JPWO2006048927A1 - 共重合ポリエステル、その製造方法、及びポリエステルフィルム - Google Patents

共重合ポリエステル、その製造方法、及びポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

透明性や柔軟性等に優れたポリエステル樹脂やフィルムの製造コストを低減させ、低コストで製造可能な柔軟ポリエステルフィルム、及びそれに好適な柔軟ポリエステル樹脂を提供する。脂肪酸二量体を15〜95重量%、脂肪酸三量体を5〜85重量%の割合で含有する寡量化脂肪酸もしくはその誘導体を含む酸成分と、グリコール成分から合成される共重合ポリエステルであり、この溶融粘度は250℃で1000〜3000ポイズである。また、この共重合ポリエステルから溶融製膜される柔軟性ポリエステルフィルムである。

Description

本発明は柔軟な成形物を形成しうる共重合ポリエステルおよび柔軟なポリエステルフィルムに関するものであり、さらに詳細には、透明性、易成形性、耐熱性を必要とする工業材料、包装材料などの用途に好適なポリエステルフィルムおよびその原料の共重合ポリエステルに関するものである。
従来の柔軟フィルムとしては、ポリ塩化ビニル系フィルムが代表的である。このポリ塩化ビニルフィルムは、耐候性に優れるとともに、各種加工、たとえばエンボス加工などに好適であり、さらに、安価に手に入りうるという利点があるので、柔軟フィルムとして好ましく使用されてきている。
しかしながら、ポリ塩化ビニル系フィルムは、火災などによりフィルムが燃焼した際に有毒ガスが発生するという問題があり、さらに、可塑剤がブリードアウトし易いという問題などがあり、そのため近年の環境的側面重視のニーズにより、他の樹脂からなる新しい柔軟フィルムが求められてきている。
ポリ塩化ビニル系フィルムの欠点を改善した柔軟フィルム用には、ポリエステルにソフトセグメントを共重合させた共重合ポリエステル樹脂の使用が考えられ、共重合ポリエステル樹脂による柔軟フィルムが提案されている。
例えば、ポリブチレンテレフタレートにポリテトラメチレングリコール等の長鎖ポリエーテルを共重合させた樹脂からなる弾性フィルム(例えば、特許文献1参照)、ポリエチレンテレフタレートに不飽和脂肪酸の二量体である長鎖脂肪族ジカルボン酸を共重合させた弾性糸用樹脂(例えば、特許文献2参照)、ポリブチレンテレフタレートに不飽和脂肪酸の二量体である長鎖脂肪族ジカルボン酸を共重合させた成形品用弾性樹脂(例えば、特許文献3参照)、さらに、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの共重合体に不飽和脂肪酸の二量体である長鎖脂肪族ジカルボン酸を共重合させた樹脂からなる柔軟フィルム(例えば、特許文献4〜5参照)が提案されている。
また、長鎖脂肪族ジカルボン酸を共重合成分として所定割合で含むポリエステル樹脂や樹脂組成物を得る方法としては、長鎖脂肪族ジカルボン酸を所定割合でポリエステルに重合工程で共重合させる方法の他に、長鎖脂肪族ジカルボン酸共重合ポリエステルと芳香族ポリエステルを一定の割合で溶融混合して共重合化させる方法が知られている(例えば、特許文献6〜7参照)。
しかし、ポリブチレンテレフタレートに長鎖ポリエーテルを共重合させた樹脂からなる弾性フィルムは、柔軟性や耐ブロッキング性等は良好であるものの、耐候性、耐熱性、透明性等に劣るので、ポリ塩化ビニル系フィルム代替え用フィルムに要求される特性を満たすことが困難である。
また、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに長鎖脂肪族ジカルボン酸を共重合させた樹脂は、弾性糸やフィルム用の共重合ポリエステルとして良好な特性を有している。特に、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルに長鎖脂肪族ジカルボン酸を共重合させた樹脂は、その高い結晶性のため、繊維、フィルム、シート、その他成形品へ容易に成形できるという利点があり、特許文献3〜7のように、種々の共重合組成や共重合方法が提案されている。
しかし、これら従来技術では、1,4−ブタンジオールや、複数回の蒸留・精製等を経て得られる高純度(例えば、純度が95重量%以上や99重量%以上のような高純度)の長鎖脂肪族ジカルボン酸を用いるため、コスト高となり、割高な樹脂製品となるので、有望な用途を見出すことができず、工業化されていない。
特公昭57−48577号公報 特公昭42−8709号公報 特公昭54−15913号公報 特許第3151875号公報 特許第3200848号公報 特開平6−73277号公報 特開2002−12749号公報
そこで、本発明の主たる目的は、前記した従来技術の欠点を解消せんとするものであり、即ち、透明性や柔軟性等に優れたポリエステル樹脂やフィルムの製造コストを大幅に低減させ、低コストで製造可能な柔軟ポリエステルフィルム、及びそれに好適な柔軟ポリエステル樹脂を提供することにある。さらに、耐経時白化性、耐熱性、耐ブリードアウト性にも優れた柔軟ポリエステル樹脂やフィルムを低コストで製造可能とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、二量化脂肪酸やその誘導体として、高純度品ではなく比較的低純度品を用いるものである。そして、この場合、その比較的低純度の二量化脂肪酸やその誘導体として、脂肪酸二量体の含有量、脂肪酸三量体の含有量等の組成が特定範囲内である物を用い、共重合体の溶融粘度を特定範囲内とすること等の特定条件の採用により、二量化脂肪酸やその誘導体の低純度品を用いても、透明性や柔軟性等に優れた共重合ポリエステル樹脂を製造することができ、さらに、透明性や柔軟性等に優れた共重合ポリエステルフィルムを製造することが可能になる、という知見を得て、本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明の共重合ポリエステルは、脂肪酸二量体を15〜95重量%、脂肪酸三量体を5〜85重量%の割合で含有する寡量化脂肪酸もしくはその誘導体を含む酸成分と、グリコール成分とから合成される共重合ポリエステルであって、該共重合ポリエステルの溶融粘度が250℃で1000〜3000ポイズであることを特徴とするものであり、これにより、製造コストの著しい低減化が達成できる。
本発明によれば、コスト高の問題を克服するために、二量化反応後に複数回の蒸留・精製段階を経なくても製造できる純度95重量%以下の二量化脂肪酸やその誘導体を用いても、透明性や柔軟性等に優れ、実用化可能な柔軟ポリエステル樹脂や柔軟フィルムとすることができる。従って、本発明によると、柔軟性や透明性等に優れた共重合ポリエステルおよびポリエステルフィルムを製造する際の原料コストを著しく低減させることが可能であり、コスト性に優れ、実用化に好適な、柔軟ポリエステル樹脂やフィルムを製造することができる。この利点を活かし、本発明で得られる柔軟フィルムは、柔軟性や易成型性等を必要とする工業材料、包装材料などの用途に、また、ポリ塩化ビニル系柔軟フィルムの代替えとして好ましく用いることができる。
本発明の共重合ポリエステルは、脂肪酸二量体及び脂肪酸三量体を特定割合で含有する寡量化脂肪酸もしくはその誘導体を含む酸成分と、グリコール成分とから合成される共重合ポリエステルである。即ち、寡量化脂肪酸やその誘導体からなる残基を主構成成分とするソフトセグメントを必須構造単位として含む共重合ポリエステルであり、必要に応じて、他の酸成分(例えば、芳香族ジカルボン酸等)の残基を主構成成分とするハードセグメントを含むものである。
この共重合ポリエステルにおいて、ハードセグメントを構成する芳香族ジカルボン酸残基は、芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体から形成されることが好ましい。具体的には、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニル−4、4’−ジカルボン酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタレン2、7−ジカルボン酸、ナフタレン1、5−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン4−4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4、4’−ジカルボン酸および、これらのエステル形成誘導体等が挙げられる。なかでも、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそのエステル形成誘導体が好ましい。また、これらの芳香族ジカルボン酸成分は、1種でもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
この芳香族ジカルボン酸残基の含有量は、酸成分残基の50〜99モル%であることが好ましい。より好ましくは55〜95モル%であり、さらに好ましくは60〜93モル%である。芳香族ジカルボン酸残基の含有量が50モル%未満では、共重合ポリエステルの耐熱性が低下し、また、これより得られるフィルムの機械特性が低下することがある。
また、共重合ポリエステルにおいてソフトセグメントを構成する二量化脂肪酸やその誘導体の残基は、下記式で示される炭素数10〜30の不飽和脂肪酸の二量化反応により生成される二量化脂肪酸もしくはその誘導体から形成されることが好ましい。この二量化脂肪酸もしくはその誘導体(以下、二量化脂肪酸成分という)は、主成分として、不飽和脂肪酸が二量化された二量化脂肪酸あるいはこれのエステル形成誘導体を含有する。
CH3(CH2m(CH=CH−CH2k(CH2nCOOR
(この式中、Rは、水素原子またはアルキル基、mは1〜25の整数、kは1〜5の整数、nは0〜25の整数であり、m、kおよびnは、8≦m+3k+n≦28の関係式を満足する。)
この不飽和脂肪酸としては、炭素数18であるリノール酸、リノレン酸、オレイン酸等、炭素数22のエルシン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が例示される。
この不飽和脂肪酸の二量化反応においては、二量体とともに三量体も生成するので、二量化反応により得られる二量化反応生成物中には、二量体の他に、副生した三量体及び未反応の単量体も少なからず含まれている。この二量化反応生成物から、高純度(例えば98重量%以上)の脂肪酸二量体製品を取得するためには、精製を繰り返す必要がある。
しかし、本発明においては、高純度ではない比較的低純度品を用いるので、二量化反応により得られる二量化反応生成物を特に精製せずにそのまま重合原料の二量化脂肪酸成分として用いることもできる。但し、その場合でも、二量体および三量体の含有割合がそれぞれ15〜95重量%および5〜85重量%となるように反応条件を調製すること、或いは必要に応じて、分離や精製等の処理をすることが必要である。好ましくは、二量体含有量が70〜92重量%、三量体含有量が6〜30重量%である。さらに好ましくは、二量体含有量が70〜90重量%、三量体含有量が13〜30重量%である。
重合原料として用いる二量化脂肪酸成分中に残存する未反応の単量体は、重合時における重合度を十分に高めるために、極力少ない方が好ましく、即ち、二量体と三量体との含有量合計が極力多い方が好ましい。例えば、二量体と三量体との含有量合計が90〜100重量%であることが好ましく、97〜100重量%がさらに好ましい。
この二量化脂肪酸成分中における二量体の含有量も三量体の含有量も少な過ぎる場合、特にその含有量の合計が少な過ぎる場合には共重合ポリエステル製造時の反応性が低下し、重合度が上がり難く、所望の粘度水準とすることが困難である。また、三量体含有量が多過ぎる場合にはポリエステルの架橋度が増加し、そのため重合度や機械特性が低下し易い。
二量体含有量と三量体含有量とを本発明で特定した上記範囲とした場合、従来技術において用いられてきた高純度脂肪酸(例えば、二量体含有量が98重量%以上)を使用して製造された従来技術における共重合ポリエステル樹脂やフィルムと同等の優れた品質の物を、それよりも大幅に低いコストで製造することができ、著しい低コスト化を図ることができる。著しい低コスト化を達成することにより、製造コスト面でこれまでは適用困難であった低価格帯の柔軟フィルム用途へ展開することが可能となるので、本発明は、特にポリ塩化ビニル系柔軟フィルムの代替えとして工業的に有望なものである。
本発明の共重合ポリエステルの製造時において使用される二量化脂肪酸成分には、上記したとおり二量体や三量体(以下、寡量体と総称する。)が含まれ、この寡量体には二量化反応により生成する不飽和結合が存在する。これをそのまま重合原料として使用してもよいし、また、その不飽和結合を水素添加反応により還元させた後に使用してもよい。しかし、特に耐熱性、耐候性ならびに透明性が要求される樹脂やフィルムとする場合には、水素添加により不飽和結合をなくした二量化脂肪酸成分を用いることが好ましい。
この二量化脂肪酸成分としては、炭素数36の二量化脂肪酸であるダイマー酸およびそのエステル形成誘導体が好ましい。ダイマー酸は、リノール酸やリノレン酸やオレイン酸等の炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化して得られるものであり、例えば、高純度のダイマー酸として、ユニケマ・インターナショナル社製の“プリポール”(“PRIPOL”)(登録商標)が市販されている。また、二量化脂肪酸の各種エステル形成誘導体も市販されている。本発明で用いる二量化脂肪酸成分は、これらの市販品を利用して調製してもよい。
本発明の共重合ポリエステルにおいて二量化脂肪酸成分の残基の量は、共重合ポリエステル中の酸成分残基の1〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜45%であり、さらに好ましくは7〜40モル%である。二量化脂肪酸成分の残基の量が50モル%を超え、芳香族ジカルボン酸の残基の量が50モル%未満の場合、ポリエステルの耐熱性が低下し、またこれより得られるフィルムの機械特性が低下することがある。
本発明において重合原料として用いる二量化脂肪酸成分は、不飽和脂肪酸を通常の方法で二量化反応させて、二量体と三量体とがそれぞれ所望水準で含有される反応生成物とし、この反応生成物を、そのまま、或いは必要に応じて処理することにより調製すればよい。
例えば、不飽和脂肪酸のための原料が、粗トール油、粗大豆油のような天然産品由来の油である場合には、通常の方法で精製して、精製脂肪酸とする。この精製した不飽和脂肪酸を二量化反応させるためには、その精製脂肪酸100重量部に対して、重合触媒としてクレイ2〜10重量部および必要により水0.2〜2.0重量部を加えて、約200〜280℃、圧力2〜10kg/cm2で約0.5〜8時間反応させる。次いでリン酸を0.1〜2重量部添加して、約60〜150℃で約20〜150分間反応させ、クレイ中の鉄分を除去する。さらにこれをろ過してクレイを除去し、蒸留して未反応モノマー脂肪酸を除去する。この二量化反応により得られる反応生成物中には、通常、二量体が70〜80重量%程度含まれる。この反応生成物を、必要に応じて分子蒸留等によって精製してもよい。 また、その二量化脂肪酸成分は、二量化脂肪酸と各種アルコールを混合した後、酸等のエステル交換反応触媒の下でエステル化することにより二量化脂肪酸エステルにし、これを二量化脂肪酸成分として用いてもよい。
ポリエステルの結晶化速度を制御する観点から、本発明の共重合ポリエステルのグリコール成分中には、1,4−ブタンジオール残基が含まれることが好ましく、必要であれば下記式で表される、1、4-ブタンジオール以外のグリコール残基(以下、他のグリコール残基という。)が含まれていても構わない。
−O−X−O−
(式中のXは、テトラメチレン基以外のアルキレン基、またはそのアルキレン基にアルキル基あるいはシクロアルキル基からなる側鎖を有するもの、あるいはシクロアルキレン基とアルキレン基からなるものである。)
他のグリコール残基のためのグリコール成分(以下、他のグリコール成分という。)としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンチルグリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロブタンジオール、1,3−シクロブタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中でもポリマーへの反応性、市場入手性およびコスト性の観点から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールを用いることが好ましい。
これらグリコール成分の組合せは特に限定されないが、中でも、1,4−ブタンジオールとエチレングリコールおよび/または1,3−プロパンジオールとを併用することが、ポリエステルの結晶化速度を制御するために特に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルにおいて、1,4−ブタンジオール残基の量はグリコール残基の10〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは20〜90モル%であり、さらに好ましくは45〜85モル%である。一方、他のグリコール残基の量は90モル%以下が好ましく、より好ましくは10〜80モル%であり、さらに好ましくは15〜55モル%である。1,4−ブタンジオール残基の量が10モル%未満では、ポリエステルの結晶化速度が減少し、成形時に粘着して成形が困難になったり、得られる成形物の透明性が低下したりすることがある。
本発明の共重合ポリエステルにおいては、上記した酸成分やグリコール成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を共重合してもよいし、あるいは他の成分からなる樹脂を混合することもできる。例えば、共重合可能な他の酸成分として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸トリメリット酸、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメシン酸等、またはそれらのエステル誘導体、ヒドロキシカルボン酸成分としてp−オキシ安息香酸、p−ヒドロキシメチル安息香酸、またはそれらのエステル誘導体等、またアルコール成分として、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、またはビスフェノールA、ビスフェノールSおよびそれらのエチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
本発明の共重合ポリエステルにおいて、その溶融粘度は、250℃で1000〜3000poiseであることが必要であり、より好ましくは1300〜2300poiseである。ポリエステルの溶融粘度が3000poiseを超えると、ポリエステルをフィルム等に押し出し成形する場合、押し出し状態が安定せず、膜厚が不均一なフィルムや成形品となり易い。さらに、部分的に肉厚になったところが白化して斑点状になり易い。また、溶融粘度が1000poise未満では粘度不足のため、製膜や成形が困難である。
本発明の共重合ポリエステルの250℃溶融粘度を上記範囲内とするための手法としては、その重合度、固有粘度(IV)を適切な水準に制御することが挙げられる。固有粘度の範囲は、具体的には0.4〜1.5が好ましく、より好ましくは0.5〜1.2であり、特に好ましくは0.7〜0.9である。また、重合時やポリマ溶融混練時に相溶化剤を配合することによって溶融粘度水準を調整してもよい。
上記した本発明の共重合ポリエステルを製造するための方法は特に限定されるものではなく、通常のポリエステル重合方法と同様の方法で製造することができる。例えば、1,4−ブタンジオール等のグリコール成分と、二量化脂肪酸成分及び他の酸成分とを、所定の割合で含むモノマ組成物を重合工程において直接共重合して製造する方法でもよいし、また、2種類以上の重合体および/または共重合体を押出機内で溶融混練して共重合化し、所定の重合組成となるようにする方法でもよい。
溶融混練による後者の方法としては、芳香族ジカルボン酸とグリコール成分から重合される芳香族ポリエステルと、芳香族ジカルボン酸、二量化脂肪酸成分及びグリコール成分から構成される脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体とを押出機内で溶融混練して、前記した特定重合組成の共重合ポリエステルとなるようにする方法等が挙げられる。この方法の場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の汎用芳香族ポリエステルを用いることができるというコスト的な利点があり、さらに、芳香族ポリエステルと共重合体との混合量の変更により共重合ポリエステル中の重合組成を容易に調整できるというハンドリング性の利点があり、工業的な製造方法として好適である。
中でも、構成成分が主として、テレフタル酸残基及び/又はイソフタル酸残基と、エチレングリコール残基、1,3−プロパンジオール残基、及び1,4−ブタンジオール残基の群から選ばれる少なくとも1種からなる芳香族ポリエステルと、構成成分が主として、テレフタル酸残基と二量化脂肪酸成分と、エチレングリコール残基、1,3−プロパンジオール残基、及び1,4−ブタンジオール残基の群から選ばれる少なくとも1種からなる脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体とを押出機内で溶融混練して前記した特定重合組成の共重合ポリエステルとする方法がさらに好ましい。その芳香族ポリエステルとしては、テレフタル酸残基及び/又はイソフタル酸残基と、エチレングリコール残基とからなるものが特に好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体(PET/I)が挙げられる。また、脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体としては、テレフタル酸残基と二量化脂肪酸成分と1,4−ブタンジオール残基とからなるものが特に好ましい。
上記したような方法によって得られる共重合ポリエステルは、その溶融粘度を増加させあるいは透明性を向上させるために、以下のような相溶化剤を、共重合時あるいは樹脂溶融混練時に添加することが好ましい。
この相溶化剤としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、テレフタル酸ジグリシジル、フタル酸ジグリシジル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の各種グリシジル化合物、1,4−フェニレンビスオキサゾリン、1,3−フェニレンビスオキサゾリン等の各種オキサゾリン、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の各種脂肪酸とポリエーテルとの各種エステル化合物および塩酸、硫酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。なかでも、ビスオキサゾリンもしくは有機酸を用いるのが好ましい。
上記した相溶化剤を添加することによる溶融粘度の増加あるいは透明性の向上については、そのメカニズムが必ずしも明らかではないが、例えは、以下のようなモデルにより説明することができる。
[ビスオキサゾリンの添加による作用効果]
二官能性化合物であるビスオキサゾリンを添加すると、共重合ポリエステル鎖中のカルボン酸末端同士の反応が促進され、分子量が増加し、溶融粘度が向上するものと考えられる。また、芳香族ポリエステルと脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体とを溶融混練する際にビスオキサゾリンを添加すると、上記した溶融粘度増加効果に加え、ビスオキサゾリンの2種類の官能基が、異種ポリマー(本発明の場合では、芳香族ポリエステルと脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体)のカルボン酸末端にそれぞれ付加することでブロックコポリマーが生成され、このブロックコポリマーが異種ポリマー同士の相溶性を高め、この結果、透明性が向上するものと考えられる。
[有機酸の添加による作用効果]
芳香族ポリエステルと脂肪族−芳香族ポリエステル共重合体とを溶融混練する際に有機酸を添加すると、有機酸の酸触媒効果により、異種ポリマー間のエステル交換反応が促進され、共重合化が促進され、さらにポリマー連鎖の均質化が促進され、透明性が向上するものと考えられる。
上記で示した相溶化剤を共重合ポリエステルに添加する場合の添加量は、その溶融粘度が所望粘度水準となり、所望する透明性を示すに足りる量であればよく、一般的には、0.1〜5重量%が好ましい。
本発明における共重合ポリエステルは、良好な柔軟性を得るために、そのガラス転移点(Tg)が25℃以下であることが好ましく、より好ましくは20℃以下であり、さらに好ましくは15℃以下である。
本発明のポリエステルフィルムは、前記した重合組成及び溶融粘度を有する共重合ポリエステルに、必要に応じて各種の粒子や添加剤を加えた後、通常の方法により製膜して得られるフィルムであり、例えば、溶融押出し冷却固化し、必要に応じて延伸や熱処理することによって製造することができる。
このポリエステルフィルム中に添加させる粒子は、目的や用途に応じて適宜選択され、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、架橋高分子粒子、重合系内で生成させる内部粒子などを挙げることができる。これらの粒子を2種以上添加しても構わない。ポリエステル樹脂組成物の機械的特性の観点から、かかる粒子の添加量は、0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1重量%である。
また、添加する粒子の平均粒子径は、好ましくは0.001〜10μmであり、さらに好ましくは0.01〜2μmである。平均粒子径がかかる好ましい範囲であると、樹脂組成物、フィルムの欠陥が生じにくく、透明性の悪化、成形性の悪化などを引き起こし難い。
無機粒子の種類は特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の各種炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の各種硫酸塩、カオリン、タルク等の各種複合酸化物、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の各種リン酸塩、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の各種酸化物、フッ化リチウム等の各種塩等からなる微粒子を使用することができる。
また有機粒子としては、シュウ酸カルシウムや、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩などからなる微粒子を使用するこができる。架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体からなる微粒子が挙げられる。その他、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機微粒子を使用するこができる。
重合系内で生成させる内部粒子としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを反応系内に添加し、さらにリン化合物を添加する公知の方法によって生成される粒子が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて公知の添加剤、例えば、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、粘着性付与剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤またはポリシロキサン等の消泡剤、顔料または染料等の着色剤を適量配合してもよい。
フィルムにおける層構成は、単層であってもよいし、また、表面に易滑性、接着性、粘着性、耐熱性、耐候性などの新たな機能を付与するための層を形成させた積層構成としてもよい。例えば、二量化脂肪酸成分を共重合させたポリエステル層(A層)に、樹脂または添加剤の組成の異なる層(B層、C層)を積層させる場合、A/Bの2層構成や、B/A/B、B/A/C、あるいはA/B/Cのような3層構成などが例示される。また、必要に応じて3層よりも多層の積層構成であってもよく、各層の積層厚み比も任意に設定すればよい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、弾性率が25℃で1〜1000MPaの範囲であることが好ましい。弾性率がかかる好ましい範囲であるとフィルム状で用いる場合、変形が小さく、取扱上問題を生じることがなく、また低温成形性に優れる。弾性率を25℃で1〜1000MPaの範囲にするためには、例えば、二量化脂肪酸成分の共重合量を最適化することや、柔軟効果の高い二量化脂肪酸成分を用いることなどの方法が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムは、未延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムは、フィルムの長手方向、幅方向のいずれかの方向に延伸した一軸延伸フィルム、また、フィルムの長手方向、幅方向の両方向に延伸した二軸延伸フィルムのどちらであってもよい。
フィルムの厚みは、使用する用途に応じた最適の厚みとすればよい。その厚みは通常0.5〜1000μmの範囲であり、製膜安定性の面から好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは5〜200μmである。
本発明のポリエステルフィルムは、必要に応じてコロナ放電処理などの表面処理を施すことにより、接着性や印刷性を向上させてもよい。また、各種コーティングを施してもよく、その塗布化合物の種類、塗布方法や厚みは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されない。さらに、必要に応じてエンボス加工などの成型加工、印刷などを施して使用することもできる。
本発明のポリエステルフィルムは、単一シートあるいは複合シートにより易成型性を必要とする各種工業材料、包装材料として用いることが可能である。複合シートでは例えば金属、木材、紙、樹脂シートあるいは樹脂板などの基材に貼り合わせて用いることができる。
具体的用途としては、従来の柔軟フィルム、易成形フィルムが用いられてきた用途、例えば包装用フィルム、ラップフィルム、ストレッチフィルム、また間仕切りフィルム、壁紙や合板化粧シートなどの建材用フィルムが挙げられるが、これに限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、諸特性は以下の方法により測定、評価した。
(1)二量化脂肪酸成分中の単量体、二量体、三量体の組成比(含有量)
高速液体クロマトグラフィーにより分析し、各成分のピーク面積より単量体、二量体、三量体の組成比(含有量)を求めた。
(2)ポリエステルの固有粘度
ポリエステルをオルソクロロフェノ−ルに溶解し、25℃において測定した。
(3)共重合ポリエステルの溶融粘度
共重合ポリエステルを150℃で5時間以上真空乾燥させた後、メルトインデックスを用いて250℃で測定した。
(4)製膜安定性
ポリエステルフィルム製膜時の安定性を下記基準にて判定した。
良好:吐出量が一定で安定して製膜できる。
並み:吐出が一時的に不安定になるものの、製膜性にほとんど問題ない。
不良:吐出量が明らかに不安定で、安定製膜が困難である。
(5)フィルムの透明性
ポリエステルフィルムの透明性は、スガ試験機(株)製全自動直読ヘーズコンピュータHGM−2DPを用いて測定したヘイズ値から、以下の基準にて判定した。
特に良好:ヘイズ値10%未満、
良好:ヘイズ値10%以上30%未満、
並み:ヘイズ値30%以上70%未満、
不良:ヘイズ値70%以上、
(6)フィルムの耐経時白化性
40℃のギヤオーブンに1週間投入した後のフィルムについて、ヘイズ値をスガ試験機(株)製全自動直読ヘーズコンピュータHGM−2DPを用いて測定し、以下の基準にて耐経時白化性を判定した。
特に良好:ヘイズ値15%未満、
良好:ヘイズ値15%以上40%未満、
並み:ヘイズ値40%以上70%未満、
不良:ヘイズ値70%以上、
(7)フィルムの弾性率
引っ張り試験器(オリエンテック(株)製“テンシロン”)を用いて、25℃において弾性率を測定した。フィルムを30秒間測定温度で保温した後の幅10mm、試料長50mmのサンプルについて、引っ張り速度300mm/minで、フィルム長手方向、幅方向の弾性率(MPa)をそれぞれ10点測定し、その平均値を求めた。
[芳香族ポリエステルの調製(重合)]
(PET)
ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール60重量部との混合物に、酢酸マグネシウム0.09重量部及び三酸化二アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、リン酸トリメチル0.026重量部を添加した後、重縮合反応層に移送する。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重合し、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)を作製した。
(PBT)
ジメチルテレフタレート100重量部と1,4−ブタンジオール80重量部との混合物に、テトラブチルチタネート0.05重量部及び酸化防止剤(“IRGANOX1010”(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製))0.02重量部を加えて常法により加熱し、最終的に210℃まで昇温させてエステル交換反応を行った。エステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.01重量部、テトラブチルチタネート0.07重量部及び酸化防止剤(“IRGANOX1010”)0.03重量部を添加し、徐々に昇温、減圧にし、最終的に245℃、1Torr以下で重縮合反応を行い、固有粘度0.85のポリブチレンテレフタレート(PBT)を作製した。
(PET/I)
ジメチルテレフタレート83重量部とジメチルイソフタレート17重量部とエチレングリコール60重量部との混合物に、酢酸マグネシウム0.09重量部及び三酸化二アンチモン0.03重量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.026重量部を加え、上記PETの場合と同様の重縮合反応を行い、固有粘度0.65のエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体(PET/I)を作製した。
(PPT)
ジメチルテレフタレート100重量部と1,3−プロパンジオール87重量部との混合物に、テトラブチルチタネート0.06重量部を加えて常法により加熱し、最終的に220℃まで昇温を行いエステル交換反応を行った。エステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.05重量部及びテトラブチルチタネート0.04重量部を添加し、徐々に昇温、減圧にし、最終的に260℃、1Torr以下で重縮合反応を行い、固有粘度0.70のポリプロピレンテレフタレート(PPT)を作製した。
[芳香族−脂肪族共重合ポリエステルの調製(重合)]
(共重合ポリエステル1)
ダイマー酸(“プリポール1025”(“PRIPOL1025”)(ユニケマ・インターナショナル社製))50重量部とメタノール50重量部との混合物に、硫酸3重量部を加え、10時間還流させた後、乾燥させ、単量体2.2%、二量体78.6%及び、三量体19.2%からなる炭素数36のダイマー酸ジメチルを作製した。
ジメチルテレフタレート61重量部、上記で得られた炭素数36のダイマー酸ジメチル(単量体2.2%、二量体78.6%、三量体19.2%の組成比からなる)33重量部、エチレングリコール20重量部、1,4−ブタンジオール40重量部およびテトラブチルチタネート0.1重量部を混合し常法によりエステル交換反応を行った後、得られる樹脂100重量部に対して2重量部に相当する量の1,4−フェニレンビスオキサゾリンをさらに加え、高温減圧下にて重縮合反応を行い、25℃溶融粘度が1900poise、固有粘度が0.85の共重合ポリエステルを作製した。得られた共重合ポリエステルの組成は、テレフタル酸残基85モル%、ダイマー酸残基15モル%、エチレングリコール残基20モル%、1,4−ブタンジオール残基80モル%であった。
(共重合ポリエステル2)
ジメチルテレフタレート95重量部、上記で得られた炭素数36のダイマー酸ジメチル22重量部、エチレングリコール15重量部、1,4−ブタンジオール50重量部およびテトラブチルチタネート0.1重量部を混合し常法によりエステル交換反応を行った後、高温減圧下にて重縮合反応を行い、25℃溶融粘度が1800poise、固有粘度が0.82の共重合ポリエステルを作製した。得られた共重合ポリエステルの組成は、テレフタル酸残基94モル%、ダイマー酸残基6モル%、エチレングリコール残基15モル%、1,4−ブタンジオール残基85モル%であった。
(共重合ポリエステル3〜7)
酸成分として、ジメチルテレフタレートと上記で得られた炭素数36のダイマー酸ジメチルとを用い、グリコール成分として、エチレングリコールとブタンジオールとを用い、表1に示す組成となる割合で混合した以外は共重合ポリエステル2と同様の方法により、表1に示す固有粘度となるまで重合を行い、表1に示す粘度水準の共重合ポリエステルを合成した。
なお、共重合ポリエステル7は、粘度が本発明外のもの(比較例)である。
(共重合ポリエステル8、9)
酸成分として、ジメチルテレフタレートと上記で得られた炭素数36のダイマー酸ジメチルとを用い、グリコール成分として、ブタンジオールと、1,4−シクロヘキサンジメタノール又は2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールとを用い、表1に示す組成となる割合で混合した以外は共重合ポリエステル1と同様の方法により、表1に示す固有粘度となるまで重合を行い、表1に示す粘度水準の共重合ポリエステルを合成した。
Figure 2006048927
上記表1において、酸成分の残基、グリコール成分の残基は、次のように略記した。
DMT:テレフタル酸残基
C36:ダイマー酸残基(主鎖炭素数36)
EG:エチレングリコール残基
BG:ブタンジオール残基
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール残基
NPG:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール残基
(共重合ポリエステル10)
エルシン酸を高濃度で含む粗菜種油を原料にし、通常の方法で精製し二量化反応させることによって製造された炭素数44の二量化脂肪酸成分(単量体2.5%、二量体82.3%及び三量体15.2%からなる)と、ジメチルテレフタレートとを酸成分として用い、グリコール成分として、エチレングリコールとブタンジオールとを用い、表2に示す組成となる割合で混合した以外は共重合ポリエステル1と同様の方法により、表2に示す固有粘度となるまで重合を行い、表2に示す粘度水準の共重合ポリエステルを合成した。
(共重合ポリエステル11)
炭素数18の不飽和脂肪酸を高濃度で含む粗大豆油を原料にし、通常の方法で精製し二量化反応させることにより、さらに必要に応じて常法により精製や分離を行うことによって製造された炭素数36のダイマー酸ジメチル(単量体1.8%、二量体62.5%及び三量体35.7%からなる)と、ジメチルテレフタレートとを酸成分として用い、グリコール成分として、エチレングリコールとブタンジオールとを用い、表2に示す組成となる割合で混合した以外は共重合ポリエステル1と同様の方法により、表2に示す固有粘度となるまで重合を行い、表2に示す粘度水準の共重合ポリエステルを合成した。
(共重合ポリエステル12〜15)
上記共重合ポリエステル11の場合と同様な方法により製造された炭素数36のダイマー酸ジメチル(単量体、二量体及び三量体の組成比は表2に示すとおり)と、ジメチルテレフタレートとを酸成分として用い、グリコール成分として、エチレングリコールとブタンジオールとを用い、表2に示す組成となる割合で混合した以外は共重合ポリエステル2と同様の方法により、表2に示す固有粘度となるまで重合を行い、表2に示す粘度水準の共重合ポリエステルを合成した。但し、共重合ポリエステル15の場合は、重合工程における重合度が上がらず、ポリマーを得ることができなかった。
なお、共重合ポリエステル14及び15は、本発明で特定した以外の共重合組成のもの(比較例)である。
Figure 2006048927
上記表2において、酸成分の残基、グリコール成分の残基は、次のように略記した。
DMT:テレフタル酸残基
C36:ダイマー酸残基(主鎖炭素数36)
C44:二量化脂肪酸残基(主鎖炭素数44)
EG:エチレングリコール残基
BG:ブタンジオール残基
[フィルムの製造]
(実施例1)
前記した共重合ポリエステル1をベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させた。次いで、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸フィルムとした。未延伸フィルムは安定に作製でき、得られたフィルムの物性は表3に示すように、良好な透明性を示し、さらに、共重合ポリエステル1中にビスオキサゾリンが添加されていたことにより柔軟性や耐経時変化性にも優れていた。
(実施例2〜5)
それぞれ、前記した共重合ポリエステル2、3、8、9を用いた以外は実施例1と同様にして未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの物性は表3に示すとおりであった。
実施例2のフィルムは透明性に優れたものであった。
実施例3のフィルムは、実施例2と比較するとやや製膜安定性および透明性に劣るものであるが実用レベルであり、比較的良好な柔軟特性を有していた。
実施例4のフィルム及び実施例5のフィルムは、良好な製膜安定性、柔軟性および優れた透明性を示した。
(実施例6)
前記した共重合ポリエステル4を用いた以外は実施例2と同様にして製膜を行った。得られた未延伸フィルムの物性は表3に示すとおりであり、良好な透明性を示し、製膜直後には良好な柔軟特性を有していた。ただし、経時的に白化が進行した。
(実施例7)
前記した共重合ポリエステル4および共重合ポリエステル5を、20wt%、80wt%の割合でブレンドし、さらに、この樹脂組成物100重量部に対し1,4−フェニレンビスオキサゾリンを2重量部添加し溶融ブレンドして、共重合ポリエステルを作製した。この共重合ポリエステルを用いた以外は実施例2と同様の手法により、未延伸フィルムを作製した。得られたフィルムの特性は表3に示す通りであり、良好な製膜安定性、透明性、柔軟性を示した。
Figure 2006048927
(実施例8〜11)
それぞれ、前記した共重合ポリエステル10〜13を用いた以外は実施例2と同様にして未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの物性は表4に示すとおりであった。
実施例8のフィルムは、良好な製膜安定性、透明性を示した。
実施例9のフィルムは、実施例2と比較するとやや製膜安定性に劣るものであるが実用レベルであり、良好な柔軟特性を有していた。
実施例10のフィルムは、良好な製膜安定性、柔軟性を示し、実施例2と比較し、特に優れた透明性を示した。
実施例11のフィルムは、実施例2と比較するとやや製膜安定性および透明性に劣るものであるが実用レベルであり、比較的良好な柔軟特性を有していた。
Figure 2006048927
[共重合ポリエステルの調製、及びフィルムの製造]
(実施例12)
芳香族ポリエステルとして前記したPETを用い、脂肪族−芳香族ポリエステルとして前記した共重合ポリエステル6を用い、PETと共重合ポリエステル6とを、12wt%、88wt%の割合で混合して、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させ、吐出孔から吐出後のガットをすぐに氷水中で急冷し、表5に記載の物性を有する共重合ポリエステルを作製した。
また、前記したPETと共重合ポリエステル6とを、12wt%、88wt%の割合で混合して、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させた後、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸フィルムとした。未延伸フィルムは安定に作成でき、得られたフィルムの物性は表6に示すように、良好な製膜安定性、、柔軟性と耐経時白化性を示した。
(実施例13)
芳香族ポリエステルとして前記したPETを用い、脂肪族−芳香族ポリエステルとして前記した共重合ポリエステル6を用い、PETと共重合ポリエステル6とを、12wt%、88wt%の割合で混合して、さらに、この樹脂混合物100重量部に対しp−トルエンスルホン酸を2重量部添加した後、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させ、吐出孔から吐出後のガットをすぐに氷水中で急冷し、表5に記載の物性を有する共重合ポリエステルを作製した。
また、前記したPETと共重合ポリエステル6とを、12wt%、88wt%の割合で混合して、さらに、この樹脂混合物100重量部に対しp−トルエンスルホン酸を2重量部添加した後、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させた後、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸フィルムとした。未延伸フィルムは安定に作成でき、得られたフィルムの物性は表6に示すとおりであり、実施例12と比較して特にp−トルエンスルホン酸添加による透明性の向上が見られた。
(実施例14)
芳香族ポリエステルとして前記したPPTを用い、脂肪族−芳香族ポリエステルとして前記した共重合ポリエステル6を用い、PPTと共重合ポリエステル6とを、12wt%、88wt%の割合で混合して、さらに、この樹脂混合物100重量部に対しp−トルエンスルホン酸を2重量部添加した後、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させ、吐出孔から吐出後のガットをすぐに氷水中で急冷し、表5に記載の物性を有する共重合ポリエステルを作製した。
また、前記したPPTと共重合ポリエステル6とを、12wt%、88wt%の割合で混合して、さらに、この樹脂混合物100重量部に対しp−トルエンスルホン酸を2重量部添加した後、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させた後、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸フィルムとした。未延伸フィルムは安定に作成でき、得られたフィルムの物性は表6に示すとおりであり、透明性と柔軟性に優れたフィルムが得られた。
(実施例15)
芳香族ポリエステルとして前記したPET/Iを用い、脂肪族−芳香族ポリエステルとして前記した共重合ポリエステル6を用い、PET/Iと共重合ポリエステル6とを、80wt%、20wt%の割合で混合して、さらに、この樹脂混合物100重量部に対しp−トルエンスルホン酸を2重量部添加した後、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させ、吐出孔から吐出後のガットをすぐに氷水中で急冷し、表5に記載の物性を有する共重合ポリエステルを作製した。
また、前記したPET/Iと共重合ポリエステル6とを、80wt%、20wt%の割合で混合して、さらに、この樹脂混合物100重量部に対しp−トルエンスルホン酸を2重量部添加した後、ベント式異方向二軸押出機(ベント部3ヶ所、L/D=42)に供給し、260℃で加熱しながら真空ベント部2ヶ所および短管を通過させた後、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸フィルムとした。未延伸フィルムは安定に作成でき、得られたフィルムの物性は表6に示すとおりであり、製膜安定性、透明性に優れたフィルムが得られた。
Figure 2006048927
Figure 2006048927
(比較例1)
前記した共重合ポリエステル14を用いた以外は実施例2と同様にして製膜を行ったが、ゲル化による増粘が起こり、フィルムを得ることができなかった。
(比較例2)
前記した共重合ポリエステル7を用いた以外は実施例2と同様にして製膜を行ったが、溶融ポリマーの粘度が低すぎて安定してフィルム化することができなかった。
本発明で得られる柔軟な共重合ポリエステルや柔軟フィルムは、柔軟性、透明性、易成形性等を必要とする工業材料、包装材料などの用途に好ましく用いることができる。

Claims (16)

  1. 脂肪酸二量体を15〜95重量%、脂肪酸三量体を5〜85重量%の割合で含有する脂肪酸もしくはその誘導体を含む酸成分と、グリコール成分とから合成される共重合ポリエステルであって、該共重合ポリエステルの溶融粘度が250℃で1000〜3000ポイズであることを特徴とする共重合ポリエステル。
  2. グリコール成分が1,4−ブタンジオールを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル。
  3. グリコール成分が、1,4−ブタンジオールと、エチレングリコール及び/又は1,3−プロパンジオールとを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル。
  4. 脂肪酸もしくはその誘導体中における脂肪酸二量体の含有量が70〜90重量%、脂肪酸三量体の含有量が10〜30重量%であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル。
  5. 酸成分が、脂肪酸もしくはその誘導体と、芳香族ジカルボン酸とを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル。
  6. 共重合ポリエステルを構成する繰り返し単位において、酸成分残基中の脂肪酸(誘導体)残基の含有量が1〜50モル%、芳香族ジカルボン酸残基の含有量が50〜99モル%であり、かつ、グリコール成分残基中の1,4−ブタンジオール残基の含有量が10〜100モル%であることを特徴とする請求項2記載の共重合ポリエステル。
  7. 脂肪酸もしくはその誘導体中に含まれる脂肪酸二量体が、ダイマー酸あるいはダイマー酸誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル。
  8. 相溶化剤を添加してなることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル。
  9. 相溶化剤が、ヒドロキシ基および/またはカルボキシル基と反応性を有する化合物であることを特徴とする請求項8に記載の共重合ポリエステル。
  10. 相溶化剤がビスオキサゾリンであることを特徴とする請求項9記載の共重合ポリエステル。
  11. 相溶化剤が有機酸であることを特徴とする請求項9記載の共重合ポリエステル。
  12. 有機酸がp−トルエンスルホン酸であることを特徴とする請求項11に記載の共重合ポリエステル。
  13. 芳香族ポリエステルと、脂肪酸もしくはその誘導体を共重合させてなる脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとを溶融混練することにより請求項1に記載の共重合ポリエステルを製造することを特徴とする共重合ポリエステルの製造方法。
  14. 芳香族ポリエステルの構成成分が主として、テレフタル酸残基および/またはイソフタル酸残基と、エチレングリコール残基、1,3−プロパンジオール残基、及び1,4−ブタンジオール残基の群から選ばれる少なくとも一種からなり、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの構成成分が主として、テレフタル酸残基と脂肪酸もしくはその誘導体の残基と、エチレングリコール残基、1,3−プロパンジオール残基、及び1,4−ブタンジオール残基の群から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項13に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  15. 芳香族ポリエステルの構成成分が主として、テレフタル酸残基および/またはイソフタル酸残基とエチレングリコール残基からなり、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルの構成成分が主として、テレフタル酸残基と脂肪酸もしくはその誘導体の残基と1,4−ブタンジオール残基であることを特徴とする請求項13に記載の共重合ポリエステルの製造方法。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載の共重合ポリエステルを用いてなるポリエステルフィルム。
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