JP2003171541A - 透明耐熱軟質ポリエステル製成形体 - Google Patents

透明耐熱軟質ポリエステル製成形体

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JP2003171541A
JP2003171541A JP2001372386A JP2001372386A JP2003171541A JP 2003171541 A JP2003171541 A JP 2003171541A JP 2001372386 A JP2001372386 A JP 2001372386A JP 2001372386 A JP2001372386 A JP 2001372386A JP 2003171541 A JP2003171541 A JP 2003171541A
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Japan
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polyester resin
glycol
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polyester
unit
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JP2001372386A
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Jun Yoshida
純 吉田
Shuji Ishiwatari
修二 石渡
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な柔軟性、耐熱性及び透明性を有するポ
リエステルシートを提供することを目的とする。 【解決手段】 (A)テレフタル酸単位を主成分とするジ
カルボン酸成分と、テトラメチレングリコール単位を主
成分とし、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエー
テルグリコール成分を含むグリコール成分とからなるポ
リエステル樹脂、(B)テレフタル酸単位を主成分とする
ジカルボン酸成分と、エチレングリコール単位を主成分
とし、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテル
グリコール成分を含むグリコール成分とからなるポリエ
ステル樹脂;及び、(C) テレフタル酸単位を主成分と
するジカルボン酸成分と、エチレングリコール単位を主
成分とし、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエー
テルグリコール成分を含まないグリコール成分とからな
るポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂組成物
からなるポリエステル樹脂層を有するポリエステルシー
トを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルシー
トに関するものである。特に、本発明は、食品容器、自
動車内装材等に使用される耐熱性と柔軟性及び透明性を
有するポリエステルシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、特に機械的強度及
び耐熱性の面において優れた物性を有するため、食品容
器、自動車機構部品等に利用されてきた。さらに、最近
では塩化ビニル樹脂の代替材料として、ポリエステル樹
脂にソフトセグメントを導入し柔軟化したポリエステル
エラストマーが開発されている(特開平8−28355
1号、特開平6−99453号等)。 しかし、ポリエステルエラストマーのガラス転移点は、
67〜81℃であるため、耐熱性に乏しく、また、結晶
性を有するために不透明であるという問題点があった。
そこで、透明性、柔軟性及び耐熱性を併せ持つポリエス
テル材料を提供することを目的として検討をおこなった
結果、特定の2種類のポリエステル樹脂からなる層を有
するポリエステルシートに関する特願2000−235
608号に示す発明に至った。本件は、さらに、耐熱性
及び柔軟性を改良するべく、上記2種類のポリエステル
樹脂の双方に特定のポリエーテルグリコールを添加する
ことにより上記目的をより達成することができるとの見
知に基づき、開発されたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、良
好な柔軟性、耐熱性及び透明性を有するポリエステルシ
ートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々検討を行った結果、下記のポリエステ
ル樹脂組成物から得られたシートが、上記課題を解決す
ることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、(A)テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸
成分と、テトラメチレングリコール単位を主成分とする
グリコール成分とからなるポリエステル樹脂20〜80
質量部、但し、前記ジカルボン酸成分に対する前記テレ
フタル酸単位以外のジカルボン酸成分の含有量と、前記
グリコール成分に対する前記テトラメチレングリコール
単位以外のグリコール成分の含有量との合計が3〜20
モル%であり、前記グリコール成分に対する、単位モノ
マー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリコール成分
の含有量が0.5〜6モル%であり、前記ポリエステル
樹脂の、フェノール/1,1,2,2-テトラクロルエタン等量
混合溶媒中での25℃における固有粘度が、0.55〜
1.40dl/gである;(B)テレフタル酸単位を主成
分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール単位
を主成分とするグリコール成分とからなるポリエステル
樹脂20〜80質量部、但し、前記ジカルボン酸成分に
対する前記テレフタル酸単位以外のジカルボン酸成分の
含有量と、前記グリコール成分に対する前記エチレング
リコール単位以外のグリコール成分の含有量との合計が
10〜50モル%であり、前記グリコール成分に対す
る、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテルグ
リコール成分の含有量が1〜8モル%であり、前記ポリ
エステル樹脂の、フェノール/1,1,2,2-テトラクロルエ
タン等量混合溶媒中での25℃における固有粘度が、
0.55〜1.40dl/gである;及び、(C) テレフ
タル酸単位を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレ
ングリコール単位を主成分とするグリコール成分とから
なるポリエステル樹脂0〜50質量部、但し、前記グリ
コール成分中に単位モノマー中の炭素数が2以上のポリ
エーテルグリコール成分を含まず、前記ポリエステル樹
脂の、フェノール/1,1,2,2-テトラクロルエタン等量混
合溶媒中での25℃における固有粘度が、0.55〜
1.40dl/gである;を含有するポリエステル樹脂
組成物からなるポリエステル樹脂層を有することを特徴
とする、ポリエステルシートを提供するものである。ま
た、本発明は、前記(A)乃至(C)成分の少なくとも1つ
が、イソフタル酸、ジエチレングリコール及び1,4−
シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少
なくとも1種を含有する、上記ポリエステルシートを提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルシートは、
ポリエステル樹脂(A)と、ポリエステル樹脂(B)
と、ポリエステル樹脂(C)とを含有するポリエステル樹
脂組成物からなるポリエステル樹脂層を有することを特
徴とする。以下、詳細に説明する。 (1)ポリエステル樹脂組成物 (1-1)ポリエステル樹脂(A) 本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸
成分とグリコール成分とからなる。該ジカルボン酸成分
は、テレフタル酸単位を主成分とする。ここでいう「主
成分とする」とは、例えば、テレフタル酸単位が、前記
ジカルボン酸成分中に50モル%以上、好ましくは、6
0モル%以上、より好ましくは、70〜100モル%含
有することをいう。テレフタル酸が50モル%以上であ
れば、良好な機械的強度及び耐熱性を得られるために好
ましい。本発明におけるポリエステル樹脂(A)のグリコ
ール成分は、テトラメチレングリコール単位を主成分と
する。「主成分とする」とは、例えば、テトラメチレン
グリコールが、グリコール成分中に50モル%以上、好
ましくは、60モル%以上、より好ましくは、70〜9
9.5モル%含有することをいう。テトラメチレングリ
コールが50モル%以上であれば、良好な耐熱性を得る
ことができる。
【0006】前記テレフタル酸単位以外のジカルボン酸
成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、5−アルキルイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等のベンゼン環若しくはナフタレ
ン環に直接カルボシキル基を2つ有している芳香族ジカ
ルボン酸、その他p-(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,
4'−ジカルボキシフェニ−ル、4,4'−ジカルボキシベン
ゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニ−ル)エタン、
及びこれらのメチル、エチル、プロピル等のアルキルエ
ステル並びにこれらの混合物が挙げられる。前記テトラ
メチレングリコール単位以外のグリコール成分として
は、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のアル
キレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAエチレンオキサイド付加物等、又はこれ
らの混合物が挙げられる。
【0007】本発明におけるポリエステル樹脂(A)にお
いて、前記ジカルボン酸成分に対する前記テレフタル酸
単位以外のジカルボン酸成分の含有量と、前記グリコー
ル成分に対する前記テトラメチレングリコール単位以外
のグリコール成分の含有量との合計量(以下、ポリエス
テル樹脂(A)の「総変性量」とする。)は、3〜20モ
ル%、好ましくは、4〜15モル%、より好ましくは、
4〜12モル%であることが好適である。3モル%以上
であれば良好な加工性を示し、20モル%以下であれば
良好な結晶性、耐熱性、及び重合後のチップ取り出しの
容易性の面から好ましい。
【0008】前記テトラメチレングリコール以外のグリ
コール成分には、単位モノマー中の炭素数が2以上のポ
リエーテルグリコールが含まれる。該ポリエーテルグリ
コールには、例えば、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
又はこれらの共重合体等が挙げられ、好ましくは、ポリ
テトラメチレングリコールである。前記ポリエーテルグ
リコールの質量平均分子量は、例えば、450〜200
0、好ましくは500〜1500である。該質量平均分
子量が450以上であれば、ポリエステル樹脂の結晶性
が高くなり過ぎることもなく、2000以下であれば、
ポリエーテルグリコール自体の結晶性が高くなって透明
性が損なわれることもないので好適である。前記ポリエ
ーテルグリコールの含有量は、前記グリコール成分に対
して0.5〜6モル%、好ましくは1〜4モル%、より
好ましくは1〜3モル%である。0.5〜6モル%であ
ると良好な成形性、及び良好な成形時耐熱性を示す。
【0009】本発明におけるポリエステル樹脂(A)の固
有粘度は、0.55〜1.40dl/g、好ましくは、
0.7〜1.2dl/g、より好ましくは、0.8〜
1.2dl/gの範囲が好適である。該固有粘度は、本
発明におけるポリエステル樹脂(A)を、フェノールと1,
1,2,2-テトラクロルエタンとを質量比1:1で混合して
得た溶媒に溶解し、得られた溶液を、ウベローデ粘度計
を使用して、25℃で測定した値である。該固有粘度
は、0.55dl/g以上であれば、ポリエステル樹脂
(A)を重合した後のチップの取り出しが容易であり、良
好な耐衝撃性を示すので好ましく、また1.40dl/
g以下であれば、良好な重合性を示すので好ましい。
【0010】(1-2) ポリエステル樹脂(B) 本発明におけるポリエステル樹脂(B)は、ジカルボン酸
成分とグリコール成分とからなる。該ジカルボン酸成分
は、テレフタル酸単位を主成分とする。ここでいう「主
成分とする」とは、例えば、テレフタル酸が、前記ジカ
ルボン酸成分中に50モル%以上、好ましくは、70モ
ル%以上、より好ましくは、80モル%以上含有するこ
とをいう。テレフタル酸が50モル%以上であれば、機
械的強度や、熱的特性の面から好ましい。本発明におけ
るポリエステル樹脂(B)のグリコール成分は、エチレン
グリコール単位を主成分とする。「主成分とする」と
は、例えば、エチレングリコールが、グリコール成分中
に50モル%以上、好ましくは、70モル%以上、より
好ましくは、80〜100モル%含有することをいう。
エチレングリコールが50モル%以上であれば、良好な
耐熱性を保持することができる。
【0011】前記テレフタル酸単位以外のジカルボン酸
成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、5−アルキルイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等のベンゼン環若しくはナフタレ
ン環に直接カルボシキル基を2つ有している芳香族ジカ
ルボン酸、その他p-(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,
4'−ジカルボキシフェニール、4,4'−ジカルボキシベン
ゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニール)エタン、
及びこれらのメチル、エチル、プロピル等のアルキルエ
ステル並びにこれらの混合物が挙げられる。前記エチレ
ングリコール単位以外のグリコール成分としては、例え
ば、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、
テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、ビス
フェノールAエチレンオキサイド付加物等、又はこれら
の混合物が挙げられる。
【0012】また、本発明におけるポリエステル樹脂
(B)において、前記ジカルボン酸成分に対する前記テレ
フタル酸単位以外のジカルボン酸成分の含有量と、前記
ジカルボン酸成分に対する前記エチレングリコール単位
以外のグリコール成分の含有量との合計量(以下、ポリ
エステル樹脂(B)の「総変性量」とする。)は、10〜
50モル%、好ましくは、15〜50モル%、より好ま
しくは、20〜50モル%であることが好適である。1
0モル%以上であれば良好な透明性が低下することもな
く、50モル%以下であれば良好な耐熱性及び重合後の
チップ取り出しの容易性の面から好ましい。
【0013】前記エチレングリコール以外のグリコール
成分には、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエー
テルグリコールが含まれる。該ポリエーテルグリコール
には、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はこ
れらの共重合体等が挙げられる。熱安定性及び耐熱性の
面から好ましくは、ポリテトラメチレングリコールであ
る。前記ポリエーテルグリコールの質量平均分子量は、
例えば、450〜2000、好ましくは500〜150
0である。該質量平均分子量が450以上であれば、ポ
リエステル樹脂の結晶性が高くなり過ぎることもなく、
2000以下であれば、ポリエーテルグリコール自体の
結晶性が高くなって透明性が損なわれることもないので
好適である。前記ポリエーテルグリコールの含有量は、
前記グリコール成分に対して1〜8モル%、好ましくは
2〜7モル%、より好ましくは2〜6モル%である。1
〜8モル%であると、ポリエステル樹脂組成物の柔軟性
を向上することができる。上記ポリエーテルグリコール
は、好ましくは、上記ポリエステル樹脂(A)と同一のも
のが挙げられる。
【0014】本発明におけるポリエステル樹脂(B)の固
有粘度は、0.55〜1.40dl/g、好ましくは、
0.6〜1.3dl/g、より好ましくは、0.7〜
1.3dl/gの範囲が好適である。該固有粘度は、上
記ポリエステル樹脂(A)と同様の方法で測定された値で
ある。該固有粘度は、0.55dl/g以上であれば、
ポリエステル樹脂(B)を重合した後のチップの取り出し
が容易であり、良好な耐衝撃性を示すので好ましく、ま
た1.40dl/g以下であれば、良好な重合性を示す
ので好ましい。
【0015】(1-3)ポリエステル樹脂(C) 本発明のポリエステル樹脂組成物には、ポリエステル樹
脂(C)が含まれていてもよい。ポリエステル樹脂(C)
は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる。該
ジカルボン酸成分は、テレフタル酸単位を主成分とす
る。ここでいう「主成分とする」とは、例えば、テレフ
タル酸が、前記ジカルボン酸成分中に50モル%以上、
好ましくは、70モル%以上、より好ましくは、80モ
ル%以上含有することをいう。テレフタル酸が50モル
%以上であれば、機械的強度や、熱的特性の面から好ま
しい。本発明におけるポリエステル樹脂(C)のグリコー
ル成分は、エチレングリコール単位を主成分とする。
「主成分とする」とは、例えば、エチレングリコール
が、グリコール成分中に50モル%以上、好ましくは、
70モル%以上、より好ましくは、80モル%以上含有
することをいう。エチレングリコールが50モル%以上
であれば、良好な耐熱性を保持することができる。前記
テレフタル酸単位以外のジカルボン酸成分としては、例
えば、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、イソフタル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸等のベンゼン環若しくはナフタレン環に直接カル
ボシキル基を2つ有している芳香族ジカルボン酸、その
他p-(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,4'−ジカルボキ
シフェニール、4,4'−ジカルボキシベンゾフェノン、ビ
ス(4−カルボキシフェニール)エタン、及びこれらのメ
チル、エチル、プロピル等のアルキルエステル並びにこ
れらの混合物が挙げられる。好ましくは、上記ポリエス
テル樹脂(A)及び(B)と同一のものが挙げられる。前記
エチレングリコール単位以外のグリコール成分として
は、例えば、トリメチレングリコール、プロピレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6の
アルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物等、又
はこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、上記ポリ
エステル樹脂(B)と同一のものが挙げられる。但し、上
記グリコール成分中には、ポリエステル樹脂(B)と異な
り、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテルグ
リコール成分は含まれない。
【0016】本発明におけるポリエステル樹脂(C)の固
有粘度は、0.55〜1.40dl/g、好ましくは、
0.6〜1.3dl/g、より好ましくは、0.7〜
1.3dl/gの範囲が好適である。該固有粘度は、上
記ポリエステル樹脂(A)と同様の方法で測定された値で
ある。該固有粘度は、0.55dl/g以上であれば、
ポリエステル樹脂(C)を重合した後のチップの取り出し
が容易であり、良好な耐衝撃性を示すので好ましく、ま
た1.40dl/g以下であれば、良好な重合性を示す
ので好ましい。
【0017】(1-4)ポリエステル樹脂組成物の組成 本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、 前記ポリエステル樹脂(A)を20〜80質量部、好ま
しくは、25〜50質量部と、 前記ポリエステル樹脂(B)を20〜80質量部、好ま
しくは、25〜50質量部と、 前記ポリエステル樹脂(C)を0〜50質量部、好まし
くは、15〜50質量部とを、混合してなる樹脂組成物
である。ポリエステル樹脂(A)が20質量部以上であれ
ば耐熱性が低下することもなく、80質量部以下であれ
ば、成形後の透明性が低下することもないので好まし
い。ポリエステル樹脂(B)が20質量部以上であれば、
成形性が低下することもなく、80質量部以下であれ
ば、耐熱性が低下することもないので好ましい。また、
ポリエステル樹脂(C)が50質量部以下であれば、耐熱
性及び透明性が低下することもないので好ましい。
【0018】さらに、本発明におけるポリエステル樹脂
組成物は、必要に応じて酸化安定剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、帯電防止剤、滑剤、繊維状及び板状無機強化剤
等の添加剤、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリオレフィン樹脂等、他の配合物を含有し得
る。本発明のポリエステル樹脂組成物がこのような構成
をとることにより、成形後に良好な透明性を有すると共
に、80℃以上、好ましくは、140℃以上の耐熱温度
を有するポリエステル成形品を提供することができる。
【0019】(2)ポリエステルシート 本発明におけるポリエステルシートは、後述する公知の
方法により本発明におけるポリエステル樹脂組成物を製
膜したポリエステル樹脂層を含有する。更に、本発明に
おけるポリエステルシートは、任意に他の組成物からな
る1以上の層を含む。ここで、他の組成物としては、例
えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、
ポリオレフィン、本発明で用いるポリエステル樹脂以外
のポリエステル樹脂、及びこれらの混合物が挙げられ
る。本発明におけるポリエステルシートは、単層あるい
は多層でもよく、シール性、耐衝撃性等を改良した樹脂
を表層に使用することもできる。本発明におけるポリエ
ステルシートの膜厚は、特に限られるものではないが、
20μm〜1mm、好ましくは、100〜800μmの
範囲である。
【0020】(2)ポリエステル樹脂、ポリエステルシー
ト及びその成形品の製造方法 (2-1) ポリエステル樹脂の製造方法 本発明で使用されるポリエステル樹脂(A)〜(C)は、公
知のエステル交換法やエステル化法等の重合方法によっ
て製造される。ポリエステル樹脂(A)〜(C)は、いずれ
も同様の方法によって製造し得るので、以下、ポリエス
テル樹脂(A)を例にとって説明する。ポリエステル樹脂
(A)をエステル交換法で重合する場合、まず、テレフタ
ル酸のエステル形成性誘導体等のジカルボン酸成分とテ
トラメチレングリコール等のグリコール成分とを、モル
比で1:1.2〜1:1.6となるように反応容器内に
仕込む。さらに、他のグリコール成分として単位モノマ
ー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリコールを加
え、テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル−4−ヒド
ロキシハイドロシンナメート)]メタン等の酸化安定剤を
加える。これを、テトラブトキシチタン等の触媒の存在
下で150〜220℃まで2〜5時間かけて徐々に加熱
して十分にエステル交換反応を行う。その後、大気圧の
状態を0Paとした大気圧基準で−99kPa以下の減
圧下で230〜290℃に加熱し、2〜5時間縮合重合
することによって、本発明におけるポリエステル樹脂
(A)が得られる。
【0021】また、エステル化法による場合、テレフタ
ル酸等のジカルボン酸成分とテトラメチレングリコール
等のグリコール成分とをモル比で1:1.2〜1:1.
6となるように反応容器内に仕込む。さらに、炭素数2
以上のポリエーテルグリコール、及びテトラキス[メチ
レン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート)]メタン等の酸化安定剤を加え、窒素雰囲気
下で50〜500kPaに加圧した状態で150〜22
0℃まで2〜5時間かけて徐々に加熱して十分にエステ
ル化反応を行う。その後、大気圧の状態を0Paとした
大気圧基準で−99kPaの減圧下で230〜290℃
に加熱し、2〜5時間縮合重合することによって、本発
明におけるポリエステル樹脂(A)が得られる。
【0022】上記方法等により得られたポリエステル樹
脂は、ストランド状で水槽中に吐出し、ストランドカッ
ター等でチップ状に切断し、乾燥してチップに付着した
水分を取り除くことによって、チップ状のポリエステル
樹脂とし、本発明におけるポリエステルシートやポリエ
ステル成形品の材料として利用される。本発明における
ポリエステル樹脂の製造に使用される触媒には、エステ
ル交換触媒としては酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグ
ネシウム等が挙げられ、重合触媒としては三酸化アンチ
モン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、チタ
ンテトラブトキシド、ジブチルスズオキシド等が挙げら
れる。該触媒は、その種類にもよるが、一般的にジカル
ボン酸成分に対して20〜1000ppmの範囲で添加
される。
【0023】(2-2) ポリエステルシート及びその成形品
の製造方法 本発明におけるポリエステルシートは、押出法やカレン
ダー法等、あらゆる公知の方法により製造される。例え
ば、押出法では、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル
樹脂(B)とポリエステル樹脂(C)とのドライブレンド
物、又はこれらを押出製膜機により溶融混練した後チッ
プ化した樹脂組成物を、ギヤポンプ、Tダイ、チルロー
ル、巻き取り装置を備えた押出製膜機に投入し、一般的
な条件で製膜することで得られる。また、本発明におけ
る成形品は、ポリエステルシートを真空成形、圧空成形
法、真空圧空成形法、プレス成形法等の公知の方法で成
形することによって得られる。
【0024】(3)ポリエステルシートの特性 (3-1)全光線透過率 このようにして得られた本発明におけるポリエステルシ
ートの全光線透過率は、以下のような範囲にあることが
好ましい。すなわち、本発明のポリエステルシートの全
光線透過率は、ポリエステルシートが膜厚200μmで
ある場合、78%以上、好ましくは80%以上、より好
ましくは、81%以上であることが好適である。ここ
で、全光線透過率は、例えば、膜厚200μmのポリエ
ステルシート成形品50mm×50mmを試験片とし
て、JIS K7105に準拠して測定することができ
る。全光線透過率が80%以上であれば、ポリエステル
シートの透明性が十分に確保されるので好ましい。
【0025】(3-2)ショアA硬度 ショアA硬度は、以下のような範囲にあることが好まし
い。すなわち、ポリエステルシートを135℃で加熱成
形処理した後のポリエステルシート成形品のショアA硬
度は、70以下、好ましくは、68以下、より好ましく
は、67以下であることが好適である。ここで、ショア
A硬度は、例えば、JIS K7215に準拠して測定
することができる。ショアA硬度が70以下であれば、
本発明のポリエステルシートが、加熱成形処理された後
においても十分な強度を有するので好ましい。
【0026】(3-3)ヘーズ値 ヘーズ値の差、及びヘーズ値の変化は、以下のような範
囲にあることが好ましい。なお、各ヘーズ値は、例え
ば、JIS K7105に準拠して測定することができ
る。135℃で加熱成形処理する前の本発明のポリエス
テルシートのヘーズ値H0と、135℃で加熱成形処理
した後のポリエステルシート成形品のヘーズ値Hm
の、ポリエステルシートの厚さ当たりのヘーズ値の差
(即ち、初期ヘーズ差[mm/%]=(Hm−H0)/ポリエステ
ルシート膜厚[mm])が、10%/mm以下、好ましく
は、8%/mm以下、より好ましくは、6%/mm以下
であることが好適である。上記ヘーズ値の差が10%/
mm以下であれば、ポリエステルシート成形品とした後
の透明性が良好であるので好ましい。また、上記135
℃で加熱成形処理した後のポリエステルシート成形品
を、さらに80℃で30分加熱成形処理した場合と、1
40℃で30分加熱処理した場合、80℃で30分加熱
成形処理した場合のヘーズ値H80に対する、140℃で
30分加熱処理した場合のヘーズ値H140の変化(即ち、
ヘーズ変化[%]=(H140−H80)/H80×100)が20
%以下であることが好適である。上記ヘーズ値の変化が
20%以下であれば、透明性が十分であるので好まし
い。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。 (ポリエステル樹脂(A-1)の製造)ジメチルテレフタレー
ト(テレフタル酸単位に相当)95モル部、ジメチルイソ
フタレート(テレフタル酸単位以外のジカルボン酸成分
に相当)5モル部、テトラメチレングリコール(テトラメ
チレングリコール単位に相当)133.8モル部、1,
4−シクロヘキサンジメタノール(テトラメチレングリ
コール単位以外のグリコール成分に相当)5モル部、及
びポリテトラメチレングリコール(Mw=1000、単
位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリコー
ル成分に相当)1.2モル部を、精留塔及び攪拌装置を
備えた反応容器に入れた。さらに、酸化安定剤として、
テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ハイドロシンナメート)]メタンを、全ポリエステル樹脂
(A-1)の質量に対して0.25質量%となるように添加し
た。反応容器を140℃まで加熱した後、テトラブトキ
シチタンを酸成分(ジメチルテレフタレートとジメチル
イソフタレートの合計)に対して600ppm(1.5質
量%テトラメチレングリコール溶液として)入れた。こ
れを、攪拌しながら220℃まで3時間かけて徐々に昇
温し、生成するメタノールを留去しながらエステル交換
反応を行った。その後、生成物を重縮合用反応容器に移
し、大気圧の状態を0Paとした大気圧基準で約−99
kPa、245℃で3時間縮合重合を行い、所定の攪拌
トルクに至ったところで撹拌をやめ、ポリエステル樹脂
(A-1)を得た。得られたポリエステル樹脂は、ストラン
ド状で水槽中に吐出し、ストランドカッターでチップ状
に切断し、120℃で6時間真空乾燥してチップ状とし
た。
【0028】(ポリエステル樹脂(A-2)の製造)テトラメ
チレングリコールを132.6モル部、ポリテトラメチ
レングリコールを2.4モル部及びテトラキス[メチレ
ン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)]メタンを0.50質量%とした以外は、ポリエステ
ル樹脂(A-1)と同様にしてポリエステル樹脂(A-2)を得
た。 (ポリエステル樹脂(A-3)の製造)テトラメチレングリコ
ールを118.8モル部及び1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを20モル部とした以外は、ポリエステル樹
脂(A-1)と同様にしてポリエステル樹脂(A-3)を得た。 (ポリエステル樹脂(A-4)の製造)ジメチルテレフタレー
トを100モル部、テトラメチレングリコールを140
モル部とし、ジメチルイソフタレート、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコー
ル、及びテトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシハイドロシンナメート)]メタンを添加しない以
外は、ポリエステル樹脂(A-1)と同様にしてポリエステ
ル樹脂(A-4)を得た。なお、ポリエステル樹脂(A-4)は、
ポリエステル樹脂(A)の総変性量が0モル%であり、及
び単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリ
コール成分の含有量が0モル%であるので参考例であ
る。
【0029】(ポリエステル樹脂(A-5)の製造)テトラメ
チレングリコールを135モル部とし、ポリテトラメチ
レングリコール及びテトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを添
加しない以外は、ポリエステル樹脂(A-1)と同様にして
ポリエステル樹脂(A-5)を得た。なお、ポリエステル樹
脂(A-5)は、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエ
ーテルグリコール成分を含まないので参考例である。
【0030】(ポリエステル樹脂(B-1)の製造)テレフタ
ル酸(テレフタル酸単位に相当)100モル部、及びエチ
レングリコール(エチレングリコール単位に相当)114
モル部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(エチレ
ングリコール単位以外のグリコール成分に相当)30モ
ル部、及びポリテトラメチレングリコール(Mw=10
00、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテル
グリコール成分に相当)6モル部を、精留塔及び攪拌装
置を備えた反応容器に入れた。さらに、酸化安定剤とし
て、テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシハイドロシンナメート)]メタンを、全ポリエステル
樹脂(B-1)の質量に対して1.25質量%となるように添
加した。これを、400kPaの窒素雰囲気下で撹拌し
ながら260℃まで3時間かけて徐々に昇温し、生成す
る水を留去しながらエステル化を行った。その後、生成
物を重縮合用反応容器に移し、正リン酸をテレフタル酸
成分に対して30ppm(10質量%エチレングリコー
ル溶液として)添加した。5分後、重合触媒としてチタ
ンテトラブトキシドをテレフタル酸成分に対して700
ppm(1.5質量%エチレングリコール溶液として)
添加した。その後、重縮合反応容器に移し、大気圧の状
態を0Paとした大気圧基準で約−99kPa、285
℃で3時間縮合重合を行い、所定の攪拌トルクに至った
ところで、ポリエステル樹脂(B-1)を得た。得られたポ
リエステル樹脂は、ストランド状で水槽中に吐出し、ス
トランドカッターでチップ状に切断し、150℃で6時
間真空乾燥してチップ状とした。
【0031】(ポリエステル樹脂(B-2)の製造)エチレン
グリコールを117.6モル部及びポリテトラメチレン
グリコールを2.4モル部、及びテトラキス[メチレン
(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)]メタンを0.50質量%とし、重合触媒として二酸
化ゲルマニウムをテレフタル酸成分に対して550pp
m(1.5質量%エチレングリコール溶液として)添加
した以外は、ポリエステル樹脂(B-1)と同様にしてポリ
エステル樹脂(B-2)を得た。 (ポリエステル樹脂(B-3)の製造)エチレングリコールを
150モル部とし、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリテトラメチレングリコール及びテトラキス[メ
チレン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロシンナ
メート)]メタンを添加しない以外は、ポリエステル樹脂
(B-2)と同様にしてポリエステル樹脂(B-3)を得た。な
お、ポリエステル樹脂(B-3)は、単位モノマー中の炭素
数が2以上のポリエーテルグリコール成分の含有量が0
モル%であるので参考例である。 (ポリエステル樹脂(B-4)の製造)エチレングリコールを
120モル部とし、ポリテトラメチレングリコール及び
テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ハイドロシンナメート)]メタンを添加しない以外は、ポ
リエステル樹脂(B-2)と同様にしてポリエステル樹脂(B-
4)を得た。なお、ポリエステル樹脂(B-4)は、単位モノ
マー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリコール成分
の含有量が0モル%であるので参考例である。
【0032】(ポリエステル樹脂(C-1)の製造)テレフタ
ル酸を82モル部、イソフタル酸を18モル部、エチレ
ングリコールを150モル部とし、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール及び
テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ハイドロシンナメート)]メタンを添加せず、重合触媒と
して三酸化アンチモンを酸成分(テレフタル酸とイソフ
タル酸の合計)に対して450ppm(1.5質量%エ
チレングリコール溶液として)添加した以外は、ポリエ
ステル樹脂(B-1)と同様にしてポリエステル樹脂(C-1)を
得た。
【0033】上記ポリエステル樹脂(A)〜(C)の組成等
につき、以下の表1にまとめる。なお、表中の各成分の
含有量は、得られた各樹脂を熱分解ガスクロマトグラフ
ィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析して得
られた値である。
【表1】
【0034】(ポリエステルシートの製造) (実施例1)ポリエステル樹脂(A-1)40質量部と、ポリ
エステル樹脂(B-1)30質量部と、ポリエステル樹脂(C-
1)30質量部とをドライブレンドしてポリエステル樹脂
組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物を、押
出製膜機(サーモプラスチック工業(株)、40mm単軸押
出機)で、樹脂温度が260℃、チルロール温度が5℃
となるように製膜し、厚さ200μmのポリエステルシ
ートを得た。 (実施例2)ポリエステル樹脂(A-2)30質量部と、ポリ
エステル樹脂(B-1)40質量部と、ポリエステル樹脂(C-
1)30質量部とを、二軸押出機(池貝(株)、PCM3
0)により260℃で溶融混練し、その後ペレット化し
た。得られたペレットを前記押出製膜機で、樹脂温度が
260℃、チルロール温度が5℃となるように製膜し、
厚さ200μmのポリエステルシートを得た。 (実施例3)ポリエステル樹脂(A-3)30質量部と、ポリ
エステル樹脂(B-2)30質量部と、ポリエステル樹脂(C-
1)40質量部とをドライブレンドしてポリエステル樹脂
組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物を、前
記押出製膜機で樹脂温度が260℃、チルロール温度が
5℃となるように製膜し、厚さ200μmのポリエステ
ルシートを得た。
【0035】(実施例4)ポリエステル樹脂(A-2)40質
量部と、ポリエステル樹脂(B-1)30質量部と、ポリエ
ステル樹脂(C-1)30質量部とをドライブレンドしてポ
リエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹
脂組成物を、前記押出製膜機で、樹脂温度が260℃、
チルロール温度が5℃となるように製膜し、厚さ200
μmのポリエステルシートを得た。
【0036】(比較例1)ポリエステル樹脂(A-4)60質
量部と、ポリエステル樹脂(B-1)10質量部と、ポリエ
ステル樹脂(C-1)30質量部とをドライブレンドしてポ
リエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹
脂組成物を、前記押出製膜機で、樹脂温度が260℃、
チルロール温度が5℃となるように製膜し、厚さ200
μmのポリエステルシートを得た。 (比較例2)ポリエステル樹脂(A-5)60質量部と、ポリ
エステル樹脂(B-1)20質量部と、ポリエステル樹脂(C-
1)20質量部とをドライブレンドしてポリエステル樹脂
組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物を、前
記押出製膜機で、樹脂温度が260℃、チルロール温度
が5℃となるように製膜し、厚さ200μmのポリエス
テルシートを得た。 (比較例3)ポリエステル樹脂(A-2)30質量部と、ポリ
エステル樹脂(B-3)30質量部と、ポリエステル樹脂(C-
1)40質量部とをドライブレンドしてポリエステル樹脂
組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物を、前
記押出製膜機で、樹脂温度が280℃、チルロール温度
が5℃となるように製膜し、厚さ200μmのポリエス
テルシートを得た。 (比較例4)ポリエステル樹脂(A-2)10質量部と、ポリ
エステル樹脂(B-4)30質量部と、ポリエステル樹脂(C-
1)60質量部とをドライブレンドしてポリエステル樹脂
組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物を、前
記押出製膜機で、樹脂温度が260℃、チルロール温度
が5℃となるように製膜し、厚さ200μmのポリエス
テルシートを得た。
【0037】(成形品の製造)上記全実施例及び比較例の
ポリエステルシートを、さらに、真空成形機により、上
部径75mm、底部径63mm、高さ40mmのカップ
形状のポリエステルシート成形品を得た。このとき、金
型温度は135℃(実施例1〜4、比較例2〜4)又は1
25℃(比較例1)とした。シート加熱温度は、90℃
(実施例1、比較例1及び2)又は85℃(実施例2〜
4、比較例3及び4)であった。
【0038】(評価方法)上記実施例及び比較例で得られ
たポリエステルシート及びその成形品の物性を、以下の
ようにして測定した。 ・固有粘度 固有粘度は、前記ポリエステル樹脂の粉砕物を、フェノ
ールと1,1,2,2-テトラクロルエタンとを質量比1:1で
混合して得た溶媒に溶解し、得られた溶液をウベローデ
粘度計を使用して、25℃で測定した。 ・全光線透過率 上記膜厚200μmのポリエステルシートの全光線透過
率は、23℃、相対湿度50%Rhの調温、調湿下、J
IS K7105に準拠して測定した。 ・ショアA硬度 ポリエステルシートを135℃で加熱成形処理した後の
ポリエステルシート成形品のショアA硬度は、23℃、
相対湿度50%Rhの調温、調湿下、JISK7215
に準拠して測定した。
【0039】・ヘーズ フィルムの透明性を測定するため、ポリエステルシート
等のヘーズ値を、23℃、相対湿度50%Rhの調温、
調湿下、JIS K7105に準拠して測定した。ここ
で、ポリエステル樹脂組成物を押出製膜して得た前記膜
厚200μmのポリエステルシートのヘーズ値をH0
し、ポリエステルシートをさらに135℃で加熱成形処
理した後のポリエステルシート成形品のヘーズ値をHm
とし、135℃で加熱成形処理した後のポリエステルシ
ート成形品をさらに80℃で30分間加熱成形した後の
ヘーズ値をH80とし、上記135℃で加熱成形処理した
後のポリエステルシート成形品をさらに140℃で30
分間加熱成形した後のヘーズ値をH140とする。加熱成
形前の本発明のポリエステルシートと135℃で加熱成
形処理した後のポリエステルシート成形品のヘーズ値の
差(初期ヘーズ差)を、以下の式から求めた。 初期ヘーズ差[%/mm]=(Hm−H0)/ポリエステルシー
ト膜厚[mm] また、135℃で加熱成形処理した後のポリエステルシ
ート成形品を、さらに80℃で30分加熱成形処理した
場合と、140℃で30分加熱処理した場合の、80℃
で30分加熱成形処理した場合のヘーズ値に対する、1
40℃で30分加熱処理した場合のヘーズ値の変化(ヘ
ーズ変化)を、以下の式から求めた。 ヘーズ変化[%]=(H140−H80)/H80×100 また、求めたヘーズ変化は、以下の基準に従って評価し
た。 ○:ヘーズ変化が20%以下 ×:ヘーズ変化が20%を超える
【0040】上記実施例及び比較例で得られたポリエス
テル樹脂組成物の組成及びポリエステルシートの評価
を、以下の表2にまとめる。なお、比較例1〜4は、ポ
リエステル樹脂A又はBとして、単位モノマー中の炭素
数が2以上のポリエーテルグリコールを含まないポリエ
ステル樹脂(A-4)、(A-5)、(B-3)又は(B-4)を使用してい
るので比較例である。
【表2】表2 ポリエステルシート及びその成形品の物
*〜4*は、比較例。 A-4**、A-5**、B-3**、B-4**は、本発明のポリエステル
樹脂の要件を満たさない参考例。
【0041】表2から理解されるように、本発明のポリ
エステルシートは、良好な全光線透過率を示すことか
ら、ポリエステルシート成形品の原料としてのポリエス
テルシート自体が良好な透明性を有することがわかる。
また、初期ヘーズ変化が小さいことから、加熱成形して
ポリエステルシート成形品とした後でも、この透明性を
十分に維持できることがわかる。さらに、ヘーズ変化も
小さいことから、ポリエステルシート成形品を高温条件
下で使用した場合であっても、この透明性を十分に維持
できることがわかる。また、実施例のショアA硬度がい
ずれも70以下であることから、本発明のポリエステル
シートを加熱成形した後でも良好な柔軟性を維持できる
ことがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明における耐熱性ポ
リエステルシートは、良好な透明性、耐熱性及び強度を
有する。特に、本発明のポリエステルシートを原料とし
てその成形品を作成する場合であっても、良好な透明
性、耐熱性及び強度並びに柔軟性を維持できる。従っ
て、これらの特性が要求される自動車内装材、140℃
前後の耐熱性が要求される電子レンジ調理用容器にも十
分使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AA46 AA47X AA88 AF26 AF30 AF45 AH05 AH11 BA01 BB03 BB04 BB06 BC01 BC17 4J002 CF063 CF10W CF10X GG01 GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)テレフタル酸単位を主成分とするジカ
    ルボン酸成分と、テトラメチレングリコール単位を主成
    分とするグリコール成分とからなるポリエステル樹脂2
    0〜80質量部、 但し、 前記ジカルボン酸成分に対する前記テレフタル酸単位以
    外のジカルボン酸成分の含有量と、前記グリコール成分
    に対する前記テトラメチレングリコール単位以外のグリ
    コール成分の含有量との合計が3〜20モル%であり、 前記グリコール成分に対する、単位モノマー中の炭素数
    が2以上のポリエーテルグリコール成分の含有量が0.
    5〜6モル%であり、 前記ポリエステル樹脂の、フェノール/1,1,2,2-テトラ
    クロルエタン等量混合溶媒中での25℃における固有粘
    度が、0.55〜1.40dl/gである; (B)テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸成分
    と、エチレングリコール単位を主成分とするグリコール
    成分とからなるポリエステル樹脂20〜80質量部、 但し、 前記ジカルボン酸成分に対する前記テレフタル酸単位以
    外のジカルボン酸成分の含有量と、前記グリコール成分
    に対する前記エチレングリコール単位以外のグリコール
    成分の含有量との合計が10〜50モル%であり、 前記グリコール成分に対する、単位モノマー中の炭素数
    が2以上のポリエーテルグリコール成分の含有量が1〜
    8モル%であり、 前記ポリエステル樹脂の、フェノール/1,1,2,2-テトラ
    クロルエタン等量混合溶媒中での25℃における固有粘
    度が、0.55〜1.40dl/gである;及び、 (C)テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸成分
    と、エチレングリコール単位を主成分とするグリコール
    成分とからなるポリエステル樹脂0〜50質量部、 但し、前記グリコール成分中に単位モノマー中の炭素数
    が2以上のポリエーテルグリコール成分を含まず、 前記ポリエステル樹脂の、フェノール/1,1,2,2-テトラ
    クロルエタン等量混合溶媒中での25℃における固有粘
    度が、0.55〜1.40dl/gである;を含有する
    ポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層を
    有することを特徴とする、ポリエステルシート。
  2. 【請求項2】 前記(A)乃至(C)成分の少なくとも1つ
    が、イソフタル酸、ジエチレングリコール及び1,4−
    シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少
    なくとも1種を含有する、請求項1に記載のポリエステ
    ルシート。
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JP2009108214A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Achilles Corp カレンダー加工用樹脂組成物及びそれを用いた樹脂フィルム

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