JP2001233656A - 傾斜構造コンクリート部材 - Google Patents

傾斜構造コンクリート部材

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JP2001233656A
JP2001233656A JP2000045308A JP2000045308A JP2001233656A JP 2001233656 A JP2001233656 A JP 2001233656A JP 2000045308 A JP2000045308 A JP 2000045308A JP 2000045308 A JP2000045308 A JP 2000045308A JP 2001233656 A JP2001233656 A JP 2001233656A
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cement
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Yoshiaki Sakakibara
善朗 榊原
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Taiheiyo Cement Corp
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Taiheiyo Cement Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/04Portland cements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2201/00Mortars, concrete or artificial stone characterised by specific physical values
    • C04B2201/50Mortars, concrete or artificial stone characterised by specific physical values for the mechanical strength
    • C04B2201/52High compression strength concretes, i.e. with a compression strength higher than about 55 N/mm2, e.g. reactive powder concrete [RPC]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼材にも匹敵する強度を発現し得るコンクリ
ートを見出し、該コンクリートをコンクリート部材の表
層部の形成に用い、表層部に局部的な衝撃力が加わった
際にもひび割れ或いはカケが生じ難いコンクリート部材
とすると共に、強靱な表層部のコンクリートによって内
部コンクリートを保護、補強し、部材全体としての強
度、耐久性を向上させ、例えば、建築構造物の柱、地中
に埋設される杭等として使用されている鋼管コンクリー
ト部材の代替品とも成り得る高強度・高耐久性のコンク
リート部材を提供すること。 【解決手段】 表層部が、セメント、平均粒径1.0μ
m以下のポゾラン質微粒子、粒径2mm以下の骨材、
水、可塑剤を含むセメント質マトリックスからなる超緻
密なコンクリートで形成されていると共に、該表層部よ
り内部が、連続的或いは不連続的に、前記表層部の形成
に使用された超緻密なコンクリートに比して粗なコンク
リートで形成されている傾斜構造コンクリート部材とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉厚方向に構造
(組織や性能)の異なるコンクリート部材、即ち傾斜構
造のコンクリート部材に関し、特に内部に比べて表層部
が高強度、高耐久性となっている傾斜構造コンクリート
部材であり、例えば、建築構造物の柱、梁、壁或いは床
や、地中に埋設される杭等として使用される部材であっ
て、鋼管コンクリート部材の代替品とも成り得る傾斜構
造コンクリート部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来より、工場で製造され
たコンクリート部材は、コンクリート管、コンクリート
境界ブロック、ボックスカルバート、コンクリート矢
板、コンクリート消波ブロック、コンクリート杭、コン
クリート柱、コンクリート橋げた、コンクリートまくら
ぎ、コンクリート建築用プレハブ材等、広く使用されて
いる。
【0003】このようなコンクリート部材は、一般的に
均質なコンクリートによってその全体が製造され、特に
強度、耐久性が要求される部材においては、コンクリー
ト厚さを厚くしたり、内部に鉄筋を配したり、或いはプ
レストレスを与えたりすること等により、部材全体とし
ての強度、耐久性を向上させることが成されていた。
【0004】しかしながら、上述したいずれの部位に使
用されるコンクリート部材においても、その輸送途中、
或いは施工中に外部から受ける局部的な衝撃力には弱
く、その衝撃を受けた表層部にひび割れ或いはカケが生
じ易い物であった。また、部材によっては、表層部のみ
が高強度、高耐久性を有するものであれば、内部コンク
リートにはさほどの強度を要求されない物もある。この
ようなコンクリート部材においては、表層部のみを高強
度、高耐久性を有するものとすることができれば、部材
全体を高強度、高耐久性を有するものとする必要はない
が、このような傾斜構造のコンクリート部材は、これま
でには存在しなかった。
【0005】一方、コンクリートの表面側に強靱な鋼材
を配し、コンクリートの弱点である低引張強度及び低靱
性を鋼材の拘束によって補い、一方鋼材の圧縮座屈、内
面側の腐食を内部コンクリートによって防止した構造の
コンクリート部材、例えば、建築構造物の柱、地中に埋
設される杭等として使用されている鋼管コンクリート部
材も存在する。
【0006】このような鋼管コンクリート部材において
は、鋼管とコンクリートとが強固に付着し、一体化して
いることが好ましく、これにより双方の材料が有してい
る特性が効果的に発揮されることが期待されるが、鋼管
とコンクリートとは、あくまで異種の材料であるため、
その両者の付着強度には自ずと限界があり、また熱膨張
係数の相違等に起因して、両者の付着部に剪断力が働
き、両者が剥離してしまう憂いも高い。また、鋼管は高
比重の物であるため、部材全体の重量が増し、また鋼管
表面の腐食等の問題も発生する。
【0007】本発明は、上述した従来のコンクリート部
材(鋼材との複合化を図った鋼管コンクリート部材等も
含む。)が有する課題に鑑み成されたものであって、そ
の目的は、鋼材にも匹敵する強度を発現し得るコンクリ
ートを見出し、該コンクリートをコンクリート部材の表
層部の形成に用い、表層部に局部的な衝撃力が加わった
際にもひび割れ或いはカケが生じ難いコンクリート部材
とすると共に、強靱な表層部のコンクリートによって内
部コンクリートを保護、補強し、部材全体としての強
度、耐久性を向上させたコンクリート部材を提供するこ
とにある。これにより、例えば、建築構造物の柱、地中
に埋設される杭等として使用されている鋼管コンクリー
ト部材の代替品とも成り得るコンクリート部材を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するため、表層部が、セメント、平均粒径1.0
μm以下のポゾラン質微粒子、粒径2mm以下の骨材、
水、可塑剤を含むセメント質マトリックスからなる超緻
密なコンクリートで形成されていると共に、該表層部よ
り内部が、連続的或いは不連続的に、前記表層部の形成
に使用された超緻密なコンクリートに比して粗なコンク
リートで形成されている傾斜構造コンクリート部材とし
た。
【0009】上記した本発明にかかるコンクリート部材
は、その表層部を形成するコンクリートとして、セメン
ト、平均粒径1.0μm以下のポゾラン質微粒子、粒径
2mm以下の骨材、水、可塑剤を含むセメント質マトリ
ックスからなる超緻密なコンクリートを使用したため、
コンクリート部材が、鋼材にも匹敵する強度を有する卵
の殻の如き外殻を有するものとなり、表層部に局部的な
衝撃力が加わった際にも、ひび割れ或いはカケが生じ難
いものとなる。また、強靱な表層部のコンクリートが、
内部コンクリートを保護、補強するため、内部コンクリ
ートを必要以上に高強度とする必要がなくなり、部材全
体を安価に製造できる。更に、鋼管コンクリート部材の
如く、異質材料の組合せではないため、付着強度や熱的
特性の違いを考慮する必要はなく、また錆の発生の心配
もない。
【0010】ここで、上記本発明において、表層部を形
成するコンクリートとして、そのセメント質マトリック
ス中に平均粒径1.0μm以下のポゾラン質微粒子を含
むものとしたのは、平均粒径1.0μm以下のポゾラン
質微粒子を配合することにより、そのマイクロフィラー
効果やセメント分散効果、更にはポゾラン反応効果等に
より、コンクリートが緻密化し、圧縮強度が向上するた
めである。また、粒径2mm以下の骨材を用いることと
したのは、骨材の粒径が2mmを超えると、コンクリー
トの緻密性が損なわれ、強度が低下するためである。な
お、セメント質マトリックスの強度や緻密性、更には流
動性を更に高めるためには、平均粒径3〜20μmの無
機質微粉末を上記骨材に含ませることが好ましく、中で
も石英粉末を上記骨材に含ませることは好ましい。
【0011】また、本発明においては、上記表層部の形
成に使用されるセメント質マトリックス中に、靱性を高
める観点から、更に平均粒度1mm以下の針状粒子及び
/又は薄片状粒子を含ませることは好ましく、また曲げ
強度を高める観点から、更に径が0.01〜1.0m
m、長さが2〜30mmの金属繊維及び/又は有機質繊
維を含ませることは好ましい。
【0012】なお、本発明における傾斜構造コンクリー
ト部材とは、肉厚方向に構造(組織や性能)が異なって
いるコンクリート部材を言う。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、上記した本発明について詳
細に説明する。
【0014】本発明の傾斜構造コンクリート部材は、内
部に比べて表層部が緻密で高強度、高耐久性のコンクリ
ート(モルタルも含む。以下同様)で形成されているも
のである。
【0015】この表層部を形成するコンクリートは、セ
メント、平均粒径1.0μm以下のポゾラン質微粒子、
粒径2mm以下の骨材、水、可塑剤を含むセメント質マ
トリックスからなるものである。
【0016】上記セメントとしては、普通ポルトランド
セメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラ
ンドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポル
トランドセメントや高炉セメント、フライアッシュセメ
ント等の混合セメントを使用することができるが、コン
クリートの早期強度を向上しようとする場合は、早強ポ
ルトランドセメントを使用することが好ましく、コンク
リートの流動性を向上しようとする場合は、中庸熱ポル
トランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用す
ることが好ましい。また、エコセメントを使用すること
もできる。
【0017】また、上記ポゾラン質微粒子としては、シ
リカヒューム、シリカダスト、シリカゾル(コロイダル
シリカ)、沈降シリカ、スラグ微粉末、フライアッシュ
微粉末、クレー、籾殻灰、珪藻土等が挙げられる。ここ
で、一般的にシリカヒュームやシリカダストは、その平
均粒径が1.0μm以下であるため、粉砕等をする必要
がなく、本発明において使用するポゾラン質微粒子とし
て好的である。上記ポゾラン質微粒子を配合することに
より、そのマイクロフィラー効果やセメント分散効果、
更にはポゾラン反応効果等によりコンクリートが緻密化
し、圧縮強度が向上する。一方、ポゾラン質微粒子の添
加量が多くなると、単位水量が増大するため、ポゾラン
質微粒子の添加量は、セメント100重量部に対して5
〜50重量部が好ましい。
【0018】更に、本発明において表層部を形成するコ
ンクリートには、粒径2mm以下の骨材が用いられる。
ここで、骨材の粒径とは、85%(重量)累積粒径であ
る(2mmより大きい骨材が含まれていても良い)。骨
材の粒径が2mmを超えるとコンクリートの緻密性が損
なわれ、強度が低下する。粒径2mm以下の骨材として
は、珪砂、石英砂、ガラス粉粒、セラミック粉粒、石英
粉及びこれらの混合物が挙げられる。セメント質マトリ
ックスの強度や緻密性、更には流動性を更に高めるため
には、平均粒径3〜20μmの無機質微粉末、特に石英
粉末を上記骨材に含ませることが好ましい。石英粉末と
しては、石英結晶や非晶質石英、オパール質やクリスト
バライト質のシリカ含有粉末等が挙げられる。これらを
含む上記骨材は、コンクリートの作業性や分離抵抗性、
更には硬化後の強度やクラックに対する抵抗性等から、
セメント質マトリックスの20〜60重量%になるよう
に配合するのが好ましい。
【0019】また、上記本発明において使用する可塑剤
は、一種の分散剤或いは減水剤である。減水剤は、中で
も高性能減水剤或いは高性能AE減水剤が好ましい。化
学組成としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、カゼ
イン、ポリナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩、ホル
ムアルデヒド誘導体、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、
ポリカルボン酸アルカリ金属塩、グラフト化ポリエチレ
ンオキシド、メラミン系剤等である。これらの可塑剤の
添加量は、コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化後
の強度、更にはコスト等から、セメントに対して、固形
分換算で0.5〜4.0重量%が好ましい。
【0020】また、本発明において表層部を形成するコ
ンクリートの水/セメント比は、コンクリートの流動性
や分離抵抗性、更には硬化体の強度や耐久性等から、1
0〜30重量%が好ましく、15〜25重量%がより好
ましい。
【0021】本発明においては、上記表層部を形成する
コンクリートの靱性を高める観点から、更に平均粒度が
1mm以下の針状粒子及び/又は薄片状粒子を含ませる
ことは好ましい。ここで、粒子の粒度とは、その最大寸
法の大きさ(特に、針状粒子ではその長さ)である。針
状粒子としては、ウォラストナイト、ボーキサイト、ム
ライト、チタン酸カリウム、炭化珪素、セルロース、炭
素、燐酸カルシウム、炭酸カルシウム等である。中で
も、ウォラストナイトは好ましい。薄片状粒子として
は、マイカ、タルク、クレー、バーキュライト、アルミ
ナ、珪酸塩、混合珪酸塩、混合アルミン酸塩等の各フレ
ークである。中でも、マイカフレークは好ましい。これ
らの針状粒子及び/又は薄片状粒子の合計の配合量は、
コンクリートの流動性、硬化体の強度や靱性等から、セ
メント100重量部に対して35重量部以下が好まし
く、10〜25重量部がより好ましい。なお、針状粒子
においては、硬化体の靱性を高める観点から、長さ/直
径の比で表される針状度が3以上のものを用いるのが好
ましい。
【0022】また、本発明においては、上記表層部を形
成するコンクリートの曲げ強度を高める観点から、更に
金属繊維及び/又は有機質繊維を含ませることは好まし
い。金属繊維としては、鋼繊維、アモルファス繊維等が
挙げられるが、中でも鋼繊維は強度に優れており、また
コストや入手のし易さの点からも好ましいものである。
有機質繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊
維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維等が挙
げられる。これらの繊維は、径が0.01〜1.0m
m、長さが2〜30mmのものを使用する。径が0.0
1mm未満では繊維自身の強度が不足し、張力を受けた
際に切れやすくなる。径が1.0mmを超えると、同一
配合量での本数が少なくなり、コンクリートの曲げ強度
が低下する。長さが30mmを超えると、混練の際にフ
ァイバーボールが生じやすくなる。長さが2mm未満で
はマトリックスとの付着力が低下し曲げ強度が低下す
る。上記金属繊維の含有量は、凝結後のコンクリート体
積の4%未満が好ましく、より好ましくは3.5%未満
である。また、有機質繊維の含有量は、凝結後のコンク
リート体積の10%未満が好ましく、7%未満がより好
ましい。これらの繊維の含有量は、流動性と硬化体の曲
げ強度の観点から定められ、一般に、繊維の含有量が多
くなると曲げ強度が向上するが、一方、流動性を確保す
るために単位水量も増大するので、繊維の含有量は前記
の量が好ましい。なお、本発明においては、金属繊維と
有機質繊維を併用することは差し支えない。
【0023】上記表層部の形成に使用するコンクリート
の流動性は、JIS R 5201(セメントの物理試
験方法)11.フロー試験でのゼロ打フローで測定した
フロー値で200mm以上であることが好ましく、また
硬化体の圧縮強度は200MPa以上、曲げ強度は15
MPa以上となるものであることが好ましい。これは、
フロー値が200mmに満たないコンクリートでは、施
工性が悪く、また種々の形状に対応できないためであ
り、また圧縮強度が200MPa、曲げ強度は15MP
aに満たない表層部では、後記する内部コンクリートの
保護、補強の効果が小さいために好ましくない。
【0024】本発明にかかる傾斜構造コンクリート部材
は、上記表層部より内部が、連続的或いは不連続的に、
前記表層部の形成に使用された超緻密なコンクリートに
比して粗なコンクリートで形成されたものである。
【0025】連続的に粗なコンクリートで形成されたも
のとしては、例えば、内部も上記表層部と同質のセメン
ト質マトリックスからなるコンクリートを使用している
が、表層部に比べて内部の方が、或いは内部にいくに従
って、使用する骨材の最大粒径が大きくなっている、或
いは水/セメント比が大きくなっているコンクリートを
使用し、表層部に比べて内部の方が、或いは内部にいく
に従って連続的に空隙率の大きい構造となっており、全
体として一体成形されて成るコンクリート部材である。
これは、使用骨材の最大粒径や水/セメント比の異なる
同質のコンクリート数種類を用意しておき、先に打設し
たコンクリートが固まる前にこれらを順次連続打設して
一体化すれば得られる。なお、コンクリートが固まる前
とは、プロクター貫入抵抗法による凝結時間測定試験に
おける始発時間前とすれば良い。また、上記表層部のコ
ンクリートに緻密化を図るために使用したシリカヒュー
ム等のポゾラン質微粒子の添加を止める、或いは徐々に
添加量を減らしたコンクリートを使用した場合にも、表
層部に比べて内部の方が、或いは内部にいくに従って連
続的に空隙率の大きい構造となっている本発明にかかる
傾斜構造コンクリート部材が得られる。
【0026】また、不連続的に粗なコンクリートで形成
されたものとしては、例えば、上記超緻密なコンクリー
トによる表層部(外殻)を有し、内部はこのコンクリー
トと異質で、且つ粗なコンクリートで形成されたコンク
リート部材である。内部を形成するコンクリートは、特
には限定されず、例えば普通コンクリート、軽量骨材を
用いた軽量コンクリート、ポーラスコンクリート、レジ
ンコンクリート、膨張コンクリート、高流動コンクリー
ト、ハイパフォーマンス、起泡コンクリート、ポリマー
コンクリート等が挙げられる。この他、用途によって
は、種々の廃棄物や廃材を再利用したコンクリートでも
良い。重量の点からすると、軽量コンクリート、ポーラ
スコンクリート或いは起泡コンクリートを使用すること
が好ましい。なお、必要に応じて、内部コンクリートの
内側を中空状のものとしても良い。
【0027】上記本発明にかかる傾斜構造コンクリート
部材の製造方法は、コンクリート部材の表層部(外層
部)が、上記超緻密なコンクリートによる穀が形成され
るように成形される方法であれば、特に限定されない。
例えば、従来の鋼管コンクリート部材を製造するのに用
いる遠心成形でも良い。また、上記表層部は予め作製し
ておいても良いし、内部の充填コンクリートを作製後、
その表面に超緻密なコンクリートによる表層部を形成し
ても良い。或いは、同時成形し一体化を図っても良い。
【0028】また、本発明の傾斜構造コンクリート部材
においては、表層部(外層部、外穀)の厚みは特に限定
されないが、構造部材として用いる場合は、金属繊維及
び/又は有機質繊維を含ませた繊維強化コンクリートで
あって、少なくとも5mm以上あることが好ましい。ま
た、表層部より内側に形成する内部コンクリートによる
内層の層数も特には限定されないが、表層部も含め2〜
3層、或いは2層で、場合によってはその内側が中空状
のものが実用的である。更に、本発明の傾斜構造コンク
リート部材の形状も、角柱、円柱或いはパネル形状等で
あっても良く、角柱或いは円柱形状のものは、建築構造
物の柱、梁或いは地中に埋設される杭等として用いるこ
とができ、またパネル形状に形成したものは、護岸用の
矢板、建築構造物の壁、床等として用いることができ
る。
【0029】本発明の傾斜構造コンクリート部材は、必
要に応じて成形後、蒸気養生やオートクレーブ養生、或
いは温水養生、炭酸化養生を行っても良い。また、より
耐久性を増すために、表層部表面を撥水処理したり、不
溶化処理したり、或いは種々の塗料を塗布しても良い。
表層部に顔料やカラーセメントを用いれば、美感に優れ
たものも得られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の傾斜構造コンクリート部材の
表層部の形成に使用するコンクリートの好適な実施例を
記載するが、本発明は、何らこの実施例のコンクリート
を表層部の形成に用いた傾斜構造コンクリート部材に限
定されるものではない。
【0031】 使用材料 1)セメント :低熱ポルトランドセメント〔太平洋セメント(株)製〕 2)ポゾラン質微粒子 :シリカヒューム(平均粒径0.7μm) 3)骨材 :珪砂4号と珪砂5号の2:1(重量比)混合品 4)金属繊維 :鋼繊維(直径0.2mm、長さ15mm) 有機繊維 :ビニロン繊維(直径0.6mm、長さ15mm) 5)高性能AE減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤 6)水 :水道水 7)石英粉(平均粒径7μm) 8)針状粒子:ウォラストナイト(平均長さ0.3mm、長さ/直径の比4)
【0032】−実施例1−配合条件 セメント :100重量部 ポゾラン質微粒子 :32.5重量部 骨材 :120重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して1.0重量%(固
形分) 水/セメント比 :22重量%混練方法 二軸練りミキサーに各材料を一括投入し、混練養生条件 前置き(20℃)48時間、90℃で48時間蒸気養生性 能 フロー値 :270mm(試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じる。但し、15回の落下運動は行わずに測定
した。;ゼロ打フロー) 圧縮強度 :210MPa 曲げ強度 :25MPa
【0033】−実施例2−配合条件 セメント :100重量部 ポゾラン質微粒子 :32.5重量部 骨材 :120重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して1.0重量%(固
形分) 水/セメント比 :22重量% 鋼繊維 :コンクリート中の体積の2%混練方法 二軸練りミキサーに各材料を一括投入し、混練養生条件 前置き(20℃)48時間、90℃で48時間蒸気養生性 能 フロー値 :250mm(試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じる。但し、15回の落下運動は行わずに測定
した。;ゼロ打フロー) 圧縮強度 :210MPa 曲げ強度 :47MPa
【0034】−実施例3−配合条件 セメント :100重量部 ポゾラン質微粒子 :32.5重量部 骨材 :120重量部 石英粉 :30重量部 針状粒子 :24重量部 高性能AE減水剤 :セメントに対して1.0重量%(固
形分) 水/セメント比 :22重量% 鋼繊維 :コンクリート中の体積の2%混練方法 二軸練りミキサーに各材料を一括投入し、混練養生条件 前置き(20℃)48時間、90℃で48時間蒸気養生性 能 フロー値 :250mm(試験方法は、「JIS R
5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試
験」に準じる。但し、15回の落下運動は行わずに測定
した。;ゼロ打フロー) 圧縮強度 :230MPa 曲げ強度 :47MPa
【0035】上記した実施例に記載されたコンクリート
は、いずれも鋼材にも匹敵する強度を発現するコンクリ
ートであるため、該コンクリートを使用して表層部を形
成し、その内部を、上記実施の形態において示したよう
に、連続的或いは不連続的に、上記実施例に記載された
コンクリートに比して粗なコンクリート、例えば普通コ
ンクリートによって形成することにより、本発明にかか
る傾斜構造コンクリート部材が得られる。
【0036】例えば、従来の直径70cm、長さ10m
のコンクリート杭の製造に使用されている遠心力成形機
を使用し、先ず上記実施例3に記載された繊維強化コン
クリートを型枠内に投入し、型枠を高速で回転させるこ
とによって生じる遠心力で投入した繊維強化コンクリー
トを型枠の内面に押しつけ、厚さ10〜50mmの円筒
状の表層部を形成する。続いて、凝結試験における始発
時間前に、従来よりコンクリート杭の製造に使用されて
いる、例えば膨張コンクリートを型枠内に投入し、遠心
力によって前記円筒状の表層部を形成する繊維強化コン
クリートに膨張コンクリートを圧着・一体化させ、厚さ
50〜90mmの内層を形成し、得られた成形体を、蒸
気養生やオートクレーブ養生すれば、従来の鋼管コンク
リート杭の代替品と成り得る高強度・高耐久性を有する
コンクリート杭が得られる。
【0037】また、例えば、従来の幅50cm、長さ5
m、厚さ100mmのコンクリート矢板の製造に使用さ
れている型枠を使用し、該型枠を寝かせた状態で、先ず
上記実施例に記載されたいずれかのコンクリートを型枠
内に投入し、振動締固めを行って型枠の底部に厚さ20
〜50mmの板状の表層部を形成する。続いて、凝結試
験における始発時間前に、従来よりコンクリート矢板の
製造に使用されている、例えば普通コンクリートを型枠
内に投入し、振動締固めを行って前記表層部を形成する
コンクリートと普通コンクリートとを一体化させ、全体
厚さが100mmの成形体を形成し、該成形体を養生す
れば、鋼材にも匹敵する表層部を有するコンクリート矢
板が得られる。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明にかかる
コンクリート部材は、その表層部に鋼材にも匹敵する強
度を有する卵の殻の如き外殻を有するものとなり、局部
的な衝撃力が加わった際にも、表層部にひび割れ或いは
カケが生じ難いものとなる。また、強靱な表層部のコン
クリートが、内部コンクリートを保護、補強するため、
内部コンクリートを必要以上に高強度とする必要がなく
なり、部材全体を安価に製造できる。更に、鋼管コンク
リート部材の如く、異質材料の組合せではないため、付
着強度や熱的特性の違いを考慮する必要はなく、また錆
の発生の心配もない高強度・高耐久性のコンクリート部
材となる効果がある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 16/06 C04B 16/06 E 22/06 22/06 A // C04B 103:10 103:10 111:20 111:20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層部が、セメント、平均粒径1.0μ
    m以下のポゾラン質微粒子、粒径2mm以下の骨材、
    水、可塑剤を含むセメント質マトリックスからなる超緻
    密なコンクリートで形成されていると共に、該表層部よ
    り内部が、連続的或いは不連続的に、前記表層部の形成
    に使用された超緻密なコンクリートに比して粗なコンク
    リートで形成されていることを特徴とする、傾斜構造コ
    ンクリート部材。
  2. 【請求項2】 上記表層部の形成に使用されるセメント
    質マトリックス中に、更に平均粒度1mm以下の針状粒
    子及び/又は薄片状粒子が含まれていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の傾斜構造コンクリート部材。
  3. 【請求項3】 上記表層部の形成に使用されるセメント
    質マトリックス中に、更に径が0.01〜1.0mm、
    長さが2〜30mmの金属繊維及び/又は有機質繊維が
    含まれていることを特徴とする、請求項1又は2のいず
    れかに記載の傾斜構造コンクリート部材。
  4. 【請求項4】 上記表層部が、圧縮強度200MPa以
    上の超緻密なコンクリートで形成されていることを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれかに記載の傾斜構造コン
    クリート部材。
  5. 【請求項5】 上記表層部より内部が、圧縮強度30〜
    60MPaの普通コンクリートで形成されていることを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の傾斜構造
    コンクリート部材。
  6. 【請求項6】 上記表層部のコンクリートと、それより
    内部のコンクリートとが、一体成形されていることを特
    徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の傾斜構造コ
    ンクリート部材。
  7. 【請求項7】 上記傾斜構造コンクリート部材が、円柱
    若しくは角柱形状に形成され、建築構造物の柱、梁或い
    は地中に埋設される杭として用いられることを特徴とす
    る、請求項1〜6のいずれかに記載の傾斜構造コンクリ
    ート部材。
  8. 【請求項8】 上記傾斜構造コンクリート部材が、パネ
    ル形状に形成され、護岸用の矢板或いは建築構造物の
    壁、床として用いられることを特徴とする、請求項1〜
    6のいずれかに記載の傾斜構造コンクリート部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008297702A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Penta Ocean Construction Co Ltd 遮水構造の施工方法及び遮水構造
CN104926225A (zh) * 2015-05-19 2015-09-23 中国矿业大学 抗硫酸盐腐蚀混凝土路缘石的配方及路缘石的制作方法
WO2018003612A1 (ja) * 2016-06-30 2018-01-04 株式会社クラレ 繊維補強炭酸化セメント成形物およびその製造方法
CN113233836A (zh) * 2021-05-18 2021-08-10 苏州市星火管片有限公司 一种活性粉末混凝土及制备方法

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