JP4781290B2 - 埋設型枠用ボード - Google Patents

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Description

本発明は、埋設型枠を構成する単位部材である、セメント質硬化体からなる埋設型枠用ボードに関する。
コンクリート構造物を形成するための型枠として用いられ、かつ、型枠内に後打ちコンクリートが打設され硬化した後であっても取り外されることなく、後打ちコンクリートと一体化して存置される埋設型枠が、従来より知られている。埋設型枠は、その構成部材である種々の埋設型枠用ボードを適宜組み合わせることによって、梁等の所望の形状に組み立てられる。
コンクリート構造物の耐久性等の観点から、埋設型枠用ボードには、埋設型枠用ボード自体の耐久性や、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力やせん断強度を大きくすることが望まれている。
従来、このような性能を有する埋設型枠用ボードとして、例えば、特許文献1には、特定の形状を有する埋設型枠が提案され、また、特許文献2には、特定の形状を有するプレキャスト製埋設型枠が提案されている。
すなわち、特許文献1の埋設型枠は、パネル状の心材と、この心材の両面に形成された表面補強層とから構成される型枠本体の片面に、砂利、砂、網状体等からなるコンクリート固着用突起体を配置した構成としている。特許文献1の埋設型枠は、レジンモルタルで形成した心材の両面に、ガラス繊維強化プラスチックで形成された表面補強層を設けることで、耐久性を向上させている。
また、特許文献2のプレキャスト製埋設型枠は、後打ちコンクリートと密着する側の略全面に錐体状(正多角錐体状又は正多角錐台状)の突起を設けた構成としている。特許文献2のプレキャスト製埋設型枠は、後打ちコンクリートと接触する一方の側面に、隙間を生じることなく、底面が連続した正多角錐体の突起を形成することによって、埋設型枠の表面と後打ちコンクリートとの接触面積を大きくし、両者の付着力を大きくさせている。
特開2000−45432号公報 特開平7−52133号公報
しかし、特許文献1の埋設型枠は、複数のコンクリート固着用突起体を、埋設型枠の片面の中央部分に集中して配置し、その周囲に枠状の平面部分が残存するように形成しているので、埋設型枠の枠状の平面部分と後打ちコンクリートとの付着力が小さくなり、上記の平面部分において、剥離が生じやすくなる。このような剥離が生じると、埋設型枠と後打ちコンクリートとの界面に水が浸入しやすくなるので、コンクリート構造物の耐久性が低下するという問題がある。
また、特許文献1の埋設型枠のように、コンクリート固着用突起体として、砂利を用いた場合は、砂利の大きさや形状等にばらつきがあるので、埋設型枠の片面に均等な間隔で砂利を配置することが困難であり、砂利同士の間隔によっては、期待しうる付着力やせん断強度が得られない場合がある。また、コンクリート固着用突起体として、網状体を用いた場合は、その網状体自体の強度が小さいと、期待しうる付着力やせん断強度が得られないことがある。
さらに、特許文献1の埋設型枠は、レジンモルタル製の心材の両面に、ガラス繊維強化プラスチック製の表面補強層を密着させて、両面から加熱・加圧成形することによって製造されるものであるため、製造に手間がかかるという問題がある。
特許文献2のプレキャスト製埋設型枠は、突起の形状が錐体状(正多角錐体状又は正多角錐台状)であるので、上記プレキャスト製埋設型枠の運搬時や構築時等に、突起の先端部分が破損しやすく、取り扱いに注意を要するという問題がある。例えば、プレキャスト製埋設型枠の突起の先端部分が破損してしまった場合は、期待しうる付着力やせん断強度が得られない場合がある。
また、特許文献2のプレキャスト製埋設型枠は、コンクリートの表面にセメントモルタル層を設けた後に、該セメントモルタル層に専用型枠で錐体状の突起を製造しているので、製造に手間がかかるという問題もある。
そこで、本発明は、片面に備えた凸部分破損が生じにくく、後打ちコンクリートとの付着力やせん断強度に優れ、耐久性が高く、機械的強度が大きく、製造が容易である埋設型枠用ボードを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のセメント質硬化体からなり、かつ、後打ちコンクリートと接触する面に特定の形状の凸部分有する埋設型枠用ボードであれば、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供するものである。
[1] 圧縮強度が120N/mm 以上であるセメント質硬化体からなる埋設型枠用ボードであって、
(i)上記埋設型枠用ボードの片面の全面に略均一に、高さが4〜9mmである複数の凸部分有し、
(ii)上記凸部分の3mmの高さおける切断面面積が、上記凸部分有する片面の投影面積に対して10〜80%であり、かつ、
(iii)上記凸部分有する片面の全表面積(S)と、上記凸部分有する片面の投影面積(S)との面積比(S/S)が1.2〜7.0であることを特徴とする埋設型枠用ボード。
[2] 上記凸部分は、直径が4〜25mmの円柱形状又は1辺の長さが4〜25mmの四角柱形状を有する上記[1]記載の埋設型枠用ボード。
] 上記凸部分同士間隔が2mm以上である上記[1]又は[2]に記載の埋設型枠用ボード。
本発明の埋設型枠用ボードは、セメント質硬化体からなり、片面の全面に略均一に、特定の形状の凸部分有するものであるので、凸部分有する面の破損等が生じにくく、後打ちコンクリートとの付着力及びせん断強度が優れている。本発明の埋設型枠用ボードは、セメント質硬化体からなるものであり、機械的強度が大きく、耐久性が高い。また、本発明の埋設型枠用ボードは、凸部分、それ以外の部分(本体部)とを、同じ材料を用いて一体的に形成することができるので、容易に製造することができる。
本発明の埋設型枠用ボードについて、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の埋設型枠用ボードの一例(部分)を示す斜視図、図2は、本発明の埋設型枠用ボードの一例(部分)を示す断面図、図3は、本発明の埋設型枠用ボードを含むコンクリート構造体の一例(部分)を示す断面図である。
図1〜3に示すように、本発明の埋設型枠用ボード1は、セメント質硬化体からなる板状の本体部2と、該本体部2の片面4(後打ちコンクリートが打ち込まれる側の面)の全面に略均一に形成された、特定の形状を有する複数の凸部分3からなる。図1〜3に示す埋設型枠用ボード1は、円柱形状の凸部分3を本体部2の片面4(基準面)に形成した例を示している。
本発明の埋設型枠用ボードは、例えば、図3に示すような形態で用いられる。図3に示すように、2つの埋設型枠用ボード1,1は、複数の凸部分3を有する側の面(片面4)が相対するように配置され、このように配置された2つの埋設型枠用ボード1,1の間に、後打ちコンクリート6が打設されて、コンクリート構造体5が構成される。2つの埋設型枠用ボード1,1は、後打ちコンクリート6の硬化後も、取り外されることなく、コンクリート構造体5の構成部分として存置される。
図4は、参考例としての埋設型枠用ボード一例(部分)を示す斜視図、図5は、参考例としての埋設型枠用ボード一例(部分)を示す断面図である。
図4及び5に示すように埋設型枠用ボード10は、特定の圧縮強度を有するセメント質硬化体からなる板状の本体部11と、該本体部11の片面13(後打ちコンクリートが打ち込まれる側の面)の全面に略均一に形成された、特定の形状を有する複数の凹部分12とからなる。図4及び図5に示す埋設型枠用ボード10は、四角柱形状の凹部分12を本体部11の片面13(基準面)に形成した例を示している。
次に、本発明の埋設型枠用ボードを構成するセメント質硬化体について詳細に説明する。
本発明の埋設型枠用ボードを構成するセメント質硬化体としては、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の骨材、水及び減水剤を含む配合物を硬化させたものであることが好ましい。
セメントの種類としては、特に限定されることがなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。
本発明において、セメント質硬化体の早期強度を向上させようとする場合には、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性を向上させようとする場合には、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
ポゾラン質微粉末としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。
一般に、シリカフュームやシリカダストは、その平均粒径が1.0μm以下であり、粉砕等を行なう必要がないので、本発明のセメント質硬化体に用いるポゾラン質微粉末として、好適である。
ポゾラン質微粉末を配合することによって、そのマイクロフィラー効果及びセメント分散効果が発揮されて、セメント質硬化体が緻密化し、圧縮強度が向上する。一方、ポゾラン質微粉末の添加量が多過ぎると、単位水量が増大し、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等が低下するので、ポゾラン質微粉末の添加量は、セメント100質量部に対して5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。
本発明においては、粒径2mm以下の骨材を用いることが好ましい。ここで、骨材の粒径とは、85%(質量)累積粒径である。粒径2mm以下の骨材を配合することによって、配合物の作業性や分離抵抗性、硬化後のクラック抵抗性等が向上する。骨材の粒径が2mmを超えると、配合物の作業性や分離抵抗性、硬化後の強度等が低下する。
なお、本発明においては、配合物の分離抵抗性、硬化後の強度等の面から、最大粒径が2mm以下の骨材を用いることが好ましく、最大粒径が1.5mm以下の骨材を用いることがより好ましい。
骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物を使用することができる。
骨材の配合量は、配合物の作業性や分離抵抗性、硬化後の強度、緻密性や耐衝撃性等の面から、セメント100質量部に対して50〜250質量部が好ましく、80〜180質量部がより好ましい。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。中でも、ポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。減水剤を配合することによって、配合物の流動性や分離抵抗性、硬化後の緻密性や強度等が向上する。
減水剤の配合量は、配合物の流動性や分離抵抗性、硬化後の緻密性や強度、コスト等の面から、セメント100質量部に対して固形分換算で0.1〜4.0質量部が好ましく、0.2〜1.5質量部がより好ましい。
水としては、水道水等を使用することができる。
本発明において、水/セメント比は、配合物の流動性や分離抵抗性、セメント質硬化体の強度、耐久性、緻密性や耐衝撃性等の面から、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。
本発明においては、硬化後の曲げ強度や破壊エネルギーを向上するために、配合物に繊維を含ませることが好ましい。繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等の金属繊維や、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維等の有機質繊維や、炭素繊維を使用することができる。中でも、強度、コスト、入手のし易さ等の面から、金属繊維としては、鋼繊維が好ましく、有機質繊維としては、ビニロン繊維が好ましい。
本発明で使用する繊維は、直径0.01〜1.0mm、長さ2〜30mmのものが好ましい。直径が0.01mm未満では、繊維自身の強度が不足し、張力を受けた際に切れ易くなる。直径が1.0mmを超えると、同一配合量での本数が少なくなり、硬化体の曲げ強度等を向上する効果が低下する。長さが2mm未満では、マトリックスとの付着力が低下して、曲げ強度等を向上する効果が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際にファイバーボールが生じ易くなる。
繊維の配合量は、金属繊維の場合には、配合物の体積の4.0%以下が好ましく、0.5〜3.5%がより好ましい。また、有機質繊維又は炭素繊維の場合には、配合物の体積の10%以下が好ましく、1.0〜7.0%がより好ましい。
繊維の配合量は、流動性とセメント質硬化体の曲げ強度や破壊エネルギーの観点から定められる。すなわち、一般に、繊維の含有量が多くなると、曲げ強度や破壊エネルギーが向上する反面、流動性を確保するために単位水量が増大する。そのため、繊維の配合量は、上記の数値範囲内とするのが好ましい。
本発明においては、配合物の流動性や硬化後の強度、緻密性等を向上するために、配合物に無機粉末を含ませることが好ましい。無機粉末としては、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、石灰石粉末、石英粉末は、コストの点や硬化後の品質安定性の点で好ましい。
無機粉末の平均粒径は、3〜20μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。この範囲内の平均粒径を有する無機粉末を配合することによって、配合物の流動性が向上し、セメント質硬化体がより緻密化する。無機粉末の平均粒径が上記範囲外では、配合物の流動性、セメント質硬化体の緻密性や強度等が低下する。
無機粉末の配合量は、配合物の流動性、セメント質硬化体の緻密性や強度等の面から、セメント100質量部に対して50質量部以下が好ましく、5〜40質量部がより好ましい。
本発明においては、硬化後の靭性を向上するために、配合物に繊維状粒子もしくは薄片状粒子を含ませることが好ましい。繊維状粒子としては、例えば、ウォラストナイト、ボーキサイト、ムライト等が挙げられ、薄片状粒子としては、例えば、マイカフレーク、タルクフレーク、バーミキュライトフレーク、アルミナフレーク等が挙げられる。
繊維状粒子もしくは薄片状粒子の平均粒度は1mm以下である。前記粒度の繊維状粒子もしくは薄片状粒子を配合することによって、硬化体の靭性が向上する。平均粒度が1mmを超えると、配合物の流動性やセメント質硬化体の強度が低下するので好ましくない。なお、本発明における粒子の粒度とは、その最大寸法の大きさ(特に、繊維状粒子ではその長さ)である。
繊維状粒子もしくは薄片状粒子の配合量は、配合物の流動性、硬化後の強度や靭性等の面から、セメント100質量部に対して35質量部以下が好ましく、1〜25質量部がより好ましい。
なお、繊維状粒子においては、硬化体の靭性を高める観点から、長さ/直径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好ましい。
本発明においては、配合物の混練方法は、特に限定されるものではない。
また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。
上記混練した配合物を成形し、養生・硬化させることによって、本発明の埋設型枠用ボードを製造することができる。
成形方法は、特に限定されるものではなく、流し込み成形等の慣用の成形方法を採用することができる。
養生方法も特に限定されるものではなく、常温養生や蒸気養生等を行なえばよい。
なお、上記材料を混練して得られる配合物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、200mm以上と流動性に優れるものであり、型枠への投入等の作業性に優れるものである。
本発明の埋設型枠用ボードは、圧縮強度が120N/mm 以上であるセメント質硬化体からなり、(i)上記埋設型枠用ボードの片面の全面に略均一に、高さが4〜9mmである複数の凸部分有し、(ii)上記凸部分の3mmの高さおける切断面面積が、上記凸部分有する片面の投影面積に対して10〜80%であり、かつ、(iii)上記凸部分有する片面の全表面積(S)と、上記凸部分有する片面の投影面積(S)との面積比(S/S)が1.2〜7.0である。
本発明の埋設型枠用ボードは、埋設型枠用ボードの片面の全面に略均一に、特定の形状の凸部分有することによって、埋設型枠用ボードの凸部分有する片面と、後打ちコンクリートとの付着強度を1N/mm以上に向上させることができ、せん断強度も1N/mm以上に向上させることができる。
上記凸部分、本体部と同じ材料を用いて一体的に形成することができる。上記凸部分形成する方法としては、例えば、特定の凹形状内部の底面に備えた型枠内に、上記本体部を構成する配合物を打設し硬化して、脱型することによって、セメント質硬化体の片面に凸部分形成する方法が挙げられる。また、他の方法として、底面が平面である通常の型枠内に、配合物を打設した後、特定の凹形状備えた押さえ型枠を、打設後の配合物の上面から押し付けて、セメント質硬化体の片面に凸部分形成する方法が挙げられる。
(i)埋設型枠用ボード1の片面4に形成される凸部分3の高さ、埋設型枠用ボード1の片面4(基準面)から埋設型枠用ボードの強度やコスト等の観点により、4〜9mmに定められる(図1参照)。
凸部分の高さ3mm未満では、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力が低下し、1N/mm以上の付着強度が得られ難い。また、1N/mm以上のせん断強度も得られ難い。凸部分の高さ10mmを超えても、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力やせん断強度は、それほど向上しない。そればかりか、凸部分の高さが10mmを超えると、運搬や工事現場に設置の際に、凸部分に欠け等が生じやすくなる
なお、付着強度が1N/mm未満では、後打ちコンクリートの厚さにもよるが、後打ちコンクリートの剥離が生じる可能性があり、好ましくない。また、せん断強度が1N/mm未満でも、後打ちコンクリートの剥離が生じる可能性があり、好ましくない。
本発明の埋設型枠用ボードは、埋設型枠用ボードの片面の全面に略均一に、複数の凸部分有する。複数の凸部分、埋設型枠用ボードの片面に、部分的に集中して形成されている場合や、一方に偏って形成されている場合は、埋設型枠用ボードの片面の凸部分形成されていない部分(平面部分)と、後打ちコンクリートとの付着力が小さくなり、該部分における埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートの界面に剥離が生じやすくなるので、好ましくない。
なお、埋設型枠用ボードの片面の全面に略均一に、複数の凸部分有する形態とは、凸部分有する片面を、100cm(10cm×10cm)に区分けし、1つの区域における凸部分個数と、他の1つの区域における凸部分個数との差が、5個以内になるように、複数の凸部分、埋設型枠用ボードの片面に形成されている形態をいう。上記凸部分、埋設型枠用ボードの片面の全面に、等間隔で均等に形成することが好ましい。
(ii)上記凸部分の3mmの高さおける切断面面積、上記凸部分有する片面(全体)の投影面積に対して10〜80%であり、好ましくは20〜70%であり、より好ましくは30〜65%である。
上記数値10%未満では、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力が低下し、1N/mm以上の付着強度が得られ難い。また、1N/mm以上のせん断強度も得られ難い。上記数値が80%を超えるものは、製造が困難であるうえに、凸部分有する面に欠けやひび割れ等が生じやすくなる。
上記凸部分の3mmの高さおける切断面とは各々の凸部分の3mmの高さおける切断面の面積を合計した面積(Ca)をいう
なお、本明細書においては、便宜上、上記凸部分の3mmの高さおける切断面面積(Caと、上記凸部分有する片面(全体)の投影面積(S)との比を断面積率(Ca/S×100%と称する。
(iii)上記凸部分有する片面の全表面積(S)と、上記凸部分有する片面の投影面積(S)との面積比(S/S1.2〜7.0であり、好ましくは1.25〜6.0であり、より好ましくは1.3〜5.0である。面積比が1.2未満では、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力が低下し、1N/mm以上の付着強度が得られ難い。また、1N/mm以上のせん断強度も得られ難い。面積比が7.0を超えるものは、製造が困難であるうえに、凸部分有する面に欠けやひび割れ等が生じやすくなる。
なお、面積比とは、次の式のように算出される値である。
面積比=(凸部分有する片面の全表面積;S)/(凸部分有する片面の投影面積;S
なお、埋設型枠用ボードの凸部分有する片面の投影面積(S)は、凸部分有しない場合の埋設型枠用ボードの片面(全体)の面積と同一である。
本発明において、上記凸部分は、直径が4〜25mmの円柱形状又は1辺の長さが4〜25mmの四角柱形状を有するものであることが好ましい。凸部分が、直径が4mm未満の円柱形状又は1辺の長さが4mm未満の四角柱形状を有するものであると、凸部分に欠けや割れ等が生じやすくなるので、好ましくない。一方、凸部分が、直径が25mmを超える円柱形状又は1辺の長さが25mmを超える四角柱形状を有するものであると、埋設型枠用ボードの面積比(S/S)が小さくなる場合があり、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力が低下し、1N/mm以上の付着強度が得られなくなる場合がある。
本発明において、上記凸部分同士間隔は、好ましくは2mm以上であり、より好ましくは3mm以上であり、特に好ましくは4mm以上である。凸部分同士間隔が2mm未満の場合は、製造が困難であるうえに、製造時や運搬時、工事現場への設置の際に、凸部分欠け等が生じやすくなる。
凸部分同士間隔が大きすぎると、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートとの付着力が低下し、1N/mm以上の付着強度が得られ難い。また、1N/mm以上のせん断強度も得られ難いので、凸部分同士間隔は、20mm以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、凸部分同士の間隔とは、凸部分3と凸部分3の間の空隙の距離d(図2参照)をいう。また、後述の参考例において、凹部分同士の間隔とは、凹部分12と凹部分12の間の距離d(図5参照)をいう。
本発明の埋設型枠用ボードは120N/mm以上の圧縮強度を有するセメント質硬化体からなるものであり、極めて緻密で、表面処理等を行わなくても凍結融解抵抗性、耐摩耗性、非透水性等に非常に優れている。
セメント質硬化体の圧縮強度が70N/mm未満の場合は、運搬や工事現場への設置の際に、凸部分有する面に欠けやひび割れ等が生じやすくなるので好ましくない。また、セメント質硬化体の圧縮強度が70N/mm未満の場合は、埋設型枠用ボード自体の強度や耐久性を高めるために、埋設型枠用ボード内に鉄筋を配筋したり、厚さを大きくする必要があり、製造や運搬、工事現場への設置に手間がかかるので、好ましくない。
本発明の埋設型枠用ボードの寸法は、埋設型枠用ボード自体の強度や耐久性、さらには、製造や運搬、工事現場への設置等の手間を考慮して、縦0.3〜5.0m×横0.3〜5.0m×厚さ1〜7cmであることが好ましい。なお、ここで、埋設型枠用ボードの厚さとは、片面(基準面)形成されている凸部分の頂部分の面から、該凸部分が形成されていない反対側の片面までの距離をいう。なお、後述の参考例において、片面(基準面)に凹部分が形成されている場合は、該凹部分が形成されている片面(基準面)から、凹部分が形成されていない反対側の片面までの距離をいう。
本発明の埋設型枠用ボードは、当該埋設型枠用ボードを固定するためのインサート孔を持つことができる。固定具をインサート孔に挿通して、法面や天井等に打ち付けることによって、埋設型枠用ボードをアーチ状、板状等の形状に容易に組み立てることができる。
以下、実施例によって本発明を説明する。
1.配合物の使用材料
以下に示す材料を、埋設型枠用ボードを構成するセメント質硬化体の材料として使用した。
(1)セメント;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径:0.7μm)
(3)骨材;珪砂5号
(4)金属繊維;鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(5)高性能減水剤;ポリカルボン酸系高性能減水剤
(6)水;水道水
(7)無機粉末;石英粉末(平均粒径:7μm)
(8)繊維状粒子;ウォラストナイト(平均長さ:0.3mm、長さ/直径の比:4)
2.配合物の製造、配合物及びその硬化体の性状
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、骨材105質量部、石英粉末35質量部、ウォラストナイト4質量部、高性能減水剤0.8質量部(固形分換算)、水22質量部及び鋼繊維(配合物中の全体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練した。
該配合物のフロー値を「JIS R 5201(セメント物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。その結果、フロー値は250mmであった。
また、上記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は230N/mmであった。
また、上記配合物を4×4×16cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は47N/mmであった。
また、上記配合物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の透水係数を「地盤工学会基準JGS 0231(土の透水試験法)」に準じて、変数位透水試験方法により測定した。その結果、水の浸透が全く認められず、浸透深さはゼロであった。
さらに、上記配合物を10×10×40cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生し、セメント質硬化体(3本)を得た。該セメント質硬化体の凍結融解試験のおける耐久性指数を「JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)付属書2(コンクリートの凍結融解試験)」に準じて測定した。その結果、耐久性指数(3本の平均値)は、99.8であった。
3.凸部分又は凹部分の高さを変化させた埋設型枠用ボードの製造
[実施例1、参考例1〜3及び比較例1]
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、骨材105質量部、石英粉末35質量部、ウォラストナイト4質量部、高性能減水剤0.8質量部(固形分換算)、水22質量部及び鋼繊維(配合物中の全体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練して配合物を得た。該配合物を、400mm×400mm×30mm(厚さ)の型枠であって、該型枠の内部の底面に、深さが3mmであり、直径が7mmである凹形状を備えた型枠に流し込み、養生(20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生)し脱型して、片面4の全面に略均一に、高さが3mmであり、直径が7mmである複数の凸部分3を有する埋設型枠用ボード1(参考例1)を製造した(図1参照)。また、深さが6mm、10mm、12mm、2mmであり、直径が7mmである複数の凹形状を内部の底面に備えた型枠を各々準備し、上記配合物を各々の型枠内に流し込み、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、高さが6mm、10mm、12mm、2mmであり、直径が7mmである複数の凸部分を有する各々の埋設型枠用ボード(実施例1、参考例2〜3及び比較例1)を製造した。なお、凸部分同士の間隔は4mmであった。
また、型枠の内部の底面に、高さが3mm、5mmであり、直径が5mmである複数の凸形状を備えた2つの型枠を準備し、上記配合物を2つの型枠内に流し込み、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、深さが3mm、5mmであり、直径が5mmである複数の凹部分を有する各2つの埋設型枠用ボード(参考例4〜5)を製造した。なお、凹部分同士の間隔は2.1mmであった。
実施例1、参考例1〜3及び比較例1の埋設型枠用ボードの断面積率は38.5%であり、参考例4〜5の埋設型枠用ボードの断面積率は40.0%であった。なお、比較例1の埋設型枠用ボードの断面積率は、凸部分の2mmの高さにおける表面積(合計;Sa)と、凸部分を有する片面(全面)の投影面積(S)との比(Sa/S)を断面積率とした。
また、実施例1、参考例1〜5及び比較例1の埋設型枠用ボードの圧縮強度は、いずれも230N/mmであった。
4.後打ちコンクリートの打設・養生
実施例1、参考例1〜3及び比較例1の埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面に、後打ちコンクリートを打設し養生して、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体を製造した。
4−1.後打ちコンクリートの材料
(1)セメント;普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)細骨材;小笠産陸砂
(3)粗骨材;岩瀬産5号砕石と岩瀬産6号砕石の混合物(最大粒径20mm)
(4)減水剤;リグニンスルホン酸系AE減水剤
(5)AE剤;アルキルアリルスルホン化合物系陰イオン界面活性剤
(6)水 ;水道水
4−2.配合
上記材料を表1に示す割合で配合し、該材料を一括してパン型ミキサに投入し、90秒間混練して配合物を得た。この配合物のスランプ値は12cmであった。また、後打ちコンクリートの圧縮強度は32N/mm(28日間水中養生)であった。
Figure 0004781290
5.硬化体のせん断強度及び付着強度の測定(評価)
埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体について、下記の方法でせん断強度及び付着強度を測定した。結果を表2に示す。
(1)せん断強度の測定方法
上記硬化体のせん断強度を「JSCE−G 553−1983(鋼繊維補強コンクリートのせん断強度試験方法)」に準じて測定した。
(2)付着強度の試験方法
400mm×400mm×30mm(厚さ)の埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面を底面とした型枠内に、上記後打ちコンクリート用の配合物を流し込み、20℃で24時間湿空養生した後、脱型し、さらに28日間水中養生し、硬化させて、埋設型枠用ボード(実施例1、参考例1〜5及び比較例1)と後打ちコンクリート(厚さ50mm)からなる試験体(硬化体)を得た。
図6(a)に示すように、試験体20の一つ側端面21から80mm、200mm、320mmの位置に、埋設型枠用ボード20aの側から後打ちコンクリート20bに達する程度まで、側端面21に対して平行に3本の切り込み線22,23,24を形成した。この3本の切り込み22,23,24に対して直交するように、上記側端面21と直交する一つの側端面25から80mm、200mm、320mmの位置に、さらに3本の切り込み線26,27,28を形成し、試験体20の表面に、6本の切り込み線22〜24及び26〜28同士が直交する9点の試験位置(a〜i)を形成した。
図6(b)に示すように、上方に埋設型枠用ボード20a、下方に後打ちコンクリート20bが配置されるように試験体20を設置し、それぞれの試験位置(a〜i)に鋼製の上部引張用のアタッチメント30をエポキシ樹脂接着剤で貼り付け、該アタッチメントの上に重石を載せて、20℃の乾燥炉で試験体20を一日静置した。その後、上部引張用のアタッチメント30を介して載荷速度1.0kN/mmで鉛直方向(図6(b)中の矢印方向)に引張載荷したときの最大荷重を求め、この数値を上部引張用のアタッチメント30の接着面積で除して付着強度とした。なお、表2には、試験体20の9点の試験位置(a〜i)の各々に、アタッチメントを接着し、該アタッチメントを介して測定した付着強度の平均値を記載した。
表2に示すとおり、本発明の特定の形状の凸部分有する埋設型枠用ボード(実施例1は、1N/mm以上のせん断強度及び付着強度を得ていた。一方、高さが2mmの凸部分を有する埋設型枠用ボード(比較例1)は、せん断強度が0.5N/mmと小さかった。
Figure 0004781290
6.断面積率を変化させた埋設型枠用ボードの製造及び評価
参考例6〜8及び比較例2]
参考例1と同様の配合物を用いて、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、高さが3mmである複数の凸部分を有し、断面積率(凸部分の3mmの高さにおける表面積(合計;Sa)と、該凸部分を有する片面(全体)の投影面積(S)との比(Sa/S×100%))が表3に示す各々の数値であり、面積比(S/S)が表3に示す各々の数値である埋設型枠用ボード(参考例6〜8及び比較例2)を製造した。凸部分同士の間隔は2.0〜10.0mmであった。なお、断面積率が90%の場合は、脱型する際に、凸部分に欠け等を生じ、埋設型枠用ボードを製造することができなかった。
上記埋設型枠用ボードの圧縮強度は230N/mmであった。
上記埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面に、上述の「4.後打ちコンクリートを打設・養生」と同様にして、後打ちコンクリートを打設し養生して、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体を製造した。該硬化体について、上述の「5.硬化体のせん断強度及び付着強度の測定(評価)」と同様にして、せん断強度及び付着強度を測定した。結果を表3に示す。
表3に示すとおり、本発明の特定の断面積率となる凸部分を有する埋設型枠用ボード(参考例6〜8)は、1N/mm以上のせん断強度及び付着強度を得ていた。一方、断面積率が6%となる凸部分を有する埋設型枠用ボード(比較例2)は、せん断強度が0.6N/mmと小さかった。
Figure 0004781290
7.面積比を変化させた埋設型枠用ボードの製造及び評価
参考例9〜11及び比較例3]
参考例1と同様の配合物を用いて、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、高さが3mmである複数の凸部分を有し、断面積率(凸部分の3mmの高さにおける表面積(合計;Sa)と、該凸部分を有する片面(全体)の投影面積(S)との比(Sa/S×100%))が32%であり、面積比(S/S)が表3に示す各々の数値である埋設型枠用ボード(参考例9〜11及び比較例3)を製造した。なお、凸部分同士の間隔は2.0〜4.6mmであった。
上記埋設型枠用ボードの圧縮強度は230N/mmであった。
上記埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面に、上述の「4.後打ちコンクリートを打設・養生」と同様にして、後打ちコンクリートを打設し養生して、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体を製造した。該硬化体について、上述の「5.硬化体のせん断強度及び付着強度の測定(評価)」と同様にして、せん断強度及び付着強度を測定した。結果を表に示す。
表4に示すとおり、本発明の特定の面積比となる凸部分を有する埋設型枠用ボード(参考例9〜11)は、1N/mm以上のせん断強度及び付着強度を得ていた。一方、面積比が1.2以下となる凸部分を有する埋設型枠用ボード(比較例3)は、せん断強度が0.3N/mmと非常に小さかった。
Figure 0004781290
8.圧縮強度を変化させた埋設型枠用ボードの製造及び評価
実施例2
参考例1と同様の配合物を用いて、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、高さが5mmであり、直径が9mmである複数の凸部分を有し、断面積率(凸部分の3mmの高さにおける切断面の面積(合計;Ca)と、該凸部分を有する片面(全体)の投影面積(S)との比(Ca/S×100%))が32%であり、面積比(S/S)が1.6である埋設型枠用ボードを製造した。なお、凸部分同士の間隔は5.1mmであった。
上記埋設型枠用ボードの圧縮強度は230N/mmであった。
上記埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面に、上述の「4.後打ちコンクリートを打設・養生」と同様にして、後打ちコンクリートを打設し養生して、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体を製造した。該硬化体について、上述の「5.硬化体のせん断強度及び付着強度の測定(評価)」と同様にして、せん断強度及び付着強度を測定した。結果を表5に示す。
実施例3
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、骨材155質量部、石英粉末30質量部、高性能減水剤0.7質量部(固形分換算)、水28質量部及び鋼繊維(配合物中の全体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練して配合物を得た。該配合物を用いて、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、高さが5mmであり、直径が9mmである複数の凸部分を有し、断面積率(凸部分の3mmの高さにおける切断面の面積(合計;Ca)と、該凸部分を有する片面(全体)の投影面積(S)との比(Ca/S×100%))が32%であり、面積比(S/S)が1.6である埋設型枠用ボードを製造した。なお、凸部分同士の間隔は5.1mmであった。
上記埋設型枠用ボードの圧縮強度は120N/mmであった。
上記埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面に、上述の「4.後打ちコンクリートを打設・養生」と同様にして、後打ちコンクリートを打設し養生して、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体を製造した。該硬化体について、上述の「5.硬化体のせん断強度及び付着強度の測定(評価)」と同様にして、せん断強度及び付着強度を測定した。結果を表5に示す。
参考例12
低熱ポルトランドセメント100質量部、シリカフューム32質量部、骨材155質量部、石英粉末30質量部、高性能減水剤0.5質量部(固形分換算)、水33質量部及び鋼繊維(配合物中の全体積の2%)を二軸練りミキサに投入し、混練して配合物を得た。該配合物を用いて、参考例1と同様にして、片面の全面に略均一に、高さが5mmであり、直径が9mmである複数の凸部分を有し、断面積率(凸部分の3mmの高さにおける切断面の面積(合計;Ca)と、該凸部分を有する片面(全体)の投影面積(S)との比(Ca/S×100%))が32%であり、面積比(S/S)が1.6である埋設型枠用ボードを製造した。なお、凸部分同士の間隔は5.1mmであった。
上記埋設型枠用ボードの圧縮強度は80N/mmであった。
上記埋設型枠用ボードの凸部分を有する片面に、上述の「4.後打ちコンクリートを打設・養生」と同様にして、後打ちコンクリートを打設し養生して、埋設型枠用ボードと後打ちコンクリートからなる硬化体を製造した。該硬化体について、上述の「5.硬化体のせん断強度及び付着強度の測定(評価)」と同様にして、せん断強度及び付着強度を測定した。結果を表5に示す。
表5に示すとおり、120N/mm 以上の圧縮強度を有する埋設型枠用ボード(実施例2〜3では2.9N/mm せん断強度を得ていた。また、実施例2では、1.3N/mm 付着強度を得ていた。なお、圧縮強度が70N/mm未満の埋設型枠用ボードは、1N/mm以上のせん断強度及び付着強度を得ることが可能であるが、期待し得る耐久性を満たしていなかった。
Figure 0004781290
本発明の埋設型枠用ボードの一例(部分)を示す斜視図である。 本発明の埋設型枠用ボードの一例(部分)を示す断面図である。 本発明の埋設型枠用ボードを含むコンクリート構造体の一例(部分)を示す断面図である。 参考例としての埋設型枠用ボード一例(部分)を示す斜視図である。 参考例としての埋設型枠用ボード一例(部分)を示す断面図である。 付着強度の測定方法を説明する図((a);試験体の斜視図、(b);試験体(部分)の正面図)である。
符号の説明
1 埋設型枠用ボード
2 本体部
3 凸部分
4 埋設型枠用ボードの片面(基準面)
5 コンクリート構造体
6 後打ちコンクリート
10 埋設型枠用ボード
11 本体部
12 凹部分
13 埋設型枠用ボードの片面(基準面)
20 試験体
20a 埋設型枠用ボード
20b 後打ちコンクリート
21 試験体の一側端面
22,23,24 切り込み線
25 試験体の一側端面
26,27,28 切り込み線
30 上部引張用のアタッチメント

Claims (3)

  1. 圧縮強度が120N/mm 以上であるセメント質硬化体からなる埋設型枠用ボードであって、
    (i)上記埋設型枠用ボードの片面の全面に略均一に、高さが4〜9mmである複数の凸部分有し、
    (ii)上記凸部分の3mmの高さおける切断面面積が、上記凸部分有する片面の投影面積に対して10〜80%であり、かつ、
    (iii)上記凸部分有する片面の全表面積(S)と、上記凸部分有する片面の投影面積(S)との面積比(S/S)が1.2〜7.0であることを特徴とする埋設型枠用ボード。
  2. 上記凸部分は、直径が4〜25mmの円柱形状又は1辺の長さが4〜25mmの四角柱形状を有する請求項1記載の埋設型枠用ボード。
  3. 上記凸部分同士間隔が2mm以上である請求項1又は2に記載の埋設型枠用ボード。
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