JP4332282B2 - ポリエステルシート - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、ポリエステル樹脂と熱可塑性樹脂とのブロック共重合体からなるポリエステル樹脂からなるポリエステルシートに関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、芳香族ポリエステル樹脂20〜80質量%と熱可塑性ポリエステル樹脂80〜20質量%とのブロック重合体からなる新規なポリエステル樹脂からなる、柔軟性を有し、透明性、機械特性に優れたポリエステルシートに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来、塩化ビニル樹脂は柔軟剤等の添加剤を配合することにより物性をコントロールし易いことから、軟質材料用途に広く使用されてきたが、可塑剤や金属系安定剤等の添加物による人体への影響が指摘され、特にその焼却はダイオキシンの発生原因の一つと考えられており、環境や衛生面で大きな社会問題となっていることは周知である。
【0003】
一方、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールのポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするポリエステル−ポリエーテル型のブロック共重合体は、耐寒性、耐熱性、耐油性、機械特性など種々の性質に優れ、その成形品においても残留モノマーや添加剤による影響の心配が少なく、衛生性、安全性に優れていることから、シート、フィルムなどの産業用資材として利用されつつあるが、柔軟性において十分な特性を備えているとはいえない。特開平11−106496号公報では脂肪族ポリエステルを混練し、柔軟性を付与する方法が提案されているが、混練によるエステル交換のため、熱履歴が異なると均質な物性をもつ樹脂が得られ難いという欠点がある。
【0004】
また、特開平11−166045号公報では高分子量ポリアルキレングリコールを共重合する方法が提案されているが、短鎖エステル単位を50重量%以上含有しているため柔軟性を確保する事が難しく、ポリアルキレングリコール単位の結晶性によってシートの白化が起るという問題点がある。
さらに、一般にポリエステルへの添加剤のコンパウンドによる柔軟性の改質では、柔軟性成分としてゴム材料を添加する方法がとられているが、ゴム材料とポリエステルとの相溶性が低いため、分散粒子径のコントロールが難しく、また、柔軟性を発現させるためには相当量のゴム材料を添加する必要があるため、成形後のブリードアウト等が起こり易く外観を損う等の欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の如き状況下に鑑みてなされたものでその目的は、従来のポリエステルシートの特性の改善、特に透明性、柔軟性、機械特性に優れたポリエステルシートの開発にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(A)芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含む酸成分とアルコール成分とからなり、結晶融解熱量(ΔHc)が下記(1)式を満たす芳香族ポリエステル樹脂の20〜80質量%と、(B)ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸、又はフタル酸と、炭素数2〜12の水酸基末端の脂肪族化合物とのエステル化物であって、数平均分子量が500〜2000であり、末端カルボキシル基が5KOHmg/g以下、25℃での屈折率が1.460以上1.470未満、軟化温度が−35〜15℃の範囲にある熱可塑性ポリエステル樹脂の80〜20質量%とからなるブロック共重合体であって、25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂からなるポリエステルシートに関するものである。
0 ≦ ΔHc ≦ 20 (1)
(ΔHcは、示差走査熱量分析の融解ピークより求めた結晶融解熱量で単位はJ/gである)さらに、該ポリエステルシートを50℃、95%RH、60時間の条件で処理した後のヘイズ値が2以下であるポリエステルシートに関するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)結晶融解熱量(ΔHc)が上記(1)式を満たす芳香族ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4もしくは2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸単位を主とするジカルボン酸単位とエチレングリコールを主とし、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の単独あるいは混合物や、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,1−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、さらに下記一般式(2)で表されるアルコール成分、及びこれらの誘導体のエチレンオキサイド付加物等のグリコール単位とからなるポリエステルが挙げられる。
【0008】
【化1】
(式中、Xは−CH2−、>C(CH3)2、>C(CF3)2、−O−、−S−、又は>SO2を示し、R及びR’は水素又はC1〜C5のアルキル基を示し、n及びmは、1≦n+m≦4を満足する数である。)樹脂組成物。
【0009】
上記一般式(2)で表される化合物のうち、Xが>C(CH3)2で示される構造を有するビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が好ましい。m及びnについてはその和が4よりも大きくなると、耐熱性が低下する傾向がある。
また、本発明のポリエステル樹脂をシート状に成形した場合、特に透明性を向上させるためには、テレフタル酸以外のジカルボン酸単位を5〜35モル%を共重合させたポリエステル樹脂が好ましい。
【0010】
本発明のポリエステル樹脂としては芳香族ジカルボン酸単位が全酸成分中80モル%以上含有されていることが好ましく、さらに好ましくは85モル%以上含有されていることである。これは芳香族ジカルボン酸単位が80モル%未満であると成形品の機械的強度が低下する恐れがあり、また生産性も低下するためである。上記芳香族ジカルボン酸以外の酸成分として脂肪族ジカルボン酸単位を全酸成分中に20モル%未満、好ましくは15モル%未満の範囲で含有させることができる。これは20モル%以上含有させると成形品の機械的強度の低下を招く恐れがあるためである。本発明で使用される脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等が挙げられる。
【0011】
さらに本発明の(A)成分には、3価以上の多価カルボン酸及び多価アルコールを含有することができ、具体例としてはトリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物等の多価カルボン酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。好ましい含有量としては、0.05〜2モル%の範囲が好ましい。この範囲よりも低いと配合の効果がなく、高い場合はゲル化により反応の制御が難しい傾向にある。より好ましくは、0.1〜1モル%の範囲である。
また、(A)成分の示差走査熱量分析(DSC)の融解ピークより求めた結晶融解熱量は、0〜20J/gの範囲にあることが望ましい。結晶融解熱量が20J/gを超えると、成形品の外観が低下する傾向にある。
【0012】
他方、本発明の(B)成分の末端カルボキシル基が5KOHmg/g以下、25℃での屈折率が1.460以上1.470未満、軟化温度が−35〜15℃の範囲にある熱可塑性樹脂は、数平均分子量500〜2000のドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸や、フタル酸と炭素数2〜12の水酸基末端の脂肪族化合物とのエステル化物である。
【0013】
(B)成分の末端カルボキシル基が5KOHmg/gを超えると、成形品の経時変化による機械物性低下が起こる傾向にある。
また、(B)成分の25℃での屈折率が1.460以上1.470未満であることが望ましい。1.460未満であると成形品の外観が、他方1.470以上では柔軟性がそれぞれ低下する傾向にある。
さらに、(B)成分の軟化温度が−35℃未満であると成形品の耐熱性低下が起こる傾向にあり、15℃以上では(A)成分との相溶性が低く機械特性が低下する傾向にある。
【0014】
本発明のポリエステル樹脂中の(A)成分、(B)成分の好ましい含有割合は、(A)成分20〜80質量%に対し、(B)成分80〜20質量%である。より好ましくは、(A)成分30〜70質量%に対し、(B)成分70〜30質量%である。(A)成分の含有割合が80質量%を超えると柔軟性が劣るようになり、20質量%未満であると熱安定性が低下し、ブロック化反応が停滞したり、成形品の機械特性が低下する傾向にある。
【0015】
次に本発明のポリエステル樹脂を得る方法としては、公知の直接重合法やエステル交換法等により製造することでき、重合度としては、25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.5dl/gの重合度であることが好ましい。0.6dl/gよりも小さいと粘度が低く、成形時のロスが大きい傾向にある。また、1.5dl/gを超えると押出時の負荷が大きく十分な吐出量が得られず、成形品の外観を損なう可能性がある。
【0016】
本発明のポリエステルシートを製造するには、通常のポリエステルシートの製造法に従い、前記ポリエステル樹脂を乾燥後、150〜300℃の温度でT-ダイより溶融押出し、表面温度が5〜50℃のキャスティングドラム上に、厚さ20〜2000μmのシートを形成させる方法の他、カレンダー法等によってもよい。このようにして得られたポリエステルシートは、50℃、95%RH、60時間の条件で処理した後のヘイズ値が2以下であることにより柔軟性と透明性を保持しながらシートの所要の強度及び性能を確保することができる。
本発明のポリエステルシートの厚みは特に限定されないが、通常20〜2000μmの範囲で選ばれる。
【0017】
本発明のポリエステル樹脂を使用した成形品に、さらに特定の性能を付与するために従来公知の各種加工処理を施したり、適当な添加剤を配合することができる。加工処理の例としては、紫外線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属の蒸着等が挙げられる。添加剤の例としては、ポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等の樹脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、アンチブロッキング剤、易シール剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられる。
次に、実施例、製造例及び比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでないことは勿論である。
【0018】
【実施例】
各例中のΔHc、極限粘度、柔軟性等は、下記の方法によったものである。
ΔHc;DSC測定装置(島津製作所製)を用い、窒素気流下に280℃で5分間保持した後、−30℃に急冷した後、10℃/min.の昇温速度で280℃まで昇温してその際の融解ピークの温度と熱量を算出した。
極限粘度;25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定した。
柔軟性;ASTM−K7215に準じてショアD表面硬度を測定した。なお、ショアD硬度は単位をもたない。
【0019】
透明性;40mmφ単軸押出機を使用して得た2mmシートを日本電色 ヘイズメーターにより、製膜直後と、50℃、95%RH、5時間の条件で処理した後について測定した。
引張強度;ASTM−D638に準拠して測定した。
成形性;キャピログラフ(東洋精機製作所)を使用して、270℃、せん断速度60sec.−1、L/D=10で押出されたストランドが400mmに到達する時間[sec.]を測定し、成形性の指標とした。
【0020】
[製造例1]
テレフタル酸を3.51kgと、イソフタル酸を0.65kgと、エチレングリコールを2.42kgとを反応容器に入れ、190〜225℃で3時間加熱攪拌してエステル化反応を行った。ついで260℃に昇温し、重合触媒として三酸化アンチモン1.5gを添加して重合反応を進行させた。得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.74、ΔHc=16であった。
【0021】
[製造例2]
テレフタル酸を3.85kgと、エチレングリコールを1.73kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノールを1.00kgと、三酸化アンチモン1.3gとを用い実施例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.79、融解ピークは認められなかった。
【0022】
[製造例3]
テレフタル酸を4.00kgと、エチレングリコールを1.80kgと、1,4−ブタンジオールを325.6gと、1,4−シクロヘキサンジメタノールを521.1gと、トリメチロールプロパンを16.2gと、三酸化アンチモンを1.4gとを用い実施例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.90、融解ピークは不明確でΔHc=2.6であった。
【0023】
[製造例4]
テレフタル酸を4.32kgと、エチレングリコールを2.42kgと、三酸化アンチモンを1.5gとを用い実施例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.68、ΔHc=35.2であった。
【0024】
[製造例5]
テレフタル酸を3.02kgと、イソフタル酸を1.29kgと、エチレングリコールを2.42kgと、トリメチロールプロパンを10.46gと、三酸化アンチモン1.5gとを用い実施例1と同様にして得られたポリエステル樹脂は極限粘度[η]=0.82、融解ピークは認められなかった。
【0025】
[実施例1]
製造例1のポリエステル樹脂を3.5kgと、末端カルボキシル基が0.1KOHmg/g、25℃での屈折率が1.463、軟化温度が−25℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−1200、大日本インキ化学工業(株)製)を1.5kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=0.91であった。この樹脂を成形し評価した結果を表1に示す。
【0026】
[実施例2]
製造例2のポリエステル樹脂を3.5kgと、末端カルボキシル基が0.1KOHmg/g、25℃での屈折率が1.463、軟化温度が−25℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−1200、大日本インキ化学工業(株)製)を1.5kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=1.00であった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0027】
[実施例3]
製造例2のポリエステル樹脂を2.0kgと、末端カルボキシル基が0.1KOHmg/g、25℃での屈折率が1.463、軟化温度が−25℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−1200、大日本インキ化学工業(株)製)を3.0kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=1.22であった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0028】
[実施例4]
製造例3のポリエステル樹脂を3.75kgと、末端カルボキシル基が0.6KOHmg/g、25℃での屈折率が1.469、軟化温度が14℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−4000、大日本インキ化学工業(株)製)を1.25kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=1.07であった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0029】
[比較例1]
製造例4のポリエステル樹脂を3.5kgと、末端カルボキシル基が0.1KOHmg/g、25℃での屈折率が1.463、軟化温度が−25℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−1200、大日本インキ化学工業(株)製)を1.5kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=0.95であった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0030】
[比較例2]
製造例5のポリエステル樹脂を4.75kgと、末端カルボキシル基が0.1KOHmg/g、25℃での屈折率が1.463、軟化温度が−25℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−1200、大日本インキ化学工業(株)製)を0.25kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=0.86であった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0031】
[比較例3]
製造例5のポリエステル樹脂を0.25kgと、末端カルボキシル基が0.1KOHmg/g、25℃での屈折率が1.463、軟化温度が−25℃である、アジピン酸含有熱可塑性樹脂(W−1200、大日本インキ化学工業(株)製)を4.75kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=1.48であった。この樹脂は粘着性であり、成形品として評価できなかった。
【0032】
[比較例4]
製造例5のポリエステル樹脂を2.5kgと、末端カルボキシル基が194KOHmg/g、25℃での屈折率が1.479、軟化温度が0℃である、脂肪酸含有熱可塑性樹脂(P−1009、ユニケマ(株)製)を2.5kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、極限粘度[η]=1.26であった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0033】
[比較例5]
製造例5のポリエステル樹脂を2.5kgと、末端カルボキシル基が0KOHmg/g、25℃での屈折率が1.505、軟化温度が−30℃である、ジメチルポリシロキサン(KF−54、信越化学工業(株)製)を2.5kgとを減圧下溶融混練し、ブロック共重合体を得た。得られた樹脂は、不溶分があり極限粘度は測定できなかった。この樹脂を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るポリエステル樹脂より成形されたポリエステルシートは、従来のポリエステル樹脂の持つ優れた特性を維持したうえで、柔軟性、透明性においては向上しており、さらに引っ張り強度、成形性においても優れた特性を有している。従って本発明のポリエステルシートは、軟質透明シート、表面保護材、建材、内装部品等広い分野での利用が期待される。
Claims (2)
- (A)芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含む酸成分とアルコール成分とからなり、結晶融解熱量(ΔHc)が下記(1)式を満たす芳香族ポリエステル樹脂の20〜80質量%と、
(B)ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、コハク酸、又はフタル酸と、炭素数2〜12の水酸基末端の脂肪族化合物とのエステル化物であって、
数平均分子量が500〜2000であり、
末端カルボキシル基が5KOHmg/g以下、25℃での屈折率が1.460以上1.470未満、軟化温度が−35〜15℃の範囲にある熱可塑性ポリエステル樹脂の80〜20質量%と
からなるブロック共重合体であって、
25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂からなるポリエステルシート。
0 ≦ ΔHc ≦ 20 (1)
(ΔHcは、示差走査熱量分析の融解ピークより求めた結晶融解熱量で単位はJ/gである) - 請求項1記載のポリエステルシートであって、該ポリエステルシートを50℃、95%RH、60時間の条件で処理した後のヘイズ値が2以下であることを特徴とするポリエステルシート。
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