JP2002356609A - ポリエステル樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びその成形体

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JP2002356609A
JP2002356609A JP2001164321A JP2001164321A JP2002356609A JP 2002356609 A JP2002356609 A JP 2002356609A JP 2001164321 A JP2001164321 A JP 2001164321A JP 2001164321 A JP2001164321 A JP 2001164321A JP 2002356609 A JP2002356609 A JP 2002356609A
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mol
acid
polyester resin
glycol
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JP2001164321A
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English (en)
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Makoto Tokumizu
眞 徳水
Hideki Kihara
英樹 木原
Jun Yoshida
純 吉田
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な透明性の経時安定性を有するポリエス
テル樹脂組成物及びこの組成物から成形されるシート状
成形体を提供すること。 【解決手段】(I)ポリエステル共重合体と(II)熱可
塑性樹脂とからなるポリエステル樹脂組成物であって、
(I)ポリエステル共重合体が、(A)芳香族ジカルボン酸
単位を80〜100mol%含む多価カルボン酸単位;及
び、(B)ポリアルキレングリコール単位を0.5〜15
mol%含む多価アルコール単位を含み、及び、テレフタ
ル酸単位以外のジカルボン酸単位の含有量と、エチレン
グリコール及びポリアルキレングリコール単位以外のグ
リコール単位の含有量との合計が20mol%以上であ
り、かつ、3価以上の多価カルボン酸単位の含有量と、
3価以上の多価アルコール単位の含有量との合計が0.
05〜2mol%であることを特徴とするポリエステル樹
脂組成物、及び、これを成形してなるシート状成形体を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル樹脂組
成物及びこのポリエステル樹脂組成物を成形してなるシ
ート状成形体に関するものである。特に、良好な柔軟性
を保持しつつ、長期にわたって透明性を保持できるポリ
エステル樹脂組成物及びシート状成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装材料、容器、建材及び内装部
品等に使用される樹脂及び樹脂シートの軟質材料とし
て、塩化ビニル樹脂が使用されてきた。しかし、塩化ビ
ニル樹脂は、焼却すると有害ガスを生成するという問題
点があった。また、重合されずに残った残留モノマーや
種々の添加剤が、塩化ビニル樹脂製品の成形時に製品か
ら滲出してくることがあった(ブリードアウト)。このブ
リードアウトは、製品の外観が損なわれるだけでなく、
滲出した可塑剤等が人体に悪影響を及ぼすために、食品
包装材料及び容器の用途としては、食品衛生上、あるい
は安全上問題となっていた。従って、塩化ビニル樹脂に
かわる軟質材料が強く要望されていた。このような代替
材料として、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールの
ポリエステルをハードセグメントとし、ポリエーテル
(質量平均分子量300〜40000)をソフトセグメン
トとするポリエステル−ポリエーテル型のブロック共重
合体が開発されている(特開平6−93095号公報
等)。このブロック共重合体は、耐寒性、耐熱性、耐油
性、機械強度など種々の性質に優れ、さらに成形時に滲
出する残留モノマーが少なく、有害な添加剤を加える必
要もないため、衛生面や安全面で優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリエステル
−ポリエーテル型のブロック共重合体の場合、柔軟性を
付与するために、ゴム材料を添加する必要がある。ゴム
材料は、このブロック共重合体と極めて相溶性が低いた
め、この相溶性を高めるためにゴム材料の分散粒子径を
コントロールする必要がある。しかしながら、ゴム材料
の分散粒子径をコントロールすることは非常に困難であ
った。また、このようなブロック共重合体は、柔軟性を
確実に付与させるために、過剰のゴム材料を添加する必
要があるが、余剰のゴム材料が成形されたブロック共重
合体からブリードアウトするため、外観保持性の問題は
なおも存在していた。また、柔軟性を付与するために、
上記ポリエステル−ポリエーテル型のブロック共重合体
のポリエーテルとしてより高分子量のポリアルキレング
リコール(数平均分子量4000)を使用することが提案
されている(特開平6−298918号公報)。しかし、
ポリアルキレングリコールが結晶性を有するため、得ら
れる製品の透明性が損なわれるという欠点があった。さ
らに、特開2000−302888号公報では、ポリエ
ステル中に含まれる3価以上の多価カルボン酸単位と3
価以上の多価アルコール成分を調節してポリエステルシ
ートの柔軟性を高める提案がなされている。しかし、こ
のポリエステルシート単独では、経時変化に対する透明
性が安定しなかった。従って、本発明の目的は、良好な
柔軟性及び透明性を保持しつつ、透明性の経時安定性を
有するポリエステル樹脂組成物及びこの組成物から成形
されるシート状成形体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様は、
(I)25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混
合溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.6〜1.2
dl/gの範囲にあるポリエステル共重合体5〜95質
量%;及び(II)(I)とは異なる熱可塑性樹脂95〜5
質量%、からなるポリエステル樹脂組成物であって、前
記(I)ポリエステル共重合体が、(A) 全多価カルボン
酸単位に対して芳香族ジカルボン酸単位を80〜100
mol%含む多価カルボン酸単位;及び、(B) 全多価アル
コール単位に対して数平均分子量500〜3000のポ
リアルキレングリコール単位を0.5〜15mol%含む
多価アルコール単位、を含み、及び、前記多価カルボン
酸単位(A)中に含まれるテレフタル酸単位以外のジカル
ボン酸単位の含有量(mol%)と、前記多価アルコール単
位(B)中に含まれるエチレングリコール及び前記ポリア
ルキレングリコール単位以外のグリコール単位の含有量
(mol%)との合計が20mol%以上であり、かつ、前記多
価カルボン酸単位(A)中に含まれる3価以上の多価カル
ボン酸単位の含有量(mol%)と、前記多価アルコール単
位(B)中に含まれる3価以上の多価アルコール単位の含
有量(mol%)との合計が0.05〜2mol%であることを
特徴とする、ポリエステル樹脂組成物である。
【0005】本発明の第二の態様は、上記ポリエステル
樹脂組成物を成形してなり、引張弾性率が100〜20
00MPaであることを特徴とするシート状成形体であ
る。本発明の第三の態様は、上記ポリエステル樹脂組成
物であって、(I)ポリエステル共重合体が、テレフタル
酸単位以外の多価カルボン酸単位としてのイソフタル
酸、又は、エチレングリコール及び前記ポリアルキレン
グリコール単位以外の多価アルコール単位としてのシク
ロ環含有グリコールの、少なくともいずれか一方を含有
するポリエステル樹脂組成物である。本発明の第四の態
様は、上記ポリエステル樹脂組成物であって、(II)熱可
塑性樹脂が、テレフタル酸単位以外の多価カルボン酸単
位としてのイソフタル酸、又は、エチレングリコール及
び前記ポリアルキレングリコール単位以外の多価アルコ
ール単位としてのシクロ環含有グリコールの、少なくと
もいずれか一方を含有するポリエステル共重合体からな
るポリエステル樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル樹脂組成物
は、(I)ポリエステル共重合体、及び(II)(I)とは異な
る熱可塑性樹脂とに大別される。以下、これらに分けて
詳細に説明する。
【0007】<(I)ポリエステル共重合体>ポリエステ
ル共重合体(I)は、(A)多価カルボン酸単位、及び(B)
多価アルコール単位から構成される。(A)多価カルボン酸単位 本発明に用いられる(A)多価カルボン酸単位は、芳香族
ジカルボン酸単位を主成分とし、その他、脂肪族ジカル
ボン酸単位及び3価以上の多価カルボン酸単位を含む。
芳香族ジカルボン酸単位は、例えば、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレン−1,4もしくは2,6−ジカ
ルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフ
ェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、5−スルホイソフタル酸及び3−スルホイ
ソフタル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸、及び低級
アルキルエステル、アリールエステル、炭酸エステル及
び酸ハロゲン化物等の芳香族カルボン酸のエステル形成
誘導体から選ばれる1種以上の化合物から構成される。
この芳香族ジカルボン酸単位は、(A)多価カルボン酸単
位の全モル数に対して、80〜100mol%、好ましく
は、85〜100mol%含まれることが適当である。本
発明の(A)多価カルボン酸単位は、耐熱性の観点から芳
香族ジカルボン酸単位を主成分とすることが好ましい。
特に、80mol%以上であれば、成形品とした場合でも
機械強度が低下せず、好適である。
【0008】(A)多価カルボン酸単位は、脂肪族ジカル
ボン酸単位を含んでもよい。脂肪族ジカルボン酸単位
は、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸、1,3もしくは1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン
酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸、及びこ
れらのエステル形成誘導体から選ばれる1種以上の化合
物から構成される。この脂肪族ジカルボン酸単位は、
(A)多価カルボン酸単位の全モル数に対して、20mol
%未満、好ましくは、15mol%未満の量で含まれるこ
とが適当である。特に、20mol%未満の量であれば、
成形品とした場合でも機械強度が低下することもないの
で好ましい。その他、(A)多価カルボン酸単位は、3価
以上の多価カルボン酸単位を含んでもよい。3価以上の
多価カルボン酸単位は、例えば、トリメリット酸、ピロ
メリット酸及びこれらの無水物から選ばれる1種以上の
化合物から構成される。この3価以上の多価カルボン酸
単位は、(A)多価カルボン酸単位の全モル数に対して、
0.05〜2mol%、好ましくは、0.1〜1mol%の量
で含まれることが適当である。0.05mol%以上であ
れば、透明性、機械強度及び柔軟性を良好に改善し、ま
た、2mol%以下であれば、ポリエステル共重合体の調
製の際にゲル化して反応制御が困難になることを回避で
きるので好ましい。
【0009】(B)多価アルコール単位 本発明に用いられる(B)多価アルコール単位は、グリコ
ール単位及び3価以上のグリコール単位を含む。多価グ
リコール単位から本発明のポリエステル樹脂組成物を調
製することにより、良好な色調、透明性、耐熱性及び耐
衝撃性等を付与することができる。ここで、グリコール
単位には、数平均分子量500〜3000のポリアルキ
レングリコール単位が含まれる。このポリアルキレング
リコール単位は、例えば、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポ
リプロピレングリコールブロック共重合体、ポリテトラ
メチレングリコール及びポリヘキサメチレングリコール
から選ばれる1以上のポリマー単位から構成される。こ
のポリアルキレングリコール単位の数平均分子量は、5
00〜3000の範囲、より好ましくは800〜200
0の範囲にあることが適当である。数平均分子量が50
0以上であれば、柔軟性が不足することもなく、また3
000以下であれば、ポリマーとの相溶性が悪く重合反
応が停滞したり、成形品の機械強度が低下することもな
いので好適である。このポリアルキレングリコール単位
は、(B)多価アルコール単位の全モル数に対して、0.
5〜15mol%、好ましくは、1〜10mol%含まれるこ
とが適当である。0.5mol%以上であれば、柔軟性付与
に効果があり、15mol%以下であれば、重合反応が停
滞することなく速やかに進行し、熱安定性や機械強度が
低下することもないので好ましい。
【0010】(B)多価アルコール単位に含まれるグリコ
ール単位は、上記ポリアルキレングリコール単位以外
に、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、ダイマージオール、シクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,1
−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)シ
クロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、及び下記式(1)、(2)、並びに
(3)で表されるアルコール及びこれらの誘導体である
エチレンオキサイド付加物から選ばれる1種以上の化合
物から構成されてもよい。 (式中、XはCH2、C(CH32、C(CF32
O、S、及びSO2を示し、m及びnは、1≦m+n≦
4を満足する。) (式中、XはCH2、C(CH32、C(CF32
O、S、及びSO2を示し、RはC1〜C5のアルキル基
を示し、m及びnは、1≦m+n≦4を満足する。) (式中、m及びnは、1≦m+n≦4を満足する。) (1)〜(3)に示される化合物の中では、一般式(3)に
示される構造を有するビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物が好ましい。また、(1)〜(3)に示される
化合物において、m+nが4以下であれば、耐熱性が低
下することもないので好ましい。
【0011】(B)多価アルコール単位に含まれるポリア
ルキレングリコール単位以外のグリコール単位の含有量
は、85〜99.5mol%、好ましくは、90〜99mol
%であることが好適である。特に、(B)多価アルコール
単位にエチレングリコールが含まれる場合、エチレング
リコールの含有量は、(B)多価アルコール単位の全モル
数に対して、例えば、50mol%以上、好ましくは60m
ol%以上であることが耐熱安定性の観点から適当であ
る。また、エチレングリコールと1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールとを併用することによって、得られるポ
リエステル樹脂組成物に耐衝撃性を付与することができ
る。(B)多価アルコール単位に1,4−シクロヘキサン
ジメタノールが含まれる場合、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールの含有量は、(B)多価アルコール単位の全
モル数に対して、0.1〜50mol%、好ましくは、
0.1〜40mol%の範囲であることが適当である。
【0012】その他、(B)多価アルコール単位は、3価
以上の多価アルコール単位を含んでもよい。3価以上の
多価アルコール単位は、例えば、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール及びグリセリンから選ばれる
1種以上の化合物から構成される。この3価以上の多価
アルコール単位は、(B)多価アルコール単位の全モル数
に対して、0.05〜2mol%、好ましくは、0.1〜
1mol%の量で含まれることが適当である。0.05mol
%以上であれば、透明性、機械強度及び柔軟性を良好に
改善し、また、2mol%以下であれば、ポリエステル共
重合体の調製の際にゲル化して反応制御が困難になるこ
とを回避できるので好ましい。
【0013】・2価成分の変性量 上記多価カルボン酸単位(A)及び多価アルコール単位
(B)に含まれる2価のカルボン酸単位及び2価のアルコ
ール単位の含有量を調節することにより、得られるポリ
エステル樹脂組成物の経時変化による透明性の低下を抑
制することができる。具体的には、上記多価カルボン酸
単位(A)中に含まれるテレフタル酸単位以外のジカルボ
ン酸単位(2価(A)成分)の含有量(mol%)を、多価カル
ボン酸単位(A)の量を100mol%として測定する。一
方、上記多価アルコール単位(B)中に含まれるエチレン
グリコール及び前記ポリアルキレングリコール単位以外
のグリコール単位(2価(B)成分)の含有量(mol%)を、
多価アルコール単位(B)の量を100mol%として測定
する。この2価(A)成分の含有量と2価(B)成分の含有
量の合計(以下、「2価成分の変性量」という)が20mo
l%以上50mol%以下、好ましくは、30〜50mol%
であることが適当である。2価成分の変性量が20mol
%以上であれば、ポリエステル樹脂組成物の経時変化に
よる透明性の低下を抑制することができる。また、50
mol%以下であれば、良好な耐熱性が得られるので好ま
しい。ここで、2価(A)成分は、例えば、イソフタル
酸、ナフタレン−1,4もしくは2,6−ジカルボン
酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、5−スルホイソフタル酸及び3−スルホイソフタ
ル酸ナトリウム、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ド
デカンジオン酸、ダイマー酸、1,3もしくは1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボ
ン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸、及び
これらの誘導体から選ばれる1種以上の化合物から構成
される。好ましくは、イソフタル酸、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸である。2価(B)成分は、例えば、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマージ
オール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール、1,1−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−
ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、及び上記式(1)〜
(3)で示される化合物及びこれらの誘導体から選ばれ
る1種以上の化合物から構成される。好ましくは、シク
ロ環含有グリコール、中でもシクロヘキサンジメタノー
ル、特に1,4−シクロヘキサンジメタノールが耐衝撃
性を付与するためにも好適である。本発明に用いられる
(I)ポリエステル共重合体は、上記2価の成分として、
テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位としてのイソ
フタル酸、又は、エチレングリコール及び前記ポリアル
キレングリコール単位以外のグリコール単位としてのシ
クロ環含有グリコールの、少なくともいずれか一方を含
有することが好ましい。
【0014】・3価以上の成分の変性量 上記多価カルボン酸単位(A)及び多価アルコール単位
(B)に含まれる3価以上の多価カルボン酸単位及び3価
以上の多価アルコール単位の含有量を調節することによ
り、得られるポリエステル樹脂組成物の透明性、機械強
度及び耐溶剤性を向上することができる。具体的には、
上記多価カルボン酸単位(A)中に含まれる3価以上の多
価カルボン酸単位(3価以上(A)成分)の含有量(mol%)
を、多価カルボン酸単位(A)の量を100mol%として
測定する。一方、上記多価アルコール単位(B)中に含ま
れる3価以上の多価アルコール単位(3価以上(B)成分)
の含有量(mol%)を、多価アルコール単位(B)の量を1
00mol%として測定する。この3価以上(A)成分の含
有量と3価以上(B)成分の含有量の合計(以下、「3価
以上成分の変性量」という)が0.05〜2mol%、好ま
しくは、0.1〜1mol%であることが適当である。0.
05mol%以上であれば、上記配合の効果が得られ、ま
た、2mol%以下であれば、ゲル化によって反応の制御
が困難になることもないので好ましい。3価以上(A)成
分は、上述した3価以上の多価カルボン酸単位、例え
ば、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水
物から選ばれる1種以上の化合物から構成される。ま
た、3価以上(B)成分は、上述した3価以上の多価アル
コール単位、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール及びグリセリンから選ばれる1種以上の
化合物から構成される。
【0015】本発明に用いられる(I)ポリエステル共重
合体の製造方法としては、公知の直接重合法やエステル
交換法等により製造することができる。例えば、本発明
に用いられる(I)ポリエステル共重合体を直接重合法で
重合する場合、まず、テレフタル酸及びイソフタル酸等
の多価カルボン酸単位(A)成分とポリアルキレングリコ
ール及びエチレングリコール等の多価アルコール単位
(B)成分とを、モル比で1:1〜1:4、好ましくは、
1:1.2〜1:2.4となるように反応容器内に仕込
む。次いで、テトラキス[メチレン(3,5−ジ-t-ブチル−
4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン等の熱安
定剤を加える。これを、150℃〜200℃の温度から
200℃〜250℃の温度に昇温しながら、2〜5時間
かけて徐々に加熱して十分にエステル交換反応を行う。
その後、250〜300℃の温度に昇温し、リン酸、三
酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、テトラブトキシ
チタン等の触媒を加えて250〜290℃で2〜5時
間、縮合重合する。これにより本発明に用いられる
(I)ポリエステル共重合体が得られる。
【0016】本発明に用いられる(I)ポリエステル共
重合体の重合度は、25℃のフェノール/テトラクロロ
エタン等量混合溶媒中で測定される極限粘度によって定
義される。本発明に用いられるポリエステル共重合体
(I)の極限粘度[η]は0.6〜1.2dl/g、好ま
しくは、0.65 〜1.10dl/gの範囲にあるこ
とが好適である。0.6dl/g以上であれば粘度が低
いことによる成形不良が生じることもない。また、1.
2dl/g以下であれば、製品の押出成形時に負荷がか
かりすぎて製品の外観を損なうこともなく好ましい。
【0017】<(II)熱可塑性樹脂>本発明のポリエステ
ル樹脂組成物は、(II) (I)とは異なる熱可塑性樹脂を含
む。このような熱可塑性樹脂(II)を含むことにより、ポ
リエステル共重合体(I)のみのときに比べ、高い透明性
の経時安定性が得られる。本発明に使用される熱可塑性
樹脂(II)としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ア
クリル樹脂、ゴム質重合体等が挙げられる。得られるポ
リエステル樹脂組成物の透明性の観点から、ポリエステ
ル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0018】ここで、ポリエステル樹脂は、本発明のポ
リエステル共重合体(I)以外のポリエステル樹脂であっ
て、例えば、ヒドロキシカルボン酸単位、ジカルボン酸
単位およびジオール単位に含まれる化合物単位から1種
以上を構成単位とする熱可塑性ポリエステル樹脂、及び
この熱可塑性ポリエステル樹脂の2種以上の混合物であ
る。具体的には、ヒドロキシカルボン酸単位としては、
例えば、リンゴ酸、クエン酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−ヒドロキシエチル安息香酸等が挙げられる。ジ
カルボン酸単位としては、例えば、シュウ酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、
1,3もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、
シクロペンタンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキ
シルジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4もし
くは2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホン
ジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイ
ソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸が挙げら
れる。ジオール単位としては、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ダイマージオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘ
キサンジメタノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ルのほか、前記式(2)で表されるアルコール成分が挙
げられる。中でも芳香族ジカルボン酸単位とジオール単
位とから構成されるポリエステル樹脂が好ましい。特
に、本発明に使用される熱可塑性樹脂(II)は、テレフタ
ル酸単位以外のジカルボン酸単位としてのイソフタル
酸、又は、エチレングリコール及び前記ポリアルキレン
グリコール単位以外のグリコール単位としてのシクロ環
含有グリコールの、少なくともいずれか一方を含有する
ポリエステル樹脂からなることが好ましい。さらに、こ
のシクロ環含有グリコールは、例えば、シクロヘキサン
ジメタノール、特に1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルであることが、耐衝撃性を付与するためにも好適であ
る。本発明に使用される熱可塑性樹脂(II)は、特に、ジ
オール単位がエチレングリコールと1,4−シクロヘキ
サンジメタノールとからなるポリエステル樹脂の場合、
エチレングリコールを50〜99.9mol%、好ましく
は、60〜99.9mol%含み、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールを0.1〜50mol%、好ましくは、
0.1〜40mol%含むことが好適である。
【0019】ポリカーボネート樹脂としては、例えば、
ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
アルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選
ばれた一種以上を主原料とするものが好ましく挙げら
れ、中でもビスフェノールAを主原料として製造される
ものが好ましい。具体的には、上記ビスフェノールAを
ジヒドロキシ成分として用い、ポリカーボネート樹脂の
一般的製法であるエステル交換法あるいはホスゲン法に
より得られたポリカーボネート樹脂が好ましい。さら
に、ビスフェノールAの一部、好ましくは10モル%以
下を、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、又は4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等で置換したも
のであってもよい。
【0020】ポリアミド樹脂としては、ジカルボン酸単
位とジアミン単位とから構成されるポリアミド樹脂が挙
げられる。ジカルボン酸単位としては、例えば、テレフ
タル酸、イソフタル酸、グルタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。ジアミ
ン単位としては、ヘキサメチレンジアミン、フェニレン
ジアミン、キシリレンジアミン、ビス(3−メチル−4
−アミノ−シクロヘキシル)メタン等が挙げられる。ポ
リアミド樹脂の結晶性を抑制し透明性を向上する目的
で、上記構成成分からなる1種以上を共重合した樹脂が
好ましい。さらに、好ましくは、ビス(3−メチル−4
−アミノ−シクロヘキシル)メタン等を共重合した脂環
式ナイロン等が挙げられる。このようなポリアミド樹脂
の製造方法には、例えば、ジカルボン酸とジアミンの縮
合等、公知の製造法が適用できる。
【0021】本発明に使用される熱可塑性樹脂(II)の重
合度は、25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量
混合溶媒中で測定される極限粘度によって定義される。
本発明に使用されるポリエステル共重合体(I)の極限粘
度[η]は0.6〜2.0dl/g、好ましくは、0.
7〜1.8dl/gの範囲にあることが好適である。
0.dl/g以上であれば粘度が低いことによる成形不
良が生じることもない。また、2.0dl/g以下であ
れば、製品の押出成形時に負荷がかかりすぎて製品の外
観を損なうこともなく好ましい。ただし、ポリカーボネ
ート樹脂の重合度測定は、20℃のメチレンクロライド
中で行われることから、[η]は0.2〜1.0dl/
gの範囲にあることが好ましい。
【0022】<ポリエステル樹脂組成物>上記(I)ポリ
エステル共重合体と、(II) (I)とは異なる熱可塑性樹脂
とを混合することにより、本発明のポリエステル樹脂組
成物が得られる。ポリエステル樹脂組成物の混合には、
上記(I)及び(II)を均一に混合することができる公知の
種々の方法を用いることができるが、例えば、ダブルコ
ーンブレンダー、リボンブレンダー等で混合する方法が
使用される。また、このような方法で混合した(I)ポリ
エステル共重合体及び(II)熱可塑性樹脂を、一軸押出
機、二軸押出機、ベント式押出機等により溶融混練し、
造粒して各種樹脂製品及び成形体の原料として流通させ
ることもできる。本発明のポリエステル樹脂組成物は、
(I)ポリエステル共重合体を5〜95質量%、好まし
くは、20〜80質量%含むことが好適である。また、
本発明のポリエステル樹脂組成物は、(II)熱可塑性樹
脂を95〜5質量%、好ましくは、80〜20質量%含
むことが好適である。(I)ポリエステル共重合体が5
質量%以上であれば、本発明のポリエステル樹脂組成物
の柔軟性の向上に効果がある。また、95質量%以下で
あれば、本発明のポリエステル樹脂組成物の経時変化に
より透明性が低下することもないので好ましい。
【0023】<シート状成形体>本発明のポリエステル
樹脂組成物は、例えば、射出成形、押出成形及びブロー
成形によってシート状に成形される。また、本発明のシ
ート状成形体は、引張弾性率が100〜2000MP
a、好ましくは、100〜1800MPaであることが
好ましい。本発明のシート状成形体の弾性率が100M
Pa以上であれば、機械強度が低下することもなく、2
000MPa以下であれば、成形体が硬くなりすぎるこ
ともなく、良好なシート状成形体が得られる。本発明の
シート状成形体に、さらに特定の性能を付与するため
に、従来公知の各種加工処理を施したり、適当な添加剤
を配合することができる。加工処理の例としては、紫外
線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射;コロナ
処理、プラズマ照射処理及び火炎処理等の処理;塩化ビ
ニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド及びポリ
オレフィン等の樹脂の塗布及びラミネート、並びに金属
の蒸着等が挙げられる。添加剤は、ポリエステル共重合
体(I)及び/又は熱可塑性樹脂(II)のいずれかに添加さ
れてもよい。添加剤の例としては、ポリエーテル、ポリ
アミド、ポリオレフィン及びポリメチルメタクリレート
等の樹脂;シリカ、タルク、カオリン及び炭酸カルシウ
ム等の無機粒子;酸化チタン及びカーボンブラック等の
顔料;その他、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤及び
難燃剤等が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。 <(I)ポリエステル共重合体の調製>実施例及び比較例
で使用した(I)ポリエステル共重合体は下記のとおりで
ある。 ・ポリエステル共重合体I−1 テレフタル酸2.55kg、イソフタル酸0.64k
g、エチレングリコール1.78kg、トリメチロール
プロパン7.71g、数平均分子量1000のポリテト
ラメチレングリコール1.25kg、及びテトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハ
イドロシンナメート)]メタン62.5gを、反応容器に
仕込んだ。これを190〜225℃で3時間加熱攪拌し
てエステル化反応を行った。次いで260℃に昇温し、
リン酸0.5gを添加してpHを調整し、三酸化アンチ
モン1.75gを重合触媒として添加して重合し、ポリ
エステル共重合体I−1を得た。得られたポリエステル
共重合体I−1の極限粘度[η]は、[η]=0.87
dl/gであった。なお、極限粘度は、下記に示す測定
方法によって求めた(以下、極限粘度において同じ)。 ・ポリエステル共重合体I−2 テレフタル酸2.83kg、エチレングリコール1.2
7kg、1,4−シクロヘキサンジメタノール0.74
kg、トリメチロールプロパン6.87g、数平均分子
量1000のポリテトラメチレングリコール1.25k
g、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン62.5
g、リン酸0.15g、及び二酸化ゲルマニウム1.5
8gを反応容器に仕込み、上記I−1と同様にしてポリ
エステル共重合体I−2を得た。得られたポリエステル
共重合体I−2の極限粘度[η]は、[η]=0.76
dl/gであった。
【0025】・ポリエステル共重合体I−3 テレフタル酸3.62kg、エチレングリコール2.0
9kg、リン酸0.5g、及び三酸化アンチモン1.7
5gを反応容器に仕込み、上記I−1と同様にしてポリ
エステル共重合体I−3を得た。得られたポリエステル
共重合体I−3の極限粘度[η]は、[η]=0.75
dl/gであった。なお、本共重合体I−3は、数平均
分子量500〜3000のポリアルキレングリコール単
位を含まず、かつ、2価成分の変性量及び3価以上成分
の変性量が0mol%であるため、比較例となる。 ・ポリエステル共重合体I−4 テレフタル酸1.83kg、エチレングリコール0.8
2kg、1,4−シクロヘキサンジメタノール0.48
kg、トリメチロールプロパン4.42g、数平均分子
量1000のポリテトラメチレングリコール2.50k
g、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを125
g、リン酸0.50g、及び三酸化アンチモン2.00
gを反応容器に仕込み、上記I−1と同様にしてポリエ
ステル共重合体I−4を得た。得られたポリエステル共
重合体I−4の極限粘度[η]は、[η]=1.33d
l/gであった。なお、本共重合体I−4は、数平均分
子量500〜3000のポリアルキレングリコール単位
を15mol%より多く含み、かつ極限粘度が範囲外であ
るので、比較例である。上記ポリエステル共重合体I−
1〜I−4の組成を、以下の表1に示す。
【0026】表1 ・Aのテレフタル酸及びイソフタル酸のmol%は、多価
カルボン酸(A)の含有量(テレフタル酸含有量+イソフ
タル酸含有量)を100mol%とした場合の値である。 ・Bのエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール、1,4-シクロヘキサンジメタノール及びトリメチロ
ールプロパンのmol%は、多価アルコール(B)の含有量
(エチレングリコールの含有量+ポリテトラメチレング
リコールの含有量+1,4-シクロヘキサンジメタノールの
含有量+トリメチロールプロパンの含有量)を100mol
%とした場合の値である。 ・2価成分の変性量は、(多価カルボン酸の含有量(A)
を100mol%としたときのイソフタル酸の含有量)+
(多価アルコール(B)の含有量を100mol%としたとき
の1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量)(mol%)で
ある。 ・3価以上成分の変性量は、(多価アルコール(B)の含
有量を100mol%としたときのトリメチロールプロパ
ンの含有量)(mol%)である。
【0027】<(II)熱可塑性樹脂の調製>実施例及び比
較例に使用した(II) (I)とは異なる熱可塑性樹脂は下記
のとおりである。 ・ポリエステル樹脂II−1 1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレ
ンテレフタレート(イーストマンケミカル社製、676
3)。極限粘度[η]=0.8dl/g。 ・ポリエステル樹脂II−2 ポリエチレンテレフタレート(三菱レイヨン(株)製、
ダイヤナイトMA−521H)。極限粘度[η]=0.
78dl/g。 ・ポリエステル樹脂II−3 ポリブチレンテレフタレート(三菱レイヨン(株)製、
タフペットN−1000)。極限粘度[η]=1.00
dl/g。
【0028】・ポリカーボネート樹脂II−4 ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック
ス(株)製、ユーピロンS2000)極限粘度[η]=
0.6dl/g。 ・ポリアミド樹脂II−5 ポリアミド(EMS社製、TR−55)。極限粘度
[η]=1.504dl/g。
【0029】実施例1:ポリエステル共重合体I−1
と、ポリエステル樹脂II−1を質量比50/50で混合
し、2軸押出機(ウェルナー製ZSK30M)を使用
し、250℃で溶融混合、押出を行い、実施例1のポリ
エステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂
組成物を、700Pa下、40℃、24時間乾燥してペ
レットを得た。得られたペレットを40mmφ単軸押出
機とT−ダイを組合わせた製膜機を用いて250℃で成
形し、200μm厚のシート状成形体を得た。 実施例2:ポリエステル共重合体I−1と、ポリアミド
樹脂II−5を質量比50/50で混合し、実施例2のポ
リエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹
脂組成物を実施例1と同様に成形し、200μm厚のシ
ート状成形体を得た。 実施例3:ポリエステル共重合体I−2と、ポリエステ
ル樹脂II−1を質量比50/50で混合し、実施例3の
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、200μm厚の
シート状成形体を得た。
【0030】実施例4:ポリエステル共重合体I−2
と、ポリエステル樹脂II−1を質量比30/70で混合
し、実施例4のポリエステル樹脂組成物を得た。得られ
たポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、
200μm厚のシート状成形体を得た。 実施例5:ポリエステル共重合体I−2と、ポリエステ
ル樹脂II−2を質量比70/30で混合し、実施例5の
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、200μm厚の
シート状成形体を得た。 実施例6:ポリエステル共重合体I−2と、ポリエステ
ル樹脂II−3を質量比20/80で混合し、実施例6の
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、200μm厚の
シート状成形体を得た。 実施例7:ポリエステル共重合体I−2と、ポリカーボ
ネート樹脂II−4を質量比30/70で混合し、実施例
7のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエス
テル樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、200μm
厚のシート状成形体を得た。
【0031】比較例1:ポリエステル共重合体I−3
と、ポリエステル樹脂II−1を質量比50/50で混合
し、比較例1のポリエステル樹脂組成物を得た。得られ
たポリエステル樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、
200μm厚のシート状成形体を得た。 比較例2:ポリエステル共重合体I−4と、ポリエステ
ル樹脂II−1を質量比50/50で混合し、比較例2の
ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル
樹脂組成物を実施例1と同様に成形し、200μm厚の
シート状成形体を得た。 比較例3:ポリエステル共重合体I−2を、(II)熱可塑
性樹脂を含まずに実施例1と同様に成形し、200μm
厚のシート状成形体を得た。これらの実施例及び比較例
の組成比を表2に示す。
【0032】<試験方法> ・極限粘度 上記極限粘度は、測定されるポリエステル共重合体等の
粉砕物を、フェノールと1,1,2,2-テトラクロロエタンと
を質量比1:1で混合して得た溶媒に溶解し、得られた
溶液の極限粘度を、ウベローデ粘度計を使用して、25
℃で測定した。ただし、ポリカーボネート樹脂の極限粘
度は、ポリカーボネート樹脂の粉砕物をメチレンクロラ
イド溶媒中に溶解し、得られた溶液の極限粘度を、ウベ
ローデ粘度計を使用して、20℃で測定した。 ・透明性 シート状成形体の透明性を測定するため、上記実施例及
び比較例に記載の200μm厚のシート状成形体のヘー
ズ値を、ヘイズメーター(スガ試験機株式会社製、製品
名HGM2DP) により測定した(透明性の初期値)。な
お、測定法はJIS−K−6714に準じた。同シート
状成形体を60℃で24時間処理後、23℃で24時間
放置して経時変化させたものを更に測定した(経時変化
後)。透明性は、値が低いほど透明であることを示す。
透明性の初期値は、例えば5%以下、好ましくは、0〜
4%であることが適当である。また、透明性の変化は、
好ましくは、15%以下、より好ましくは、10%以下
であることが適当である。
【0033】・引張弾性率 上記実施例及び比較例のシート状成形体の引張弾性率
を、ASTM−D638に準拠して測定した。得られた
引張弾性率が、100〜2000MPaであれば、良好
な引っ張り弾性率を有し、柔軟性があることになる。 ・成形性 本発明のポリエステル樹脂組成物の成形性は、キャピロ
グラフ(東洋精機製作所製)を使用してポリエステル樹脂
組成物の流れ特性を測定することにより評価した。具体
的には、上記実施例及び比較例で得られたポリエステル
樹脂組成物を250℃で溶融し、キャピラリーを通して
流出するときの速度を測定した。測定は、せん断速度6
0(秒-1)、L/D(キャピラリーの長さ(mm))/(キャピラ
リーの直径(mmφ))=10で押出された上記溶融ポリエ
ステル樹脂組成物の長さが400mmに到達するまでの
時間(秒)を測定した。この時間が15秒以上、好ましく
は、20〜70秒であれば、良好な成形性を有すること
になる。これらの評価結果を、表2に示す。
【0034】表2
【0035】表2に示すように、比較例1で得られたポ
リエステル樹脂組成物は、ポリアルキレングリコールを
含まないポリエステル共重合体(II−3)を使用している
ため、引張弾性率が高い、つまり柔軟性が不足してい
た。また、比較例2ではポリアルキレングリコールを多
く含むため、(I)ポリエステル共重合体の配合量を少な
くしても透明性が損なわれていた。さらに、比較例3で
は、(II)の熱可塑性樹脂を含まないので、透明性の経時
変化が大きかった。これに対し、実施例で得られた本発
明の範囲内のポリエステルブロック共重合体(A)と熱
可塑性樹脂(B)からなるポリエステル樹脂組成物は、
良好な透明性及び透明性の経時変化特性を有する。ま
た、適度な引張弾性率を有するため適度な柔軟性を有
し、例えば、包装材料用途、食品容器、ケース等、特に
機械強度が要求される材料に好適に使用できる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、従来のポ
リエステル樹脂の持つ優れた柔軟性及び透明性を保持し
つつ、長期にわたって透明性を保持することができるポ
リエステル樹脂組成物を提供する。本発明のポリエステ
ル樹脂組成物およびそのシート状成形体は、例えば透明
シート、包装材料、表面保護材、各種容器、建材、内装
部品等に広く利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 純 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社ポリエステル開発研究 所内 (72)発明者 藤本 雅治 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA14 AA22 AA33 AA43 AA47 AA50 AA51 AA54 AA88 AF15Y AH03 AH04 AH05 BA01 BB06 BC01 4J002 AC00X BB00X BC02X BG04X BG05X CF01W CF03X CF04X CF05X CF08X CF09X CF10W CF14X CF18X CG01X CG02X CL03X GG01 GG02 GL00 4J029 AA01 AB01 AB07 AC02 AD01 AE03 BA02 BA03 BA05 BA08 BA10 BD03A BD07A BD09A BF09 BF12 BF18 BF25 BF26 BF28 BG08Y BH02 CA01 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB10A CC03A CC05A CC06A CD03 CD07 CF08 CH02 DB02 DB07 DB13 FC05 FC08 FC35 FC36 HA01 HB01 JA091 JA251 JB131 JF321 JF361 KB02 KE02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)25℃のフェノール/テトラクロロ
    エタン等量混合溶媒中で測定される極限粘度[η]が
    0.6〜1.2dl/gの範囲にあるポリエステル共重
    合体5〜95質量%;及び(II)(I)とは異なる熱可塑
    性樹脂95〜5質量%、からなるポリエステル樹脂組成
    物であって、 前記(I)ポリエステル共重合体が、(A) 全多価カルボ
    ン酸単位に対して芳香族ジカルボン酸単位を80〜10
    0mol%含む多価カルボン酸単位;及び、(B) 全多価ア
    ルコール単位に対して数平均分子量500〜3000の
    ポリアルキレングリコール単位を0.5〜15mol%含
    む多価アルコール単位、を含み、及び、前記多価カルボ
    ン酸単位(A)中に含まれるテレフタル酸単位以外のジカ
    ルボン酸単位の含有量(mol%)と、前記多価アルコール
    単位(B)中に含まれるエチレングリコール及び前記ポリ
    アルキレングリコール単位以外のグリコール単位の含有
    量(mol%)との合計が20mol%以上であり、かつ、 前記多価カルボン酸単位(A)中に含まれる3価以上の多
    価カルボン酸単位の含有量(mol%)と、前記多価アルコ
    ール単位(B)中に含まれる3価以上の多価アルコール単
    位の含有量(mol%)との合計が0.05〜2mol%である
    ことを特徴とする、ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリエステル樹脂組成物を
    成形してなり、引張弾性率が100〜2000MPaで
    あることを特徴とするシート状成形体。
  3. 【請求項3】(I)ポリエステル共重合体が、テレフタル
    酸単位以外のジカルボン酸単位としてのイソフタル酸、
    又は、エチレングリコール及び前記ポリアルキレングリ
    コール単位以外のグリコール単位としてのシクロ環含有
    グリコールの、少なくともいずれか一方を含有する、請
    求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(II)熱可塑性樹脂が、テレフタル酸単位以
    外のジカルボン酸単位としてのイソフタル酸、又は、エ
    チレングリコール及び前記ポリアルキレングリコール単
    位以外のグリコール単位としてのシクロ環含有グリコー
    ルの、少なくともいずれか一方を含有するポリエステル
    樹脂からなる、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成
    物。
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