JP3408603B2 - 流動性モルタルを用いる穴あきpc板の表面化粧先付け工法及び表面化粧層先付け穴あきpc板 - Google Patents

流動性モルタルを用いる穴あきpc板の表面化粧先付け工法及び表面化粧層先付け穴あきpc板

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JP3408603B2
JP3408603B2 JP32892893A JP32892893A JP3408603B2 JP 3408603 B2 JP3408603 B2 JP 3408603B2 JP 32892893 A JP32892893 A JP 32892893A JP 32892893 A JP32892893 A JP 32892893A JP 3408603 B2 JP3408603 B2 JP 3408603B2
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美智雄 君田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スリップフォーム工法
で製造される穴あきPC板本体の表面に、先付けによっ
て平滑面、凹凸模様面、着色面、タイル面などからなる
表面化粧層が形成された、美観と物性に優れた穴あきP
C板の表面化粧先付け工法、およびこの工法により製造
された、表面化粧層先付け穴あきPC板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スリップフォーム工法で製造され
る穴あきPC板に、平滑面や凹凸模様面などの化粧表面
を与える場合は、型枠の底面にそれぞれ対応する面を形
成し、この型枠に直接硬練りコンクリートを打設し、養
生、脱型後、必要なら表面に刷毛または吹き付けなどに
より塗料で着色を施している。また、タイルなど板片状
の表面化粧材の先付けを行う場合は、型枠の底面に化粧
面を下向きにした表面化粧材を敷き並べ、この上に直接
硬練りコンクリートを打設するか、または、この表面化
粧材の目地を予め手作業で埋めてから硬練りコンクリー
トを打設する方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、平滑面または
凹凸模様面などの底面を有する型枠に直接硬練りコンク
リートを打設しても、表面に気泡やジャンカが多量に発
生するため平滑面や微細な凹凸模様の転写はきわめて困
難であり、製造後に手作業による煩雑な補修を必要とし
た。また、この表面の着色のために塗料などを施すと、
コンクリートの質感が失われ高級感が表現できない。一
方、上記の硬練りコンクリートを直接、タイルなど表面
化粧材の裏面上に打設する工法においては、打設機械の
振動締め固めの力および走行方向に対しての抵抗力で表
面化粧材が押し動かされて配列が乱れるばかりでなく、
表面化粧材の接合および目地形成が十分に行われないた
め表面化粧材剥落の虞もあり、また美観にも欠けるもの
となる。また、表面化粧材の目地を予め手作業で埋めて
から硬練りコンクリートを打設すれば、仕上がりはよい
ものの、多大の労力を要して効率が悪い。本発明は上記
の問題を解決するためになされたものであり、その目的
は、穴あきPC板本体の表面に美麗で耐久性がある表面
化粧層が先付け形成された表面化粧層先付け穴あきPC
板を製造する工法、およびこの工法により製造された表
面化粧層先付け穴あきPC板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、型枠内
高流動性、早期硬化性、高接合性を具備した流動性
モルタルを流し込み、流動性モルタル層を形成し、次い
で、この流動性モルタル層の上に硬練りコンクリートを
打設し、穴あきPC板本体を形成し、表面化粧層が先付
け形成された穴あきPC板を製造する穴あきPC板の表
面化粧先付け工法、およびこの工法により製造された表
面化粧層先付け穴あきPC板を提供することによって解
決できる。上記の高流動性、早期硬化性、高接合性を具
備した流動性モルタルは、これらの性状を具備している
限りその組成は特に限定されず、一般に市販されている
ものも使用可能であるが、好ましくは、ポルトランドセ
メントと、3CaO・3Al・CaSOまたは
12CaO・7Alで表されるカルシウムアルミ
ネート系化合物を単味または合量で50重量%以上含有
するクリンカー粉末と、石膏粉末とを含むものであり、
かつ上記各成分の配合割合が、ポルトランドセメント1
00重量部に対してクリンカー粉末が10〜50重量
部、石膏粉末が5〜50重量部であるものであることが
好適である。この高流動性、早期硬化性、高接合性を具
備した流動性モルタルは、前記各成分に加えて減水剤、
増粘剤、消泡剤、反応制御剤、混和剤、着色剤、化粧用
骨材のいずれか1種またはそれ以上を含むものであるこ
とが好ましい。
【0005】本発明はまた、型枠として、底面に平滑面
または凹凸模様面が形成されたものを用いる上記の穴あ
きPC板の表面化粧先付け工法、およびこの工法により
製造された表面化粧層先付け穴あきPC板を提供する。
また本発明は、型枠の底面に、板片状の表面化粧材をそ
の化粧面を下向きにして敷き並べ、この上に上記の流動
性モルタルを流し込む穴あきPC板の表面化粧先付け工
法、およびこの工法により製造された表面化粧層先付け
穴あきPC板を提供する。さらに本発明は、型枠の底面
に、目地を形成するための格子状の目地枠を設置し、こ
の目地枠の間隙部に板片状の表面化粧材をその化粧面を
下向きにして装着し、この上に上記の流動性モルタルを
流し込む穴あきPC板の表面化粧先付け工法、およびこ
の工法により製造された表面化粧層先付け穴あきPC板
を提供する。
【0006】
【作用】型枠内に高流動性、早期硬化性、高接合性を具
備した流動性モルタルを流し込むと、硬化した後の流動
性モルタルの表面は型枠底面の形状を忠実に転写したも
のとなる。またこの流動性モルタルは、表面化粧材や穴
あきPC板本体との接合性が良好であるから、これらを
強力に接合する。
【0007】以下、本発明を図面を用いて詳しく説明す
る。図1は、本発明の流動性モルタルを用いる穴あきP
C板の表面化粧先付け工法の一例を示すものである。図
1において、まず穴あきPC板打設用のベッド1に、流
動性モルタル流し込み用の型枠2を設置する。この型枠
2は、その底面5が平滑面になっている。この型枠内に
高流動性、早期硬化性、高接合性を具備した流動性モル
タルを流し込み、流動性モルタル層3を形成する。次い
で、この流動性モルタル層の上に硬練りコンクリートを
打設する。打設後に温熱養生し、次いで脱型すれば、図
2に示すように、平滑な表面6を有する流動性モルタル
層3が表面化粧層として先付け形成された穴あきPC板
が得られる。この流動性モルタルは高接合性であるの
で、流動性モルタル層3は穴あきPC板本体4に強固に
接合している。
【0008】本発明の工法に用いる流動性モルタルは、
高流動性、早期硬化性、高接合性を具備するものであ
り、一般に、そのレベリング性が良好であることによっ
て、セルフレベリング性モルタル(SL材)と呼ばれて
いる。このものは、本質的に高流動性であり、微細な凹
部にも流れ込んで硬化する性質を有する。このため、型
面を忠実に転写するとともに、アンカー効果(鉤止め効
果)などにより対象物を強力に接合する。また、早期硬
化性であるから、生産効率がよいばかりでなく、打設中
に化粧骨材や表面化粧材などが型枠内を移動、その配列
が乱されることも防止される。
【0009】上記の流動性モルタルとしては、一般に市
販されているものも使用可能であるが、好ましくは、ポ
ルトランドセメントと、3CaO・3Al2 3 ・Ca
SO4 または12CaO・7Al2 3 で表されるカル
シウムアルミネート系化合物を単味または合量で50重
量%以上含有するクリンカー粉末と、石膏粉末とを含む
ものであり、かつ上記各成分の配合割合が、ポルトラン
ドセメント100重量部に対してクリンカー粉末が10
〜50重量部、石膏粉末が5〜50重量部である流動性
モルタルが好適である。この流動性モルタルは、従来の
ものよりも大幅に早期硬化性であり、低収縮性であり、
ひび割れが起こり難く、長期にわたって強度を維持する
ことができ、安定性と均一充填性に優れ、しかも高いセ
ルフレベリング性を有している。この、特に好ましい流
動性モルタルについては、特願平5−175705号公
報に詳しく記載されている。
【0010】本発明の工法に用いる流動性モルタルは、
上記の組成物の他に、作業性や硬化後の物性の改善のた
めに、通常当業界で知られている減水剤、増粘剤、消泡
剤、反応制御剤、混和剤のいずれか1種またはそれ以上
を含むことができる。また、この流動性モルタルは、表
面化粧層の形成に必要な場合は、着色剤や化粧用骨材な
どを含むことができる。着色剤としては、通常当業界で
知られている無機・有機顔料、着色天然砂、人工着色砂
など、いずれも使用可能である。ここで、化粧用骨材と
は、その骨材が化粧層の表面に現れたとき、そのまま
で、あるいは表面研磨するとき美観を与えるようなもの
であって、例えば大理石、蛇紋岩、花岡岩などの砕石、
または雲母などを挙げることができる。
【0011】型枠内に上記の流動性モルタルの層を形成
するに際して、その底面5の表面形状を化粧目的で種々
に変化させれば、流し込む流動性モルタルが高流動性で
あるので、形枠内で硬化して得られた流動性モルタル層
3は、形枠2の底面5の表面形状を忠実に転写したもの
となる。例えば、図3に示すように、底面5が凹凸模様
を有するものを用いれば、得られた穴あきPC板の表面
は、図4の化粧表面7で示すように、底面5の凹凸模様
を精度よく転写したものとなる。
【0012】上記において、この流動性モルタルに着色
剤や化粧用骨材などが含まれていれば、着色され、また
は化粧用骨材が表面に現れた穴あきPC板が得られる。
また、流動性モルタルに化粧用骨材を配合したものを用
いて穴あきPC板を製造し、次いでその表面を研磨すれ
ば、研磨石調の化粧表面層先付け穴あきPC板を得るこ
とができる。
【0013】また、図5に示すように、型枠2の底面5
に、板片状の表面化粧材7をその化粧面8を下向きにし
て敷き並べ、この上に上記の流動性モルタルを流し込
み、目地9および流動性モルタル層3を形成し、次いで
この上に硬練りコンクリートを用いて穴あきPC板本体
4を打設して、表面化粧層先付け穴あきPC板を製造す
ることもできる。ここで、板片状の表面化粧材7とは、
表面が化粧面を形成し、少なくとも裏面で流動性モルタ
ルと接合し得る板片状の面部材であり、その例としては
タイル、煉瓦、鉄平石薄片などを挙げることができる。
この流動性モルタルは高流動性であるから、互いに隣接
する表面化粧材の細い間隙部にもよく侵入し、美麗な目
地9が形成される。この流動性モルタルを予め着色して
おけば、着色目地が得られる。
【0014】上記において、この流動性モルタルは、早
期硬化性であるから、流し込み直後からモルタルの粘性
が上昇し、穴あきPC板打設機械の振動締め固め力など
によって表面化粧材7が押し動かされて配列が乱れるな
ども防止される。さらに、この流動性モルタルは、高接
合性を有するので、これらの板片状の表面化粧材7は流
動性モルタル層3に強固に接合される。
【0015】この型枠2の底面5に、図7に示すよう
に、予め、目地9を形成する発泡スチロール製などの格
子状の目地枠10を設置し、この目地枠10の間隙部
に、タイル、煉瓦など、定型の表面化粧材7を、化粧面
を下向きにしてはめ込み、この上に流動性モルタルを流
し込み、目地9および流動性モルタル層3を形成し、次
いで前記と同様に穴あきPC板本体4を打設し、脱型し
て、目地枠10を除去すれば、図8に示すように、目地
9から化粧面8が浮き出た表面化粧層先付け穴あきPC
板を得ることができる。
【0016】(試験例)本発明に用いる流動性モルタル
の諸特性について、以下の試験を行った。本発明の工法
に用いることが最適と思われる流動性モルタルを2種類
試作した。これをそれぞれ試料1、試料2とする。ま
た、従来の流動性モルタルに準じた組成のものを試作
し、試料3とした。これらの組成および配合割合を表1
に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表中のクリンカーとは、3CaO・3Al
2 3 ・CaSO4 と12CaO・7Al2 3 とを合
量で72重量%含むクリンカー粉末である。表中の減水
剤はメラミン系樹脂であり、増粘剤はメチルセルローズ
であり、消泡剤はシリコーン系樹脂であり、反応抑制剤
はオキシカルボン酸系化合物であり、骨材は5号ケイ砂
である。
【0019】次に、表1に示した試料1、2、および3
と市販の流動性モルタル(試料4)とについて、20℃
におけるフロー値、凝結時間および硬化体の圧縮強度、
35℃におけるフロー値、硬化体の圧縮強度および表面
状態、および蒸気養生後の表面状態の各項目について測
定または観察を行った。その結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2において、フロー値は、内径50m
m、高さ51mmのパイプ(容積=100cm3 )をガ
ラス板上に立て、これにそれぞれの流動性モルタルスラ
リーを充填したのちにパイプを引き上げ、円錐状に広が
ったスラリーの直径を測定した値である。凝縮時間およ
び圧縮強度の測定は、JIS R 5201の測定法に
準拠して行い、養生は気中養生とした。また、硬化後の
表面状態は、30cm×30cmのスレート製型枠に混
練物を厚さ5mmとなるように流し込み、硬化後に目視
によりひび割れを観察した。蒸気養生は、20℃で前置
き3時間後、20℃/時間の速度で65℃まで昇温し、
65℃に3時間保持したのち放冷して行った。
【0022】表2の結果から、本発明の工法に用いるこ
とが最適と思われる流動性モルタル、試料1および2
は、20℃および35℃における硬化体の圧縮強度が十
分に高く、また、35℃硬化後の、または蒸気養生後の
硬化体の表面状態がひび割れもなく良好なものであるこ
とがわかる。一方、その他の配合例(試料3および4)
については、蒸気養生によってヒビの発生が一部認めら
れたものの、硬化後の表面状態は良好であった。
【0023】次に、試料2を用いて形成した流動性モル
タル層とこれに打ち継いだ穴あきPC板本体との接合力
および打ち継ぎ作業性を試験した。1m×2m、深さ1
5cmの型枠3枚に、それぞれ上記試料2のスラリーを
1cmの厚さに流し込んで流動性モルタル層を形成し
た。この型枠のうち1枚はスラリー流し込み直後に、他
の1枚はスラリー流し込み30分後に、また残りの1枚
はスラリー流し込み60分後に、それぞれ表3に示す配
合のコンクリートを打ち継ぎした。このコンクリート
は、穴あきPC板用の配合例のものであって、3層構成
になっており、その1層目が流動性モルタル層の上に直
接打ち継がれる。
【0024】
【表3】
【0025】コンクリートの打ち継ぎが終了してから3
時間後に、これらを20℃/時の速度で65℃まで昇温
し、この温度に3時間保持したのち自然放冷して蒸気養
生を行った。次いで屋外曝露を行い、材令14日目に、
ダイヤモンドカッターを用いて4cm×4cmの大きさ
にモルタル側からコンクリート面に達する切り込みを形
成し、この部分にエポキシ樹脂接着剤で接合強さ測定用
アタッチメントを取り付け、エポキシ樹脂接着剤の硬化
後に、建研式引張り試験機によって接合強さを測定し
た。この結果を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】この表から、コンクリートの打ち継ぎが6
0分後であっても、強い接合強さが得られることがわか
る。このことは、打ち継ぎ作業時間に余裕があり、接合
強さとともに作業性も優れていることを示している。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 (実施例1)図1に示した工法を用い、着色されかつ平
滑な表面化粧層を有する表面化粧先付け穴あきPC板を
製造した。すなわち、図1において、穴あきPC板製造
用のベッド1に、寸法が1m×2mの平滑な底面5の周
囲に2cmのカサ上げ部を設けた流動性モルタル流し込
み用型枠2を設置し、これに前記表1の試料2の流動性
モルタルに酸化亜鉛顔料を外割りで3重量%添加したス
ラリーを流し込み、流動性モルタル層3を形成した。3
0分後に、表3に示した配合のコンクリートを用いて穴
あきPC板本体4を機械打設した。打設終了3時間後に
60℃の温水を用いて3時間加熱養生し、自然放冷し
た。脱型後、得られた穴あきPC板の表面には、図2に
示すように、白色かつ平滑な化粧表面6が形成されてい
た。この表面にピンホールや色むらは認めなかった。
【0029】(実施例2)図3に示した工法によって、
図4に示した割り石模様の凹凸表面が先付け形成された
穴あきPC板を製造した。図3において、実施例1の型
枠のかわりに、底面5に割り石調エンボス模様が形成さ
れ、周囲に2cmのカサ上げ部を有する流動性モルタル
流し込み用型枠2を用いた。これに、試料2の流動性モ
ルタルに酸化鉄黒顔料を外割りで3重量%添加したスラ
リーを流し込み、流動性モルタル層3を形成した。30
分後に、表3に示した配合のコンクリートを用いて穴あ
きPC板本体4を機械打設した。打設終了3時間後に6
0℃の温水を用いて3時間加熱養生し、自然放冷した。
脱型後、得られた穴あきPC板の表面には、図4に示す
ように、黒色で鮮鋭な割り石模様の化粧表面7が形成さ
れた。表面にピンホールや色むらは認められなかった。
【0030】(実施例3)図5に示した工法によって、
表面にタイルが先付けされた穴あきPC板を製造した。
図5において、穴あきPC板打設用のベッド1に、寸法
が1m×2mの平滑な底面5の周囲に2cmのカサ上げ
部を設けた流動性モルタル流し込み用型枠2を設置し、
この底面に9.5cm×4.5cmのタイル7を裏面を
上向きにして配列し、この上に試料2の流動性モルタル
にに酸化鉄黒顔料を外割りで3重量%添加したスラリー
を1cmの厚さに流し込み、流動性モルタル層3を形成
した。30分後に、表3に示した配合のコンクリートを
用いて穴あきPC板本体4を機械打設した。打設終了3
時間後に60℃の温水を用いて3時間加熱養生し、自然
放冷した。
【0031】脱型して得られたタイル先付け穴あきPC
板を図6に示す。隣接するタイルの間隙部には、流動性
モルタルの黒色の目地9がタイル表面8と面一に形成さ
れていた。目地9にはピンホールや色むらなどの欠陥は
認められなかった。また、屋外曝露を行い、材令14日
目にタイル7と流動性モルタル層3との接合強さを測定
した。この結果は25kgf/cm2 であり、前記試験
における流動性モルタル層3と穴あきPC板本体4との
間の接合強さとほぼ同等であった。
【0032】(実施例4)図7に示した工法によって、
表面に煉瓦が先付けされた穴あきPC板を製造した。図
7において、穴あきPC板打設用のベッド1に、寸法が
1m×2mの平滑な底面5の周囲に2cmのカサ上げ部
を設けた流動性モルタル流し込み用型枠2を設置し、こ
の底面5に、煉瓦の目地を形成するための発泡スチロー
ル製の格子状の目地枠10を設置した。この目地枠10
は、格子間の間隙の寸法が10cm×5cmであった。
この目地枠10の各間隙にそれぞれ、化粧面寸法が10
cm×5cmの煉瓦11を、化粧面を下向きにしてはめ
込み、この上に試料2のスラリーを1cmの厚さとなる
ように流し込んで流動性モルタル層3を形成した。30
分後に、表3に示した配合のコンクリートを用いて穴あ
きPC板本体4を機械打設した。打設終了3時間後に6
0℃の温水を用いて3時間加熱養生し、自然放冷した。
【0033】脱型後に目地枠10を除去し、煉瓦先付け
穴あきPC板を得た。これを図8に示す。目地9にはピ
ンホールや色むらなどの欠陥は認められなかった。ま
た、屋外曝露を行い、材令14日目に実施例3と同様に
して煉瓦11と流動性モルタル層3との接合強さを測定
した。この結果は25kgf/cm2 であり、流動性モ
ルタル層3と穴あきPC板本体4との間の接合強さとほ
ぼ同等であった。
【0034】上記実施例1〜4の結果から、実施例の工
法により製造された表面化粧先付け穴あきPC板は、前
記の最適と思われる流動性モルタルを使用することによ
り、流動性モルタル層にひび割れが発生せず、流動性モ
ルタル層3と穴あきPC板本体4、および流動性モルタ
ル層3と板片状の表面化粧材との層間の接合強さがいず
れも十分に高く、流動性モルタル層の表面にピンホール
や色むらなどが認められないことがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明の流動性モルタルを用いる穴あき
PC板の表面化粧先付け工法は、型枠内に高流動性、
早期硬化性、高接合性を具備した流動性モルタルを流し
込み、流動性モルタル層を形成し、次いで、この流動性
モルタル層の上に硬練りコンクリートを打設し、穴あき
PC板本体を形成し、表面化粧層が先付け形成された穴
あきPC板を製造するものであるので、この流動性モル
タルの高流動性によって、底面の面形状を忠実に転写
し、気泡やジャンカなどが発生せず、また、型枠の底面
に板片状の表面化粧材が置かれた場合はこれを強力に接
合し、また美麗な目地が形成され、いずれの場合も、手
作業による表面や目地などの仕上げや補修を要せず、先
付けによって美麗かつ堅牢な化粧表面が得られる。表面
の着色は、先付けする流動性モルタルに顔料を混合する
ことによって行うことができるので、煩雑な塗装作業が
不要となるばかりでなく、素材の質感を生かした高級感
が表現できるようになる。また、この流動性モルタル
は、早期硬化性であるから、流し込み直後からモルタル
の粘性が上昇し、硬練りコンクリートの打設時、また打
設機械の振動などによって化粧表面の板片状の表面化粧
材の配置や着色模様などが乱されることがない。さら
に、この流動性モルタル層は穴あきPC板本体に強力に
接合するから、化粧表面層の剥落が起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の工法の実施態様を示す断面図。
【図2】 実施例1の工法により製造された表面化粧層
先付け穴あきPC板の斜視図。
【図3】 実施例2の工法の実施態様を示す断面図。
【図4】 実施例2の工法により製造された表面化粧層
先付け穴あきPC板の斜視図。
【図5】 実施例3の工法の実施態様を示す断面図。
【図6】 実施例3の工法により製造された表面化粧層
先付け穴あきPC板の斜視図。
【図7】 実施例4の工法の実施態様を示す断面図。
【図8】 実施例4の工法により製造された表面化粧層
先付け穴あきPC板の斜視図。
【符号の説明】
1…穴あきPC板打設用ベッド、 2…型枠、 3…流動性モルタル層、 4…穴あきPC板本体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 守哉 福岡県粕屋郡志免町大字志免90番地 新 日本コンクリート株式会社 志免工場内 (56)参考文献 特開 平1−216805(JP,A) 特開 平1−272450(JP,A) 特開 平4−203157(JP,A) 特開 昭60−264202(JP,A) 実開 昭53−42416(JP,U) 実開 昭52−133511(JP,U) 特公 平2−15506(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 2/00 - 2/54

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリップフォーム工法で製造される穴あ
    きPC板本体の表面に先付けによって表面化粧層を形成
    する穴あきPC板の表面化粧先付け工法であって、 型枠内に高流動性、早期硬化性、高接合性を具備した
    流動性モルタルを流し込み、流動性モルタル層を形成
    し、次いで、この流動性モルタル層の上に硬練りコンク
    リートを打設し、穴あきPC板本体を形成し、表面化粧
    層が先付け形成された穴あきPC板を製造することを特
    徴とする流動性モルタルを用いる穴あきPC板の表面化
    粧先付け工法。
  2. 【請求項2】 上記の流動性モルタルが、ポルトランド
    セメントと、3CaO・3Al・CaSOまた
    は12CaO・7Alで表されるカルシウムアル
    ミネート系化合物を単味または合量で50重量%以上含
    有するクリンカー粉末と、石膏粉末とを含むものであ
    り、かつ上記各成分の配合割合が、ポルトランドセメン
    ト100重量部に対してクリンカー粉末が10〜50重
    量部、石膏粉末が5〜50重量部であることを特徴とす
    る請求項1記載の流動性モルタルを用いる穴あきPC板
    の表面化粧先付け工法。
  3. 【請求項3】 上記の流動性モルタルが、減水剤、増粘
    剤、消泡剤、反応制御剤、混和剤、着色剤、化粧用骨材
    のいずれか1種またはそれ以上を含むものであることを
    特徴とする請求項1または2記載の流動性モルタルを用
    いる穴あきPC板の表面化粧先付け工法。
  4. 【請求項4】 型枠として、底面に平滑面または凹凸模
    様面が形成されたものを用いることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の流動性モルタルを用いる
    穴あきPC板の表面化粧先付け工法。
  5. 【請求項5】 型枠の底面に、板片状の表面化粧材をそ
    の化粧面を下向きにして敷き並べ、この上に上記の流動
    性モルタルを流し込むことを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の流動性モルタルを用いる穴あきP
    C板の表面化粧先付け工法。
  6. 【請求項6】 型枠の底面に、目地を形成するための格
    子状の目地枠を設置し、この目地枠の間隙部に板片状の
    表面化粧材をその化粧面を下向きにして装着し、この上
    に上記の流動性モルタルを流し込むことを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の流動性モルタルを用
    いる穴あきPC板の表面化粧先付け工法。
  7. 【請求項7】 上記請求項1ないし6のいずれかに記載
    の流動性モルタルを用いる穴あきPC板の表面化粧先付
    け工法により製造されたことを特徴とする表面化粧層先
    付け穴あきPC板。
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