JP2009030029A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高密度化したセラミック調の高級材質感を有するポリエステル樹脂組成物でありながら、柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)、耐加水分解性、成形性(滞留熱安定性)に優れたポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体を提供すること。
【解決手段】ポリエステル樹脂90〜20重量%と、平均粒径が30μm以下の珪酸ジルコニウム10〜80重量%とを含むポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステル樹脂90〜20重量%と、平均粒径が30μm以下の珪酸ジルコニウム10〜80重量%とを含むポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、無機フィラーを高充填し、高密度化したセラミック調の高級材質感を有する熱可塑性樹脂組成物でありながら、柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)、耐加水分解性、成形性(滞留熱安定性)に優れたポリエステル樹脂組成物に関するものである。
従来から食器類、キッチンシステム部材、浴槽、洗面化粧台、洗面ボール、床材等の住宅資材、室内装飾材、表示用資材、雑貨等の用途には、密度が高くセラミック調の外観を持つことにより、プラスチックでありながら重量感があり、なお且つ射出成形等により複雑な形状にも加工でき、大量生産が可能な樹脂組成物が知られている。
例えば、比重が高く人工大理石調の外観を有し、重量感ならびに高級材質感を示す樹脂組成物として、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化亜鉛、及び硫酸亜鉛からなる群より選ばれた無機充填材を添加した熱可塑性樹脂に対して、さらに石目模様材を添加した石目調外観を有する樹脂成形品を得るための樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
また、耐衝撃性に優れ、表面光沢の抑制された重厚な外観を有する成形体を与えることができる樹脂組成物として、ポリカーボネート、ポリアリレート、ならびにポリエチレンテレフタレート及び/又はポリブチレンテレフタレートからなる樹脂成分の合計量100重量部に対して、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化チタン、シリカ、ガラス粉末等の無機充填材20〜200重量部を配合してなる樹脂組成物も提案されている(特許文献2)が、何れの樹脂組成物も耐衝撃性、柔軟性、成形性、熱安定性が十分ではなく、実用性の低いものであった。
また、耐衝撃性に優れ、表面光沢の抑制された重厚な外観を有する成形体を与えることができる樹脂組成物として、ポリカーボネート、ポリアリレート、ならびにポリエチレンテレフタレート及び/又はポリブチレンテレフタレートからなる樹脂成分の合計量100重量部に対して、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化チタン、シリカ、ガラス粉末等の無機充填材20〜200重量部を配合してなる樹脂組成物も提案されている(特許文献2)が、何れの樹脂組成物も耐衝撃性、柔軟性、成形性、熱安定性が十分ではなく、実用性の低いものであった。
次に、セラミックと同様の性質を有する高度充填された稠密な熱可塑性ベースの組成物として、(a)ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体、ポリプロピレンテレフタレート及びその共重合体、ポリシクロヘキシルテレフタレート及びその共重合体、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、アセタール、SAN、SMA、ASA、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ABS、PVC、PFA、ECTFE、ETFE、PVDF及び液晶ポリマーから成る群から選ばれる樹脂及び(b)組成物全体の20乃至85重量%の、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム及びこれらの混合物から選ばれる充填材を含む熱可塑性成形用組成物が提案されている(特許文献3)。さらに、特許文献3には好適な組成物として、組成物全体の25乃至65重量%のポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド及びこれらの混合物から成る群から選ばれる樹脂、及び組成物全体の30乃至75重量%の酸化亜鉛と記載され(特許文献3の[0022〕)、実施例においては酸化亜鉛が使用されており、このような樹脂組成物は引張伸度や耐衝撃性等の柔軟性や外観が不十分である。また、本発明のようなポリエステル樹脂と珪酸ジルコニウムからなるポリエステル樹脂組成物に関する具体的な説明もない。
また次に、物品の表面特性、具体的には、清浄性が向上し得ると共に、傷付き傾向及び汚染傾向が低下し得る樹脂組成物として、(A)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルテレフタレート、ポリエーテルエステル、ポリエステルアミド、上述の樹脂のうちの何れかから成る共重合体、及び上述の樹脂又は共重合体のうちの2種以上から成る混合物から選択された樹脂と、(B)酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、及び上述の充填剤のうちの2種以上から成る混合物から選択された10〜85重量%の充填剤とを含む熱可塑性組成物であって、更に、(C)0.1〜4重量%のポリアルキレングリコール単独重合体又は共重合体を含む熱可塑性組成物が提案されている(特許文献4)。特許文献4には、好適な充填剤は硫酸バリウムであると記載され(特許文献4の〔0007〕)、実施例においては、硫酸バリウムを使用した例が記載されているが、このような樹脂組成物も引張伸度や耐衝撃性等の柔軟性や外観が不十分である。また、本発明のようなポリエステル樹脂と珪酸ジルコニウムからなるポリエステル樹脂組成物に関する具体的な説明もない。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、無機フィラーを高充填し、高密度化したセラミック調の高級材質感を有するポリエステル樹脂組成物でありながら、柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)、耐加水分解性、成形性(滞留熱安定性)にも優れたポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体を提供することにある。
上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル樹脂と特定粒径の珪酸ジルコニウムからなるポリエステル樹脂組成物が、セラミック調の高級材質感を有するポリエステル樹脂組成物でありながら、柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)、耐加水分解性、成形性(滞留熱安定性)に優れていることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、ポリエステル樹脂90〜20重量%と、平均粒径が30μm以下の珪酸ジルコニウム10〜80重量%とを含むポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体にある。
本発明により、高密度化したセラミック調の高級材質感を有するポリエステル樹脂組成物でありながら、柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)、耐加水分解性、成形性(滞留熱安定性)に優れたポリエステル樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる成形体が得られる。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本願明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
<ポリエステル樹脂>
本発明におけるポリエステル樹脂としては、ジオール成分とジカルボン酸成分とからなる構成単位を主構成単位とするポリエステルであれば、特に制限はない。具体的には、ポリエステル構成単位が、単一のジオール成分とジカルボン酸成分のみからなるポリエステル(以下、「ホモポリエステル」という。)、ポリエステル構成単位が複数種であるポリエステル(以下、「コポリエステル」という。)、複数のホモポリエステルの混合物、複数のコポリエステルの混合物、又は1種以上のホモポリエステルと1種以上のコポリエステルとの混合物(以下、「ポリエステルの混合物」という。)等が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロピレングリコール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、2,3−ブタンジオール、イソブチレングリコール(2−メチル−1,2−プロパンジオール)、ペンタメチレングリコール(1,5−ペンタンジオール)、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、ヘキサメチレングリコール(1,6−ヘキサンジオール)等のアルキレンジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2′−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。ポリエステル樹脂の製造には、上記ジカルボン酸又はその誘導体を使用する。ジカルボン酸の誘導体としては、上記ジカルボン酸の低級アルキル又はグリコールのエステル、酸ハライド、酸無水物等が挙げられる。
ホモポリエステルとしては、機械的特性、耐加水分解性、外観、成形性のバランスの点で、好ましくは、テトラメチレングリコールとテレフタル酸とからなるポリブチレンテレフタレート、エチレングリコールとテレフタル酸とからなるポリエチレンテレフタレート等が挙げられ、特に好ましくは、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂としては、ジオール成分とジカルボン酸成分とからなる構成単位を主構成単位とするポリエステルであれば、特に制限はない。具体的には、ポリエステル構成単位が、単一のジオール成分とジカルボン酸成分のみからなるポリエステル(以下、「ホモポリエステル」という。)、ポリエステル構成単位が複数種であるポリエステル(以下、「コポリエステル」という。)、複数のホモポリエステルの混合物、複数のコポリエステルの混合物、又は1種以上のホモポリエステルと1種以上のコポリエステルとの混合物(以下、「ポリエステルの混合物」という。)等が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロピレングリコール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、2,3−ブタンジオール、イソブチレングリコール(2−メチル−1,2−プロパンジオール)、ペンタメチレングリコール(1,5−ペンタンジオール)、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、ヘキサメチレングリコール(1,6−ヘキサンジオール)等のアルキレンジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2′−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。ポリエステル樹脂の製造には、上記ジカルボン酸又はその誘導体を使用する。ジカルボン酸の誘導体としては、上記ジカルボン酸の低級アルキル又はグリコールのエステル、酸ハライド、酸無水物等が挙げられる。
ホモポリエステルとしては、機械的特性、耐加水分解性、外観、成形性のバランスの点で、好ましくは、テトラメチレングリコールとテレフタル酸とからなるポリブチレンテレフタレート、エチレングリコールとテレフタル酸とからなるポリエチレンテレフタレート等が挙げられ、特に好ましくは、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
コポリエステルとしては、例えば、2種以上のジオールと1種以上のジカルボン酸又はその誘導体とから得られるコポリエステル;1種以上のジオールと、2種以上のジカルボン酸又はその誘導体とから得られるコポリエステル等が挙げられる。
コポリエステルの具体例としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等が挙げられる。
また、コポリエステルは、主構成単位であるジオール成分及びジカルボン酸成分のほかに、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸成分;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分を有していてもよい。
コポリエステルの具体例としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等が挙げられる。
また、コポリエステルは、主構成単位であるジオール成分及びジカルボン酸成分のほかに、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸成分;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分を有していてもよい。
ポリエステルの混合物としては、例えば、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート以外のホモポリエステルとの混合物、ポリブチレンテレフタレートとコポリエステルとの混合物等が挙げられる。機械的特性、耐加水分解性、外観、成形性のバランスの点で、好ましくは、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとの混合物、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート/イソフタレートとの混合物等が挙げられる。
ポリエステルの混合物における、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート重量比は、好ましくは90〜50/10〜50であり、より好ましくは80〜60/20〜40である。ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート/イソフタレートの重量比は、好ましくは90〜50/10〜50であり、より好ましくは80〜60/20〜40である。ポリブチレンテレフタレートの割合が90重量%を超えると成形品外観が低下しやすく、50重量%未満であると耐熱性や滞留熱安定性が低下しやすい。
ポリエステル樹脂の固有粘度〔η〕は、フェノールとテトラクロロエタンの1:1(重量比)の溶媒中、30℃の温度で測定された値で、好ましくは、0.5〜3.0dl/g、より好ましくは、0.5〜1.5dl/gである。固有粘度を0.5dl/g以上とすることにより、機械的特性をより優れたものとすることができ、3.0dl/g以下とすることにより、流動性を保ち、成形加工がより容易になる。また、2種以上の固有粘度の異なるポリエステル樹脂を併用し、上記範囲内の固有粘度としてもよい。ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は、好ましくは、0.6〜1.4dl/gであり、ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、好ましくは、0.6〜1.0dl/gであり、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレートの固有粘度は、好ましくは、0.8〜1.3dl/gである。
<珪酸ジルコニウム>
本発明における珪酸ジルコニウム(ZrO2・SiO2)としては、例えば、キンセイマテック(株)よりジルコンフラワー及びA−PAXの商品名で販売されているものが使用できる。珪酸ジルコニウムとしては、好ましくは真比重4.2〜4.8、より好ましくは4.5〜4.8、硬度7.5であり、組成比は、ZrO2 63.5〜68重量%、SiO2 31.5〜36重量%、Fe2O30.3重量%未満、Al2O3 3重量%未満である。ポリエステル樹脂組成物の滞留熱安定性の点から、より好ましい組成比は、ZrO2 64〜67重量%、SiO2 32〜35重量%、Fe2O30.2重量%未満、Al2O3 2.5重量%未満であり、さらに好ましい組成比は、ZrO2 64〜67重量%、SiO2 32〜34重量%、Fe2O30.10重量%未満、Al2O3 2.0重量%未満である。
本発明における珪酸ジルコニウムの平均粒径は、ポリエステル樹脂組成物の柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)の点から30μm以下であり、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは2μm以下である。また、珪酸ジルコニウムは、例えば、平均粒径が1μmである場合は、実質的に10μm以上の粒子を含まないものであることが好ましく、平均粒径が5μmである場合は、実質的に30μm以上の粒子を含まないものであることが好ましい。なお、本発明における珪酸ジルコニウムの平均粒径とは、セディグラフ(X線透過式粒度分布測定装置)を用いて測定して得られた粒度分布において、積算重量分布が50%となる粒径を言う。セディグラフは、沈降中の懸濁液にX線ビームを照射し、そのX線透過量から粒度分布を測定する装置である。
本発明における珪酸ジルコニウム(ZrO2・SiO2)としては、例えば、キンセイマテック(株)よりジルコンフラワー及びA−PAXの商品名で販売されているものが使用できる。珪酸ジルコニウムとしては、好ましくは真比重4.2〜4.8、より好ましくは4.5〜4.8、硬度7.5であり、組成比は、ZrO2 63.5〜68重量%、SiO2 31.5〜36重量%、Fe2O30.3重量%未満、Al2O3 3重量%未満である。ポリエステル樹脂組成物の滞留熱安定性の点から、より好ましい組成比は、ZrO2 64〜67重量%、SiO2 32〜35重量%、Fe2O30.2重量%未満、Al2O3 2.5重量%未満であり、さらに好ましい組成比は、ZrO2 64〜67重量%、SiO2 32〜34重量%、Fe2O30.10重量%未満、Al2O3 2.0重量%未満である。
本発明における珪酸ジルコニウムの平均粒径は、ポリエステル樹脂組成物の柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)の点から30μm以下であり、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは2μm以下である。また、珪酸ジルコニウムは、例えば、平均粒径が1μmである場合は、実質的に10μm以上の粒子を含まないものであることが好ましく、平均粒径が5μmである場合は、実質的に30μm以上の粒子を含まないものであることが好ましい。なお、本発明における珪酸ジルコニウムの平均粒径とは、セディグラフ(X線透過式粒度分布測定装置)を用いて測定して得られた粒度分布において、積算重量分布が50%となる粒径を言う。セディグラフは、沈降中の懸濁液にX線ビームを照射し、そのX線透過量から粒度分布を測定する装置である。
本発明における珪酸ジルコニウムは、シランカップリング剤で表面処理してもよい。シランカップリング剤としては、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等が挙げられる。これらの中では、アミノシラン系が好ましい。アミノシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。表面処理剤中のシランカップリング剤の含有量は、0.1〜8重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
珪酸ジルコニウムに用いられる表面処理剤には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、上記シランカップリング剤以外の成分、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、帯電防止剤、潤滑剤及び撥水剤等を含めることができる。
表面処理剤での処理方法としては、例えば、特開2001−172055号公報、特開昭53−106749号公報等に記載の方法のように、表面処理剤により予め表面処理しておくこともできるし、本発明のポリエステル樹脂組成物調製の際に、未処理の珪酸ジルコニウムとは別に、表面処理剤を添加して表面処理することもできる。
表面処理剤での処理方法としては、例えば、特開2001−172055号公報、特開昭53−106749号公報等に記載の方法のように、表面処理剤により予め表面処理しておくこともできるし、本発明のポリエステル樹脂組成物調製の際に、未処理の珪酸ジルコニウムとは別に、表面処理剤を添加して表面処理することもできる。
本発明におけるポリエステル樹脂と珪酸ジルコニウムの配合率は、ポリエステル樹脂90〜20重量%/珪酸ジルコニウム10〜80重量%であり、好ましくはポリエステル樹脂70〜30重量%/珪酸ジルコニウム30〜70重量%である。珪酸ジルコニウムが10重量%未満では、セラミック調の高級材質感を有するポリエステル樹脂組成物が得られず、80重量%を超えると耐衝撃性や流動性が低下する。
<エポキシ化合物>
本発明においては、ポリエステル樹脂組成物の引張強度等の機械的強度や耐加水分解性を向上させる目的で、エポキシ化合物を配合してもよい。エポキシ化合物は、特に定めるものではなく、単官能性、二官能性又は多官能性の何れでも、さらに、これらの2種以上の混合物でもよい。特に、二官能性以上のエポキシ化合物、すなわち、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。また、エポキシ当量は100〜5000g/eqのものが好ましく、150〜2000g/eqのものがさらに好ましい。
本発明においては、ポリエステル樹脂組成物の引張強度等の機械的強度や耐加水分解性を向上させる目的で、エポキシ化合物を配合してもよい。エポキシ化合物は、特に定めるものではなく、単官能性、二官能性又は多官能性の何れでも、さらに、これらの2種以上の混合物でもよい。特に、二官能性以上のエポキシ化合物、すなわち、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。また、エポキシ当量は100〜5000g/eqのものが好ましく、150〜2000g/eqのものがさらに好ましい。
本発明におけるエポキシ化合物としては、グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、グリシジルエステル、ジグリシジルエステル、脂環式ジエポキシ化合物、グリシジルイミド化合物、ノボラック型エポキシ化合物が好ましい例として挙げられる。
グリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル及びアリルグリシジルエーテルが好ましい。
ジグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジルエステルとしては、安息香酸グリシジルエステル及びソルビン酸グリシジルエステルが好ましい。
ジグリシジルエステルとしては、アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル及びオルトフタル酸ジグリシジルエステル等が好ましい。
脂環式ジエポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましい。
グリシジルイミド化合物は、N−グリシジルフタルイミドが好ましい。
ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物が好ましい。
グリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル及びアリルグリシジルエーテルが好ましい。
ジグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジルエステルとしては、安息香酸グリシジルエステル及びソルビン酸グリシジルエステルが好ましい。
ジグリシジルエステルとしては、アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル及びオルトフタル酸ジグリシジルエステル等が好ましい。
脂環式ジエポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましい。
グリシジルイミド化合物は、N−グリシジルフタルイミドが好ましい。
ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物が好ましい。
これらの中でも、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応から得られるグリシジルエーテル化合物、特に、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フェノールノボラックとエピクロロヒドリンとの反応によって得られる多官能のエポキシ化合物であるフェノールノボラック型エポキシ化合物、o−クレゾールとエピクロロヒドリンとの反応によって得られる多官能のエポキシ化合物であるクレゾールノボラック型エポキシ化合物が好ましく用いられる。
本発明で用いるエポキシ化合物は、ポリアルキレンテレフタレートと反応することによって、本発明のポリエステル樹脂組成物の引張強度等の機械的特性や耐加水分解性を向上させることができる。
エポキシ化合物の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜7重量部である。エポキシ化合物の配合量を0.01重量部以上とすることにより、ポリエステル樹脂組成物の機械的強度や耐加水分解性をより効果的に向上させることができ、10重量部以下とすることにより、樹脂混練、成形時等の樹脂溶融時に加水分解を促進し、引張強度等の機械的特性や耐衝撃性が低下するのをより抑制する傾向にあり好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、ポリエステル樹脂および珪酸ジルコニウム以外の成分を含んでいてもよい。
<着色剤>
本発明のポリエステル樹脂組成物には、染料、顔料等の着色剤を配合してもよい。
染料としては、アントラキノン系、インジゴイド系、ペリレン系、ペリノン系、アゾ系、メチン系、フタロシアニン系等の油溶性染料や分散染料を好ましく用いることができる。顔料としては、無機顔料と有機顔料のいずれも好ましく用いることができる。無機顔料には、酸化物、硫化物、硫酸塩、カーボンブラック等を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系等を挙げることができる。
着色剤の配合量は、ポリアルキレンテレフタレート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部である。
<着色剤>
本発明のポリエステル樹脂組成物には、染料、顔料等の着色剤を配合してもよい。
染料としては、アントラキノン系、インジゴイド系、ペリレン系、ペリノン系、アゾ系、メチン系、フタロシアニン系等の油溶性染料や分散染料を好ましく用いることができる。顔料としては、無機顔料と有機顔料のいずれも好ましく用いることができる。無機顔料には、酸化物、硫化物、硫酸塩、カーボンブラック等を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系等を挙げることができる。
着色剤の配合量は、ポリアルキレンテレフタレート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部である。
<その他の添加剤>
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、触媒失活剤、結晶核剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、ポリエステル樹脂の重合途中又は重合後に添加することができる。さらに、ポリエステル樹脂に所望の性能を付与するため、紫外線吸収剤、耐候安定剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤、珪酸ジルコニウム以外の無機充填剤等を配合してもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、触媒失活剤、結晶核剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、ポリエステル樹脂の重合途中又は重合後に添加することができる。さらに、ポリエステル樹脂に所望の性能を付与するため、紫外線吸収剤、耐候安定剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤、珪酸ジルコニウム以外の無機充填剤等を配合してもよい。
酸化防止剤は、本発明のポリエステル樹脂組成物の耐熱老化性をより効果的に改良し、色調、引張強度、伸度等の保持率をより向上させる効果を有する。該酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、及びリン系酸化防止剤より選ばれる1種以上の酸化防止剤を配合することが好ましい。
酸化防止剤の配合量は、合計配合量がポリエステル樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜2重量部であり、より好ましくは0.03〜1.5重量部である。
酸化防止剤の配合量は、合計配合量がポリエステル樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜2重量部であり、より好ましくは0.03〜1.5重量部である。
フェノール系酸化防止剤とは、フェノール性ヒドロキシル基を有する酸化防止剤をいい、なかでも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、フェノール性ヒドロキシル基が結合した芳香環の炭素原子に隣接する1個又は2個の炭素原子が、炭素原子数4以上の置換基により置換されている酸化防止剤をいう。炭素原子数4以上の置換基は、芳香環の炭素原子と炭素−炭素結合により結合していてもよく、炭素以外の原子を介して結合していてもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、p−シクロヘキシルフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の非ヒンダードフェノール系酸化防止剤、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、スチレン化フェノール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2'−メチレンビス[4−メチル−6−(1,3,5−トリメチルヘキシル)フェノール]、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス[2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル]ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル]ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、チオビス(β−ナフトール)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、それ自体安定ラジカルとなり易いためにラジカルトラップ剤として好適に使用することができる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量は、通常200以上、好ましくは500以上であり、その上限は通常3000である。
特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、それ自体安定ラジカルとなり易いためにラジカルトラップ剤として好適に使用することができる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の分子量は、通常200以上、好ましくは500以上であり、その上限は通常3000である。
本発明におけるイオウ系酸化防止剤とは、イオウ原子を有する酸化防止剤をいい、例えば、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、トリラウリルトリチオホスファイト等が挙げられる。特に、チオエーテル構造を有するチオエーテル系酸化防止剤は、酸化された物質から酸素を受け取って還元するため、好適に使用することができる。
イオウ系酸化防止剤の分子量は、通常200以上、好ましくは500以上であり、その上限は通常3000である。
イオウ系酸化防止剤の分子量は、通常200以上、好ましくは500以上であり、その上限は通常3000である。
本発明におけるリン系酸化防止剤とは、リン原子を有する酸化防止剤をいい、P(OR)3構造を有する酸化防止剤であることが好ましい。ここで、Rは、アルキル基、アルキレン基、アリール基、アリーレン基等であり、3個のRは同一でも異なっていてもよく、任意の2個のRが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物において、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜1.5重量部であり、より好ましくは0.03〜1重量部である。酸化防止剤の配合量を0.001重量部以上とすることにより、酸化防止効果がより良好に発揮され、酸化防止剤の配合量を1.5重量部以下とすることにより、酸化熱安定性が悪化するのをより抑止するとともに、溶融混練時の樹脂の分解をより起こりにくくすることが可能になる。
難燃剤としては、特に制限されず、例えば、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、その他の有機難燃剤、無機難燃剤等が挙げられる。有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダが挙げられる。リン化合物としては、例えば、リン酸エステル、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等が挙げられる。その他の有機難燃剤としては、例えば、メラミン、シアヌル酸等の窒素
化合物が挙げられる。その他の無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物が挙げられる。
これらの難燃剤の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。難燃剤の配合量を0.1重量部以上とすることにより、難燃性をより効果的に発現することができ、50重量部以下にすることにより、物性、特に機械的強度をより高く保つことができる。
化合物が挙げられる。その他の無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物が挙げられる。
これらの難燃剤の配合量は、ポリエステル樹脂100重量部に対し、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。難燃剤の配合量を0.1重量部以上とすることにより、難燃性をより効果的に発現することができ、50重量部以下にすることにより、物性、特に機械的強度をより高く保つことができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂の一部として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等のポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を配合することができる。これらの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹
脂は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの樹脂の配合量は、ポリエステル樹脂中の50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下がより好ましい。
脂は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの樹脂の配合量は、ポリエステル樹脂中の50重量%以下であることが好ましく、45重量%以下がより好ましい。
前記の種々の添加剤や樹脂の配合方法は、特に制限されないが、ベント口から脱揮できる設備を有する1軸又は2軸の押出機を混練機として使用する方法が好ましい。各成分は、付加的成分を含めて、混練機に一括して供給してもよいし、順次供給してもよい。また、付加的成分を含めて、各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合、混練しておいてもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物を用いた成形品の製造方法は、特に制限されず、熱可塑性樹脂について一般に使用されている成形法、すなわち、射出成形、中空成形、押出成形、プレス成形等の成形法を適用することができる。この場合、特に好ましい成形方法は、流動性の良さから、射出成形である。射出成形に当たっては、樹脂温度を240〜280℃にコントロールするのが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(評価方法)
1)比重
後記シャルピー衝撃試験用ISO試験片について、電子比重計(島津製作所社製、商品名AW320−SGM)で測定した。
2)引張試験
ISO 527規格に準拠し、後記引張試験用ISO試験片について、引張試験機(東洋精機製作所社製、商品名ストログラフ APII)で、引張強度及び引張伸度を測定した。
3)耐加水分解性
後記引張試験用ISO試験片を、温度121℃の飽和水蒸気中、圧力203kPaで40時間湿熱処理した。処理前後のISO試験片について、ISO 527規格に準拠し引張強度を測定し、次式に従い、引張強度保持率を求めた。 引張強度保持率(%)=(処理後の引張強度/処理前の引張強度)×100
4)シャルピー衝撃試験
ISO 179規格に準拠し、後記シャルピー衝撃試験用ISO試験片について、ノッチ加工を施し、シャルピー衝撃試験器機(東洋精機製作所社製)を用い、0.5Jの振り子容量で23℃雰囲気下、シャルピー衝撃強度を測定した。
5)成形品外観
後記引張試験用ISO試験片の表面外観を目視観察し、次の3段階で評価した。
○:つやがある △:つやがすくない ×:つやがない
6)滞留熱安定性
下記の試験片成形条件:
シリンダー温度 250℃
金型温度 80℃
成形サイクル 5分で、後記引張試験用ISO試験片を成形し、試験片の表面外観を目視観察し、次の3段階で評価した。
○:変色及びシルバーの発生なし △:変色又はシルバーが僅かに発生
×:変色又はシルバーが顕著に発生
(評価方法)
1)比重
後記シャルピー衝撃試験用ISO試験片について、電子比重計(島津製作所社製、商品名AW320−SGM)で測定した。
2)引張試験
ISO 527規格に準拠し、後記引張試験用ISO試験片について、引張試験機(東洋精機製作所社製、商品名ストログラフ APII)で、引張強度及び引張伸度を測定した。
3)耐加水分解性
後記引張試験用ISO試験片を、温度121℃の飽和水蒸気中、圧力203kPaで40時間湿熱処理した。処理前後のISO試験片について、ISO 527規格に準拠し引張強度を測定し、次式に従い、引張強度保持率を求めた。 引張強度保持率(%)=(処理後の引張強度/処理前の引張強度)×100
4)シャルピー衝撃試験
ISO 179規格に準拠し、後記シャルピー衝撃試験用ISO試験片について、ノッチ加工を施し、シャルピー衝撃試験器機(東洋精機製作所社製)を用い、0.5Jの振り子容量で23℃雰囲気下、シャルピー衝撃強度を測定した。
5)成形品外観
後記引張試験用ISO試験片の表面外観を目視観察し、次の3段階で評価した。
○:つやがある △:つやがすくない ×:つやがない
6)滞留熱安定性
下記の試験片成形条件:
シリンダー温度 250℃
金型温度 80℃
成形サイクル 5分で、後記引張試験用ISO試験片を成形し、試験片の表面外観を目視観察し、次の3段階で評価した。
○:変色及びシルバーの発生なし △:変色又はシルバーが僅かに発生
×:変色又はシルバーが顕著に発生
(熱可塑性樹脂組成物の原材料)
1) ポリエステル樹脂
PBT: ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ノバデユラン(登録商標)5008)、固有粘度0.85dl/g(以下、「PBT」と略記)。
PET: ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学(株)製、商品名:ノバペックス(登録商標)GS385)、固有粘度0.65dl/g(以下、「PET」と略記)。
2) 珪酸ジルコニウム
フィラー−1: 珪酸ジルコニウム(キンセイマテック社製、商品名:A−PAX/45M)、平均粒径 1.15±0.15μm(以下、「フィラー−1」と略記することがある)。
フィラー−2: 珪酸ジルコニウム(キンセイマテック社製、商品名:ジルコンフラワー#600)、平均粒径5±0.5μm(以下、「フィラー−2」と略記することがある)。
フィラー−3: 珪酸ジルコニウム(第一稀元素社製、商品名:MZ50B)、平均粒径24μm(以下、「フィラー−3」と略記することがある)。
3) 無機フィラー
フィラー−4: タルク(日本タルク社製、商品名:SG2000)、平均粒径1.0μm(以下、「フィラー−4」と略記することがある)。
フィラー−5: ガラスフレーク(日本板硝子社製、商品名:REFG015A)、平均
粒径1.5μm(以下、「フィラー−5」と略記することがある)。
フィラー−6: 硫酸バリウム(堺化学工業社製、商品名:B54)、平均粒径1.2μm(以下、「フィラー−6」と略記することがある)。
4) エポキシ化合物
o−クレゾールノボラック型エポキシ化合物(東都化成社製、商品名:YDCN−704)、エポキシ当量195〜220g/eq(以下、「エポキシ化合物」と略記)。
5) 安定剤
ヒンダードフェノール系安定剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1010)(以下、「安定剤」と略記)
1) ポリエステル樹脂
PBT: ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ノバデユラン(登録商標)5008)、固有粘度0.85dl/g(以下、「PBT」と略記)。
PET: ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学(株)製、商品名:ノバペックス(登録商標)GS385)、固有粘度0.65dl/g(以下、「PET」と略記)。
2) 珪酸ジルコニウム
フィラー−1: 珪酸ジルコニウム(キンセイマテック社製、商品名:A−PAX/45M)、平均粒径 1.15±0.15μm(以下、「フィラー−1」と略記することがある)。
フィラー−2: 珪酸ジルコニウム(キンセイマテック社製、商品名:ジルコンフラワー#600)、平均粒径5±0.5μm(以下、「フィラー−2」と略記することがある)。
フィラー−3: 珪酸ジルコニウム(第一稀元素社製、商品名:MZ50B)、平均粒径24μm(以下、「フィラー−3」と略記することがある)。
3) 無機フィラー
フィラー−4: タルク(日本タルク社製、商品名:SG2000)、平均粒径1.0μm(以下、「フィラー−4」と略記することがある)。
フィラー−5: ガラスフレーク(日本板硝子社製、商品名:REFG015A)、平均
粒径1.5μm(以下、「フィラー−5」と略記することがある)。
フィラー−6: 硫酸バリウム(堺化学工業社製、商品名:B54)、平均粒径1.2μm(以下、「フィラー−6」と略記することがある)。
4) エポキシ化合物
o−クレゾールノボラック型エポキシ化合物(東都化成社製、商品名:YDCN−704)、エポキシ当量195〜220g/eq(以下、「エポキシ化合物」と略記)。
5) 安定剤
ヒンダードフェノール系安定剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1010)(以下、「安定剤」と略記)
(樹脂組成物の調製)
表−1に示す重量比で原料を秤量し、タンブラーミキサーによって20分混合して混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX30C 、L/D=30、バレル数9)を使用して、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm条件下、バレル1より押出機にフィードし溶融・混練することによって樹脂組成物のペレットを作成した。
表−1に示す重量比で原料を秤量し、タンブラーミキサーによって20分混合して混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX30C 、L/D=30、バレル数9)を使用して、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数200rpm条件下、バレル1より押出機にフィードし溶融・混練することによって樹脂組成物のペレットを作成した。
(評価用試験片の成形)
得られた樹脂組成物ペレットを、温度120℃に設定した熱風乾燥機内に6時間以上静置して乾燥し、射出成形機(住友重機械工業社製、型式:SG75 SYCAP−MIII)のホッパーに投入して、シリンダー温度250℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒の条件下、上記1)〜6)評価用のISO試験片を成形した。
得られた樹脂組成物ペレットを、温度120℃に設定した熱風乾燥機内に6時間以上静置して乾燥し、射出成形機(住友重機械工業社製、型式:SG75 SYCAP−MIII)のホッパーに投入して、シリンダー温度250℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒の条件下、上記1)〜6)評価用のISO試験片を成形した。
(実施例−1〜実施例−7、比較例−1〜比較例−6)
上記した方法で得られた試験片を評価し、評価結果を表1に示した。
上記した方法で得られた試験片を評価し、評価結果を表1に示した。
表1より次のことが明らかになる。
1. 実施例−1〜7の結果から、本発明のポリエステル樹脂組成物は、比重が高く、かつ、優れた引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観及び成形性を有していることが分かる。
2. フィラーとして珪酸ジルコニウムを50重量%配合した本発明の実施例−2は、珪酸ジルコニウムの代わりに平均粒径が同程度のタルクを配合した比較例−1に比べ、高比重であり、かつ引張特性(引張強度、引張伸度)、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の全ての点で優れている。さらに、実施例−2にエポキシ化合物を配合した実施例−4は、引張特性、耐加水分解性、耐衝撃性の点で実施例−2より優れている。特に、耐加水分解性の改善効果は大きい。
3. 珪酸ジルコニウムを50重量%配合した本発明の実施例−4及び実施例−5は、珪酸ジルコニウムの代わりにタルク、ガラスフレークを配合した比較例−2と比較例−3に比べ、比重が高く、引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の全ての点で優れている。
また、珪酸ジルコニウムの代わりに硫酸バリウムを配合した比較例−4と比べても、実施例−4及び実施例−5の方が、引張特性、耐加水分解性、耐衝撃性、成形品外観、成形性のバランスの点で優れている。
4. フィラーの配合量を30重量%にした場合も、珪酸ジルコニウムを配合した実施例−6がタルクを配合した比較例−5よりも高比重であり、引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の点でも優れている。
5. ポリエステル樹脂をPBTからPETに代えた場合も、珪酸ジルコニウムを配合した実施例−7がタルクを配合した比較例−6より引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の全ての点で優れている。
1. 実施例−1〜7の結果から、本発明のポリエステル樹脂組成物は、比重が高く、かつ、優れた引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観及び成形性を有していることが分かる。
2. フィラーとして珪酸ジルコニウムを50重量%配合した本発明の実施例−2は、珪酸ジルコニウムの代わりに平均粒径が同程度のタルクを配合した比較例−1に比べ、高比重であり、かつ引張特性(引張強度、引張伸度)、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の全ての点で優れている。さらに、実施例−2にエポキシ化合物を配合した実施例−4は、引張特性、耐加水分解性、耐衝撃性の点で実施例−2より優れている。特に、耐加水分解性の改善効果は大きい。
3. 珪酸ジルコニウムを50重量%配合した本発明の実施例−4及び実施例−5は、珪酸ジルコニウムの代わりにタルク、ガラスフレークを配合した比較例−2と比較例−3に比べ、比重が高く、引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の全ての点で優れている。
また、珪酸ジルコニウムの代わりに硫酸バリウムを配合した比較例−4と比べても、実施例−4及び実施例−5の方が、引張特性、耐加水分解性、耐衝撃性、成形品外観、成形性のバランスの点で優れている。
4. フィラーの配合量を30重量%にした場合も、珪酸ジルコニウムを配合した実施例−6がタルクを配合した比較例−5よりも高比重であり、引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の点でも優れている。
5. ポリエステル樹脂をPBTからPETに代えた場合も、珪酸ジルコニウムを配合した実施例−7がタルクを配合した比較例−6より引張特性、耐加水分解性(引張強度保持率)、耐衝撃性、成形品外観、成形性の全ての点で優れている。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、高密度化したセラミック調の高級材質感を有する熱可塑性樹脂組成物でありながら、柔軟性(引張伸度及び耐衝撃性)、成形品外観(表面光沢)、耐加水分解性、成形性(滞留熱安定性)に優れているため、食器類等の各種容器類、キッチンシステム部品、浴槽、洗面化粧台、洗面ボール等のサニタリー部品、床材や壁材等の住宅資材、室内装飾材、表示用資材、雑貨等のセラミック調の外観を有する部材に好適である。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂90〜20重量%と、平均粒径が30μm以下の珪酸ジルコニウム10〜80重量%とを含むポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂90〜20重量%と、平均粒径が10μm以下の珪酸ジルコニウム10〜80重量%とを含むポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂90〜20重量%と、平均粒径が2μm以下の珪酸ジルコニウム10〜80重量%とを含むポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂70〜30重量%と、珪酸ジルコニウム30〜70重量%とを含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートである請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂100重量部に対して、エポキシ化合物を0.01〜10重量部配合してなる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物からなる成形体。
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