JP2002356569A - ポリエステルシートおよびその成形品 - Google Patents

ポリエステルシートおよびその成形品

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JP2002356569A
JP2002356569A JP2001162452A JP2001162452A JP2002356569A JP 2002356569 A JP2002356569 A JP 2002356569A JP 2001162452 A JP2001162452 A JP 2001162452A JP 2001162452 A JP2001162452 A JP 2001162452A JP 2002356569 A JP2002356569 A JP 2002356569A
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sheet
polyester resin
polyester
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haze value
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JP2001162452A
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English (en)
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Shuji Ishiwatari
修二 石渡
Jun Yoshida
純 吉田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工後、または成形後に良好な透明性を有す
るとともに、耐熱性を有するポリエステルシートおよび
その成形品を提供すること。 【解決手段】 動的粘弾性のtanδピークトップ温度
が60℃以上、ピークトップ値が0.15〜0.50、
厚さ200μmでの初期ヘイズ値が20%以下および8
0℃で30分熱処理した後のヘイズ値に対する140℃
で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以下で
あるポリエステルシートおよびその成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルシー
トおよびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−トに代表され
るポリエステル樹脂は、機械特性、耐薬品性、透明性、
ガスバリヤー性等に優れるとともに、環境ホルモン等の
有害物質を排出する恐れがなく環境、人体への安全性も
高いことから、衣料、食品、医療等の種々の分野におい
て幅広く利用されている。その中でも特に、食品分野に
おいては、小型飲料用ボトルをはじめとして、ブリスタ
ーパックやカップ等、ポリエステル樹脂を成形して得ら
れる食品容器が急速に普及している。
【0003】ところで、食品容器では、内容物の高温殺
菌や、内容物の高温充填を行うためには80℃以上、電
子レンジで使用する場合には140℃程度の耐熱温度が
必要である。しかしながら、従来のポリエステル樹脂か
らなる食品容器の耐熱温度は50〜65℃程度と低く、
このため、高温充填が困難となり、食品の製造工程が複
雑化するという問題があり、ポリエステル樹脂の用途が
限定されていた。
【0004】そこで、従来からポリエステル樹脂の耐熱
性向上を目的として研究が行われてきている。
【0005】例えば、特開昭59−5019号公報に
は、成形時の金型温度をガラス転移温度以上とし、金型
内で結晶化させることによりポリエステル樹脂からなる
耐熱容器を製造する方法が開示されている。
【0006】しかしながら、特開昭59−5019号公
報に開示された方法では、金型内で結晶化させる必要が
あるため、成形サイクルが長く成形効率が低くなるとと
もに、結晶化による白化が著しく、さらに成形条件によ
って耐熱性が変化するため、所望の耐熱性を有する耐熱
容器を安定して製造することが困難である。
【0007】なお、上記用途に使用されるその他の樹脂
としてはポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられ
る。しかし、ポリスチレンは、モノマーやダイマー等低
分子量物の環境・人体への影響が懸念され、耐熱性につ
いても十分ではなく、また、食品容器としたときの、商
品陳列時の積み重ね荷重にも耐えうるだけの十分な強度
を有していないという問題点がある。ポリプロピレンに
ついてはガスバリヤー性が不十分なことがあり、そのた
め内容物を長期保存したい場合には適さず、またポリス
チレンと同様、耐熱性についても十分ではないという問
題点がある。そこで、衛生性やガスバリヤー性に優れた
ポリエステル樹脂の耐熱性改良を図ることが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加工
後、または成形後に良好な透明性を有するとともに、耐
熱性を有するポリエステルシートおよびその成形品を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、動的粘
弾性のtanδピークトップ温度が60℃以上、ピーク
トップ値が0.15〜0.50、厚さ200μmでの初
期ヘイズ値が20%以下および80℃で30分熱処理し
た後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後
のヘイズ値の変化が20%以下であるポリエステルシー
トおよびその成形品にある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルシートの動
的粘弾性のtanδピークトップ温度は60℃以上であ
る。より好ましくは65℃以上であり、さらに好ましく
は68℃以上である。動的粘弾性のtanδピークトッ
プの温度が60℃未満であると、透明性が不十分になる
ことがある。
【0011】本発明のポリエステルシートの動的粘弾性
のおよびピークトップ値は0.15〜0.50の範囲に
ある。より好ましくは0.25〜0.45の範囲であ
り、さらに好ましくは0.35〜0.45の範囲であ
る。ピークトップ値が、0.15未満であると透明性が
不足かつ成形性が劣り、0.50を超えると成形性が劣
る。
【0012】本発明のポリエステルシートの厚さ200
μmでの初期ヘイズ値は20%以下である。初期ヘイズ
値は、10%以下が好ましく、さらに好ましくは5%で
ある。初期ヘイズ値が20%を超えると容器とした時の
内容物視認性が劣る。
【0013】本発明のポリエステルシートの80℃で3
0分熱処理後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処
理後のヘイズ値の変化は20%以下である。また、ヘイ
ズ値の変化は10%以下が好ましく、さらに好ましくは
5%である。このヘイズ値の変化が20%を超えると、
電子レンジ加熱後等熱処理後の透明性が劣る。
【0014】本発明に使用されるポリエステル樹脂のジ
カルボン酸成分の例としては、アジピン酸、セバシン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のベ
ンゼン環もしくはナフタレン環に直接カルボシキル基を
2つ有している芳香族ジカルボン酸、その他p−(β−
オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−ジカルボキシフ
ェニ−ル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビ
ス(4−カルボキシフェニ−ル)エタンあるいはこれら
のメチル、エチル、プロピル等のアルキルエステルが挙
げられる。
【0015】本発明に使用されるポリエステル樹脂のグ
リコール成分の例としては、エチレングリコール、トリ
メチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、テトラメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコ−ル、ヘキサメ
チレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレングリコ
−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ−
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ビスフェノ
−ルAエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0016】本発明に使用されるポリエステル樹脂の例
としては、テレフタル酸、イソフタル酸をジカルボン酸
成分とし、テトラメチレングリコール、ポリエーテルグ
リコールをグリコール成分するポリエステル樹脂が挙げ
られ、他のポリエステル樹脂との混合物して使用される
こともある。
【0017】本発明に使用されるポリエステル樹脂の重
合は、公知のエステル交換法やエステル化法の重合方法
によって製造される。エステル交換法では、テトラメチ
レングリコ−ル等の全グリコール成分が、テレフタル酸
のエステル形成性誘導体等の、全酸成分に対してモル比
で1.2〜1.6倍となるように反応容器内に仕込み、
単位モノマー中の炭素数が2以上であるポリエーテルグ
リコールおよび、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t
-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メ
タン等の酸化安定剤を添加し、テトラブトキシチタン等
の触媒の存在下で150〜220℃まで徐々に加熱して
十分にエステル交換反応を行った後、−0.7kPa以
下の減圧下で230〜260℃に加熱し、2〜5時間縮
合重合した後、ストランド状で水槽中に吐出し、ストラ
ンドカッターにてチップ状にカットしたものを速やかに
乾燥してチップに付着した水分を取り除くことによっ
て、本発明に使用されるポリエステル樹脂を得ることが
できる。
【0018】また、エステル化法では、テトラメチレン
グリコ−ル等の全グリコール成分が、テレフタル酸等の
全酸成分に対してモル比で1.2〜1.6倍となるよう
に反応容器内に仕込み、単位モノマー中の炭素数が2以
上であるポリエーテルグリコールおよび、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハ
イドロシンナメート)]メタン等の酸化安定剤を添加
し、窒素で加圧した状態で徐々に150〜220℃まで
加熱して十分にエステル化反応を行った後、−0.7k
Pa以下の減圧下で230〜260℃に加熱し、2〜5
時間縮合重合した後、ストランド状で水槽中に吐出し、
ストランドカッターにてチップ状にカットしたものを速
やかに乾燥してチップに付着した水分を取り除くことに
よって、本発明に使用されるポリエステル樹脂を得るこ
とができる。
【0019】本発明に使用されるポリエステル樹脂を製
造する際に使用されるその他の触媒は、エステル交換触
媒として酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等
が挙げられ、重合触媒として三酸化アンチモン、二酸化
ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、チタンテトラブト
キシド、ジブチルスズオキシド等が挙げられ、全酸成分
に対して20〜1000ppmの範囲で添加される。
【0020】本発明のポリエステルシートまたは成形品
は、公知の手法により製造される。
【0021】ポリエステルシートは、押出法やカレンダ
ー法などにより製造され、例えば押出法ではポリエステ
ル樹脂単独や2種以上のポリエステル樹脂のドライブレ
ンド物、またはこれらを押出機により溶融混練した後チ
ップ化した樹脂組成物を、ギヤポンプ、Tダイ、冷却用
チルロール、巻き取り装置を備えた押出機に投入し、一
般的な条件にて製膜することで得ることができる。本発
明のポリエステルシートは、単層、多層どちらでも良
く、シール性、耐衝撃性等を改良した樹脂を表層に使用
することもできる。膜厚は特に限られるものではない
が、20μm〜1mm程度の範囲で実用的に使用され
る。また、成形品は、ポリエステルシートを公知の方法
にて真空、圧空、プレス成形するなどして得ることがで
きる。
【0022】本発明のポリエステル成形品の動的粘弾性
のtanδピークトップが60℃以上、ピークトップ値
が0.15〜0.40、80℃で30分熱処理後の収縮
率が2%以下および140℃で30分熱処理後の収縮率
が5%以下であることが好ましい。
【0023】ポリエステル成形品の動的粘弾性のtan
δピークトップが60℃未満の場合には、耐熱性が劣
る。ポリエステル成形品の動的粘弾性のtanδのピー
クトップ値が0.15未満の場合は、透明性が悪くな
り、0.4を超えると耐熱性が劣る。80℃で30分熱
処理後の収縮率が2%を超える場合には、耐熱性が劣
る。同様に、140℃で30分熱処理後の収縮率が5%
を超える場合には、耐熱性が劣る。
【0024】さらに本発明のポリエステルシートには、
必要に応じて酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯
電防止剤、滑剤、繊維状および板状無機強化剤等の添加
剤ならびにポリカ−ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−
ト、ポリオレフィン樹脂等、他の成分を配合することが
できる。
【0025】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。
【0026】
【実施例】ポリエステル樹脂(1) ジメチルテレフタレート(以下DMTとする)95モル
部、ジメチルイソフタレート5モル部((以下DMI)と
テトラメチレングリコ−ル(以下BDO)137.6モ
ル部、ポリテトラメチレングリコール(Mw:1000
;以下PTMG)を2.4モル部、テトラキス[メチ
レン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイド
ロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.50質量%
となるように添加し、220℃となったところでテトラ
ブトキシチタンを対酸成分に対して600ppm(1.
5質量%BDO溶液)を精留塔および攪拌装置を備えた
反応容器に入れ、攪拌を行いながら220℃まで徐々に
昇温した。留出するメタノールを系外に排出しながらエ
ステル交換反応を行った後、重縮合反応容器に移し真空
度−0.2kPa以下、245℃で3時間縮合重合を行
い所定の攪拌トルクに至ったところで、ストランド状で
水槽中に吐出したものを、ストランドカッターにてチッ
プ化し、これを所定の温度、時間にて乾燥してポリエス
テル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したと
ころ 1.04dl/gであった。
【0027】ポリエステル樹脂(2) DMT90モル部、DMI10モル部、BDO138.
8モル部、PTMG1.2モル部、テトラキス[メチレ
ン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート)]メタンを対ポリマー0.25質量%とした
以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリエス
テル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したと
ころ 0.98dl/gであった。
【0028】ポリエステル樹脂(3) DMT70モル部、DMI30モル部、BDO138.
8モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(2)と同様
にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘
度を測定したところ 0.97dl/gであった。
【0029】ポリエステル樹脂(4) DMT87モル部、DMI13モル部、BDO131.
9モル部、PTMG9.1モル部、テトラキス[メチレ
ン(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロ
シンナメート)]メタンを対ポリマー1.50質量%と
した以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリ
エステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定し
たところ 1.14dl/gであった。
【0030】ポリエステル樹脂(5) DMT100モル部、DMIを添加せず、BDO140
モル部、PTMGを添加せず、テトラキス[メチレン
(3,5−ジ−t-ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート)]メタンを添加せずとした以外は、ポリエ
ステル樹脂(1)と同様にしてポリエステル樹脂を得
た。これについて、固有粘度を測定したところ1.01
dl/gであった。
【0031】ポリエステル樹脂(6) テレフタル酸84モル部(以下TPA)、イソフタル酸
(以下IPA)16モル部、エチレングリコ−ル150
モル部(以下EG)を精留塔および攪拌装置を備えた反
応容器に入れ、攪拌を行いながら窒素で加圧した状態で
徐々に260℃まで昇温した。留出する水を系外に排出
しながらエステル化を行い、重縮合反応容器に移した
後、正リン酸を対酸成分にして30ppm(10質量%
EG溶液)添加した。5分経過後、重合触媒として3酸
化アンチモンを対酸成分にして350ppm(1.5質
量%EG溶液)添加し、重縮合反応容器に移し真空度−
0.2kPa以下、285℃で3時間縮合重合を行い所
定の攪拌トルクに至ったところで、ストランド状で水槽
中に吐出したものを、ストランドカッターにてチップ化
し、これを所定の温度、時間にて乾燥してポリエステル
樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ
0.77dl/gであった。
【0032】ポリエステル樹脂(7) TPA100モル部、IPAを添加せず、EG137モ
ル部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CH
DM) 13モル部とした以外はポリエステル樹脂(6)
と同様にして行った。これについて、固有粘度を測定し
たところ 0.76dl/gであった。
【0033】ポリエステル樹脂(8) TPA100モル部、IPAを添加せず、EG135モ
ル部、ネオペンチルグリコール(以下NPG) 15モル
部とした以外はポリエステル樹脂(6)と同様にして行
った。これについて、固有粘度を測定したところ 0.
78dl/gであった。
【0034】ポリエステル樹脂(9) TPA100モル部、IPAを添加せず、EG150モ
ル部とした以外はポリエステル樹脂(6)と同様にして
行った。これについて、固有粘度を測定したところ
0.78dl/gであった。
【0035】表1に、ポリエステル(1)〜(9)の組
成および固有粘度を示す。
【0036】
【表1】 (実施例1)ポリエステル樹脂(1)を、押出製膜機(サ
ーモプラスチック工業(株)、40mm単軸押出機)に
て樹脂温度250℃、チルロール温度25℃にて製膜
し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。シー
トのヘイズ値は処理後の変化が小さく良好であった。
【0037】さらにこのシートを真空成形機にて、シー
ト加熱温度75℃、金型温度140℃で、上部径63m
m、底部径41mm、高さ20mmのカップ形状の成形
品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮が小さく良好
であった。
【0038】(実施例2)ポリエステル樹脂(1)60質
量部と、ポリエステル樹脂(6)40質量部をドライブ
レンドした後、押出製膜機(サーモプラスチック工業
(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、チ
ルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポリ
エステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の変
化が小さく良好であった。
【0039】さらにこのシートを真空成形機にて、シー
ト加熱温度75℃、金型温度140℃で、実施例1と同
様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱
処理後の収縮が小さく良好であった。
【0040】(実施例3)ポリエステル樹脂(1)80質
量部と、ポリエステル樹脂(6)20質量部を二軸押出
機で250℃にて溶融混練した後ペレット化したもの
を、押出製膜機(サーモプラスチック工業(株)、40
mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、チルロール温度
25℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエステルシー
トを得た。シートのヘイズ値は処理後の変化が極めて小
さく良好であった。さらにこのシートを真空成形機に
て、シート加熱温度75℃、金型温度140℃で、実施
例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。成形品
は、処理後の収縮が極めて小さく良好であった。
【0041】(実施例4)ポリエステル樹脂(1)70質
量部と、ポリエステル樹脂(7)30質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、
チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポ
リエステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の
変化が極めて小さく良好であった。さらにこのシートを
真空成形機にて、シート加熱温度75℃、金型温度14
0℃で、実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得
た。成形品は、処理後の収縮が小さく良好であった。
【0042】(実施例5)ポリエステル樹脂(2)70質
量部と、ポリエステル樹脂(6)30質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、
チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポ
リエステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の
変化が極めて小さく良好であった。さらにこのシートを
真空成形機にて、シート加熱温度75℃、金型温度14
0℃で、実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得
た。成形品は、処理後の収縮が極めて小さく良好であっ
た。
【0043】(実施例6)ポリエステル樹脂(2)70質
量部と、ポリエステル樹脂(8)30質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、
チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポ
リエステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の
変化が極めて小さく良好であった。さらにこのシートを
真空成形機にて、シート加熱温度75℃、金型温度14
0℃で、実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得
た。成形品は、処理後の収縮が極めて小さく良好であっ
た。
【0044】(実施例7)イーストマンケミカル社製PE
TG#6763からのシート層に対して、実施例2のシ
ート層が1/4になるように比率を調整した押出製膜機
(サーモプラスチック工業(株)、40mm単軸押出
機)にて樹脂温250℃、チルロール温度25℃にて製
膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。シ
ートのヘイズ値は処理後の変化が小さく良好であった。
【0045】さらにこのシートを真空成形機にて、シー
ト加熱温度75℃、金型温度140℃で、実施例1と同
様にしてカップ形状の成形品を得た。成形品は、処理後
の収縮が小さく良好であった。
【0046】(比較例1)ポリエステル樹脂(5)を押出
製膜機(サーモプラスチック工業(株)、40mm単軸
押出機)にて樹脂温250℃、チルロール温度25℃に
て製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得
た。シートのヘイズ値は処理後の変化は小さく良好であ
ったが、tanδピークトップ値が低かった。さらにこ
のシートを真空成形機にて、シート加熱温度50℃、金
型温度140℃で、実施例1と同様にしてカップ形状の
成形品の成形を試みたが、伸度不足のため良好な成形品
を得ることはできなかった。
【0047】(比較例2)ポリエステル樹脂(5)60質
量部と、ポリエステル樹脂(9)40質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温280℃、
チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポ
リエステルシートを得た。シートのtanδピークトッ
プ値が高く、ヘイズ値は処理後の変化が大きかった。さ
らにこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度75
℃、金型温度140℃で、実施例1と同様にしてカップ
形状の成形を試みたが金型離型せず、金型温度を下げて
も良好な成形品を得ることはできなかった。
【0048】(比較例3)ポリエステル樹脂(5)70質
量部と、ポリエステル樹脂(9)30質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温280℃、
チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポ
リエステルシートを得た。シートのtanδピークトッ
プ温度が低く、ヘイズ値は処理後の変化が大きかった。
さらにこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度7
5℃、金型温度140℃で、実施例1と同様にしてカッ
プ形状の成形を試みたが、伸度不足のため良好な成形品
を得ることはできなかった。
【0049】(比較例4)ポリエステル樹脂(1)30質
量部と、ポリエステル樹脂(6)70質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、
チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポ
リエステルシートを得た。シートのtanδピークトッ
プ値が高く、ヘイズ値は処理後の変化が大きかった。さ
らにこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度80
℃、金型温度140℃で、実施例1と同様にしてカップ
形状の成形品を得た。成形品は、処理後の収縮が極めて
大きく容器として用をなすものではなかった。
【0050】(比較例5)ポリエステル樹脂(3)60質
量部と、ポリエステル樹脂(6)40質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、
チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリ
エステルシートを得た。シートのtanδピークトップ
値が高く、ヘイズ値は処理後の変化が大きかった。さら
にこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度75
℃、金型温度140℃で、実施例1と同様にしてカップ
形状の成形を試みたが金型離型せず、金型温度を下げて
も良好な成形品を得ることはできなかった。
【0051】(比較例6)ポリエステル樹脂(4)70質
量部と、ポリエステル樹脂(6)30質量部をドライブ
レンドしたものを、押出製膜機(サーモプラスチック工
業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、
チルロール温度5℃にて製膜し、厚さ200μmのポリ
エステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の変
化は小さく良好であったが、tanδピークトップ値が
低かった。さらにこのシートを真空成形機にて、シート
加熱温度75℃、金型温度140℃で、実施例1と同様
にしてカップ形状の成形を試みたが金型離型せず、金型
温度を下げても良好な成形品を得ることはできなかっ
た。
【0052】表2に実施例および比較例の評価結果を示
す。
【0053】
【表2】 [評価項目、評価方法]以下に、評価項目および評価方
法について説明する。
【0054】(樹脂組成分析)各ポリエステル樹脂につ
いて熱分解クロマトグラフィ−、およびアルカリ分解物
についての高速液体クロマトグラフィ−により、樹脂組
成について分析を行った結果を表1に示した。
【0055】(動的粘弾性)JIS K7244−4に
準拠し、セイコー電子工業(株)製DMS200を用い
て、ポリエステルシート(膜厚200μm)または成形
品底部を幅5mm、長さ40mmに切り出した試験片に
ついて、調温、調湿の後、10Hz、毎分2℃の昇温速度
にて、0℃から160℃まで測定を行い、得られたチャ
ートよりtanδのピークトップ値およびその温度を読
みとった。
【0056】(初期ヘイズ値、ヘイズ値の増加)JIS
K7105に準拠し、調温、調湿の後、23℃におい
て、初期値、80℃で30分熱処理後および140℃で
30分熱処理後のポリエステルシート(膜厚200μ
m)についてヘイズ値の測定を行った。
【0057】初期ヘイズ値は10%以下であったものを
良好な透明性を有していると判定した。
【0058】また、80℃で30分熱処理後のヘイズ値
に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変
化を算出し、下記の判定基準に基づいて判定を行った。
【0059】判定基準 ○ : 80℃で30分熱処理後のヘイズ値に対する14
0℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以
下であった。
【0060】× : 80℃で30分熱処理後のヘイズ値
に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変
化が20%より大きかった。
【0061】(収縮率)熱処理前のポリエステル成形品
と、80℃で30分熱処理後と140℃で30分熱処理
後のポリエステル成形品について、それぞれ、調温、調
湿の後、23℃において、水を完全に充填した時の容量
を処理前後について測定し、下記式に基づいて、収縮率
を算出した。
【0062】 「収縮率」= (「熱処理前の容量」 −「熱処理後の容量」) / 「熱処理 前の容量」 × 100・・・(1) 80℃での熱処理後については収縮率2%以下、140
℃の熱処理後については収縮率5%以下であったものを
耐熱性が良好であると判定した。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
良好な成形性を有し、成形後に良好な透明性を有および
耐熱性を有するポリエステルシート、およびポリエステ
ル成形品を提供することができる。
【0064】本発明のポリエステル成形品は、内容物の
高温殺菌や内容物の高温充填、電子レンジでの使用が可
能な食品容器として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動的粘弾性のtanδピークトップ温度
    が60℃以上、ピークトップ値が0.15〜0.50、
    厚さ200μmでの初期ヘイズ値が20%以下および8
    0℃で30分熱処理した後のヘイズ値に対する140℃
    で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以下で
    あるポリエステルシート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステルシートを熱
    成形して得られるポリエステル成形品であって、動的粘
    弾性のtanδピークトップが60℃以上、ピークトッ
    プ値が0.15〜0.40、80℃で30分熱処理後の
    収縮率が2%以下および140℃で30分熱処理後の収
    縮率が5%以下であることを特徴とするポリエステル成
    形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102706878A (zh) * 2012-06-07 2012-10-03 红塔塑胶(成都)有限公司 真空镀铝镭射bopp转移基膜在模压前的检验方法

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