JP4230158B2 - モルタルの調製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタルの調製方法に関し、より詳しくは、高流動性及び高強度発現性を有するモルタルの材料を混練する際の混練時間を短縮することのできるモルタルの調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機械的特性(圧縮強度、曲げ強度、破壊エネルギー等)が著しく向上した水硬性組成物が開発されている。
例えば、特開2002−29813号公報には、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の骨材、減水剤、金属繊維及び水を少なくとも含む混練物を硬化させてなるセメント硬化体であって、53MPa以上の曲げ強度と200MPa以上の圧縮強度を発現するセメント硬化体が、記載されている。
このような優れた機械的特性を有する水硬性組成物は、▲1▼現場打ちで建築物等を構築する場合に、コンクリート層の厚さを薄くすることができるので、コンクリートの打設量が少なくなり、労力の低減、コストの削減、利用空間の増大等を図ることができる、▲2▼プレキャスト部材を製造する場合に、該プレキャスト部材の厚さを薄くすることができるので、軽量化を図ることができ、運搬や施工が容易になる、▲3▼耐摩耗性、中性化、クリープ等の耐久性が向上する、等の特長を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の如き優れた機械的強度を発現し得る従来の水硬性組成物は、シリカフューム等のポゾラン質微粉末を含むとともに、水/固形分の質量比を11質量%程度以下にまで下げるために高性能減水剤を含むものである。そのため、当該水硬性組成物を調製する際、良好な流動性及び優れた機械的強度の発現性を有する混練物を得るまでに、15〜25分程度の混練時間を要していた。
そこで、本発明は、硬化前に良好な流動性を有し、かつ硬化後に優れた機械的強度を発現するモルタルを得ることができるとともに、当該モルタルを調製する際の混練時間を大幅に短縮することのできるモルタルの調製方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、モルタルを構成する材料を特定の手順で混練すれば、流動性及び機械的強度に優れたモルタルを得ることができ、かつ、当該モルタルを調製するために必要な混練時間を大幅に短縮することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本願発明(請求項1)のモルタルの調製方法は、少なくとも、セメント100 質量部、ポゾラン質微粉末(例えば、シリカフューム等)5 50 質量部、粒径2mm以下の骨材50 250 質量部、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び水を含む材料からなり、かつ、水/固体分の質量比が5〜11質量%、ポリカルボン酸系高性能減水剤(固形分換算)/固体分の質量比が0.1〜2.0質量%であるモルタル(ただし、固体分は、ポリカルボン酸系高性能減水剤の固形分を除く、該モルタルに含まれる混練前に固体の形態を有する全ての材料を含む。)の調製方法であって、上記固体分を構成する各材料を混合して、混合物を調製する混合物調製工程と、該混合物の20〜80質量%の材料100質量部と、10質量部以上の水と、0.2質量部(固形分換算)以上のポリカルボン酸系高性能減水剤とを、フロー値が「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法で測定した値として 150 220mm になるまで混練し、混練物を得る第一の混練工程と、該第一の混練工程で得られた混練物に、残りの混合物、水、及びポリカルボン酸系高性能減水剤を加えて混練し、フロー値が、「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法において、 15 回の落下運動を行なわないで測定した値として、 210mm 以上であるモルタルを得る第二の混練工程(ただし、水、及びポリカルボン酸系高性能減水剤は、各々、第一の混練工程で全量を用いている場合、第二の混練工程では用いない。)とを含むことを特徴とする。
このように、モルタルの材料を一括して混練せずに、特定の条件下で分割して混練することによって、短時間(例えば、10分以内)の混練によって、優れた流動性、機械的強度の発現性等の物性を有するモルタルを得ることができる。
また、第一の混練工程において、混練物のフロー値が 150 220mm になるまで混練することによって、第二の混練工程における混練時間を短縮し、全体の混練時間のより一層の短縮を図ることができる。
また、ポゾラン質微粉末及び粒径 2mm 以下の骨材の配合量を上記数値範囲内とすることによって、モルタルの物性(例えば、流動性、機械的強度の発現性等)をより一層向上させることができる。
モルタルのフロー値(「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法において、 15 回の落下運動を行なわないで測定した値)が210mm以上になるまで混練することによって、モルタルの打設の作業が容易になる等の利点を得ることができる。
【0005】
上記混合物調製工程において、上記固体分を構成する各材料の全量を混合することができる(請求項2)。
上記第一の混練工程と上記第二の混練工程との合計の混練時間は、例えば、10分間以内である(請求項3)。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、モルタルは、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の骨材、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び水を含む材料からなるものである。
これらの材料中の水及びポリカルボン酸系高性能減水剤は、水/固体分の質量比が5〜11質量%、好ましくは6〜10質量%であり、ポリカルボン酸系高性能減水剤(固形分換算)/固体分の質量比が0.1〜2.0質量%、好ましくは0.1〜1.2質量%となるように、配合割合が定められる。
ここで、「固体分」の語は、モルタル中、混練前の状態において、ポリカルボン酸系高性能減水剤を除く、固体の形態を有する全ての材料を含む意で用いられ、具体的には、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の骨材、その他の必要に応じて配合される固体の形態を有する材料(例えば、石英粉末等の平均粒径3〜20μm程度の無機粉末、ウォラストナイト等の平均粒径が1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子等)を含むものである。ただし、「固体分」の語は、第一の混練工程及び第二の混練工程で投入される材料に限定されるものであり、例えば、第二の混練工程後に任意で投入される金属繊維及び/又は有機質繊維を含むものではない。
なお、本明細書において、以下の「水硬性組成物」の語は、具体的には「モルタル」を意味するものである。
【0007】
水/固体分の質量比が5質量%未満では、流動性が高い水硬性組成物(いわゆる自己充填性を有する水硬性組成物)を調製することが困難となる。該質量比が11質量%を超えると、高い圧縮強度(例えば、150MPa以上)を発現し得る水硬性組成物を調製することが困難となる。
ポリカルボン酸系高性能減水剤(固形分換算)/固体分の質量比が0.1質量%未満では、いわゆる自己充填性を有する水硬性組成物を調製することが困難となる。該質量比が2.0質量%を超えると、凝結が大幅に遅延するうえに、高い圧縮強度(例えば、150MPa以上)を発現し得る水硬性組成物を調製することが困難となる。
【0008】
本発明のモルタルの調製方法は、固体分を構成する各材料を混合して、混合物を調製する混合物調製工程と、該混合物の20〜80質量%の材料100質量部と、10質量部以上の水と、0.2質量部(固形分換算)以上のポリカルボン酸系高性能減水剤とを、フロー値が「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法で測定した値として 150 220mm になるまで混練し、混練物を得る第一の混練工程と、第一の混練工程で得られた混練物に、残りの固体分、水、及びポリカルボン酸系高性能減水剤を加えて混練し、フロー値が、「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法において、 15 回の落下運動を行なわないで測定した値として、 210mm 以上であるモルタルを得る第二の混練工程(ただし、水、及びポリカルボン酸系高性能減水剤は、各々、第一の混練工程で全量を用いている場合、第二の混練工程では用いない。)とを含むものである。
このように、モルタルの材料を2回に分けてミキサ等に投入し、混練することによって、全体の混練時間を12分以内、好ましくは10分以内に短縮することができる。
ここで、固体分を構成する各材料を混合して調製される混合物は、具体的には、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の骨材、及び必要に応じて配合される他の固体の形態の材料を予め混合してなるものである。この場合、固体の形態を有するセメント等の材料の全量を予め混合して混合物とし、該混合物の20〜80質量%に相当するものを、第一の混練工程で用いればよい。残りの混合物(全量の80〜20質量%)は、第二の混練工程で投入される。
【0009】
第一の混練工程における固体分の投入量は、固体分(水硬性組成物中の固体分の全量)の20〜80質量%、好ましくは25〜75質量%、特に好ましくは30〜70重量%の範囲内に調整する必要がある。該投入量が固体分の20質量%未満では、第二の混練工程における混練時間が長くなり、全体の混練時間(第一の混練工程における混練時間と、第二の混練工程における混練時間の合計時間)の大幅な短縮を達成することができなくなる。該投入量が固体分の80質量%を超えると、第一の混練工程における混練時間が長くなり、全体の混練時間の大幅な短縮を達成することができなくなる。
第一の混練工程における水の投入量は、当該第一の混練工程で投入される固体分100質量部当たり、10質量部以上、好ましくは12重量部以上、特に好ましくは13重量部以上である。該投入量が10質量部未満では、第一の混練工程における混練時間が長くなり、全体の混練時間の大幅な短縮を達成することができなくなる。
第一の混練工程におけるポリカルボン酸系高性能減水剤の投入量は、当該第一の混練工程で投入される固体分100質量部当たり、0.20質量部(固形分換算)以上、好ましくは0.22質量部(固形分換算)以上、特に好ましくは0.25質量部(固形分換算)以上である。該投入量が0.20質量部(固形分換算)未満では、第一の混練工程における混練時間が長くなり、全体の混練時間の大幅な短縮を達成することができなくなる。
なお、第一の混練工程において、水の全量及びポリカルボン酸系高性能減水剤の全量を投入することは差し支えない。この場合、第二の混練工程においては、固体分の残り(未投入分)のみを投入することになる。
【0010】
第一の混練工程における混練は、均質な水硬性組成物が得られるまで行なわれる。混練時間は、通常、0.5〜2分程度である。混練後の組成物の流動性は、「JIS R5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に基づいて測定されるフロー値で、好ましくは150mm以上、より好ましくは160mm以上、特に好ましくは170mm以上である。なお、該フロー値の上限は、特に限定されないが、通常、220mm以下である。
【0011】
次に、本発明で使用する材料について説明する。
セメントの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント等を使用することができる。
本発明において、水硬性組成物の早期強度発現性を向上させようとする場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、水硬性組成物の流動性を向上させようとする場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
【0012】
ポゾラン質微粉末としては、例えば、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。
一般に、シリカフュームやシリカダストは、平均粒径が1.0μm以下であり、粉砕等を行なう必要がないので、本発明のポゾラン質微粉末として好適である。
ポゾラン質微粉末の配合量は、水硬性組成物の流動性や強度発現性の観点から、セメント100質量部当たり、5〜50質量部とするのが好ましい。該配合量が5質量部未満では、水硬性組成物の強度発現性が低下し、好ましくない。該配合量が50質量部を超えると、高い流動性を確保するために単位水量が増大し、水硬性組成物の強度発現性が低下するので、好ましくない。
【0013】
本発明においては、粒径2mm以下の細骨材が用いられる。ここで、細骨材の粒径とは、85%重量累積粒径を意味する。細骨材の粒径が2mmを超えると、水硬性組成物の硬化後の機械的強度が低下するので、好ましくない。
本発明で用いられる細骨材は、水硬性組成物の機械的強度の観点から、最大粒径が2mm以下であることが好ましく、最大粒径が1.5mm以下であることがより好ましい。
細骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、及びこれらの2種以上からなる混合物等が挙げられる。
細骨材の配合量(全投入量)は、水硬性組成物の流動性や機械的強度の観点から、セメント100質量部当たり、50〜250質量部とするのが好ましく、80〜180質量部とするのがより好ましい。
【0014】
本発明においては、減水剤として、ポリカルボン酸系高性能減水剤が用いられる。なお、本明細書中において、特に断らない限り、「高性能減水剤」の語は、狭義の「高性能減水剤」と、「高性能AE減水剤」の両方を含む意で用いられる。
ポリカルボン酸系以外の高性能減水剤を用いた場合、材料を2回に分けて投入することによる全体の混練時間の短縮化の効果を十分に得ることができない。
ポリカルボン酸系高性能減水剤は、例えば、マレイン酸系化合物(無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸塩、マレイン酸エステル等)や、(メタ)アクリル酸系化合物(アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等)を単量体(原料)として含む重合体を含有するものである。
【0015】
本発明で用いられるポリカルボン酸系高性能減水剤の一例としては、
(a)一般式[1]で示されるポリオキシアルキレン化合物の単位、
O(AO) [1]
(ただし、式中、Rは炭素数2〜5のアルケニル基であり、Rは水素又は炭素数2〜18の炭化水素基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基で、その50モル%以上がオキシエチレン基であり、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜500である。)
(b)マレイン酸系化合物の単位、及び
(c)一般式[2]で示されるスルホン酸化合物の単位
SOM [2]
(ただし、式中、Rは炭素数2〜5のアルケニル基又は炭素数8〜9のアルケニルフェニル基であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は無置換もしくは有機基置換アンモニウム基である。)
を含む共重合体を含有するポリカルボン酸系高性能減水剤(以下、高性能減水剤Aと略す。)が挙げられる。
なお、該共重合体を構成する(a)〜(c)の単量体単位の組成比(モル比)は、例えば、{(a)+(c)}:(b)=3:7〜7:3であり、かつ、(a):(c)=1:9〜99:1である。該共重合体の製造方法は、例えば、特開平9−268041号公報に記載されている。
【0016】
ポリカルボン酸系高性能減水剤の他の例としては、
(a)一般式[3]で示されるポリオキシアルキレン化合物の単位、
O(AO)CH [3]
(ただし、式中、Rは炭素数2〜5のアルケニル基であり、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基で、その80モル%以上がオキシエチレン基であり、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、15〜70である。)
(b)マレイン酸系化合物の単位、及び
(c)一般式[4]で示されるアリルスルホン酸化合物の単位
CH=CHCHSOM [4]
(ただし、式中、Mは水素原子又はアルカリ金属である。)
を含む共重合体を含有するポリカルボン酸系高性能減水剤(以下、高性能減水剤Bと略す。)が挙げられる。
なお、該共重合体を構成する(a)〜(c)の単量体単位の組成比(モル比)は、例えば、(a):(b):(c)=1.0:1.0〜1.5:0.05〜0.5である。
【0017】
ポリカルボン酸系高性能減水剤の他の例としては、
(a)一般式[5]で示されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物の単位、
CH=CR−CO−O−(RO)−R [5]
(ただし、式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表わし、nは1〜100の整数である。)
(b)一般式[6]で示される(メタ)アクリル酸系化合物の単位、及び
CH=CR−COOX [6]
(ただし、式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、Xは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表わす。)
(c)これらの化合物(a)、(b)と共重合可能な化合物の単位
を含む共重合体を含有するポリカルボン酸系高性能減水剤(以下、高性能減水剤Cと略す。)が挙げられる。
なお、該共重合体を構成する(a)〜(c)の単量体単位の組成比(質量比)は、例えば、(a):(b):(c)=10〜95質量%:90〜5質量%:0〜50質量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100質量%)である。該共重合体の製造方法は、例えば、特公昭59−18338号公報に記載されている。
【0018】
本発明においては、全体の混練時間の短縮化や水硬性組成物の流動性の向上等の観点から、前記高性能減水剤Aや前記高性能減水剤Bを使用することが好ましく、前記高性能減水剤Bを使用することが特に好ましい。
なお、ポリカルボン酸系高性能減水剤は、液状又は粉末状のいずれの形態であってもよい。
【0019】
本発明においては、水硬性組成物の硬化後の充填密度を高め、かつ、機械的強度を向上させる観点から、水硬性組成物に平均粒径3〜20μm(好ましくは4〜10μm)の無機粉末を配合することが好ましい。
無機粉末としては、例えば、石英粉末、石灰石粉末、炭化物、窒化物等が挙げられる。中でも、石英粉末は、コストや、水硬性組成物の硬化後の品質安定性の観点から好ましいものである。
石英粉末としては、石英や非晶質石英、オパール質やクリストバライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。
無機粉末の配合量は、水硬性組成物の硬化後の機械的強度や緻密性の観点から、セメント100質量部当たり50質量部以下が好ましく、20〜35質量部がより好ましい。
【0020】
本発明においては、水硬性組成物の硬化後の靭性を高める観点から、水硬性組成物に、平均粒度が1mm以下の繊維状粒子又は薄片状粒子を配合することが好ましい。ここで、繊維状粒子又は薄片状粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(例えば、繊維状粒子の場合は、その長さ)を意味するものである。
繊維状粒子としては、例えば、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられる。薄片状粒子としては、例えば、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子又は薄片状粒子の配合量は、水硬性組成物の硬化後の強度や靭性等の観点から、セメント100質量部当たり35質量部以下が好ましく、10〜25質量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子としては、水硬性組成物の硬化後の靭性を高める観点から、長さ/直径の比で表わされる針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
【0021】
本発明においては、水硬性組成物の硬化後の曲げ強度や破壊エネルギーを大幅に高める観点から、水硬性組成物に更に金属繊維及び/又は有機質繊維を配合することが好ましい。
金属繊維及び/又は有機質繊維の投入は、通常、第二の混練工程の後に行なわれる。第一または第二の混練工程で金属繊維及び/又は有機質繊維を投入すると、当該繊維が塊状になる傾向があるので、好ましくない。
金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、中でも、鋼繊維は、強度に優れており、また、コストや入手の容易性等の観点からも好ましいものである。金属繊維は、長さ2mm以上、長さ/直径の比が20以上のものが好ましく、長さ3〜30mm、長さ/直径の比が30〜200のものがより好ましい。
金属繊維の配合量は、水硬性組成物の体積(ただし、当該金属繊維を除く体積)の4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。該配合量4%を超えると、混練時の作業性を確保するために単位水量が増大し、水硬性組成物のマトリックスの強度が低下するので好ましくない。
【0022】
有機質繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。有機質繊維は、長さ2mm以上、長さ/直径の比が20以上のものが好ましく、長さ3〜30mm、長さ/直径の比が30〜500のものがより好ましい。
有機質繊維の配合量は、水硬性組成物の体積(ただし、当該有機質繊維を除く体積)の10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。該配合量が10%を超えると、混練時の作業性を確保するために単位水量が増大し、水硬性組成物のマトリックスの強度が低下するので好ましくない。
本発明において混練に用いるミキサは、コンクリートの混練に用いられる通常のミキサのいずれを用いてもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
本発明において、養生条件は、特に限定されるものではなく、蒸気養生や気中養生等を行なえばよい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
[1.使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
(2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径:0.7μm)
(3)細骨材;珪砂4号
(4)高性能減水剤
(a)ポリオキシアルキレン化合物(式:CH2=CHCH2O(CH2CH2O)25CH3)と無水マレイン酸とアリルスルホン酸化合物(式:CH2=CHCH2SO3Na)を用いて合成された共重合体を主成分とするポリカルボン酸系高性能減水剤
(b)ポリアルキレングリコールメタクリル酸エステル系化合物とアクリル酸系化合物を用いて合成された共重合体を主成分とするポリカルボン酸系高性能減水剤(太平洋セメント(株)製、商品名:「コアフロー」)
(c)ナフタレンスルホン酸系の高性能減水剤(花王(株)製、商品名:「マイティ150」)
(5)水;水道水
(6)無機粉末;石英粉末(平均粒径:7μm)
(7)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
(8)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
[2.水硬性組成物の各材料の配合割合]
水硬性組成物の各材料の配合割合は、表1に示す通りである。
【0024】
【表1】
Figure 0004230158
【0025】
[3.混練及びフロー値の測定]
表1に示す材料のうち、高性能減水剤、水及び鋼繊維以外の材料を予め混合し、均質な混合物(固体分)を調製した。
次に、調製した混合物(固体分)、高性能減水剤、水の各材料を、表2に示す投入量でミキサ(0.05m3のパン型ミキサ)に投入し、表3に示す所定時間、混練(1回目;第一の混練工程)を行ない、フロー値が180mm程度の混練物を得た。その後、残りの材料をミキサに投入して、表3に示す所定時間、混練(2回目;第二の混練工程)を行ない、フロー値が250mm以上の混練物を得た。鋼繊維は、2回目の混練後に投入し、2分間混練した。
なお、1回目の混練後のフロー値(180mm程度)は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に基づくものである。また、2回目の混練後のフロー値(表3)は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行なわないで測定したものである。
【0026】
[4.水硬性組成物の強度の測定]
得られた水硬性組成物について、前述のフロー値の他に、次の方法で圧縮強度及び曲げ強度を測定した。
▲1▼圧縮強度
各水硬性組成物をφ10×20cmの型枠内に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。養生後、圧縮強度を測定した。
▲2▼曲げ強度
各水硬性組成物を4×4×16cmの型枠内に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。養生後、曲げ強度を測定した。
結果を表3に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0004230158
【0028】
【表3】
Figure 0004230158
【0029】
表1〜表3から、本発明で規定する水硬性組成物の調製方法(実施例1〜11)によれば、水/固体分の質量比が10質量%以下である水硬性組成物であっても、10分以内の混練時間で、自己充填性(高い流動性;フロー値)と、高い機械的強度(圧縮強度、曲げ強度)を有する水硬性組成物を調製することができることがわかる。
一方、本発明の規定から外れた水硬性組成物の調製方法(比較例1〜6)では、自己充填性を得るまでに、15分以上の混練時間を要している。
【0030】
【発明の効果】
本発明の水硬性組成物の調製方法によれば、短時間(例えば、6〜9分)の混練によって、優れた流動性、機械的強度の発現性等の物性を有する水硬性組成物を得ることができる。

Claims (3)

  1. 少なくとも、セメント100 質量部、ポゾラン質微粉末5 50 質量部、粒径2mm以下の骨材50 250 質量部、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び水を含む材料からなり、かつ、水/固体分の質量比が5〜11質量%、ポリカルボン酸系高性能減水剤(固形分換算)/固体分の質量比が0.1〜2.0質量%であるモルタル(ただし、固体分は、ポリカルボン酸系高性能減水剤の固形分を除く、該モルタルに含まれる混練前に固体の形態を有する全ての材料を含む。)の調製方法であって、
    上記固体分を構成する各材料を混合して、混合物を調製する混合物調製工程と
    該混合物の20〜80質量%の材料100質量部と、10質量部以上の水と、0.2質量部(固形分換算)以上のポリカルボン酸系高性能減水剤とを、フロー値が「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法で測定した値として 150 220mm になるまで混練し、混練物を得る第一の混練工程と、
    該第一の混練工程で得られた混練物に、残りの混合物、水、及びポリカルボン酸系高性能減水剤を加えて混練し、フロー値が、「 JIS R 5201 (セメントの物理試験方法) 11. フロー試験」に記載される方法において、 15 回の落下運動を行なわないで測定した値として、 210mm 以上であるモルタルを得る第二の混練工程(ただし、水、及びポリカルボン酸系高性能減水剤は、各々、第一の混練工程で全量を用いている場合、第二の混練工程では用いない。)とを含むことを特徴とするモルタルの調製方法。
  2. 上記混合物調製工程において、上記固体分を構成する各材料の全量を混合する請求項1に記載のモルタルの調製方法。
  3. 上記第一の混練工程と上記第二の混練工程との合計の混練時間が、10分間以内である請求項1又は2に記載のモルタルの調製方法。
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