JP2826125B2 - 回転成形容器およびその製造法 - Google Patents

回転成形容器およびその製造法

Info

Publication number
JP2826125B2
JP2826125B2 JP1140198A JP14019889A JP2826125B2 JP 2826125 B2 JP2826125 B2 JP 2826125B2 JP 1140198 A JP1140198 A JP 1140198A JP 14019889 A JP14019889 A JP 14019889A JP 2826125 B2 JP2826125 B2 JP 2826125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
evoh
inner layer
container
polyolefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1140198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH032009A (ja
Inventor
信雄 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KURARE KK
Original Assignee
KURARE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KURARE KK filed Critical KURARE KK
Priority to JP1140198A priority Critical patent/JP2826125B2/ja
Publication of JPH032009A publication Critical patent/JPH032009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2826125B2 publication Critical patent/JP2826125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、耐油性、耐薬品性、ガスバリヤー性に優れ
た容器に関する。さらに詳しくは、外層がポリオレフイ
ン、内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EV
OH)からなる回転成形容器およびその製造法に関する。
<従来の技術> ポリオレフイン製の大型容器は灯油缶、ドラム缶、水
槽、各種工業薬品缶、自動車用ガソリンタンク等種々の
分野において使用されているが、その大きな欠点として
各種溶剤およびガスの透過性の大きいことが知られてい
る。その改良方法として各種溶剤およびガスの透過防止
効果に優れたEVOHを積層することが有効で、積層化の方
法についても種々の提案がなされており、なかでも共押
出ブロー成形に関して多くの提案がなされている。この
共押出多層ブロー成形は、ポリオレフインとEVOH複層化
を始めとして、積層容器の量産には極めて有効な製法で
はあるが、高額の金型を使用するなど設備投資額が高
く、大量生産に適しているが、少量生産にはコスト的に
不利である。時に250リツトルを越える大型容器につい
てはほとんど利用されていない。また数十%発生するバ
リの回収再使用に高度の技術を要するなどの問題点があ
る。プラツチツク製大型容器の製法としてはブロー成形
のほかに、回転成形が知られており、この方法は金型も
安価で、バリの発生もほとんどなく、1000リツトルを越
える大型容器にも利用されているが、複層化については
あまり検討されておらず特にポリオレフインとEVOHの複
層化は全く検討されていなかつた。
たとえば「成形加工便覧」第566頁には外層がポリエ
チレン、内層がナイロンからなる回転成形容器について
記載され、また特開昭48−43463号には回転多層容器に
ついて記載されているが、ポリオレフインとEVOHの積層
化については記載されていない。
<発明が解決しようとする課題> 本発明者はブロー成形に代えて、回転成形法で、ポリ
オレフインとEVOHの積層構成容器の作成を検討した。共
押出ブロー成形においては全層が同時に成形されるの
で、層数は生産速度にそれ程影響しないが、回転成形で
は外層から逐次に一層ずつ成形されて行くので層数が生
産速度に大きく影響する。そこで本発明者らは外層にポ
リオレフインを用い、内層にEVOHを用いて、強度保持の
ため全層厚みを2mm以上として検討を始めた。また外層
ポリオレフインには必要に応じて接着性樹脂を混合する
か、または内層と外層との中間層に接着性樹脂層を設け
て外層と内層の接着性を向上させた。
検討の結果、ポリオレフインの外層の上に、または接
着性樹脂の中間層の上にEVOHの内層を積層する際に二つ
の問題点があることが分かつた。一つはEVOH層を薄く成
形しようとすると、EVOH層が不連続になつたり、ピンホ
ールが生じるなど、耐薬品性、ガスバリヤー性を満足す
る連続したEVOH層の作成が困難であつた。共押出ブロー
成形ではEVOH層の連続的薄層成形は極めて簡単で、例え
ばポリエチレン/接着性樹脂/EVOHの三層構成で全層厚
み4mmのガソリンタンクにおけるEVOH層の厚みは0.1〜0.
15mmが標準的で、この厚みで薬品遮断性、ガスバリヤー
性も十分なことが知られている。一方回転成形では全層
厚み4mmの容器では内層のEVOH層の厚みを2mmを越えて成
形しないと、欠点のない連続層が得られなかつた。この
ようにEVOH層の比率が高いと、容器の耐衝撃性が低下し
て、容器の形状が限定されるし、コスト高、容器重量増
になるなど、問題点を有し、解決を必要とした。
もう一つの問題点は、平滑なポリオレフイン層または
平滑な接着性樹脂層の上にEVOH層を形成したのでは層間
接着力が得られないことであつた。通常共押出ブロー成
形ではエバールと接着性ポリオレフイン層との界面は極
めて平滑で、凹凸0.010mm以下であるにもかかわらず十
分な層間接着力が得られている。一方回転成形において
も通常の方法でポリオレフイン層の成形に続けてEVOHの
成形にはいると平滑な界面が得られるが、共押出ブロー
成形時とは異なり不十分な接着力しか得られず、改善が
必要であつた。
<課題を解決するための手段> 本発明者は、これらの問題点について鋭意検討した結
果、EVOHのメルトインデツクスとEVOH層に隣接する層の
樹脂のメルトインデツクス(すなわち外層のポリオレフ
インのメルトインデツクスまたは中間層の接着性樹脂の
メルトインデツクス)との関係に留意し、容器成形時の
冷却速度を速めることにより連続したEVOH層の厚みを全
層厚みの1/2以下にしてもEVOH層の連続形成が可能であ
り、また内層とこれと隣接する層とがつくる界面を平滑
ではなく、ある程度の凹凸を付けることにより外層と内
層の接着性を発現できることを見出だし、本発明を完成
するに至った。
すなわち本発明は、外層がポリオレフィン層、内層が
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層から
なり、内層が連続層であり、内層と外層の界面により形
成される凹凸が0.1mm以上であり、かつ下記式を満足す
る回転成形容器である。
0.3≦MIEV/MIPO MIEV:EVOH層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) MIPO:ポリオレフィン層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) また本発明は、外層がポリオレフィン層、中間層が接
着性樹脂層、内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん
化物(EVOH)層からなり、内層が連続層であり、中間層
と内層の界面により形成される凹凸が0.1mm以上であ
り、かつ下記式を満足する回転成形容器である。
0.3≦MIEV/MIAD MIEV:EVOH層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) MIAD:接着性樹脂層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) 本発明の容器の外層はポリオレフインからなる。ポリ
オレフインは耐衝撃性に優れ、水蒸気透過性も小さく、
また安価であり、さらにまた成形温度を比較的低くする
ことができるので、本発明の容器の外層として好適であ
る。ポリオレフインとしては高、中、低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体の単独、あるいは混合物などが適宜使用でき
る。中でもポリエチレンが低温強度にすぐれていて好適
である。容器を静置使用する場合はポリオレフイン単独
でも実用接着性は十分で、剥離を起こさず使用できるケ
ースも多いが、移動容器として使用するときは衝撃によ
る界面剥離を避ける目的でポリオレフインに接着性樹脂
を混合することが好ましい。この際の接着性樹脂として
はポリオレフインとEVOHの両方に接着性を示すものであ
ればよく、ポリエチレン系をはじめ、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、
ポリアミド系、ポリエステル系など各種樹脂が使用でき
るが、中でも外層用ポリオレフインと同種のポリオレフ
インを不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれた
少なくとも一種のモノマーで変性した変性ポリオレフイ
ンが良好である。ポリオレフインの変性に使用するモノ
マーとしては、不飽和カルボン酸又はその誘導体が使用
可能で、具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、マ
レイン酸、フタル酸、イタコン酸あるいはこれらの無水
物、エステルなどを挙げることができる。
ポリオレフインと接着性樹脂の好適な混合比率は、ポ
リオレフイン100重量部に対して接着性樹脂2〜200重量
部である。2重量部未満では接着力の著しい向上が認め
られない場合が多く、一方200重量部以上では接着力向
上効果に対しコストの増加が著しく、経済的に不利であ
る。
本発明において、外層のポリオレフイン層(ポリオレ
フインと接着性樹脂などとの混合物である場合はその混
合物層)のメルトインデツクスは、JIS K6760による方
法で測定して、2〜20g/10min(190℃、2160g荷重下)
が好適である。メルトインデツクス2g/10min以下では溶
融流動性が悪く成形時間が長くなり、かつ製品の表面が
荒れる。一方メルトインデツクス20/10min以上では溶融
流動性が良すぎて容器の均一な厚み分析がとりにくくな
り厚み斑が激しくなり、容器の変形を生じる。
また本発明においては、ポリオレフイン層とEVOH層の
中間層に接着性樹脂層を設けることも好ましい態様のひ
とつである。中間層に使用する接着性樹脂としては前記
した接着性樹脂と同様のものを使用することができる。
また本発明の容器の内層はEVOHからなる。EVOHは耐薬
品性、ガスバリヤー性に優れているので、本発明の容器
の内層として好適である。EVOHとしては、エチレン含有
率20〜65モル%、好ましくは20〜60モル%、さらに好適
には20〜55モル%、けん化度95モル%以上のものが好適
に用いられる。エチレン含有率20モル%以下では熱安定
性が悪く成形時に変色を生じやすい。一方65モル%以上
では耐薬品性、ガスバリヤー性が低下する。けん化度は
95モル%以上が好適で、95%未満では耐薬品性、ガスバ
リヤー性が低下する。
またEVOHにはプロピレン、イソブテン、α−オクテン
などのα−オレフイン、不飽和カルボン酸またはその塩
またはそのエステル、N−ビニルピロリドン、ビニルシ
ラン化合物(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシランなど)単位を少量(例えば5モル%以下)
共重合させてもよい。さらに、本発明において、内層の
EVOH層(EVOHと他の樹脂との混合物である場合はその混
合物層)のメルトインデツクスは2〜30g/10min(190
℃、2160g荷重下)が好適である。メルトインデツクス
が2以下では溶融流動性が悪く、一方メルトインデツク
スが30以上では溶融流動性が良すぎて、いずれもEVOH層
の成形が阻害される。
またEVOHにはガスバリヤー性、耐薬品性を著しく損な
われない範囲で、他の樹脂、たとえばポリアミド(メタ
キシリレンジアミン基含有ポリアミド、6−ナイロン、
6,6−ナイロン、6,10−ナイロンなどの各種ポリアミ
ド)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど
の熱可塑性ポリエステル)などを適当量(たとえばEVOH
に対して0.5〜100重量%)配合することは自由である。
またさらに、本発明におけるEVOH層は連続的に形成さ
れている必要がある。EVOH層が不連続では薬品遮断性、
ガスバリヤー性が不良で本発明の目的を達成できない。
ポリオレフインを外層としEVOHを内層とする回転成形容
器におけるEVOH層の不連続の形態は二種類であり、一つ
は、ポリオレフイン層を完全に被覆できずに部分的にEV
OH層が欠落している場合、もう一つは一応被覆はなされ
ているがEVOH層にピンホールがある場合で、このピンホ
ールはポリオレフイン層の空洞につながつている。
EVOH層の部分的欠落は内層EVOHと外層ポリオレフイン
の相対的流動性が深く関係しており、EVOH層の部分的欠
落を防ぐに好適な、内層のEVOH層のメルトインデツクス
(MIEV)と外層のポリオレフイン層のメルトインデツク
ス(MIPO)との関係は 0.3≦MIEV/MIPO であり、さらに好適な範囲は 0.5≦MIEV/MIPO≦3.0 であることを見出だした。
またポリオレフインを外層、接着性樹脂を中間層、EV
OHを内層とする回転成形容器においては、EVOH層の部分
的欠落は内層EVOHと中間層接着性樹脂の相対的流動性が
深く関係しており、EVOH層の部分的欠落を防ぐに好適
な、内層のEVOH層のメルトインデツクス(MIEV)と中間
層の接着性樹脂層のメルトインデツクス(MIAD)との関
係は 0.3≦MIEV/MIAD であり、さらに好適な範囲は 0.5≦MIEV/MIAD≦3.0 であることを見出だした。
なお前記メルトインデツクスは、190℃、2160g荷重下
に測定した値である。
一方もうひとつのEVOH層の不連続の形態であるEVOH層
のピンホールについては、回転成形する際に冷却速度が
深く関係していることが分かつた。検討当初、空気冷却
方法で検討していたときにはEVOH層の厚みが全層厚みの
1/2を越えて厚い場合はそれ程問題なかつたが、1/2以下
ではEVOH層と隣接するポリオレフイン層または接着性樹
脂層の空洞とこれにつながらEVOH層のピンホールが多発
して、EVOH層の連続的形成が出来なかつた。その後検討
を続けた結果、急速冷却することにより、EVOH層の厚み
が全層厚みの1/2以下でもEVOH層のピンホール発生の防
止が可能となる事を見出だし、さらに検討の結果、成形
後の冷却において、容器を50℃以下まで5分以内で冷却
することが好ましく、さらに好適には3分以内で冷却す
ることであることを見出だした。
ここで本発明の回転成形による二層容器の製造法を、
2軸回転成形機を用いて説明すると次の通りである。ま
ず、外層厚みに応じたポリオレフイン粉末の所定量を金
型に導入し、2軸回転しながら加熱して外層を成形す
る。このときの加熱温度は250〜300℃が好適である。外
層成形は粉体流動、焼結、溶融、最後に層形成(スムー
ジング)の順に為される。外層の層形成(スムージン
グ)の初期〜完了前に回転を止め、手早く内層厚みに応
じたEVOH粉末の所定量を同じ金型に導入し、内層成形に
移る。ここで焼結とは粉体が軟化し、粉末同士が結合し
ている状態を言い、溶融とは粉体が溶融し、溶融した粉
体同士が結合している状態を言う。またスムージングと
は成形表面を平滑することであり、スムージングの初期
とは溶融した流体が粒子状の結合ではなくなり、完全に
溶融して一体化した時期を言い、スムージングの完了と
は成形表面が平滑となつた時期をいう。EVOHの導入時期
は成形表面が平滑にならないうちに、すなわちスムージ
ングの初期〜完了前であることが重要である。完了前と
は、完了する前であればいつでも良いが、完了1分前よ
り前であることが好ましい。とくにスムージング中期が
最良である。
内層成形も外層と同様、粉体流動、焼結、溶融、最後
に層形成(スムージング)の順に為されるが、内層成形
ではスムージングを完了させる。外層および内層の成形
時間は、層厚みにもよるが、それぞれ数分〜数十分であ
る。内層成形が終了した時点で急速冷却に移る。
急速冷却法としては、水槽浸せき方法、水シヤワー方
式、冷媒使用方式などを用いて、容器を50℃以下まで5
分以内に冷却することが好ましく、さらに好適には3分
以内である。通常の空気冷却方式では冷却に10分〜数十
分を要し、EVOH層の連続形成が困難である。
次に三層容器の製造法を、二軸回転成形機を用いて説
明すると次の通りである。まず、外層厚みに応じたポリ
オレフイン粉末の所定量を金型に導入し、2軸回転しな
がら加熱して外層を成形する。このときの加熱温度は25
0〜300℃が好適である。外層成形は流体流動、焼結、溶
融、最後に層形成(スムージング)の順に為される。外
層の層形成(スムージング)の途中または完了後回転を
止め、手早く中間層厚みに応じた接着性樹脂粉末の所定
量を金型に導入し、回転、加熱を再開し中間層を成形す
る。中間層成形も粉体流動、焼結、溶融、最後に層形成
(スムージング)の順に為される。中間層の層形成(ス
ムージング)の初期〜完了前のいずれかの時期にEVOH粉
末の所定量を同じ金型に導入し、内層成形に移る。内層
成形も外層と同様、粉体流動、焼結、溶融、最後に層形
成(スムージング)の順に為されるが、内層成形ではス
ムージングを完了させる。外層、中間層、および内層の
成形時間は、層厚みにもよるが、それぞれ数分〜数十分
である。内層成形が終了した時点で急速冷却に移る。急
速冷却の条件は前記した二層容器の際の条件と同じであ
る。
このような方法により、内層がピンホールのない連続
層を形成し、かつ内層とこれと隣接する層の界面によ
り、形成される凹凸が0.1mm以上の回転成形容器を得る
ことができる。
ピンホールおよび空洞の発生の機構については十分な
解明ができていないが、外層ポリオレフインと内層EVOH
との冷却仮定における収縮挙動または外層ポリオレフイ
ン、中間層接着性樹脂および内層EVOHの冷却仮定におけ
る収縮挙動の相違が関与していると推定される。
本発明において、前記界面の凹凸の定義および測定法
は次の通りである。すなわちコーナー、リブ、その他の
全層厚みが急激に変化している部分は除外して、全層厚
み変化および湾曲のない部分または緩やかな部分で、容
器から外壁面にほぼ垂直に切断面を、少なくとも3ケ所
より無行為に採取し、ヨウ粗溶液の塗布によりEVOHを染
色して内層とこれと隣接する層とが作る界面線を鮮明に
した後、無行為に採つた幅5mmの界面線について、界面
線の中心から凸部の最高値(=最大高さ)hmと凹部の最
低値(最大深さ)1mを測定し、これを加えたものhm+1m
を求め、3ケ所以上のhm+1mの平均値をもつて凹凸と定
義する(第2図、第5図参照)。
内層とこれと隣接する層とが作る界面の凹凸を0.1mm
以上に成形するには、前記したとおり、内層用のEVOH粉
末の金型への添加のタイミングが重要である。このよう
にEVOHの添加時期を適切に選ぶことにより界面の凹凸を
通常0.1mm以上、好適には0.2〜0.6mmとすることができ
る。もちろん界面が凹凸になることで、EVOH層も界面の
凹凸とほぼ対応する厚み斑を持つことになるが、EVOH層
が連続的に形成されている限り十分な耐薬品性、ガスバ
リヤー性、容器強度が得られる。凹凸が0.1mm未満では
内層とこれに隣接する層の間の接着力が不十分で、注入
口などの端面での剥離、壁部での外層と内層の剥離とそ
の後のEVOH層の亀裂発生などのトラブル発生の原因とな
る。凹凸の上限についてはとくに制限はないが、凹凸が
6mmを越えるとEVOH層の不連続を生じる恐れがある。
本発明においては、内層のEVOH層とこれと隣接する層
との界面が所定の凹凸を形成しておればよく、EVOH層と
隣接していない層、たとえば中間層に接着性樹脂層を設
けた場合、該接着性樹脂層と外層のポリオレフイン層と
の界面は第5図に示すように、とくに凹凸である必要は
なく平滑でもよい。これは接着性樹脂層とポリオレフイ
ン層は冷却による収縮の程度が近似しているため層間剥
離が生じないためである。ただし接着性樹脂層とポリオ
レフイン層との界面に凹凸を形成することは不都合なこ
とではない。ここで内層のEVOH層と隣接する層とは外層
のポリオレフイン層または中間層の接着性樹脂層である
場合が多いが、その他の樹脂層であつてもよい。
本発明に用いるポリオレフイン、接着性樹脂、EVOHは
いずれも粉末状で使用される。本発明に好適な粉末の粒
度は30〜100メツシユである。形状は球形に近いほど好
適である。ポリオレフインに接着性樹脂を混合する場合
は、通常はそれぞれの粉末を混合してなされるが、ポリ
オレフインと接着性樹脂を先に溶融混合した後、粉末化
したものでもよい。一般にEVOHは吸水性を有し、含水率
が0.3%以上になると成形時に発泡を生じるが、本発明
の容器においてはEVOH層が連続層を形成しているかぎ
り、EVOH層の若干の発泡は問題にならず、含水EVOH粉末
が使用可能であるが、好適な含水率は0.02〜1.0%であ
る。
本発明の容器には、内容物の注入口、取りだし口、圧
力調節口などの目的で、必要に応じて、主として金属製
の開口部を一個以上、取り付けてもよい。開口部の取り
付けは容器成形後に機械加工などでも可能であるが、本
発明の容器においては容器成形と同時に、所謂インサー
ト成形することが好ましい。内層にEVOHを用いているの
で金属との接着が良好で、また、冷却時の容器の収縮が
少なくて、開口部付近の残留歪みが小さく、衝撃を受け
た際の亀裂発生が少ない特徴を有する。
本発明の容器の好適な全層厚みは2mm以上であり、上
限についてはとくに限定はないが20mm程度である。また
さらに好適な全層厚みは2.5〜10mmである。
また本発明の容器の好適なEVOH層の厚みは0.5mm〜全
層厚みの1/2である。EVOH層の厚みが0.5mm未満で溶融流
動性の如何にかかわらず連続したEVOH層の成形がむづか
しくなるし、耐薬品性、ガスバリヤー性能を得られな
い。一方EVOH層の厚みが全層厚みの1/2を越えると、容
器の強度の点、さらにはEVOHは高価であることから経済
性の点で不利である。
中間層に接着性樹脂層を設ける場合の、該接着性樹脂
層の厚みは0.5mm〜2mmである。接着樹脂層は必ずしも連
続層を形成している必要はないが、外層内面の全面に分
布していることが必要で、接着性樹脂層厚みが0.5mm以
下では接着性樹脂の全面分布ができずに部分的に接着不
良を生じるおそれがある。接着性樹脂層が2mm以上では
経済的に不利である。
なお本発明の容器のポリオレフイン層からなる外層は
最外層であることが多いが、外層の外側にさらに必要に
応じ他の層を設けてもよい。またEVOH層からなる内層は
最内層(容器内の充填物と接触する側)であることが好
適である。
また本発明の容器の各層には酸化防止剤、熱安定化
剤、架橋剤などを配合することは自由である。
<実施例> 実施例1 上部に蓋接着可能なネジ付きインサートメタル開口部
を有する直径30cm、容量30リツトルの円筒形容器製造用
の、樹脂投入口を有する鋼製金型(肉厚1.5mm)を装着
した二軸回転成形機を用いて、まず外層用の中密度ポリ
エチレン(三井石油化学工業株式会社製、ネオゼツクス
2540R、密度=0.925、MI=4.0、粒度30メツシユ)100重
量部と無水マレイン酸変性ポリエチレン系接着性樹脂
(三井石油化学工業株式会社製、アドマーNR106、密度
=0.93、MI=9.0、粒度30メツシユ)100重量部との混合
物(MI=6.5)1.23kgを投入し、直火加熱方式で、270℃
で、回転加熱して外層を成形した。外層の成形は、粉体
流動、焼結、溶融、スムージングの順に進むが、このス
ムージングの中期(加熱開始11分後)に回転を止め、手
早く内層用のEVOH粉末(株式会社クラレ製、エバールEP
−E105、エチレン含有率44モル%、鹸化度99.5モル%、
密度=1.14、MI=5.5、粒度40メツシユ)0.78kgを投入
して、回転加熱を再開した。この系のMIEV/MIPO=0.85
である。EVOH層のスムージングが完了したところ(EVOH
投入9分後、)で加熱を止めて、直ちに冷水シヤワー方
式で2分間で40℃まで急速冷却して、外層ポリエチレン
平均厚み3mm、内層EVOH平均厚み1.5mm、全層平均厚み4.
5mmの回転成形容器を得た。得られた容器の内層表面は
平滑でEVOH特有の光沢を有し、ピンホールもなく完全な
連続層を形成しており、また外層と内層は強固に接着し
ており手で剥離できなかつた。得られた容器を開口部を
開放して20℃、65%RHに2ケ月放置してEVOH層の吸湿に
よる重量変化が無くなつたのを確認の後、クロロホルム
を15kg充填して、開口部をネジ蓋で密封した後、更に同
条件で3ケ月放置したが、重量変化は無く、また内層の
何等の変化も無く、容器の耐溶剤性、溶剤遮断性がすぐ
れていることが確認できた。また別に、得られた容器に
ついて27リツトルの水を充填し、開口部にネジ蓋をした
後、底部を下にして、2mの高さからコンクリート面に落
下させたが、層間剥離はなく、また内層に亀裂なども生
じなかつた。また、底面平坦部の断面3ケ所について測
定した平均値は、外層厚み2.6mm、内層厚み1.3mm、全層
厚み3.9mm、外層と内層が作る界面の凹凸は0.28mmであ
つた。一方側面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所に
ついて測定した平均値は、外層厚み3.2mm、内層厚み1.6
mm、全層厚み4.8mm、外層と内層が作る界面の凹凸は0.2
7mmであつた。
実施例2 外層用の中密度ポリエチレン100重量部と無水マレイ
ン酸変性ポリエチレン系接着性樹脂100重量部との混合
物の投入量を1.64kg、内層用のEVOHの投入量を1.04kgと
し、外層成形の加熱時間14分間、内層用EVOH投入後の加
熱時間11分、冷却時間3分を要した以外は、実施例1と
同装置、同条件で容器を作成し、外層の平均厚み4.0m
m、内層の平均厚み2.0mm、全層の平均厚み6.0mmの容器
を得た。得られた容器の内層表面は平滑でEVOH特有の光
沢を有し、ピンホールもなく完全な連続層を形成してお
り、また外層と内層は強固に接着しており、実施例1と
同様に落下テストを実施したが、層間剥離はなく、内層
に亀裂は生じなかつた。底面平坦部の断面3ケ所につい
て測定した平均値は、外層厚み3.5mm、内層厚み1.7mm、
全層厚み5.2mm、外層と内層が作る界面の凹凸は0.30mm
であつた。一方側面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ
所について測定した平均値は、外層厚み4.3mm、内層厚
み2.1mm、全層厚み6.4mm、外層と内層が作る界面の凹凸
は3.4mmであつた。
比較例1 冷却を空気冷却方式を用いて冷却に20分を要した以外
は実施例1と同装置、同条件で容器を作成した。得られ
た容器は、内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有してい
たが、ポリエチレン混合物層の空洞につながるEVOH層の
ピンホールが側面円筒部に多発して、EVOH層の連続的形
成が出来ていなかった。なお外層と内層は強固に接着し
ており手で剥離できなかつた。底面平坦部の断面3ケ所
で外層と内層が作る界面の凹凸を測定したところ、平均
0.30mmであつた。またピンホールを避けて採取した側面
円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所で外層と内層が作
る界面の凹凸を測定したところ平均0.51mmであつた。
比較例2 外層用樹脂(混合物)の投入量0.82kg、外層成形スム
ージング中期迄の加熱時間8分、内層用EVOHの投入量1.
04kg、EVOHと投入後内層スムージング完了迄の加熱時間
11分、空気空冷方式を用いて冷却に18分を要した以外は
実施例1と同装置、同条件を用いて容器を作成し、外層
の平均厚み2.0mm、内層平均厚み2.0mm、全層厚み4.0mm
の容器を得た。得られた容器は、内層表面は平滑でEVOH
特有の光沢を有していたが、側面円筒部にピンホールが
散見され、完全な連続層を形成していなかつた。なお外
層と内層は強固に接着しており手で剥離できなかつた。
また実施例1と同様に落下テストを実施したが、層間剥
離はなく、内層に亀裂は生じなかつた。底面平坦部の断
面3ケ所で外層と内層が作る界面の凹凸を測定したとこ
ろ、平均0.26mmであつた。またピンホールから離れた側
面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所で外層と内層が
作る界面の凹凸を測定したところ平均0.32mmであつた。
比較例3 EVOHの添加時期を外層のスムージング終了後に変更
(外層加熱時間13分)した以外は実施例1と同装置、同
条件で容器を作成した。得られた容器の内層表面は平滑
でEVOH特有の光沢を有し、穴、ピンホール等のもなく完
全な連続層を形成していたが、外層と内層の層間接着力
は弱く、手で引つ張ると剥離可能で、実施例1と同様の
落下テストで簡単に剥離が生じ、EVOH層の1部に亀裂が
生じた。底面平坦部の断面3ケ所および側面円筒部の円
周と直角方向の断面3ケ所で外層と内層が作る該面の凹
凸を測定した平均したところどちらも、0.05mm以下であ
つた。
実施例3 内層にエチレン含有率48モル%、鹸化度99.5モル%、
MI=14、粒度40メツシユのEVOH(株式会社クラレ製、エ
バールEP−G110)を用いた以外は、実施例1と同条件で
容器を作成した。この系のMIEV/MIPO=2.2である。得ら
れた容器の内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有し、
穴、ピンホール等もなく完全な連続層を形成しており、
また外層と内層は強固に接着しており手で剥離できなか
つた。また実施例1と同様に落下テストを実施したが、
層間剥離はなく、内層に亀裂は生じなかつた。底面平坦
部の断面3ケ所について測定した平均値は、外層厚み2.
6mm、内層厚み1.1mm、全層厚み3.7mm、外層と内層が作
る界面の凹凸は0.36mmであつた。一方側面円筒部の円周
と直角方向の断面3ケ所について測定した平均値は、外
層厚み3.2mm、内層厚み1.7mm、全層厚み4.9mm、外層と
内層が作る界面の凹凸は0.32mmであつた。
実施例4 内層にエチレン含有率32モル%、鹸化度99.5モル%、
MI=4.0、粒度40メツシユのEVOH(株式会社クラレ製、
エバールEP−F104)を用いた以外は、実施例1と同条件
で容器を作成した。この系のMIEV/MIPO=0.62である。
得られた容器の内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有
し、ピンホール等もなく完全な連続層を形成しており、
また外層と内層は強固に接着しており手で剥離できなか
つた。また実施例1と同様に落下テストを実施したが、
層間剥離はなく、内層に亀裂は生じなかつた。底面平坦
部の断面3ケ所について測定した平均値は、外層厚み2.
6mm、内層厚み1.3mm、全層厚み3.9mm、外層と内層が作
る界面の凹凸は0.35mmであつた。一方側面円筒部の円周
と直角方向の断面3ケ所について測定した平均値は、外
層厚み3.2mm、内層厚み1.6mm、全層厚み4.8mm、外層と
内層が作る界面の凹凸は0.36mmであつた。
比較例4 内層にエチレン含有率32モル%、鹸化同99.5モル%、
MI=1.3、粒度メツシユのEVOH(株式会社クラレ製、エ
バールEP−F101)を用いた以外は、実施例1と同条件で
容器を作成した。この系のMIEV/MIPO=0.20である。得
られた容器は内層表面が凹凸でかつEVOHが連続層を形成
しておらず、耐薬品性、ガスバリヤー性能が期待できな
いものであつた。
実施例5 外層用樹脂粉末を中密度ポリエチレン単独とした以外
は、実施例1と同装置、同条件で容器を作成し、外層の
平均厚み3.0mm、内層の平均厚み1.5mm、全層の平均厚み
4.5mmの容器を得た。この系のMIEV/MIPO=1.4である。
得られた容器の内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有
し、ピンホールもなく完全な連続層を形成しており、ま
た外層と内層の接着は充分で、空容器を底部を下にして
2mの高さから落下テストを実施したが、層間剥離はな
く、内層に亀裂は生じなかつた。また別に、得られた容
器を開口部を開放して20℃、65%RHに2ケ月放置してEV
OH層の吸湿による重量変化が無くなったのを確認の後、
クロロホルムを15kg充填して、開口部をネジ蓋で密封し
た後、更に同条件3ケ月放置したが、重量変化は無く、
また内層の何等の変化も無く、層間の剥離も生じていな
かつた。底面平坦部の断面3ケ所について測定した平均
値は、外層厚み2.6mm、内層厚み1.3mm、全層厚み3.9m
m、外層と内層が作る界面の凹凸は0.33mmであつた。一
方側面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所について測
定した平均値は、外層厚み3.2mm、内層厚み1.6mm、全層
厚み4.8mm、外層と内層が作る界面の凹凸は0.30mmであ
つた。
実施例6 上部に蓋装着可能なネジ付きインサートメタル開口部
を有する直径30cm、容量30リツトルの円筒形容器製造用
の、樹脂投入口を有する鋼製金型(肉厚1.5mm)を装着
した二軸回転成形機を用いて、まず外層用の中密度ポリ
エチレン(三井石油化学工業株式会社製、ネオゼツクス
2540R、密度=0.952、MI=4.0、粒度30メツシユ)0.62k
g投入し、直火加熱方式で270℃で、回転加熱して外層を
成形する。外層の成形は、粉体流動、焼結、溶融、スム
ージングの順に進むが、このスムージングの中期(加熱
開始7分後)に回転を止め、手早く中間層用のポリエチ
レン系接着性樹脂(三井石油化学工業株式会社製、アド
マーNR106、密度=0.93、MI=9.0、粒度30メツシユ)0.
61kgを投入し回転加熱を再開する。中間層の成形も、流
体流動、焼結、溶融、スムージングの順に進むが、この
スムージングの中期(加熱再開6分後)に回転を止め、
EVOH粉体(株式会社クラレ製、エバールEP−E105、エチ
レン含有率44モル%、鹸化度99.5モル%、密度=1.14、
MI=5.5、粒度04メツシユ)0.78kgを投入して、回転加
熱を再開する。この系のMIEV/MIAD=0.61である。内層
の成形も、流体流動、焼結、溶融、スムージングの順に
進むが、EVOH層のスムージングが完了したところ、(EV
OH投入9分後)で加熱を止めて、直ちに冷水シヤワー方
式で2分間で40℃まで急速冷却して、外層+中間層平均
厚み3.0、内層平均厚み1.5mm、全層平均厚み4.5mmの回
転成形容器を得た。得られた容器の内層表面は平滑でEV
OH特有の光沢を有し、ピンホールもなく完全な連続層を
形成しており、また外層と中間層、および中間層と内層
は強固に接着しており手で剥離できなかった。また、得
られた容器について27リツトルの水を充填し、開口部に
ネジ蓋をした後、底部を下にして、2mの高さからコンク
リート面に落下させたが、層間剥離はなく、また内層に
亀裂なども生じなかった。また、底面平坦部の断面3ケ
所について測定した平均値は、外層+中間層厚み2.6m
m、内層厚み1.3mm、全層厚み3.9mm、中間層と内層が作
る界面の凹凸は0.32mmであつた。一方側面円筒部の円周
と直角方向の断面3ケ所について測定した平均値は、外
層+中間層厚み3.2mm、内層厚み1.6mm、全層厚み4.8m
m、外層と内層が作る界面の凹凸は0.33mmであつた。
実施例7 外層用の中密度ポリエチレンの投入量0.82kg、中間層
用のポリエチレン系接着性樹脂の投入量を0.82kg、内層
用のEVOHの投入量を1.04kgとし、外層成形の加熱時間8
分、中間層成形の加熱時間7分、内層用EVOH投入後の加
熱時間11分、冷却時間3分を要した以外は、実施例6と
同装置、同条件で容器を作成し、外層+中間層の平均厚
み4.0mm、内層の平均厚み2.0mm、全層の平均厚み6.0mm
の容器を得た。得られた容器の内層表面は平滑でEVOH特
有の光沢を有し、ピンホールもなく完全な連続層を形成
しており、また外層と中間層、および中間層と内層は強
固に接着しており、実施例6と同様に落下テストを実施
したが、層間剥離はなく、内層に亀裂は生じなかつた。
底面平坦部の断面3ケ所について測定した平均値は、外
層+中間層厚み3.5mm、内層厚み1.7mm、全層厚み5.2m
m、中間層と内層が作る界面の凹凸は0.34mmであつた。
一方側面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所について
測定した平均値は、外層+中間層厚み4.3mm、内層厚み
2.1mm、全層厚み6.4mm、中間層と内層が作る界面の凹凸
は3.1mmであつた。
比較例5 冷却を空気冷却方式を用いて冷却に20分を要した以外
は実施例6と同装置、同条件で容器を作成した。得られ
た容器は、内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有してい
たが、接着性樹脂層の空洞につながるEVOH層のピンホー
ルが側面円筒部に多発して、EVOH層の連続的形成が出来
ていなかつた。なお外層と中間層、および中間層と内層
は強固に接着しており手で剥離できなかつた。底面平坦
部の断面3ケ所で中間層と内層を作る界面の凹凸を測定
したところ、平均0.35mmであつた。またピンホールを避
けて採取した側面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所
で中間層と内層が作る界面の凹凸を測定したところ平均
0.46mmであつた。
比較例6 多層用ポリエチレンの投入量0.41kg、外層成形スムー
ジング中期迄の加熱時間約6分、中間層用接着性樹脂の
投入量0.41kg、中間層成形スムージング中期迄の加熱時
間約4分、内層用EVOHの投入量1.04kg、EVOH投入後内層
スムージング完了迄の加熱時間11分、空気空冷方式を用
いて冷却に18分を要した以外は実施例6と同装置、同条
件を用いて容器を作成し、外層+中間層の平均厚み2.0m
m、内層平均厚み2.0mm、全層厚み4.0mmの容器を得た。
得られた容器は、内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有
していたが、側面円筒部にピンホールが散見され、完全
な連続層を形成していなかつた。なお外層と中間層、お
よび中間層と内層は強固に接着しており手で剥離できな
かつた。また実施例6と同様に落下テストを実施した
が、層間剥離はなく、内層に亀裂は生じなかつた。底面
平坦部の断面3ケ所で中間層と内層が作る界面の凹凸を
測定したところ、平均0.28mmであつた。またピンホール
から離れた側面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所で
中間層と内層が作る界面の凹凸を測定したところ平均0.
30mmであつた。
比較例7 接着性樹脂の添加時期を外層のスムージング終了後に
(外層加熱時間10分)、EVOHの添加時期を中間層のスム
ージング終了後に変更(中間層加熱時間9分)した以外
は実施例6と同装置、同条件で容器を作成した。得られ
た容器の内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有し、穴、
ピンホール等もなく完全な連続層を形成しており、外層
と中間層の接着は強固であつたが、中間層と内層の層間
接着力は弱く、手で引つ張ると剥離可能で、実施例6と
同様の落下テストで簡単に剥離が生じ、EVOH層の1部に
亀裂が生じた。底面平坦部の断面3ケ所および側面円筒
部の円周と直角方向の断面3ケ所で中間層と内層が作る
界面の凹凸を測定したところ、どちらも、0.05mm以下で
あつた。
実施例8 内層にエチレン含有率48モル%、鹸化度99.5モル%、
MI=14、粒度40メツシユのEVOH(株式会社クラレ製、エ
バールEP−G110)を用いた以外は、実施例6と同条件で
容器を作成した。この系のMIEV/MIAD=1.6である。得ら
れた容器の内層表面は平滑でEVOH特有の光沢を有し、
穴、ピンホール等もなく完全な連続層を形成しており、
また中間層と内層は強固に接着しており手で剥離できな
かつた。また実施例6と同様に落下テストを実施した
が、層間剥離はなく、内層に亀裂は生じなかつた。底面
平坦部の断面3ケ所について測定した平均値は、外層+
中間層厚み2.6mm、内層厚み1.1mm、全層厚み3.7mm、中
間層と内層が作る界面の凹凸は0.35mmであつた。一方側
面円筒部の円周と直角方向の断面3ケ所について測定し
た平均値は、外層+中間層厚み3.2mm、内層厚み1.7mm、
全層厚み4.9mm、中間層と内層が作る界面の凹凸は0.32m
mであつた。
比較例8 内層にエチレン含有率32モル%、鹸化度99.5モル%、
MI=1.3、粒度40メツシユのEVOH(株式会社クラレ製、
エバールEP−F101)を用いた以外は、実施例6と同条件
で容器を作成した。この系MIEV/MIAD=0.14である。得
られた容器は内層表面が凹凸で、かつEVOHが連続層を形
成しておらず、耐薬品性、ガスバリヤー性能が期待でき
ないものであつた。
<発明の効果> 本発明により、EVOHの使用量を最少に押さえた、耐薬
品性、ガスバリヤー性にすぐれたポリオレフインとEVOH
の二層構成の大型容器を、少量生産においても低コスト
で供給可能となる。また本発明の容器は各種工業薬品用
の容器またはドラム缶、自動車用ガソリンタンク等の20
〜250リツトル容器をはじめ、1000リツトル以上の耐薬
品性の装置用タンク、輸送用コンテナータンク等に適し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の容器例の縦断面図であり、第2図は第
1図の底部断面(A)の拡大図である。また、第3図は
比較例1の容器の内層のピンホールとこれにつながる外
層の空洞の断面図である。 第4図は本発明の容器例の縦断面図であり、第5図は第
4図の底部断面(A)の拡大図である。また、第6図は
比較例5の容器の内層のピンホールとこれにつながる中
間層の空洞の断面図である。 1……外層 2……中間層 3……内層 4……内層とこれと隣接する層とが作る界面線 5……界面線の中心 6……ピンホール 7……空洞 8……ネジ付きインサート金属製注入口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 41/00 - 41/52 B32B 27/00 - 27/42 B65D 88/00 - 88/14 B29K 23:00 B29K 33:00 B29L 22:00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外層がポリオレフィン層、内層がエチレン
    −酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層からなり、内
    層が連続層であり、内層と外層の界面により形成される
    凹凸が0.1mm以上であり、かつ下記式を満足する回転成
    形容器。 0.3≦MIEV/MIPO MIEV:EVOH層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) MIPO:ポリオレフィン層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値)
  2. 【請求項2】外層がポリオレフィン層、中間層が接着性
    樹脂層、内層がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    (EVOH)層からなり、内層が連続層であり、中間層と内
    層の界面により形成される凹凸が0.1mm以上であり、か
    つ下記式を満足する回転成形容器。 0.3≦MIEV/MIAD MIEV:EVOH層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) MIAD:接着性樹脂層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値)
  3. 【請求項3】外層のポリオレフィン層が、ポリオレフィ
    ンおよび接着性樹脂との混合物層である請求項1または
    2に記載の回転成形容器。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン粉末またはポリオレフィン
    粉末と接着性樹脂粉末との混合物、およびエチレン−酢
    酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)粉末を順次金型に導
    入して、加熱回転により外層にポリオレフィン層、内層
    にEVOH層を成形して回転成形容器を製造するに際し、下
    記式を満足するポリオレフィン粉末およびEVOH粉末を使
    用し、 0.3≦MIEV/MIPO MIEV:EVOH層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) MIPO:ポリオレフィン層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) さらにEVOH粉末を、金型に、ポリオレフィン層のスムー
    ジングの初期〜完了前に導入し、かつ外層および内層を
    成形後、急速冷却することを特徴とする回転成形容器の
    製造法。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン粉末、接着性樹脂粉末、お
    よびエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)粉
    末を順次金型に導入して、加熱回転により外層にポリオ
    レフィン層、中間層に接着性樹脂層、内層にEVOH層を成
    形して回転成形容器を製造するに際し、下記式を満足す
    る接着性樹脂粉末およびEVOH粉末を使用し、 0.3≦MIEV/MIAD MIEV:EVOH層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) MIAD:接着性樹脂層のメルトインデックス (190℃、2160g荷重下に測定した値) さらにEVOH粉末を、金型に、接着性樹脂層のスムージン
    グの初期〜完了前に導入し、かつ外層、中間層、および
    内層を成形後、急速冷却することを特徴とする回転成形
    容器の製造法。
JP1140198A 1989-05-31 1989-05-31 回転成形容器およびその製造法 Expired - Lifetime JP2826125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1140198A JP2826125B2 (ja) 1989-05-31 1989-05-31 回転成形容器およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1140198A JP2826125B2 (ja) 1989-05-31 1989-05-31 回転成形容器およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH032009A JPH032009A (ja) 1991-01-08
JP2826125B2 true JP2826125B2 (ja) 1998-11-18

Family

ID=15263196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1140198A Expired - Lifetime JP2826125B2 (ja) 1989-05-31 1989-05-31 回転成形容器およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2826125B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190073043A (ko) * 2017-12-18 2019-06-26 김문호 중공 성형물 및 그 제조방법

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0609868B1 (en) * 1993-02-03 1998-06-24 Asahi Glass Company Ltd. Monolithic refractory powder mixture
JP2623059B2 (ja) * 1993-03-16 1997-06-25 日本スピンドル製造株式会社 粉体表面の改質方法
US5887145A (en) 1993-09-01 1999-03-23 Sandisk Corporation Removable mother/daughter peripheral card
FR2813232B1 (fr) * 2000-08-30 2002-10-11 Commissariat Energie Atomique Procede de fabrication d'une piece de revolution par rotomoulage et piece obtenue
JP2002361657A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 回転成形容器
JP3866179B2 (ja) 2002-10-09 2007-01-10 ダイセル化学工業株式会社 光学異性体分離用充填剤の製造方法
US7425287B2 (en) 2003-01-24 2008-09-16 Showa Denko K.K. Surface modification method for inorganic oxide powder, powder produced by the method and use of the powder
JP4849447B2 (ja) * 2006-03-31 2012-01-11 太平洋セメント株式会社 遮音壁用ブロック

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190073043A (ko) * 2017-12-18 2019-06-26 김문호 중공 성형물 및 그 제조방법
KR102046895B1 (ko) * 2017-12-18 2019-12-04 김문호 중공 성형물 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH032009A (ja) 1991-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2826125B2 (ja) 回転成形容器およびその製造法
US9962911B2 (en) Multilayer rotational moulding
CA1163875A (en) Manufacture of draw-redraw cans using steel sheet material film laminated or extrusion coated with a high density polyethylene graft copolymer
US7955672B2 (en) Permeation-inhibiting members and multi-layer containers made by using the same
JP4463340B2 (ja) 燃料タンク又はそのタンクに入れるためのチュービング
JP2003524552A (ja) 単一サイト触媒から作られるポリマーの改善された構造
CA1164373A (en) Manufacture of draw-redraw cans using film laminated or extrusion coated steel sheet material
EP0118227B1 (en) Process for drawing plastic laminates
JP4121741B2 (ja) プラスチック中空体の製造法
SE468381B (sv) Flerskikts straeckt polyesterflaska samt foerfarande foer framstaellning daerav
CN100577462C (zh) 防渗部件和使用它的多层容器
JP4647453B2 (ja) 透過防止用部材
JP3772365B2 (ja) 多層剥離ボトル
EP0703066B1 (en) Obliquely laminated resin product
JP2002096016A (ja) バリア性に優れた成形物の製造方法
JP2001253426A (ja) 軽量スクイズボトル
CN211710208U (zh) 一种耐腐蚀聚酯复合薄膜和耐腐蚀铝塑复合膜
JP2001055238A (ja) 胴部と接合部を介して一体化される容器用プラスチックノズル、ノズル付き押出容器及びその製法
EP3960446A1 (en) A heat-sealable packaging sheet
JP2909880B2 (ja) 搾り出しチューブ容器のチューブヘッド、及びそのチューブヘッドの製造方法
JP2000248137A (ja) 樹脂組成物
JP7088128B2 (ja) チューブ容器用シール材およびチューブ容器
JP2538433B2 (ja) ダイヤフラムの製造方法
EP4204230A1 (en) A heat-sealable packaging sheet
JPS59199444A (ja) 易開封性ヒ−トシ−ル蓋

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070911

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080911

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080911

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090911

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090911

Year of fee payment: 11