要であり、好ましくは、単位セメント量は380〜550kg/m3 である。単位セメント量が350kg/m3 未満では保水力が小さくなりノロ低減効果が阻害され、600kg/m3 を超える場合は不経済となるほかに、遠心力成形後のパイル等の内面のペースト層が厚くなり過ぎて、移動中の衝撃などにより脱落し易くなり好ましくない。
【0013】
本発明で使用されるセメントとしては、普通、早強、超早強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを配合した各種混合セメント、並びに、微粉スラグをJIS規格以上に配合したスラグ主体のセメントや鋼管ライニングで使用されるアルミナセメント等が挙げられる。
【0014】
コンクリートスランプを0〜18cmに限定した理由は、スランプが18cmを超える軟らかさでは、ノロの発生を低減してもパイル等の内面のペースト層が軟らかくなり過ぎて移動中の衝撃などにより脱落し易くなり好ましくなく、反対にスランプは小さいほどノロ低減効果は発揮されることによるものである。しかしながら同じスランプ0でもスランプコーンに良く詰まらないような状態では遠心成形体の端部にジャンカが発生し易くなることから、より好ましいスランプは、1.0〜15cmである。
【0015】
本発明で使用するコンクリートの水セメント比は36〜25%である。水セメント比が36%を超えると当該ノロ低減材を用いたコンクリートは遠心力成形による脱水量が少なく、遠心力成形体の水セメント比が下がらないことから、例えば、蒸気養生で製造するJISのPCパイルの設計強度である500kgf /cm2を確保することは困難であり、また、PHCパイルではオートクレーブ養生しても、或いは蒸気養生用の高強度混和材を使用して蒸気養生を行っても設計強度の800kgf/cm2 を確保することは困難である。また、25%未満のコンクリートを得るには単位セメンント量を多くする必要があり、この場合も遠心成形後のパイルなどの内面のペースト層の厚さが厚くなり過ぎて、移動中の衝撃などで脱落し易くなるので好ましくない。より好ましくは34〜26%である。
【0016】
高性能減水剤は、ノロ防止効果の助長と水セメント比を36〜25%とし強度確保の両面から必要である。
高性能減水剤とは、従来のリグニンスルホン酸塩系などよりも減水率の大きい減水剤であり、一般に市販されている高性能減水剤はポリアルキルアリルスルホン酸塩系、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系、芳香族アミノスルホン酸塩系高分子、ポリカルボン塩系のいずれかを主成分とし、また、これらの混合型がある。
【0017】
ポリアルキルアリルスルホン酸塩系の高性能減水剤としては、メチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、及びアントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げられ、その市販品としては、花王社製商品名「 マイティー100 」 、「 マイティー150 」 、「マイティ2000」シリーズなど、第一工業製薬社製商品名「 セルフロー110P」 等、竹本油脂社製商品名「 ポールファイン510N」 等、山陽国策パルプ社製商品名「 サンフローPS」 、「サンフローHS700 」等、並びに、電気化学工業社製商品名「 FT-500」 等が代表的なものであり、メラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系高性能減水剤としては、昭和電工社製商品名「 メルメントF-10」 や「 メルメントF-20」 など、デンカグレース社製商品名「 FT-3S 」 等が挙げられ、芳香族アミノスルホン酸塩系としては藤沢薬品(株)商品名「パリック200」シリーズ等が挙げられる。
【0018】
また、ポリカルボン酸塩系では、オレフィン−マレイン酸共重合体系、アルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体系、アクリル酸塩−アクリル酸エステル共重合体系(この中にはカルボキシ基、スルホン酸基含有の多元ポリマーやポリエーテルカルボン酸塩系がある)などがあり、これらにスランプ保持性を高めるために加水分解性ポリカルボン酸架橋体を添加したもの等が挙げられる。
【0019】
これらの市販品としては、デンカグレース社製商品名「ダーレックススーパー200 」、竹本油脂社商品名「チュポールHP11」、ポゾリス物産社商品名「レオビルドSP−8HS」等のシリーズが挙げらる。
【0020】
高性能減水剤の使用量は、増加させると減水性は上がり水セメント比が下がるので強度も大きくなるが、ノロ防止の観点からも適正量が示されるものであり適正量を超えて添加するとノロ低減効果は全く示されなくなる。そしてその適性量の上限は当該ノロ低減材の使用量や減水剤の添加方式(同時添加、後添加など)などにより変化するものである。ポリカルボン酸塩系高性能減水剤の方が、他の高性能減水剤よりも少量で減水率を大きくするが、使用量を多くすると遅延性が大きくなり強度の低下を招くので、ポリカルボン酸塩系高性能減水剤の使用量はセメント100重量部に対して固形分換算で0.05〜0.5重量部、その他の高性能減水剤は0.3〜1.5重量部の範囲で添加され、0.05重量部未満ではポリカルボン酸塩系でも減水効果は小さく、他の高性能減水剤を1.5重量部を超えて添加しても減水率は上がらないことと粘性が出易く、当該ノロ低減材の添加量を多くしてもノロ低減効果を阻害するので好ましくない。より好ましくは、ポリカルボン酸塩系高性能減水では、0.1〜0.3重量部、他の高性能減水剤の場合は、0.4〜1.2重量部である。
【0021】
本発明における常圧蒸気養生やオートクレーブ養生方法は常法でよく、特に限定はされないものであり、常圧蒸気養生において強度確保のために前記高強度混和材などの使用は好ましく、具体的にはセッコウ類を主成分としたものが市販されている。また、鋼管との付着力を上げるためにセメント膨張材等との使用も好ましい。これらセメント混和材は粉末度が細かいか、または、水和活性が高いので保水力を高めノロ防止効果を助長するものである。
【0022】
また、本発明のノロ低減材はモルタルやコンクリートを練り混ぜるときに添加するものであり、 その練り混ぜ方法も通常行われている方法で良いものである。そして、本発明のノロ低減材の添加方法も特に限定はされない。従って、粉末のままコンクリートを練り混ぜる時に一緒に添加しても良いし、又は、練り混ぜ水の一部又は全量に懸濁してスラリー状にして投入しても良く、さらには、減水剤と練り混ぜ水の一部又は全量に懸濁して投入しても良い。
そして粉末状態で投入するよりは、懸濁してスラリーにして投入する方がより少量でノロ防止効果が発揮されるのでスラリー添加は特に好ましい。
なお、投入のタイミングは、減水剤を後添加する練り混ぜ方式では、減水剤を添加した後に練り混ぜ水の一部と懸濁したスラリーを投入する方が練り混ぜ時間が短くてもノロ防止効果が大きくなるので好ましく、減水剤を練り混ぜ水と一緒にして同時に添加する練り混ぜ方式では、練り混ぜ水と減水剤とで懸濁して他のコンクリート材料と一緒に投入するのが好ましい。
【0023】
本発明における遠心力成形方法は、低速、中速( 中速I、中速II) 、高速を用いた3〜4段階で行う常法が使用され、特に、制限されるものではない。
低速のGNo. は、本発明のノロ低減材を添加したコンクリートはプラスチックとなるので軸方向への延びを良くするために、特に、盛り込み式等の低スランプの場合は、ジャンカ防止のため低速を3G以下が好ましく、0.5〜2Gがより好ましい。低速の回転時間は、0.5min 以上が好ましく、1min 以上がより好ましく、2〜6min が最も好ましい。
中速は、中速Iと中速IIを入れ全体で4段階とする場合は、中速Iは、遠心力成型体の肉厚を均一にするために、4〜8G程度で0.5min 以上行い、さらに、中速IIとして、円周方向に骨材を配列させ、高速に移行する準備を整えるために、スランプが5cm以下の低い場合は12〜20Gで、また、スランプが5cmを超えるポンプ打ちでは8〜15Gで、0.5min 以上行うことが好ましく、より好ましくは1min 以上、2〜5min 行うことが最も好ましい。
高速は、GNo. も回転時間も特に規制や統一する必要はなく、ノロの発生がなくて締まりが良く、運搬時などの衝撃で脱落しなければ良いものであり、例えば、ポンプ打ちでスランプが高い場合や、スランプが小さくても単位粉体量が少なく砕砂等を使用した保水力が小さい締まり易いコンクリートの場合では20G程度で回転時間が1min 程度で良い場合もある。また、反対に、単位粉体量が多くて保水力が強くてスランプが小さく、大口径のパイルなどの場合は30G程度で20min 以上必要な場合もある。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されるものではない。
実施例1
膨潤度の異なるベントナイトを乾式篩いで篩って各々粒度範囲のベントナイトを調整した。表1のコンクリート配合に基づいて、砕砂、砕石、及びセメント+ベントナイト(すなわち、ベントナイトはこの場合は粉末添加とし、単に重量で砂と置き代えて添加した)を遊星型の容量100リットルミキサーに投入し20秒間ドライで撹拌した後、練り混ぜ水に高性能減水剤を溶解させた水溶液を添加し、90秒間練り混ぜて40リットルのコンクリートを作製した。スランプを測定した。
作製したコンクリートを18Kg一定量型枠に投入し、低速を2G×3min 、中速Iを4G×1min 、中速IIを10G×3min 、高速を30G×5min の条件で遠心力成形し、外径20×長さ30×厚さ5cmの遠心力成形供試体を作製し、この時発生するノロ量を測定した。この際、発生したノロが漏れないように型枠の両端の中空開放部に蓋をして遠心力成形を行った。
また、成形した供試体を前置き2時間後、昇温速度20℃/hrs で80℃まで昇温し、そのまま4時間保持した後、翌日まで放冷してから脱型し、温度20℃±3℃で室内養生して材齢28日の圧縮強度を測定した。その結果を表2に示す。
なお、スランプ値は、水セメント比を一定として高性能減水剤の添加量で調整した。
【0025】
【表1】
Figure 0004086328
【0026】
<使用材料>
セメント:電気化学工業社製、普通ポルトランドセメント
砕砂 :新潟県姫川産、砕砂、比重2.64
砕石 :新潟県姫川産、砕石、比重2.64
高性能減水剤A:第一工業製薬社製商品名「 セルフロー110P」 主成分ポリアルキルアリルスルホン酸塩系、粉末
ベントナイト:
a.膨潤度 22(A.C.C.法)天然品
b.膨潤度 25(A.C.C.法)天然品
c.膨潤度 30(A.C.C.法)天然品
d.膨潤度 45(A.C.C.法)精製品
e.膨潤度 80(A.C.C.法)アルキルトリアルコキシシランで化学修飾したもの
a〜eの市販のベントナイトを150,90,63,44μmの篩いで篩って、150μ上、150〜90μm、90〜63μm、63〜44μm、44μm下の粒度分布のものを得、実施例に使用した。
イ.150μ上
ロ.150〜90μm
ハ.90〜63μm
ニ.63〜44μm
ホ.44μm下
ヘ.篩わないもの
〈測定方法〉
・スランプ値:JIS A1101に準拠
・ノロ量 :メスシリンダーを用いて測定
・圧縮強度 :JIS A1108に準拠
【0027】
【表2】
Figure 0004086328
【0028】
表2よりベントナイトの膨潤度が22を超えると添加量の多少に拘らず、63μm上と下ではノロ低減効果が異なり、63μm下が顕著なノロ低減効果を示していることが分かる。
【0029】
実施例2
表1のコンクリートの基本配合を使用し、cのベントナイトで63μmで篩い、63μm下のベントナイトを用いてその添加量を変え、実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
なお、使用した高性能減水剤は実施例1で使用したものと、高性能減水剤Bを一部使用した。
また、スランプを合わせるために、減水剤の添加量を変え水セメント比を一定とした場合と、減水剤の添加量はそのままで、単位水量でスランプを一部調整した。
〈使用材料〉
高性能減水剤B:デンカグレース(株)製商品名「ダーレックススーパー200」ポリカルボン酸塩系(固形化した塊状のもの)
【0030】
【表3】
Figure 0004086328
【0031】
表3より水セメント比を一定として63μm下のベントナイトの添加量を増加させると高性能減水剤使用量は多くなるが、ベントナイトを15kg/m3 以上に添加しても高性能減水剤量が1.5重量部を超えるとノロ低減効果は無くなり、高性能減水剤量は1.5重量部以下、好ましくは1.2重量部以下であることが示される。
また、高性能減水剤量を少なくするとノロ低減効果は極端に小さくはならないが、同一スランプを得るための単位水量の増加の割合が大きく、水セメント比が36%を超えるようになると500kgf/cm2 のパイルなどの設計強度の確保が困難となる傾向を示し、また、ポリカルボン酸塩系減水剤は減水作用は大きいが添加量を多くすると添加量を0.5重量部を超えて添加すると遅延性が大きくなり強度の確保が困難となる傾向を示している。
【0032】
実施例3
実施例2の実験NO.2−5〜8について練り混ぜ水全量と減水剤とベントナイトを懸濁してスラリー添加し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
Figure 0004086328
【0034】
表4から、スラリーで添加するとノロ低減効果が増幅され、強度も出易くなることが顕著に示される。
【0035】
実施例4
表5の単位セメント量と水セメント比と変えたコンクリート配合を用いて実施例1と同様な試験を行った。ベントナイトは、cのベントナイトで63μm下のものを使用し、高性能減水剤は実施例1と同様とした。また、試験項目に内面のペースト層の厚さの測定を加えた。また、一部の配合のコンクリートを単位水量を増減し、スランプを任意に変えたコンクリートも使用した。試験結果を表6〜7に示す。
【0036】
〈使用測定法〉
ペースト層の厚さ:成形後、モノサシをペースト層にさし込んで測定
【0037】
【表5】
Figure 0004086328
【0038】
【表6】
Figure 0004086328
【0039】
【表7】
Figure 0004086328
【0040】
実施例5
表8のコンクリート配合を使用して、1m3のパン型ミキサーで0.7m3のコンクリートを90秒練り混ぜた。
ベントナイトは、cのベントナイトで63μm下のものを使用した。
なお、ベントイトは練り混ぜ水全量と混合したスラリーにして添加した。
また、高性能減水剤Cと蒸気養生用の高強度混和材を用いた。
遠心力成形条件は、練り混ぜたコンクリートを用いて低速1.5G×4分、中速Iを4G×1分、中速IIは15G×3分、高速を25G×3分として、外径300mm×長1m×60mmと外径300mm×長さ3m×厚さ60mmの有効プレストレス40kgf/cm2 のA種の単杭を2種類製造した。
なお、パイルの仕様は主筋外径8mmのPC鋼棒を6本、ラセン筋は外径5mmの普通鉄線を50mmの間隔とした。
また、コンクリートは盛り込み方式で盛り込み、比較のブランクはノロが発生する分を見越してコンクリート投入量を5vol.%多くした。
蒸気養生条件は、製柱後、時間前養生した後、20℃/hrの速度で75℃まで上げ、そのまま4時間保持した後、養生層の中で翌日まで自然放冷して脱型し、屋外に1週間養生したときの、外径300mm×長1m×60mmの単杭の圧縮強度と外径300mm×長さ3m×厚さ60mmの単杭の静曲げ強度を測定した。その結果を表9に示す。
〈使用材料〉
セメント:電気化学工業社製、普通ポルトランドセメント
砂 :富山県庄川産、砂、比重2.66
砕石 :富山県庄川産、砕石、比重2.66
高性能減水剤C:電気化学工業(株)製商品名「FT−500」固形分43%の液体ポリアルキルアリルスルホン酸塩系
高強度混和材:電気化学工業(株)製商品名「デンカΣ1000」
〈測定条件〉
・静曲げ強度:JIS A5337に準拠
【0041】
【表8】
Figure 0004086328
【0042】
【表9】
Figure 0004086328
【0043】
なお、本発明例ではノロの発生はなく、比較のパイルは48リットル/m3のノロが発生し、結果的にパイルの肉厚は、ほぼ、同様となった。
【0044】
【発明の効果】
1.本発明の膨潤度が22 超〜 80 で、最大二次粒子径が63μm以下のベントナイトからなるノロ低減材を使用することによって、遠心力成形体製造時のノロ低減効果を増強させることができる。
2.コンクリート配合などを限定することによりノロ低減と、強度の確保が達成でき、かつ、圧縮強度だけでなく、曲げ強度の優れたパイル等の製造が可能となる。
3.本発明のノロ低減材を使用することにより、現在、産業廃棄物として廃棄されているノロの発生量を低減させることができるので公害防止や環境保全に役立つ。

Claims (4)

  1. A.C.C.法による膨潤度が22 超〜 80 であり、その最大二次粒子径が63μm以下のベントナイトからなる遠心力成形体製造用のノロ低減材。
  2. 請求項1記載のノロ低減材と高性能減水剤とを含有する遠心力製造用コンクリート。
  3. 請求項2記載のコンクリートを遠心力成形してなる遠心力成形体。
  4. 単位セメント量が350〜600kg/m3 、水セメント比が36〜25%、スランプが0〜18cmで、高性能減水剤をコンクリート中のセメント100重量部に対して、固形分換算で0.05〜1.5重量部配合し、さらに請求項1記載のノロ低減材を0.2〜15kg/m3 配合したコンクリートを遠心力成形し、蒸気養生及び/又はオートクレーブ養生することを特徴とする遠心力成形体の製造方法。
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