JP2010150484A - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】傷つき難い表面硬度等の陶器調樹脂成形体に求められる物性を保ちつつ、陶器に非常に似た外観を備える陶器調樹脂成形体を成形可能なポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂と、(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体であり、その共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5から7:3である共重合体と、(D)モース硬度2.0以上の無機充填剤と、を含むポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を用いる。(C)成分は、さらにメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を含む共重合体であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、陶器調樹脂成形体を成形するためのポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を成形してなる成形体に関する。
陶器調光沢を有する樹脂成形体は、食器、洗顔器具、植木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗顔ボウル等の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、人形等の装飾品類等の分野において広く利用されている。
最近では、陶器調樹脂成形体を得るための樹脂組成物としてポリブチレンテレフタレート系樹脂を含むものが主流になっている。陶器調樹脂成形体を得るためのポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物として、例えば、熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、及び硫酸バリウムからなる樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
特許文献1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物によれば、従来の陶器調樹脂成形体を得るための樹脂組成物の欠点を解消し、樹脂製でありながら優れた外観、光沢、耐薬品性を有するとされている。しかしながら、特許文献1に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体は、表面硬度が充分でなく傷つきやすいという問題があった。そこで熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂20重量%から40重量%、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂5重量%から25重量%、メタクリル系樹脂5重量%から25重量%、及び硫酸バリウム30重量%から50重量%からなるポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物が開示されている(特許文献2)。
特許文献2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物によれば、陶器の持つ重量感、質感、光沢、さらに表面硬度を兼ね備えた成形体を構成するポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供できるとされている。
特開2002−332396号公報 特開2006−233066号公報
上記特許文献2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物により陶器調の樹脂成形体が得られるとされているが、更に陶器に似た外観を備えるものが求められている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、傷つき難い表面硬度等の陶器調樹脂成形体に求められる物性を保ちつつ、陶器に非常に似た外観を備える陶器調樹脂成形体を成形可能なポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、(A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂と、(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体であり、その共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5から7:3である共重合体と、(D)モース硬度が2.0以上の無機充填剤とを含むポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
(1) (A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂と、(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体であり、その共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5から7:3である共重合体と、(D)モース硬度が2.0以上の無機充填剤と、を含むポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(2) 前記(C)成分は、さらにメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を含む共重合体である(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(3) 前記(C)成分の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して30質量部から150質量部である(1)又は(2)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(4) 前記(D)成分は、カオリン、ウォラストナイト、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカからなる群より選択される少なくとも一種以上を含む(1)から(3)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を成形してなり、鉛筆硬度がF以上である陶器調成形体。
本発明によれば、(A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂と、(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体であり、その共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5から7:3である共重合体と、(D)モース硬度が2.0以上の無機充填剤とを含むポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を用いることで、傷つき難い表面硬度等の性質を保ちつつ、陶器に非常に似た外観を備える陶器調樹脂成形体を得る事が出来る。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂と、(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体であり、その共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5から7:3である共重合体と、(D)モース硬度が2.0以上の無機充填剤とを含むことを特徴とする。以下、本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物について説明する。
<(A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂>
(A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂とはテレフタル酸(テレフタル酸またはそのエステル形成誘導体)と、および炭素数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)またはそのエステル形成誘導体を少なくとも重合成分とするポリブチレンテレフタレート系樹脂である。
このような熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)としては、ホモポリブチレンテレフタレートに限らない。例えば、ブチレンテレフタレートが50質量%以上(例えば55質量%から100質量%)、好ましくは60質量%以上(例えば65質量%から100質量%)、更に好ましくは70質量%以上(例えば75質量%から100質量%)程度含有する共重合体であってもよい。
コポリエステル(ブチレンテレフタレート系共重合体又は変性PBT樹脂)における前記共重合可能なモノマー(以下、単に共重合性モノマーと称する場合がある)としてはテレフタル酸を除くジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを除くジオール、オキシカルボン酸成分、ラクトン成分等が挙げられる。共重合性モノマーは、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
ジカルボン酸(又はジカルボン酸成分又はジカルボン酸類)としては脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などのC〜C40ジカルボン酸、好ましくはC〜C14ジカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸成分(例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などのC〜C12ジカルボン酸)、テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸成分(例えば、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸などのC〜C16ジカルボン酸)、またはこれらの反応性誘導体(例えば、低級アルキルエステル(ジメチルフタル酸、ジメチルイソフタル酸(DMI)などのフタル酸またはイソフタル酸のC〜Cアルキルエステルなど)、酸クロライド、酸無水物などのエステル形成可能な誘導体)などが挙げられる。
ジオールには、例えば、1,4−ブタンジオールを除く脂肪族アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール(1,6−ヘキサンジオールなど)、オクタンジオール(1,3−オクタンジオールなど)、デカンジオールなどの低級アルキレングリコール(C−C12アルキレングルコール、好ましくはC−C10アルキレングリコールなど)、ポリオキシアルキレングリコール[複数のオキシC−Cアルキレン単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど]、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)、芳香族ジオール[例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、ナフタレンジオールなどのC−C14芳香族ジオール;ビフェノール(4,4’−ジヒドロキシビフェニルなど);ビスフェノール類;キシリレングリコールなど]、及びこれらの反応性誘導体(アルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体などのエステル形成性誘導体など)などが挙げられる。
熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)及び/又はその共重合体(ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)が好ましく、熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂は共重合性モノマーの割合(変性量)が、通常、45モル%以下(例えば0モル%から35モル%程度)、さらに好ましくは30モル%以下(例えば、0モル%から30モル%程度)のホモ又はコポリエステル(特にホモポリエステル)であってもよい。
なお、共重合体において、共重合性モノマーの割合は、例えば0.01モル%から30モル%程度の範囲から選択でき、通常、1モル%から30モル%、好ましくは3モル%から25モル%、さらに好ましくは5モル%から20モル%(例えば5モル%から15モル%)程度である。また、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)と共重合体(コポリエステル)とを組み合わせて使用する場合、ホモポリエステルとコポリエステルとの割合は、共重合性モノマーの割合が、全単量体に対して0.1モル%から25モル%)程度となる範囲であり、通常、前者/後者=99/1〜1/99(質量比)、好ましくは95/5〜5/95(質量比)、さらに好ましくは90/10〜10/90(質量比)程度の範囲から選択できる。
熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は、1.2dL/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.0dL/g以下であってもよい。異なる固有粘度を有する熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂をブレンドすることによって、例えば固有粘度1.2dL/gの熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と0.8dL/gの熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂とをブレンドすることによって、1.0dL/g以下の固有粘度を実現してもよい。なお、固有粘度(IV)は、例えば、O−クロロフォノール中、温度35℃の条件で測定できる。このような範囲の固有粘度を有する熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂を使用すると、十分な靱性の付与と溶融粘度の低減とを効率よく実現しやすい。固有粘度が大きすぎると、成形時の溶融粘度が高くなり、場合により成形金型内で樹脂の流動不良、充填不良を起こす可能性がある。
また、末端カルボキシル基量は特に限定されるものではないが、50meq/kg以下が好ましい。さらに好ましくは30meq/kg以下である。カルボキシル末端基量が30meq/kgを越えると湿熱環境下での加水分解による強度低下が大きくなる場合がある。末端カルボキシル基量は例えば、ポリブチレンテレフタレートの粉砕試料をベンジルアルコール中215℃で10分間溶解後、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液にて滴定することで測定する。
なお、熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂は、市販品を使用してもよく、テレフタル酸またはその反応性誘導体と1,4−ブタンジオールと必要により共重合可能なものマーとを、慣用の方法、例えばエステル交換、直接エステル化法等により共重合(重縮合)することにより製造したものを使用してもよい。
<(B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂>
本発明において熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PET樹脂という場合がある)は、陶器調の外観にするために必須の成分である。熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂を本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物に含有させることで、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体の光沢が高まり、外観が陶器に近づくので好ましい。
熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂は、少なくともテレフタル酸またはそのエステル形成誘導体を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素数2のアルキレングリコール(エチレングリコール)またはそのエステル形成誘導体を含むグリコール成分とを重縮合反応して得られる熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂であり、ホモPET樹脂に限らず、エチレンテレフタレート単位を60モル%以上(特に75モル%から95モル%程度)含有する共重合体(共重合PET)樹脂であってよい。
共重合PET樹脂において、テレフタル酸及びそのエステル形成誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノマー成分)としては、例えば、芳香族ジカルボン酸成分(イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などのC〜C12アリールジカルボン酸など)、脂肪族ジカルボン酸成分(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC〜C10シクロアルキルジカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸など)、またそれらのエステル形成誘導体などが例示できる。好ましいジカルボン酸成分(コモノマー成分)には、芳香族ジカルボン酸成分(特にイソフタル酸などのC〜C10アリールジカルボン酸)、脂肪族ジカルボン酸成分(特にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC〜C12アルキルジカルボン酸が含まれる。
エチレングリコール以外のグリコール成分(コモノマー成分)としては、脂肪族ジオール成分〔例えば、アルキレングリコール(プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオールなどのC〜C10アルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリオキシC〜Cアルキレングリコールなど)、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどの脂環式ジオールなど〕、芳香族ジオール成分〔ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族アルコール、ビスフェノールAのC〜Cアルキレンオキサイド付加体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体など)など〕、またはそれらのエステル形成誘導体などが挙げられる。これらのグリコール成分も単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
好ましいグリコール成分(コモノマー成分)には、脂肪族ジオール成分(特にC〜Cアルキレングリコール、ジエチレングリコールなどのポリオキシC〜Cアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール)が含まれる。ホモPET樹脂及び共重合PET樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上混合して使用できる。
更に共重合PET樹脂のコモノマーユニットは、芳香族ジカルボン酸残基(特に少なくともC〜C10アルキレングリコール残基、ポリオキシC〜Cアルキレングリコール残基)から選択された少なくとも1種である。共重合PET樹脂には、イソフタル酸共重合PET樹脂(イソフタル酸変性PET樹脂)などが含まれる。
なお、PET樹脂としては、分岐PBT樹脂と同様に、芳香族多価カルボン酸成分及び/又はポリオール成分を用いて得られる分岐構造の熱可塑性PET樹脂も使用可能である。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物に含まれる熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)の含有量は(A)成分100質量部に対して20質量部から100質量部であることが好ましく、更に好ましくは30質量部から80質量部程度であることが好ましい。(B)成分が20質量部未満の場合、表面外観が改善されにくい傾向があり、また、(B)成分が100質量部を超える場合には、加水分解による劣化を起こしやすい傾向にある。
<(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体>
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体を含有する。上記(C)成分を含むことで、本発明の組成物を成形してなる樹脂成形体に十分な表面硬度を付与することができ、傷が付き難い樹脂成形体を得る事が出来る。
特に、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位の含有量が多いと、得られる成形体に対して表面硬度を付与しやすく、傷つき難い樹脂成形体を得る事が出来る。しかし、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位の含有量が多すぎると、得られる樹脂成形体を黄色に着色してしまう傾向にある。したがって、白色にする必要がある用途の場合には、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位の含有量を抑えるか、又は後述する通り酸化チタンを含有させる事で、白色であり且つ傷つき難い樹脂成形体を得る事が出来る。
アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位との共重合比(アクリロニトリル:スチレン)はモル比で5:5から7:3であることが好ましく、より好ましくは6:4から7:3である。アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位との共重合比(アクリロニトリル:スチレン)が上記範囲内にあれば、(A)成分との相溶性が良く、良好な外観を得ることができ、さらに表面硬度を向上させることが出来る。
傷つき難い表面硬度等の付与や黄色化抑制のために(C)成分は、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を更に含んでもよい。特にアクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位の合計量のモル比1に対して、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位の含有量がモル比で1未満であることが好ましい。メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位が、上記の共重合比で含まれることで、得られる樹脂成形体の表面硬度が向上し、より傷つき難い樹脂成形体を得る事ができるが、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し成分がモル比1以上で添加された場合、(A)成分との相溶性が低下し外観が悪化し陶器調とならない。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、30質量部から150質量部であることが好ましく、より好ましくは75質量部から150質量部である。(C)成分の含有量が150質量部を大きく超える場合陶器調の外観が得られず、靭性低下により、成形品の割れも発生しやすくなる。また少ない場合には表面硬度が改善されず鉛筆硬度F以上が達成されない。
<(D)無機充填材>
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物に含まれる無機充填材は、得られる成形体を陶器調にする為に必須の成分である。また、無機充填剤の種類は、成形体の表面硬度に対しても影響を与える。このため、無機充填剤のモース硬度は2.0以上であることが必要になる。なお、上記モース硬度の条件を満たすものであれば、無機充填剤は、目的に応じて繊維状、非繊維状(粉粒状、板状)等の各種充填剤が用いられる。
モース硬度とは、試料物質で標準物質を擦り、引掻き傷の有無で硬さを測定した値を指す。標準物質としては、硬度1が滑石、硬度2が石膏、硬度3が方解石、硬度4が蛍石、硬度5がリン灰石、硬度6が正長石、硬度7が水晶、硬度8が黄玉、硬度9がコランダム、硬度10がダイヤモンドである。無機充填剤のモース硬度が2.0以上であれば、本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を成形してなる成形体に対して充分な表面硬度を付与することができるため好ましい。
かかる充填剤のうち繊維状充填剤としては、ガラス繊維、異形ガラス、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
一方、粉粒状充填剤としては、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの如き金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
上記の無機充填剤は一種又は二種以上併用することができる。また、上記の無機充填剤の中では、カオリン、ウォラストナイト、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカが好ましい。
陶器調樹脂成形体は外観が白色調を求められる場合も多い。樹脂成形体を白色にする為には、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物中に酸化チタンや樹脂に使用される一般的な白色顔料、染料を用いて着色してもよい。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物中の(D)の含有量は(A)成分100質量部に対して、50質量部から250質量部であることが好ましく、さらに好ましくは70〜200質量部である。(D)成分により表面高度が向上するが含有量が250質量部を超える場合には表面が荒れ陶器調外観とならない。(D)成分の含有量が50質量部未満の場合には表面硬度が不足する場合がある。
<その他の成分>
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物には、本発明の効果を害さない範囲で、その他の樹脂、顔料、酸化防止剤、安定剤、滑剤、離型剤及び難燃剤等の添加剤を配合することができる。
酸化防止剤及び安定剤には、例えば、フェノール系(ヒンダートフェノール類など)、アミン系(ヒンダートアミン類など)、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤などがあげられる。
無機系安定剤としてはハイドロタルサイト、ゼオライト、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属カルボン酸塩(炭酸塩、有機カルボン酸塩など)、活性水素原子に対して反応性の官能基を有する化合物(反応性安定剤)などが挙げられる。
離型剤として、例えば高級脂肪酸と多価アルコールのエステルもしくは部分エステル、ポリオレフィンワックスなどが挙げられる。例えば、ペンタエリスリトールステアリン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、低分子量ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、アルコール系難燃剤、無機系難燃剤などが挙げられる。難燃化助剤として3酸化アンチモンや5酸化アンチモンのアンチモン系難燃助剤やメラミンシアヌレートなどのメラミン誘導体を併用しても良い。
また、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は熱水や水蒸気により加水分解を引き起こし樹脂劣化する場合がある。そこで反応性安定剤を添加しても良い。反応性安定剤により耐湿熱性、耐久性などを向上し加水分解による樹脂の劣化が抑えられる。
反応性安定剤としては、例えば、環状エーテル基、酸無水物基、イソシアネート基、オキサゾリン基(環)、オキサジン基(環)、カルボジイミド基等から選択された少なくとも一種の官能基を有する化合物が挙げられる。
環状エーテル基を有する化合物には、エポキシ基やオキセタン基を有する化合物などが含まれる。エポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどの脂環式化合物、パーサティック酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル化合物、グリシジルエーテル化合物(ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテルなど)、グリシジルアミン化合物、エポキシ基含有ビニル共重合体(例えば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ジエン系モノマースチレン共重合体など)、トリグリシジルイソシアヌレート、エポキシ変性(ポリ)オルガノシロキサンなどが挙げられる。
オキセタン基を有する化合物としては、例えば、イソフタル酸ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエステルやテレフタル酸ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエステルなどのオキセタニルエステル化合物、オキセタニルエーテル化合物{例えば、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルや3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなどのアルキルオキセタニル化合物、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタンなどのアリールオキセタニル化合物、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼンなどのアラルキルオキセタニルエーテル化合物、ビスフェノール−Aジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルなどのビスフェノール型オキセタン樹脂、モノ乃至ポリ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル化フェノールノボラックやモノ乃至ポリ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル化クレゾールノボラックなどのノボラック型オキセタン樹脂など}、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチルオキセタンなどのオキセタン変性(ポリ)オルガノシロキサン、及び前記オキセタニル単位を有する誘導体{例えば、[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル誘導体}に対応するアルキルオキセタニルメチル誘導体{例えば、[1−メチル(3−オキセタニル)]メチル誘導体}などが挙げられる。
オキサゾリン基を有する化合物としては、例えば、2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)や2,2′−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などのビスオキサゾリン化合物や、オキサゾリン基を有するビニル系樹脂(例えば、ビニルオキサゾリン変性スチレン系樹脂等)などが挙げられる。
オキサジン基を有する化合物としては、例えば、2,2′−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)などのビスオキサジン化合物などが挙げられる。
カルボジイミド基を有する化合物としては、例えば、ポリ(フェニルカルボジイミド)、ポリ(ナフチルカルボジイミド)などのポリアリールカルボジイミド、ポリ(2−メチルジフェニルカルボジイミド)、ポリ(2,6−ジエチルジフェニルカルボジイミド)、ポリ(2,6−ジイソプロピルジフェニルカルボジイミド)、ポリ(2,4,6−トリイソプロピルジフェニルカルボジイミド)、ポリ(2,4,6−トリt−ブチルジフェニルカルボジイミド)などのポリアルキルアリールカルボジイミド、ポリ[4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルフェニル)カルボジイミド]、ポリ[4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルフェニル)カルボジイミド]、ポリ[4,4′−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド]、ポリ[4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルシクロヘキシルフェニル)カルボジイミド]などのポリ[アルキレンビス(アルキル又はシクロアルキルアリール)カルボジイミド]などが挙げられる。
これらの反応性安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、これらの反応性安定剤の中でもエポキシ基を有する化合物、カルボジイミド基を有する化合物が好ましい。上記官能性安定剤を添加することにより、加水分解による樹脂の劣化が抑えられ、耐湿熱性、耐久性などを向上させることができる。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(A)成分から(D)成分を含有することを特徴とする。また、陶器のような外観樹脂成形体に付与すること、傷つき難い樹脂成形体を得る事等の効果を高める為には、特に(C)成分がアクリルニトリルに由来する繰返し単位、スチレンに由来する繰返し単位、メタクリル酸メチルに由来する繰返し単位を有すること、及び(D)成分にモース硬度2.0以上の無機充填材を含む必要がある。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、従来公知の成形方法により成形体とすることができ、例えば射出成形、射出圧縮成形、ガスアシスト法射出成形、押出成形、多層押出成形、回転成形、熱プレス成形、ブロー成形、発泡成形等の方法により、射出成形体、チューブ、シート、フィルム、パイプ、ボトル等に成形することができる。
<成形体>
本発明の成形体は、本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を上記の成形方法で成形してなることを特徴とする。本発明の成形体は、高い表面硬度、陶器に似た光沢等の特徴を有する。
本発明の成形体の表面硬度は、実施例に記載する方法で測定した鉛筆硬度がF以上であることが好ましい。成形体の表面硬度が鉛筆硬度F以上であれば、成形体は非常に傷がつき難い。
本発明の成形体は、表面光沢が90%以上から105%以下であることが好ましい。表面光沢が90%以下では表面がくすみ陶器のような外観が得られない。また105%以上の場合、鏡のように映りこんでしまい陶器調とはならない。
本発明の樹脂組成物を成形してなる成形体は、その優れた陶器のような質感、光沢に加え、充分な表面硬度を兼ね備えていることから、陶器調外観を有する成形体として使用することができる。具体的には、食器、洗面器具、植木鉢等の各種容器類、床材、壁材、洗面ボウル、浴槽、トイレ構成部材等の住宅機器類、及びテーブルトップ、額縁、人形等の装飾品類等の用途に使用することができるが、本用途に限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<材料>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂(樹脂A−1):ウィンテックポリマー社製 固有粘度0.69dL/g
(B)ポリエチレンテレフタレート樹脂(B−1):TRF(帝人ファイバー社製)
(C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位と、スチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体(C−1):(C−1)は、内容量80Lの完全混合型重合器にアクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチルモノマーのモル比が6:3:4(アクリロニトリル:スチレン比が66.7:33.3)、溶媒として単量体の合計量100質量部に対してエチルベンゼン35質量部の混合液を供給し、重合温度140〜160℃で、重合率が55〜60%になるように、平均滞留時間2.5時間で重合し、供給量と同量の重合体溶液を連続的に取り出して、脱気装置で真空下に未反応単量体と溶剤を回収して粉末の共重合体を得た。
下記の(C−2)〜(C−4)はメタクリル酸を用いず、アクリロニトリルとスチレンを用い、モル比が後述の比率となるように、同様の方法で共重合体を得た。
アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位との共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で6:4の共重合体(C−2)。
アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位との共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5の共重合体(C−3)。
アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位との共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で4:6の共重合体(C−4)。
ポリスチレン樹脂(C−5):HF77(PSジャパン社製)
ポリメチルメタクリレート(PMMA)(C−6):HT−121(アルケマ社製)
カオリン(D−1):TRANSLINK445(BASFcatalysts LLC社製)モース硬度6
ウォラストナイト(D−2):NYGLOS 8(NYCO社製)モース硬度3.5〜4.5
硫酸バリウム(D−3):バリエース B−55(堺化学工業社製)モース硬度2.5〜3.5
酸化チタン(D−4):TITONE SR−1(堺化学工業社製)モース硬度6〜8
マイカ(D−5):MICRON WHITE 500S(林化成社製)モース硬度1
各樹脂を表1、2に示す混合比率でドライブレンドし、30mmφのスクリューを有する2軸押出機(日本製鋼社製)を用いて、260℃で溶融混練した後ペレット化し実施例及び比較例のペレットを得た。
(押出条件)
押出機:TEX 30
CT :250℃
押出量:10kg/h
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、射出成形機(「EC40」東芝機械社製)を用い、下記成形条件で70mm×50mm×3mmの成形片を成形した。
(成形条件)
シリンダー温度 :260℃
金型温度 :90℃
<鉛筆硬度の評価>
成形片の表面硬度はJIS K−5400(塗料一般試験方法 6.14鉛筆引掻き試験)に基づき各種硬度の鉛筆を90度の角度で成形体表面に押しあて加重1kgで引掻きを与えたとき、傷が発生したときの鉛筆の硬さを引掻き硬度試験機(HA−301クレメンス型引掻き硬度試験機(テスター産業社製)を用いて測定した。測定結果を表1、2に示した。
<表面光沢の評価>
JIS Z8741に準拠に基づき、携帯光沢計(スガ試験機社製「HG−246」)を用いて、60°の入射角での光沢度を測定した。測定結果を表1、2に示した。
<外観評価>
成形片表面の陶器調の外観を有するか否かの判断を目視による観察にて行った。陶器調の外観を備えるものには「○」、備えないものには「×」と評価した。評価結果を表1、2に示した。
Figure 2010150484
Figure 2010150484
表1の結果から明らかなように、実施例の成形体は、充分な表面硬度、光沢、陶器調の外観を備えることが確認された。これに対して、比較例の成形体は、表面硬度、光沢、陶器調の外観のいずれかで求められる水準を満たさなかった。したがって、本発明の組成物を用いれば陶器調外観を有する成形体として、特に好ましいものになることが確認された。
実施例9、10、比較例5から明らかなように、アクリロニトリルに由来する繰り返し単位を多く含む共重合体を用いた方が、高い表面硬度が得られ、より傷がつき難い成形体になることが確認された。
実施例1、3から明らかなように、共重合体がメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を含むことで、得られる成形体の表面硬度が非常に高まり、さらに傷がつき難い成形体を得ることができる。

Claims (5)

  1. (A)熱可塑性ポリブチレンテレフタレート樹脂と、
    (B)熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂と、
    (C)アクリロニトリルに由来する繰り返し単位とスチレンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体であり、その共重合比(アクリロニトリル:スチレン)がモル比で5:5から7:3である共重合体と、
    (D)モース硬度が2.0以上の無機充填剤と、を含むポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. 前記(C)成分は、さらにメタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位を含む共重合体である請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して30質量部から150質量部である請求項1又は2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  4. 前記(D)成分は、カオリン、ウォラストナイト、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカからなる群より選択される少なくとも一種以上を含む請求項1から3のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を成形してなり、 鉛筆硬度がF以上である陶器調成形体。
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